JP4763574B2 - 空気調和機 - Google Patents

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本発明は、フィルタ清掃装置、特に、フィルタに捕捉されたチリ、ホコリないし糸くず等(本発明において「塵埃」と総称する)を自動的に除去するフィルタ清掃装置、およびかかるフィルタ清掃装置が装備されている空気調和機に関する。
従来、フィルタを移動させることによってフィルタに付着したゴミを除去すると共に、除去したゴミを簡単に回収することができるフィルタ清掃装置機能を有する空気調和機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−28487号公報(第5−8頁、図1)
しかしながら、前記特許文献1に開示された空気調和機には以下の問題があった。
(あ)フィルタ清掃部におけるフィルタは、清掃時に、空気調和機の前面パネルに設けられた開閉パネルを押し上げながら機外へと押し出されるため、すなわち、屋内からフィルタが視認されるため、装置の意匠性が悪化すると共に、装置の清潔感が損なわれ居住者に不快感を与えるおそれがあり、商品競争力が低下する。
(い)フィルタ清掃部におけるフィルタの移動機構が、フィルタの幅方向の中央に形成されたラックと、該ラックに噛み合って回転するピニオンと、該ピニオンを回転する駆動モータとを具備するため、空気調和機に複数のフィルタ(複数のフィルタ清掃部に同じ)を設置しようとすると、駆動モータも複数になって製造コストが上昇したり装置重量が増加したり、さらにはこれが装備された空気調和機は、サイズの拡大やデザインの制約の原因になったりして、商品競争力が低下する。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、フィルタを機内に隠した状態のまま清掃することができると共に、着脱自在なフィルタ移動部の剛性が高いフィルタ清掃装置および空気調和機を提供することを目的とする。
本発明に係るフィルタ清掃装置は、吸い込まれた空気中の塵埃を捕捉するフィルタを具備する筐体に設置され、前記フィルタを清掃するフィルタ清掃装置であって、
前記フィルタを前記筐体内の円弧状移動径路に沿って往復移動させるフィルタ移動部と、前記フィルタに当接して前記フィルタに捕捉された塵埃を除去する塵埃除去部と、該塵埃除去部によって除去された塵埃を回収する塵埃回収部と、を有し、
前記フィルタは、前記円弧状移動径路の曲率半径と略同一の曲率半径を具備する断面円弧であって、その内面に内歯車からなるフィルタ従動歯車を備え、
前記フィルタ移動部は、前記フィルタ従動歯車に噛み合うフィルタ駆動歯車と、該フィルタ駆動歯車を前記フィルタの移動方向に直交する方向の幅と同程度の長さのフィルタ駆動軸を介して回転させるフィルタ駆動歯車回転機構と、前記フィルタ駆動軸の少なくとも両端を回転自在に支持するフィルタ移動部本体とを備え、
前記フィルタ移動部は、前記筐体に固定され前記フィルタの移動の案内となるレール部を両端部に有する清掃装置支持部材に着脱可能に取付けられることを特徴とする。
したがって、本発明に係るフィルタ清掃装置は、フィルタが筐体内を円弧状移動径路に沿って移動するため、筐体の外部に突出することがなく、筐体の外部から視認されることがないから、意匠性が向上すると共に、装置の清潔感が増す。さらに、着脱自在なフィルタ移動部の剛性が高く、耐久性に優れる。
実施の形態1.
(空気調和機)
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機を模式的に示す側面視の中央部における断面図である。図1において、空気調和機100は、筐体10と、筐体10内に設置され、空気を吸引すると共に吸引した空気を吹き出す送風ファン20と、送風ファン20が形成する風路内に配置され、吸引した空気を調和する熱交換器30と、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ40と、フィルタ40を清掃するフィルタ清掃装置50と、を有している。以下、各構成部材について個別に説明する。
(筐体)
筐体10は、両端面(図示しない)が塞がれた筒状であって、天面(図中、上側)の一部が開口し、該開口部が空気を吸い込む吸込口11を形成し、地面(図中、下側)の一部が開口し、吸込口11から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口14を形成している。そして、前面(図中、左側)は開口し、該開口部を開閉する前面扉12が設置されている。なお、後面(図中、右側)は塞がれ、筐体10を壁等に取り付けるための、壁取付部16が形成されている。
そして、筐体10の内部において、後面寄りで天面近くの「位置A」と前面寄りで地面近くの「位置B」とを結ぶ円弧状範囲は、特別の部材が設置されていない空間として用意され、該空間がフィルタ40の移動径路である円弧状移動径路17となっている。
(送風ファン)
送風ファン20は、筐体10の側面視で略中央部に配置され、吸込口11から吹出口14に至る風路を形成するものである。送風ファン20と吹出口14との間の吹出側風路は、ノズル13と後面ガイド板15とによって挟まれている。
(熱交換器)
熱交換器30は、吸込口11と送風ファン20との間に配置され、吸い込まれた空気を調和(冷却、加熱、加湿、除湿等)する。図中、熱交換器30は送風ファン20の天面側および前面側を取り囲むように配置されているが、本発明は該配置形態に限定するものではない。また、熱交換器30は、伝熱管31と、伝熱管31に設置された放熱フィン32とを具備するものを示しているが、本発明はこれに限定するものではない。
(フィルタ)
図2は、図1に示すフィルタを模式的に示す斜視図である。図1および図2において、フィルタ40は、網状体のフィルタ通気体41と、フィルタ通気体が設置されたフィルタ枠体42とから形成されている。フィルタ枠体42は円筒の一部を形成し(断面円弧状であって、いわゆる「八つ橋状」)、矩形状の外枠43と、外枠43の対向する辺を連結する補強桟44とから形成され、補強桟44の内面に内歯車からなるフィルタ従動歯車45が形成されている。
なお、フィルタ40は、円弧状移動径路17に沿って、その上縁46(図2参照)が位置Aに到達し、その下縁47(図2参照)が位置Bに到達する範囲を往復移動するものであって、フィルタ枠体42(フィルタ40に同じ)の断面円弧の曲率半径は、円弧状移動径路17の曲率半径に同じである。すなわち、フィルタ40は曲率半径が変わることなく往復移動するから、フィルタ40を簡素な手段によって移動させることができるだけでなく、フィルタ40自体の劣化が防止されて寿命延長が図られる。
(フィルタ清掃装置)
図1において、フィルタ清掃装置50は、フィルタ40を移動させるフィルタ移動部60と、フィルタ40のフィルタ通気体41に当接し、これに捕捉された塵埃を除去する塵埃除去部70と、塵埃除去部70によって除去された塵埃を回収する塵埃回収部80と、を有している。
(フィルタ移動部)
図3は図1に示すフィルタ移動部60付近の拡大斜視図である。図4は図1に示すフィルタ移動部60付近の裏面の斜視図である。図1、図3及び図4において、フィルタ移動部60は、フィルタ従動歯車45に噛み合うフィルタ駆動歯車61と、フィルタ駆動歯車61が略中央(中央でなくてもよい)に固定されたフィルタ駆動軸62と、フィルタ駆動軸62の一方の端部に固定されたフィルタ回転入力歯車(図示せず)と、フィルタ駆動軸62を、少なくともフィルタ駆動軸62の両端を回転自在に支持するフィルタ移動部本体64を具備している。フィルタ駆動軸62は、アルミニュウム、鉄等の金属製である。フィルタ駆動軸62は、フィルタ40の幅(フィルタ40移動方向に対して直交する方向)と同程度の長さとしている。これにより、フィルタ移動部60の剛性を確保している。
また、図1に示す清掃装置支持部材110は、筐体10に締結される。そして、清掃装置支持部材110に、フィルタ移動部本体64が着脱可能に取付けられる。これにより、フィルタ移動部60をユーザが洗浄することが可能となる。また、フィルタ移動部60を取り外すことにより、熱交換器30が露出するため、熱交換器30の掃除も可能となる。
清掃装置支持部材110の左右方向端部に、フィルタ40の移動の案内となるレール部110a(図3参照)を備える。金属製のフィルタ駆動軸62をフィルタ40の幅と同程度の長さとしているので、フィルタ移動部60が清掃装置支持部材110に装着された状態では、清掃装置支持部材110の剛性も向上する。
さらに、フィルタ移動部本体64には、塵埃回収部80を着脱自在に取り付けるためのフィルタ移動部係止突起66と、清掃装置支持部材110に取り付けおよび清掃装置支持部材110から取り外す際、フィルタ移動部60のハンドリングを容易にするフィルタ移動部ハンドル67が形成されている。
(塵埃除去部)
図1において、塵埃除去部70は、フィルタ40のフィルタ通気体41(図2参照)の外面に当接して回転するロール状ブラシ71と、ロール状ブラシ71が固定されたロール状ブラシ駆動軸72と、ロール状ブラシ駆動軸72の一方の端部に固定されたロール状ブラシ回転入力歯車(図示せず)と、ロール状ブラシ駆動軸72を回転自在に支持する塵埃除去部本体(図示せず)を具備している。
なお、以上は、塵埃除去部70として回転駆動されるロール状ブラシ71を示しているが、本発明はこれに限定するものはなく、ロール状ブラシ71に替えて逆ハ字状に配置された一対の面状ブラシを設置してもよい。すなわち、地面寄りに略水平で後面向きの面状ブラシと天面寄りに略鉛直で地面向きの面状ブラシとを設置し、前者がフィルタ40が下方に移動する際、後者がフィルタ40が上方に移動する際、主に除塵するようにする。
(塵埃回収部)
図1において、塵埃回収部80は、ロール状ブラシ71に当接して捕捉された塵埃を掻き落とす掻き落し板81と、掻き落し板81をロール状ブラシ71の押し当てるための掻き落し付勢手段82と、掻き落し板81によって掻き落とされた塵埃を溜める集塵箱83と、を具備している。
以上のように、フィルタ移動部60のフィルタ駆動軸62を金属製とし、フィルタ駆動軸62の長さをフィルタ40の横幅と同程度とすることにより、フィルタ移動部60の剛性を確保できる。
また、フィルタ移動部60を、清掃装置支持部材110に着脱可能に取付けることにより、フィルタ移動部60をユーザが洗浄することが可能となる。また、フィルタ移動部60を取り外すことにより、熱交換器30が露出するため、熱交換器30の掃除も可能となる。
また、フィルタ移動部60の剛性が高いので、フィルタ移動部60が清掃装置支持部材110に装着された状態では、清掃装置支持部材110の剛性も向上する。
上記実施の形態では、空気調和機100にフィルタ40を一枚使用するものを示したが、一枚に限定されるものではなく、複数枚のフィルタ40を左右に並べて配置する形態でもよい。
本発明は以上の構成であるから、フィルタを機内に隠した状態のまま清掃することができると共に、1台のモータでもって複数のフィルタを清掃することができるから、各種装置に設置されるフィルタ清掃装置として、および各種空気調和機として広く利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機を模式的に示す中央部の断面図。 図1に示すフィルタを模式的に示す斜視図。 図1に示すフィルタ移動部60付近の拡大斜視図。 図1に示すフィルタ移動部60付近の裏面の斜視図。
符号の説明
10 筐体、11 吸込口、12 前面扉、13 ノズル、14 吹出口、15 後面ガイド板、16 壁取付部、17 円弧状移動径路、20 送風ファン、30 熱交換器、31 伝熱管、32 放熱フィン、40 フィルタ、41 フィルタ通気体、42 フィルタ枠体、43 外枠、44 補強桟、45 フィルタ従動歯車、46 上縁、47 下縁、50 フィルタ清掃装置、60 フィルタ移動部、61 フィルタ駆動歯車、62 フィルタ駆動軸、64 フィルタ移動部本体、66 フィルタ移動部係止突起、67 フィルタ移動部ハンドル、70 塵埃除去部、71 ロール状ブラシ、72 ロール状ブラシ駆動軸、80 塵埃回収部、81 掻き落し板、82 付勢手段、100 空気調和機、110 清掃装置支持部材、110a レール部。

Claims (2)

  1. 筐体と、前記筐体内に設置され、空気を吸引すると共に吸引した空気を吹き出す送風ファンと、前記送風ファンが形成する風路内に配置され、吸引した空気を調和する熱交換器と、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するフィルタと、前記フィルタを移動させるフィルタ移動部と、前記筐体に締結される清掃装置支持部材と、前記フィルタのフィルタ通気体に当接し、前記フィルタ通気体に捕捉された塵埃を除去する塵埃除去部と、前記塵埃除去部によって除去された塵埃を回収する塵埃回収部とを有するフィルタ清掃装置と、を備えた空気調和機であって、
    前記筐体は、両端面が塞がれた筒状であって、天面の一部が開口し、該天面開口部が空気を吸い込む吸込口を形成し、地面の一部が開口し、前記吸込口から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口を形成し、前面は開口し、該前面開口部を開閉する前面扉が設置され、当該筐体の内部において、後面寄りで天面近くの第1の所定の位置と、前面寄りで地面近くの第2の所定の位置とを結ぶ円弧状範囲は、特別の部材が設置されていない空間として用意され、該空間が前記フィルタの移動径路である円弧状移動径路となっており、
    前記フィルタは、網状体のフィルタ通気体と、前記フィルタ通気体が設置されたフィルタ枠体とから形成され、前記フィルタ枠体は、円筒の一部を形成する断面円弧状であって、矩形状の外枠と、前記外枠の対向する辺を連結する補強桟とから形成され、前記補強桟の内面に内歯車からなるフィルタ従動歯車が形成され、当該フィルタは、前記円弧状移動径路に沿って、上縁が前記第1の所定の位置に到達し、下縁が前記第2の所定の位置に到達する範囲を往復移動するものであって、前記フィルタ枠体の断面円弧の曲率半径は、前記円弧状移動径路の曲率半径と同じであり、
    前記フィルタ移動部は、前記フィルタ従動歯車に噛み合うフィルタ駆動歯車と、前記フィルタ駆動歯車が固定され、前記フィルタの移動方向に対して直交する方向の幅と同程度の長さの金属製のフィルタ駆動軸と、前記フィルタ駆動軸を、少なくとも前記フィルタ駆動軸の両端を回転自在に支持し、前記塵埃回収部を着脱自在に取り付けるためのフィルタ移動部係止突起と、前記清掃装置支持部材に取り付けおよび前記清掃装置支持部材から取り外す際、前記フィルタ移動部のハンドリングを容易にするフィルタ移動部ハンドルが形成されているフィルタ移動部本体と、を有し、
    前記清掃装置支持部材は、左右方向端部に前記フィルタの移動の案内となるレール部を備えるとともに、当該清掃装置支持部材に前記フィルタ移動部本体が着脱可能に取付けられ、
    前記塵埃除去部は、前記フィルタの前記フィルタ通気体の外面に当接して回転するロール状ブラシと、前記ロール状ブラシが固定されたロール状ブラシ駆動軸と、を有し、
    前記塵埃回収部は、前記ロール状ブラシに当接して捕捉された塵埃を掻き落とす掻き落し板と、掻き落し板をロール状ブラシの押し当てるための掻き落し付勢手段と、掻き落し板によって掻き落とされた塵埃を溜める集塵箱と、を備えることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記吸込口と前記送風ファンとの間に配置され、吸い込まれた空気を調和する熱交換器を備え、前記フィルタ清掃装置を、前記熱交換器の上流側に配置したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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