JP4484875B2 - エアフィルタの自動清掃機能付き室内ユニットを備えた空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、室内ユニットの空気吸込口に設けられたエアフィルタを自動的に清掃する機能を備えた空気調和機に関する。
従来の空気調和機のフィルタ装置は、室内ユニットの本体内部への塵埃の侵入を防止するためのエアフィルタが熱交換器の前面に設けられており、このエアフィルタは付着した塵埃を手で清掃できるように着脱自在に構成されている。こうした構成のフィルタ装置は頻繁なメンテナンスが必要となるだけでなく、メンテナンスが行われるまでの間にはエアフィルタが徐々に目詰まりしていき、その結果、熱交換器を通過する風量が低下し、空調能力が低下して消費電力の増大につながることとなる。
このため、エアフィルタのメンテナンスの手間を低減する目的で、エアフィルタに付着した塵埃をブラシにより定期的に清掃する自動清掃装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−99479号公報
しかしながら、特許文献1に記載の自動清掃装置の場合、ブラシとエアフィルタがお互いにこすられるためブラシに塵埃が絡みついたり、ブラシが摩耗もしくは変形して機能低下するなどの問題があった。また、ある程度の時間が経過するとブラシで掻き落として集めた塵埃を処理しなくてはならずメンテナンスの手間が大幅に軽減されるものではなかった。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、エアフィルタ全面を自動的に吸引清掃することでメンテナンスを軽減するとともに、室内ユニット本体を小型に設定しても本来の基本性能を損なわない空気調和機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出す室内ユニットを有する空気調和機であって、前記室内ユニットに、前記熱交換器を通過する空気の塵埃を除去するエアフィルタと、該エアフィルタに対向する吸引孔を有しエアフィルタに付着した塵埃を吸引するための摺動自在の吸引ノズルと、該吸引ノズルに連結された吸引装置とを設け前記吸引ノズルと前記吸引装置とは、吸引ダクトで接続され、前記吸引ダクトはU字状に曲げて前記熱交換器の前面に配設された構造をもち、前記エアフィルタの吸引清掃時は前記吸引ノズルを、前記熱交換器の前面および上面にあって前記熱交換器の空気の塵埃を除去したエアフィルタの全面を駆動させ、空気調和機の運転時には前記吸引ノズルを前記エアフィルタと重ならない位置であって、前記空気調和機の室内ユニット内で前記吸引装置とは反対側の端部に配設された収納部に収納したことを特徴とする。

吸引ノズルの収納部はエアフィルタを構成するフィルタ枠に設けることができ、吸引ノズルの収納部に、吸引ノズルを位置決めする位置決め手段を設けるのが好ましい。
また、吸引ノズルの収納部は冷凍サイクル配管部の前方や、エアフィルタと室内ユニット本体内部に設けられた電源箱との間に設けることができる。
さらに、吸引ノズルに吸引孔に沿って塵埃分離部材を取り付け、エアフィルタに付着した塵埃を塵埃分離部材により掻き落としながら、吸引孔より吸引することもできる。
この場合、吸引ノズルの収納時には、塵埃分離部材を対向する収納部の面に当接させないように設定するのが好ましい。
本発明によれば、エアフィルタの清掃を吸引ノズルで自動的に行うようにしたので、メンテナンスが軽減されるとともに、空気調和機の運転時に、吸引ノズルをエアフィルタと重ならない位置に収納したことにより、空気調和機の基本性能を十分に発揮することができる。
特に、吸引ノズルの収納部をエアフィルタ枠に設けると、フィルタ装置完成として室内ユニット本体に容易に組み込むことができ、組立工数の低減を図ることができる。
また、ノズル収納部に吸引ノズルの位置決め手段を設けると、吸引ノズルを所定の位置に確実に収納することができる。
特に、ノズル収納部を冷凍サイクル配管部の前方や、エアフィルタと電源箱の間に設けると、製品スペースの有効活用ができ、室内ユニット本体の小型化を図ることができる。
また、吸引孔に沿って塵埃分離部材を取り付け、エアフィルタに付着した塵埃を塵埃分離部材により掻き落としながら、吸引孔より吸引するようにすると、エアフィルタの全面をより効率的に清掃することができる。
この場合、吸引ノズルの収納時には、塵埃分離部材を対向する収納部の面に当接させないように設定すると、塵埃分離部材を所望の形状に長期間維持することができ、エアフィルタの清掃効果が低減することがない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1乃至図5は、本発明にかかる空気調和機のフィルタ装置を示しており、図1および図2において、熱交換器を通過する空気の塵埃を除去するエアフィルタ2は、フィルタ枠1に支持固定され、エアフィルタ2の表面に沿って移動可能な吸引ノズル3が設けられる。吸引ノズル3はフィルタ枠1の上下端に設置された一対のガイドレール4により、エアフィルタ2と極めて狭い間隙を保って円滑に左右に移動することができる。吸引ノズル3の左右方向への駆動手段は図示しないが、モーターによる駆動力を歯車等の伝達手段で構成するものである。
吸引ノズル3には吸引ダクト5の一端が連結され、吸引ダクト5の他端は吸引装置6に連結される。吸引ダクト5は吸引ノズル3の移動に差し支えないように折り曲げ可能なダクトで形成される。また、吸引装置6には排気ダクト7が連結され、室外へ引き回される。エアフィルタ2に付着した塵埃は吸引ノズル3により吸引された後、吸引ダクト5、吸引装置6、排気ダクト7を経由して室外へ排出される。
なお、エアフィルタ2は、図5に示すようにフィルタ桟2aとネット2bと横桟2cとから構成されている。
また、吸引ノズル3は図3及び図4に示すように、吸引した風の流通路を構成するノズル8と、ノズル8を囲むように摺動自在に取り付けられたフィルム9と、フィルム9を支持して駆動力を伝えるギヤ14と、フィルム9を支持して円滑に駆動させるためのローラー15a、15b、15cから構成される。ノズル8のエアフィルタ2側の面には、エアフィルタ2の縦長さに相当する長さでスリット状のノズル開口部10が設けてある。一方、フィルム9はループ状に形成され、ノズル開口部10を覆うようにノズル8の外周に巻き付けられ、エアフィルタ2側の面は、ノズル開口部10に対向する開口部16が形成されたフィルムガイド17で支持されている。フィルム9にはスリット状の吸引孔11が設けてあり、吸引孔11がノズル開口部10とエアフィルタ2に対向するようにフィルム9は取り付けられている。フィルム9の両側には多数の駆動穴が等間隔に形成されており、ステッピングモーターに連結されたギヤ14が、駆動穴に噛み合うことによりフィルム9は上下方向のいずれにも自在に摺動できるようになっている。
以上のような構成により、吸引装置6によって吸引される風量は吸引孔11に絞られて集中することとなるので、少ない風量でも吸引孔11部分では強い風速を発生させることが可能となり、小出力で強い吸引力を発揮できる。この強い吸引力で吸引されたエアフィルタ上の塵埃は、吸引孔11からノズル開口部10を経てノズル8内部に入り、さらに吸引ダクト5、吸引装置6、排気ダクト7を経由して室外へ排出される。そして、吸引ノズル3を左右に駆動する毎に、フィルム9に設けた吸引孔11の位置を上下方向に変更することで、エアフィルタ2全面を吸引清掃することが可能となる。
本発明においては、吸引清掃が終了した後、空気調和機の基本性能を損なわない位置に吸引ノズル3を収納するように設定している。すなわち、図1に示すように、吸引ノズル3がエアフィルタ2を吸引清掃後に、吸引ノズル3をエアフィルタ2と重ならない位置(対向しない位置)に収納することにより、空気調和機の基本性能を十分に発揮することができる。換言すれば、空気調和機の運転時に吸引ノズル3をエアフィルタ2と重ならない位置に収納して、吸引ノズル3を空気調和機の運転時の障害にならないように設定することで、空気調和機の本来の基本性能を確保することができる。
以下、ノズル収納スペースの具体例について説明する。
図1及び図2は、吸引ノズル3の収納部1aをエアフィルタ枠1の一部(図1及び図2では、フィルタ枠1の右端)に設け、空気調和機の運転中はこの収納部1aに吸引ノズル3を収納している。この構成は、図1に示すフィルタ装置完成品として室内ユニット本体に容易に組み込むことができ、組立工数の低減を図ることが可能となる。
図6に示すように、吸引ノズル3の収納部1aには、吸引ノズル3の位置決め手段18が設けられており、空気調和機の運転中における吸引ノズル3の収納位置を所定の位置に設定することで、安定したノズル収納が可能になる。位置決め手段18は、例えば接触式の位置センサーで構成され、エアフィルタ2の清掃後、吸引ノズル3が図6に示す収納部1aに移動して位置決め手段18に接触すると、位置決め手段18はオン信号を制御装置(図示せず)に出力し、制御装置は吸引ノズル3をその位置に停止させる。
また、図6に示す例では、吸引ノズル3の収納部1aは、エアフィルタ2と、室内ユニット本体21の端部に位置する電源箱20との間に設けられるとともに、図7に示すように、冷凍サイクル配管19の前方に設けられており、この構成は、製品スペースの有効活用ができ、室内ユニット本体21の小型化を図ることができる。
なお、上記実施の形態において、吸引ノズル3に形成された吸引孔11にエアフィルタ2に付着した塵埃を吸引するようにしたが、吸引孔11に沿ってブラシ等の塵埃分離部材を取り付け、エアフィルタ2の清掃時、塵埃分離部材により塵埃をエアフィルタ2から掻き落としながら吸引孔11に塵埃を吸引するようにしてもよい。この場合、吸引ノズル3に対向する収納部1aの面をエアフィルタ2の延長面より後方に設定し、吸引ノズル3が収納部1aに収納されている状態では、塵埃分離部材が収納部1aの前記面と当接しないように構成するのが好ましい。
本発明の空気調和機のフィルタ装置は、エアフィルタに付着した塵埃の自動的な吸塵排出が可能になり、基本性能の維持も可能となるので、他のフィルタ使用商品の用途にも適用できる。
本発明にかかる空気調和機の室内ユニットに設けられたフィルタ装置の停止時の斜視図 図1のフィルタ装置の清掃時の斜視図 図2における線A−Aに沿った吸引ノズルの断面図 図2における線B−Bに沿った吸引ノズルの断面図 エアフィルタの斜視図 室内ユニットの部分切欠き正面図 図6における線C−Cに沿った断面図
1 フィルタ枠
1a ノズル収納部
2 エアフィルタ
2a フィルタ桟
2b ネット
2c 横桟
3 吸引ノズル
4 ガイドレール
5 吸引ダクト
6 吸引装置
7 排気ダクト
8 ノズル
9 フィルム
10 ノズル開口部
11 吸引孔
14 ギヤ
15a,15b,15c ローラー
16 開口部
17 フィルムガイド
18 ノズル位置決め手段
19 冷凍サイクル配管
20 電源箱
21 室内ユニット本体

Claims (7)

  1. 熱交換器で熱交換された空気を室内に吹き出す室内ユニットを有する空気調和機であって、
    前記室内ユニットに、前記熱交換器を通過する空気の塵埃を除去するエアフィルタと、該エアフィルタに対向する吸引孔を有しエアフィルタに付着した塵埃を吸引するための摺動自在の吸引ノズルと、該吸引ノズルに連結された吸引装置とを設け前記吸引ノズルと前記吸引装置とは、吸引ダクトで接続され、前記吸引ダクトはU字状に曲げて前記熱交換器の前面に配設された構造をもち、前記エアフィルタの吸引清掃時は前記吸引ノズルを、前記熱交換器の前面および上面にあって前記熱交換器の空気の塵埃を除去したエアフィルタの全面を駆動させ、空気調和機の運転時には前記吸引ノズルを前記エアフィルタと重ならない位置であって、前記空気調和機の室内ユニット内で前記吸引装置とは反対側の端部に配設された収納部に収納したことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記吸引ノズルの収納部をエアフィルタを構成するフィルタ枠に設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記吸引ノズルの収納部に、前記吸引ノズルを位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記吸引ノズルの収納部を冷凍サイクル配管部の前方に設けたことを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記吸引ノズルの収納部を前記エアフィルタと前記室内ユニット本体内部に設けられた電源箱との間に設けたことを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
  6. 前記吸引ノズルに前記吸引孔に沿って塵埃分離部材を取り付け、前記エアフィルタに付着した塵埃を前記塵埃分離部材により掻き落としながら、前記吸引孔より吸引するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気調和機。
  7. 前記吸引ノズルの収納時には、前記塵埃分離部材を対向する前記収納部の面に当接させないようにしたことを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
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