JP4490988B2 - 血清アミロイドa1(saa1)の遺伝子型を検出するための核酸プライマーセット、キット、及び該プライマーセットを用いた検出方法 - Google Patents

血清アミロイドa1(saa1)の遺伝子型を検出するための核酸プライマーセット、キット、及び該プライマーセットを用いた検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、血清アミロイドA1(SAA1)遺伝子の一塩基多型における遺伝子型を検出するために用いられる核酸プライマーセット及び検出用プローブに関する。
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる線維状の異常蛋白が体の中にたまり、個々の臓器に機能障害をきたす疾患である。根本的な治療法は確立されておらず、死亡率が高い疾患である。近年、血清アミロイドA1(SAA1)遺伝子の上流領域の多型C-13T、Exon3領域の多型C2995T、T3010C を調べることにより、アミロイドーシス発症のしやすさを予測できることが明らかになった。このため、SAA1遺伝子の変異を検査することは、個々人に適した薬物投与や治療を選択することが出来る。
一塩基多型の検出は、一般に、PCR(Polymerase chain reaction)法によって標的核酸を増幅し、特異的なプローブで野生型及び変異型のそれぞれの増幅産物を検出することによって行われる(非特許文献1)。しかしながら、PCR法は核酸抽出などの前処理が煩雑である。また、サーマルサイクラーのような複雑な温度制御が必須であり、さらに反応時間に2時間以上を要するなどの不都合がある。また、PCR法による増幅産物は2本鎖であるため、相補鎖が、検出の際にプローブに対するコンペティターとなり、検出感度を低下させるという問題があった。そこで、増幅産物を1本鎖にするため、酵素や磁気ビーズを用いて、相補鎖を分解又は分離する方法がとられているが、いずれも操作が煩雑であり、また費用がかかるという問題がある。
Jain K.K., Application of Amplicip CYP450, Mol Diagn 9,119-27 (2005)
上記問題に鑑み、本発明は、SAA1遺伝子の一塩基多型を短時間で簡便、且つ安価に検出できる方法を提供するために、該検出に用いる核酸プライマー及び検出用プローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型を検出するための、LAMP増幅用核酸プライマーセットであって、表2に記載されたプライマーセット1〜7から選択されるFIPプライマー及びBIPプライマー、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット1〜6から選択される場合に配列番号14の配列から成り、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット7である場合に配列番号16の配列から成るF3プライマー、及び、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット1〜5及び7から選択される場合に配列番号17の配列から成り、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット6である場合に配列番号18の配列から成るB3プライマーを具備する核酸プライマーセットが提供される。
ここにおいて、表2に記載されたプライマーセット1〜7は、次のプライマーから成る:
プライマーセット1:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号2のBIPプライマー、
プライマーセット2:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号3のBIPプライマー、
プライマーセット3:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号5のBIPプライマー、
プライマーセット4:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号6のBIPプライマー、
プライマーセット5:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号7のBIPプライマー、
プライマーセット6:配列番号1のFIPプライマー及び配列番号10のBIPプライマー、
プライマーセット7:配列番号13のFIPプライマー及び配列番号3のBIPプライマー。
他の態様において、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型を検出するための、上記核酸プライマーセットを具備するキットが提供される。該キットは、上記核酸プライマーセットを用いて標的核酸を増幅することによって得られた増幅産物を検出するための野性型核酸プローブ及び変異型核酸プローブをさらに含んでよい。
他の態様において、上記核酸プライマーセットを使用して標的核酸を増幅する工程と、得られた増幅産物に含まれる、野生型の増幅産物と変異型の増幅産物のそれぞれの量を測定し、比較する工程とを具備する、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型の検出方法が提供される。
他の態様において、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T及び/又はT3010Cにおける遺伝子型を検出するための、LAMP増幅用核酸プライマーセットであって、表3に記載されたプライマーセット1〜4から選択されるFIPプライマー及びBIPプライマー、配列番号24の配列から成るF3プライマー、及び、配列番号25の配列から成るB3プライマーを具備する核酸プライマーセットが提供される。
ここにおいて、表3に記載されたプライマーセット1〜4は、次のプライマーから成る:
プライマーセット1:配列番号19のFIPプライマー及び配列番号20のBIPプライマー、
プライマーセット2:配列番号21のFIPプライマー及び配列番号20のBIPプライマー、
プライマーセット3:配列番号22のFIPプライマー及び配列番号20のBIPプライマー、
プライマーセット4:配列番号23のFIPプライマー及び配列番号20のBIPプライマー。
他の態様において、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T及び/又はT3010Cにおける遺伝子型を検出するための、上記核酸プライマーセットを具備するキットが提供される。該キットは、上記核酸プライマーセットを用いて標的核酸を増幅することによって得られた増幅産物を検出するための、C2995T用野性型核酸プローブ及びC2995T用変異型核酸プローブ、及び/又は、T3010C用野性型核酸プローブ及びT3010C用変異型核酸プローブをさらに含んでよい。
他の態様において、上記核酸プライマーセットを使用して標的核酸を増幅する工程と、得られた増幅産物に含まれる、野生型の増幅産物と変異型の増幅産物のそれぞれの量を測定し、比較する工程とを具備する、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T又はT3010Cにおける遺伝子型の検出方法が提供される。
また他の側面から、SAA1遺伝子の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型を同時に検出する方法が提供される。
本発明によれば、SAA1遺伝子の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型を検出するための核酸プライマー、該プライマーセット及び任意に検出用プローブを含むキット、及びそれらの一塩基多型の検出方法が提供される。また、C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型を同時に検出する方法が提供される。本発明に従えば、SAA1遺伝子の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型を、安価で簡便に検出することが可能である。
一塩基多型の検出にはPCR法が用いられることが多いが、PCR法には上記したような不都合な点がある。よって、本発明では、PCR法に替わってLAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法を利用して一塩基多型を検出する。LAMP法とは、核酸を等温条件下60〜65℃で増幅する技術である。LAMP法はPCR法と比較して、短時間で多量の増幅産物が得られるという利点を有する。また、サンプル中の不純物の影響を受けにくいとも報告されている。LAMP法を用いることによって、簡便に標的核酸を増幅することが可能である。
本発明の検出方法では、LAMP法によって標的核酸を増幅し、得られた増幅産物中の、野生型の増幅産物と変異型の増幅産物の量をそれぞれ測定する。野生型の増幅産物が多い場合は、試験に供された標的核酸の遺伝子型は野性型であると判定できる。反対に、変異型の増幅産物が多い場合は、該標的核酸は変異型であると判定できる。また、野生型と変異型の増幅産物がほぼ等量である場合は、ヘテロ型の遺伝子であると判定できる。
増幅産物の量は、これに限定されないが、例えば核酸プローブを用いて測定することができる。核酸プローブは、野生型の増幅産物と相補的な核酸プローブと、変異型の増幅産物と相補的な核酸プローブを用いる。増幅産物とそれぞれの核酸プローブとをハイブリダイゼーションさせ、それぞれの核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定する。野生型の核酸プローブに結合した増幅産物の量と、変異型の核酸プローブに結合した増幅産物の量を比較することによって、標的核酸の遺伝子型を判定することができる。
<LAMP法の概要>
以下にLAMP法の概要を説明する。なお、本明細書では、一塩基多型の検出に供される核酸(ゲノムDNA等を含む)を検体核酸と称する。また、LAMP法によって増幅されるSAA1遺伝子内および上流の領域を標的核酸と称する。また、LAMP法によって得られた産物を増幅産物と称する。また、ヒトゲノムDNAを含む溶液を試料溶液と称する。
LAMP法では、標的核酸に対してその5’末端側から順にF3領域、F2領域、F1領域を設定し、3’末端側から順にB3c領域、B2c領域、及びB1c領域を設定する。そして、図1に示すような4種のプライマーを用いて標的核酸を増幅する。なお、F1c、F2c、F3c、B1、B2、及びB3領域はそれぞれ、F1、F2、F3、B1c、B2c、及びB3c領域の相補鎖における領域を示している。
LAMP法において核酸を増幅するために使用される4種のプライマーとは、(1)3’末端側に前記F2領域と同じ配列を有し、且つ5’末端側に前記F1領域と相補的な配列を有するFIPプライマー;(2)前記F3領域と同じ配列から成るF3プライマー;(3)3’末端側に前記B2c領域と相補的な配列を有し、且つ5’末端側に前記B1c領域と同じ配列を有するBIPプライマー;及び、(4)前記B3c領域と相補的な配列から成るB3プライマーである。一般に、FIPプライマー及びBIPプライマーはインナープライマーと呼ばれ、F3プライマー及びB3プライマーはアウタープライマーと呼ばれる。
上記4種のプライマーを用いてLAMP増幅を行うと、図2に示すようなダンベル構造を有する中間産物が生成される。一本鎖ループ内のF2c及びB2c領域にFIP及びBIPプライマーが結合し、該プライマーの3’末端及び中間産物自体の3’末端から伸長反応が進行する。詳細には、特許第3313358号を参照されたい。
LAMP法ではさらに、ループプライマーと呼ばれるさらなるプライマーを任意に用いることによって、増幅時間を短縮させることができる。この場合、図3に示すように、前記F2領域からF1領域にかけての部分においてLF領域を設定し、前記B2c領域からB1c領域にかけての部分においてLBc領域を設定する。これらはループプライマー領域と称する。そして、上記の4種のプライマーに加えて、LF領域と相補的な配列から成るループプライマーLFc、及び上記LBc領域と同じ配列から成るループプライマーLBcを用いる。詳細には、WO2002/0249028号を参照されたい。これらのループプライマーLFc及びLBcは、同時に用いてもよいが、何れか一方のみを用いてもよい。ループプライマーは、図4に示すように、FIP及びBIPプライマーがアニールするループとは別のループにアニールし、さらなる合成起点を与えることによって増幅を促進させる。
<LAMP増幅産物の検出;核酸プローブ>
一塩基多型を検出する場合は、検出される多型部位を図5に示すFP領域又はBPc領域に位置させる。或いは、FP領域及びBPc領域のそれぞれに異なる多型を位置させてもよい。図5に記載したように、F2領域からF1領域にかけての部分は、増幅産物中で一本鎖となる部分である。同様に、B2c領域からB1c領域にかけての部分も増幅産物中で一本鎖となる部分である。一本鎖である部分に検出すべき多型部位を位置させることによって、核酸プローブによる検出を簡便にすることができる。
核酸プローブは、多型部位を含むFP領域又はBPc領域と結合するように設計する。即ち、核酸プローブは、FP領域又はBPc領域のうち、多型部位を含む領域の配列と相補的な配列を有する。
なお、増幅産物中には、FP領域及びBPc領域とそれぞれ相補的なFPc領域及びBP領域も存在する。よって、これらのFPc領域及びBP領域を検出に利用することも可能である。
本明細書においては、野生型の増幅産物と相補的な配列を含む核酸プローブを野性型核酸プローブと称し、変異型の増幅産物と相補的な配列を含む核酸プローブを変異型核酸プローブと称する。
核酸プローブは、特に限定されないが、DNA、RNA、PNA、LNA、メチルホスホネート骨格の核酸、その他の人工核酸鎖から構成されて良い。基体に固定化するために、末端をアミノ基、カルボキシル基、ヒドロシル基、チオール基、スルホン基などの反応性官能基で修飾してもよい。該官能基とヌクレオチドの間にスペーサーを導入することも可能である。スペーサーには、例えばアルカン骨格、エチレングリコール骨格などを用いることができる。
<核酸プローブ固定化基体>
核酸プローブは、これに限定されないが、基体上に固定化して用いることができる。核酸プローブ固定化基体は、DNAチップ、DNAマイクロアレイと称されるそれ自身公知の装置を利用しても良い。
プローブ固定化基体の一実施態様の模式図を図6に示した。プローブは、基体1上の固定化領域2に固定化される。基体1は例えばシリコン基板などから製造することができるが、これに限定されない。プローブの固定化は、公知の手段によって行えばよい。1つの基体1に固定化されるプローブは1種でも複数種類であってもよく、その配置や数は当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。後述するように、プローブを蛍光検出する場合には、本実施態様のようなプローブ固定化基体を用いることができる。
プローブ固定化基体の他の実施態様の模式図を図7に示した。本実施態様においては、基体11に電極12が備えられる。プローブは電極12に固定化される。電極12は、電気的情報を取り出すためのパット13に接続される。基体11は例えばシリコン基板などから製造することができるが、これに限定されない。電極の製造及びプローブの固定化は、公知の手段によって行えばよい。電極は、特に限定されるものではないが、金、金の合金、銀、プラチナ、水銀、ニッケル、パラジウム、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム及びタングステン等の金属単体及びそれらの合金、あるいはグラファイト、グラシーカーボンのような炭素、及びこれらの酸化物又は化合物で製造することができる。
図7の固定化基体は10個の電極を備えるが、これに限定されず、1つの基体に配置される電極の数は任意に変更できる。また電極の配置パターンも図に示したものに限定されず、当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。基体1には、必要に応じて、参照電極及び対極を設けても良い。後述するように、プローブを電気化学的に検出する場合には、本実施態様のようなプローブ固定化基体を用いることができる。
<核酸プローブと増幅産物とのハイブリダイゼーション>
核酸プローブと増幅産物とのハイブリダイゼーションは適切な条件下で行う。適切な条件は、増幅産物の種類や構造、検出配列に含まれる塩基の種類、核酸プローブの種類によって異なる。例えば、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。反応溶液中には、ハイブリダーゼション促進剤である硫酸デキストラン、並びにサケ精子DNA、牛胸腺DNAやEDTA及び界面活性剤などを添加しても良い。反応温度は、例えば10℃〜90℃の範囲で行い、攪拌や振盪などで反応効率を高めても良い。反応後の洗浄には、例えばイオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。
<検出方法>
前記基体に固定化されたプローブと増幅産物とがハイブリダイズすると2本鎖核酸が生じる。この2本鎖核酸は、電気化学的に又は蛍光により検出することができる。
(a)電流検出方式
電気化学的に2本鎖核酸を検出する方法を説明する。この方法では、2本鎖核酸を特異的に認識する2本鎖認識体を用いる。2本鎖認識体の例には、例えば、ヘキスト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーター、ポリインターカレーターなどが含まれるが、これらに限定されない。更に、これらの物質を電気化学的に活性な金属錯体、例えばフェロセン、ビオロゲンなどで修飾することも可能である。
2本鎖認識体の濃度はその種類によって異なるが、一般的には1ng/mL〜1mg/mLの範囲で使用する。この際には、イオン強度0.001〜5の範囲でpH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。
ハイブリダイゼーション反応中又は反応後、反応溶液中に2本鎖認識体を添加する。ハイブリダイズによって2本鎖核酸が生じている場合は、2本鎖認識体がこれに結合する。そこで、例えば2本鎖認識体が電気化学的に反応する電位以上の電位を印加して、2本鎖認識体に由来する反応電流値を測定することができる。この際、電位は定速で印加するか、あるいは、パルスで印加するかあるいな定電位を印加してもよい。測定の際に、例えばポテンショスタット、デジタルマルチメーター、及びファンクションジェネレーターなどの装置を用いて電流、電圧を制御してもよい。例えば特開平10-146183号公報に記載された公知の電気化学的検出手段が好適に用いられる。
(b)蛍光検出法
蛍光によって2本鎖核酸を検出する方法を説明する。予め、プライマーを蛍光学的に活性な物質で標識しておく。又は、蛍光学的に活性な物質で標識した2次プローブを用いて検出する。或いは、複数の標識を使用してもよい。蛍光学的に活性な物質は、これらに限定されないが、FITC、Cy3、Cy5、もしくはローダミンなどの蛍光色素を含む。蛍光物質は、例えば蛍光検出器を用いて検出される。標識の種類に応じた適宜の検出装置を用い、標識された検出配列又は2次プローブを検出する。
<核酸プライマーの選択>
図8に一塩基多型C-13TをB1cとB2cの間、すなわちBPc領域に位置させた場合の模式図を示した。BIPプライマーは、B2c領域と相補的な配列、及び、B1c領域と同じ配列を有するプライマーである。このB2c領域とB1c領域とが、C-13Tを挟んで位置する限り、様々な種類のプライマーを設計することが可能である。
しかしながら、プライマーの種類によってLAMP法の増幅効率が異なることが、本発明者らの研究によって明らかとなった。例えば、図8に4種のプライマーを例示する。その他の3種のプライマー(FIP、F3、及びB3プライマー)は共通のものを使用してそれぞれ増幅する。その結果、プライマー1は、十分な増幅時間、例えば2時間かけても増幅しない。プライマー2は、約1時間で増幅するが、プライマー同士の非特異的な増幅が起きる。プライマー3はプライマー同士の非特異的な増幅はないが、増幅に1.5〜2時間要する。プライマー4は、プライマー同士の非特異的な増幅もみられず、増幅も1時間以内で終了する。このような場合、増幅のために良好なプライマーは3または4であり、最良のプライマーは4である。即ち、優れたプライマーとは、増幅効率が高く短時間で増幅し、且つ非特異的な増幅が見られないプライマーである。
さらに、増幅産物を核酸プローブを用いて検出する場合には、増幅産物と核酸プローブとのハイブリダイゼーションが、高効率で生じることが望ましい。よって、ハイブリダイゼーションの効率が優れた増幅産物であるかどうかも、上記プライマーを評価する際に考慮される。
またさらに、ヒトSAA1遺伝子はヒトSAA2、SAA3、SAA4と高い相同性を示す。よってSAA1を特異的に増幅するためには、インナープライマーを設計する領域、F2領域、F1領域、B1c領域、B2c領域の何れか1つ以上は、SAA1遺伝子配列と上記3つの遺伝子配列とで配列が異なる領域に設計する必要がある。また、上述したインナープライマー、アウタープライマー、ループプライマーは、変異が報告されている箇所には設計しないことが好ましい。場合によって、変異箇所にプライマーを設計せざるを得ない場合には、mixの塩基またはdeoxyinosine(dI)などのユニバーサルな塩基を導入するのが好ましい。
一塩基多型を間に挟まないもう一方のインナープライマーについては、F2からB2までの長さが450bp以下、より好ましくは350bp以下となる領域に設計することが好ましい。また、1本鎖ループの長さは、100bp以下、より好ましくは70bp以下となるように両インナープライマーを設計することが好ましい。
プライマー同士の非特異的な増幅はLAMP反応でしばしば見られる現象である。FIPプライマーはF1c領域とF2領域を含むため、長鎖の核酸となる。同じくBIPプライマーもB1c領域とB2領域を含むため、長鎖の核酸となる。よって、FIPプライマー同士、BIPプライマー同士、またはFIPプライマーとBIPプライマーが互いに絡み合い、プライマーを鋳型として増幅してしまう確率が高くなる。また、LAMP反応は、F3プライマー、B3プライマー、さらに場合によってはLFcプライマー、LBcプライマーも反応液中に存在するため、PCR反応と比較して非特異反応の確率はさらに高くなる。このような非特異反応が発生すると、検体核酸を鋳型とする所望のLAMP産物の量が低下する。
また、検体核酸を添加していないネガティブコントロール反応液において非特異反応が発生すると、増幅に伴い放出されるピロリン酸とMgの白色沈殿が、非特異的な増幅によるものなのか、コンタミネーションによって生じたものなのか区別することができない。従って、非特異増幅が発生するプライマーを排除することは重要である。
そこで本発明者らはSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tについて、そしてさらにC2995T及びT3010Cについて、該一塩基多型部分を増幅するために最適な核酸プライマーを選択するための試験を行った。
[試験1:C-13T用プライマー]
SAA1 C-13Tの多型部位をBP、BPc領域に設計した12種類の核酸プライマーセットを用い、63℃で1時間及び2時間、増幅反応させた。反応は表1に記載した組成で行った。鋳型DNAにはヒトゲノムを用いた。コンタミネーションの有無、及び非特異的な増幅の有無を確認するため、全てのセットでヒトゲノムの代わりに滅菌超純水を添加したネガティブコントロールを作製した。増幅反応後、3%アガロース電気泳動により増幅産物を確認した。
用いた核酸プライマーセットを表2に示す。
Figure 0004490988
Figure 0004490988
F3プライマーは、プライマーセット1〜6及び8〜10においては配列番号14を用いた。プライマーセット11及び12においては配列番号15を用いた。プライマーセット7においては配列番号16を用いた。B3プライマーは、プライマーセット1〜5、7、8、11及び12については配列番号17を用いた。プライマーセット6、9及び10については配列番号18を用いた。
[試験1:結果]
表2の12種類のプライマーセットを用いて得られた増幅産物を電気泳動に供した。その結果を図9に示す。プライマーセット9では、2時間増幅させた場合でも増幅産物は得られなかった。プライマーセット5では、1時間では増幅産物は得られなかったが、2時間では十分量の増幅産物が得られた。プライマーセット2では、1時間で十分な増幅産物が得られた。同様の実験を他のプライマーセットでも行った。その結果、1時間増幅した場合、プライマーセット1、2、3、4、6で十分量の増幅産物が得られた。2時間増幅した場合、プライマーセット1、2、3、4、5、6、7、8で十分量の増幅産物が得られた。プライマーセット9、10、11、12では、増幅産物が少ないか、又は増幅が見られなかった。プライマーセット8では、図10に示すような非特異増幅が見られた。以上から、良好なプライマーセットは1、2、3、4、5、6、7であり、最良のプライマーセットは1、2、3、4、6であることが明らかになった。上記の結果を表2にまとめた。
[試験2:C2995T及びT3010C用プライマー]
C2995TとT3010Cのように近接する一塩基多型を検出する場合においては、二つの一塩基多型を同じ1本鎖ループ領域に設計することができる。これにより1つの増幅産物で2つの一塩基多型を検出することが可能となり、各々の増幅産物を別々に調製する場合と比較して、簡便且つ安価に検出を行うことができる。
SAA1 C2995T及びT3010Cの多型部位をFP、FPc領域に設計した4種類の核酸プライマーセットを用い、63℃で1時間及び2時間、増幅反応させた。反応は表1に記載した組成で行った。鋳型DNAにはヒトゲノムを用いた。コンタミネーションの有無、及び非特異的な増幅の有無を確認するため、全てのセットでヒトゲノムの代わりに滅菌超純水を添加したネガティブコントロールを作製した。増幅反応後、3%アガロース電気泳動により増幅産物を確認した。
用いた核酸プライマーセットを表3に示す。
Figure 0004490988
全てのセットに共通で、F3プライマーは配列番号24、B3プライマーは配列番号25を用いた。
[試験2:結果]
表3の4種類のプライマーセットを用いて得られた増幅産物を電気泳動に供した。1時間増幅した場合、すべてのプライマーセットにおいて十分量の増幅産物が得られた。同様に、2時間増幅した場合でも、すべてのプライマーセットにおいて十分量の増幅産物が得られた。また、非特異的な増幅は見られなかった。このことから、最良のプライマーセットは1、2、3、4であることが明らかになった。上記の結果を表3にまとめた。
以上の試験から、本発明で提供される好ましいインナープライマーが決定された。当業者には明らかなように、LAMP反応において最も重要なプライマーはインナープライマーである。増幅反応にインナープライマーは必須であるが、アウタープライマー、ループプライマーは必須ではない。アウタープライマー、ループプライマーを増幅反応液に入れることで、増幅効率は高まるが、位置による増幅効率の変化はインナープライマーと比較して少ない。よって、アウタープライマー(F3及びB3プライマー)は、任意の配列を用いてよい。例えば、F2領域の5’末端から60塩基以内の領域及びB2c領域の3’末端から60塩基以内の領域に結合するように設計されることが好ましい。即ち、F3プライマーと同じ配列であるF3領域が、F2領域の5’末端から60塩基以内に位置し、B3プライマーと相補的な配列であるB3c領域が、B2c領域の3’末端から60塩基以内に位置することが好ましい。また、ループプライマーはインナープライマーが結合するループとは別のループに結合するように設計し、インナープライマー領域と重ならない領域に設計されていればよい。
<核酸プローブの選択>
核酸プローブの鎖長は、短すぎても長すぎても好ましくない。塩基の種類により結合力に差はあるが、一般的に鎖長は長くなれば長くなるほど結合力は増加する。核酸プローブの鎖長が短すぎる場合、核酸プローブと増幅産物とハイブリ効率は低くなる。一方、核酸プローブの鎖長が長すぎる場合、野生型核酸プローブと変異型核酸プローブとの1塩基の差が小さくなる。そのため、野生型増幅産物と変異型核酸プローブとの非特異的な結合、また、変異型増幅産物と野生型核酸プローブとの非特異的な結合が増加する。よって、一塩基多型を検出するためには、例えば10〜35塩基のような、適切な鎖長の核酸プローブを用いることが好ましい。
上記結合力は、2本鎖核酸が解離する温度Tm値によって表すことができる。Tm値を計算する手法としては、例えば、最近接塩基対法、Wallance法、GC%法などがある。本発明では、最近接塩基対法(Breslauer et. al. 1986、Freier et.al. 1986, Schildkraut et.al. 1965)を採用する。本発明においては、Na+濃度:50mM、核酸プローブ(オリゴヌクレオチド)の濃度:0.5μMという条件下で算出した。
以下、本発明に従って得られた増幅産物の検出に好適に用いられる核酸プローブを選択するための試験を行った。
[試験3−1:C-13T検出用プローブ]
PCR-RFLP(Polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism)解析によってヘテロ型であると判明したヒトゲノムを鋳型に用い、C-13T検出用プライマーセット2を用いて、63℃で1時間LAMP増幅を行った。C-13T検出用プライマーセット2は上記試験1の結果、最良のプライマーであることが判明したセットである。得られた増幅産物を、電流検出型のDNAチップで検出した。
核酸プローブ:
試験した核酸プローブの塩基配列を表4に示した。核酸プローブは、プラス鎖のものを用いた。核酸プローブは、電極に固定化するために3’末端をチオール修飾した。ネガティブコントロールプローブについては、SAA1遺伝子配列とは全く無関係な配列を示すものを使用した。
Figure 0004490988
核酸プローブ固定化基体:
DNAチップ上に金電極を作製し、これに核酸プローブを固定化した。固定化は、チオールと金との強い結合性を利用して行った。末端をチオール修飾した核酸プローブを含むプローブ溶液を金電極上にスポットし、1時間静置後、1mMメルカプトヘキサノール溶液に浸し、その後、0.2×SSC溶液で洗浄した。同一プローブは2電極ずつスポットした。洗浄後、超純水で洗浄、風乾し、核酸プローブ固定化基体とした。
核酸プローブは以下の通りに各電極に割り当てた:
1−2電極 ネガティブプローブ(配列番号26)
3−4電極 野生型核酸プローブ 14mer (配列番号27)
5−6電極 野生型核酸プローブ 16mer (配列番号28)
7−8電極 野生型核酸プローブ 17mer (配列番号29)
9−10電極 野生型核酸プローブ 18mer (配列番号30)
11−12電極 野生型核酸プローブ 20mer (配列番号31)
13−14電極 変異型核酸プローブ 15mer (配列番号32)
15−16電極 変異型核酸プローブ 17mer (配列番号33)
17−18電極 変異型核酸プローブ 18mer (配列番号34)
19−20電極 変異型核酸プローブ 19mer (配列番号35)
21−22電極 変異型核酸プローブ 20mer (配列番号36)
増幅産物と核酸プローブのハイブリダイゼーション及び検出:
上記増幅によって得られた増幅産物に終濃度2×SSCの塩を添加し、電極に固定化された核酸プローブとハイブリダイゼーション反応させた。反応温度は、35℃、45℃、50℃、55℃、60℃とし、60分間反応させた。その後、超純水で軽く洗浄した。電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含むリン酸緩衝液中に10分間浸漬した後、洗浄し、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
[試験3−1:結果]
結果を図11に示す。反応温度が上昇すると共に、得られる信号が増加した。よって、反応温度が高い程、ハイブリダイゼーションの効率が上昇することが示された。反応温度55℃と60℃では、ほぼ同じ結果であった。
[試験3−2:C-13T検出用プローブ]
次に、反応温度を55℃とし、反応時間を10分、20分、40分、60分、120分間として、試験3−1と同様に行った。
[試験3−2:結果]
結果を図12に示す。反応時間10分と120分により得られた結果は、ほぼ同じであった。このことから、反応時間10分でハイブリダイゼーション反応が飽和状態に達することが明らかになった。
鎖長が比較的短い野生型核酸プローブ(14C:配列番号27)及び変異型核酸プローブ(15T:配列番号32)は、得られた信号が比較的低かった。野生型核酸プローブ(16C:配列番号28、17C:配列番号29、18C:配列番号30、及び20C:配列番号31)及び変異型核酸プローブ17T:配列番号33、18T:配列番号34、19T:配列番号35、及び20T:配列番号36)はほぼ同程度の高い信号が得られた。
[試験3−3:C-13T検出用プローブ]
次に、反応温度55℃、反応時間20分で、試験3−1と同様にハイブリダイゼーションを行った。その後、核酸プローブ固定化基体を40℃、45℃、50℃の0.2×SSC洗浄バッファーに20分間浸漬して洗浄した。なお、本試験で増幅に用いた検体核酸は、PCR-RFLP解析により、野生ホモ型、変異ホモ型、ヘテロ型であると判明している3種類のヒトゲノムを用いた。
[試験3−3:結果]
結果を図13A〜Cに示す。洗浄なし(超純粋で軽く洗浄しただけのもの)の場合、野生型の増幅産物が変異型核酸プローブによって検出され、同様に変異型の増幅産物が野生型核酸プローブから検出され、非特異的なハイブリダイゼーションが確認された。洗浄温度40℃の結果は、洗浄なしとほぼ同一であった。
洗浄温度45℃では、野生型増幅産物については野生型核酸プローブ(16C、17C、18C)によって高い信号値が検出され、変異型核酸プローブ(17T、18T、19T)によってはほとんど信号値が検出されなかった。同様に、変異型増幅産物については変異型核酸プローブ(17T、18T、19T)によって高い信号値が検出され、野生型核酸プローブ(16C、17C、18C)によってはほとんど信号値が検出されなかった。よって、45℃の洗浄により、非特異的なハイブリダイゼーションによる結合が剥離されたことが示された。また、ヘテロ型の増幅産物では、野生型核酸プローブ(16C、17C、18C)及び変異型核酸プローブ(17T、18T、19T)の双方により高い信号値が検出された。
洗浄温度50℃では、検出される電流値が低く、洗浄によって増幅産物が核酸プローブから剥離することが確認された。洗浄温度50℃では、野生型の増幅産物の信号値が減少したにも関わらず、変異型核酸プローブ(20T)で変異型の増幅産物の信号値が残った。同様に、変異型の増幅産物の信号値が減少したにも関わらず、野生型核酸プローブ(20C)で野生型の増幅産物の信号値が残った。よって、特異的な信号が減少するにもかかわらず非特異的な結合が依然としてあることが示された。
以上の結果、野生型核酸プローブ(16C、17C、18C)及び変異型核酸プローブ(17T、18T、19T)によって理想的な検出パターンが得られることが判明した。よって、本発明に従って用いられる最適な核酸プローブは、野生型核酸プローブ(16C:配列番号28、17C:配列番号29、18C:配列番号30)及び変異型核酸プローブ(17T:配列番号33、18T:配列番号34、19T:配列番号35)である。
表4に、試験に用いた核酸プローブのTm値を併せて示した。表4から分かるように、本発明において好適に用いられる核酸プローブは、Tm値が63〜77℃、好ましくは70〜74℃である野生型核酸プローブであり、Tm値が63〜74℃、好ましくは68〜74℃である変異型核酸プローブである。
[試験4−1:C2995T検出用プローブ]
PCR-RFLP解析によってヘテロ型であると判明したヒトゲノムを鋳型に用い、C2995T及びT3010C検出用プライマーセット3を用いて、63℃で1時間LAMP増幅を行った。C2995T及びT3010C検出用プライマーセット3は上記試験2の結果、最良のプライマーであることが判明したセットである。得られた増幅産物を、電流検出型のDNAチップで検出した。
核酸プローブ:
試験した核酸プローブの塩基配列を表5に示した。核酸プローブは、プラス鎖のものを用いた。核酸プローブは、電極に固定化するために3’末端をチオール修飾した。ネガティブコントロールプローブについては、SAA1遺伝子配列とは全く無関係な配列を示すものを使用した。
Figure 0004490988
核酸プローブ固定化基体:
核酸プローブ固定化基体は試験3−1と同様に作製した。
核酸プローブは以下の通りに各電極に割り当てた:
1−2電極 ネガティブプローブ(配列番号26)
3−4電極 野生型核酸プローブ 13mer (配列番号37)
5−6電極 野生型核酸プローブ 14mer (配列番号38)
7−8電極 野生型核酸プローブ 15mer (配列番号39)
9−10電極 野生型核酸プローブ 16mer (配列番号40)
11−12電極 野生型核酸プローブ 17mer (配列番号41)
13−14電極 変異型核酸プローブ 14mer (配列番号42)
15−16電極 変異型核酸プローブ 16mer (配列番号43)
17−18電極 変異型核酸プローブ 17mer (配列番号44)
19−20電極 変異型核酸プローブ 18mer (配列番号45)
21−22電極 変異型核酸プローブ 20mer (配列番号46)
増幅産物と核酸プローブのハイブリダイゼーション及び検出:
上記増幅によって得られた増幅産物に終濃度2×SSCの塩を添加し、電極に固定化された核酸プローブとハイブリダイゼーション反応させた。反応温度は、35℃、45℃、50℃、55℃、60℃とし、20分間反応させた。その後、超純水で軽く洗浄した。電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含むリン酸緩衝液中に10分間浸漬した後、洗浄し、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
[試験4−1:結果]
結果を図14に示す。反応温度が上昇すると共に、得られる信号が増加した。よって、反応温度が高い程、ハイブリダイゼーションの効率が上昇することが示された。反応温度55℃と60℃では、ほぼ同じ結果であった。
[試験4−2:C2995T検出用プローブ]
次に、プライマーセット3を用いて増幅した産物について、反応温度55℃、反応時間20分で、試験3−3と同様にハイブリダイゼーションを行った。その後、核酸プローブ固定化基体を45℃の0.2×SSC洗浄バッファーに20分間浸漬して洗浄した。なお、本試験で増幅に用いた検体核酸は、PCR-RFLP解析により、野生ホモ型、変異ホモ型、ヘテロ型であると判明している3種類のヒトゲノムを用いた。検討に用いた核酸プローブや検出方法は、試験4−1と同様である。
[試験4−2:結果]
結果を図15に示す。野生型増幅産物では、野生型核酸プローブ(14C、15C、16C)によって高い信号値が検出され、変異型核酸プローブ(16T、17T、18T)によってはほとんど信号値が検出されなかった。同様に、変異型増幅産物では、変異型核酸プローブ(16T、17T、18T)によって高い信号値が検出され、野生型核酸プローブ(14C、15C、16C)によってはほとんど信号値が検出されなかった。また、ヘテロ型の増幅産物では、野生型核酸プローブ(14C、15C、16C)及び変異型核酸プローブ(16T、17T、18T)の双方により高い信号値が検出された。
以上の結果、野生型核酸プローブ(14C、15C、16C)及び変異型核酸プローブ(16T、17T、18T)によって理想的な検出パターンが得られることが判明した。よって、本発明に従って用いられる最適な核酸プローブは、野生型核酸プローブ(14C:配列番号38、15C:配列番号39、16C:配列番号40)及び変異型核酸プローブ(16T:配列番号43、17T:配列番号44、18T:配列番号45)である。
表5には、試験に用いた核酸プローブのTm値を併せて示した。表5から分かるように、本発明において好適に用いられる核酸プローブは、Tm値が63〜74℃、好ましくは67〜71℃である野生型核酸プローブであり、Tm値が61〜74℃、好ましくは66〜70℃である変異型核酸プローブである。
[試験5:T3010C検出用プローブ]
PCR-RFLP解析によって野生ホモ型、変異ホモ型、ヘテロ型であると判明したヒトゲノムを鋳型に用い、C2995T及びT3010C検出用プライマーセット3を用いて、63℃で1時間LAMP増幅を行った。C2995T及びT3010C検出用プライマーセット3は上記試験2の結果、最良のプライマーであることが判明したセットである。得られた増幅産物を、電流検出型のDNAチップで検出した。
核酸プローブ:
試験した核酸プローブの塩基配列を表6に示した。核酸プローブは、マイナス鎖のものを用いた。核酸プローブは、電極に固定化するために3’末端をチオール修飾した。ネガティブコントロールプローブについては、SAA1遺伝子配列とは全く無関係な配列を示すものを使用した。
Figure 0004490988
核酸プローブ固定化基体:
核酸プローブ固定化基体は試験3−1と同様に作製した。
核酸プローブは以下の通りに各電極に割り当てた:
1−2電極 ネガティブプローブ(配列番号26)
3−4電極 野生型核酸プローブ 19mer (配列番号47)
5−6電極 野生型核酸プローブ 21mer (配列番号48)
7−8電極 野生型核酸プローブ 22mer (配列番号49)
9−10電極 野生型核酸プローブ 23mer (配列番号50)
11−12電極 野生型核酸プローブ 26mer (配列番号51)
13−14電極 変異型核酸プローブ 17mer (配列番号52)
15−16電極 変異型核酸プローブ 19mer (配列番号53)
17−18電極 変異型核酸プローブ 20mer (配列番号54)
19−20電極 変異型核酸プローブ 21mer (配列番号55)
21−22電極 変異型核酸プローブ 22mer (配列番号56)
23−24電極 変異型核酸プローブ 25mer (配列番号57)
増幅産物と核酸プローブのハイブリダイゼーション及び検出:
上記増幅によって得られた増幅産物に終濃度2×SSCの塩を添加し、電極に固定化された核酸プローブとハイブリダイゼーション反応させた。反応温度は、55℃で20分間反応させた。その後、45℃で20分洗浄した。この電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含むリン酸緩衝液中に10分間浸漬した後、洗浄し、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
[試験5:結果]
結果を図16に示す。野生型検出用核酸プローブ(21T、22T、23T)及び、変異型検出用核酸プローブ(19C、20C、21C、22C)で理想的な検出パターンを示した。野生型増幅産物においては、野生型検出用核酸プローブ(21T、22T、23T)から高い信号増加が検出され、変異型検出用核酸プローブ(19C、20C、21C、22C)では非特異的なハイブリが剥離され、信号増加はほとんど見られなかった。同様に、変異型増幅産物においては、変異型検出用核酸プローブ(19C、20C、21C、22C)から高い信号増加が検出され、野生型検出用核酸プローブ(21T、22T、23T)では非特異的なハイブリが剥離され、信号増加はほとんど見られなかった。また、ヘテロ型の増幅産物においては、野生型検出用核酸プローブ(21T、22T、23T)及び変異型検出用核酸プローブ(19C、20C、21C、22C)から高い信号増加が検出された。
以上の結果、本発明に従って用いられる最適な核酸プローブは、野生型検出用核酸プローブ(21T:配列番号48、22T:配列番号49、23T:配列番号50)及び変異型検出用核酸プローブ(19C:配列番号53、20C:配列番号54、21C:配列番号55、22C:配列番号56)である。
表6には、試験に用いた核酸プローブのTm値を併せて示した。表6から分かるように、本発明において好適に用いられる核酸プローブは、Tm値が55〜70℃、好ましくは59〜64℃である野生型核酸プローブであり、Tm値が55〜71℃、好ましくは60〜67℃である変異型核酸プローブである。
<検体試料>
本発明が対象とする検体は特に限定される物ではなく、例えば、ヒトから採取した血液、血清、白血球、毛根、口腔粘膜などを用いることができる。これら検体試料から核酸成分の抽出を行い、標的核酸の検出試験に供される試料溶液を調製する。抽出方法は特に限定されないが、例えば、市販の核酸抽出方法QIAamp(QIAGEN社製)、スマイテスト(住友金属社製)等を利用することも可能である。
<キット>
本発明の他の側面から、本発明の検出方法に用いるための、LAMP法のための上記プライマーセットを具備するキットが提供される。該キットは、任意に、鎖置換型DNA合成酵素、合成基質、及び緩衝溶液などを具備することができる。
他の側面から、LAMP法のための上記プライマーセットによって増幅された増幅産物を検出するための核酸プローブが提供される。さらに、該核酸プローブが固定化された核酸プローブ固定化基体が提供される。該プローブ固定化基体は、好ましくはDNAチップ又はDNAマイクロアレイとして提供される。
また、該核酸プローブ又は核酸プローブ固定化基体をさらに具備する上記キットも提供される。
また、本発明の他の態様において、SAA1の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cを同時に検出する方法が提供される。本態様においては、上記の通りにC-13T、C2995T及びT3010Cについて別々に増幅工程を行い、その後、増幅産物を混合して混合液を調製する。この混合液を上記と同様の検出方法に供する。本態様に従えば、C-13T、C2995T及びT3010Cについての遺伝子型を同時に検出することができる。
[C-13T、C2995T、T3010Cの同時検出]
C-13T、C2995T、T3010Cを同時に検出する試験を行った。C-13T検出用核酸プライマーセット2(試験1)、C2995T及びT3010C検出用核酸プライマーセット3(試験2)のそれぞれを用いて、ヒトゲノムを63℃で1時間増幅した。ヒトゲノムは、PCR-RFLP解析により、野生ホモ型、変異ホモ型、ヘテロ型であると判明している3種類のヒトゲノムを用いた。増幅反応後、2つの増幅産物を混合し、混合反応液を調製した。
<ループプライマー導入による増幅時間短縮の検討>
C-13T検出用核酸プライマーセット2に配列番号58のLFcループプライマー、C2995T及びT3010C検出用核酸プライマーセット3に配列番号59のLBcループプライマーを各々25μl反応液中40 pmol添加し、増幅を行った。その結果、飽和増幅時間が、両ターゲット共に60分から30分程度に短縮された。増幅したC-13T検出用LAMP産物とC2995T及びT3010C検出用LAMP産物を混合し、C-13T、C2995T、T3010Cの同時検出を行った。
核酸プローブ:
上記混合反応液を、C-13T用の核酸プローブ、C2995T用の核酸プローブ、及びT3010C用の核酸プローブを用いる検出に供した。用いた核酸プローブは、次の通りである:
C-13T 野生型核酸プローブ(配列番号28)、変異型核酸プローブ(配列番号33);
C2995T 野生型核酸プローブ(配列番号38)、変異型核酸プローブ(配列番号43);
T3010C 野生型核酸プローブ(配列番号50)、変異型核酸プローブ(配列番号55)。
核酸プローブは、C-13T及びC2995Tにはプラス鎖のものを用い、T3010Cにはマイナス鎖のものを用いた。核酸プローブは全て3’末端をチオール修飾した。
プローブ核酸固定化電極の作製:
上記試験3−1に記載の方法と同様にプローブ核酸固定化電極を作製した。
核酸プローブは以下の通りに各電極に割り当てた:
1−2電極 ネガティブプローブ(配列番号26)
3−4電極 C-13T 野生型核酸プローブ 16mer (配列番号28)
5−6電極 C-13T 変異型核酸プローブ 17mer (配列番号33)
7−8電極 C2995T 野生型核酸プローブ 14mer (配列番号38)
9−10電極 C2995T 変異型核酸プローブ 16mer (配列番号43)
11−12電極 T3010C 変異型核酸プローブ 23mer (配列番号50)
13−14電極 T3010C 変異型核酸プローブ 21mer (配列番号55)
増幅産物と核酸プローブのハイブリダイゼーション及び検出:
上記試験3と同様に、ハイブリダイゼーションを55℃で20分、洗浄を45℃で20分行い、その後、超純水で軽く洗浄した。この電極を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含むリン酸緩衝液中に10分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。
[結果]
結果を図17に示す。C-13T、C2995T、T3010Cの各型において、理想的な検出パターンを示した。このことから、DNAチップを用いてC-13T、C2995T、T3010Cを同時検出できることが示された。
LAMP法の概要図。 LAMP法の中間産物及びインナープライマー(FIP、BIP)のアニール位置を示す模式図。 ループプライマーの配置を示す概要図。 LAMP法の中間産物及びループプライマー(LFc、LBc)のアニール位置を示す模式図。 増幅産物の検出位置を示す模式図。 プローブ固定化基体の一実施形態の平面模式図。 プローブ固定化基体の一実施形態の平面模式図。 BIPプライマーの配置を示す模式図。 本発明のプライマーセットによる増幅の電気泳動図。 非特異的増幅を示す電気泳動図。 C-13T検出用プローブについての試験結果1。 C-13T検出用プローブについての試験結果2。 C-13T検出用プローブについての試験結果3(野性型)。 C-13T検出用プローブについての試験結果3(変異型)。 C-13T検出用プローブについての試験結果3(ヘテロ型)。 C2995T検出用プローブについての試験結果1。 C2995T検出用プローブについての試験結果2。 T3010C検出用プローブについての試験結果。 C-13T、C2995T、T3010Cの同時検出結果。
符号の説明
1…基体、2…固定化領域、11…基体、12…電極、13…パット

Claims (32)

  1. ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型を検出するための、LAMP増幅用核酸プライマーセットであって、
    標的核酸の5’末端側から順にF3領域、F2領域及びF1領域、及び3’末端側から順にB3c領域、B2c領域及びB1c領域とし、
    核酸プライマーが3’末端側に前記F2領域と同じ配列を有し且つ5’末端側に前記F1領域と相補的な配列を有するFIPプライマー、前記F3領域と同じ配列から成るF3プライマー、3’末端側に前記B2c領域と相補的な配列を有し且つ5’末端側に前記B1c領域と同じ配列を有するBIPプライマー、及び、前記B3c領域と相補的な配列から成るB3プライマーである場合に、
    表2に記載されたプライマーセット1〜7から選択されるFIPプライマー及びBIPプライマー、
    前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット1〜6から選択される場合に配列番号14の配列から成り、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット7である場合に配列番号16の配列から成るF3プライマー、及び、
    前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット1〜5及び7から選択される場合に配列番号17の配列から成り、前記FIPプライマー及びBIPプライマーが表2のプライマーセット6である場合に配列番号18の配列から成るB3プライマー、
    を具備する、核酸プライマーセット。
  2. 前記FIPプライマー及びBIPプライマーが、表2に記載されたプライマーセット1、2、3、4、及び6から選択される、請求項1に記載の核酸プライマーセット。
  3. 前記FIPプライマー及びBIPプライマーが、表2に記載されたプライマーセット2のプライマーである、請求項1に記載の核酸プライマーセット。
  4. ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型を検出するための、請求項1〜3の何れか一項に記載の核酸プライマーセットを具備するキット。
  5. 前記核酸プライマーセットを用いて標的核酸を増幅することによって得られた増幅産物を検出するための野性型核酸プローブ及び変異型核酸プローブをさらに含み、
    前記野性型核酸プローブが、野生型の増幅産物と相補的であり、63〜77℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C-13T部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とし、
    前記変異型核酸プローブが、変異型の増幅産物と相補的であり、63〜74℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C-13T部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項4に記載のキット。
  6. 前記野生型核酸プローブが配列番号28、29又は30の配列又はそれらの相補配列から成り、前記変異型核酸プローブが配列番号33、34又は35の配列又はその相補配列から成る、請求項5に記載のキット
  7. 前記野性型及び変異型の核酸プローブ固定化された核酸プローブ固定化基体を具備することを特徴とする、請求項5又は6に記載のキット
  8. 請求項1〜3の何れか一項に記載の核酸プライマーセットを使用して標的核酸を増幅する工程と、
    得られた増幅産物に含まれる、野生型の増幅産物と変異型の増幅産物のそれぞれの量を測定し、比較する工程と
    を具備する、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13Tにおける遺伝子型の検出方法。
  9. 前記増幅産物の測定が、基体に固定化された核酸プローブと該増幅産物とをハイブリダイゼーションさせ、該核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定することによって行われ、
    該核酸プローブが、前記野生型の増幅産物と相補的な野性型核酸プローブ、及び、前記変異型の増幅産物と相補的な変異型核酸プローブであることを特徴とする、請求項に記載の検出方法。
  10. 前記野生型核酸プローブが63〜77℃のTm値を有し、前記変異型核酸プローブが63〜74℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C-13T部位がそれぞれの核酸プローブの末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項に記載の検出方法。
  11. 前記野生型核酸プローブが70〜74℃のTm値を有し、前記変異型核酸プローブが68〜74℃のTm値を有することを特徴とする、請求項10に記載の検出方法。
  12. 前記野生型核酸プローブが配列番号28、29又は30の配列又はそれらの相補配列から成り、前記変異型核酸プローブが配列番号33、34又は35の配列又はその相補配列から成る、請求項に記載の検出方法。
  13. 前記野生型核酸プローブが配列番号28の配列又はその相補配列から成り、前記変異型核酸プローブが配列番号33の配列又はその相補配列から成る、請求項12に記載の検出方法。
  14. ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T及び/又はT3010Cにおける遺伝子型を検出するための、LAMP増幅用核酸プライマーセットであって、
    標的核酸の5’末端側から順にF3領域、F2領域及びF1領域、及び3’末端側から順にB3c領域、B2c領域及びB1c領域とし、
    核酸プライマーが3’末端側に前記F2領域と同じ配列を有し且つ5’末端側に前記F1領域と相補的な配列を有するFIPプライマー、前記F3領域と同じ配列から成るF3プライマー、3’末端側に前記B2c領域と相補的な配列を有し且つ5’末端側に前記B1c領域と同じ配列を有するBIPプライマー、及び、前記B3c領域と相補的な配列から成るB3プライマーである場合に、
    表3に記載されたプライマーセット1〜4から選択されるFIPプライマー及びBIPプライマー、
    配列番号24の配列から成るF3プライマー、及び、
    配列番号25の配列から成るB3プライマー、
    を具備する、核酸プライマーセット。
  15. 前記FIPプライマー及びBIPプライマーが、表3に記載されたプライマーセット3のプライマーである、請求項14に記載の核酸プライマーセット。
  16. ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T及び/又はT3010Cにおける遺伝子型を検出するための、請求項14又は15に記載の核酸プライマーセットを具備するキット。
  17. 前記核酸プライマーセットを用いて標的核酸を増幅することによって得られた増幅産物を検出するための、C2995T用野性型核酸プローブ及びC2995T用変異型核酸プローブをさらに含み、
    前記C2995T用野性型核酸プローブが、野生型の増幅産物と相補的であり、63〜74℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C2995T部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とし、
    前記C2995T用変異型核酸プローブが、変異型の増幅産物と相補的であり、61〜74℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C2995T部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項16に記載のキット。
  18. 前記C2995T用野生型核酸プローブが配列番号38、39又は40の配列又はそれらの相補配列から成り、前記C2995T用変異型核酸プローブが配列番号43、44又は45の配列又はそれらの相補配列から成る、請求項17に記載のキット
  19. 前記核酸プライマーセットを用いて標的核酸を増幅することによって得られた増幅産物を検出するためのT3010C用野性型核酸プローブ及びT3010C用変異型核酸プローブをさらに含み、
    前記T3010C用野性型核酸プローブが、野生型の増幅産物と相補的であり、55〜70℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型T3010C部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とし、
    前記T3010C用変異型核酸プローブが、変異型の増幅産物と相補的であり、55〜71℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型T3010C部位がその末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項16〜18に記載のキット
  20. 前記T3010C用野生型核酸プローブが配列番号48、49又は50の配列又はそれらの相補配列から成り、前記T3010C用変異型核酸プローブが配列番号53、54、55又は56の配列又はそれらの相補配列から成る、請求項19に記載のキット
  21. 前記C2995T用野性型核酸プローブ及びC2995T用変異型核酸プローブ、及び/又は、前記T3010C用野性型核酸プローブ及びT3010C用変異型核酸プローブが固定化された核酸プローブ固定化基体を具備することを特徴とする、請求項17〜20の何れか一項に記載のキット
  22. 請求項14又は15に記載の核酸プライマーセットを使用して標的核酸を増幅する工程と、
    得られた増幅産物に含まれる、野生型の増幅産物と変異型の増幅産物のそれぞれの量を測定し、比較する工程と
    を具備する、ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C2995T又はT3010Cにおける遺伝子型の検出方法。
  23. 前記増幅産物の測定が、基体に固定化された核酸プローブと該増幅産物とをハイブリダイゼーションさせ、該核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定することによって行われ、
    該核酸プローブが、前記野生型の増幅産物と相補的なC2995T用野性型核酸プローブ及び前記変異型の増幅産物と相補的なC2995T用変異型核酸プローブ、又は、前記野生型の増幅産物と相補的なT3010C用野性型核酸プローブ及び前記変異型の増幅産物と相補的なT3010C用変異型核酸プローブであることを特徴とする、請求項22に記載の検出方法。
  24. 前記C2995T用野生型核酸プローブが63〜74℃のTm値を有し、前記C2995T用変異型核酸プローブが61〜74℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型C2995T部位がそれぞれの核酸プローブの末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項23に記載の検出方法。
  25. 前記C2995T用野生型核酸プローブが67〜71℃のTm値を有し、前記C2995T用変異型核酸プローブが66〜70℃のTm値を有することを特徴とする、請求項24に記載の検出方法。
  26. 前記C2995T用野生型核酸プローブが配列番号38、39又は40の配列又はそれらの相補配列から成り、前記C2995T用変異型核酸プローブが配列番号43、44又は45の配列又はそれらの相補配列から成る、請求項23に記載の検出方法。
  27. 前記C2995T用野生型核酸プローブが配列番号38の配列又はその相補配列から成り、前記C2995T用変異型核酸プローブが配列番号43の配列又はその相補配列から成る、請求項26に記載の検出方法。
  28. 前記T3010C用野生型核酸プローブが55〜70℃のTm値を有し、前記T3010C用変異型核酸プローブが55〜71℃のTm値を有し、且つ、前記一塩基多型T3010C部位がそれぞれの核酸プローブの末端から3塩基以上内側に位置することを特徴とする、請求項23に記載の検出方法。
  29. 前記T3010C用野生型核酸プローブが59〜64℃のTm値を有し、前記T3010C用変異型核酸プローブが60〜67℃のTm値を有することを特徴とする、請求項28に記載の検出方法。
  30. 前記T3010C用野生型核酸プローブが配列番号48、49又は50の配列又はそれらの相補配列から成り、前記T3010C用変異型核酸プローブが配列番号53、54、55又は56の配列又はそれらの相補配列から成る、請求項23に記載の検出方法。
  31. 前記T3010C用野生型核酸プローブが配列番号50の配列又はその相補配列から成り、前記T3010C用変異型核酸プローブが配列番号55の配列又はその相補配列から成る、請求項30に記載の検出方法。
  32. ヒトSAA1遺伝子の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型を同時に検出する方法であって、
    表2に記載されたプライマーセット2を使用して標的核酸を増幅する工程と、
    表3に記載されたプライマーセット3を使用して標的核酸を増幅する工程と、
    得られた増幅産物を混合して混合液を調製する工程と、
    配列番号28の配列又はその相補配列から成るC-13T用野生型核酸プローブ、配列番号33の配列又はその相補配列から成るC-13T用変異型核酸プローブ、配列番号38の配列又はその相補配列から成るC2995T用野生型核酸プローブ、配列番号43の配列又はその相補配列から成るC2995T用変異型核酸プローブ、配列番号50の配列又はその相補配列から成るT3010C用野生型核酸プローブ、及び、配列番号55の配列又はその相補配列から成るT3010C用変異型核酸プローブが固定された核酸プローブ固定化基体と前記混合液を接触させ、前記増幅産物と前記核酸プローブとをハイブリダイゼーションさせる工程と、
    前記それぞれの核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定する工程と
    前記C-13T用野生型核酸プローブ及びC-13T用変異型核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定して比較する工程と、
    前記C2995T用野生型核酸プローブ及びC2995T用変異型核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定して比較する工程と、
    前記T3010C用野生型核酸プローブ及びT3010C用変異型核酸プローブに結合した増幅産物の量を測定して比較する工程と、
    を具備する、SAA1遺伝子の一塩基多型C-13T、C2995T及びT3010Cにおける遺伝子型の同時検出方法。
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