JP2015068278A - 内燃機関の補助具用カバー装置 - Google Patents

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達彦 山崎
Tatsuhiko Yamazaki
達彦 山崎
浩一 頼實
Koichi Yorizane
浩一 頼實
勝 坂井
Masaru Sakai
勝 坂井
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Abstract

【課題】機関本体部から突出している細長いセンサを覆うカバー装置において、機関本体部への加工を不要にしてコスト削減を図ると共に着脱作業も容易ならしめる。【解決手段】カバー装置27は、センサ18を横から覆う本体28と、センサ18を先端の側から覆う蓋29とで構成されている。蓋29は本体28に開閉自在に取り付けられている。本体28には、センサ18を挟持する一対の挟持部30,31が形成されており、本体28をセンサ18に対して横から押し付けると、挟持部30,31が弾性変形してセンサ18に離脱不能に保持される。センサ18への取り付けは、蓋29を開いた状態で行われる。蓋29を閉じると、センサ18とハーネス24との接続部は蓋29が囲われる。【選択図】図4

Description

本願発明は、内燃機関の機関本体部から突出したセンサのような検知用又は制御用の細長い(或いは棒状の)補助具を保護するカバー装置(プロテクター装置)に関するものである。
車両用の内燃機関には多数のセンサが使用されており、これらのセンサには、機関本体部の外側に露出したものもある。例えば、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を検知する細長いオイル圧力センサをチェーンケースやシリンダブロックに設けることがあり、この場合、オイル圧力センサは外側に露出し、これに接続されたハーネスも露出したままになる。
このようにセンサが外側に露出していると、組み立てや保守・点検等に際して工具類がセンサに当ってセンサが傷ついたり、組み立てや保守・点検等に際して物がハーネスに引っ掛かってパーネスが外れたり、或いは、走行中に跳ね飛ばされた小石が当たってセンサやハーネスが損傷するといったトラブルが発生し易くなる。従って、センサが機関本体部の外側に露出する場合は、カバー装置で覆うのが好ましい。
この点、特許文献1には、フォークリフトにおける車速センサの保護手段として、車速センサが取り付けられているデフハウジングに保護カバーをボルトで締結することが記載されている。車速センサにはコネクタを介してハーネス(ケーブル)が接続されているが、特許文献1では、ハーネスは保護カバーの外側に露出している。他方、特許文献2,3には、バッテリーの端子と一緒にハーネスをカバーで覆うにおいて、ハーネスをカバーで抱き込んで固定することが開示されている。
特開2008−44763号公報 特許第4075597号公報 特開平6−267600号公報
内燃機関のセンサ類の形態や強度は様々であり、特許文献1の車速センサの場合は、その形態からしてカバーはデフハウジングに固定せざるを得ないと推測されるが、特許文献1ではカバーはボルトでデフハウジングに締結しているため、デフハウジングにはタップ穴をあけねばならないことからその加工に手間が掛かってコストが嵩むのみならず、ボルトを回転操作するのにも手間が掛かるため、カバーの着脱作業も面倒である。従って、カバー装置に関しては、加工コストや取り付ける手間抑制等の点から改良の余地があると言える。
他方、特許文献2,3の場合はハーネスの振れ動きが端子への固定部に波及することを防止できる利点があるが、センサ等のハーネスは取り回しの容易性のため若干長めに設定しているのが普通である一方、特許文献2,3はハーネスのうち端子に近い部分しかカバーに固定されていないため、内燃機関の振動(車両用内燃機関の場合は車両の振動)等でハーネスの露出部が振れ動きやすくなり、ハーネスが他の物に当たって損傷しやすくなるおそれが懸念される。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は、機関本体部から外向きに突出した検知用又は制御用の細長い補助具を保護するカバー装置に関する。このカバー装置は、前記補助具に取り付く本体と、前記本体の先端に取り付けられた蓋とを備えており、前記本体は、前記補助具にその軸線と直交した横方向から嵌め込みできるように軸方向及び横向きに開口した溝型の形態である一方、前記蓋によって前記本体の先端が塞がれており、前記蓋が前記本体に開閉可能又は取り外し可能に取り付けられている。
本願発明は様々に展開可能であり、その例として請求項2の発明では、前記補助具はセンサである一方、前記蓋は、閉じた状態で前記本体に向けて開口した容器状の形態であり、蓋と前記センサとの間に、前記センサの先端から露出したハーネスをUターンさせて外側に引出しできる空間が空くように設定している。
また、請求項3の発明では、請求項1又は2において、前記本体に、前記補助具に接続されたハーネスの中途部が取り付けられるハーネス固定部を設けている。更に、請求項3の具体例として請求項4では、前記ハーネス固定部は、前記本体の開口方向に向いて突出する姿勢で前記本体に設けたアーム部の先端に設けている。
なお、本体を補助具に保持する手段としては、実施形態のように本体の弾性を利用して挟むのが簡単で好ましいが、本体とは別の弾性部材やファスナを併用することも可能である。例えば、板ばね製(金属板製)のクリップを本体に装着して、クリップで補助具を挟み保持するといったことも可能である。
本願発明でいう「機関本体部」とは、内燃機関における固定式の要素を広く含んでいる。従って、シリンダブロックやシリンダヘッド、シリンダヘッドカバー、チェーンケースなどはもとより、固定式の配管類なども機関本体部に含まれる。
本願発明では、カバー装置はセンサ等の補助具自体に取り付けるものであるため、機関本体部に特別の加工を施す必要はない。従って、それだけ加工コストを抑制できると共に、既存の補助具にもそのまま適用できる。また、実施形態のように、弾性を利用したワンタッチ的な取り付け・取り外しも簡単に実現できるため、着脱作業の迅速化にも貢献できる。
また、本体の先端部は蓋で塞がれるため、補助具の先端部を的確に保護できる。特に、請求項2のように蓋を容器状の形態にすると、センサの先端部やハーネスの付け根部を周囲からすっぽりと覆うことができるため、センサの先端部とハーネスとの接続部に物が当ったり異物が入ったりすることを的確に阻止できて好適である。
また、請求項2の発明では、ハーネスはUターンして蓋の外側に引き出されるため、ハーネスがセンサの前方に大きくはみ出ることを防止できる。その結果、ハーネスに物が当たったり引っ掛かったりする不具合を著しく抑制できる。また、センサの前方に他の部材を配置する場合、この部材をハーネスに接触しない状態でできるだけセンサに近付けることができるため、内燃機関の部材のレイアウトの自由性向上にも貢献できる。
請求項3の発明では、ハーネスは、その中途部がカバー装置に設けたハーネス固定部に固定されているため、振れ動きを抑制して経路を決めることができる。その結果、他の物に振れて損傷することや端子が外れてしまうといったことを防止できる。また、ハーネスの取り回し経路も設定しやすいため、取り付け作業の迅速化にも貢献できる。
更に、内燃機関は多くの部材が複雑に入り組んで配置されていることが多いが、ハーネスはその中途部が固定されていることで小さな曲率で曲げた状態に保持できるため、他の部材をハーネスに接触しない状態でできるだけ補助具に近付けることが可能になる。その結果、内燃機関の部材のレイアウトの自由性向上にも貢献できる。
請求項4の構成を採用すると、アーム部がカバー装置の開口方向を示す指標になるため、カバー装置を補助具に取り付けるに際して、カバー装置を正確に位置決めできる。また、ハーネス固定部が補助具に近づき過ぎているため、ハーネスをUターンさせるに際して曲げの曲率が小さくなり過ぎて負担がかかることがあるが、請求項4では、ハーネス固定部は補助具から遠ざかった位置にあるため、ハーネスと余裕を待たせて曲げることができる。このため、ハーネスは、負担がかからない状態に曲げて取回すことができる。
(A)は実施形態のカバー装置が適用される内燃機関の一例の正面図、(B)は内燃機関の部分斜視図である。 (A)(B)ともオイル圧力センサとカバー装置との分離斜視図である。 (A)(B)ともカバー装置の斜視図である。 オイル圧力センサに取り付けた状態を示す図で、(A)は本体のみをオイル圧力センサに取り付けた状態の斜視図、(B)は蓋も表示した状態での斜視図である。 (A)(B)とも使用状態の斜視図である。 (A)は使用状態において蓋を省略すると共にハーネスホルダーを本体から離した状態での斜視図、(B)はハーネスをハーネスホルダーに取り付けた状態の一部破断斜視図、(B)はハーネスホルダーを本体に取り付けた状態での(A)のC−C視断面図である。
(1).内燃機関の概略
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(A)で車両搭載用のスラント型の内燃機関を表示しているが、本実施形態は、この内燃機関に設けたオイル圧力センサの保護に使用するカバー装置に適用している。まず、主として図1を参照として内燃機関の概略を説明する。
内燃機関は、シリンダブロック1とこれに固定されたシリンダヘッド2、シリンダヘッド2に固定されたシリンダヘッドカバー3を有しており、シリンダブロック1のうちクランクケースの開口縁にはオイルパン4を固定している。
シリンダブロック1にはピストン5が摺動自在に嵌まったシリンダボア6が形成されており、シリンダヘッド2は、シリンダボア6をオイルパン4と反対側から覆う状態でシリンダブロック1に固定されている。上記のとおり内燃機関はスラント型であり、シリンダボア6の軸心7を鉛直線よりも水平の側に近づけて大きく傾けた姿勢に配置されている。シリンダヘッド2の上面には排気マニホールド8が固定されて、シリンダヘッド2の下面には吸気マニホールド9が固定されている。
シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の一側面にはチェーンケース10が固定されており、シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の一側面とチェーンケース10との間に形成された空間に、カム軸11を駆動するタイミングチェーン12が配置されている。クランク軸13の一端部はチェーンケース10の外側に突出しており、この突出部に補機駆動プーリ14が固定されている。
内燃機関は潤滑油を各部位に送り出すオイルポンプ(トロコイドポンプ)を有するが、本実施形態のオイルポンプ(図示せず)は、チェーンケース10をホンプハウジングに兼用して、ロータがクランク軸13に固定されている。チェーンケース10の内面にはポンプカバーが固定されており、チェーンケース10とポンプカバーとの間に、ロータ(インナーロータとアウターロータ)が回転するポンプ室や、オイル通路が形成されている。
図1(B)に示すように、チェーンケース10にはオイルフィルター15を取り付けており、オイルポンプで加圧されたオイルは、オイルフィルター15を経由してオイル通路から各潤滑部やオイルジェット部等に送られていく。チェーンケース10のうち補機駆動プーリ14の近くには、オイル通路に連通したタップ穴16を有するボス17が突設されており、このボス部17に、補助具の一例としてのオイル圧力センサ18がねじ込みによって取り付けられている。
例えば図2に示すように、オイル圧力センサ18は、ボス17のタップ穴16に螺合する雄ねじ部19と、スパナ(レンチ)が係合する六角頭20と、雄ねじ部19と反対側に向けて開口した小判形の雌型コネクタ21とを有しており、六角頭20と雌型コネクタ21との間には小判形のくびれ部22が存在している。なお、雄ねじ部19はテーパねじになっており、ねじ込みによって、オイル圧力センサ18は回転不能の状態に保持される。
雄ねじ部19と六角頭20とは金属からなる一体品であり、両者には軸心を通る中心穴23が空いている。他方、くびれ部22 と雌型コネクタ21とは樹脂よりなる一体品であり、六角頭20に嵌合及び接着によって離脱不能に固定されている。くびれ部22 の内部には、オイルの圧力を電気信号に変換する圧力検知素子が内蔵されている。雌型コネクタ21には、ハーネス(信号線ケーブル)24の一端に設けた雄型の入力端子25aが差し込まれるようになっている。ハーネス24の他端には出力端子25b(図1(B)参照)を設けている。
例えば図2のとおり、オイル圧力センサ18を構成する六角頭20は2対ずつの平坦面を有するが、六角頭20における一対の平坦面19aと、雌型コネクタ21の2つの平坦面20a、及びくびれ部22 の2つの平坦面21aとが平行になっている。オイル圧力センサ18をボス部17に取り付けた状態では、六角頭19の一対の平坦面19aと雌型コネクタ21の2つの平坦面20a及びくびれ部22 の2つの平坦面21aとが上下方向の姿勢になるように設定されている。
(2).カバー装置
オイル圧力センサ18は、カバー装置27で保護される。以下、図2以下の図面を参照してカバー装置を説明する。例えば図2のとおり、カバー装置27は、オイル圧力センサ18をその軸線と直交した方向である横方向から囲う本体28と、本体28の先端に取り付けた蓋29とで構成されている。本体28及び蓋29とも樹脂の成形品である。内燃機関は、クランク軸13が車両の前後方向に向くようにして配置している。このため、車両の前進方向に向いて前方の側に蓋29が位置している。
本体28は、オイル圧力センサ18に横方向から嵌まるように断面略U型の溝型(チャンネル型)になっており、このため、一端と他端とが軸方向に開口すると共に、全長に亙って横向きに開口している。以下では、方向を特定するため、便宜的に、図3(A)に表示するように、本体28の長手方向(オイル圧力センサ18の軸線方向)を前後方向と呼び、本体28の開口方向を上下方向と呼び、本体28の溝幅方向を左右方向と呼ぶことがある。
図3,4から容易に理解できるように、本体28の内部には、固定手段(保持手段)の一例として、オイル圧力センサ18における雄ねじ部19のうちその先端側の部分を除いた部分に外側から嵌まる第1挟持部30と、くびれ部22 に外側から嵌まる第2挟持部31とが形成されている。なお、オイル圧力センサ18の雄ねじ部19は先端部がボス部17にねじ込まれるだけであり、雄ねじ部19は相当の範囲がボス部17の外側に露出している。このため、第1挟持部30で雄ねじ部19を挟むことに支障は無い。
第1挟持部30と第2挟持部31とはそれぞれ左右一対の爪片で構成されており、第1挟持部30ではその左右先端部間の間隔が雄ねじ部19の外径より少し小さい寸法になっており、第2挟持部31は、その左右先端部間の間隔がくびれ部22 の横幅よりも少し小さい寸法になっている。
このため、本体28を横方向(上下方向)からオイル圧力センサ18に押し当てると、両挟持部30,31がいったん変形してから元に戻ることで、本体28がオイル圧力センサ18に取り付けられる。すなわち、挟持部30,31によってオイル圧力センサ18が挟まれた状態になる。なお、オイル圧力センサ18に取り付けられた状態では、両挟持部30,31は弾性変形はしていない(僅かに弾性変形させてもよい。)。このため、経年使用による劣化(ヘタリ)は発生しない。
また、両挟持部30,31の間にはオイル圧力センサ18の六角頭20が位置しているため、本体28は回転不能でかつその軸方向にずれ不能に保持されている。六角頭20の一対の平面19aは本体28の左右内面に密着しており、このため、本体28はガタ付きがない安定した状態に保持されている。なお、本体28の頭は六角に代えて四角形等の他の偶数多角形とすることも可能である。
本体28には、オイル圧力センサ18への嵌め込み姿勢を規定するため、オイル圧力センサ18の六角頭20への嵌め込みの誘いになる左右一対の傾斜ガイド部32が形成されている。傾斜ガイド部32は本体28の開口縁から上下方向の外向き(横向き)に突出している。本体28の左右外面には、傾斜ガイド部32に連続した第1補強リブ33と、傾斜ガイド部32とは独立した第2補強リブ33とを形成している。
本体28のうち蓋29と反対側の一端部には、ハーネス24 の中途部を固定するためのアーム部35が一体に形成されている。アーム部35は、本体28の軸線を挟んだ片側に位置していて本体28の開口方向(上下方向)に突出した張り出し部35aと、張り出し部35aの先端に繋がっていて本体28の開口方向と直交した方向(左右方向)に広がる支持板35bと、張り出し部35a及び支持板35bに繋がった略三角形の補強板35cとを有しており、支持板35bがハーネス固定部になっている。
支持板35bは、張り出し部35aと反対側に開口したトレー状になっている。支持板35bの中央部には円形の穴36が空いている。本実施形態では、カバー装置27は下向き動にてオイル圧力センサ18に取り付けるようになっており、従って、張り出し部35aは下向きに延びていて支持部35bは水平状の姿勢になっている。
蓋29は外周部と底とを有して容器状の形態を成しており、本体28の先端部のうち開口面と反対側の背部に突設した左右一対の軸受片37に回動自在に取り付けられている。すなわち、蓋29の開口縁には、左右一対の軸受片37の間に嵌まる突起38を設け、突起に設けた左右のピン39を軸受片37に挿通している。このため、蓋29はピン39を中心にして回動する。
蓋29には、本体28を塞いだ状態(閉じた状態)で本体28の左右外面に重なる一対の抱持片40を設けており、抱持片40に係合穴41を設ける一方、本体28には、係合穴41に嵌まる係合突起42を設けている。従って、係合突起41が係合穴40に嵌まることで蓋29は閉じた状態が抱持され、左右の抱持片40を広げて係合穴40と係合突起41との嵌合状態を解除すと、蓋29を開くことができる。
蓋29は、本体28の上下幅寸法のおおよそ2倍程度の上下幅寸法になっている。従って、蓋29が本体28に被さった状態では、オイル圧力センサ18と蓋29との間には、チェーンケース10の側に向いた空間が空いている。このため、図4(B)、図5(A)、図6(A)から理解できるように、オイル圧力センサ18の雌型コネクタ21に接続したハーネス24 をUターンさせて外側に引き出すことができる。
蓋29のうち閉じた状態で本体28の開口方向に向いて部位(カバー装置27をオイル圧力センサ18に取り付けた状態に下に位置した部位)には、水抜き穴42が空いている。水抜き穴42を設けた部分の内面には、蓋29の開口縁に向けて露出した溝が形成されている。
図6に示すように、ハーネス24 は、樹脂製のハーネスホルダー43を介して、本体28におけるブラケット35の支持板35bに取り付けることができる。本実施形態のハーネスホルダー43は、ハーネス24 を挟み保持するクリップ44と、ブラケット35の支持板35bに設けた穴36に嵌まる茸形のスナップピン45とを備えており、両者は基板46に一体に繋がっている。
クリップ44は二股状の形態であり、ハーネス24 が押し込みによって嵌まり込むようになっている。他方、スナップピン45も二股状(三つ股叉状や四つ股状でもよい)で先端には外向きの爪が形成されており、支持板の穴36に弾性に抗して押し込むと、穴36に嵌まり込んでから弾性復元力で戻り変形することにより、支持板35cに抜け不能に保持される。スナップピン45の爪のうちハーネス固定部35bに面した部分は実際には傾斜しており、クリップ44をある程度の力で引っ張ると、スナップピン45は弾性変形して支持板35bの取り付け穴36から抜け出る。すなわち、クリップ44は支持板35bに対して着脱自在になっている。
以上の構成において、カバー装置27は、蓋29を開いた状態で、本体28をオイル圧力センサ18に対してその軸心と直交した方向からら(現実的には上から)押し当てて、挟持部30,31を弾性変形させることで、オイル圧力センサ18にワンタッチ的に取り付けることができる。
蓋29を閉じると、ハーネス24 のオイル圧力センサ18との接続部は完全に覆われるため、接続部に物が当ったり水がかかったりすることを防止して、的確に保護できる。また、ハーネスホルダー43をブラケット35に取り付けることで、ハーネス24 の振れ動きも的確に阻止できる。なお、ハーネスホルダー43は1パーツになっているが、複数パーツで構成してもよい。また、ハーネスホルダー43は、アーム部35にねじ等のファスナで固定することも可能である。
実施形態のように軸方向に離れた前後一対の挟持部30,31を設けると、オイル圧力センサ18に対する取り付けの安定性が高くなると共に、挟持部30,31が軸方向のずれ防止ストッパーとして機能するため、構造も簡単化できる利点がある。なお、第2挟持部31で雌型コネクタ21を挟持することも可能である(この場合は、軸方向のずれを防止するストッパーを別に設けたらよい。)。蓋29に水抜き穴42を設けると、蓋29に水が溜まることを防止できるため好適である。
本実施形態では、本体28は下向きに開口した姿勢でオイル圧力センサ18に取り付けられる。このため、本体28の内部にゴミが溜まることを防止できる。また、アーム部35も下向きになっており、ハーネス24の一部は支持板35bの上に位置している。このため、小石が下方から飛んできたような場合、支持板35bでハーネス25を保護できる利点がある。また、既述のように蓋29が車両の前進方向に向いているため、跳ね上げられた小石等がオイル圧力センサ18の先端部やハーネス24の入力端子25aに当たることを的確に阻止できる。
本実施形態のようにカバー装置27を下向きの押し付けによってオイル圧力センサ18に取り付けると、人は力を掛けやすいため、取り付け作業が容易である。この場合、アーム部35が下向きに長く延びているため、作業者は、アーム部35の姿勢からカバー装置27の装着姿勢を認識して、カバー装置27を正確な姿勢で取り付ける。従って、アーム部35はカバー装置27の取り付け姿勢の認識手段としても機能している。
なお、オイル圧力センサ18を取り外すにはカバー装置27を取り外してからハーネス24を抜き取らなければならないため、ハーネス24を接続したままオイル圧力センサ18を回転操作する不具合は生じない。
つまり、理論的には、カバー装置27を外せば六角頭20にスパナを係合できるが、カバー装置27にハーネス24が固定されていることから、ハーネス24を外さずにオイル圧力センサ18を回転させると、カバー装置27もハーネス24と一緒に連れ回りしてオイル圧力センサ18を回転させるのは実際には困難になるため、現実には、カバー装置27とハーネス24とを外してからオイル圧力センサ18の取り外しを行うことになる。従って、ハーネス24が捩じられて損傷するような不具合は生じない。
(3).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばカバー装置の保護対象はオイル圧力センサには限らないのであり、各種のセンサ類や制御部材などに適用できる。
本体及び蓋の形態も、相手部材に応じて様々に変更可能である。蓋は本体に対して着脱式とすることも可能である。本願発明のように本体にハーネス保持手段を設ける場合、アーム部等のハーネス固定部にクリップ部を一体に設けて、これにハーネスを嵌め込んで保持するといったことも可能である(この場合は、ハーネスホルダーは不要になる。)。
本体に挟持部を設ける場合、実施形態のように二股状の形態である必要はなく、本体自身の弾性を利用して挟み保持することも可能である。すなわち、本体自体を押し広げることでセンサ等に嵌め込むことも可能である。
本願発明は、自動車用等の内燃機関のセンサ保護カバー装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
10 チェーンケース
13 クランク軸
15 オイルフィルター
17 オイル圧力センサ取り付け用のボス部
18 オイル圧力センサ
19 雄ねじ部
20 六角頭
21 雌型コネクタ
22 くびれ部
24 ハーネス
25a 入力端子
27 カバー装置
28 本体
29 蓋
30,31 挟持部
35 アーム部
35b 支持板(ハーネス固定部)
36 穴
43 ハーネスホルダー
44 クリップ部
45 スナップピン

Claims (4)

  1. 機関本体部から外向きに突出した検知用又は制御用の細長い補助具を保護するカバー装置であって、
    前記補助具に取り付く本体と、前記本体の先端に取り付けられた蓋とを備えており、前記本体は、前記補助具にその軸線と直交した横方向から嵌め込みできるように軸方向及び横向きに開口した溝型の形態である一方、前記蓋によって前記本体の先端が塞がれており、前記蓋が前記本体に開閉可能又は取り外し可能に取り付けられている、
    内燃機関の補助具用カバー装置。
  2. 前記補助具はセンサである一方、前記蓋は、閉じた状態で前記本体に向けて開口した容器状の形態であり、蓋と前記センサとの間に、前記センサの先端から露出したハーネスをUターンさせて外側に引出しできる空間が空くように設定している、
    請求項1に記載した内燃機関の補助具用カバー装置。
  3. 前記本体に、前記補助具に接続されたハーネスの中途部が取り付けられるハーネス固定部を設けている、
    請求項1又は2に記載した内燃機関の補助具用カバー装置。
  4. 前記ハーネス固定部は、前記本体の開口方向に向いて突出する姿勢で前記本体に設けたアーム部の先端に設けている、
    請求項3に記載した内燃機関の補助具用カバー装置。
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