JP4492135B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭やオフィス、レストランなどで使用する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、調理容器の側面に赤外線センサを設けて、調理容器の側面温度検出して加熱量を制御しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
これは、図8に示すように、調理容器1が載置されるトッププレート2と、このトッププレート2の下方に配設された加熱コイル3と、前記調理容器1の側面に対向して配置した赤外線センサ4と、加熱をオンまたはオフを操作する操作手段5と、前記加熱コイル3に高周波電流を流して調理容器1を誘導加熱する制御手段6と、インバータ特性により調理容器1の材質を特定する負荷検知手段7と、前記赤外線センサ4の温度信号と負荷検知手段7の信号により調理容器1の放射率を補正するデータベース8とを備えている。
そして、操作手段5の電源または操作のスイッチが押されて加熱が開始されると、制御手段6からの信号により加熱コイル3から高周波磁界が発生される。この高周波磁界によって調理容器1が加熱され温度が上昇する。前記負荷検知手段7は、インバータ特性情報により調理容器1が鉄系の鍋かまたは非磁性のステンレス製鍋か、あるいは加熱できない鍋かを検知している。調理容器1の放射率は、鉄系では0.8と高く、また非磁性ステンレス製では0.1と低いため、前記赤外線センサ4の温度値に誤差が生じている。この誤差を無くすためにデータベース8を用いて、前記調理容器1の放射率を補正している。ここでは、負荷検知手段7により調理容器1の放射率を求めて、赤外線センサ4の温度を補正しているものであり、調理容器1の側方に赤外線センサ4を配置して調理容器1の側面温度を検出している。
特開2003−264055号公報
しかしながら、前記従来の構成では、赤外線センサが露出しているため、汚れが付着した場合など赤外線の透過が少なくなった場合に、調理容器21から放射される赤外線が検出できないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、赤外線センサに異常が発生した場合、それに対応した処置をするようにした誘導加熱調理器を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、調理容器を載置するトッププレートと、前記調理容器を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイルと、前記トッププレートを介して前記調理容器の温度を検出する赤外線センサと、調理中に前記赤外線センサの出力が所定以上の場合に前記赤外線センサの異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止または加熱出力を低下させると共に、自動調理工程の加熱電力を記憶し予め設定された前記自動調理工程を工程毎の前記加熱電力と計数時間によって進行し、かつ前記赤外線センサの温度情報により前記加熱コイルの高周波電流を制御して前記加熱電力を制御することで前記調理容器の温度を制御して前記自動調理工程を進行する自動調理制御手段及び前記トッププレートの温度を検出するプレート温度検出手段を有する加熱制御手段と、を備え前記加熱制御手段は、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサ異常を検出した場合は、前記プレート温度検出手段の温度情報により前記調理容器の温度を制御するように切り替えて前記自動調理工程を進行するようにしたものである。
これによって、前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止また
は加熱出力を低下させると共に、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサ異常を検出した場合は、前記プレート温度検出手段の温度情報により前記調理容器の温度を制御するように切り替えて前記自動調理工程を進行するようにしたことにより、赤外線センサの異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させることができる。
本発明の誘導加熱調理器は、前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止または加熱出力を低下させると共に、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサの異常を検出した場合は、トッププレートの温度を検出するプレート温度検出手段の温度情報によって自動調理を進行するようにしたことにより、赤外線センサの異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させることができる。
第1の発明は、調理容器を載置するトッププレートと、前記調理容器を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイルと、前記トッププレートを介して前記調理容器の温度を検出する赤外線センサと、調理中に前記赤外線センサの出力が所定以上の場合に前記赤外線センサの異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止または加熱出力を低下させると共に、自動調理工程の加熱電力を記憶し予め設定された前記自動調理工程を工程毎の前記加熱電力と計数時間によって進行し、かつ前記赤外線センサの温度情報により前記加熱コイルの高周波電流を制御して前記加熱電力を制御することで前記調理容器の温度を制御して前記自動調理工程を進行する自動調理制御手段及び前記トッププレートの温度を検出するプレート温度検出手段を有する加熱制御手段と、を備え前記加熱制御手段は、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサ異常を検出した場合は、前記プレート温度検出手段の温度情報により前記調理容器の温度を制御するように切り替えて前記自動調理工程を進行するようにしたことにより、前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止または加熱出力を低下させると共に、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサの異常を検出した場合は、トッププレートの温度を検出するプレート温度検出手段の温度情報によって自動調理を進行するようにしたことにより、赤外線センサの異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、異常検出手段が赤外線センサの異常を検出した際、異常報知を行うとともに、自動調理工程が進行中に前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると、前記自動調理工程の完了後に赤外線センサの異常を報知するようにしたことにより、赤外線センサの異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させ、その後に赤外線センサの異常報知を報知し対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
参考例1)
図1は、本発明の参考例1における誘導加熱調理器を示すものである。
図に示すように、本参考例における誘導加熱調理器は、調理物を加熱する調理容器21と、前記調理容器21を載置するトッププレート22と、前記調理器21を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイル23と、前記トッププレート22を介して調理容器21の温度を検出する赤外線センサ24と、前記赤外線センサ24の温度情報により前記加熱コイル23の高周波電流を制御して加熱電力量を制御する加熱制御手段25と、前記赤外線センサ24の異常を検出するセンサ異常検出手段26とを備えている。
そして、前記センサ異常検出手段26により、赤外線センサ24の異常を検出した際、加熱制御手段25を介して加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行するようにしている。
トッププレート22は、リシア系セラミック材料で形成している。このトッププレート22の赤外線の透過率は、2.5μm以下の波長は良く透過し、2.5μm〜4μm以下の波長は数十%透過する。また、4μm以上はほとんど透過しないものである。
また、赤外線センサ24は、InGaAs(インジウムガリウムヒ素)のフォトダイオードからなり、受光感度波長は略0.7μm〜略2.7μmである。
なお、赤外線センサ24は、フォトダイオードを用いているが、PINフォトダイオードやPbS(硫化鉛)やPbSe(セレン化鉛)若しくはGe(ゲルマニウム)でも同様な動作ができるものである。また、前記赤外線センサ24は、調理容器21を載置したトッププレート22の中心部に設けているが、調理容器21の温度が検出できればよく、本参考例の構成に限られるものではない。また、前記赤外線センサ24を複数個設けて、調理容器21の温度を検出できる構成にして、調理容器21の温度分布を検出してより高精度に調理容器21の温度を制御することもできるものである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図示していない電源を投入し、操作スイッチにより、例えば、炊飯調理が開始されると、加熱制御手段25が加熱コイル23に高周波電流を供給する。加熱コイル23に高周波電流が供給されると、加熱コイル23から誘導磁界が発せられ、トッププレート22に載置された調理容器21が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理容器21の温度が上昇し、調理容器21内の調理物が調理される。このとき、加熱制御手段25は、赤外線センサ24からの温度情報によって、調理物の調理の進行状態が把握でき、調理の進行状態に応じて加熱コイル23に供給する電力を調整するものである。こうして、調理容器21内の調理物は加熱調理されるものである。
赤外線センサ24は、フォトダイオードからなる赤外線センサで構成し、調理容器21の底面から放射される熱エネルギーを、トッププレート22を透過させて検出している。前記赤外線センサ24は、前記熱エネルギーである光量を電流または電圧に変化して調理容器21の温度を算出している。このように、赤外線センサ24は調理容器21の底面を非接触に検知して、調理容器21の温度を演算して求めているため、応答性が速く調理容器21の温度を正確に検知することができるものである。このため、加熱制御手段25の加熱コイル23に対する電力制御も、調理容器21の温度変化に即応したものとなっている。
前記赤外線センサ24の受光感度は、前記トッププレート22の透過率と重なっており、調理容器21から放射される光エネルギーを検出して調理容器21の底面温度が検出できるものである。
ここで、例えば、赤外線センサ24の透過部であるトッププレート22が汚れた場合は、調理容器21から放射される赤外線は透過しなくなり、赤外線センサ24の出力は低下する。また、調理容器21の底面の放射率が低い場合、放射される赤外線は少なく、赤外線センサ24の出力は低下する。特に、調理容器21内の調理物が沸騰した時、調理物の温度が飽和するため、調理容器21の底面温度も飽和し、温度変化が少なくなり安定する。この状態で赤外線センサ24の出力を判定することで、トッププレート22の汚れや調理容器21の放射率を判定している。この赤外線センサ24の出力が小さくなることをセ
ンサ異常検出手段26が検出することで、赤外線センサ24の異常を検出することができる。この赤外線センサ24の異常をセンサ異常検出手段26が検知した場合、加熱制御手段25を介して加熱停止または加熱低下するようにしている。また、図示していないが報知部で異常報知をしている。異常報知は、音、音声、文字、光などいずれかまたはそれらの組合せで行っている。なお、センサ異常検出手段26による異常検出時、加熱停止、加熱低下または異常報知の少なくとも一つを実行すればよい。またその組合せの実行であっても何ら問題はない。
以上のように、本参考例においては、センサ異常検出手段26によって、前記赤外線センサ24の異常を検出した際、加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行し、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
参考例2)
図2は、本発明の参考例2における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
参考例において、参考例1との相違点は、センサ異常検出手段26に代えて、調理中に赤外線センサ24の出力が予め定めた所定値以上の場合に赤外線センサ24の異常を検出するセンサ高温異常検出手段27を設けて、加熱停止、加熱低下、または異常報知するようにしていることである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
赤外線センサ24は、赤外線を検出する赤外線検出素子と、抵抗と、コンデンサと、オペアンプで光信号を電気信号に変換して出力している。これらの電子部品が断線や短絡などセンサが異常の場合、赤外線センサ24の出力はセンサ電源電圧と同電位になる。この出力電位が所定値以上であれば、センサ高温異常検出手段27が赤外線センサ24の異常を判定している。このように出力電位を判定することで、赤外線センサ24の異常が検出できるものである。このセンサ異常を検出した場合は、加熱停止、加熱低下、または異常報知するようにしている。
以上のように、本参考例においては、センサ高温異常検出手段27によって、赤外線センサ24の異常を検出し、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
参考例3)
図3は、本発明の参考例3における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
参考例において、参考例1との相違点は、センサ異常検出手段26に代えて、調理中に赤外線センサ24の出力が予め定めた所定値以下の場合に赤外線センサ24の異常を検出するセンサ低温異常検出手段28を設けて、加熱停止、加熱低下、または異常報知するようにしていることである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
参考例2で説明したように、赤外線センサ24の電子部品が断線や短絡などセンサが異常の場合、赤外線センサ24の出力はセンサ電源電圧と同電位になる。また、赤外線検出素子の窓材が割れた場合や窓材が著しく汚れた場合でも、同様な現象が起こるものである。この出力電位が所定値以下であれば、センサ低温異常検出手段28が赤外線センサ24の異常を判定している。このように出力電位を判定することで赤外線センサ24の異常が
検出できるものである。このセンサ異常を検出した場合は、加熱停止、加熱低下、または異常報知するようにしている。
以上のように、本参考例においては、センサ低温異常検出手段28によって、赤外線センサ24の異常を検出し、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
参考例4)
図4は、本発明の参考例4における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
参考例において、参考例1との相違点は、調理容器21がトッププレート22に載置しているかどうかを検出する負荷判定手段29を有し、負荷判定手段29により調理容器21がないと判定した場合、赤外線センサ24の信号を無効とするようにしていることである。
負荷判定手段29は、図示していないインバータ回路とマイクロコンピュータで構成して、入力電流とインバータ出力との相関値によって、調理容器21がトッププレート22に載置されているかどうかを判定するようにしている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
赤外線センサ24は、調理容器21がトッププレート22に載置されていることで、外乱光は入射せず、調理容器21の底面温度を検出して、調理が進行できるものである。
負荷判定手段29が、図示していない入力電流やインバータ出力との相関値により、調理容器21がないと判定した場合は、トッププレート22から調理容器21が外された時である。この場合、赤外線センサ24へ太陽光や照明などの外乱光が入射する状態であり、これらの光エネルギーによって、赤外線センサ24は高温であると検出してしまうことになる。これを防止するために、負荷判定手段29が、調理容器21がないと判定した場合は、赤外線センサ24の信号を無効として加熱制御手段25を動作させることで、調理を安定に進行させることができる。
以上のように、本参考例においては、調理容器21がトッププレート22に載置しているかどうかを検出する負荷判定手段29を備えることにより、調理容器21がないと判定した場合、赤外線センサ24の信号を無効とするようにして、調理が安定に進行できるとともに、安定して赤外線センサ24の異常を判定することができる。
参考例5)
図5は、本発明の参考例5における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
参考例において、参考例1との相違点は、センサ異常検出手段26は、赤外線センサ24の素子温度または周囲温度を検出するセンサ温度検出手段30を有し、センサ温度検出手段30が予め定めた所定温度以上の際、加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行するようにしたことである。すなわち、センサ温度検出手段30が所定温度以上の場合、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
センサ温度検出手段30は、赤外線センサ24の近傍に設けられており、赤外線センサ
24の素子温度または周囲温度を検出している。このセンサ温度検出手段30の温度が所定値以上の場合は、赤外線センサ24の動作保証温度の上限或いはこの上限付近まで上昇していることである。この場合、赤外線センサ24は、安定に調理容器21の温度が検出できなくなる。この時、センサ異常検出手段26は、加熱停止または加熱低下をさせるように加熱制御手段25に信号を送る。この信号を受けて加熱制御手段25は、加熱コイル23の電力量を停止または低下させて加熱を制御するか、または、異常報知をする。
また、センサ温度検出手段30と赤外線センサ24の接続ケーブルを同一とした接続コネクタでセンサ異常検出手段26に接続するようにした場合、前記接続ケーブルの断線やコネクタ抜けなどの接続異常を検出することができるものである。
以上のように、本参考例においては、赤外線センサ24の素子温度または周囲温度を検出するサーミスタかなるセンサ温度検出手段30によって、前記センサ温度検出手段30が所定温度以上の場合、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
参考例6)
次に、図5に基づき、本発明の参考例6における誘導加熱調理器について説明する。
参考例において、参考例5との相違点は、赤外線センサ24の素子温度または周囲温度を検出するセンサ温度検出手段30が予め定めた所定温度以下の際、加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行するようにしたことである。すなわち、センサ温度検出手段30が所定温度以下の場合、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
センサ温度検出手段30の温度が所定値以下の場合は、赤外線センサ24の動作保証温度の下限或いはこの下限付近まで低下していることである。この場合、赤外線センサ24は、安定に調理容器21の温度が検出できなくなる。この時、センサ異常検出手段26は、加熱停止または加熱低下をさせるか、または、異常報知をする。
また、センサ温度検出手段30と赤外線センサ24の接続ケーブルを同一とした接続コネクタでセンサ異常検出手段26に接続するようにした場合、前記接続ケーブルの断線やコネクタ抜けなどの接続異常を検出することができるものである。
以上のように、本参考例においては、赤外線センサ24の素子温度または周囲温度を検出するサーミスタかなるセンサ温度検出手段30によって、前記センサ温度検出手段30が所定温度以下の場合、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
参考例7)
図6は、本発明の参考例7における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
参考例において、参考例1との相違点は、加熱制御手段25は、トッププレート22の温度を検出するプレート温度検出手段31を有することにより、プレート温度検出手段31が設定温度を検出した場合、加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行するようにし、異常発生に対応した処置をすることができることである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
調理の後に再び調理を行おうとすると、トッププレート22が高温の場合がある。トッププレート22は、赤外線センサ24の感度波長域を良く透過する材料であるが、透過率100%ではなく約80〜85%の透過率である。この透過率の差が放射率であり、赤外線センサ24はトッププレート22の温度を含めたエネルギーを検出している。特に、トッププレート22が高温の場合は、調理容器21の底面から放射されるエネルギーより、トッププレート22から放射されるエネルギーの方が大きくなり、このトッププレート22のエネルギーが温度検出誤差となる。また、異常にトッププレート22が高温の場合は、赤外線センサ24の出力は、センサ電源電圧付近まで高くなり、センサ異常が動作してしまうことになる。ここで、プレート温度検出手段31は、トッププレート22の温度を検出している。このプレート温度検出手段31の温度情報によって、加熱停止、加熱低下、または異常報知の少なくとも一つを実行するように制御する。また、センサ異常検出手段26は、前記プレート温度検出手段31の温度情報によって、赤外線センサ24の異常をより確実に判定できるものである。
以上のように、本参考例においては、トッププレート22の温度を検出するプレート温度検出手段31によって、プレート温度検出手段31が設定温度を検出した場合、異常発生に対応した処置をすることができるものである。
(実施の形態
図7は、本発明の実施の形態における誘導加熱調理器を示すものである。参考例1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態において、参考例1との相違点は、加熱制御手段25は、自動調理工程の加熱電力量を記憶する自動調理制御手段32を有し、赤外線センサ24が異常の場合は、トッププレート22の温度を検出するプレート温度検出手段31の温度情報によって自動調理を進行するようにしたことにより、赤外線センサ24の異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させるようにしたことである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
自動調理制御手段32は、予め設定された調理工程を工程毎の加熱電力量と計数時間によって調理工程を進行する。また、この調理行程は、赤外線センサ24の温度情報によって調理容器21の温度を制御して進行するもので、この温度制御によって、自動調理ができるものである。しかし、自動調理中に赤外線センサ24に異常があった場合、調理容器21の温度制御ができなくなり、自動調理の行程を停止することとなる。
本実施の形態では、赤外線センサ24が異常の場合でも自動調理の停止を防止することを目的としている。赤外線センサ24が異常の場合は、プレート温度検出手段31の温度情報によって、自動調理を進行するようにしている。プレート温度検出手段31は、トッププレート22を介して調理容器21の温度を検出しているため、温度変化の応答性に遅れはあるが、急激な温度変化でなければ十分に自動調理が進行できるものである。
なお、自動調理制御手段31は、炊飯や煮込み調理など加熱電力量を記憶できれば良く、特に、時間がかかる調理メニューに対して有効であり、調理メニューに限られるものではない。
以上のように、本実施の形態においては、赤外線センサ24が異常に拘わらず、プレート温度検出手段31の温度情報によってその回の自動調理を完了させることができる。
(実施の形態
次に、図7に基づき、本発明の実施の形態における誘導加熱調理器について説明する。
本実施の形態において、実施の形態との相違点は、センサ異常検出手段26は、自動調理の完了後に赤外線センサ24の異常報知を報知するようにしたことにより、赤外線センサ24の異常に拘わらず、その回の自動調理を完了させ、その後に赤外線センサ24の異常報知を報知し対応することができるようにしたことである。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
センサ異常検出手段26が、自動調理中に赤外線センサ24が異常を検出した場合、温度制御をプレート温度検出手段31に切り替えて自動調理を進行させる。このプレート温度検出手段31によって自動調理が終了できる。この自動調理終了時に赤外線センサ24の異常を報知するようにしている。つまり、自動調理中に調理を停止すると、調理物の生煮えなど可食できない状態となり、自動調理を途中で停止することを防止することができる。
以上のように、本実施の形態においては、赤外線センサ24の異常報知を調理終了時に報知するようにして、その回の自動調理を完了させることができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、赤外線センサに異常が発生した場合、それに対応した処置をすることができるので、一般家庭やオフィス、レストランなどで使用する誘導加熱調理器に適用できる。
本発明の参考例1における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の参考例2における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の参考例3における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の参考例4における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の参考例5、6における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の参考例7における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 従来例の誘導加熱調理器の構成を示す断面図
21 調理容器
22 トッププレート
23 加熱コイル
24 赤外線センサ
25 加熱制御手段
26 センサ異常検出手段
27 センサ高温異常検出手段
28 センサ低温異常検出手段
29 負荷判定手段
30 センサ温度検出手段
31 プレート温度検出手段
32 自動調理制御手段

Claims (2)

  1. 調理容器を載置するトッププレートと、前記調理容器を加熱するために誘導磁界を発生させる加熱コイルと、前記トッププレートを介して前記調理容器の温度を検出する赤外線センサと、調理中に前記赤外線センサの出力が所定以上の場合に前記赤外線センサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると加熱停止または加熱出力を低下させると共に、自動調理工程の加熱電力を記憶し予め設定された前記自動調理工程を工程毎の前記加熱電力と計数時間によって進行し、かつ前記赤外線センサの温度情報により前記加熱コイルの高周波電流を制御して前記加熱電力を制御することで前記調理容器の温度を制御して前記自動調理工程を進行する自動調理制御手段及び前記トッププレートの温度を検出するプレート温度検出手段を有する加熱制御手段と、を備え前記加熱制御手段は、前記自動調理工程が進行中に前記赤外線センサ異常を検出した場合は、前記プレート温度検出手段の温度情報により前記調理容器の温度を制御するように切り替えて前記自動調理工程を進行するようにした誘導加熱調理器。
  2. 異常検出手段が赤外線センサの異常を検出した際、異常報知を行うとともに、自動調理工程が進行中に前記異常検出手段が前記赤外線センサの異常を検出すると、前記自動調理工程の完了後に赤外線センサの異常を報知するようにした請求項1に記載の誘導加熱調理器。
JP2004019577A 2004-01-28 2004-01-28 誘導加熱調理器 Expired - Lifetime JP4492135B2 (ja)

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