JP4012008B2 - 複数のターゲット配列を含むターゲット核酸を検出する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸断片、核酸プローブ固定化基体およびアッセイキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
特定の核酸配列を持った核酸鎖を検出するためには、先ず、検出対象の配列に相補的な1対の核酸プライマーを用いて増幅し、その後、電気泳動または検出対象の配列に対して相補的な核酸プローブを固定化した基板などを用いて増幅産物を確認または検出する方法が一般的に用いられている(特許第2573443号および特許第3171793)。その場合、特定の核酸鎖を特異的に検出するためには、15塩基程度以上の連続する特異的な配列を有するプローブまたはプライマーが必要である。しかしながら、プライマーまたはプローブ設計ソフトなどを利用しても、変異や多型の多い領域では15塩基の連続する特異的な配列を選択することは必ずしも容易には達成できない。そのために、最適な検出条件が設定できないという問題がある。
【0003】
一方、プローブ固定化電極と電気化学的に活性な挿入剤を用いた電流検出型のDNAチップが報告されている。この方法は標識が不要なためランニングコストが安いことと、蛍光検出の場合のような高価で大型の検出装置は不要であることなどがメリットとされている。このような電気化学的な検出では、核酸プローブは長い方が検出感度が高いと考えられているが、挿入剤が一本鎖のプローブ自身に対しても若干反応してしまう。従って、長いプローブを用いるとノイズが増加してしまい、検出感度が不十分であることなどが問題となっている。
【0004】
また、長いプローブを使って特異的な反応を行なう際は、融解温度(Tm)が高くなってしまうことから、有害なジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミドなどの添加剤を加えて温度を低温にする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況から、本発明の目的は、簡便且つ高感度に核酸鎖の検出および/または伸長を可能にする手段を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下のような本発明によって達成される。即ち、
第1のターゲット配列x1と第2のターゲット配列x2とを含むターゲット核酸にハイブリダイズさせるための核酸断片であって、ターゲット配列x1に相補的な配列X1、任意の配列Y、任意の配列Z、前記配列Yに相補的な配列y、およびターゲット配列x2に相補的な配列X2を含みX1−Y−Z−y−X2で表されることを特徴とする核酸断片;
第1のターゲット配列x1から第n+1のターゲット配列xn+1までの配列を含むターゲット核酸にハイブリダイズさせるための核酸断片であって、ターゲット配列x1に相補的な配列X1、任意の配列Y1、任意の配列Z1および前記配列Y1に相補的な配列y1からなるX1−Y1−Z1−y1から、ターゲット配列xnに相補的な配列Xn、任意の配列Yn、任意の配列Znおよび前記配列Ynに相補的な配列ynからなるXn−Yn−Zn−ynまでの連続した配列と、更にターゲット配列xn+1に相補的な配列Xn+1を含み、X1−Y1−Z1−y1・・・−Xn−Yn−Zn−yn−Xn+1で表されることを特徴とする核酸断片(ここで、nは2以上の整数である)。
【0007】
プライマーおよび核酸プローブからなる群より選択される試薬として上記の何れかの核酸断片を具備することを特徴とするアッセイキット;
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9および配列番号10からなる群より選択される配列に記載された塩基配列により表されるヒトC型肝炎ウイルスを検出するための核酸プローブ;並びに
配列番号24、配列番号25および配列番号26からなる群より選択される配列に記載された塩基配列により表されるヒトC型肝炎ウイルス由来の核酸を増幅するためのプライマー;
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.核酸断片
本発明の態様に従う核酸断片は、その一部の配列によりターゲット配列にハイブリダイズさせて使用するための核酸断片である。以下に、図1に示す1例を用いて本発明の態様に従う核酸断片について説明する。
【0009】
本発明の態様に従う核酸断片がハイブリダイズしようとするターゲット核酸は、ターゲット配列x1とターゲット配列x2を含む。一方、本発明の態様に従う当該核酸断片は、ターゲット配列x1に相補的な配列X1と、ターゲット配列x2に相補的な配列X2を含み、それらの間に任意の配列Yとこれに相補的な配列yを含み、更にそれらの間に任意の配列Zを含む。即ち、当該核酸断片は、一般式「X1−Y−Z−y−X2」によって表される。
【0010】
ここで、ターゲット配列に含まれる配列「x1」および配列「x2」(ここでxは小文字)と、当該核酸断片に含まれる配列「X1」および配列「X2」(ここでXは大文字)は夫々互いに相補的である。当該核酸断片に含まれる配列「y」(ここでyは小文字)と配列「Y」(ここでYは大文字)は互いに相補的である。本明細書においては、便宜上、同じアルファベットを大文字と小文字で示した場合には、それらは互いに相補的な塩基配列からなる配列であることを示す。
【0011】
ここで使用される「ターゲット配列」の語は、本発明の態様に従う核酸断片が結合するための塩基配列を示す。ここで使用される「ターゲット核酸」の語は、ターゲット配列を含む核酸を示す。
【0012】
ここで使用される「核酸」の語は、DNAおよびRNA、S-オリゴ、メチルホスホネートオリゴ、PNA(即ち、ペプチド核酸)およびLNA(即ち、ロック核酸)などの何れの核酸類似体など、一般的に、その一部の構造を塩基配列によって表されることが可能な物質を総括的に示す語である。また、そのような核酸は、天然に存在するものであっても、人工的に合成されたものであってもよい。
【0013】
また、本発明の核酸断片は、一般的にそれ自身公知の方法により合成または産生されればよい。例えば、そのような方法は、一般的な核酸の合成に使用される核酸合成機を使用しても、一般的な大腸菌などを利用した遺伝子操作などの手段を利用してもよい。合成あるいは産生された核酸は、液体クロマトグラフィーや、マススペクトロスコピーなどで精製する事が望ましい。
【0014】
ここで使用される「相補」、「相補的」および「相補性」の語は、複数の配列が、互いに100%で相補的であることを示す。また、ここで使用される「相同」、「相同的」および「相同性」の語は、複数の配列が、互いに100%で相同であることを示す。
【0015】
配列X1と配列X2の夫々の長さは、特に限定されるものではないが、約5塩基から約50塩基の範囲であればよく、好ましくは約5塩基から約9塩基である。
【0016】
配列Yと配列yの夫々の長さは、特に限定されるものではないが、約3塩基から約50塩基の範囲であればよく、好ましくは約5塩基から約10塩基である。
【0017】
配列Yと配列yの相補性が高いほどターゲット配列に結合した際の安定性が高まる。
【0018】
配列Zの長さは、特に限定されるものではないが、約3塩基から約50塩基であればよく、好ましくは約4塩基から約10塩基である。
【0019】
従来使用される核酸の特異的な検出および増幅には、通常、約15塩基長以上の連続した配列が必要とされる。しかしながら、本発明により開示される当該核酸断片の場合、9塩基長以下の連続した配列であったとしても、ターゲット配列を特異的に検出並びに増幅および伸長が可能である。
【0020】
また、本発明に従う核酸断片は、ターゲット配列とのハイブリダイゼーションには関与しない配列Yおよび配列y並びに配列Zを有する。これらの配列を有することで、当該核酸断片内において二本鎖構造、即ち、ヘアピン構造が得られる。
【0021】
上述の例においては、当該核酸断片内におけるヘアピン構造が1つ含まれ得る例を示したが、それに限定するものではなく、1つの核酸断片内に複数のヘアピン構造が含まれてもよい。その場合、隣合うヘアピン構造の間には、ターゲット配列に相補的な配列が存在していることが好ましい。
【0022】
例えば、第1のターゲット配列x1から第n+1のターゲット配列xn+1までの配列を含むターゲット核酸にハイブリダイズさせるための核酸断片の場合、第1のターゲット配列x1に相補的な配列X1と、配列Y1と、配列Z1と、および前記配列Y1に相補的な配列y1とからなるX1−Y1−Z1−y1から、第nのターゲット配列xnに相補的な配列Xnと、配列Ynと、配列Znと、および前記配列Ynに相補的な配列ynとからなるXn−Yn−Zn−ynまでの連続した配列に、更に第n+1のターゲット配列xn+1に相補的な配列X(n+1)を含むような核酸断片、即ち、X1−Y1−Z1−y1−・・・−Xn−Yn−Zn−yn−Xn+1で表される核酸断片であってもよい。ここで、nは2以上の整数である。また、配列Y1から配列Ynまでの配列は互いに等しい配列であってもよく、互いに異なる配列であってもよく、その一部が互いに等しい配列であってもよい。
【0023】
以上のような本発明の態様に従う核酸断片は、ターゲット配列を検出するための核酸プローブ、またはターゲット配列を含むターゲット核酸に対する相補鎖を伸長するための、若しくはターゲット核酸およびその相補鎖を増幅するためのプライマーとして好ましく使用され得る。
【0024】
そのような核酸プローブにより検出またはプライマーにより増幅される対象となるターゲット配列またはターゲット核酸は、どのような種類の核酸であってもよく、また、ターゲット配列および/またはターゲット核酸の検出または増幅の対象とされるような核酸が含まれる核酸試料であればよい。
【0025】
ここで使用される「核酸試料」の語は、核酸を含む試料を示す。核酸試料は、個体から採取した試料、例えば、末梢静脈血等の血液、白血球、血清、尿、糞便、精液、唾液、細胞、臓器および組織など、並びに培養細胞などから、核酸を含有する試料にそれ自身公知の方法によって調製されればよい。ここで使用される「個体」の語は、ヒト、ヒト以外の動物及び植物、並びにウイルス、細菌、バクテリア、酵母及びマイコプラズマ等の微生物であってもよい。また、人工的に合成された核酸を含む試料であってもよい。また試料は、必要に応じて、ホモジネートおよび抽出などの必要な任意の前処理を行ってもよい。このような前処理は試料に応じて当業者によって選択され得る。
【0026】
2.核酸プローブ
本発明の態様に従う核酸プローブは、ターゲット配列を検出するための手段として使用される。即ち、当該核酸プローブは、検出の目的とされるターゲット配列に相補的な配列を有する。従って、ターゲット配列にハイブリダイズすることが可能である。その後、生じたハイブリダイゼーションを検出することにより、試料核酸中にターゲット配列および/またはターゲット配列を含むターゲット核酸が存在することを検出することが可能である。
【0027】
ここで使用される「ハイブリダイゼーションを検出する」の語は、ハイブリダイゼーションにより生じた二本鎖核酸を検出すること、または試料核酸を予め何れかの標識物質により標識しておいて、ハイブリダイゼーション後にその標識物質に由来する信号を検出すること、或いはそれ自身公知の他の手段により、反応によって二本鎖核酸が存在することまたはハイブリダイゼーションが生じたことを検出することを総括的に示す語であり、何れの手段により検出が達成されてもよい。
【0028】
本発明の態様に従う核酸プローブは、上述した本発明に従う核酸断片の他に更なる配列を含んでもよい。また、Cy5、Cy3などの蛍光物質、色素物質、磁気性物質、並びにアビジンおよびビオチンなどの互いに特異的に結合する1対の物質の一方を標識物質として付与されてもよい。また、ハプテン、オキシダーゼ若しくはホスファターゼ等の酵素、またはフェロセン若しくはキノン類のが付与されていてもよい。そのような修飾がなされた核酸プローブも本発明として提供される。
【0029】
また、本発明に従う核酸プローブは、基体に固定化されて使用されてもよい。そのような核酸プローブ固定化基体も本発明の態様として提供される。
【0030】
3.核酸プローブ固定化基体
本発明の態様において提供され得る核酸プローブ固定化基体は、基本的には、基体と、前記基体に固定化された核酸プローブとからなる。好ましくは前記核酸プローブは前記基体に固定化される。また、当該核酸プローブを具備した核酸プローブ固定化基体も本発明の態様として提供される。
【0031】
核酸プローブ固定化基体は、一般的にはDNAチップまたはDNAマイクロアレイまたはDNAマクロアレイと称されるそれ自身公知の装置を利用してもよい。また、マイクロビーズや、マイクロタイタープレートなどをプローブの固定化基体として用いることも可能である。
【0032】
ここで「核酸プローブ」とは、ターゲット配列に相補的な塩基配列を含む核酸であって、基体に固定化されるための核酸断片をいう。核酸プローブは、目的とするターゲット配列に相補的な配列を有し、それによって適切な条件下でターゲット配列とハイブリダイズすることが可能である。
【0033】
ここで「ターゲット配列」とは、その存在を検出したい塩基配列、または核酸プローブの塩基配列によって捕捉しようとする配列を指す。また、そのようなターゲット配列を含む核酸をターゲット核酸と称す。例えば、プライマーに具備されるタグの塩基配列をターゲット配列とする場合には、核酸プローブの配列は所望のタグの配列に相補的な配列とすればよい。
【0034】
ここで使用される「相補」、「相補的」および「相補性」の語は、50%〜100%の範囲で相補的あればよく、好ましくは100%で相補的であることをいう。また、ここで使用される「相同」、「相同的」および「相同性」の語は50%〜100%の範囲で相同であればよく、好ましくは100%で相同的であることをいう。
【0035】
本発明の態様において使用される核酸プローブ固定化基体について、例を用いて以下に説明する。
【0036】
(1)第1の例
図2に本発明の態様に従い使用され得る核酸プローブ固定化基体の第1の例を模式的に示した。第1の例である核酸プローブ固定化基体は、基体1とその固定化領域2に固定化された核酸プローブとを具備する(図2)。
【0037】
このような核酸プローブ固定化基体は、例えば、それ自身公知の手段によりシリコン基板などの基体に対して核酸プローブを固定化することにより製造することが可能である。
【0038】
本態様においては、1つの基体に配置する核酸プローブの数はこれに限定するものではなく、所望に応じて変更してもよく、また、複数種類の塩基配列を有する核酸プローブを1つの基体に配置してもよい。複数および/または複数種類の核酸プローブの基体への固相パターンは、当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。そのような核酸プローブ固定化基体も本発明の範囲内である。
【0039】
(2)第2の例
図3を用いて、本発明の態様において使用され得る核酸プローブ固定化基体の第2の例を説明する。第2例である核酸プローブ固定化基体は、基体11に具備された電極12に固定化された核酸プローブを具備する(図3)。電極12は、電気的情報を取り出すためのパット13に接続されている。
【0040】
このような核酸プローブ固定化基体は、例えば、それ自身公知の手段によりシリコン基板などの基体に電極を配置し、その電極表面に対して核酸プローブを固定化することにより製造することが可能である。
【0041】
本態様においては、電極の数を10としたが1つの基体に配置する電極の数はこれに限定するものではない。また、電極の配置パターンも図3に示したものに限定されるものではなく、当業者が必要に応じて適宜設計変更することが可能である。必要に応じて参照電極および対極を設けてもよい。そのような核酸プローブ固定化基体も本発明の範囲内である。
【0042】
上記の例に記載するような蛍光検出を行うための核酸プローブ固定化基体の場合は、上記の何れかの基体に対して核酸プローブを固定化すればよい。また、上記の第1の例に記載するような電気化学的検出を行うための核酸プローブ固定化基体の場合は、上記の何れかの基体に電気化学的な検出が可能であるように電極を配置し、その電極上に核酸プローブを固定化すればよい。
【0043】
本発明において使用され得る電極は、特に限定されるものではないが、例えば、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭素電極、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウムのような貴金属電極、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物電極、Si、Ge、 ZnO、 CdS、 TiO2 、GaAsのような半導体電極、チタン等が挙げられる。これらの電極は導電性高分子によって被覆しても、単分子膜によって被覆してもよく、所望に応じてその他の表面処理剤を処理してもよい。
【0044】
核酸プローブの固定は、それ自身公知の何れの手段によっても行ってよい。例えば、核酸プローブの固定は、処理または無処理の基体または電極表面に対して、共有結合、イオン結合または物理吸着等によって直接固定化してもよい。或いは、核酸プローブの固定を助けるリンカー剤を用いてもよく、基板または電極に対してスペーサーを介して核酸プローブを固定化してもよい。また、電極に対する試料核酸の非特異的な結合を防止するためのブロッキング剤をリンカー剤と共に電極に処理してもよい。また、ここで使用されるリンカー剤およびブロッキング剤は、例えば、電気化学的検出を有利に行うための物質であってもよい。
【0045】
また、異なる塩基配列を有する核酸プローブは、それぞれ、異なる電極に対して固定化されてもよく、異なる塩基配列を有する複数種類の核酸プローブが混合された状態で1つの電極に対して固定化されてもよい。
【0046】
(3)検出
本発明に従う核酸プローブ固定化基体は、前記基体に固定化された核酸プローブとターゲット核酸との間のハイブリダイゼーション反応の結果生じた二本鎖の存在を検知するための手段として、電気化学的方法および蛍光検出法を利用することが可能である。
【0047】
(a)電気化学的検出
電気化学的による二本鎖核酸の検出は、例えば、それ自身公知の二本鎖認識物質を用いて行えばよい。
【0048】
ここで用いられる二本鎖認識体は特に限定されるものではないが、例えば、ヘキスト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーターおよびポリインターカレーター等を用いることが可能である。更に、これらのインターカレーターを電気化学的に活性な金属錯体、例えば、フェロセン、ビオロゲン等で修飾しておくことも可能である。また、その他の公知の何れの二本鎖認識物質も本発明において好ましく使用される。
【0049】
本発明に従う核酸プローブ固定化基体では、核酸プローブが電極に対して固定化されている。このような電極を用いての二本鎖核酸の検出は他の一般的な電気化学的検出法と同じように、更に対極や参照極を使用してもよい。参照極を配置する場合、例えば、銀/塩化銀電極や水銀/塩化水銀電極などの一般的な参照極を使用してよい。
【0050】
続いて、適切なハイブリダイゼーションが可能な条件下で反応を行う。そのような適切な条件は、ターゲット配列に含まれる塩基の種類、核酸プローブ固定化基体に具備される核酸プローブの種類、試料核酸の種類およびそれらの状態などの諸条件に応じて、当業者であれば適宜選択することが可能である。これに限定されるものではないが、例えば以下のような条件下で反応を行ってもよい。
【0051】
即ち、ハイブリダイゼーション反応溶液は、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。この溶液中にはハイブリダイゼーション促進剤である硫酸デキストラン、並びに、サケ精子DNA、牛胸腺DNA、EDTAおよび界面活性剤などを添加してもよい。ここに得られた試料核酸を添加し、90℃以上で熱変性させる。熱変性された試料核酸への核酸プローブ固定化基体の挿入は、変性直後、あるいは0℃に急冷後に行ってもよい。また、基体上に液を滴下することでハイブリダイゼーション反応を行うことも可能である。
【0052】
反応中は、撹拌、あるいは振とうなどの操作で反応速度を高めてもよい。反応温度は、例えば、10℃〜90℃の範囲で、反応時間は1分以上1晩程度で行えばよい。ハイブリダイゼーション反応後、電極を洗浄する。洗浄には、例えば、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。試料核酸中にターゲット配列を含むターゲット核酸が存在した場合、核酸プローブとハイブリダイズし、それにより二本鎖核酸が生じる。
【0053】
続いて、電気化学的手段により、以下のような手順で生じた二本鎖核酸の検出を行う。一般的には、ハイブリダイゼーション反応の後に、基体を洗浄し、電極表面に形成された二本鎖部分に二本鎖認識体を作用させて、それにより生じる信号を電気化学的に測定する。
【0054】
二本鎖認識体の濃度は、その種類によって異なるが、一般的には1ng/mL〜1mg/mLの範囲で使用する。この際には、イオン強度0.001〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いればよい。
【0055】
例えば、電気化学的な測定は、二本鎖認識体が電気化学的に反応する電位以上の電位を印加し、二本鎖認識体に由来する反応電流値を測定してよい。この際、電位は定速で掃引するか、あるいはパルスで印加するか、あるいは、定電位を印加してもよい。測定の際に、例えば、ポテンショスタット、デジタルマルチメーターおよびファンクションジェネレーター等の装置を用いて電流、電圧を制御してもよい。例えば、得られた電流値を基に、検量線からターゲット核酸の濃度を算出してもよい。
【0056】
このような電気化学的な核酸検出方法において、本発明の態様に従うヘアピン構造を有するヘアピン構造を有する核酸プローブ(ヘアピンプローブとも称される)を使用することにより、挿入剤を使用する電気化学的な核酸検出方法の高感度化が達成される。即ち、ハイブリダイゼーション反応前は、核酸プローブは通常一本鎖の構造を形成している。しかしながら、ターゲット配列と結合、即ち、ハイブリダイズすることによって、ターゲット配列と当該核酸プローブとの間に二本鎖構造が形成されると共に、核酸プローブの内部にも二次構造(即ち、二本鎖)が形成される。このような構造によって、プローブがヘアピン構造を形成していないものに比べ、より多くの挿入剤が結合可能となる。それによって、結果的に電流信号の増大、高感度化が達成される。
【0057】
また、本発明の態様に従うと、特異性を維持しながらTmを低温に設定することが可能であるので、特別な更なる試薬を添加することなく、低温でハイブリダイゼーション反応を達成することが可能である。PCR反応を行うことが可能である。
【0058】
また、それ自体公知の電気化学的検出手段、例えば、以下の文献に開示されている(Hashimoto et al. 1994, Wang et al. 1998)手段なども本発明の方法において好ましく使用できる。当該文献において、橋本らは、DNAプローブで修飾された金電極と電気化学的に活性な色素を用いる配列特異的遺伝子検出を報告した。色素に由来する陽極の電流は、ターゲットDNAの濃度に相関する。また、ワンらは、インディケーターフリーの電気化学的なDNAのハイブリダイゼーションを報告した。このバイオセンサーの構成は、カーボンペースト電極へのイノシン置換プローブ(グアニンを含まない)の固定化と、当該標識のグアニン酸化ピークの存在による二重鎖の形成のクロノポテンショメトリック検出を含む。これらの文献に記載される検出手段は好ましく本発明において使用されてよい。
【0059】
(b)蛍光検出法
蛍光標識物質を用いる方法の場合には、アンチセンスプライマーを、FITC、Cy3、Cy5若しくはローダミンなどの蛍光色素などの蛍光学的な活性が得られる物質で標識しておいてもよい。或いは、その標識の代わりに前述した物質で標識したセカンドプローブを用いることで検出を行ってもよい。複数の標識物質を同時に使用してもよい。
【0060】
幾つかの態様においては、試料から抽出した核酸成分と核酸プローブ固定化チップに固定化された核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応は、例えば、以下のように行う。即ち、ハイブリダイゼーション反応溶液は、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。この溶液中にはハイブリダイゼーション促進剤である硫酸デキストラン、並びに、サケ精子DNA、牛胸腺DNA、EDTAおよび界面活性剤などを添加してもよい。ここに抽出した核酸成分を添加し、90℃以上で熱変性させる。核酸プローブ固定化チップの挿入は、変性直後、あるいは0℃に急冷後に行ってよい。また、基体上に液を滴下することでハイブリダイゼーション反応を行うことも可能である。反応中は、撹拌、あるいは振とうなどの操作で反応速度を高めてもよい。反応温度は、例えば、10℃〜90℃の範囲で、反応時間は1分以上1晩程度で行えばよい。ハイブリダイゼーション反応後、洗浄を行う。洗浄には、例えば、イオン強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝液を用いる。
【0061】
蛍光検出の場合、ハイブリダイゼーション反応の検出は、標識の種類に応じた適宜の検出装置を用いて、試料中の標識された塩基配列又は2次プローブ中の標識を検出することによって行う。標識が蛍光物質の場合には、例えば、蛍光検出器を用いて標識を検出すればよい。
【0062】
本発明に従う核酸プライマーを使用すると、特異性を維持しながらTmを低温に設定することが可能である。従って、特別な更なる試薬を添加することなく、低温でハイブリダイゼーション反応を達成することが可能である。PCR反応を行うことが可能である。
【0063】
また、本発明の核酸断片、核酸プローブおよび/または核酸プローブ固定化基体を使用したターゲット核酸の検出方法も本発明の態様として提供される。
【0064】
4.プライマー
本発明の態様に従う核酸断片は、ターゲット核酸に含まれるターゲット配列にハイブリダイズして、核酸を伸長するためのプライマーとして使用されてもよい。
【0065】
ここで使用される「核酸を伸長する」の語は、鋳型核酸と、その一部の塩基配列に相補的なプライマーとを用いて、ポリメラーゼを作用させることにより、目的とする核酸を伸長することをいい、更に、そのような伸長と、そのような伸長が繰り返し行われる増幅の両方を示す。
【0066】
本発明の態様に従って利用され得る伸長反応は、それ自体公知の一般的に核酸を伸長するために使用される手段であっても、および核酸を増幅するために使用される手段であってもよく、そのような手段で有れば何れも使用してよい。これらに限定するものではないが、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(一般的にPCRと称される、以下、PCRと記す)や逆転写PCRなどを利用した方法を用いることが可能である。また更に、Nucleic acid strand amplification(NASBA)、Transcription mediated amplification(TMA)、Ligase chain reaction(LCR)、Strand displacement amplification(SDA)、Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids(ICANN)および Rolling circle amplification(RCA)法などの手段も本発明の態様に従って利用することが可能である。
【0067】
ここで使用される「適切に伸長反応が得られる条件」とは、ポリメラーゼが核酸鎖を合成するための各種条件、例えば、温度、pH、塩濃度およびdNTPなどの条件が、ポリメラーゼの活性を適切に得るために十分であるような状態を示す。
【0068】
また更に、当該プライマーの5’端に、塩基配列からなるタグや、Cy5、Cy3等の蛍光物質、色素物質、磁気性物質、並びにアビジンおよびビオチンなどの互いに特異的に結合する1対の物質の一方が標識物質として付与されてもよい。また、ハプテン、オキシダーゼ若しくはホスファターゼ等の酵素、またはフェロセン若しくはキノン類が付与されていてもよい。そのような修飾がなされたプライマーも本発明の態様として提供される。
【0069】
本発明に従う核酸プライマーを使用すると、特異性を維持しながらTmを低温に設定することが可能である。従って、特別な更なる試薬を添加することなく、低温で伸長反応を達成することが可能である。
【0070】
5.アッセイキット
本発明はまた、上述したような本発明の何れの態様に従うプライマー、核酸プローブ、核酸プローブ固定化基体は、使用目的に応じて適切なキットとして提供されてもよい。
【0071】
例えば、本発明に従うプライマーの場合は、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬、例えば、ポリメラーゼおよび/または基質などと組み合わせてキットを形成し、提供されてもよい。例えば、タグ配列、プライマーおよび伸長産物またはその一部に相補的な配列を含む核酸プローブなども、基板および/または種々の試薬および/または標識物質などと食い合わせてキットを形成し、本発明として提供されてもよい。上記のプライマーと所望の核酸プローブおよび/または核酸プローブ固定化基体を所望に応じて組み合わせてキットとして提供されてもよい。しかしながら、本発明により提供されるキットは、以上の組み合わせに限定されるものではなく、必要に応じて種々のものと組み合わせてキットとして提供されてもよい。また、使用目的もこれに限定するものではなく、上述した何れの目的に対するキットを形成することが可能である。そのようなキットも本発明の範囲に含まれる。
【0072】
【実施例】
実施例1
図2は、本発明の態様に従う核酸プローブ固定化基体の例である。図2はC型肝炎ウイルス(以下、HCVと記す)の型判定を行うための、所謂、DNAチップである。図2Aの核酸プローブ固定化基体Aの夫々の固相化領域2には、領域毎に、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9および配列番号10の核酸配列からなる合成オリゴヌクレオチドプローブを固定した。HCVの1b型に反応するプローブは配列番号1、配列番号4および配列番号6であり、HCVの2a型に反応するプローブは配列番号2、配列番号5、配列番号7および配列番号9であり、HCVの2b型に反応するプローブは配列番号3、配列番号5、配列番号8、配列番号10である(図2A)。またここで、配列番号5からなるプローブはHCV2aおよび2bの両方に反応する。これらのプローブの末端にアミノ基を導入し、ポリリジン処理したスライドガラス上にスポット後、乾燥固定した。
【0073】
また、対象として、図2Bに示す核酸プローブ固定化基体Bの固定化領域2に対して、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19および配列番号20の塩基配列からなる核酸プローブを固定化した(図2B)。
【0074】
実施例2
実施例1において作製した核酸プローブ固定化基体を用いて、HCVのタイピングを行った。血清中から抽出したHCVのゲノムを、配列番号21および配列番号22のプライマーで増幅した後、配列ビオチン標識した配列番号23とcy5で標識した配列番号22のプライマーとを用いて再PCR反応を行った。反応後、アビジン修飾磁気微粒子(Magnotex-SA、宝酒造)を用いて一本鎖DNAを得た。Cy5標識したターゲットを2xSSC溶液に溶解し、図2AおよびBに記載の核酸プローブ固定化基体AおよびBに対して反応させ、HCVの型判定を行った。その結果、従来の核酸プローブ固定化基体Bでは最適温度が40℃であったのに対し、本発明に従う核酸プローブ固定化基体Aでは、35℃で特異性が最も高くなった。また、蛍光強度では、核酸プローブ固定化基体Aと核酸プローブ固定化基体Bとでほぼ同程度であった。
【0075】
実施例3
図3は、本発明の態様に係る電気化学的検出用の核酸プローブ固定化基体の概略構成を示す図である。当該図3は核酸プローブ固定化基体は、基板11に配置された電極12と、当該電極12に固定化された核酸プローブとを具備する。核酸プローブの電極への固定化は、各核酸プローブの末端にチオール基を導入し、パターニングした金電極上に固定することにより行った。
【0076】
本実施例で使用した核酸プローブはC型肝炎ウイルス(HCV)の型判定を行うための核酸プローブである。図2に示す核酸プローブ固定化基体Cの夫々の電極には、電極毎に配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9および配列番号10に記載の塩基配列により表される合成オリゴヌクレオチドプローブが固定化された(図3C)。HCVの1b型に反応するプローブは配列番号1、配列番号4および配列番号6であり、HCVの2a型に反応するプローブは配列番号2、配列番号5、配列番号7および配列番号9であり、HCVの2b型に反応するプローブは配列番号3、配列番号5、配列番号8および配列番号10である。ここで配列番号5からなるプローブ5は2aおよび2bの両方に反応する。
【0077】
対象として、核酸プローブ固定化基体Dには、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19および配列番号20の核酸配列からなる合成オリゴヌクレオチドプローブを固定化した(図3D)。
【0078】
実施例4
上述の実施例3で作製した核酸プローブ固定化基体CおよびDを用いて、HCVのタイピングを行った。血清中から抽出したHCVのゲノムを、配列番号21および配列番号22のプライマーで増幅した後、配列ビオチン標識した配列番号23と配列番号22のプライマーで再PCR反応を行った。反応後、アビジン修飾磁気微粒子(Magnotex-SA、宝酒造)を用いて一本鎖DNAを得た。一本鎖ターゲットを2xSSC溶液に溶解し、核酸プローブ固定化基体Cおよび核酸プローブ固定化基体Dの上でハイブリダイゼーション反応を行った。最後にヘキスト33258の電流測定を行った。その結果、核酸プローブ固定化基体Dでは最適温度が40℃であったが、核酸プローブ固定化基体Cでは35℃で特異性が最も高くなった。電流強度は、核酸プローブ固定化基体Cの方が核酸プローブ固定化基体Dの約1.2倍となり、バックグラウンド電流も低下した。以上の結果からハイブリダイゼーション効率の向上とバックグランドの低下が確認できた。
【0079】
以上のように本発明の核酸プローブを使用すれば、従来よりも検出感度が向上された。これは、当該核酸プローブがターゲット配列に結合したことにより生じたヘアピン構造のため、従来のプローブに比較してより多くの挿入剤が結合され、その結果、電流強度が増加し、電流信号が増大されたためであると示唆される。
【0080】
実施例5
血清中から抽出したHCVのゲノムを、配列番号21、配列番号22のプライマーで増幅した後、配列番号23と配列番号22のプライマーで再PCR反応を行った。また、配列番号24および配列番号25のプライマーで増幅した後、配列番号26と配列番号25のプライマーで再PCR反応を行った。PCR反応のアニーリング温度は55℃と60℃で行った。これらのPCR産物を電気泳動で解析した結果、配列番号21および配列番号22の場合では、55℃では非特異的な増幅がみられ、60℃では非特異的な信号は見られないが、収量は少なかった。これに対し配列番号24および配列番号25のプライマーを用いた場合では、55℃でも特異的で増幅効率も高いことが分かった。以上のように、本発明に基づくプライマーを用いると、PCR反応を低温でも特異的且つ高効率に行うことが可能である。
【0081】
従って、簡便且つ高感度に核酸鎖の検出および/または伸長を可能にする手段が提供された。また、このような本発明に従う種々の手段は簡便且つ高感度な上に安価に所望の検出および/または伸長を達成することが可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明により、特異的にターゲット配列に結合する核酸断片、特異的且つ高感度にターゲット配列を検出するための核酸プローブ、特異的且つ効率的にターゲット配列にハイブリダイズし、伸長するためのプライマー、並びにそれらを具備するキットが提供された。
【0083】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の態様に従う核酸断片の1例の概略構成を示す図。
【図2】 実施例1および2に係る核酸プローブ固定化基体の概略構成を示す平面図。
【図3】 実施例3および4に係る核酸プローブ固定化基体の概略構成を示す平面図。
【図4】 実施例4に係る比較実験の結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1.基体 2.固定化領域 11.基体 12.電極 13.パット
Claims (5)
- 複数のターゲット配列を含むターゲット核酸を検出する方法であって、2以上のターゲット配列を含むターゲット核酸に対して、前記2以上のターゲット配列の各々に相補的な2以上のターゲット配列に相補的な配列と、前記2以上のターゲット配列に相補的な配列間に存在して配列Y−配列Z−配列yからなるヘアピン構造とが存在する核酸断片であり、且つ前記ターゲット配列に相補的な配列の長さが夫々9塩基から50塩基である核酸プローブ(ここで、同じアルファベットを大文字と小文字で示した場合、それらは互いに相補的な配列である)をハイブリダイゼーションさせることを具備する方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記ターゲット核酸が、第1のターゲット配列x1から第n+1までの配列を含み、前記核酸断片が、配列X1から配列Xn+1までのn+1個の配列Xと、配列Y1から配列Ynまでのn個の配列Yと、配列Z1から配列Znまでのn個の配列Zと、配列y1から配列ynまでのn個の配列yとからなるX1−Y1−Z1−y1・・・Xn−Yn−Zn−yn−Xn+1であることを特徴とする方法(ここで、同じアルファベットを大文字と小文字で示した場合、それらは互いに相補的な配列である)。
- 請求項1に記載の方法であって、前記ターゲット核酸が、第1のターゲット配列x1と第2のターゲット配列x2とを含み、前記核酸断片が、配列X1、配列Y、配列Z、配列y、および配列X2からなるX1−Y−Z−y−X2で表されることを特徴とする方法(ここで、同じアルファベットを大文字と小文字で示した場合、それらは互いに相補的な配列である)。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の方法であって、前記核酸プローブが電気化学的検出用の核酸プローブ固定化基体に固定化されていることを特徴とする方法。
- 請求項1から4の何れか1項に記載の方法で生じたハイブリダイゼーションの後で、増幅することを更に具備する方法。
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