JP2007325600A - ターゲット核酸の反復数を決定するための方法 - Google Patents

ターゲット核酸の反復数を決定するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】核酸に含まれる反復配列の反復数を決定する方法を提供する。
【解決手段】ターゲット配列x1−(y)−x2を含むターゲット核酸の反復数を決定するための方法であって(1)配列x1に相補的な配列X1と基本ユニットyに相補的な配列Yを任意の反復数mで含む反復配列と配列x2に相補的な配列X2とを含むプライマーX1−(Y)−X2を用いて(ここで、mは1以上の整数であり、予め予測される反復数nと等しい整数である)、適切に伸長反応が得られる条件下において核酸を伸長することと、(2)前記(1)の伸長することにより得られた反応産物における伸長の有無を判定することにより当該ターゲット核酸の反復配列の反復数を決定することとを具備するターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸に存在する反復配列の反復数を決定するための方法に関する。
ゲノム中には、多くの反復配列が見つかっている。これらはしばしば遺伝子解析などにおける遺伝的マーカーとして用いられている。これまで反復配列の繰り返し数を決定する方法としては、電気泳動が広く用いられてきた(特許文献1)。しかしながら、従来の電気泳動による方法では、制限酵素による切断やその他の煩雑な操作が必要であり、且つ決定までに相当な時間がかかることから、操作性に優れた新しい手法が求められている。
従来の問題を解決する手段の例としては、固相基板上での解析を利用する方法がある。例えば、そのような方法では、繰り返し数に対応した複数の蛍光標識プローブ(即ち、2次プローブ)を用意し、それを用いてサンドイッチハイブリダイゼーション反応とライゲーション反応を行う。このような方法では、繰り返し配列数に一致する2次プローブが添加された場合にのみ、相当する部分において蛍光信号が検出される。このような方法は、制限酵素や電気泳動を使用する必要がないので、操作性が向上するというメリットがある反面、ライゲーション反応の特異性が必ずしも高くなく、また固相上では反応効率が低下する。このような事情から、検出の精度に問題があるとされている。
特表平8−510910
上述のような事情から、本発明の目的は、核酸に含まれる反復配列の反復数を決定する方法を提供することである。
上記の課題を解決するための手段は、即ち、
基本ユニットyを任意の反復数nで含む反復配列と、その3’側に存在する配列x1と、前記反復配列の5’側に存在する配列x2とからなるターゲット配列x1−(y)−x2を含むターゲット核酸について、その反復数を決定するための方法であって、
(1)配列x1に相補的な配列X1と、基本ユニットyに相補的な配列Yを任意の反復数mで含む反復配列と、配列x2に相補的な配列X2とを含むプライマーX1−(Y)−X2を用いて(ここで、mは1以上の整数であり、予め予測される反復数nと等しい整数である)、適切に伸長反応が得られる条件下において核酸を伸長することと、
(2)前記(1)の伸長することにより得られた反応産物における伸長の有無を判定することにより、当該ターゲット核酸の反復配列の反復数を決定することと、
を具備するターゲット核酸の反復数を決定するための方法である。
本発明により、核酸に含まれる反復配列の反復数を決定する方法が提供された。
本発明の態様に従う反復数決定方法は、ターゲット配列に含まれる反復配列を構成する基本ユニットの繰り返しの回数を決定する方法である。
1.用語の説明
ここで使用される「反復配列」の語は、核酸(例えば、ゲノム)上で同一または極めてよく似た塩基配列が2つ以上反復して存在する配列をいい、一般的には「繰り返し配列」とも称される配列である。また、反復配列において繰り返される要素を「基本ユニット」といい、その基本ユニットを構成する塩基配列をユニット配列という。当該基本ユニットの繰り返しの回数を「反復数」という。
ここで使用される「核酸」の語は、RNAおよびDNA、ペプチド核酸(即ち、PNA)、メチルフォスホネート核酸およびS−オリゴなどの核酸類似体、cDNAおよびcRNA、並びにオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドなど、一般的に塩基配列によって表される物質を総括的に示す語である。また、そのような核酸は、天然に存在するものであっても、人工的に合成されたものであってもよい。
本発明の態様に従う方法により、反復数を決定される反復配列は、特に限定されるものではないが、そのユニット配列が約2から約15塩基、好ましくは約2から約10塩基の配列からなる反復配列であればよい。また、反復数は、特に限定されるものではないが、約2から約30であることが好ましい。
例えば、本発明の態様に従う方法により反復数を決定される反復配列は、マイクロサテライト配列(一般的には、マイクロサテライトDNAとも称される)、ミニサテライト配列、ショートタンデムリピート(STR)、直列反復配列、縦列反復配列および逆方向反復配列などの反復配列であってよい。
特に、例えば、CとAをユニット配列として含むCA反復配列およびGとTをユニット配列として含むGT反復配列などを代表とする遺伝的多型を示す配列、並びにハンチントン病の原因遺伝子であるCAGの3塩基配列などの疾患に関連する多型などのマイクロサテライト配列における反復数を決定することは、臨床および基礎医学的並びに生化学的などにおいて有益である。ここで各塩基は一般的な表記に従い、シトシンを「C」と、チミンを「T」と、アデニンを「A」と、グアニンを「G」と記す。
本発明に従う方法を、ターゲット核酸を具備する試料核酸について行ってもよい。ここで使用される「試料核酸」の語は、本願発明の態様に従う方法の対象であるターゲット核酸を含む試料を指す。試料核酸は、個体から採取した試料、例えば、末梢静脈血等の血液、白血球、血清、尿、糞便、精液、唾液、培養細胞、臓器及び組織等の核酸が含有される試料から、それ自身公知の方法により調製されればよい。ここで使用される「個体」の語は、ヒト、ヒト以外の動物及び植物、並びにウイルス、細菌、バクテリア、酵母及びマイコプラズマ等の微生物であってもよい。また、人工的に合成された核酸を含む試料についても本発明に従う方法を行ってもよい。試料は、必要に応じて、ホモジネートおよび抽出等の必要な任意の前処理を行ってもよい。このような前処理は試料に応じて当業者によって選択され得るであろう。
ここで使用される「相補」、「相補的」および「相補性」の語は、50%〜100%の範囲で相補的あればよく、好ましくは100%で相補的であることをいう。また、ここで使用される「相同」、「相同的」および「相同性」の語は50%〜100%の範囲で相同であればよく、好ましくは100%で相同的であることをいう。
2.反復数決定方法
(1)第1の態様
まず、第1の態様を用いて、本発明に従う反復数決定方法の基本的概念を説明する。第1の態様は図1を用いて説明する。
ターゲット核酸1は反復配列2を含む核酸であり、その反復数nを決定しようとする目的の核酸である。ここでは、1基本ユニットを「y」で示す。yからなる反復配列2の両末端に隣接する部位の配列を、各々x1およびx2とする。反復配列2と配列x1と配列x2を合わせた部位は、特定のプライマーが結合するためのターゲット配列3である。本発明に従うターゲット核酸1に含まれるターゲット配列3は、一般式で表すと「x1−(y)−x2」で表される。ここで「n」は1以上の整数である。例えば、本発明の1つの側面である本態様において使用されるターゲット配列3は、図1に示すとおり「x1−(y)−x2」である。
このようなターゲット核酸1に含まれる反復数nを決定するためには、基本ユニットyに相補的な相補基本ユニットYを任意の反復数で含み、且つそれを挟むようにx1に相補的な配列X1と、x2に相補的な配列X2とを含むプライマー4を使用する。プライマー4を一般式で表すと、「X1−(Y)−X2」である。ここでmは1以上の整数であり、m=nの場合とm≠nの場合があってよい。
ここで、ターゲット配列に含まれる「y」(ここでyは小文字)と、プライマー配列に含まれる「Y」(ここでYは大文字)は互いに相補的である。ターゲット配列に含まれる「x1」(ここでxは小文字)とプライマー配列に含まれる「X1」(ここでXは大文字)、および「x2」(ここでxは小文字)と「X2」(ここでxは大文字)とは夫々互いに相補的である。
例えば、本発明の1つの側面である本態様において使用されるプライマーは、3種類である。即ち、図1に示す通り、反復数3で相補基本ユニットを含むプライマー4aと、反復数4で相補基本ユニットを含むプライマー4bと、反復数5で相補基本ユニットを含むプライマー4cである。これらのプライマーは、夫々「X1−(Y)−X2」、「X1−(Y)−X2」および「X1−(Y)−X2」である。
以上のようなプライマーを用いたターゲット核酸における反復数を決定するための方法の例を以下に説明する。
まず、ターゲット核酸1とプライマー4aが関係する第1の反応系と、ターゲット核酸1とプライマー4bが関係する第2の反応系と、ターゲット核酸1とプライマー4cが関係する第3の反応系を用意する。夫々の反応系で、適切な増幅が生じる条件下で伸長反応を行う。次に、反応後に各反応系に存在する核酸を分析する。
反応後の各反応系では次のような事象が生じる。即ち、第1の反応系では、ターゲット核酸1とプライマー4aは、その一部においてハイブリダイズすることは可能である。しかしながら、例えそのようなハイブリダイゼーションが生じたとしても、それは伸長反応に必要な適切なものではない。従って、期待される伸長反応は生じない。従って、反応産物5aは、所望の伸長反応が生じた場合に得られる反応産物ではない。第3の反応系でも同様な事象が生じる。従って、反応産物5cも、所望の伸長反応が生じた場合に得られる反応産物ではない。
それに対して、第2の反応系においては、ターゲット核酸1の反復数とプライマー4bの反復数が一致している。従って、そこにおいて生じるハイブリダイゼーションは伸長に適したものである。従って、所望の伸長が達成され、得られる反応産物5bは、所望の伸長反応が生じた場合に得られる反応産物である。
各反応系における伸長は、以上のような事象を生じるので、反応後に存在する核酸を分析し、伸長の有無を検出すれば、ターゲット核酸1の反復数を決定することが可能である。
即ち、図1に示す本態様においては、ターゲット配列1は、ユニット配列を4回(即ち、n=4)反復されてなる(a)で示される反復配列2を含むことが明らかになる。
上述したとおり、本発明において標的とされるターゲット核酸は「x1−(y)−x2」であり、それに対して使用される一般的なプライマーは「X1−(Y)−X2」である。本発明の態様に従って使用されるプライマーにおいて、m=nのプライマーが単独で用いられてもよく、m≠nのプライマーが単独で用いられてもよく、m=nのプライマーとm≠nのプライマーを組み合わせて用いられてもよい。
また、m=nのプライマーとm≠nのプライマーが複数で組み合わせて用いられる場合、m=nのプライマーとm≠nのプライマーが、夫々独立した反応容器において別々に使用され且つ反応が実施されてもよく、1つの反応容器において使用され且つ反応が実施されてもよい。ここでいう「反応容器」とは、反応を行うための空間であればよく、例えば、その内部に容量をもつ容器、およびそこにおいて反応を行うための基体の表面などであればよい。
例えば、反応の結果として伸長が検出されれば、m=nであり、ターゲット核酸の反復数は、使用した特定のプライマーの反復数であると決定される。また、反応の結果として伸長が検出されなければ、m≠nであり、ターゲット核酸の反復数は、使用したプライマーの反復数ではないと決定される。
X1の長さと(Y)の長さとX2の長さとを足し合わせた長さは、約50塩基以上であればよく、好ましくは0塩基から約50塩基であればよく、より好ましくは約15塩基から約30塩基である。長い繰り返し配列に対応するためには全長が長い方が好ましいが、全長が長くなると識別能が低下する。よって最適な鎖長は前述の範囲で構成される。
X1の長さは、0から約40塩基であればよく、好ましくは約1塩基から約20塩基であればよく、より好ましくは約2塩基から約10塩基であればよい。できるだけ長い繰り返し配列に対応するためには、X1は短い方が好ましいが、短すぎると識別能が低下する。よって最適な鎖長は前述の範囲で構成される。
(Y)の長さは、2から約40塩基であればよく、好ましくは約4塩基から約30塩基であればよく、より好ましくは約6塩基から約20塩基であればよい。長い繰り返し配列に対応するためには全長が長い方が好ましいが、全長が長くなると識別能が低下する。よって最適な鎖長は前述の範囲で構成される。
X2の長さは、0から約40塩基であればよく、好ましくは約1塩基から約20塩基であればよく、より好ましくは約2塩基から約10塩基であればよい。できるだけ長い繰り返し配列に対応するためには、X2は短い方が好ましいが、短すぎると識別能が低下する。よって最適な鎖長は前述の範囲で構成される。
また、前記プライマーの全長が0塩基から50塩基であり、且つ前記プライマーに含まれるX2の長さが1塩基から20塩基であることが好ましい。より好ましくは、前記プライマーの全長が、15塩基から30塩基であり、且つ前記プライマーに含まれるX2の長さが2塩基から10塩基である。長い繰り返し配列に対応するためには全長が長い方が好ましいが、全長が長くなると識別能が低下する。また、できるだけ長い繰り返し配列に対応するためには、X1およびX2は短い方が好ましいが、短すぎると識別能が低下する。よって最適な鎖長は前述の範囲で構成される。
また、プライマー4a、プライマー4bおよびプライマー4cとターゲット核酸1の反応は1つの反応容器において行われてもよく、幾つかのプライマーとターゲット核酸1との反応が1つの反応容器において行われてもよく、全てのプライマーとターゲット核酸1との反応が1つの反応容器において行われてもよい。
上述の態様では、3種類のプライマーを使用した例を示したが、これに限定されるものではなく、1種類以上のプライマーを使用してよい。例えば、特定の反復数であるか否かを決定したい場合には、目的とする反復数のYを有するプライマーを使用すればよい。また、Yの反復数は、上述の方法において使用したように「3」、「4」および「5」に限るものではなく、実施者が任意に選択および使用してよい。例えば、ターゲット核酸について予測される反復数を用いればよい。
上述のようなx1−(y)−x2を含むターゲット核酸に含まれる反復配列の反復数を検出するためのX1−(Y)−X2からなるプライマーも本発明の範囲に含まれる。
ここで使用される「核酸を伸長する」の語は、鋳型核酸と、その一部の塩基配列に相補的なプライマーとを用いて、ポリメラーゼを作用させることにより、目的とする核酸を伸長することをいい、更に、そのような伸長と、そのような伸長が繰り返し行われる増幅の両方を示す。
本発明の態様に従って利用され得る伸長反応は、それ自体公知の一般的に核酸を伸長するために使用される手段であっても、および核酸を増幅するために使用される手段であってもよく、そのような手段で有れば何れも使用してよい。これらに限定するものではないが、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(一般的にPCRと称される、以下、PCRと記す)や逆転写PCRなどを利用した方法を用いることが可能である。また更に、Nucleic acid strand amplification(NASBA)、Transcription mediated amplification(TMA)、Ligase chain reaction(LCR)、Strand displacement amplification(SDA)、Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids(ICANN)および Rolling circle amplification(RCA)法などの手段も本発明の態様に従って利用することが可能である。
ここで使用される「適切に伸長反応が得られる条件」とは、ポリメラーゼが核酸鎖を合成するための各種条件、例えば、温度、pH、塩濃度およびdNTPなどの条件が、ポリメラーゼの活性を適切に得るために十分であるような状態を示す。
また更に、当該プライマーの5’端に、塩基配列からなるタグや、Cy5、Cy3等の蛍光物質、色素物質、磁気性物質、並びにアビジンおよびビオチンなどの互いに特異的に結合する1対の物質の一方が標識物質として付与されてもよい。また、ハプテン、オキシダーゼ若しくはホスファターゼ等の酵素、またはフェロセン若しくはキノン類が付与されていてもよい。そのような修飾がなされたプライマーも本発明に従う方法において使用してよい。
当該伸長の検出は、それ自身公知の塩基配列の長短を解析するための手段を用いて行えばよい。例えば、それ自身公知の何れかの電気泳動を利用してもよい。そのような電気泳動の例は、例えば、アガロースゲル電気泳動、およびアクリルアミドゲル電気泳動、マイクロフルイディックチップなどである。また、核酸プローブを具備した核酸プローブ固定化基体を利用してもよく、そのような核酸プローブ固定化基体は、一般的にはDNAチップまたはDNAマイクロアレイまたはDNAマクロアレイと称されるそれ自身公知の装置であればよい。更にマイクロビーズや、マイクロタイタープレートなどをプローブの固定化基体として用いることも可能である。或いは、それ自身公知のシーケンサーを利用してもよい。
また、核酸プローブ固定化基体を利用する場合には、伸長反応または増幅反応を行った後にその反応産物の一部に対して相補性を有する核酸プローブとハイブリダイズすることにより検出すればよい。またはプライマーにタグが含まれる場合には、当該タグに相補的な配列を有する核酸プローブを具備する核酸プローブ固定化基体を使用してもよい。伸長の検出には、得られた反応産物を2本鎖のままで供してもよく、1本鎖にした後で供してもよい。また、上述のような何れかのプライマー自身を核酸プローブとして核酸プローブ固定化基体に固定化し、その状態で伸長または増幅反応を行ってもよい。その後で、当該基板上で得られた二本鎖を検出してもよい。
(2)第2の態様
続いて、第2の態様に従う反復数決定方法を図2を用いて説明する。第2の態様は、第1の態様で対象とされたものと同じターゲット核酸1の反復数を検出するために、その5’末端に更にタグ6aから6cを有するプライマー7aから7cを使用する。それ以外の点は、プライマー7aから7cは、第1の態様のプライマー4aから4cに等しい。
タグ6は塩基配列Zからなる核酸であることが好ましく、使用されるプライマー毎に塩基配列の種類またはその長さを変更してもよい。塩基配列Zの長さは、これに限定されるものではないが、約1塩基から約50塩基以下であればよく、好ましくは15塩基から30塩基である。また、二次構造が取りにくい正規直交配列であることが望ましい(Sakakibara, Genome Informatics, 11, 33-42 (2000))。
タグ6aからタグ6bを使用することにより、伸長の検出がより簡便に行うことが可能になる。即ち、夫々のタグの塩基配列に相補的な配列を有するプライマーを具備する核酸プローブ固定化基体を使用し、簡便に検出することが可能である。
以上の特徴以外は、第2の態様に従う反復数決定方法は、第1の態様に記載の方法と同様に行うことが可能であり、また、第1の態様に準じて種々の変更を行ってもよい。
(3)第3の態様
図3は、第3の反復配列数決定方法により得られる反応産物を示した図である。第3の態様では、互いに異なる反復数を有する3種類のターゲット核酸を対象する場合の例である。ターゲット核酸8aは基本ユニットの反復数は4、ターゲット核酸8bは反復数5、ターゲット核酸8cは反復数5である。
本態様において使用されるプライマーは3種類であり、プライマー9aの基本ユニットは反復数4、プライマー9bは反復数5、プライマー9cは反復数6である。ターゲット核酸8aから8cは、その全てが1の試料核酸中に含まれていてもよく、何れか1つのターゲット核酸が1の試料核酸中に含まれていてもよく、何れか2つのターゲット核酸が1の試料核酸中に含まれていてもよい。
以上の特徴以外は、第1の態様および第2の態様と同様に反復配列数決定方法を実施すればよい。また、ここでは、3種類のターゲット核酸の識別を3種類のプライマーを用いて行う例を示したが、これに限定するものではなく、2種類以上のターゲット核酸について同様に本発明の反復配列数決定方法を実施することが可能である。また、その場合、1種類以上のプライマーを所望に応じて使用することが可能である。
何れの場合も、上述した第1および第2の態様と同様に反復数が等しい場合のみ、目的の伸長が達成されるので、反応産物を解析することにより、ターゲット核酸の反復数を決定することが可能である。
3.核酸プローブ固定化基体
本発明の態様において使用され得る核酸プローブ固定化基体は、基本的には、基体と、前記基体に固定化された核酸プローブとからなる。好ましくは前記核酸プローブは前記基体に固定化される。本発明の態様において使用される核酸プローブ固定化基体について、例を用いて以下に説明する。
ここで「核酸プローブ」とは、標的配列に相補的な塩基配列を含む核酸であって、基体に固定化されるための核酸断片をいう。核酸プローブは、目的とする標的配列に相補的な配列を有し、それによって適切な条件下で標的配列とハイブリダイズすることが可能である。
ここで「標的配列」とは、その存在を検出したい塩基配列、または核酸プローブの塩基配列によって捕捉しようとする配列を指す。また、そのような標的配列を含む核酸を標的核酸と称す。例えば、プライマーに具備されるタグの塩基配列を標的配列とする場合には、核酸プローブの配列は所望のタグの配列に相補的な配列とすればよい。
ここで使用される「相補」、「相補的」および「相補性」の語は、50%〜100%の範囲で相補的あればよく、好ましくは100%で相補的であることをいう。また、ここで使用される「相同」、「相同的」および「相同性」の語は50%〜100%の範囲で相同であればよく、好ましくは100%で相同的であることをいう。
ここで使用される「ハイブリダイゼーションを検出する」の語は、ハイブリダイゼーションにより生じた二本鎖核酸を検出すること、または試料核酸を予め何れかの標識物質により標識しておいて、ハイブリダイゼーション後にその標識物質に由来する信号を検出すること、或いはそれ自身公知の他の手段により、反応によって二本鎖核酸が存在することまたはハイブリダイゼーションが生じたことを検出することを総括的に示す語であり、何れの手段により検出が達成されてもよい。
また、X2の3‘末端から5塩基以内の配列にx2の相補配列と異なる塩基が置換されていると識別の特異性を向上させることができる。置換の数は好ましくは1個以上2個以内である。置換の位置は3’末端から3塩基以内にある事が望ましい。更に置換前の塩基がAの場合はTあるいはC、置換前の塩基がTの場合はCあるいはA、置換前の塩基がGの場合はCあるいはT、置換前の塩基がCの場合はGに置換されると識別能をより高める事ができるようになる。
(1)第1の例
図4を用いて、本発明の態様において使用され得る核酸プローブ固定化基体の第1の例を説明する。第1例である核酸プローブ固定化基体11は、基体12に具備された電極13に固定化された核酸プローブ14を具備する(図4)。電極13は、電気的情報を取り出すためのパット15に接続されている。
このような核酸プローブ固定化基体11は、例えば、それ自身公知の手段によりシリコン基板などの基体に電極を配置し、その電極表面に対して核酸プローブを固定化することにより製造することが可能である。
本態様においては、電極の数を6としたが1つの基体に配置する電極の数はこれに限定するものではない。また、電極の配置パターンも図4に示したものに限定されるものではなく、当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。必要に応じて参照電極および対極を設けてもよい。そのような核酸プローブ固定化基体も本発明の範囲内である。
(2)第2の例
図5に本発明の態様に従い使用され得る核酸プローブ固定化基体の第2の例を模式的に示した。第2の例である核酸プローブ固定化基体16は、基体17に、固定化された核酸プローブ18を具備する(図5)。
このような核酸プローブ固定化基体16は、例えば、それ自身公知の手段によりシリコン基板などの基体に対して核酸プローブ18を固定化することにより製造することが可能である。
本態様においては、1つの基体に配置する核酸プローブの数はこれに限定するものではなく、所望に応じて変更してもよく、また、複数種類の塩基配列を有する核酸プローブを1つの基体に配置してもよい。複数および/または複数種類の核酸プローブの基体への固相パターンは、当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。そのような核酸プローブ固定化基体も本発明の範囲内である。
上記の第2の例に記載するような蛍光検出を行うための核酸プローブ固定化基体の場合は、上記の何れかの基体に対して核酸プローブを固定化すればよい。また、上記の第1の例に記載するような電気化学的検出を行うための核酸プローブ固定化基体の場合は、上記の何れかの基体に電気化学的な検出が可能であるように電極を配置し、その電極上に核酸プローブを固定化すればよい。
本発明において使用され得る電極は、特に限定されるものではないが、例えば、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭素電極、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウムのような貴金属電極、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物電極、Si、Ge、 ZnO、 CdS、 TiO2 、GaAsのような半導体電極、チタン等が挙げられる。これらの電極は導電性高分子によって被覆しても、単分子膜によって被覆してもよく、所望に応じてその他の表面処理剤を処理してもよい。
核酸プローブの固定は、それ自身公知の何れの手段によっても行ってよい。例えば、核酸プローブの固定は、処理または無処理の基体または電極表面に対して、共有結合、イオン結合または物理吸着等によって直接固定化してもよい。或いは、核酸プローブの固定を助けるリンカー剤を用いてもよく、基板または電極に対してスペーサを介して核酸プローブを固定化してもよい。また、電極に対する試料核酸の非特異的な結合を防止するためのブロッキング剤をリンカー剤と共に電極に処理してもよい。また、ここで使用されるリンカー剤およびブロッキング剤は、例えば、電気化学的検出を有利に行うための物質であってもよい。
また、異なる塩基配列を有する核酸プローブは、それぞれ、異なる電極に対して固定化されてもよく、異なる塩基配列を有する複数種類の核酸プローブが混合された状態で1つの電極に対して固定化されてもよい。
(3)検出
本発明に従う核酸プローブ固定化基体は、前記基体に固定化された核酸プローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーション反応の結果生じた二本鎖の存在を検知するための手段として、電気化学的方法および蛍光検出法を利用することが可能である。
(a)電気化学的検出
電気化学的による二本鎖核酸の検出は、例えば、それ自身公知の二本鎖認識物質を用いて行えばよい。
ここで用いられる二本鎖認識体は特に限定されるものではないが、例えば、ヘキスト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーターおよびポリインターカレーター等を用いることが可能である。更に、これらのインターカレーターを電気化学的に活性な金属錯体、例えば、フェロセン、ビオロゲン等で修飾しておくことも可能である。また、その他の公知の何れの二本鎖認識物質も本発明において好ましく使用される。
本発明に従う核酸プローブ固定化基体では、核酸プローブが電極に対して固定化されている。このような電極を用いての二本鎖核酸の検出は他の一般的な電気化学的検出法と同じように、更に対極や参照極を使用してもよい。参照極を配置する場合、例えば、銀/塩化銀電極や水銀/塩化水銀電極などの一般的な参照極を使用してよい。
例えば、試料核酸中のターゲット核酸とプライマーにより伸長が達成されたか否かを検出する場合には、以下のように試験を行えばよい。
所望により前処理された試料核酸を、本発明の態様に従うプライマーを用いて伸長する。得られた伸長産物をそれ自身公知の手段により一本鎖にし、核酸プローブ固定化基体に固定化された核酸プローブと接触させる。例えば、使用したプライマーを含む伸長された一本鎖の一部に相補的な核酸プローブを用いることも可能であり、また、上述したようにタグに相補的な配列を有する核酸プローブを用いてもよい。しかしながら核酸プローブの配列はこれらに限定されるものではない。また、本発明の伸長の検出に用いるための核酸プローブが固定されてなる核酸プローブ固定化基体も本発明の範囲内である。
続いて、適切なハイブリダイゼーションが可能な条件下で反応を行う。そのような適切な条件は、標的配列に含まれる塩基の種類、核酸プローブ固定化基体に具備される核酸プローブの種類、試料核酸の種類およびそれらの状態などの諸条件に応じて、当業者であれば適宜選択することが可能である。これに限定されるものではないが、例えば以下のような条件下で反応を行ってもよい。
即ち、ハイブリダイゼーション反応溶液は、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。この溶液中にはハイブリダイゼーション促進剤である硫酸デキストラン、並びに、サケ精子DNA、牛胸腺DNA、EDTAおよび界面活性剤などを添加してもよい。ここに得られた試料核酸を添加し、90℃以上で熱変性させる。熱変性された試料核酸への核酸プローブ固定化基体の挿入は、変性直後、あるいは0℃に急冷後に行ってもよい。また、基体上に液を滴下することでハイブリダイゼーション反応を行うことも可能である。
反応中は、撹拌、あるいは振とうなどの操作で反応速度を高めてもよい。反応温度は、例えば、10℃〜90℃の範囲で、反応時間は1分以上1晩程度で行えばよい。ハイブリダイゼーション反応後、電極を洗浄する。洗浄には、例えば、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。試料核酸中に標的配列を含む標的核酸が存在した場合、核酸プローブとハイブリダイズし、それにより二本鎖核酸が生じる。
続いて、電気化学的手段により、以下のような手順で生じた二本鎖核酸の検出を行う。一般的には、ハイブリダイゼーション反応の後に、基体を洗浄し、電極表面に形成された二本鎖部分に二本鎖認識体を作用させて、それにより生じる信号を電気化学的に測定する。
二本鎖認識体の濃度は、その種類によって異なるが、一般的には1ng/mL〜1mg/mLの範囲で使用する。この際には、イオン強度0.001〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。
例えば、電気化学的な測定は、二本鎖認識体が電気化学的に反応する電位以上の電位を印加し、二本鎖認識体に由来する反応電流値を測定してよい。この際、電位は定速で掃引するか、あるいはパルスで印加するか、あるいは、定電位を印加してもよい。測定の際に、例えば、ポテンショスタット、デジタルマルチメーターおよびファンクションジェネレーター等の装置を用いて電流、電圧を制御してもよい。例えば、得られた電流値を基に、検量線から標的核酸の濃度を算出してもよい。
また、それ自体公知の電気化学的検出手段、例えば、以下の文献に開示されている(Hashimoto et al. 1994, Wang et al. 1998)手段なども本発明の方法において好ましく使用できる。当該文献において、橋本らは、DNAプローブで修飾された金電極と電気化学的に活性な色素を用いる配列特異的遺伝子検出を報告した。色素に由来する陽極の電流は、標的DNAの濃度に相関する。また、ワンらは、インディケーターフリーの電気化学的なDNAのハイブリダイゼーションを報告した。このバイオセンサーの構成は、カーボンペースト電極へのイノシン置換プローブ(グアニンを含まない)の固定化と、当該標識のグアニン酸化ピークの存在による二重鎖の形成のクロノポテンショメトリック検出を含む。これらの文献に記載される検出手段は好ましく本発明において使用されてよい。
(b)蛍光検出法
蛍光標識物質を用いる方法の場合には、アンチセンスプライマーを、FITC、Cy3、Cy5若しくはローダミンなどの蛍光色素などの蛍光学的な活性が得られる物質で標識しておいてもよい。或いは、その標識の代わりに前述した物質で標識したセカンドプローブを用いることで検出を行ってもよい。複数の標識物質を同時に使用してもよい。
幾つかの態様においては、試料から抽出した核酸成分と核酸プローブ固定化チップに固定化された核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応は、例えば、以下のように行う。即ち、ハイブリダイゼーション反応溶液は、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。この溶液中にはハイブリダイゼーション促進剤である硫酸デキストラン、並びに、サケ精子DNA、牛胸腺DNA、EDTAおよび界面活性剤などを添加してもよい。ここに抽出した核酸成分を添加し、90℃以上で熱変性させる。核酸プローブ固定化チップの挿入は、変性直後、あるいは0℃に急冷後に行ってよい。また、基体上に液を滴下することでハイブリダイゼーション反応を行うことも可能である。反応中は、撹拌、あるいは振とうなどの操作で反応速度を高めてもよい。反応温度は、例えば、10℃〜90℃の範囲で、反応時間は1分以上1晩程度で行えばよい。ハイブリダイゼーション反応後、洗浄を行う。洗浄には、例えば、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いる。
蛍光検出の場合、ハイブリダイゼーション反応の検出は、標識の種類に応じた適宜の検出装置を用いて、試料中の標識された塩基配列又は2次プローブ中の標識を検出することによって行う。標識が蛍光物質の場合には、例えば、蛍光検出器を用いて標識を検出すればよい。
4.アッセイキット
本発明はまた、上述したような本発明の何れの態様に従うプライマー、核酸プローブ固定化基体、タグ配列に相補的な配列を含む核酸プローブは、使用目的に応じて適切なキットとして提供されてもよい。
例えば、本発明に従うプライマーの場合は、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬、例えば、ポリメラーゼおよび/または基質などと組み合わせてキットを形成し、提供されてもよい。例えば、タグ配列、プライマーおよび伸長産物またはその一部に相補的な配列を含む核酸プローブなどは、所望の核酸プローブ固定化基体の製造のために、基板および/または種々の試薬および/または標識物質などと組み合わせてキットを形成し、提供されてもよい。上記のプライマーと所望の核酸プローブおよび/または核酸プローブ固定化基体を所望に応じて組み合わせてキットとして提供されてもよい。しかしながら、本発明により提供されるキットは、以上の組み合わせに限定されるものではなく、必要に応じて種々のものと組み合わせてキットとして提供されてもよい。また、使用目的もこれに限定するものではなく、上述した何れの目的に対するキットを形成することが可能である。そのようなキットも本発明の範囲に含まれる。
実施例1
実施例1では、第1のプライマー(配列番号1)、第2のプライマー(配列番号2)および第3のプライマー(配列番号3)の3種類のプライマーをセンスプライマーとして用いて、ターゲット核酸であるヒトゲノム断片(配列番号7)に存在するマイクロサテライト配列の反復数を決定した。
使用した夫々のプライマーの基本ユニットの反復数は異なり、第1のプライマーは反復数が4であり、第2のプライマーは反復数が5であり、第3のプライマーは反復数を6である。
PCR反応条件は以下の通りとした。即ち、最初に94℃で5分、次に94℃で30秒と74℃で60秒を30サイクル、更に72℃で7分でPCR反応を行った。その後、電気泳動を行って蛍光染色を行った。
配列番号7に示すヒトゲノム断片を鋳型として、および配列番号7に記載の核酸をアンチセンスプライマーとして用いて、配列番号1、配列番号2および配列番号3の3種類のプライマーを用いてそれぞれに別々の反応容器内において増幅反応を行った。その結果を図6に示す。図6から明かであるように、電気泳動の結果、配列番号2の第2のプライマーを用いた場合に最も蛍光強度の強いバンドが観察された。即ち、ターゲット核酸の反復数に対応したプライマーの場合でないとほとんど増幅されないことが明かとなった。本実施例の場合には、この試料核酸中のターゲット核酸の反復数は5と判定される。
これにより、簡便、安価、高速に試料核酸中の核酸に含まれる反復配列の反復数を決定するための方法が提供された。
実施例2
実施例2は、タグを有するプライマーを用いてターゲット核酸を増幅し、その後、核酸プローブ固定化基体に固定化したプライマーに対してハイブリダイズし、生じたハイブリダイゼーションを電気化学的に検出することにより、反復数を決定する方法を行う例を示す。
図7は、本発明の実施例2に係る反復配列数決定方法に使用した核酸プローブ固定化基体20のパターンを示した平面図である。核酸プローブ固定化基体20は、基体21に配置された電極22a、22bおよび22cを具備する。電極22aには、配列番号4に記載の塩基配列を有する核酸が第1の核酸プローブとして固定化された。電極22bには、配列番号5に記載の塩基配列を有する核酸が第2の核酸プローブとして固定化された。電極22cには、配列番号6に記載の塩基配列を有する核酸が第3の核酸プローブとして固定化された。
当該核酸プローブ固定化基体は以下のように製造された。先ず、基板に金をパターニングした電極上に5’末端をチオール化した配列番号4、配列番号5および配列番号6で表される核酸からなるプローブを固定化した。
ここで、配列番号4の核酸プローブは配列番号1のプライマーの5’側のタグ配列に相補的な配列からなり、同様に、配列番号5の核酸プローブは配列番号2のプライマーのタグに、配列番号6の核酸プローブは配列番号3のプライマーのタグに相補的な配列からなる。
まず、配列番号8に記載の塩基配列により示される核酸からなるヒトゲノム断片を鋳型に、センスプライマーとしての配列番号1、配列番号2および配列番号3のプライマーのミックスと、アンチセンスプライマーとしての配列番号7とを用いてPCRにより増幅反応を行った。
PCR反応条件は以下の通りとした。即ち、最初に94℃で5分、次に94℃で30秒と74℃で60秒を30サイクル、更に72℃で7分でPCR反応を行
次に、上述した核酸プローブ固定化基体に対して、このPCRにより得られたPCR反応液を反応させた。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応液を熱変性後、そのまま使用して35℃で1時間行なった。その後、挿入剤ヘキスト33258との反応を行い、ハイブリダイゼーションを電極により検出した。その結果を図8に示した。図8に示すように、第2の核酸プローブを固定化した電極から最も高い電流値が得られた。
これにより、簡便、安価、高速に試料核酸中の核酸に含まれる反復配列の反復数を決定するための方法が提供された。
実施例3
実施例3は、タグを有するプライマーを用いてターゲット核酸を増幅し、その後、核酸プローブ固定化基体に固定化したプライマーに対してハイブリダイズし、生じたハイブリダイゼーションを蛍光強度によって検出することにより、反復数を決定する方法を行う例を示す。
図9は、本発明の実施例3に係る反復配列数決定方法において使用した核酸プローブ固定化基体の構成を示す平面図である。当該核酸プローブ固定化基体は、ポリリジンを被覆したスライドガラスを基体として使用し、その上に配列番号4、配列番号5および配列番号6の核酸プローブを固定化した。それぞれの固定化は、基体に具備される核酸プローブ固定化領域32a、32bおよび33cに行った。即ち、固定化領域32aには配列番号4に記載の塩基配列を有する核酸が第1の核酸プローブとして固定化された。固定化領域32bには、配列番号5に記載の塩基配列を有する核酸が第2の核酸プローブとして固定化された。固定化領域32cには、配列番号6に記載の塩基配列を有する核酸が第3の核酸プローブとして固定化された。
ここで、配列番号4の核酸プローブは配列番号1のプライマーの5’側のタグ配列に相補的な配列からなり、同様に、配列番号5の核酸プローブは配列番号2のプライマーのタグに、配列番号6の核酸プローブは配列番号3のプライマーのタグに相補的な配列からなる。
まず、配列番号8に記載の塩基配列により示される核酸からなるヒトゲノム断片を鋳型に、センスプライマーとしての配列番号1、配列番号2および配列番号3のプライマーのミックスと、アンチセンスプライマーとしてのcy5標識した配列番号7の核酸とを用いてPCRにより増幅反応を行った。
PCR反応条件は以下の通りとした。即ち、最初に94℃で5分、次に94℃で30秒と74℃で60秒を30サイクル、更に72℃で7分でPCR反応を行
次に、上述した核酸プローブ固定化基体に対して、このPCRにより得られたPCR反応液を熱変性後反応させた。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応液をそのまま使用して35℃で1時間行なった。その後、PCR反応液に含まれたPCR産物と核酸プローブとのハイブリダイゼーションを、蛍光強度を測定することにより検出した。その結果をその結果を図10に示した。図10に示すように、第2の核酸プローブを固定化した電極から最も高い電流値が得られた。
これにより、簡便、安価、高速に試料核酸中の核酸に含まれる反復配列の反復数を決定するための方法が提供された。
本発明の第1の態様に従う反復数決定方法を示す図。 本発明の第2の態様に従う反復数決定方法を示す図。 本発明の第3の態様に従う反復配列数決定方法により得られる反応産物を示す図。 本発明の態様において使用され得る核酸プローブ固定化基体の第1の例を示す図。 本発明の態様において使用され得る核酸プローブ固定化基体の第2の例を示す図。 第1の実施例の結果を示す電気泳動用ゲルの写真。 実施例2に係る反復配列数決定方法に使用した核酸プローブ固定化基体の平面図。 実施例2の結果を示すグラフ。 実施例3に係る反復配列数決定方法に使用した核酸プローブ固定化基体の平面図。 実施例3の結果を示すグラフ。
符号の説明
1.ターゲット核酸 2.反復配列 3.ターゲット配列 4.プライマー 5.反応産物 6.タグ 7.プライマー 8.ターゲット核酸 9.プライマー 11.核酸プローブ固定化基体 12.基体 13.電極 14.核酸プローブ 15.パット 16.核酸プローブ固定化基体 17.基体 18.核酸プローブ 20.核酸プローブ固定化基体 21.基体 22.電極 23.パット 30.核酸プローブ固定化基体 31.基体 32.核酸プローブ固定化領域

Claims (10)

  1. 基本ユニットyを任意の反復数nで含む反復配列と、その3’側に存在する配列x1と、前記反復配列の5’側に存在する配列x2とからなるターゲット配列x1−(y)−x2を含むターゲット核酸について、その反復数を決定するための方法であって、
    (1)配列x1に相補的な配列X1と、基本ユニットyに相補的な配列Yを任意の反復数mで含む反復配列と、配列x2に相補的な配列X2とを含むプライマーX1−(Y)−X2を用いて(ここで、mは1以上の整数であり、予め予測される反復数nと等しい整数である)、適切に伸長反応が得られる条件下において核酸を伸長することと、
    (2)前記(1)の伸長することにより得られた反応産物における伸長の有無を判定することにより、当該ターゲット核酸の反復配列の反復数を決定することと、
    を具備するターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  2. 前記プライマーX1−(Y)−X2におけるmが、予め予測される反復数nと等しい整数であり、且つその予め予測される反復数nが複数存在し、それら複数予測される反復数全てに対応するプライマーが使用されることを特徴とする請求項1に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  3. 使用される前記プライマーが、その配列毎に異なる反応容器において使用されることを特徴とする請求項2に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  4. 前記プライマーが、その5’端に更にタグ配列Zを具備するプライマーZ−X1−(Y)−X2であることと、前記(2)において伸長の有無を判定することが、当該タグ配列Zに相補的な配列を有する核酸プローブを具備する核酸プローブ固定化基体に対して、適切なハイブリダイゼーションが得られる条件下で当該反応産物をハイブリダイズし、生じたハイブリダイゼーションを検出することにより行われることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  5. 前記ハイブリダイゼーションを検出することが電気化学的検出により行われることを特徴とする請求項4に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  6. 前記ハイブリダイゼーションを検出することが蛍光強度の検出により行われることを特徴とする請求項4に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  7. 前記(1)の伸長することが、増幅であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  8. 前記プライマーの全長が10塩基から50塩基であり、且つ前記プライマーに含まれるX2の長さが1塩基から20塩基であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のターゲット核酸の反復数を決定するための方法。
  9. 前記プライマーの全長が、15塩基から30塩基であり、且つ前記プライマーに含まれるX2の長さが2塩基から10塩基であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のターゲット核酸について反復数を決定するための方法。
  10. x1−(y)n−x2を含むターゲット核酸に含まれる反復配列の反復数を検出するためのX1−(Y)m−X2からなるプライマー。
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JP2012530243A (ja) * 2009-06-15 2012-11-29 ビージー リサーチ エルティーディー 核酸検出方法

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