JP4486456B2 - 免震装置設置用ユニット - Google Patents
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Description
また、連結部材が1枚の金属板により構成され、その下面側に多数個のナット部材が配置され、さらに、コンクリート製基礎台をプレキャストコンクリート製にして、多数個のナット部材を埋設した基礎台を予め工場などで作製するように構成したものも知られている(例えば、特許文献5参照)。
金属板へのボルト挿通用貫通孔の穿設作業は、免震装置側のボルト挿通孔と一致する位置に多数の貫通孔を穿設する必要があるため、その穿設作業に多くの時間を要し、それが免震装置設置用ユニットのコストアップを招く一因となっていた。
それに加えて、免震装置には多数の種類があり、各免震装置ごとにボルト挿通孔の配置が異なるため、使用する免震装置に応じて金属板にそれぞれボルト挿通用貫通孔を穿設する作業が必要となり、たとえ同じ建物であっても、設置する位置によって異なる免震装置を使用する場合もあり、そのような場合には、何種類かの金属板を作製しなければならず、この点に改良の余地があった。
そして、連結部材が1枚の板ではなく多数個の連結部材片により構成されているので、各連結部材片を各ナット部材に連結するに際し、ナット部材の雌ねじ部の開口部を避けて連結することにより、従来のように連結部材にボルト挿通用貫通孔を穿設する必要もなく、製造工程を簡略化して免震装置設置用ユニットを比較的安価に提供することができる。
そして、その多数個のナット部材を埋設するコンクリート製基礎台が、プレキャストコンクリート製であり、その基礎台内に予め多数個のナット部材が埋設されているので、免震装置を設置する作業現場において、コンクリートを打設して基礎台を作製する必要もなく、免震装置の設置作業を比較的短時間のうちに容易に行うことができる。
したがって、各連結部材片は、隣接するナット部材どうしの連結機能に加えて、基礎台からの各ナット部材の抜け止め防止となるアンカー機能をも果たすことになり、基礎台に対して各ナット部材を強固に保持させることができる。
第1の実施形態においては、図2および図3に示すように、免震装置設置用ユニットが、免震装置固定用のボルトに螺合する多数個のナット部材1と、それら多数個のナット部材1を平面視において環状に連結する連結部材としての多数個の連結部材片2により構成されている。
ナット部材1は、その雌ねじ部3が一端方向にのみ開口する金属製の袋ナットで構成され、その袋ナットの底部には、袋ナットの雌ねじ部3とは別の雌ねじ部4が、袋ナットの雌ねじ部3とほぼ同心状に設けられ、その雌ねじ部4に対して姿勢変更用ボルトとしての頭付きボルト5が螺合するように構成されている。
つまり、頭付きボルト5とそれに螺合するナット7が、姿勢変更機構8を構成し、ナット7を緩めることにより、ナット部材1に対する連結部材片2の姿勢を自由に変更して、隣接するナット部材1間での相対的な連結姿勢を変更し、ナット7を締め付けることにより、隣接するナット部材1間での相対的な連結姿勢を固定できるように構成されている。
建物の基礎を打設する際、図4に示すように、免震装置を設置する箇所に基礎Bから上方へ突出するように鉄筋9を配筋しておき、その設置箇所に免震装置設置用ユニットを載置した後、各ナット部材1の位置を決める。
各ナット部材1の位置決めには、例えば、図5に示すように、環状の板体10とその板体10から突設された多数の突起11を備えた位置決め治具12が使用され、それら多数の突起11は、使用する免震装置のボルト挿通孔に対応する位置に設けられている。
そして、各ナット部材1の頭付きボルト5に螺合されたナット7を緩めた状態で、図5に示すように、位置決め治具12の突起11が各ナット部材1の雌ねじ部3に挿入されるようにナット部材1の位置を変更する。
突起11の全てがナット部材1の雌ねじ部3に挿入された状態で、各ナット部材1が所定の位置に位置決めされるので、その状態で各ナット7を締め付け、ナット7とナット部材1との間に連結部材片2を挟持してナット部材1の位置を固定する。
基礎台13のコンクリートが固化した後、位置決め治具12を取り外し、図1に示すように、その基礎台13上に免震装置14を載置し、免震装置14の下方取り付け板14aのボルト挿通孔に免震装置固定用のボルト15を挿通し、基礎台13の上面に開口している各ナット部材1の雌ねじ部3にそのボルト15を螺合するとともに、取り付け板14aと基礎台13の間に無収縮モルタルMを充填してボルト15を締め付け、免震装置14を基礎台13上に設置するのである。
ナット部材1と連結部材片2は、第1の実施形態と同じ構成であり、したがって、ナット部材1には、姿勢変更機構8を構成する頭付きボルト5が螺合され、かつ、その頭付きボルト5には、姿勢変更用のナット7が螺合され、連結部材片2の両端部に設けられたボルト孔6に頭付きボルト5が挿通されてナット部材1の雌ねじ部4に螺合されている。
すなわち、図8に示すように、各ナット部材1の頭付きボルト5に螺合されたナット7を緩めた状態で、ナット部材1の雌ねじ部3が下方を向いて開口するように上下逆にして、各雌ねじ部3に下型枠18の突起17が挿入されるように設置する。
突起17の全てがナット部材1の雌ねじ部3に挿入された状態で、各ナット部材1が所定の位置に位置決めされるので、その状態で各ナット7を締め付け、ナット7とナット部材1との間に連結部材片2を挟持してナット部材1の位置を固定する。
このようにして作製された免震装置設置用ユニットは、ナット部材1と連結部材片2がプレキャストコンクリート製基礎台16内に埋設され、各ナット部材1の雌ねじ部3が基礎台16の上面に開口し、かつ、頭付きボルト5が、その頭部5aを下にして基礎台16の下面から突出した構成となる。
つぎに、型枠を組んで、基礎Bと基礎台16の間にコンクリートを打設し、コンクリートが固化した後、コンクリートと基礎台16の間に無収縮モルタルMを充填し、基礎台16の上に免震装置14を載置する。そして、免震装置14の取り付け板14aのボルト挿通孔に免震装置固定用のボルト15を挿通し、基礎台16の上面に開口している各ナット部材1の雌ねじ部3にそのボルト15を螺合して締め付け、免震装置14をプレキャスト製基礎台16上に設置するのである。
(1)先の実施形態では、ナット部材1の底部に頭付きボルト5を螺合し、その頭付きボルト5に螺合するナット7によって、各連結部材片2をナット部材1の底部下面に連結した例を示したが、各連結部材片2は、必ずしもナット部材1の底部近くに連結する必要はなく、ナット部材1の上下方向の中間部に連結することも、また、ナット部材1の上端近くに連結することもできる。
したがって、ナット部材1は必ずしも袋ナットである必要はなく、また、そのナット部材1に対する各連結部材片2の連結についても、例えば、溶接などにより姿勢変更ができないように固着連結することもできる。
2 連結部材としての連結部材片
3 ナット部材の雌ねじ部
5 姿勢変更用ボルトとしての頭付きボルト
5a 頭付きボルトの頭部
7 姿勢変更用ナット
8 姿勢変更機構
13 コンクリート製の基礎台
14 免震装置
15 免震装置固定用のボルト
16 プレキャストコンクリート製の基礎台
Claims (6)
- 免震装置固定用のボルトに螺合する多数個のナット部材と、それら多数個のナット部材を平面視において環状に連結する連結部材を備え、前記多数個のナット部材が、その各雌ねじ部をコンクリート製基礎台の上面に開口させた状態で前記基礎台内に埋設されて使用される免震装置設置用ユニットであって、
前記連結部材が、前記環状方向に隣接するナット部材どうしを各別に連結する多数個の連結部材片により構成されて、前記隣接するナット部材どうしが各連結部材片により連結されている免震装置設置用ユニット。 - 免震装置固定用のボルトに螺合する多数個のナット部材と、それら多数個のナット部材を平面視において環状に連結する連結部材を備え、前記多数個のナット部材が、その各雌ねじ部をコンクリート製基礎台の上面に開口させた状態で前記基礎台内に埋設されて使用される免震装置設置用ユニットであって、
前記基礎台が、プレキャストコンクリート製であり、前記連結部材が、前記環状方向に隣接するナット部材どうしを各別に連結する多数個の連結部材片により構成されて、前記隣接するナット部材どうしが各連結部材片により連結されて前記プレキャストコンクリート製基礎台内に埋設されている免震装置設置用ユニット。 - 前記隣接するナット部材どうしが、その上端部以外の箇所において前記連結部材片により連結されている請求項1または2に記載の免震装置設置用ユニット。
- 前記隣接するナット部材どうしが、両ナット部材間での相対的な連結姿勢を変更できる姿勢変更機構を介して連結されている請求項3に記載の免震装置設置用ユニット。
- 前記姿勢変更機構が、各ナット部材に突設された姿勢変更用ボルトとそのボルトに螺合する姿勢変更用ナットにより構成されて、前記各連結部材片が、各ナット部材と姿勢変更用ナットとの間に挟持されて連結されている請求項4に記載の免震装置設置用ユニット。
- 前記姿勢変更用ボルトが、頭付きボルトであり、その頭付きボルトが、頭部を下にして前記ナット部材の下端部に螺合されている請求項5に記載の免震装置設置用ユニット。
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