JP4487465B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料極層と空気極層とにより電解質層を挟持して構成された発電セルを有する固体電解質型の燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質層とこの固体電解質層の両面に配設された燃料極層及び空気極層とからなる発電セルと、燃料極層には燃料極集電体を、空気極層には空気極集電体をそれぞれ密着させて、セパレータを介して積層した構造の固体酸化物型燃料電池が知られている。従来、この種の固体酸化物型燃料電池は、作動温度が約1000℃と高いことから、セパレータ等の構造部材に例えばランタンクロマイトのようなセラミックスを使用する必要があるため、信頼性に欠ける。そのため近年周辺部材に金属材料を使用できる低温作動型固体電解質燃料電池の開発が進められている。
この低温作動型固体電解質燃料電池には固体電解質層にランタンガレート系酸化物、Sc添加ジルコニア、Y添加ジルコニアの薄膜、セリア系酸化物などが用いられる。これらの材料を用いることにより、作動温度を700℃程度まで引下げることができ、セパレータ等の周辺部材に金属材料を用いることができるようになる。この低温作動燃料電池のセパレータにはステンレス鋼、ニッケル基耐熱合金又はコバルト基合金等が用いられる。
【0003】
一方、集電体材料は燃料電池の発電性能を左右する重要な部材の1つであるが、従来集電体材料としてメッシュ状の白金が試験的に用いられている。この白金メッシュはメッシュが細かい方が良い性能が得られる傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の金属セパレータ材は例えば空気中700℃の条件では表面がクロム酸化物被膜で覆われるようになるが、このクロム酸化物は高温で導電性を示し、温度が下がると電気抵抗が大きくなる性質があった。従って700℃程度の低温で作動させた場合にはセパレータ材として使用するには電気抵抗が大き過ぎる欠点があった。このため、セパレータに金属材料を用いて低温で燃料電池を作動させた場合でも電気抵抗がより一層小さい材料が求められていた。
また、白金集電体では白金は貴金属であるため高価であり、コスト削減のため白金に代わる高性能の集電材料が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、低温で作動させた場合でも金属セパレータの電気抵抗が増大せず、発電効率を向上し得る比較的安価な固体電解質型燃料電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、固体電解質層11とこの固体電解質層11の両面に配設された燃料極層12及び空気極層13とからなる発電セル14と、燃料極層12に燃料ガスを、空気極層13に酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給し得るように構成された金属セパレータ17とを備えた固体電解質型燃料電池の改良である。
その特徴ある構成は、固体電解質層11がランタンガレート系固体酸化物、Sc安定化ジルコニア、Y安定化ジルコニア又はセリア系酸化物からなる群より選ばれた伝導体であり、金属セパレータ17がステンレス鋼、ニッケル基耐熱合金又はコバルト基合金であり、金属セパレータ17が銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされたことにある。
請求項1に係る発明では、金属セパレータ17に銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきを施すことにより、長時間にわたって金属セパレータ17の各電気抵抗を著しく減少させることができる。また、ステンレス鋼、ニッケル基耐熱合金又はコバルト基合金を金属セパレータに用いることにより優れた耐熱性を示す。更に、上記伝導体を固体電解質層11に用いるため、950℃未満の作動温度の燃料電池を容易に実現することができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、ステンレス鋼がフェライト系ステンレス鋼である燃料電池である。
請求項3に係る発明では、フェライト系ステンレス鋼は銀との密着性が良いため金属母材として好ましい。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、金属セパレータ17がニッケルによりめっきされ、ニッケルめっきを下地として銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされた燃料電池である。
請求項4に係る発明では、ニッケルにより下地めっきすることで、金属セパレータと銀又は銀合金めっきとの高い密着性が得られる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明であって、空気極層13に密着して配置された空気極集電体18が銀又は銀合金からなる多孔体18aであるか、或いは銀又は銀合金以外の金属の多孔体を銀により被覆してなる多孔体である燃料電池である。
請求項5に係る発明では、空気極集電体が銀又は銀合金からなる多孔体であるか、或いは銀又は銀合金以外の金属の多孔体を銀により被覆してなる多孔体である。銀は200℃以上の高温酸化雰囲気中においても還元され固体金属相が安定相であり、僅かに酸素を固溶し、内部を酸素が拡散しやすい性質がある。一方、従来用いていた白金は酸素をほとんど固溶しない。このため、空気極集電体の材質に銀を用いることにより性能が向上する。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、空気集電体18が銀又は銀合金以外の金属母材であって、金属母材がニッケルによりめっきされ、ニッケルめっきを下地として銀によりめっきされた燃料電池である。
請求項6に係る発明では、ニッケルにより下地めっきすることで、金属母材と銀との高い密着性が得られる。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項5に係る発明であって、多孔体18aが3次元骨格構造を有するスポンジ状金属多孔体である燃料電池である。
請求項8に係る発明は、請求項5又は7に係る発明であって、図2に示すように、多孔体18aがメッシュ状金属体18bで補強された燃料電池である。
請求項8に係る発明では、多孔体18aは脆く、潰れやすい場合もあるので、この場合にはメッシュ状金属体18bで補強することにより、空気極集電体の形状をより堅牢に保持することができる。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明であって、メッシュ状金属体18bが銀又は銀合金からなるか、或いは銀又は銀合金以外の金属母材を銀又は銀合金により被覆してなる燃料電池である。
請求項9に係る発明では、メッシュ状金属体を空気極集電体と同様の材質により構成することにより、電池性能を安定させることができる。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、メッシュ状金属体18bが銀又は銀合金以外の金属母材であって、金属母材がニッケルによりめっきされ、ニッケルめっきを下地として銀によりめっきされた燃料電池である。
請求項10に係る発明では、ニッケルにより下地めっきすることで、金属母材と銀との高い密着性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、固体電解質型燃料電池10は固体電解質層11とこの固体電解質層11の両面に配設された燃料極層12及び空気極層13とからなる発電セル14と、燃料極集電体16と、空気極集電体18と燃料極層12に燃料ガスを、空気極層13に酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給し得るように構成された金属セパレータ17とを備え、950℃未満で作動するように構成される。金属セパレータ17は銀又は銀合金以外の金属により形成される。
【0017】
固体電解質層11はランタンガレート系固体酸化物、Sc安定化ジルコニア、Y安定化ジルコニア又はセリア系酸化物により形成される。
例えばランタンガレート系固体酸化物の作製は次の方法により行われる。先ず、原料粉末としてLa23、SrCO3、Ga23、MgO、CoOの各粉末を用意する。これら原料粉末をLa0.5Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.053となるようにそれぞれ秤量し、各粉末を混合し、この混合物を1100℃で予備焼成する。得られた仮焼体を粉砕し、通常のバインダ、溶剤などを加えてボールミルで粉砕することによりスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法によりグリーンシートに成形する。成形したグリーンシートを空気中で十分に乾燥させ、所定の寸法に切出してこれを1450℃で焼結する。これによりランタンガレート系固体酸化物が得られる。ここでドクターブレード法とは、シート状に成型する方法の1つであり、キャリアフィルムやエンドレスベルト等のキャリア上に載せて運ばれるスリップの厚さをドクターブレードと呼ばれるナイフエッジとキャリアとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御する方法である。
またSc安定化ジルコニアの作製は次の方法により行われる。先ずZrOCl2及びSc23を出発原料とする。次いで、ZrOCl2水溶液を加水分解した単斜晶ZrO2ゾルに所定量のSc23を硝酸水溶液として加え、尿素を加えて90℃に保持して均一沈殿させる。次にこの沈殿物を600℃で仮焼する。この仮焼体を1400℃で一時間焼成する。これによりSc安定化ジルコニアが得られる。
【0018】
燃料極層12はNi等の金属により構成されるか、又はNi−YSZ(NiドープY23安定化ZrO2)等のサーメットにより構成される。或いはNiと一般式(1):Ce1-mm2で表される化合物との混合体により形成される。ただし、上記一般式(1)において、DはSm、Gd、Y又はCaからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、mはD元素の原子比であり、0.05〜0.4、好ましくは1〜0.3の範囲に設定される。
空気極層13は一般式(2):Ln11-xLn2x1-yCoy3+dで示される酸化物イオン導電体により形成される。ただし、上記一般式(2)において、Ln1はLa又はSmのいずれか一方又は双方の元素であり、Ln2はBa、Ca又はSrのいずれか一方又は双方の元素であり、EはFe又はCuのいずれか一方又は双方の元素である。またxはLn2の原子比であり、0.5を越え、1.0未満の範囲に設定される。yはCo元素の原子比であり、0を越え1.0以下、好ましくは0.5以上1.0以下の範囲に設定される。dは−0.5以上0.5以下の範囲に設定される。
発電セル14は固体電解質層11の片面に燃料極層12を形成し、更に固体電解質層11の反対側の片面に空気極層13を形成し、1000℃で焼付けることにより作製される。
【0019】
燃料極集電体16は白金、ニッケル又は銀からなる多孔体である。
空気極集電体18は銀又は銀合金からなる多孔体18aであるか、或いは銀又は銀合金以外の金属の多孔体を銀により被覆してなる多孔体である。この多孔体18aは図2の部分拡大図に示すように、骨格部分及び気孔からなり、3次元構造を有するスポンジ状金属多孔体である。この気孔率は60〜97%の範囲が好ましい。銀は約200℃以上950℃未満の温度範囲内では、酸化雰囲気中においても還元され、固体金属相が安定相となる。従って、表面が銀からなる多孔体は200℃以上950℃未満の温度領域において酸化被膜が形成されず、良好な導電体である。しかし、銀多孔体からなる空気極集電体を組込んだ固体酸化物燃料電池を950℃未満で作動させると、銀多孔体からなる空気極集電体の表面に酸化膜が発生することがないが、銀は高温で酸素を固溶するために、約950℃で溶け始める。そのため、銀又は銀合金からなる多孔体又は銀又は銀合金以外の金属母材を銀により被覆してなる多孔体を空気極導電体として組込んだ固体酸化物燃料電池の作動温度は950℃未満であることが望ましい。好ましくは930℃未満である。銀又は銀合金以外の金属母材をニッケルによりめっきし、このニッケルめっきを下地として銀によりめっきすることにより、金属母材と銀との高い密着性が得られるため、好ましい。
また、多孔体はメッシュ状金属体で補強される。このメッシュ状金属体は銀又は銀合金か、或いは銀又は銀合金以外の金属母材を銀又は銀合金により被覆された金属体である。銀又は銀合金以外の金属母材を銀又は銀合金により被覆してなる多孔体及び金属体で用いられる金属部材はニッケル、ステンレス、ニッケル基合金、コバルト基合金等が挙げられる。金属母材をニッケルによりめっきし、このニッケルめっきを下地として銀によりめっきすることにより、金属母材と銀との高い密着性が得られるため、好ましい。メッシュ状金属体の目開きは0.5〜1000μmの範囲にある。
【0020】
一般に空気極層において、空気中の酸素が空気極集電体により電子を受取り、酸素イオン(O2-)が生成される際、酸素が含まれている銀を空気極集電体とした場合、集電体中に含まれる酸素が集電体表面においての酸素イオンの生成を促進させる働きがあるため酸素イオンを集電体表面から速く移動させることができる。また集電体と電極との交換電流密度の上昇により更なる酸素イオンの移動が速やかになる。更に酸素の解離(O2→O2-)、イオン化(O+2e→O2-)も空気極集電体中に固溶した酸素により促進すること等によるものと考えられる。
【0021】
空気極集電体及び燃料極集電体に用いる多孔体の製造方法を説明する。なお、本実施の形態では純銀多孔体からなる空気極集電体の製造方法について説明する。先ず、平均粒径2μmの純銀アトマイズ粉末を用意する。この純銀アトマイズ粉末は、純銀を通常の溶解炉にて溶解し、得られた純銀溶湯をアトマイズ(atomize)することにより得られた粉末である。更に有機溶剤としてn-ヘキサン、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium DodecylBenzenSulfonate、以下、DBSという。)、水溶性樹脂結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HydroxyPropylMethylCellulose、以下、HPMCという。)、可塑剤としてグリセリン、水として蒸留水をそれぞれ用意する。
【0022】
次いで、純銀アトマイズ粉末とHPMC(水溶性樹脂結合剤)を強剪断型混練機に装入して30分間混練した後、添加しなければならない全蒸留水量の50重量%を加えて混練する。更に残りの蒸留水50重量%並びにその他の添加剤であるn-ヘキサン(有機溶剤)、DBS(界面活性剤)及びグリセリン(可塑剤)を添加して3時間混練することにより、純銀アトマイズ粉末50.0質量%、n-ヘキサン1.5質量%、HPMC5.0質量%、DBS2.0質量%、グリセリン3.0質量%からなる組成の混合スラリーを作製する。残りの組成は蒸留水である。
次にこの混合スラリーをドクターブレード法により厚さ約1mmの成形体を作製し、この成形体を下記表1に示す条件にて発泡、脱脂及び焼結を施すことにより純銀多孔体板を作製する。純銀多孔体板の厚さは0.7mm程度がよい。
【0023】
【表1】
Figure 0004487465
【0024】
この純銀多孔体板から所定の大きさに切出して、92〜97%の気孔率を有する純銀多孔体を得る。この多孔体とメッシュ状金属体を2枚重ねてスキンパス圧延して一体化することにより空気極集電体が得られる。
【0025】
金属セパレータ17は銀又は銀合金以外の金属から形成される。この金属セパレータは銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされる。金属セパレータに銀又は銀合金のめっきを施すことにより、長時間にわたって著しく電気抵抗を減少させることができる。金属セパレータ17をニッケルによりめっきし、このニッケルめっきを下地として銀又は銀合金によりめっきすることにより金属セパレータ17と銀又は銀合金との密着性が向上する。
金属セパレータ材はステンレス鋼、ニッケル基耐熱合金又はコバルト基合金が挙げられる。ステンレス鋼としてはSUS430(18Cr-Fe)、SUS310S(20Ni-25Cr-Fe)、SUS316(18Cr-12Ni-2.5Mo-Fe)等、ニッケル基耐熱合金としては、インコネル600(15.5Cr-7Fe-Ni)、インコネル718(19Cr-3Mo-19Fe-Ni)、ヘインズアロイ214(16Cr-2Fe-4.5Al-Ni)、ヘインズアロイ230(16Cr-2Mo-14W-Ni)、ハステロイC−22(22Cr-13Mo-3W-4Fe-Ni)等、コバルト基合金としてはULTMET(26Cr-5Mo-2W-3Fe-9Ni-Co)、ヘインズアロイ188(22Cr-14.5W-Co)等がそれぞれ挙げられる。ステンレス鋼はフェライト系ステンレス鋼が銀との密着が良いため好ましい。金属セパレータを銀又は銀合金でめっきする方法としては電気めっきが挙げられる。この電気めっき法は、金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出(電着)させる表面処理方法である。
金属セパレータ17は、その側部に空気入気口17aと、燃料ガス入気口17cとを有し、この空気入気口17aに導入された空気を空気極層13に導く空気吹出し口17bと、燃料ガス入気口17cに導入された燃料ガスを燃料極層12に導く燃料ガス吹出し口17dとをそれぞれ有する。
【0026】
このように構成された固体電解質型燃料電池の動作を説明する。
燃料ガス(H2、CO等)を燃料ガス入気口17cに導入すると、燃料極集電体16内の気孔を通過して燃料極層12に速やかに供給される。一方、空気を空気入気口17aに導入すると、空気極集電体18内の気孔を通過して空気極層13に速やかに供給される。空気極層13に供給された酸素は空気極層13内の気孔を通って固体電解質層11との界面近傍に到達し、この部分で空気極層13から電子を受取って、酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは燃料極層12の方向に向かって固体電解質層11内を拡散移動し、燃料極層12との界面近傍に到達すると、この部分で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)を生じ、燃料極層12に電子を放出する。この電子を燃料極集電体16により取出すことにより電流が発生し、電力が得られる。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1〜3>
先ず、固定電解質層としてLa0.5Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.053粉末を用いてランタンガレート系固体酸化物を形成した。前述した多孔体の製造方法を用いて3次元骨格構造を有する銀多孔体を製造した。銀多孔体の補強材として銀製のエキスパンドメタルを用意した。この銀多孔体と銀製のエキスパンドメタルを2枚重ねてスキンパス圧延して一体化したものを空気極集電体とした。燃料極集電体にはニッケル多孔体を用いた。燃料極層と空気極層とにより電解質層を挟持して発電セルの単セルを構成した。次いで、金属セパレータ材としてSUS430(実施例1)、インコネル600合金(実施例2)、ULTMET合金(実施例3)をそれぞれ用意した。これら金属セパレータ材を電気めっき法により表面を銀により厚さ2〜5μmめっきして金属セパレータとした。単セルを2段積層して2段セルスタックし、金属セパレータでこの2段セルスタックを挟持して燃料電池を得た。
【0028】
<比較例1〜3>
実施例1〜3の金属セパレータに銀めっきを施さず、空気極集電体として200メッシュの白金多孔体を用いた以外は、実施例1〜3とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例1〜3と同様にして燃料電池を作製した。
<実施例4〜6>
Sc23-ZrOCl2粉末を用いて固体電解質層にSc安定化ジルコニアを形成した以外は、実施例1〜3とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例1〜3と同様にして燃料電池を作製した。
<比較例4〜6>
実施例4〜6の金属セパレータに銀めっきを施さず、空気極集電体として200メッシュの白金多孔体を用いた以外は、実施例4〜6とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例4〜6と同様にして燃料電池を作製した。
【0029】
<実施例7〜9>
8%Y23ドープZrO2粉末を用いて固体電解質層にY安定化ジルコニアを形成した以外は、実施例1〜3とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例1〜3と同様にして燃料電池を作製した。
<比較例7〜9>
実施例7〜9の金属セパレータに銀めっきを施さず、空気極集電体として200メッシュの白金多孔体を用いた以外は、実施例7〜9とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例7〜9と同様にして燃料電池を作製した。
【0030】
<実施例10〜12>
Ce0.9Gd0.11.95-X粉末を用いて固体電解質層にセリア系酸化物を形成した以外は、実施例1〜3とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例1〜3と同様にして燃料電池を作製した。
<比較例10〜12>
実施例10〜12の金属セパレータに銀めっきを施さず、空気極集電体として200メッシュの白金多孔体を用いた以外は、実施例10〜12とそれぞれ同一の金属セパレータを用い、実施例10〜12と同様にして燃料電池を作製した。
【0031】
<比較評価>
実施例1〜12と比較例1〜12の燃料電池を燃料ガスとして水素ガスを3cc/cm2/分、酸化剤ガスとして空気を15cc/cm2/分でそれぞれ供給しながら700℃で500時間発電運転し、500時間経過後の各燃料電池の発電出力の性能評価を行った。ここで、発電性能は燃料極集電体及び空気極集電体間の電位差を0.7Vに調整して測定し、単セル当たりの出力の平均値を求めた値より評価した。表2に実施例1〜12と比較例1〜12の燃料電池の発電性能をそれぞれ示す。
【0032】
【表2】
Figure 0004487465
【0033】
表2より明らかなように、金属セパレータを銀めっきせず、空気極集電体に白金多孔体を用いた比較例1〜12に比べてそれぞれ同様の電解質材料を用い、金属セパレータに銀めっきを施し、空気極集電体に銀多孔体を用いた実施例1〜12では単セル当たりの出力平均値がそれぞれ上回っていた。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、銀又は銀合金以外の金属母材からなる金属セパレータにより構成され、金属セパレータが銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされたため、長時間にわたって著しく電気抵抗を減少させることができる。また、空気極集電体が銀又は銀合金からなる多孔体であるか、或いは銀又は銀合金以外の金属母材を銀又は銀合金により被覆してなる多孔体であるため、銀内部に酸素を固溶し、内部を酸素が拡散しやすい。その結果、低温で作動させた場合でも金属セパレータの電気抵抗が増大せず、発電効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における固体電解質型燃料電池の分解斜視図。
【図2】空気極集電体の概略図。
【符号の説明】
10 固体電解質型燃料電池
11 固体電解質層
12 燃料極層
13 空気極層
14 発電セル
16 燃料極集電体
17 金属セパレータ
18 空気極集電体
18a 多孔体
18b メッシュ状金属体

Claims (9)

  1. 固体電解質層(11)とこの固体電解質層(11)の両面に配設された燃料極層(12)及び空気極層(13)とからなる発電セル(14)と、
    前記燃料極層(12)に燃料ガスを、前記空気極層(13)に酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給し得るように構成された金属セパレータ(17)とを備えた固体電解質型燃料電池において、
    前記固体電解質層(11)がランタンガレート系固体酸化物、Sc安定化ジルコニア、Y安定化ジルコニア又はセリア系酸化物からなる群より選ばれた伝導体であり、
    前記金属セパレータ(17)がステンレス鋼、ニッケル基耐熱合金又はコバルト基合金であり、
    前記金属セパレータ(17)が銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされたことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. ステンレス鋼がフェライト系ステンレス鋼である請求項記載の燃料電池。
  3. 金属セパレータ(17)がニッケルによりめっきされ、前記ニッケルめっきを下地として銀又は銀合金のいずれか一方によりめっきされた請求項1又は2記載の燃料電池。
  4. 空気極層(13)に密着して配置された空気極集電体(18)が銀又は銀合金からなる多孔体(18a)であるか、或いは銀又は銀合金以外の金属母材を銀により被覆してなる多孔体である請求項1記載の燃料電池。
  5. 空気集電体(18)が銀又は銀合金以外の金属母材であって、前記金属母材がニッケルによりめっきされ、前記ニッケルめっきを下地として銀によりめっきされた請求項記載の燃料電池。
  6. 多孔体(18a)が3次元骨格構造を有するスポンジ状金属多孔体である請求項記載の燃料電池。
  7. 多孔体(18a)がメッシュ状金属体(18b)で補強された請求項又は記載の燃料電池。
  8. メッシュ状金属体(18b)が銀又は銀合金からなるか、或いは銀又は銀合金以外の金属母材を銀又は銀合金により被覆してなる請求項記載の燃料電池。
  9. メッシュ状金属体(18b)が銀又は銀合金以外の金属母材であって、前記金属母材がニッケルによりめっきされ、前記ニッケルめっきを下地として銀によりめっきされた請求項記載の燃料電池。
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