JP4489931B2 - 地上デジタルtv放送伝送方法及び地上デジタルtv放送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上デジタルTV放送システムに係り、特に雑音を除去して十分な性能を保持しながら中継伝送できる地上デジタルTV放送伝送方法及び地上デジタルTV放送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、地上デジタルTV放送の研究開発が将来の実現に向けて精力的に進められている。地上デジタルTV放送においては、サービスエリアを全国規模で拡大するために、親局から送信される放送波を中継して子局に送信する放送波中継局の設置が不可欠である。
【0003】
現行のアナログ地上放送における放送波中継局では、親局からの放送波を親局の送信周波数とは異なる周波数に変換して子局に送信する方式がとられている。これに対し、地上デジタルTV放送においては、貴重な周波数資源の有効利用を図り、また地上デジタルTV放送を利用した移動体サービスにおいて同一周波数で放送されるエリアを広くするために、放送中継局の送信周波数を親局のそれと同一周波数にする、いわゆるSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の構築が重要な課題となっている。
【0004】
SFN方式でネットワークを構築すると、中継局において、自局の回り込みに起因する発振現象などが発生し、放送波の中継が困難になったり、所望の出力で送信できなくなってしまう等の問題点があった。
【0005】
そこで、回り込みによる問題点を解決する方法として、地上デジタルTV放送で使用されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple:直交周波数多重変調)信号を、そのまま各中継局に中継させて周波数の有効利用と経費削減とを図ることが考えられている。しかしながら、OFDM信号をそのまま周波数変換して伝送すると、各中継局に設けられている受信装置側のローカル発振周波数に僅かな揺らぎがあってもOFDM信号の復調に致命的な障害を与えてしまうことから、このような揺らぎをなくしてOFDM信号を確実に中継することができる技術の開発が望まれていた。
【0006】
各中継局でローカル発振周波数に揺らぎなどが発生しないようにする1つの方法として、パイロット信号を用いる技術が、平成11年7月30日公開の特開平11−205280号「送信装置及び受信装置」(出願人:日本放送協会、発明者:巽行雄他)に記載されている。
この従来技術は、OFDM信号を構成するスペクトルの上側(又は下側)に、OFDM信号のスペクトルと少し離れた周波数となるようにパイロット信号を重畳して送信装置から送信すると共に、受信装置側で送信信号を周波数変換して得られたIF信号中のパイロット信号に基づき、ローカル発振部の発振周波数を制御するもので、これにより、各中継局でのローカル周波数に揺らぎなどが発生しないようにでき、OFDM信号を確実に周波数変換又は復調することができて、周波数の有効利用と経費削減がはかれるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の送信装置及び受信装置を用いた地上デジタルTV放送システムでは、周波数精度は保持できても中継伝送の過程で重畳された位相雑音などはキャンセルできず、中継が多段になると位相雑音等が次々に重畳されていって伝送品質を劣化させるという問題点があった。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる地上デジタルTV放送伝送方法及び地上デジタルTV放送システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、地上デジタルTV放送伝送方法において、スタジオ内で、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号をFM変調したFM基準信号と、パイロット・キャリアと放送波IF信号とを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信し、
送信所で、STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、受信IF信号内のFM基準信号から受信側周波数基準信号を取得し、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号とし、中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送するので、
各送信所において、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期させ、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる。
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、地上デジタルTV放送伝送システムにおいて、スタジオが、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号をFM変調したFM基準信号と、パイロット・キャリアと放送波IF信号とを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信するスタジオであり、
送信所が、STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、受信IF信号内のFM基準信号から受信側周波数基準信号を取得し、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号とし、中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送する送信所としているので、
各送信所において、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期させ、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0012】
上位概念的に説明すれば、本発明に係る地上デジタルTV放送伝送方法及び地上デジタルTV放送システムは、スタジオ内で、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号をFM変調したFM基準信号と、パイロット・キャリアと放送波IF信号とを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信し、
送信所で、STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、受信IF信号内のFM基準信号から受信側周波数基準信号を取得し、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号とし、中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送するので、
各送信所において、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期させ、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる。
【0013】
機能実現手段で説明すれば、本発明に係るデジタルTV放送システムは、スタジオの変調器が、高精度の基準信号を用いて放送データをデジタル変調して放送波IF信号を生成し、放送波IF信号と基準信号とを出力する変調器であり、
スタジオのSTL送信機が、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いるパイロット・キャリアを生成するパイロット・キャリア生成手段と、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号を変調器からの基準信号に基づいて生成する受信側周波数基準信号生成手段と、受信側周波数基準信号を広帯域FM変調してFM基準信号を生成するFM基準信号生成手段と、変調器からの放送波IF信号とパイロット・キャリアとFM基準信号とを周波数多重する周波数多重手段と、周波数多重された信号を周波数変換してTTL信号を送信する送信周波数変換手段とを有するSTL送信機であり、
送信所のSTL/TTL受信機が、スタジオからのSTL信号又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成する受信手段と、受信IF信号を分割して受信IF信号の成分とパイロット・キャリアの成分とFM基準信号の成分とを出力する周波数多重分割手段と、FM基準信号の成分から受信側周波数基準信号を取得し、パイロット・キャリアの成分からパイロット・キャリアを再生し、受信IF信号内の放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って放送波IF信号を再生して出力すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号を再生して出力するローカル・ノイズ・キャンセル手段とを有するSTL/TTL受信機であるとしているので、
各送信所のSTL/TTL受信機において、ローカル・ノイズ・キャンセル手段で、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期し、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できるものである。
【0014】
尚、本発明の実施の形態における各手段と図2又は図4の各部との対応を示すと、STL送信機の送信周波数変換手段は、図2の送信周波数変換部26及び電力増幅部27に相当し、TTL送信機の受信手段は、図4の受信F/E部30及び受信IF部31に相当している。
【0015】
まず、本発明の実施の形態に係るSTL/TTL伝送方法を実現する地上デジタルTV放送システムの概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムの概略構成ブロック図である。
本実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムは、図1に示すように、スタジオ、親局、子局/中継局(2)、子局/中継局(3)(図示せず)、子局/中継局(4)(図示せず)、子局/中継局(5)、5台のテレビ受像機(図では、TV−RXで内3台が図示されている)9から基本的に構成されている。
尚、本発明では、SFN(Single Frequency Network:単一周波数網)システムの中で、5対向の無線回線を連続接続することを条件としている。
また、SFNの検討に対しては、隣接局及び次隣接局からの放送波までが影響するものと考える。また、STL/TTLのSFNは考慮しないものとする。
【0016】
ここで、スタジオと親局との間はマイクロ波を用いてリンクするSTL(Studio to Transmitter Link )単区間通信であり、親局と子局/中継局(2)との間及び子局/中継局間はマイクロ波を用いてリンクするTTL(Transmitter to Transmitter Link)単区間通信である。
また、周波数f10,f21,f32,…,f54は、A〜GバンドのSTL/TTL用周波数であり、SFNを考慮しないものとする。
また、周波数f1-1,f1-2,…,f1-5は、SFN放送用周波数であり、同一周波数である。ここで、「−」に続く数字は、送出された送信機を表している。
【0017】
次に、図1のシステムにおける各内部の構成を具体的に説明する。
スタジオは、撮影した映像及び音声及びデータ等をデジタル変調して放送用IF信号に変調するスタジオ用のBST−OFDM変調器(図では、BST−OFDM MOD)1と、変調された放送用IF信号と、受信側での周波数同期及び雑音除去(ノイズキャンセル)に用いる各種基準信号(FM基準信号、パイロット・キャリア)とを周波数多重化して周波数f10にて送信するSTL送信機(図では、STL−TX0 )2とを備えている。
【0018】
BST−OFDM変調器1では、BST−OFDM(Band Segmented Transmission - Orthogonal Frequency Division Multiplexing:帯域分割伝送−直交周波数分割多重)が為される。
ここで、BST−OFDMは、OFDMに更に柔軟性や拡張性を持たせるために考案された方式で、OFDMが、非常に多数のキャリアを用意し、その1本1本に情報を分けてデジタル変調する方式で、ゴーストなどの妨害に強いという特徴を持つのに加え、BST−OFDMでは、例えば100kHz程度を最小単位とする小さなOFDM波(これをBSTセグメントと呼ぶ)を多数構成し、BSTセグメントを必要数用いて、送られる電波を構成することを基本的な考え方としている。
尚、本件の図中ではスタジオにおける変調方式をBST−OFDMとして説明するが、これに限定するものではなく、OFDM変調でも良いし、その他の変調方式であっても構わない。
【0019】
親局は、STL信号(周波数f10)を受信し、雑音を除去した後に放送波IF信号と中継波IF信号を出力するSTL受信機(図では、STL−RX1 )3と、STL受信機3からの中継波IF信号を入力し、周波数f21のTTL信号で送信するTTL送信機(図では、TTL−TX1 )4と、STL受信機3からの放送波IF信号を入力し、TV放送用周波数f1-1 でテレビ受像機(TV−RX)9に送信する放送用送信機(図では、BC−TX1 )5とを備えている。
【0020】
子局/中継局(2)は、TTL信号(周波数f21)を受信し、雑音を除去した後に放送波IF信号と中継波IF信号を出力するTTL受信機(図では、TTL−RX2 )6と、TTL受信機6からの中継波IF信号を入力し、周波数f32のTTL信号で送信するTTL送信機(図では、TTL−TX2 )7と、TTL受信機6からの放送波IF信号を入力し、TV放送用周波数f1-2 でテレビ受像機(図では、TV−RX)9に送信する放送用送信機(図では、BC−TX2 )8とを備えている。
尚、子局/中継局(3),(4)(図示せず)については、子局/中継局(2)と同様の構成である。
【0021】
子局/中継局(5)は、TTL信号(周波数f54)を受信し、雑音を除去した後に放送波IF信号を出力するTTL受信機(TTL−RX5 )と、TTL受信機からの放送波IF信号を入力し、TV放送用周波数f1-5 でテレビ受像機(TV−RX)に送信する放送用送信機(BC−TX5 )とを備えている。
【0022】
テレビ受像機(TV−RX1 ,TV−RX2 ,…,TV−RX5 )9は、親局、子局/中継局(2),…,子局/中継局(5)からのTV放送用周波数f1-1,f1-2,…,f1-5 (同一周波数)を受信し、放送番組を放映する。
【0023】
次に、本発明の実施の形態に係るSTL/TTL伝送方法を実現する地上デジタルTV放送システムの概略動作について、図1を用いて説明する。
本実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムでは、スタジオで撮影された映像及び音声及びデータ等が、BST−OFDM変調器1で放送用IF信号に変調されてSTL送信機2に出力され、STL送信機2で放送用IF信号と受信側で周波数同期及び位相雑音除去に用いられる各種基準信号(FM基準信号、パイロット・キャリア)とが周波数多重化されて、周波数f10にて親局に送信される。
【0024】
親局では、周波数f10のSTL信号がSTL受信機3で受信され、各種基準信号を用いてノイズキャンセルが行われ、雑音が除去された放送波IF信号と中継波IF信号とが再生され、中継波IF信号は、TTL送信機4で周波数f21のTTL信号に変換されて送信され、子局/中継局(2)に伝送される。
一方、STL受信機3で再生された放送波IF信号は、放送用送信機5に出力され、放送用送信機5でTV放送用周波数f1-1に変換されて、テレビ受像機(TV−RX)9に送信され、テレビ受像機9で放送番組が放映される。
【0025】
次に、本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるスタジオ内のSTL送信機2の内部構成について、図2を用いて具体的に説明する。図2は、本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるSTL送信機2の内部の構成ブロック図である。
本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるスタジオ内のSTL送信機2の内部は、パイロット・キャリア生成部21と、受信側周波数基準信号生成部22と、FM基準信号生成部23と、OW生成部24と、周波数多重部25と、送信周波数変換部26と、電力増幅部27とから構成されている。
【0026】
本発明のSTL送信機2内部の各部について説明する。
パイロット・キャリア生成部21は、STL受信機3及びTTL受信機6でSTL送信機2及びTTL送信機4の周波数ずれ(位相雑音)をキャンセルするためのパイロット・キャリアを生成するものである。
通常、パイロット・キャリアは、放送波IF信号(BST-OFDM)から少し離れた周波数位置となる信号である。
具体的なパイロット・キャリア生成方法としては、BST−OFDM変調器1から出力される高精度の基準信号をリファレンス信号として、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)により所定周波数のパイロット・キャリアを得るようになっている。
尚、ここでは、BST−OFDM変調器1からの基準信号をリファレンス信号としてパイロット・キャリアを生成しているが、本質的には、パイロット・キャリアの周波数をBST−OFDM変調器1からの基準信号に同期させる必要性はない。
【0027】
受信側周波数基準信号生成部22は、STL受信機3及びTTL受信機6及び放送用送信機5で使用する高精度の低周波数基準信号(受信側周波数基準信号)を生成するものである。但し、放送用送信機5が独立した基準信号を持つ場合には、ここで生成した低周波数基準信号を放送用送信機5には伝送しない場合もある。
具体的な低周波数基準信号生成方法としては、まずBST−OFDM変調器1から出力される高精度の基準信号を分周して高精度の低周波数基準信号を取得し、次に、当該周波数を中心周波数とする狭帯域の帯域通過フィルタ(Band Pass Filter:BPF)(図ではBPF1)を通過させてスプリアス成分を取り除き、単一スペクトラムの高精度の低周波数基準信号を得るようになっている。
【0028】
FM基準信号生成部23は、受信側周波数基準信号生成部22で生成された受信側周波数基準信号を受信側(STL受信機3及びTTL受信機6)に伝送するために、受信側周波数基準信号の変調波(FM基準信号)を生成するものである。
尚、FM基準信号生成部23は、受信側周波数基準信号生成部22で生成された受信側周波数基準信号を変調ナシで伝送した場合に生じる伝送路での雑音、混信、妨害、フェージング等の劣化を、広帯域のFM変調によるFM改善度により軽減するために設けられたものである。
具体的なFM基準信号生成方法としては、BST−OFDM変調器1から出力される高精度の基準信号をリファレンス信号として、PLLにより所定周波数のキャリアを取得し、当該キャリアを受信側周波数基準信号生成部23から出力される受信側周波数基準信号で広帯域FM変調するようになっている。
尚、ここでは、BST−OFDM変調器1からの基準信号をリファレンス信号としてキャリアを生成しているが、本質的には、広帯域FM変調用キャリアの周波数を基準信号に同期させる必要性はない。
【0029】
OW生成部24は、保守等のための補助回線であるOW(Order Wire:打合せ線)からの保守情報の変調信号(OW信号)を生成するものである。
具体的なOW信号生成方法としては、BST−OFDM変調器1から出力される高精度の基準信号をリファレンス信号として、PLLにより所定周波数のキャリアを取得し、当該キャリアを外部からの保守情報の信号(OW)でQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調してOW信号eを生成するようになっている。
【0030】
周波数多重部25は、BST−OFDM変調器1からの放送波IF信号に、パイロット・キャリア生成部21からのパイロット・キャリア、及びFM基準信号生成部23からのFM基準信号、及びOW生成部24からのOW信号を周波数多重して送信IF信号を生成するものである。
具体的な周波数多重方法として、各信号をそれぞれ減衰器又は増幅器にて減衰又は増幅してから、加算器により周波数多重を行うようになっている。
尚、各信号に対する減衰器減衰量又は増幅器利得を調整することで、所定の多重比率を得ることができるものである。
【0031】
送信周波数変換部26は、マイクロ波によるSTLの送信周波数を得るための送信局部発振信号を生成し、当該送信局部発振信号を用いて、周波数多重部25から出力される送信IF信号の周波数を送信周波数(高周波のマイクロ波)に周波数変換するものである。
具体的な送信周波数変換方法としては、BST−OFDM変調器1から出力される高精度の基準信号をリファレンス信号として、PLLにより所定周波数の送信局部発振信号を取得し、当該送信局部発振信号で、周波数多重部25からの出力信号の周波数を送信周波数に周波数変換し、帯域通過フィルタ(図ではBPF2)で帯域制限するようになっている。
尚、ここでは、BST−OFDM変調器1からの基準信号をリファレンス信号として送信局部発振信号を生成しているが、本質的には、局部発振信号の周波数を基準信号に同期させる必要性はない。
【0032】
電力増幅部27は、規定電力の送信出力を生成するものであり、増幅器で所定の電力に電力増幅した後、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:LPF)にて帯域を制限して高周波の不要成分を除去し、空中線から送出するようになっている。
【0033】
次に、本発明のSTL送信機2内部の動作について、図2,図3を用いて説明する。図3は、本発明のSTL送信機2内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。
本発明のSTL送信機2では、BST−OFDM変調器1から出力される放送波IF信号と高精度の基準信号とが入力され、図3(a)に示す放送波IF信号a(図3中BST-OFDM部分)は、そのまま周波数多重部25に入力される。
【0034】
そして、BST−OFDM変調器1からの基準信号をリファレンス信号として、パイロット・キャリア生成部21で図3(b)に示すパイロット・キャリアb(図3中、PILOT)が生成され、一方、受信側周波数基準信号生成部22で高精度の基準信号から図3(c)に示す低周波数の高精度の受信側周波数基準信号c(図3中、受信基準信号)が生成され、FM基準信号生成部23で広帯域FM変調されて、図3(d)に示すFM基準信号d(図3中、FM基準信号)が生成されて出力される。
また、BST−OFDM変調器1からの基準信号をリファレンス信号として、OW生成部24で図3(e)に示すOW信号e(図3中、OW)が生成されて周波数多重部25に出力される。
【0035】
そして、BST−OFDM変調器1からの放送波IF信号aと、パイロット・キャリア生成部21からのパイロット・キャリアb、及びFM基準信号生成部23からのFM基準信号d、及びOW生成部24からのOW信号eが周波数多重部25で周波数多重されて、図3(f)に示す送信IF信号fとなり、送信周波数変換部26でマイクロ波帯である高周波の送信周波数に変換され、電力増幅部27で増幅されて、空中線から送出されるようになっている。
尚、図3において、(f)と(g)は、横軸周波数に対して同位置に記載されているが、各信号成分が互いに同じ間隔の周波数特性を有していることを示しており、両図の周波数のオーダーは異なっている。すなわち、(f)はIF帯であり、(g)は高周波帯(マイクロ波帯)である。
【0036】
次に、本発明の地上デジタルTV放送システムにおける親局内のSTL受信機3、又は子局/中継局内のTTL受信機6の内部構成について、図4を用いて具体的に説明する。図4は、本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるSTL受信機3又はTTL受信機6の内部の構成ブロック図である。
本発明の地上デジタルTV放送システムにおける親局内のSTL受信機3、又は子局/中継局内のTTL受信機6の内部は、受信F/E部30と、受信IF部31と、周波数多重分割部32と、ローカル・ノイズ・キャンセラ33と、OW再生部39とから構成されている。
【0037】
本発明のSTL受信機3又はTTL受信機6内部の各部について説明する。
受信F/E部30は、受信機フロントエンドであり、高周波(マイクロ波帯)のSTL/TTL信号である入力信号hをIF信号に周波数変換するものである。
具体的な周波数変換方法としては、空中線からの入力信号hを、増幅器にて低雑音増幅し、高周波の帯域通過フィルタ(図では、BPF−RF)でスプリアス除去の後に、FM基準信号によって伝送された受信側周波数基準信号をリファレンス信号として、PLLにより得られた所定周波数の局部発振信号で受信IF信号に周波数変換するようになっている。
尚、ここでは、受信側周波数基準信号をリファレンス信号として局部発振信号を生成しているが、本質的には、局部発振信号の周波数を受信側周波数基準信号に同期させる必要性はない。
【0038】
受信IF部31は、受信F/E部30でIF信号に変換された信号の中から、目的波を選択して受信IF信号iとして出力するものである。具体的には、受信IF部31で周波数変換されたIF信号を中間周波の帯域通過フィルタ(図では、BPF−IF)で帯域幅制限し、後続の処理に必要なレベルまでAGC(Automatic Gain Control)増幅すると共に、レベルの安定化を図って受信IF信号を出力するようになっている。
【0039】
周波数多重分割部32は、送信機側で周波数多重した信号を、受信機側での処理のために多重分割するものである。
具体的な多重分割方法としては、受信IF信号iを分配し、分配後の各ブランチに各々の帯域に制限する帯域通過フィルタ(Band Pass Filter:BPF)を挿入して、各ブランチで必要な信号成分のみを抽出すると共に、不要信号成分を低減して、多重分割するようになっている。図4に示すように、BPF1ではパイロット・キャリア信号成分jを抽出し、BPF2ではFM基準信号lを抽出し、BPF3ではOW信号mを抽出して出力し、それ以外に受信IF信号iの帯域を制限せずそのままの信号kを出力するようになっている。
【0040】
OW再生部39は、受信したOW信号から保守情報のデータ(OW)を再生するもので、具体的には、周波数多重分割部32で分割されたOW信号mをQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)復調して保守情報のデータ(OW)を取得するようになっている。
【0041】
ローカル・ノイズ・キャンセラ33は、受信IF信号のノイズを除去し、高い周波数精度及び高い安定度を持つ放送波IF信号と中継波IF信号とを出力するものである。
【0042】
ここで、本発明の特徴部分であるSTL受信機3又はTTL受信機6のローカル・ノイズ・キャンセラ33における周波数同期及び位相雑音除去(ノイズキャンセル)の原理について、詳しく説明する。
【0043】
STL受信機3又はTTL受信機6のローカル・ノイズ・キャンセラ33で行われる雑音除去は、主に、送信機で重畳された位相雑音及び受信機で重畳された位相雑音及び伝送路で重畳された位相雑音を軽減するものである。
位相雑音軽減の原理の概要は、位相雑音の重畳した信号を2ブランチに分割し、一方のブランチ信号を位相雑音の少ない局部発振信号で周波数変換することで、他方のブランチ信号の位相雑音の位相回転方向と逆相の位相雑音を取得し、当該2つのブランチの信号同士を周波数変換することで、位相雑音をキャンセルするものである。
【0044】
次に、ローカル・ノイズ・キャンセラにおける周波数同期及び位相雑音軽減の原理について、図5,図6を用いて詳しく説明する。図5は、ローカル・ノイズ・キャンセルの動作原理を説明するための基本構成図であり、図6は、図5の構成の各部分の周波数特性を示す特性図である。尚、図6においては、横軸の周波数オーダーは、各図で異なっている。
ノイズキャンセルを行うための基本構成としては、入力信号を2ブランチに分割する分配器(図5ではH)50と、一方のブランチであるパイロット・ブランチの帯域を制限してパイロット・キャリアを抽出する帯域通過フィルタ(図ではBPF1)51と、抽出されたパイロット・キャリアをリミタ増幅するリミタ増幅器(図ではLIM)52と、位相雑音の少ない局部発振信号を生成する局部発振器(図ではLO−OSC)60と、他方のブランチであるシグナル・ブランチの信号を局部発振信号で周波数変換する周波数変換器61と、周波数変換された信号の帯域制限を行う帯域通過フィルタ(図ではBPF2)62と、遅延補正を行う遅延補正器(図では遅延1)63と、パイロット・ブランチからの信号とシグナル・ブランチからの信号とを周波数変換する周波数変換器70と、差成分及び信号成分のみ選択する帯域通過フィルタ(図ではBPF3)71とから構成されている。
【0045】
図5に示した構成における動作について、図5,図6を用いて説明する。
入力信号は、図6(A)に示すように、スタジオのBST−OFDM変調器1で変調された放送波IF信号(BST-OFDM)とパイロット・キャリア(PILOT )とが多重化されており、入力位相雑音(太斜め線部分)が重畳されているものとする。ここで、入力パイロット・キャリア(PILOT )の周波数をfPLTとし、入力信号(BST-OFDM)の周波数をfsigとし、入力位相雑音をθ(t)とすると、入力パイロット・キャリア周波数fPLT及び入力信号周波数をfsigには、入力位相雑音θ(t)が重畳されているので、次のように示される。
fPLT∠θ(t)
fsig∠θ(t)
【0046】
そして、入力信号Aは、分配器50で分配され、一方がパイロット・ブランチ、他方がシグナル・ブランチとして出力され、パイロット・ブランチでは、帯域通過フィルタ(図ではBPF1)51で帯域制限されて、パイロット・キャリア(PILOT )成分のみが通過して抽出され、更にリミタ増幅器52でリミタ増幅される。この時、帯域通過フィルタ51からの出力信号B及びリミタ増幅器52からの出力信号Cの周波数特性は、図6(B・C)に示すように、放送波IF信号(BST-OFDM)成分は除去され、パイロット・キャリア(PILOT )成分とそれに重畳された入力位相雑音θ(t)のみになる。
この時、帯域通過フィルタ(BPF1)51では遅延が発生し、この遅延時間をτBPF1とすると、入力パイロット・キャリア周波数fPLTには、τBPF1だけ遅延した入力位相雑音θ(t−τBPF1)が重畳されているので、次のように示される。
fPLT∠θ(t−τBPF1)
【0047】
一方、シグナル・ブランチでは、局部発振器60から局部発振信号Dが出力される。ここで、局部発振器60から出力される局部発振信号Dの周波数特性は、図6(D)に示すように、局部発振周波数(LO)の信号と、それに重畳された系内局発位相雑音である。ここで、系内の局部発振信号周波数をfLOとし、系内の局部発振信号位相雑音をφ(t)とすると、系内の局部発振信号周波数fLOには、系内の局部発振信号位相雑音φ(t)が重畳されているので、次のように示される。
fLO∠φ(t)
【0048】
そして、シグナル・ブランチでは、周波数変換器61において分配器50から出力された信号を局部発振器60からの局部発振信号Fで周波数変換されて信号Eが出力される。ここで、周波数変換器61から出力される信号Eの周波数特性は、図6(E)に示すように、入力信号Aと局部発振信号Dとの和成分と差成分とが存在する。よって、信号Eに含まれる各信号成分と重畳される位相雑音との関係は、次のようになる。
fPLT−fLO∠θ(t)−φ(t)
fsig−fLO∠θ(t)−φ(t)
fPLT+fLO∠θ(t)+φ(t)
fsig+fLO∠θ(t)+φ(t)
【0049】
そして、周波数変換された信号Eは、帯域通過フィルタ(BPF2)62で差成分のみが通過するように帯域制限されて信号Fが出力され、信号Fの周波数特性は、図6(F)に示されるように、(E)における和成分が除去されて差成分のみが存在する。この時、帯域通過フィルタ(BPF2)62では遅延が発生し、この遅延時間をτBPF2とすると、抽出される差成分に重畳される位相雑音には、τBPF2だけ遅延が発生し、信号Fに含まれる各信号成分と重畳される位相雑音との関係は、次のようになる。
fPLT−fLO∠θ(t−τBPF2)−φ(t−τBPF2)
fsig−fLO∠θ(t−τBPF2)−φ(t−τBPF2)
【0050】
そして、信号Fは、遅延補正器(遅延1)63で、パイロット・ブランチの帯域通過フィルタ(BPF1)51における遅延時間と等価になるように遅延が加えられ、信号Gが出力される。ここで、帯域通過フィルタ(BPF1)51の遅延時間τBPF1に対して、帯域通過フィルタ(BPF2)62の遅延時間をτBPF2とし、遅延補正器63における遅延時間をΔtとすると、
τBPF1=τBPF2+Δt
となるように、遅延補正器63で遅延Δtを加え、パイロット・ブランチとの遅延時間差を等価する。その結果、信号Gの周波数特性は変化せず、図6(G)に示されるようになり、信号Gに含まれる各信号成分と重畳される位相雑音との関係は、位相雑音に遅延Δtが加わって次のようになる。
fPLT−fLO∠θ(t−τBPF2−Δt)−φ(t−τBPF2−Δt)
fsig−fLO∠θ(t−τBPF2−Δt)−φ(t−τBPF2−Δt)
【0051】
そして、シグナル・ブランチの信号Gと、上記説明したリミタ増幅器52から出力されるパイロット・ブランチの信号Cとが周波数変換器70で周波数変換されて信号Hが出力される。ここで、周波数変換器70から出力される信号Hの周波数特性は、図6(H)に示すように、信号Gと信号Cとの和成分と差成分とが存在する。よって、信号Hに含まれる各信号成分と重畳される位相雑音との関係は、次のようになる。
fPLT-(fPLT−fLO)∠θ(t-τBPF1)-{θ(t-τBPF2-Δt)-φ(t-τBPF2-Δt)}
fPLT-(fsig−fLO)∠θ(t-τBPF1)-{θ(t-τBPF2-Δt)-φ(t-τBPF2-Δt)}
fPLT+(fPLT−fLO)∠θ(t-τBPF1)+{θ(t-τBPF2-Δt)-φ(t-τBPF2-Δt)}
fPLT+(fsig−fLO)∠θ(t-τBPF1)+{θ(t-τBPF2-Δt)-φ(t-τBPF2-Δt)}
【0052】
ここで、遅延補正器63における遅延Δtは、上記説明したように
τBPF1=τBPF2+Δt
となるように、遅延Δtを加えてシグナル・ブランチとパイロット・ブランチとの遅延時間差を等価したものであるので、式を整理すると次のようになる。
fLO ∠φ(t−τBPF2−Δt)
fLO−(fsig−fPLT) ∠φ(t−τBPF2−Δt)
2×fPLT−fLO ∠2×θ(t−τBPF1)−φ(t−τBPF2−Δt)
fPLT+(fsig−fLO) ∠2×θ(t−τBPF1)−φ(t−τBPF2−Δt)
【0053】
ここで、差成分に着目すると、出力信号成分の周波数は、入力信号の周波数に関係なく、系内の局部発振信号の周波数(fLO)であり、つまり一定である。また、パイロット・キャリアに着目した場合の信号のサイドバンドは、入出力で反転する。また、出力信号の位相雑音は、入力された位相雑音θ(x)がキャンセルされ、代わりに系内の局部発振信号の位相雑音φ(x)となる。つまり、系内の局部発振信号の位相雑音φ(x)が十分小さければ、入力された信号の位相雑音は、十分軽減されて出力されることになることがわかる。
【0054】
そこで、周波数変換器70で周波数変換された信号Hは、帯域通過フィルタ(BPF3)71で、差成分のみ、且つ信号(BST-OFDM)成分のみが通過するように帯域制限されて信号Iが出力され、信号Iの周波数特性は、図6(I)に示されるように、(H)における和成分及び差成分内のパイロット・キャリア(PILOT )成分が除去されて差成分の信号成分(BST-OFDM)のみが存在し、信号Iに含まれる信号成分と重畳される位相雑音との関係は、次のようになる。
fLO−(fsig−fPLT) ∠φ(t−τBPF2−Δt)
【0055】
上記説明したローカル・ノイズ・キャンセラの周波数同期及び雑音除去の原理により、例えば入力信号に周波数偏差が生じていたとしても、局部発振器60が発生する高い周波数精度で高い安定度を持つ局部発振周波数に従う周波数の出力信号が得られるので、入力信号の周波数偏差が解消でき、また、出力信号の位相雑音は、入力信号に重畳されていた位相雑音θ(x)がキャンセルされて、代わりに系内の局部発振信号の位相雑音φ(x)のみとなるので、系内の局部発振信号の位相雑音φ(x)が十分小さければ、入力された信号の位相雑音は、十分軽減されて出力されることになることがわかる。
【0056】
次に、上記説明したローカル・ノイズ・キャンセラの原理を実現する本発明のデジタルTV放送システムのSTL受信機3又はTTL受信機6におおけるローカル・ノイズ・キャンセラ33内部の構成について、図4を用いて説明する。
本発明のデジタルTV放送システムのローカル・ノイズ・キャンセラ33の内部は、パイロット・キャリア再生部34と、受信側周波数基準信号再生部35と、高安定度局部発振信号再生部36と、放送波IF信号再生部37と、中継波IF信号再生部38とから構成されている。
【0057】
ローカル・ノイズ・キャンセラ33内部の各部について説明する。
パイロット・キャリア再生部34は、送信機での周波数ずれ、受信機での周波数ずれを解消し、送信機で重畳された位相雑音、受信機で重畳された位相雑音、伝送路で重畳された位相雑音をキャンセルするためのパイロット・キャリアを再生するものである。
具体的なパイロット・キャリアの再生方法としては、周波数多重分割部32で抽出されたパイロット・キャリア信号成分jに対して、遅延補正器1(図1では遅延1)で遅延補正をかけ、リミッタ増幅器(図1ではLIM)でリミッタ増幅し、所定のレベルを得ると共に、レベルの安定化を図ってパイロット・キャリア再生信号(fPILOT)を得るようになっている。
【0058】
尚、遅延補正器1における遅延は、後述する放送波IF信号再生部37の遅延補正器2,及び中継波IF信号再生部38の遅延補正器3と共に用いてパイロット・キャリア〜放送波IF信号、及びパイロット・キャリア〜中継波IF信号の相対遅延補正をかけるためのもので、各ブランチの処理系に挿入されたBPF(具体的には、BPF1,BPF4,BPF6)の遅延時間差を吸収するための処理である。
また、遅延補正して再生されたパイロット・キャリア再生信号(fPILOT)は、分配器(図1ではH)で分配されて放送波IF信号再生部37及び中継波IF信号再生部38に供給され、受信波に重畳されていた位相雑音をキャンセルする際に用いられるようになっている。
【0059】
受信側周波数基準信号再生部35は、STL受信機3、TTL受信機6、TTL送信機4、放送用送信機5で使用する受信側周波数基準信号を再生するものである。但し、放送用送信機5が独立した基準信号を持つ場合には、ここで生成した受信側周波数基準信号を放送用送信機5には伝送しない場合もある。
具体的な受信側周波数基準信号の再生方法としては、周波数多重分割部32で抽出されたFM基準信号成分lを周波数変調の復調器(図1ではFM DEM)で検波し、当該周波数を中心周波数とする狭帯域の帯域通過フィルタ(図ではBPF8)を通過させて、スプリアス成分を除去し、単一スペクトラムの受信側周波数基準信号を得るようになっている。
尚、ここで再生した受信側周波数基準信号は、STL受信機3又はTTL受信機6内の受信F/E部30及び高安定度局部発振信号再生部36に供給されると共に、TTL送信機4及び放送用送信機5に伝送されるようになっている。
【0060】
高安定度局部発振信号再生部36は、受信IF信号の周波数偏差を解消し、雑音を除去して高い周波数精度及び高い安定度の放送波IF信号及び中継波IF信号を再生するために用いる局部発振信号(図1では、fLO-STD)を生成するものである。
具体的な局部発振信号生成方法としては、受信側周波数基準信号再生部35で再生された受信側周波数基準信号をリファレンス信号として、PLLにより所定周波数のキャリアを取得するようになっている。
尚、ローカル・ノイズ・キャンセラ33における周波数偏差の解消及び位相雑音除去の精度を高めるためには、ここで生成される局部発振信号が、高純度すなわち高CNR(Carrier to Noise Ratio)である必要があるが、局部発振信号の高精度,高安定度は、送信側からFM基準信号により伝送された受信周波数基準信号に同期することで達成できるものである。
【0061】
放送波IF信号再生部37は、STL送信機2でSTL伝送のためにOFDM波に添加されたパイロット・キャリア、FM基準信号、OW信号を除去してOFDM波のみを抽出し、送信機,伝送路,受信機において、STL/TTL波に加わった周波数ずれ及び位相雑音を軽減すると共に、規定周波数の放送波IF信号を再生するものである。
具体的な放送波IF信号の再生方法としては、ローカル・ノイズ・キャンセルの原理に従い、まず、位相雑音キャンセルの前処理として、周波数多重分割部32から出力された受信IF信号kを、高安定度局部発振信号再生部36で生成された高周波数精度及び高い安定度の局部発振信号で周波数変換し、帯域通過フィルタ(図1ではBPF4)で必要成分のみを抽出する。そして、位相雑音キャンセルのために、遅延補正器2(図1では遅延2)で遅延補正をかけて、パイロット・キャリアブランチの遅延時間と遅延時間等化する。ここで、パイロット・キャリアブランチの遅延時間は、おおむねBPF1の遅延時間である。そして、パイロット・キャリア再生部34から出力されるパイロット・キャリアで周波数変換することで、高精度周波数の再生及び位相雑音のキャンセルが為され、帯域通過フィルタ(図1ではBPF5)でスプリアス成分を取り除き、目的波のみを抽出し、放送波IF信号qとして出力するようになっている。
【0062】
中継波IF信号再生部38は、送信機,伝送路,受信機において、STL/TTL波に加わった周波数ずれ及び位相雑音を軽減すると共に、規定周波数の中継波IF信号を再生するものである。
具体的な中継波IF信号の再生方法としては、ローカル・ノイズ・キャンセルの原理に従い、放送波IF信号再生部37において、高安定度局部発振信号再生部36からの局部発振信号で周波数変換され分配された信号を、帯域通過フィルタ(図1ではBPF6)で必要成分のみを抽出して、位相雑音キャンセルのために、遅延補正器3(図1では遅延3)で遅延補正をかけて、パイロット・キャリアブランチの遅延時間と遅延時間等化する。ここで、パイロット・キャリアブランチの遅延時間は、おおむねBPF1の遅延時間である。そして、パイロット・キャリア再生部34から出力されるパイロット・キャリアで周波数変換することで、高精度周波数の再生及び位相雑音のキャンセルが為され、帯域通過フィルタ(図1ではBPF7)でスプリアス成分を取り除き、目的波のみを抽出して、中継波IF信号rとして出力するようになっている。
また、帯域通過フィルタ(図ではBPF6)で抽出される必要成分としては、TTL送信機4における構成簡略化のために、TTL送信機4内で周波数多重部等は持たずに、通り中継が可能なように、OW信号,FM基準信号,BST-OFDM,パイロット・キャリアの成分全てが含まれる帯域で帯域制限するようになっている。
【0063】
上記説明したローカル・ノイズ・キャンセルの原理を実現する本発明のローカル・ノイズ・キャンセラ33の動作を説明すると、図4に示すように、周波数偏差が生じ、更に位相雑音の重畳している受信IF信号iが周波数多重分割部32で分割され、パイロット・ブランチに相当する周波数多重分割部32内のBPF1で帯域制限されたパイロット・キャリア信号成分jがパイロット・キャリア再生部34で遅延させてパイロット・キャリア再生信号fPILOTが生成される。
一方シグナル・ブランチに相当するブランチである帯域制限しない信号kが、高安定度局部発振信号再生部36で生成された高い周波数精度及び高い安定度の局部発振信号で周波数変換され、更にBPF4及び遅延2で放送波IF信号にパイロット・キャリア再生信号fPILOTの位相雑音の位相回転方向と逆相の位相雑音を取得し、パイロット・キャリア再生信号と放送波IF信号用の信号nとで周波数変換することによって、受信波に重畳されていた周波数偏差を解消し、位相雑音(入力位相雑音)をキャンセルした放送波IF信号が得られるものである。
【0064】
同様に、放送波IF信号再生部37において、高安定度局部発振信号再生部36で生成された高い周波数精度及び高い安定度の局部発振信号で周波数変換された信号から、BPF6及び遅延3で中継波IF信号にパイロット・キャリア再生信号fPILOTの位相雑音の位相回転方向と逆相の位相雑音を取得し、パイロット・キャリア再生信号と中継波IF信号用の信号oとで周波数変換することによって、受信波に重畳されていた周波数偏差を解消し、位相雑音(入力位相雑音)をキャンセルした中継波IF信号が得られるものである。
【0065】
次に、本発明の親局内のSTL受信機3、又は子局/中継局内のTTL受信機6内部の動作について、図4,図7を用いて説明する。図7は、本発明のSTL受信機3又はTTL受信機6内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。尚、図7においては、横軸の周波数オーダーは、各図で異なっている。
本発明の親局内のSTL受信機3、又は子局/中継局内のTTL受信機6では、スタジオ内のSTL送信機2、又は親局内のTTL送信機4又は前段の子局/中継局内のTTL送信機7から伝送されたSTL信号又はTTL信号である受信信号hが入力され、受信信号hは、図7(h)に示すように、放送波IF信号(BST-OFDM)と、パイロット・キャリア(PILOT )と、FM基準信号と、OW信号(OW)の成分が含まれている。
【0066】
そして、高周波(マイクロ波帯)のSTL信号又はTTL信号hは、受信F/E部30でIF信号に周波数変換され、受信IF部31で目的波が選択されて図7(i)に示す特性の受信IF信号iとして出力される。
尚、図7において、(h)と(i)は、横軸周波数に対してほぼ同位置に記載されているが、各信号成分が互いに同じ間隔の周波数特性を有していることを示しており、両図の周波数のオーダーは異なっている。すなわち、(h)は高周波帯(マイクロ波帯)であり、(i)はIF帯である。
また、信号hと信号iとは、サイドバンドが反転しているが、これは、後続のローカル・ノイズ・キャンセラ33内で、受信IF信号kと中継波IF信号rとではサイドバンドが反転するため、各子局/中継局間のTTL伝送信号が同一になるよう、受信IF部31でサイドバンドが反転する成分を通過させるようにしているからである。
【0067】
そして、受信IF信号iは、周波数多重分割部32で4つのブランチに分割される。1つ目は、パイロット・キャリア信号成分を抽出した図7(j)の特性の信号jであり、2つ目は、受信IF信号をそのまま出力した図7(k)の特性の信号kであり、3つ目は、FM基準信号成分を抽出した図7(l)の特性の信号lであり、4つ目は、OW信号成分を抽出した図7(m)の特性の信号mである。
【0068】
そして、パイロット・キャリア信号成分jは、ローカル・ノイズ・キャンセラ33内のパイロット・キャリア再生部34で遅延補正されリミッタ増幅されてパイロット・キャリア再生信号fPILOTとして出力され、放送波IF信号再生部37及び中継波IF信号再生部38に供給される。
また、FM基準信号成分lは、受信側周波数基準信号再生部35で復調(検波)されて図7(n)に示す低周波の受信側周波数基準信号nが再生され、受信F/E部30及びローカル・ノイズ・キャンセラ33内の高安定度局部発振信号再生部36に供給されると共に、STL受信機3又はTTL受信機6から出力されて放送用送信機5及びTTL送信機4に出力されるようになっている。
そして、高安定度局部発振信号再生部36で、受信側周波数基準信号再生部35から供給された受信側周波数基準信号nを用いて、高周波数精度及び高安定度の局部発振信号(fLO-STD)が生成されて放送波IF信号再生部37に供給される。
【0069】
また、受信IF信号がそのまま出力された信号kは、ローカル・ノイズ・キャンセラ33内の放送波IF信号再生部37で、高安定度局部発振信号再生部36からの局部発振信号(fLO-STD)で周波数変換され、帯域通過フィルタ(BPF4)で必要成分のみが抽出され、遅延補正器2で遅延補正をかけられて、図7(o)に示す放送波IF信号(BST-OFDM)成分のみの信号oが出力され、これは、パイロット・キャリアブランチの遅延時間と遅延時間等化されているので、(fPILOT−fLO-STD)ということになる。
【0070】
そして、この信号oに対して、パイロット・キャリア再生部34から出力されるパイロット・キャリア再生信号(fPILOT)で周波数変換が為されて、高精度周波数の再生及び位相雑音のキャンセルが為され、更に帯域通過フィルタ(BPF5)でスプリアス成分が取り除かれて目的波のみが抽出され、図7(p)に示す特性の放送波IF信号pが放送用送信機5に出力されることになる。ここで、放送波IF信号pは、信号o(fPILOT−fLO-STD)とパイロット・キャリア(fPILOT)との周波数変換の結果であるから、fPILOT−(fPILOT−fLO-STD)=fLO-STDとなり、受信波の周波数偏差が解消され、更に受信波に重畳されていた位相雑音(入力位相雑音)がキャンセルされて、高精度周波数及び高安定度の放送IF信号が得られて、放送用送信機5に出力される。
【0071】
同様に、放送波IF信号再生部37で、信号kから高安定度局部発振信号再生部36からの局部発振信号(fLO-STD)で周波数変換された信号が分配され、中継波IF信号再生部38で帯域通過フィルタ(BPF6)で必要成分のみを抽出され、遅延補正器3で遅延補正をかけられて、図7(q)に示す中継波IF信号(OW信号,FM基準信号,BST-OFDM,パイロット・キャリア)成分の信号qが出力され、これは、パイロット・キャリアブランチの遅延時間と遅延時間等化されているので、(fPILOT−fLO-STD)ということになる。
そして、この信号qに対して、パイロット・キャリア再生部34から出力されるパイロット・キャリア再生信号(fPILOT)で周波数変換が為されて、高精度周波数の再生及び位相雑音のキャンセルが為され、更に帯域通過フィルタ(BPF7)でスプリアス成分が取り除かれて目的波のみが抽出され、図7(r)に示す特性の中継波IF信号rがTTL送信機4に出力されることになる。
ここで、中継波IF信号rは、信号q(fPILOT−fLO-STD)とパイロット・キャリア(fPILOT)との周波数変換の結果であるから、fPILOT−(fPILOT−fLO-STD)=fLO-STDとなり、受信波の周波数偏差が解消され、更に受信波に重畳されていた位相雑音(入力位相雑音)がキャンセルされて、高精度周波数及び高安定度の中継IF信号が得られて、TTL送信機4又はTTL受信機6に出力される。
【0072】
一方、周波数多重分割部32で分割されたOW信号mは、OW再生部39で復調されて、OWが出力されるようになっている。
【0073】
次に、本発明の地上デジタルTV放送システムにおける親局内のTTL送信機4、又は子局/中継局内のTTL送信機7の内部構成について、図8を用いて具体的に説明する。図8は、本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるTTL送信機4又はTTL送信機7の内部の構成ブロック図である。
本発明の地上デジタルTV放送システムにおける親局内のTTL送信機4、又は子局/中継局内のTTL送信機7の内部は、送信周波数変換部40と、電力増幅部41とから構成されている。
【0074】
本発明のTTL送信機4又はTTL送信機7内部の各部について説明する。
送信周波数変換部40は、マイクロ波によるTTLの送信周波数を得るための送信局部発振信号を生成し、当該送信局部発振信号を用いて中継波IF信号の周波数を送信周波数(高周波のマイクロ波)に周波数変換するものである。
具体的な周波数変換方法としては、STL受信機3又はTTL受信機6から出力される高精度の受信側周波数基準信号をリファレンス信号として、PLLにより得られた所定周波数の送信局部発振信号を取得し、当該送信局部発振信号でSTL受信機3又はTTL受信機6から出力される中継波IF信号に周波数変換を施し、帯域フィルタ(図ではFIL)でスプリアスを除去するようになっている。
尚、ここでは、STL受信機3又はTTL受信機6から出力される受信側周波数基準信号をリファレンス信号として、送信局部発振信号を取得したが、本質的には、局部発振信号の周波数を受信側周波数基準信号に同期させる必要性はない。
【0075】
電力増幅部41は、規定電力の送信出力を生成するもので、具体的には、増幅器(図ではPA)で所定の電力に電力増幅後に、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:LPF)にて帯域を制限して高周波の不要成分を除去し、空中線から送出するようになっている。
【0076】
次に、本発明のTTL送信機4又はTTL送信機7の動作について、図9を用いて説明する。図9は、本発明のTTL送信機4又はTTL送信機7内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。尚、図9においては、横軸の周波数オーダーは、各図で異なっており、(h)及び(s)は、高周波のマイクロ波帯であり、(r)は、IF帯である。
本発明では、スタジオのSTL送信機2、又は親局のTTL送信機4、又は前段の子局/中継局TTLの送信機7から送信される図9(h)に示すSTL/TTL信号hが、STL受信機3又はTTL受信機6において、周波数同期及び位相雑音除去されて、図9(r)に示す中継波IF信号rと受信周波数基準信号nとが出力され、本発明のTTL送信機4又はTTL送信機7において、送信周波数変換部40において、受信側周波数基準信号nに従って発信される送信局部発振信号で中継波IF信号が周波数変換され、図9(s)に示す高周波のTTL信号が出力され、電力増幅部41で電力増幅されて中継波のTTL信号が空中線から送出されるようになっている。
【0077】
次に、本発明の地上デジタルTV放送伝送方法を実現する地上デジタルTV放送システムの動作について、本発明の特徴部分に着目しながら、図1を使って説明する。
本発明の地上デジタルTV放送システムの動作としては、図1に示すシステム構成において、スタジオで撮影された映像及び音声等の放送データが、BST−OFDM変調器1で放送用IF信号(BST-OFDM)に変調され、高精度の基準信号と共にSTL送信機2に出力され、STL送信機2で、基準信号に基づいて受信側における周波数同期及び雑音除去に用いるパイロット・キャリアと受信側周波数基準信号が生成され、受信側周波数基準信号が高周波FM変調されてFM基準信号が生成され、放送用IF信号と、パイロット・キャリアと、FM基準信号とが周波数多重されて送信IF信号が生成され、高周波(マイクロ波)f10のSTL信号として送信される。
【0078】
そして、STL信号は、親局のSTL受信機3で受信され、受信IF信号に周波数変換され、受信IF信号からパイロット・キャリアと、FM基準信号とが抽出され、ローカル・ノイズ・キャンセラにて、FM基準信号を復調して受信側周波数基準信号を再生し、再生された受信側周波数基準信号を用いて高周波数特性、高安定度の局部発振信号を生成し、当該局部発振信号で受信IF信号が周波数変換される。
そして、周波数変換された信号から放送波IF信号が抽出され、パイロット・キャリアを用いて周波数変換されることによって、周波数偏差及び位相雑音が軽減されてノイズキャンセルされ、ノイズキャンセルされた放送波IF信号と受信側周波数基準信号とが放送用送信機5に出力されて、放送用送信機5で受信側周波数基準信号に基づいてTV放送用周波数f1-1に変換されて、テレビ受像機(TV−RX)9に送信され、テレビ受像機9で放送番組が放映される。
【0079】
また、STL受信機3において、放送波IF信号とパイロット・キャリアとFM基準信号とを含む中継波IF信号についても、ローカル・ノイズ・キャンセラにて、高精度の局部発振信号で周波数変換された信号から中継波IF信号が抽出され、パイロット・キャリアを用いて周波数変換されることによって、周波数偏差及び位相雑音が軽減されてノイズキャンセルされ、ノイズキャンセルされた中継波IF信号と受信側周波数基準信号とがTTL送信機4に出力されて、TTL送信機4で受信側周波数基準信号に基づいて高周波(マイクロ波)f21のTTL信号に変換されて送信され、子局/中継局(2)に伝送される。
【0080】
以降、各子局/中継局において、TTL受信機6で親局のSTL受信機3と同様の動作で、周波数同期及びノイズキャンセルされながら放送波IF信号は、放送用送信機8からテレビ受像機9に送信され、中継波IF信号は、TTL送信機7から次段の子局/中継局に中継されていくようになっている。
【0081】
ここで、本発明のデジタルTV放送システムにおいて、各装置間を伝送されていくSTL/TTL信号の周波数特性について、図10を用いて説明する。図10は、本発明のSTL/TTL信号の周波数特性(スペクトラム)例及びエミッション・マスク例を示す説明図である。
本発明のデジタルTV放送システムにおいて、各装置間を伝送されていくSTL/TTL信号は、図10に示すように、1つのチャネルが、スタジオのBST−OFDM変調器1でBST−OFDM変調された放送波IF信号(BST−OFDM)と、STL送信機2にて多重化されるパイロット・キャリアとFM基準信号とOW信号とから構成されている。
図10の例では、BST−OFDM変調された放送波IF信号は、1つのBSTセグメントを約429kHzとし、13のBSTセグメントで構成されており、放送波IF信号は約5.6MHzである。
そして、パイロット・キャリアを上記放送波IF信号(BST−OFDM)の下方に約429kHz離れた周波数とし、FM基準信号を放送波IF信号(BST−OFDM)の上方に約429kHz離れた周波数から約429kHzの周波数帯とし、OW信号をFM基準信号の上方に約429kHz離れた周波数から約429kHzの周波数帯としている。
【0082】
その結果、パイロット・キャリアからOW信号までの帯域幅は、約7.7MHzとなり、隣接チャネルとのGuard Bandを650kHzずつ確保した場合、チャネル幅は90MHzになる。
よって、必要帯域幅は8MHz以下で、必要帯域を通過させる帯域通過フィルタ(BPF)の特性として、必要帯域幅からチャネル幅9MHz迄のサイドロープ特性が実現できれば、良いことになる。
【0083】
本発明の実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムによれば、スタジオ内のSTL送信機2で、BST−OFDM変調器1からの基準信号に基づいて受信側周波数基準信号を生成し、放送波IF信号と共に多重化してSTL信号に含めて送信し、STL受信機3及びTTL受信機6で、受信側周波数基準信号に基づいて高精度及び高安定度の局部発振周波数信号を生成し、ローカル・ノイズ・キャンセラ33の働きによって、再生した放送波IF信号及び中継波IF信号の周波数を局部発振周波数信号の周波数に同期させるので、スタジオのSTL送信機2及び親局のTTL送信機4及び各子局/中継局のTTL送信機7で周波数偏差(ずれ)が生じたとしても、親局のSTL受信機3又は各子局/中継局のTTL受信機6の段階で、常に周波数偏差を解消して放送波及び次段への中継波を伝送でき、デジタルTV放送システム全体として、高周波数精度を確保できる効果がある。
【0084】
特に、本発明では、STL送信機2において、受信側周波数基準信号を広帯域FM変調してFM基準信号として親局及び子局/中継局に伝送するため、伝送路からの雑音、混信、妨害、フェージングなどの影響を受けにく、高精度の情報を伝達でき、受信側でクリーンな高安定度局部発振信号を再生できる効果がある。
【0085】
また、本発明の実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムによれば、STL受信機3及びTTL受信機6で、受信側周波数基準信号に基づいて高精度及び高安定度の局部発振周波数信号を生成し、ローカル・ノイズ・キャンセラ33の働きによって、受信した放送波IF信号及び中継波IF信号に重畳されていた位相雑音をキャンセルし、局部発振周波数信号に重畳される雑音のみに軽減するので、スタジオのSTL送信機2内の送信周波数変換部26、或いは親局及び各子局/中継局のTTL送信機4,7の送信周波数変換部40における局部発振信号位相雑音や、親局のSTL受信機3又は各子局/中継局のTTL受信機6の受信F/E部30における局部発振信号位相雑音や、伝送路でフェージングなどによって加算される位相雑音等が、常に受信機内で解消して放送波及び次段への中継波を伝送でき、デジタルTV放送システム全体として、高安定度を確保できる効果がある。
【0086】
また、親局のSTL受信機3又は各子局/中継局のTTL受信機6内の高安定度局部発振信号再生部36に設けた局部発振周波数の発振器を高精度で高安定度の発振器とすれば、デジタルTV放送システム全体として、高周波数精度、高安定度を維持できるので、STL/TTL区間では、本質的に高精度、高安定度を要求する必要がない。つまり、スタジオのSTL送信機2内の送信周波数変換部26に備える局部発振器、或いは親局及び各子局/中継局のTTL送信機4,7の送信周波数変換部40における局部発振器、或いは親局のSTL受信機3又は各子局/中継局のTTL受信機6の受信F/E部30に備える局部発振器は、高精度、高安定度(高CNR)である必要がなく、安価なシステム構成を実現できる効果がある。
【0087】
また、本発明の地上デジタルTV放送システムによれば、スタジオ内のSTL送信機2において、放送波IF信号にFM基準信号とパイロット・キャリアを周波数多重して伝送し、親局のSTL受信機3及び子局/中継局のTTL受信機6で前述2つの信号を使って、ローカル・ノイズ・キャンセラ33により送信周波数偏差(ずれ)を解消し、伝送路でフェージングなどにより加算される伝送信号位相雑音、及び送信機内局部発振信号位相雑音による伝送信号位相雑音、及び受信機内局部発振信号位相雑音による伝送信号位相雑音を低減するので、各受信機において同一の状態に周波数同期、及び位相雑音除去できる効果がある。
【0088】
また、STL受信機3において、放送波IF信号及びFM基準信号及びパイロット・キャリアを周波数多重したSTL信号は、分割しない状態でノイズをキャンセルし、中継波IF信号として通り中継で次の子局/中継局へ中継していくので、TTL送信機4内に多重化部を設けることなく装置を簡略化できる効果がある。
【0089】
また、IF中継の場合に問題となる局部発振信号のPLL再生時に発生する追従誤差や位相雑音の重畳による信号の劣化に対しても、親局のSTL受信機3又は子局/中継局のTTL受信機6の内部のローカル・ノイズ・キャンセラ33で局部発振信号雑音の影響を軽減することにより、伝送信号の品質を損なうことがなく、多段中継を可能とする効果がある。
【0090】
また、本発明のデジタルTV放送伝送方法及び地上デジタルTV放送システムによれば、スタジオ内のSTL送信機2において、放送波IF信号にFM基準信号とパイロット・キャリアを周波数多重して伝送し、受信側でFM基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号及び中継波IF信号の周波数同期及び雑音キャンセルを行うわけで、放送波IF信号の信号帯域以外に精度を確保するための信号を伝送するが、全体としての必要帯域幅は、例えば図10に示したような場合、8MHzでよく、さほど必要帯域幅を増大することなく、伝送品質を向上できる効果がある。
【0091】
【発明の効果】
本発明の地上デジタルTV放送伝送方法によれば、スタジオ内で、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号をFM変調したFM基準信号と、パイロット・キャリアと放送波IF信号とを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信し、
送信所で、STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、受信IF信号内のFM基準信号から受信側周波数基準信号を取得し、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号とし、中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送するので、
各送信所において、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期させ、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる効果がある。
【0092】
また、本発明の地上デジタルTV放送伝送システムによれば、スタジオが、受信側における周波数同期及び雑音除去に用いる受信側周波数基準信号をFM変調したFM基準信号と、パイロット・キャリアと放送波IF信号とを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信するスタジオであり、
送信所が、STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、受信IF信号内のFM基準信号から受信側周波数基準信号を取得し、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて放送波IF信号の周波数同期及び雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて受信IF信号の周波数同期及び雑音除去を行って中継波IF信号とし、中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送する送信所としているので、
各送信所において、スタジオから伝送されるFM基準信号から得られる受信側周波数基準信号に従って高精度に周波数同期させ、更に伝送過程で重畳される位相雑音を除去しながら、放送波IF信号を送信すると共に、中継波IF信号を中継伝送し、高い周波数精度を保持すると共に、伝送品質も向上し、多段中継にも対応できるようにして、全体として十分な性能を保持しながら中継伝送できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る地上デジタルTV放送システムの概略構成ブロック図である。
【図2】本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるSTL送信機の内部の構成ブロック図である。
【図3】本発明のSTL送信機内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。
【図4】本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるSTL受信機又はTTL受信機の内部の構成ブロック図である。
【図5】ローカル・ノイズ・キャンセルの動作原理を説明するための基本構成図である。
【図6】ローカル・ノイズ・キャンセルの基本構成の各部分の周波数特性を示す特性図である。
【図7】本発明のSTL受信機又はTTL受信機内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。
【図8】本発明の地上デジタルTV放送システムにおけるTTL送信機又はTTL送信機の内部の構成ブロック図である。
【図9】本発明のTTL送信機又はTTL送信機内部の各部における信号の周波数特性を示す特性図である。
【図10】本発明のSTL/TTL信号の周波数特性(スペクトラム)例及びエミッション・マスク例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…BST−OFDM変調器、 2…STL送信機、 3…STL受信機、 4…TTL送信機、 5…放送用送信機、 6…TTL受信機、 7…TTL送信機、 8…放送用送信機、 9…テレビ受像機、 21…パイロット・キャリア生成部、 22…受信側周波数基準信号生成部、 23…FM基準信号生成部、 24…OW生成部、 25…周波数多重部、 26…送信周波数変換部、 27…電力増幅部、 30…受信F/E部、 31…受信IF部、 32…周波数多重分割部、 33…ローカル・ノイズ・キャンセラ、 34…パイロット・キャリア再生部、 35…受信側周波数基準信号再生部、 36…高安定度局部発振信号再生部、 37…放送波IF信号再生部、 38…中継波IF信号再生部、 39…OW再生部、 40…送信周波数変換部、 41…電力増幅部、 50…分配器、 51…帯域通過フィルタ、 52…リミタ増幅器、 60…局部発振器、 61…周波数変換器、 62…帯域通過フィルタ、 63…遅延補正器、 70…周波数変換器、 71…帯域通過フィルタ
Claims (3)
- スタジオで、放送データを変調して放送波IF信号を生成し、前記放送波IF信号を周波数変換してSTL信号として送信し、送信所で、前記STL信号又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、前記受信IF信号に含まれる放送波IF信号を放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、前記IF信号を中継波IF信号として周波数変換し、TTL信号として後続の送信所に中継伝送する地上デジタルTV放送伝送方法において、
スタジオでは、受信側で周波数同期及び位相雑音除去に用いる受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアとを生成し、放送波IF信号と前記受信側周波数基準信号及び前記パイロット・キャリアとを周波数多重してから、周波数変換してSTL信号として送信し、
送信所では、前記受信IF信号内の受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って中継波IF信号を出力すると共に、前記受信側周波数基準信号と前記パイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号内の放送波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って放送波IF信号を出力し、
受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いた放送波IF信号又は中継波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去方法は、周波数偏差と位相雑音の重畳した放送波IF信号又は中継波IF信号を、2ブランチに分割し、一方のブランチでは、前記IF信号を前記受信周波数基準信号に基づく位相雑音の少ない局部発振信号で周波数変換し、他方のブランチでは、前記IF信号からパイロット・キャリア成分のみを抽出し、前記2ブランチから出力される信号同士を周波数変換することで、前記局部発振信号に同期させ、位相雑音をキャンセルする周波数同期及び位相雑音除去することを特徴とする地上デジタルTV放送伝送方法。 - スタジオ内で、受信側周波数基準信号を広帯域FM変調してFM基準信号を生成し、前記FM基準信号を放送波IF信号と周波数多重して送信し、送信所で、前記FM基準信号から得られる受信側周波数基準信号を用いて放送波IF信号及び中継波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行うことを特徴とする請求項1記載の地上デジタルTV放送伝送方法。
- スタジオと、複数のテレビ受像機と、前記スタジオから送信された信号を多段に中継すると共に中継途中でテレビ受像機に放送用電波を送信する複数の送信所とを有する地上デジタルTV放送システムにおいて、
前記スタジオが、放送データを変調して放送波IF信号を生成し、受信側における周波数同期及び位相雑音除去に用いる受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを生成し、前記受信側周波数基準信号を広帯域FM変調してFM基準信号を生成し、前記放送波IF信号と前記FM基準信号及び前記パイロット・キャリアとを周波数多重し、周波数変換してSTL信号として送信するスタジオであり、
前記各送信所が、前記STL又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、前記受信IF信号内の受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号内の放送波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行い、放送用電波としてテレビ受像機に送信すると共に、前記受信側周波数基準信号と前記パイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って中継波IF信号とし、前記中継波IF信号をTTL信号として後続の送信所に中継伝送する送信所であり、
前記スタジオが、伝送する放送データをデジタル変調して放送波IF信号を生成する変調器と、受信側における周波数同期及び位相雑音除去に用いる受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを生成し、前記受信側周波数基準信号を広帯域FM変調したFM基準信号を生成し、前記放送波IF信号と前記FM基準信号及び前記パイロット・キャリアとを周波数多重し、周波数変換してSTL信号として送信するSTL送信機とを備えるスタジオであり、
前記各送信所が、前記STL信号又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成し、前記受信IF信号内の受信側周波数基準信号とパイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号内の放送波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って放送波IF信号を再生して出力すると共に、前記受信側周波数基準信号と前記パイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って中継波IF信号を再生して出力するSTL/TTL受信機と、前記放送波IF信号から放送用電波を生成して送出する放送用送信機と、前記中継波IF信号を周波数変換してTTL信号として後続の送信所に中継伝送するTTL送信機とを備える送信所であり、
前記スタジオの変調器が、高精度の基準信号を用いて放送データをデジタル変調して放送波IF信号を生成し、前記放送波IF信号と前記基準信号とを出力する変調器であり、
前記スタジオのSTL送信機が、受信側における周波数同期及び位相雑音除去に用いるパイロット・キャリアを生成するパイロット・キャリア生成手段と、受信側における周波数同期及び位相雑音除去に用いる受信側周波数基準信号を前記変調器からの基準信号に基づいて生成する受信側周波数基準信号生成手段と、前記受信側周波数基準信号を広帯域FM変調してFM基準信号を生成するFM基準信号生成手段と、前記変調器からの放送波IF信号と前記パイロット・キャリアと前記FM基準信号とを周波数多重する周波数多重手段と、前記周波数多重された信号を周波数変換してTTL信号を送信する送信周波数変換手段とを有するSTL送信機であり、
前記送信所のSTL/TTL受信機が、スタジオからのSTL信号又は前段の送信所からのTTL信号を受信し、周波数変換して受信IF信号を生成する受信手段と、前記受信IF信号を分割して前記受信IF信号の成分とパイロット・キャリアの成分とFM基準信号の成分とを出力する周波数多重分割手段と、前記FM基準信号の成分から受信側周波数基準信号を取得し、前記パイロット・キャリアの成分からパイロット・キャリアを再生し、前記受信IF信号内の放送波IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って放送波IF信号を再生して出力すると共に、前記受信側周波数基準信号と前記パイロット・キャリアを用いて前記受信IF信号の周波数同期及び位相雑音除去を行って中継波IF信号を再生して出力するローカル・ノイズ・キャンセル手段とを有するSTL/TTL受信機であり、
前記STL/TTL受信機のローカル・ノイズ・キャンセル手段が、
パイロット・キャリアの成分からパイロット・キャリアを再生するパイロット・キャリア再生手段と、
FM基準信号の成分から受信側周波数基準信号を取得する受信側周波数基準信号再生手段と、前記受信側周波数基準信号から高安定度の局部発振信号を生成する高安定度局部発振信号再生手段と、
受信IF信号の成分を前記局部発振信号で周波数変換し、放送波IF信号を抽出し、前記再生されたパイロット・キャリアと遅延が等価になるように遅延補正し、前記遅延補正した信号を前記再生されたパイロット・キャリアで周波数変換し、放送波IF信号として所要の帯域成分に制限して放送波IF信号を再生する放送波IF信号再生手段と、
前記放送波IF信号再生手段において受信IF信号の成分を前記局部発振信号で周波数変換した信号を入力し、前記再生されたパイロット・キャリアと遅延が等価になるように遅延補正を施し、前記遅延補正した信号を前記再生されたパイロット・キャリアで周波数変換し、中継波IF信号として所要の帯域成分に制限して中継波IF信号を再生する中継波IF信号再生手段とを有するローカル・ノイズ・キャンセル手段であることを特徴とする地上デジタルTV放送システム。
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