JP4489365B2 - 車いす用パーキングブレーキ - Google Patents

車いす用パーキングブレーキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、身体障害者、高齢者、負傷者等に利用される車いすの構造、詳しくは、車いすのパーキングブレーキの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
通常、車いすは、停止状態を維持ためのパーキングブレーキを備えている(例えば、非特許文献1参照)。一般にパーキングブレーキは、操作レバーと、いわゆるトグル機構を介して操作レバーに連結された制動部材とを有する。車いすの使用者が操作レバーを操作すると、上記トグル機構により制動部材が車いすの後輪(タイヤ)に直接押圧され、これにより、後輪タイヤの回転が規制されるようになっている。
また、パーキングブレーキは、制動部材が所要の押圧力で後輪タイヤに押圧されるように、車いすのフレームの所定位置に取り付けられている。
【0003】
ところで、車いすの後輪の外径は、車いすの使用者の体格等に合わせて調整される場合が多い。そのような場合、パーキングブレーキが、トグル機構を介して制動部材を後輪タイヤに押圧する構造であることから、例えば後輪タイヤの外径が小さくなったときは、制動部材が後輪タイヤを押圧する押圧力が低下し、制動力が不十分となるおそれがある。そのために従来では、パーキングブレーキの取付位置が後輪やイヤの外径に対応した位置に変更されなければならいという問題があった。
【0004】
また、車いすが継続的に使用されると、後輪タイヤが摩耗し、さらに後輪タイヤの空気圧が低下する。このため、後輪タイヤの外径が小さくなり、前述と同様の問題が生じる。
さらに、制動部材が後輪タイヤに繰り返し押圧されることによって、場合によっては、後輪タイヤが損傷を受けるおそれもある。
加えて、制動部材がトグル機構を介して後輪タイヤに押圧される構造であるから、パーキングブレーキの取付位置が一定範囲内に制限されてしまう。つまり、トグル機構により制動部材が後輪タイヤに押圧される構造であるから、必然的に制動部材を操作する操作レバーは、車いすの使用者の所望の位置に配置されることは困難である。
【0005】
【非特許文献1】
株式会社カワムラサイクル 車いす総合カタログ 21C Vol.9(第9頁)
【0006】
そこで、本発明の目的は、車いすの使用者にとって操作しやすく、且つ繰り返し作動された場合であっても確実に後輪の回転を規制する車いす用パーキングブレーキを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 前述の問題点等が発生する原因は、従来のパーキングブレーキが、制動部材が後輪タイヤに直接押圧される構造を備えている点にある。また、一般に車いすは、後輪の回転を制動する通常のブレーキ(後輪ブレーキ)を備えている。このことから本願発明者は、後輪ブレーキがパーキングブレーキを兼ねる構造が実現されれば、上記目的を達成することができると考えた。
【0008】
(2) そこで、本願に係る車いす用パーキングブレーキは、プルワイヤを内蔵し、その一端部が車いすの後輪ブレーキに連結されることによって当該プルワイヤが長手方向に沿って一方側に所定の付勢力で弾性付勢されるブレーキワイヤケーブルと、プルワイヤの他端部が連結され、上記付勢力に抗して当該プルワイヤを長手方向に沿って他方側に引っ張る作動部と、作動部を作動させる作動姿勢と作動部の作動を解除する解除姿勢との間で姿勢変化可能な状態で当該作動部に連結された操作部と、操作部が作動姿勢となったときに作動部をロックするロック機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、車いすの使用者は、操作部を操作して当該操作部を作動姿勢に姿勢変化させることができる。これにより、作動部が作動し、ブレーキワイヤケーブルを介して車いすの後輪ブレーキが作動するので、車いすの後輪の回転が規制され、当該車いすは、停車状態となる。また、車いすの使用者は、操作部を操作して当該操作部を解除姿勢に戻すことができる。これにより、後輪ブレーキの作動が解除され、車いすの後輪は、自在に回転可能となる。
しかも、ロック機構により、操作部が作動姿勢となったときに作動部がロックされるので、後輪の回転は常時規制されることになり、当該車いすは停止状態が保持される。
【0010】
上記後輪ブレーキは、ブレーキワイヤケーブルにより作動されるが、このブレーキワイヤケーブルは、変形自在である。したがって、仮に上記操作部及び作動部が車いすの任意に位置に配置された場合であっても、ブレーキワイヤケーブルが適当に配設されることにより、上記後輪ブレーキを作動させることができる。つまり、操作部及び作動部の取付位置は、従来のように後輪の外径寸法等によって制限を受けることはない。
【0011】
(3) 上記ロック機構は、車いすのフレーム側に固定され、係合歯が形成されたロック板と、係合歯に咬合されるロック姿勢と係合歯への咬合が解除されるロック解除姿勢との間で姿勢変化可能な状態で上記操作部に設けられた係合爪部材とを備えて構成される。
この構成では、係合爪部材がロック姿勢に姿勢変化されることによって、ロック板の係合歯に咬合する。この状態では、ロック板は、車いすのフレーム側に固定されているから、係合爪部材がフレームに対して固定され、したがって、操作部がフレームに対して固定される。つまり、作動部がフレームに対してロックされるので、後輪の回転は常時規制されることになり、当該車いすは停止状態が保持される。
【0012】
(4) 上記作動部は、車いすのフレーム側に設けられた回転中心軸によって回転自在に支持された円盤状部材を備え、上記プルワイヤの他端部は、円盤状部材の周方向に巻回されて当該円盤状部材に固定されている構成が採用され得る。
この構成では、プルワイヤの他端部が円盤状部材に巻回されることによって、きわめて簡単且つ確実に作動部に固定されることになる。つまり、上記後輪ブレーキを作動させるための作動部の構造がきわめて簡単になるという利点がある。
【0013】
(5) 上記操作部は、上記作動部に固定された操作レバーにより構成されているのが好ましい。
この構成では、車いすの使用者は、操作レバーを押す又は引くことによって、操作部を操作することができる。車いすの使用者は、車いすのシートに腰を掛けた状態で操作部を操作するものであるところ、車いすの使用者は、かかる要領できわめて簡単に操作部を操作することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る車いす用パーキングブレーキ10が採用された車いす11の側面図である。
この車いす11は、フレーム12を備え、このフレームに後輪13及びキャスターとして機能する前輪14が設けられている。また、後輪13には、後輪ブレーキ15が設けられており、これが作動されることによって後輪13の回転が制動されるようになっている。
ここで、後輪13は、フレーム12に支持されたハブ16と、ハブ16に取り付けられたリム17と、リム17に嵌め込まれたタイヤ18とを有し、後輪13は、ハブ16の中心軸線を中心として自在に回転可能となっている。
【0016】
後輪ブレーキ15は、いわゆるバンド型ブレーキであって、ハブ16と共に回転するブレーキドラムがブレーキバンドによって締め付けられることによって、後輪13の回転が制動されるようになっている。なお、このようなタイプの後輪ブレーキ15は既知であるので、その構造の説明は省略される。
後輪ブレーキ15は、上記ブレーキバンドを引っ張るためのアーム19を備えており、このアーム19にブレーキワイヤケーブル20の一端部が連結されている。ブレーキワイヤケーブル20は、車いす11のフレーム12に沿って配設され、ブレーキワイヤケーブル20の他端部は、ハンドレバー21に連結されている。
【0017】
車いす11の使用者を介助する介助者がハンドレバー21を握ることによって、ブレーキワイヤケーブル20が上記アーム19を引っ張る。これにより、上記ブレーキドラムは、上記ブレーキバンドによって締め付けられ、後輪13の回転が制動される。
なお、ブレーキワイヤケーブル20の一端部には、図示されていないコイルバネが配設されている。これにより、上記アーム19は、上記ブレーキバンドを引っ張る方向と逆方向に(ブレーキバンドを緩める方向に)常時弾性的に付勢されている。したがって、通常は、上記アーム19が上記ブレーキバンドを引っ張ることはなく、上記ハンドレバー21が操作されたときのみ、ブレーキワイヤケーブル20を介して上記アーム19が上記ブレーキバンドを引っ張る。
【0018】
本実施形態の特徴とするところは、上記後輪ブレーキ15が上記パーキングブレーキ10を兼ねており、パーキングブレーキ10が作動されるときは、ブレーキワイヤケーブル22を介して上記ブレーキバンドが操作されるようになっている点である。以下、パーキングブレーキ10の構造について詳細に説明される。パーキングブレーキ10は、車いすの使用者又は介助者が操作する操作部23と、上記ブレーキワイヤケーブル22と、このブレーキワイヤケーブル22を作動させる作動部24と、作動部24の作動をロックするロック機構25とを備えている。
【0019】
図2は、パーキングブレーキ10の拡大正面図、図3は、パーキングブレーキ10の要部断面拡大正面図、図4は、パーキングブレーキ10の要部断面拡大側面図であり、これらの図によってパーキングブレーキ10の構造が詳細に図示されている。ただし、図2及び図3は、パーキングブレーキ10を車いす11の内側から見た状態を図示している。
【0020】
作動部24は、円形に形成されたプーリ26(円盤状部材)と、これに固定されたアンカー27とを有する。プーリー26は、例えばアルミニウム合金等の金属から構成されている。もっとも、プーリー26は、金属のほか所要の物性を備える樹脂等により構成されることも可能である。
プーリー26は、支持軸43(回転中心軸)により支持されており、この支持軸43を中心として自在に回転することができる。
【0021】
この支持軸43は、図4が示すように、段付き形状に形成されており、上記ロック機構25を構成するロック板35にいわゆる片持ち状に固定されている。このロック板35については、後述される。
支持軸43は、本実施形態では、締結ナット44によりロック板35に締結されている。
【0022】
プーリー26は、図4が示すように、外周面に周溝30が形成されており、この周溝30は、後述されるプルワイヤ28(ブレーキワイヤケーブル22を構成する部材)の座部を構成している。なお、この溝30は、省略されることも可能である。
アンカー27は、略直方体に形成されており、プーリー26の径方向に突出するように取り付けられている。アンカー27は、貫通孔29が設けられており、この貫通孔29に上記プルワイヤ28が係止されるようになっている。
【0023】
ブレーキワイヤケーブル22は、後輪ブレーキ15に採用されているブレーキワイヤケーブル20と同様の構成であり、既知の構造である。すなわち、ブレーキワイヤケーブル22は、ハウジング31と、ハウジング31に内蔵されたプルワイヤ28とを備える。ただし、図2及び図3では、ハウジング31は、その端部のみ図示されている。
ハウジング31は、チューブ状に形成され、きわめてフレキシブルである。したがって、ハウジング31が複雑な形状に湾曲された場合であっても、プルワイヤ28は、その長手方向に沿ってハウジング31内を自在にスライドすることができる。
【0024】
このハウジング31の端部は、図2及び図3が示すように、ブラケット34を介して上記ロック板35に固定されている。
ハウジング31の端部から突出されたプルワイヤ28の端部32(他端部)は、プーリ26に巻回されている。また、プルワイヤ28の端部32の先端には、係合ピン33が取り付けられており、この係合ピン33が上記アンカー27の貫通孔29に挿通されている。これにより、プルワイヤ28の端部32は、作動部24に固定される。
【0025】
このブレーキワイヤケーブル22は、図1が示すようにフレーム12に沿って配置され、後輪ブレーキ15のアーム19に連結されている。具体的には、プルワイヤ28の他方の端部36(一端部)が、上記アーム19に連結されており、この連結構造は、後輪ブレーキ15のブレーキワイヤケーブル20と上記アーム19との連結構造と同様である。
したがって、プルワイヤ28の端部36は、後輪ブレーキ15の上記図示されていないコイルバネによって引っ張られており、プルワイヤ28は、その長手方向に沿って端部36側(一方側)に弾性付勢されている。
プルワイヤ28が図2及び図3において図中左側に引っ張られると、図1においてアーム19が上記コイルバネによる弾性力に抗して図中上方へ引っ張られることとなり、その結果、ハンドレバー21が操作されなくても後輪ブレーキ15が作動するようになっている。
【0026】
次に、操作部23は、棒状に形成された操作レバー37により構成されている。操作レバー37は、円筒状の本体38と、グリップ39とを備えている。
本体38は、アルミニウム合金等の金属のほか所要の物性を備えた樹脂により構成される。本体38は、その下端部の内側に連結具40が配設されている。この連結具40は、本体38に固定されている。図3及び図4が示すように、ブロ連結具40は、ブロック状に形成されており、その中央部に溝41が形成されている。
上記プーリー26は、連結具40の溝41に嵌め込まれた状態で、当該連結具40に固定されている。これにより、本体38は、プーリー26と連結されている。
【0027】
グリップ39は、操作部23を操作する者が把持する部位である。グリップ39は、アルミニウム合金等の金属のほか所要の物性を備えた樹脂又はゴム等により構成される。グリップ39は、外形形状が略円柱状に形成され、操作部23を操作する者が把持しやすいように所定の外径寸法に設定されている。
なお、グリップ39の下端部には凹部42が形成されており、この凹部42に本体38の上端部が嵌め込まれており、これにより、本体38にグリップ39が固定されている。
【0028】
常時おいて操作レバー37は、図2が示すように直立した姿勢となっている。また、操作レバー37は、図2において、矢印43の方向に操作される。これにより、プーリー26は、支持軸43を中心として右側に回転される。
したがって、アンカー27も同方向に移動され、プルワイヤ28が図中左側へ引っ張られる。これにより、後輪ブレーキ15のアーム19がプルワイヤ28により引っ張られ、その結果、後輪ブレーキ15が作動し、後輪13の回転が制動される。
このように操作レバー37が操作されると、操作レバー37は、図2において右側へ倒伏した姿勢となるが、この姿勢は、「作動姿勢」と定義される。また、前述のように、操作レバー37が直立したときの姿勢は、「解除姿勢」と定義される。
【0029】
次に、ロック機構25は、上記ロック板35と、爪部材45(係合爪部材)と、爪部材45を操作する操作機構46とを備えている。
ロック板35は、平板部材からなり、アルミニウム合金等の金属により構成されている。ロック板35の外周面47は、円弧面に形成されている。この外周面47の曲率中心は、上記ロック板35に締結された支持軸43の中心であり、上記プーリー26の回転中心である。
また、ロック板35は、図示されていないブラケットを介してフレーム12に固定されている。もっとも、ロック板35は、直接フレーム12に溶接等により固着されることも可能である。
【0030】
ロック板35の外周面47には、係合歯48が形成されている。この係合歯48は、図2及び図3が示すように、上記爪部材45が咬合するようになっている。具体的には、係合歯48は、クリック部49とポール部50とを備えており、上記爪部材45が係合歯48に咬合した場合に、クリック部49によって爪部材45の右方向への相対移動が許容され、ポール部50によって爪部材45の左方向への相対移動が規制される。つまり、係合歯48に咬合した爪部材45は、図中右方向へのみ相対移動が可能である。
【0031】
爪部材45は、平板部材からなる。爪部材45は、図2及び図3が示すように、その先端部51が鍵状に形成されており、この先端部51が上記係合歯48に咬合する。
図5は、図2におけるV−V断面図である。
爪部材45は、ピン52によって支持されている。このピン52は、ブラケット53を介して操作レバー37に固定されている。爪部材45は、このピン52の中心軸を中心として、回動することができる。したがって、爪部材45は、図2及び図3が示すように、上記先端部51が係合歯48に咬合した姿勢と、上記先端部51が係合歯48から離反した姿勢との間で姿勢変化可能となっている。ここで、上記先端部51が係合歯48に咬合した姿勢は、「ロック姿勢」と定義され、上記先端部51が係合歯48から離反した姿勢は、「ロック解除姿勢」と定義される。
【0032】
上記ブラケット53は、例えばアルミニウム合金等の金属のほか所要の物性を備えた樹脂等により構成され、図5が示すように、操作レバー37の本体38に固定されている。また、上記ピン52は、このブラケット53に貫通されて支持されている。そして、爪部材45は、ピン52が貫通された状態で、締結ナット54が締め付けられることによって、ピン52に支持されている。
さらに、爪部材45の他端部には、ピン55が設けられている。このピン55は、爪部材45と上記操作機構46とを連結する。
【0033】
操作機構46は、図3及び図4が示すように、スライダ56と、プッシュロッド57と、操作ボタン58と、プッシュロッド57を図中上方へ弾性付勢するバネ59とを備えている。
スライダ56は、例えば樹脂等からなり、略円柱状に形成されている。スライダ56の外径寸法は、操作レバー37の本体38の内径寸法に対応されている。このため、スライダ56は、本体38の内部にぴったりと嵌め込まれ、且つ本体38の軸方向(図中上下方向)にスライド可能となっている。
【0034】
このスライダ56は、図4が示すように、上記ピン55が連結されている。したがって、当該ピン55を介してスライダ56と上記爪部材45の他端部とが連結しており、スライダ56がスライドすることによって、同方向に爪部材45の他端部が変位するようになっている。
なお、ピン55の変位が許容されるために、操作レバー37の本体38には、切欠溝62が形成されている。
【0035】
スライダ56がスライドし、爪部材45の他端部が変位することによって、爪部材45は、上記ピン52を中心として揺動する。具体的には、スライダ56が下方へ変位されたときは、爪部材45がピン52を中心として揺動し、爪部材45の先端部51が上方へ変位する。つまり、爪部材45が上記ロック解除姿勢となる。一方、スライダ56が上方へ変位されたときは、爪部材45がピン52を中心として揺動し、爪部材45の先端部51が下方へ変位する。つまり、爪部材45が上記ロック姿勢となる。
【0036】
プッシュロッド57は、細長丸棒部材から構成されている。プッシュロッド57は、操作レバー37の本体38の内部に配置されており、その下端部が上記スライダ56に連結され、その上端部は、上記グリップ39を貫通して当該グリップ39の上方まで延びている。すなわち、プッシュロッド57は、グリップ39によって支持された状態で、その下端部が上記スライダ56に連結されており、プッシュロッド57は、グリップ39に対して上下方向にスライド可能となっている。
【0037】
操作ボタン58は、円柱状に形成されており、アルミニウム合金等の金属のほか所要の物性を備えた樹脂により構成されている。上記プッシュロッド57の上端部は、操作ボタン58に挿入されており、操作ボタン58は、プッシュロッド57に固定されている。
本実施形態では、上記グリップ39は、上端面に開口を有する凹部60が形成されている。凹部60の内周面形状は円形であり、したがって、凹部60は、円柱状の空間を形成している。凹部60の内径寸法は、操作ボタン58の外径寸法に対応されており、これにより、操作ボタン58は、この凹部60の内部に配置された状態で上下にスライド可能となっている。
【0038】
つまり、操作ボタン58が下方へスライドされたときは、プッシュロッド57及びスライダ56が下方へスライドされ、操作ボタン58が上方へスライドされたときは、プッシュロッド57及びスライダ56が上方へスライドされる。
また、上記バネ59は、いわゆる圧縮コイルバネとして構成されている。このバネ59は、上記凹部60の内部に配置されており、プッシュロッド57は、バネ59の内部を貫通している。さらに、バネ59は、座金61に挟持された状態で、凹部60の底面と操作ボタン58の下面との間に配置されている。
【0039】
したがって、常時は、操作ボタン58は、バネ59によって上方に弾性付勢されており、このため、爪部材45は、常時ロック姿勢となっている。そして、操作ボタン58が下方へ押圧されると、スライダ56が下方へ移動し、その結果、爪部材45は、ロック解除姿勢となる。
爪部材45がロック解除姿勢に変化すると、操作レバー37は、支持軸43を中心として自在に回動可能となる。したがって、操作レバー37は、作動姿勢から解除姿勢へと変化することができ、これにより、パーキングブレーキ10が解除される。
【0040】
本実施形態に係る車いす11は、次のような要領で駐車される。
車いす11の使用者(特に介助者)は、操作部23を操作して操作レバー37を作動姿勢に姿勢変化させる。これにより、作動部24が作動し、ブレーキワイヤケーブル22を介して後輪ブレーキ15が作動する。しかも、ロック機構25により、操作部23が作動姿勢となったときに作動部24がロックされる。したがって、車いす11の後輪の回転が規制され、当該車いす11は、停車状態が維持される。
一方、車いす11の使用者は、操作部23を操作して操作部23を解除姿勢に戻すことができる。これにより、後輪ブレーキ15の作動が解除され、車いす11は、通常の走行が可能となる。
【0041】
さらに、後輪ブレーキ15は、ブレーキワイヤケーブル22により作動されるが、このブレーキワイヤケーブル22は、変形自在である。したがって、仮に操作部23及び作動部24が車いす11の任意に位置に配置された場合であっても、ブレーキワイヤケーブル22が適当に配設されることにより、後輪ブレーキ15が作動可能となる。つまり、操作部23及び作動部24の取付位置は、従来のように後輪13の外径寸法等によって制限を受けることはなく、操作部23及び作動部24の取付位置の設計の自由度が向上する。
【0042】
このように本実施形態では、車いす11の後輪ブレーキ15がパーキングブレーキ10を兼ねることになるので、パーキングブレーキ10が作動した場合であっても、従来のように、後輪タイヤが損傷を受けることはないし、後輪タイヤの外径寸法の変化等が原因となる制動力の低下という問題は生じない。
しかも、後輪ブレーキ15を作動させるためにブレーキワイヤケーブル22が採用されていることから、パーキングブレーキ10を作動させるための操作部23や作動部24は、車いす11の使用者の所望の位置(使いやすい位置)に取り付けることができ、その結果、パーキングブレーキ10は、車いす11の搭乗者が操作部23を操作する場合であっても、当該搭乗者にとって非常に使いやすいものとなる。
【0043】
また、本実施形態では、上記ロック機構25がロック板35と爪部材45とを有して構成され、爪部材45がロック姿勢に姿勢変化されることによって、ロック板35の係合歯48に咬合し、これにより、作動部24がロックされる。このように、ロック機構25の構造がきわめて簡単である。
さらに、本実施形態では、上記作動部24がプーリー26によって構成されるから、作動部24がきわめて簡単な構造であり、且つ確実に後輪ブレーキ15が作動される。
加えて、本実施形態では、上記操作部23は、棒状に形成された操作レバー37により構成されるので、車いす11の使用者は、操作レバー37を押す又は引くことによって、操作部23を操作することができる。ここで、車いす11の使用者(搭乗者)は、車いす11のシートに腰を掛けた状態で操作部23を操作するものであるから、車いす11の使用者は、きわめて簡単に操作部23を操作することができるという利点がある。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車いすの後輪ブレーキがパーキングブレーキを兼ねることになるので、パーキングブレーキが作動した場合であっても後輪タイヤが損傷を受けることはないし、後輪タイヤの外径寸法の変化等が原因となる制動力の低下という問題は生じない。
しかも、上記後輪ブレーキを作動させるためにブレーキワイヤケーブルが採用されていることから、パーキングブレーキを作動させるための操作部や作動部は、車いすの使用者の所望の位置に取り付けることができ、その結果、車いすの使用者にとって非常に使いやすいパーキングブレーキが構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る車いす用パーキングブレーキが採用された車いすの側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るパーキングブレーキの拡大正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るパーキングブレーキの要部断面拡大正面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るパーキングブレーキの要部断面拡大側面図である。
【図5】図5は、図2におけるV−V断面図である。
【符号の説明】
10・・・パーキングブレーキ
11・・・車いす
12・・・フレーム
13・・・後輪
15・・・後輪ブレーキ
19・・・アーム
22・・・ブレーキワイヤケーブル
23・・・操作部
24・・・作動部
25・・・ロック機構
26・・・プーリー
27・・・アンカー
28・・・プルワイヤ
29・・・貫通孔
30・・・周溝
31・・・ハウジング
32・・・端部
33・・・係合ピン
35・・・ロック板
36・・・端部
37・・・操作レバー
38・・・本体
39・・・グリップ
40・・・連結具
41・・・溝
42・・・凹部
43・・・支持軸
45・・・爪部材
46・・・操作機構
47・・・外周面
48・・・係合歯
49・・・クリック部
50・・・ポール部
51・・・先端部
52・・・ピン
55・・・ピン
56・・・スライダ
57・・・プッシュロッド
58・・・操作ボタン
59・・・バネ
60・・・凹部

Claims (3)

  1. プルワイヤを内蔵し、その一端部が車いすの後輪ブレーキに連結され当該プルワイヤが長手方向に沿って一方側に所定の付勢力で弾性付勢されるブレーキワイヤケーブルと、
    プルワイヤの他端部が連結され、上記付勢力に抗して当該プルワイヤを長手方向に沿って他方側に引っ張り後輪ブレーキを作動する作動部と、
    作動部が後輪ブレーキを作動する作動姿勢と後輪ブレーキの作動を解除する解除姿勢との間で姿勢変化可能な状態で当該作動部に連結された操作部と、
    操作部が作動姿勢となったときに作動部をロックするロック機構とを備えており、
    上記作動部は、車いすのフレーム側に設けられた回転中心軸によって回転自在に支持された円盤状部材を備え、
    上記プルワイヤの他端部は、円盤状部材の周方向に巻回されて当該円盤状部材に固定されており、
    後輪がフレームに回転可能に支持されたハブと、タイヤとを備えており、
    この後輪ブレーキがハブの回転を制動して後輪の回転を制動するブレーキである車いす用パーキングブレーキ。
  2. 上記ロック機構は、
    車いすのフレーム側に固定され、係合歯が形成されたロック板と、
    係合歯に咬合されるロック姿勢と係合歯への咬合が解除されるロック解除姿勢との間で姿勢変化可能な状態で上記操作部に設けられた係合爪部材とを備える請求項1に記載の車いす用パーキングブレーキ。
  3. 上記操作部は、上記作動部に固定された操作レバーにより構成されている請求項1又は2に記載の車いす用パーキングブレーキ。
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