JP4492420B2 - エンジンフード構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンフード構造に関し、詳しくは、オイルフィラーキャップの閉め忘れまたは緩みによるオイル注入口からのオイルの飛散を防止する対策に係わる。
一般に、エンジンのシリンダヘッドカバーの上面には、上向きに開口するオイル注入口が設けられ、このオイル注入口は、オイルフィラーキャップによって開閉可能に閉塞されている。
ところで、オイルフィラーキャップによるオイル注入口の閉塞は、オイル注入口に設けられたねじ部に対しオイルフィラーキャップに設けられたねじ部を螺合させて締め付けることにより行われている。
その場合、車両走行時のエンジン振動や走行振動などによってオイルフィラーキャップに緩みが生じ、オイル注入口からオイルフィラーキャップが不測に抜け外れてしまうことがある。
そこで、従来より、オイルフィラーキャップに下方へ延びる可撓性のある延設部を一体に設けるとともに、その延設部の下端に外方へ向かって突出する爪部を形成し、オイルフィラーキャップの雄ねじ部がオイル注入口の雌ねじ部から外れても、延設部の爪部がオイル注入口に引っ掛かって抜け外れないようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−74553号公報
ところが、上記従来のものでは、エンジン運転時にオイルフィラーキャップがオイル注入口から抜け外れないものの、オイルフィラーキャップに緩みが生じることは否めず、オイルフィラーキャップの緩みに乗じてオイル注入口からオイルが飛散し、エンジンルーム内を汚損してしまうことになる。
このような事態は、オイルを交換した際に、作業者がオイルフィラーキャップを閉め忘れたり、オイルフィラーキャップの締め方が弱かったり、また、オイルフィラーキャップの経年劣化によるシール不良などの発生によっても起こることが考えられ、オイル注入口からのオイルの飛散によるエンジンルーム内の汚損を確実に防止し得る対策が切望されていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイル注入口からのオイルの飛散によるエンジンルーム内の汚損を確実に防止することができるエンジンフード構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンのシリンダヘッドカバーの上面には、上向きに開口するオイル注入口を設け、このオイル注入口を、オイルフィラーキャップによって開閉可能に閉塞させており、上記オイルフィラーキャップと対向するエンジンフード裏面の対向位置に、エンジンフード閉塞時にそのエンジンフード下面側においてオイル注入口をオイルフィラーキャップごと上方および周囲から囲んで密閉状態に保持してオイ
ル注入口からエンジンルーム内へのオイルの飛散を防止するオイル飛散防止部材を設けている。
この特定事項により、オイルを交換した際に、作業者がオイルフィラーキャップを閉め忘れたり、オイルフィラーキャップの締め方が弱かったり、また、オイルフィラーキャップの経年劣化によるシール不良などの発生によって、オイル注入口からオイルが飛散しようとしても、エンジンフード閉塞時にそのエンジンフードの下面側においてオイル注入口をオイルフィラーキャップごと密閉状態に保持するオイル飛散防止部材によってオイル注入口からエンジンルーム内へのオイルの飛散が遮断され、オイル注入口からのオイルの飛散によるエンジンルーム内の汚損を確実に防止することが可能となる。
特に、オイル飛散防止部材を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、エンジンフード裏面に取り付けたフードインナのオイルフィラーキャップと対向する部位にオイル飛散防止部材を設けている。
この特定事項により、フードインナを有効利用してオイル飛散防止部材が設けられ、フードインナ自身の弾性力によってオイル注入口からエンジンルーム内へ飛散するオイルをオイル飛散防止部材によってより効果的に遮断してエンジンルーム内の汚損を確実に防止することが可能となる上、オイル飛散防止部材を別途設ける必要がなくなって部品点数の削減化を図ることも可能となる。
以上、要するに、オイルフィラーキャップと対向するエンジンフード裏面の対向位置に、エンジンフード閉塞時にオイル注入口をオイルフィラーキャップごと上方および周囲から囲んで密閉状態に保持するオイル飛散防止部材を設けることで、オイルフィラーキャップの閉め忘れまたは緩みもしくはシール不良によるオイル注入口からエンジンルーム内へのオイルの飛散を効果的に遮断し、オイル注入口からのオイルの飛散によるエンジンルーム内の汚損を防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1に係わるエンジンフード構造を用いたエンジンルームEの斜視図、図2はエンジンルームEの断面図、図3はシリンダヘッドカバーのオイル注入口付近の断面図を示し、1はクランクシャフト(図示せず)を車幅方向に延ばして配置された横置きタイプのエンジンであって、このエンジン1のシリンダヘッドカバー11の上面右側端位置には、上向きに開口するオイル注入口2が設けられている。このオイル注入口2は、合成樹脂製のオイルフィラーキャップ3によってシリンダヘッドカバー11の上方から開閉可能に閉塞されている。オイルフィラーキャップ3は、円板形状の蓋部31と、この蓋部31の上面に一体的に設けられた把持部32と、上記蓋部31の裏面に一体的に設けられ、閉塞時にオイル注入口2内に挿入される筒状部33と、この筒状部33の基端(蓋部31の下面)に取り付けられたゴム製のシール材35とを備えている。この筒状部33は、蓋部31よりも小径に形成されている。また、オイル注入口2は、下方に延びる内径部21を有し、この内径部21に雌ねじ部22が形成されている。そして、オイルフィラーキャップ3の筒状部33には、オイル注入口2(内径部21)の雌ねじ部22に螺合する雄ねじ部34が形成されており、オイルフィラーキャップ3(筒状部33)の雄ねじ部34をオイル注入口2の雌ねじ部22に螺合させて締め付けることによってオイルフィラーキャップ3によるオイル注入口2の閉塞がなされるようになっている。
また、エンジンルームEは、後端がヒンジ(図示せず)によって開閉自在に支持されたエンジンフード4によって閉塞されている。この場合、エンジンフード4は、オイル注入口2からの螺合を解除してオイルフィラーキャップ3を取り外した状態で行われるオイルの交換時などに開放されるようになっている。
そして、エンジンフード4閉塞時に上記オイルフィラーキャップ3と対向するエンジンフード4裏面の対向位置には、オイルフィラーキャップ3の閉め忘れまたは緩みもしくはシール不良などによるオイル注入口2からのオイルの飛散を防止するオイル飛散防止部材5が設けられている。このオイル飛散防止部材5は、弾性力を有するゴム製のクッション材よりなり、エンジンフード4閉塞時にオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと上方および周囲から囲んで密閉状態に保持するように構成されている。具体的には、オイル飛散防止部材5は、オイルフィラーキャップ3の蓋部31よりも大径に形成された孔部51を略中央部に有し、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと孔部51内に収容して上方および周囲から囲んだ密閉状態に保持するようになっている。この場合、オイル飛散防止部材5の孔部51周囲のシリンダヘッドカバー11側面(図3では下面)は、エンジンフード4閉塞時にオイル注入口2周囲のシリンダヘッドカバー11の上面に対し圧接して孔部51内を密閉状態に保持するようになっている。
なお、図2中6は、コイルスプリング61を備えたフロント側ショックアブソーバである。
したがって、上記実施例1では、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと孔部51内に収容して上方および周囲から囲んだ密閉状態に保持するオイル飛散防止部材5がオイルフィラーキャップ3と対向するエンジンフード4裏面の対向位置に設けられているので、エンジンフード4閉塞時にオイル飛散防止部材5のシリンダヘッドカバー11側面がオイル注入口2周囲のシリンダヘッドカバーの上面に対し圧接して密閉状態となる孔部51内にオイル注入口2がオイルフィラーキャップ3ごと収容されることになる。これにより、オイルを交換した際に、作業者がオイルフィラーキャップ3を閉め忘れたり、オイルフィラーキャップ3の締め方が弱かったり、また、オイルフィラーキャップ3の経年劣化によるシール不良などの発生によって、オイル注入口2からオイルが飛散しようとしても、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面側においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと孔部51内で密閉状態に保持するオイル飛散防止部材5によってオイル注入口2からエンジンルームE内へのオイルの飛散が遮断され、オイル注入口2からのオイルの飛散によるエンジンルームE内の汚損を確実に防止することができる。
しかも、オイル飛散防止部材5が弾性力を有するゴム製のクッション材により形成されているので、オイル飛散防止部材5自身の弾性力によってオイル注入口2から飛散するオイルをオイル飛散防止部材5によって効果的に遮断してシールすることができる。
次に、本発明の実施例2を図4に基づいて説明する。
この実施例では、オイル飛散防止部材の構成を変更している。なお、オイル飛散防止部材を除くその他の構成は、上記実施例1の場合と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、図4において、エンジンフード4の裏面には、フードインナ7が取り付けら
れている。このフードインナ7は、弾性力を有する合成樹脂製のクッション材よりなる。
また、エンジン1のシリンダヘッドカバー11の上面左側位置には、薄箱形状の空冷式インタークーラ8が設置されている。この空冷式インタークーラ8は、図示しないターボチャージャーのコンプレッサーとスロットルバルブ(図示せず)との間を連結するインテークマニホールド81の途中に介設され、コンプレッサーによって圧縮されて高温となったインテークマニホールド81内の空気を冷却して空気密度の回復を図るようにしている。この場合、空冷式インタークーラ8は、その上面前側部分が上面後側部分よりも下方に位置するように傾斜状態で設置されている。
そして、エンジンフード4閉塞時に空冷式インタークーラ8と対向するフードインナ7の後部左側位置には、空冷式インタークーラ8に走行風を導くインタークーラダクト71が形成されている。このインタークーラダクト71は、空冷式インタークーラ8の上部後側部分を収容可能な凹部よりなり、空冷式インタークーラ8の上部前側部分とインタークーラダクト71の前側部分との間に形成される空隙を介して走行風が傾斜状態となる空冷式インタークーラ8に対し導入され易くしている。また、エンジンフード4閉塞時にオイルフィラーキャップ3と対向するフードインナ7の後部右側位置には、オイルフィラーキャップ3の閉め忘れまたは緩みもしくはシール不良によるオイル注入口2からエンジンルームE内へのオイルの飛散を防止するオイル飛散防止用孔部72が設けられている。このオイル飛散防止用孔部72は、エンジンフード4閉塞時にオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと上方および周囲から囲んで密閉状態に保持するようにオイルフィラーキャップ3の蓋部31よりも大径に形成されている。具体的には、オイル飛散防止用孔部72は、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと内部に収容して上方および周囲から囲んだ密閉状態に保持するようになっている。この場合、フードインナ7のオイル飛散防止用孔部72周囲のシリンダヘッドカバー11側面は、エンジンフード4閉塞時にオイル注入口2周囲のシリンダヘッドカバー11の上面に対し圧接してオイル飛散防止用孔部72内を密閉状態に保持するようになっており、このオイル飛散防止用孔部72とその周囲のフードインナ7によって、オイル飛散防止部材が構成されている。また、フードインナ7のインタークーラダクト71とオイル飛散防止用孔部72とは、互いに非連通状態となっている。
したがって、上記実施例2では、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと収容して上方および周囲から囲んだ密閉状態に保持するオイル飛散防止用孔部72がオイルフィラーキャップ3と対向するフードインナ7の後部右側位置に設けられているので、エンジンフード4閉塞時にフードインナ7のオイル飛散防止用孔部72周囲のシリンダヘッドカバー11側面がシリンダヘッドカバー11の上面に対し圧接して密閉状態となるオイル飛散防止用孔部72内にオイル注入口2がオイルフィラーキャップ3ごと収容されることになる。これにより、オイルを交換した際に、作業者がオイルフィラーキャップ3を閉め忘れたり、オイルフィラーキャップ3の締め方が弱かったり、また、オイルフィラーキャップ3の経年劣化によるシール不良などの発生によって、オイル注入口2からオイルが飛散しようとしても、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面側においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごとオイル飛散防止用孔部72内で密閉状態に保持するオイル飛散防止用孔部72周囲のフードインナ7によってオイル注入口2からエンジンルームE内へのオイルの飛散が遮断され、オイル注入口2からのオイルの飛散によるエンジンルームE内の汚損を確実に防止することができる。
しかも、オイル飛散防止用孔部72周囲のフードインナ7が弾性力を有する合成樹脂製のクッション材により形成されているので、フードインナ7自身の弾性力によってオイル注入口2からエンジンルームE内に飛散するオイルをオイル飛散防止用孔部72によって
効果的に遮断してシールすることができる。更に、フードインナ7を有効利用してオイル飛散防止用孔部72が設けられ、オイル飛散防止部材を別途設ける必要がなくなって部品点数の削減化を図ることもできる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記各実施例では、オイル飛散防止部材5に設けた孔部51またはフードインナ7に設けたオイル飛散防止用孔部72によって、エンジンフード4閉塞時にそのエンジンフード4の下面においてオイル注入口2をオイルフィラーキャップ3ごと収容して上方および周囲から囲んだ密閉状態に保持するようにしたが、オイル飛散防止部材の孔部またはフードインナのオイル飛散防止用孔部がエンジンフードの裏面に貫通しない有底の穴によって構成されていてもよい。
また、上記各実施例では、オイル飛散防止部材5の孔部51またはフードインナ7のオイル飛散防止用孔部72をオイルフィラーキャップ3の蓋部31よりも大径に形成したが、オイル飛散防止部材の孔部またはフードインナのオイル飛散防止用孔部がオイルフィラーキャップの蓋部の外径とほぼ同じ内径に形成されていてもよい。その場合には、エンジンフード閉塞時にオイル飛散防止部材の孔部またはフードインナのオイル飛散防止用孔部がオイルフィラーキャップの周囲に摺接し、オイルフィラーキャップを回り止めして緩みを生じさせないようにすることができる。
更に、上記各実施例では、オイルフィラーキャップ3の雄ねじ部34をオイル注入口2の雌ねじ部22に螺合させたが、オイルフィラーキャップに筒状部を突設し、その筒状部内径に雌ねじ部を形成する一方、オイル注入口を上方に突設させ、その突設部の外径に雄ねじ部を形成し、オイルフィラーキャップによるオイル注入口の閉塞がなされるようにしたものにも適用できるのはもちろんである。
本発明の実施例1に係るエンジンフード構造を用いたエンジンルームの斜視図である。 同じくエンジンルームの縦断側面図である。 同じくシリンダヘッドカバーのオイル注入口付近の縦断側面図である。 本発明の実施例2に係るエンジンフード構造を用いたエンジンルームの斜視図である。
符号の説明
1 エンジン
11 シリンダヘッドカバー
2 オイル注入口
3 オイルフィラーキャップ
4 エンジンフード
5 オイル飛散防止部材
7 フードインナ
72 オイル飛散防止用孔部

Claims (2)

  1. エンジンのシリンダヘッドカバーの上面には、上向きに開口するオイル注入口が設けられ、このオイル注入口は、オイルフィラーキャップによって開閉可能に閉塞されており、
    上記オイルフィラーキャップと対向するエンジンフード裏面の対向位置には、エンジンフード閉塞時にそのエンジンフード下面側においてオイル注入口をオイルフィラーキャップごと上方および周囲から囲んで密閉状態に保持してオイル注入口からエンジンルーム内へのオイルの飛散を防止するオイル飛散防止部材が設けられていることを特徴とするエンジンフード構造。
  2. 上記請求項1に記載のエンジンフード構造において、
    エンジンフード裏面には、フードインナが取り付けられており、
    オイル飛散防止部材は、上記フードインナのオイルフィラーキャップと対向する部位に設けられていることを特徴とするエンジンフード構造。
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