JP4484547B2 - 画像出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の画像が付加されたことを条件に出力を許可することができる画像出力装置に関する。
印刷物の複製を防止する技術の1つとして、複製防止の対象となる文書の背景に地紋パターンを利用する技術が知られている。地紋パターンは、コピー機等により複写を行っても残る大きさのドット(前景ドット)と、複写したときに消えるくらい微小なドット(背景ドット)とにより構成されており、前景ドットにより描いた文字及び図柄が目立たないように前景ドットの周囲に背景ドットを配置している。地紋パターンが形成された印刷物を複写をした場合、背景ドットが消え、前景ドットのみが残るため、前景ドットで描いた文字及び模様が現れる。そのため、前景ドットで描いた「複写禁止」、「機密文書」等の文字を地紋パターンに事前に埋め込んでおくことにより、作成する印刷物自体に複製を抑止する効果を持たせることができる。
地紋パターンを利用した複製防止の手法としては2つに大別される。1つは、地紋パターンが予め印刷された特殊な用紙を利用する手法であり、もう1つは、後述するように地紋パターンを文書と共に印刷する手法である。前者では、地紋入りの特殊な用紙をプリンタ装置の給紙トレイにセットして文書の印刷を行うことにより、複製防止の効果を有する印刷物が得られるというものである。しかしながら、このような手法では、地紋パターンが印刷された用紙を予め容易しておく必要があるため、印刷にかかるコストが上昇するという問題点を有している。また、複製を抑制するための文字及び図柄が予め定められたものとなるため、文書に応じて地紋パターンを変更することが困難であり、利便性に欠けるという問題点も有している。
そこで、近年では、印刷する文書の画像に地紋パターンを付加する機能をプリンタドライバ又はプリンタ装置に持たせることにより、普通紙等に地紋パターンを印刷する手法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。プリンタドライバに地紋パターンの付加機能が追加されている場合、前記プリンタドライバが組み込まれた情報処理装置の内部にて文書用の画像データと地紋パターン用の画像データとを合成する処理を行い、合成して得られた画像データに基づいて生成したプリントジョブをプリンタ装置に送信することにより、地紋パターンを背景とした文書を普通紙上に形成することができる。また、プリンタ装置に地紋パターンの付加機能が搭載されている場合も同様であり、プリントジョブにより地紋パターンの付加が指定されている場合、プリントジョブから展開して得られる画像データに対して地紋パターン用の画像データを合成し、合成して得られた画像データに基づいて印刷処理を実行することにより、地紋パターンを背景とした文書を普通紙上に形成することができる。これらの手法では、プリンタドライバ又はプリンタ装置にて複数種の地紋パターンを用意しておくことにより、文書に応じて地紋パターンを使い分けることも可能である。
特開2001−324898号公報 特開2003−224717号公報
前述したような地紋パターンの付加機能が搭載されたプリンタドライバ又はプリンタ装置を利用できるような環境にある場合、機密性が高い文書等を印刷する際には、地紋パターンを付加することが利用者の手により設定されることが望ましい。しかしながら、地紋パターンの付加機能が搭載されていること自体知らない場合、又は知っている場合であっても、煩わしさから地紋パターンの付加を設定しない場合、印刷物の機密性を十分に確保できないという問題点を有していた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受付けた画像データが所定の条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合、前記画像データについて受付けた指示が、記憶手段に記憶された画像データを合成すべき旨の指示を含むか否かを判断し、この判断結果に基づいて出力処理の可否を決定する構成とすることにより、所定の条件を満たす画像については記憶手段に記憶された特定の画像を合成することが出力の条件となる画像出力装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像出力装置は、印刷ジョブを受付け、受付けた印刷ジョブに基づいて出力画像を出力する画像出力装置において、出力画像に付加すべき複数種の付加画像を記憶する記憶手段を有し、前記印刷ジョブは、出力画像のセキュリティレベルを規定する複数の情報、及び付加画像の付加の要否と付加すべき付加画像の種類とを示す情報を含み、付加画像に関するスコアとして、付加画像の付加の要否及び付加すべき付加画像の種類に応じて出力画像の出力可否に係る判断基準を示すスコアを設定してあり、印刷ジョブを受付けた場合、該印刷ジョブに含まれる前記複数の情報から前記印刷ジョブに基づく出力画像のセキュリティレベルを算出する算出手段と、前記印刷ジョブの付加画像に関するスコアが、前記算出手段により算出されたセキュリティレベルを満たすか否かを判断する手段とを備え、前記スコアが前記セキュリティレベルを満たすと判断した場合、前記付加画像を付加した出力画像を出力するようにしてあり、前記スコアが前記セキュリティレベルを満たさないと判断した場合、前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にするようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、受付けた画像データが所定の条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合、前記画像データについて受付けた指示が、記憶手段に記憶された画像データを合成すべき旨の指示を含むか否かを判断し、この判断結果に基づいて出力処理の可否を決定するようにしているため、所定の条件を満たす画像データを受付けた場合には、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力が許可されるようになる。したがって、例えば、機密性が高い印刷物の出力時には必ず地紋パターンなどの画像を付加させるような条件設定が可能となり、機密性が高い印刷物の複製が防止される。
本発明に係る画像出力装置は、前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、その旨の情報を報知する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、画像データに基づく出力処理が不可となった場合、その旨を報知するようにしているため、地紋パターンのような画像を付加することを要請することとなり、利用者に対してセキュリティを意識した利用方法の提案が可能となる。
本発明に係る画像出力装置は、前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、前記記憶手段に記憶された付加画像の選択を受付ける手段を備え、選択された付加画像を出力画像に付加した後、出力画像を出力するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、出力を不可とする決定がなされた場合であっても、新たに画像データの合成を要とする選択を受付けた場合、出力が開始されるため、地紋パターンのような画像を付加することを要請することができ、利用者に対してセキュリティを意識した利用方法の提案が可能となる。
本発明に係る画像出力装置は、前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、計時を開始する手段と、計時を開始してから所定時間が経過するまでに前記選択を受付けていない場合、前記印刷ジョブを無効化する手段とを更に備えることを特徴とする。
本発明にあっては、出力処理を不可とする決定をしてから所定時間が経過する間に、画像データの合成を要とする選択を受付けない場合、画像データを無効化するようにしているため、出力されない画像データが装置内に放置されることがなくなり、データの漏洩を未然に防止することが可能となる。
本発明に係る画像出力装置は、受付けた印刷ジョブの履歴を記憶する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、出力処理に関する指示の履歴を記憶するため、付加された画像データの情報等を出力後に確認することが可能となる。
本発明に係る画像出力装置は、出力画像の出力を、シート上に画像を形成する処理により実行するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、出力処理としてシート上に画像を形成する処理を備えているため、プリンタ装置、デジタル複合機等に適用可能となる。
本発明に係る画像出力装置は、出力画像の出力を、付加画像が付加された出力画像を含む印刷ジョブを外部へ送信する処理により実行するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、出力処理として画像データを外部へ送信する処理を備えているため、プリントサーバ、ネットワークスキャナ、ファクシミリ装置等に適用可能となる。
本発明による場合は、受付けた画像データが所定の条件を満たすか否かを判断し、条件を満たすと判断した場合、前記画像データについて受付けた指示が、記憶手段に記憶された画像データを合成すべき旨の指示を含むか否かを判断し、この判断結果に基づいて出力処理の可否を決定するようにしているため、所定の条件を満たす画像データを受付けた場合には、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力が許可されるようになる。したがって、例えば、機密性が高い印刷物の出力時には必ず地紋パターンなどの画像を付加させるような条件設定が可能となり、機密性が高い印刷物の複製を防止する効果が得られる。
本発明にあっては、受付けた画像データに所定の情報が含まれている場合、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力を許可するような制御が可能となる。したがって、受付けた画像データに特定のキーワード、特定のマークが含まれており、機密性が高いと判断される場合には、地紋パターン等を合成することを条件に出力を許可することで、印刷物の複製防止及び機密性の保護を図ることができる。
本発明にあっては、特定の利用者からの画像データである場合には、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力を許可するような制御が可能となる。したがって、機密文書を取り扱う利用者の画像データであると判断される場合には、地紋パターン等の画像を合成することを条件に出力を許可することで、印刷物の複製防止及び機密性の保護を図ることができる。
本発明にあっては、受付けた画像データを特定の状態で記憶させている場合には、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力を許可するような制御が可能となる。したがって、暗号化して記憶されている画像データ、パスワードが付されて記憶されている画像データ等の機密性を考慮した状態で記憶されていると判断される場合には、地紋パターン等の画像を合成することを条件に出力を許可するような制御が可能となる。その結果、印刷物の複製防止及び機密性の保護を図ることができる。
本発明にあっては、画像データが特定の記憶先に記憶されている場合には、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力を許可するような制御が可能となる。したがって、記憶先にて機密性を考慮した状態で記憶されていると判断される場合には、地紋パターン等の画像を合成することを条件に出力を許可するような制御が可能となる。その結果、印刷物の複製防止及び機密性の保護を図ることができる。
本発明にあっては、特定の経路から受付けた画像データである場合、又は特定の経路から出力することとなる画像データである場合、記憶手段に記憶された画像データが合成されたことを条件に出力を許可するような制御が可能となる。したがって、処理内容に応じて地紋パターン等の画像を合成することを条件に出力を許可するような制御が可能となり、その結果、印刷物の複製防止及び機密性の保護を図ることができる。
本発明にあっては、画像データに基づく出力処理が不可となった場合、その旨を報知するようにしているため、地紋パターンのような画像を付加することを要請することとなり、利用者に対してセキュリティを意識した利用方法の提案が可能となる。
本発明にあっては、出力を不可とする決定がなされた場合であっても、新たに画像データの合成を要とする選択を受付けた場合、出力が開始されるため、地紋パターンのような画像を付加することを要請することができ、利用者に対してセキュリティを意識した利用方法の提案が可能となる。
本発明にあっては、出力処理を不可とする決定をしてから所定時間が経過する間に、画像データの合成を要とする選択を受付けていない場合、画像データを無効化するようにしているため、出力されない画像データが装置内に放置されることがなくなり、データの漏洩を未然に防止することができる。
本発明にあっては、受付けた画像データが満たす条件に応じた合成する画像データを選択するようにしているため、機密性が高い画像データを出力する際には、不正利用されないように考慮して出力することができる。
本発明にあっては、出力処理に関する指示の履歴を記憶するため、付加された画像データの情報等を出力後に確認することができる。
本発明にあっては、出力処理としてシート上に画像を形成する処理を備えているため、プリンタ装置、デジタル複合機等に適用することができる。
本発明にあっては、出力処理として画像データを外部へ送信する処理を備えているため、プリントサーバ、ネットワークスキャナ、ファクシミリ装置等に適用することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す模式図である。図中100は、用紙、OHPフィルム等のシート上に画像を形成するプリント機能、原稿の画像を読取るスキャナ機能、読取った画像をシート上に形成するコピー機能、及び読取って取得した画像データを外部へ送信するネットワークスキャナ機能等を有する複合機であり、該複合機100には通信ネットワークNを介してパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置300,300,…,300が接続されている。情報処理装置300には、文書、グラフィックス等を作成するためのアプリケーションプログラム、及び通信ネットワークNを介して複合機100を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされており、任意のアプリケーションからプリンタドライバを呼び出し、当該プリンタドライバにより作成された印刷ジョブを複合機100へ送信して、文書、グラフィックス等をプリント出力する構成となっている。
また、各情報処理装置300,300,…,300には、利用者認証を行うための利用者認証装置301,301,…,301が接続されており、送信する印刷ジョブに対して利用者の個人認証情報(利用者名、所属部署名等)を付加したうえで複合機100へ送信することができるようにしている。
本実施の形態では、利用者が情報処理装置300を用いて作成した文書、グラフィックス等、又は複合機100の画像読取部(図2参照)にて取得した画像が所定の条件を満たす画像である場合、複合機100が予め用意してある画像(以下、付加画像と称する)を付加することを条件に印刷を許可するようにしている。複合機100側では、「マル秘」、「重要」といった文書の性質を示すウォータマーク、文書の複製を禁止又は抑制するための地紋画像、利用者の所属を示す部署コード、特定の情報を含んだバーコード等の画像を付加画像として予め用意しており、利用者が作成した画像に重要な情報、秘密にすべき情報が含まれていると判断した場合にはウォータマークを付加することを要求したり、機密性が高い情報が含まれていると判断した場合には地紋画像を付加することを要求したりする。これらの画像が付加されない場合には印刷を許可しないことで、不正な目的での印刷物の利用を制限する。なお、印刷が許可されなかった印刷ジョブに関しては、所定期間だけ複合機100の内部にて蓄積し、付加画像を付加した上での印刷要求を受付けた場合に前記印刷ジョブに基づく印刷処理を実行する。
なお、通信ネットワークNにはプリントサーバ200が接続されており、当該プリントサーバ200を経由させて印刷ジョブを送信することも可能であるが、本実施の形態においては、情報処理装置300から複合機100に対して直接的に印刷ジョブを送信するものとし、プリントサーバ200を経由させて印刷ジョブを送信する形態については実施の形態3において説明することとする。
図2は複合機100の内部構成を説明するブロック図である。複合機100は、CPU101を備えており、該CPU101がROM103に予め格納された制御プログラムを読込んで実行することにより、バス102を介して接続された各種ハードウェアを制御し、全体として本発明に係る画像出力装置として動作させる。RAM104は半導体メモリにより構成されており、前述の制御用プログラムの実行中に生成されるデータ、操作パネル105を通じて入力されるデータ、通信インタフェース109を通じて受信する各種ジョブのデータ等を一時的に記憶する。
操作パネル105は、各種ハードウェアキーを備える操作部と液晶ディスプレイ等を備える表示部とにより構成されており(図4参照)。各種機能の切替え操作、原稿の読取開始指示等の利用者の指示を受付けると共に、利用者に対して報知すべき情報等を表示する。
画像読取部106は、読取用の原稿に光を照射する光源、CCD素子のようなイメージセンサ、AD変換器等を備えており(不図示)、所定の読取位置にセットされた原稿の画像を当該イメージセンサに結像させてアナログ電気信号に変換し、変換したアナログ信号をAD変換器によりAD変換する。そして、画像読取部106は、AD変換して得られたデジタル信号に対して、原稿読取時の光源の配光特性、イメージセンサの感度ムラ等の補正を施すことにより、デジタル形式の画像データを生成する。
画像形成部107は、例えば、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成することができる。なお、本実施の形態では、画像形成部107はレーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成としたが、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式により画像形成を行わせる構成であっても良いことは勿論である。
画像メモリ108は、半導体メモリにより構成されており、画像読取部106が取得した画像データ、通信インタフェース109を通じて受信した印刷ジョブから展開される画像データ、HDD装置110から読み出した画像データ等を一時的に保持する。画像メモリ108に一時的に保持された画像データは、CPU101からの指示により、その利用目的に応じた転送先へ転送される。すなわち、用紙上への画像形成が指示された場合には画像形成部107へ転送され、画像データの送信が指示された場合には通信インタフェース109へ転送され、画像データの保存が指示された場合にはHDD装置110へ転送される。
通信インタフェース109は、通信ネットワークNの通信規格に準拠した回線終端回路を備えており、通信ネットワークNに接続された情報処理装置300,300,…,300からの印刷ジョブを受信すると共に、前記情報処理装置300,300,…,300へ通知すべき情報を送信する。また、複合機100が所謂ネットワークスキャナとして利用される場合、画像読取部106にて得られた原稿の画像を通信インタフェース109を通じて目的の情報処理装置300へ送信する。通信インタフェース109では、このような各種データの送受信を制御する。
HDD装置110はディスク状の磁気記録媒体を有する記憶装置であり、その記憶領域の一部は、印刷ジョブのデータを記憶する印刷データ記憶領域110A、受信した印刷ジョブの履歴を記憶する履歴情報記憶領域110B、及び付加画像を記憶するための付加画像記憶領域110Cとして利用されている。印刷データ記憶領域110Aに記憶された印刷ジョブのデータは、操作パネル105による操作を通じて読出せるようにしており、読出した印刷ジョブのデータに基づいて印刷処理を実行可能にしている。
利用者認証装置111は、利用者の個人認証情報を記憶した磁気カード、ICカード等のカード型記録メモリから、前記個人認証情報を読取るための情報読取部、及び情報読取部が読取った個人認証情報と複合機100にて登録されている個人認証情報とを比較判定する判定部を備えており、判定部による判定結果をCPU101に通知する。通知された判定結果に基づき、CPU101は適宜の処理についての実行指示をハードウェア各部に与える。
なお、本実施の形態では、利用者認証装置111はカード型記録メモリから個人認証情報を読取る装置として説明したが、個人認証情報を担持するための記録媒体はカード型メモリに限定されないことは勿論である。例えば、無線通信、赤外線通信、ブルートゥースによる通信等を利用した携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、無線タグ等の通信機器との情報のやり取りにより個人認証情報を取得する構成であっても良い。また、操作パネル105が備えるテンキー等を利用して利用者認証を行う構成としている場合には、必ずしも利用者認証装置111を別途設ける必要はないことは勿論である。
情報処理装置300に予めインストールされているプリンタドライバを利用して複合機100へ送信する印刷ジョブを作成する際、利用者は、当該プリンタドライバを通じて付加すべき付加画像の設定を行えるようにしている。図3はプリンタドライバが生成する印刷設定画面の一例を示す模式図である。図3に示した印刷設定画面30では、印刷ジョブの送信先に対応するプリンタ名(複合機名)を選択するためのプリンタ選択欄31、印刷範囲を指定するための印刷範囲指定欄32、印刷部数を指定するための印刷部数指定欄33、付加画像を選択するための付加画像選択欄34を備えている。付加画像選択欄34は各付加画像に対応させて配置した複数のチェックボックスを備えている。図に示していないマウス等の操作により1又は複数のチェックボックスをチェックすることにより、付加すべき付加画像を選択することができる。例えば、上段に配置されたチェックボックスがチェックされた場合、「マル秘」又は「重要」を表すウォータマークが選択され、中段に配置されたチェックボックスがチェックされた場合、地紋画像(地紋A又は地紋B)が選択される。更に、下段に配置されたチェックボックスをチェックすることにより部署コード又はバーコードを付加画像として選択することができる。
また、印刷設定画面30は、設定された内容を確定して印刷ジョブを生成し、複合機100への送信開始を指示するための実行ボタン35、設定内容を確定せずに当該印刷設定画面30を呼出したアプリケーションへ処理を戻すキャンセルボタン36を備えている。
また、複合機100側の操作パネル105を操作してコピーの処理依頼を設定する場合にも、付加する付加画像の選択を行えるようにしている。図4は操作パネル105の構成を示す模式図である。操作パネル105はプリント枚数、コピー濃度、機能の切替操作、出力開始指示等の利用者の指示を受付けるための各種のハードウェアキーにより構成される操作部105aと、該操作部105aを通じて入力された各種の設定値、利用者に対して報知すべき情報等を表示する表示部105bとから構成される。なお、表示部105bの一部は各種の設定操作を受付けるように構成したタッチパネル方式のソフトウェアキーを備えている。
操作パネル105にて所定の操作指示を受付けた場合、例えば、図4(a)に示した初期画面に配置されている「特別機能キー」が利用者の手により押下操作された場合、図4(b)に示したような付加画像の選択を受付けるための選択画面11が表示部105bに表示される。この選択画面11の中央近傍には付加画像を選択するための選択ボタンが配置されており、例えば、表示されている選択ボタンのうち、上段の選択ボタンが押下操作された場合、「マル秘」又は「重要」を表すウォータマークが選択され、下段の選択ボが押下操作された場合、予め設定されている地紋画像(地紋A又は地紋B)が選択される。また、表示部105bに表示されていない選択ボタンを表示させるために画面の右端側にはページ切替ボタン12a,12bが配置されており、これらのページ切替ボタン12a,12bを押下操作することにより、他の選択ボタンを表示できるようにしている。また、画面下部には確定ボタン13とキャンセルボタン14とが配置されており、確定ボタン13が押下操作された場合、選択した付加画像が確定し、キャンセルボタン14が押下操作された場合、選択を確定せずに図4(a)に示した初期画面に戻す処理が実行される。
図5はプリンタドライバが作成する印刷ジョブの内容を示す概念図である。プリンタドライバが作成する印刷ジョブは、個人認証情報、宛先情報、付加画像情報、及びファイル認証情報により構成される印刷データの属性情報と印刷データ自体とにより構成される。個人認証情報は前述した利用者認証装置301を通じて入力される情報であり、利用者名、所属部署名等に関する情報が含まれる。宛先情報は、複合機100にて作成された印刷物の宛先に関する情報であり、本画像形成システムではフラグにより宛先情報を管理している。例えば、フラグが”01”である場合には社内向けの印刷物であることを示し、フラグが”02”である場合には社外向けの印刷物であることを示す。これらの宛先情報はプリンタドライバを通じて入力される。付加画像情報は、複合機100にて付加すべき付加画像の種類を指定するための情報であり、宛先情報と同様にフラグにより管理される。例えば、フラグが”01”である場合には、付加画像として「マル秘」のウォータマークが選択されていることを示し、フラグが”03”である場合には、付加画像として「地紋B」の地紋画像が選択されていることを示している。他の付加画像についても同様である。また、ファイル認証情報は、印刷しようとしている文書の性質を示す情報であり、前述と同様にフラグにより管理されている。フラグが”01”である場合には極秘文書であることを示し、フラグが”02”である場合には見本文書であることを示している。これらのファイル認証情報は、プリンタドライバ又は作成したアプリケーションを通じて登録される。印刷データには、印刷範囲、印刷部数等の複合機100にて印刷処理を実行する際に必要となる情報、及び印刷対象の文書、グラフィックス等に基づいてプリンタドライバが出力した画像データ(例えば、ビットマップデータ、又はページ記述言語により記述されたデータ)が含まれている。また、印刷データには、印刷ジョブの暗号化の要否に係る情報も含まれ、フラグが”01”である場合には暗号化が要求され、フラグが”02”である場合には暗号化が要求されていないことを示している。なお、印刷ジョブの暗号化は、印刷ジョブを複合機100へ送信する際にプリントドライバのソフトウェア処理によって暗号化する構成であっても良く、また、複合機100が印刷ジョブを受信した際にソフトウェアによる処理、又はハードウェアによる処理にて暗号化する構成であっても良い。
図6は印刷処理を実行する際の複合機100の動作を説明するフローチャートである。複合機100のCPU101は、まず、印刷ジョブを受付けたか否かの判断を行う(ステップS11)。複合機100が受付ける印刷ジョブには、通信ネットワークNを通じて送信される情報処理装置300からの印刷ジョブの他、複合機100にてコピーの処理依頼を受付けたときに複合機100自身が生成するジョブも含まれる。そのため、操作パネル105を通じて入力される情報、及び通信インタフェース109を通じて受信する情報を監視することにより、印刷ジョブを受付けたか否かを判断することができる。
印刷ジョブを受付けたと判断した場合(S11:YES)、受付けた印刷ジョブを展開し(ステップS12)、画像データと該画像データの印刷指示に関する情報(属性情報)とを取得する。次いで、取得した画像データの解析を行い(ステップS13)、属性情報の確認を行う(ステップS14)。画像データの解析では、印刷用の画像に機密性を示すような情報が含まれているか否かの検出を行う。例えば、「マル秘」、「社外秘」といった所定の図柄、マーク、文字等が含まれているか否かをパターンマッチング又は文字認識により検出することで機密性を有するか否かの判定を行う。一方、属性情報の確認では、印刷ジョブに添付されている個人認証情報、宛先情報、付加画像情報、ファイル認証情報、及び暗号化の有無に係る情報を確認する。
次いで、複合機100のCPU101は、画像データの解析結果を受けて付加画像の付加が必要であるか否かを判断する(ステップS15)。本複合機100では、印刷用の画像に機密性を示すような情報が含まれている場合に付加画像を付加することを要求する。CPU101が、付加画像の付加が必要であると判断した場合(S15:YES)、属性情報の1つである付加画像情報を参照することにより、受付けた印刷ジョブが付加画像の付加を指示しているか否かを判断する(ステップS16)。印刷ジョブが付加画像の付加を指示していると判断した場合(S16:YES)、すなわち、付加画像情報を表すフラグが”01”〜”07”であると判断した場合、HDD装置110の付加画像記憶領域110Cから該当する付加画像を読出し、読出した付加画像を印刷用の画像に付加する(ステップS17)。具体的には、付加画像に係るデータと印刷用の画像に係るデータとの合成処理を実行し、一の合成画像を生成する。次いで、生成した合成画像のデータを画像形成部107へ転送することにより、印刷処理を実行する(ステップS18)。なお、ステップS15にて、付加画像の付加が必要でないと判断した場合(S15:NO)、印刷ジョブを展開して取得した画像データを画像形成部107へ転送することにより印刷処理を実行する(S18)。
また、ステップS16において、印刷ジョブが付加画像の付加を指示していないと判断した場合(S16:NO)、利用者に対し付加画像の付加の要否を確認する(ステップS19)。図7は付加画像の付加の要否を確認する際に出力される画面の一例を示す模式図である。受付けた印刷ジョブが情報処理装置300から送信されたものである場合には、複合機100は通信ネットワークN経由で情報処理装置300に指示を与え、図7(a)に示したような通知画面40を情報処理装置300の表示部に表示させる。なお、この場合の通知画面40は、情報処理装置300にインストールされているプリントドライバが作成するものであっても良く、情報処理装置300のオペレーティングシステムが作成するものであっても良い。また、受付けた印刷ジョブが、コピーの処理依頼を受付けたときに生成されたジョブである場合には、図7(a)に示した通知画面40を操作パネル105の表示部105bに表示させる。
通知画面40には、「データには付加画像が設定されていない」旨、「出力を実行するためには付加データが必要である」旨を表示すると共に、付加画像を付加する意志があるか否かを利用者に確認するための選択ボタン40a,40bが画面の下部領域に配置される。利用者による操作によって選択ボタン40aが選択された場合、画面の表示を図7(b)に示した選択画面41に切り替える。この選択画面41には、付加すべき付加画像を選択するための複数の選択ボタンから構成される選択ボタン群41aが配置される。選択ボタン群41aが備える選択ボタンのうちの何れか1つが選択された場合、複合機100には付加画像を付加する旨、及び付加する付加画像の種類についての情報が通知される。一方、利用者による操作によって選択ボタン40bが選択された場合、複合機100には付加画像を付加しない旨が通知される。このとき、複合機100は、「付加画像が付加されていないため、受付けたジョブに基づく印刷処理が完了していない」旨、「操作パネル105にて付加画像を付加して印刷することが可能である」旨の情報を含んだ警告メールを出力する。出力された警告メールは、情報処理装置300の表示部又は操作パネル105の表示部105bに表示される(図7(c)参照)。
このような通知画面40及び選択画面41を通じて付加画像の付加の要否を確認した後、複合機100のCPU101は、付加すべき付加画像が選択されたか否かを判断する(ステップS20)。付加すべき付加画像が選択されたと判断した場合(S20:YES)、処理をステップS17へ移行させ、選択された付加画像を印刷用の画像に付加し(S17)、印刷処理を実行する(S18)。また、付加すべき付加画像が選択されなかった場合(S20:NO)、印刷ジョブのデータをHDD装置110内の印刷データ記憶領域110Aに保存し(ステップS21)、図7(c)に示したような警告メールにより、印刷が完了していない旨を利用者に通知する(ステップS22)。
一方、ステップS11において、印刷ジョブを受付けていないと判断した場合(S11:NO)、印刷データ記憶領域110Aに保存されている印刷ジョブを出力するために、保存されている印刷ジョブの選択を受付けたか否かを判断する(ステップS23)。選択を受付けていないと判断した場合(S23:NO)、処理をステップS11へ戻し、選択を受付けたと判断した場合(S23:YES)、付加すべき付加画像の選択を要求する(ステップS24)。このとき、複合機100は、図7(a)に示した通知画面40を操作パネル105の表示部105bに表示させ、利用者の意志を確認した上で図7(b)に示した付加画像の選択画面41を表示し、付加画像の選択を要求する。そして、付加すべき付加画像が選択されたか否かを判断し(ステップS25)、付加画像が選択されていないと判断した場合(S25:NO)、処理をステップS24へ戻し、付加画像が選択されたと判断した場合(S25:YES)、処理をステップS17へ移行させ、選択された付加画像を印刷用の画像に付加し(S17)、印刷処理を実行する(S18)。
なお、本実施の形態では、付加画像記憶領域110Cに記憶されている何れかの付加画像が付加された場合に出力を許可する構成としたが、付加画像記憶領域110Cに記憶されている付加画像のうち、例えば、地紋画像の付加を要求している場合に出力を許可し、その他の付加画像の付加を要求している場合には、出力を不許可とする構成であっても良い。
また、本実施の形態では、HDD装置110内の印刷データ記憶領域110Aに出力待ちの状態で印刷ジョブのデータが放置されることがないように、印刷データ記憶領域110Aに保存させてから所定時間内に出力指示がない場合には、その印刷ジョブのデータを削除するようにしている。図8は印刷データ記憶領域110Aにデータを記憶させる際に複合機100が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。複合機100のCPU101は、まず、印刷ジョブのデータが印刷データ記憶領域110Aに保存されたか否かを判断する(ステップS31)。印刷データ記憶領域110Aに印刷ジョブのデータが保存されていない場合には(S31:NO)、保存されるまで待機する。
印刷データ記憶領域110Aに印刷ジョブのデータが記憶されたと判断した場合(S31:YES)、CPU101は、図に示していないタイマを作動させる(ステップS32)。次いで、CPU101は、記憶させた印刷データに基づく印刷要求があるか否かを判断し(ステップS33)、印刷要求があると判断した場合(S33:YES)、本ルーチンによる処理を終了する。なお、この後については、図6に示したステップS24以降の処理が実行される。
ステップS33にて印刷要求がないと判断した場合(S33:NO)、前記タイマの出力を参照することにより所定時間(例えば、10分)が経過したか否かを判断する(ステップS34)。所定時間が経過していないと判断した場合(S34:NO)、処理をステップS33へ戻す。また、所定時間が経過したと判断した場合(S34:YES)、印刷データ記憶領域110Aから印刷ジョブのデータを削除する(ステップS35)。
このように、本実施の形態では、印刷データ記憶領域110Aに保存した印刷ジョブのデータを所定時間経過後に削除する構成であるため、出力されない状態で装置内に放置されることがなくなり、処理の停滞を防止することができると共に、第三者による不正なアクセスを通じて情報が漏洩することを防止することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、受信した印刷ジョブを展開して得られる印刷データを解析し、付加画像の付加の要否を判断する構成としたが、印刷ジョブには、個人認証情報、宛先情報、付加画像情報、ファイル認証情報等の各種情報が含まれているため、これらの情報を総合的に判断して付加画像の付加の要否を判断することも可能である。
図9は付加画像の付加の要否を判断する際の判断基準を示す図表であり、図10は判断手法を説明する説明図である。図9に示した例では、利用者毎、印刷物の宛先毎、ファイル認証情報毎、暗号化の要否毎に印刷物のセキュリティレベル(スコア)を規定してる。また、付加画像については、印刷の可否を判断するためのキュリティレベル(スコア)を規定している。複合機100が印刷ジョブを受付けた場合、印刷ジョブを展開して得られる個人認証情報、宛先情報、ファイル認証情報、暗号化の要否に係る情報に基づき、前記印刷ジョブが要求しているセキュリティレベルを算出する。そして、算出したセキュリティレベルを満たすような付加画像が付加されている(又は付加画像の付加を要求している)場合には印刷を許可し、そうでない場合には、印刷を保留して印刷ジョブのデータを印刷データ記憶領域110Aに記憶させる。
例えば、図10(a)に示した例では、印刷を許可するためにスコア25以上の付加画像が必要となるが、図9(c)を参照した結果、「地紋A」のみがその条件を満たすことが分かる。すなわち、この例では、「地紋A」が付加画像として選択されていることが印刷を許可するための条件となり、その他の付加画像が選択されている場合には印刷を保留するように制御する。また、図10(b)に示した例では、印刷を許可するためにスコア12以上の付加画像が必要となるが、図9(c)を参照した結果、「重要」、「地紋A」、「地紋B」の付加画像がその条件を満たすことが分かる。すなわち、この例では、「重要」、「地紋A」、「地紋B」の何れかが付加されている場合、印刷を許可し、その他の付加画像が付加されている場合には印刷を保留するような制御が可能となる。
このように、印刷処理に付随する各種情報に応じて印刷出力の可否を設定することで、利用環境に応じた柔軟なセキュリティ環境を提案することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、情報処理装置300が複合機100に対して直接的に印刷ジョブを送信し、当該印刷ジョブを受信した複合機100が、付加画像の付加の要否についての判定、印刷ジョブが付加画像の付加を指示しているかの判定を行う構成としたが、情報処理装置300が作成した印刷ジョブをプリントサーバ200経由で複合機100へ送信する場合には、前述の2つの判定をプリントサーバ200に行わせる構成であっても良い。
図11はプリントサーバ200の内部構成を説明するブロック図である。プリントサーバ200は、CPU201を備えており、該CPU201がROM203に予め格納された制御プログラムを読込んで実行することにより、バス202を介して接続された各種ハードウェアを制御し、全体として本発明に係る画像出力装置として動作させる。RAM204は半導体メモリにより構成されており、前述の制御用プログラムの実行中に生成されるデータ、通信インタフェース209を通じて受信する各種ジョブのデータ等を一時的に記憶する。
画像メモリ208は、半導体メモリにより構成されており、通信インタフェース209を通じて受信した印刷ジョブから展開される画像データ、HDD装置110から読み出した印刷データに基づく画像データ等を一時的に保持する。画像メモリ208に一時的に保持された画像データは、CPU201からの指示により、その利用目的に応じた転送先へ転送される。
通信インタフェース209は、通信ネットワークNの通信規格に準拠した回線終端回路を備えており、通信ネットワークNに接続された情報処理装置300,300,…,300からの印刷ジョブを受信すると共に、受信した印刷ジョブを複合機100へ送信する。通信インタフェース209では、印刷ジョブを中継するために印刷ジョブのの送受信を制御する。
HDD装置210はディスク状の磁気記録媒体を有する記憶装置であり、その記憶領域の一部は、印刷ジョブのデータを記憶する印刷データ記憶領域210A、及び受信した印刷ジョブの履歴を記憶する履歴情報記憶領域210Bとして利用されている。印刷データ記憶領域110Aに記憶された印刷ジョブのデータは、通信ネットワークNを介した情報処理装置300からの指示により読出せるようにしており、読出した印刷ジョブを複合機100へ送信できるようにしている。
図12はプリントサーバ200の動作を説明するフローチャートである。プリントサーバ200のCPU201は、まず、印刷ジョブを受付けたか否かの判断を行う(ステップS41)。プリントサーバ200が受付ける印刷ジョブは、通信ネットワークNを通じて送信される情報処理装置300からの印刷ジョブである。そのため、CPU201は、通信インタフェース209を通じて受信する情報を監視することにより、印刷ジョブを受付けたか否かを判断することができる。
印刷ジョブを受付けたと判断した場合(S41:YES)、受付けた印刷ジョブを展開し(ステップS42)、画像データと該画像データの印刷指示に関する情報(属性情報)とを取得する。次いで、取得した画像データの解析を行い(ステップS43)、属性情報の確認を行う(ステップS44)。画像データの解析では、印刷用の画像に機密性を示すような情報が含まれているか否かの検出を行う。例えば、「マル秘」、「社外秘」といった所定の図柄、マーク、文字等が含まれているか否かをパターンマッチング又は文字認識により検出することで機密性を有するか否かの判定が可能となる。一方、属性情報の確認では、印刷ジョブに添付されている個人認証情報、宛先情報、付加画像情報、ファイル認証情報、及び暗号化の有無に係る情報を確認する。
次いで、プリントサーバ200のCPU201は、画像データの解析結果を受けて付加画像の付加が必要であるか否かを判断する(ステップS45)。本プリントサーバ200では、印刷用の画像に機密性を示すような情報が含まれている場合に付加画像を付加することを要求する。CPU201が、付加画像の付加が必要であると判断した場合(S45:YES)、属性情報の1つである付加画像情報を参照することにより、受付けた印刷ジョブが付加画像の付加を指示しているか否かを判断する(ステップS46)。
ステップS45にて付加画像の付加が必要であると判断されたにも関わらず、印刷ジョブにより付加画像の付加を指示していないと判断した場合には(S46:NO)、利用者に対し付加画像の付加の要否を確認する(ステップS47)。具体的には、通信ネットワークN経由で情報処理装置300に指示を与え、図7(a)に示したような通知画面40を情報処理装置300の表示部に表示させる。そして、続く選択画面41により付加すべき付加画像が選択されたか否かを判断する(ステップS48)。付加すべき付加画像が選択されなかった場合(S48:NO)、印刷ジョブのデータをHDD装置210内の印刷データ記憶領域210Aに保存し(ステップS49)、図7(c)に示したような警告メールにより、印刷が完了していない旨を情報処理装置300の利用者に通知する(ステップS50)。
また、ステップS45において付加画像の付加が必要でないと判断した場合(S45:NO)、ステップS46において印刷ジョブが付加画像の付加を指示していると判断した場合(S46:YES)、及びステップS48において付加すべき付加画像が選択されたと判断した場合(S48:YES)、付加画像の付加の要否に係る情報を含めた印刷ジョブを複合機100へ送信する(ステップS51)。
一方、ステップS41において、印刷ジョブを受付けていないと判断した場合(S41:NO)、印刷データ記憶領域210Aに保存されている印刷ジョブを送信するために、保存されている印刷ジョブの選択を受付けたか否かを判断する(ステップS52)。選択を受付けていないと判断した場合(S52:NO)、処理をステップS41へ戻し、選択を受付けたと判断した場合(S52:YES)、付加すべき付加画像の選択を要求する(ステップS53)。このとき、プリントサーバ200は、図7(a)に示した通知画面40を情報処理装置300の表示部に表示させ、利用者の意志を確認した上で付加画像の選択を要求する。そして、付加すべき付加画像が選択されたか否かを判断し(ステップS54)、付加画像が選択されていないと判断した場合(S54:NO)、処理をステップS53へ戻し、付加画像が選択されたと判断した場合(S54:YES)、印刷データ記憶領域210Aから読み出した印刷ジョブを複合機100へ送信する(S51)。
図13はプリントサーバ200からの印刷ジョブを受信した複合機100の動作を説明するフローチャートである。複合機100のCPU101は、通信インタフェース109にて受信する情報を監視することにより、プリントサーバ200からの印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS61)。印刷ジョブを受信していないと判断した場合(S61:NO)、印刷ジョブを受信するまで待機する。
印刷ジョブを受信したと判断した場合(S61:YES)、受信した印刷ジョブを展開し(ステップS62)、画像データと該画像データの印刷指示に関する情報(属性情報)とを取得する。そして、取得した属性情報のうち、付加画像情報を参照して付加画像の付加を印刷ジョブが要請しているか否かを判断する(ステップS63)。印刷ジョブが付加画像の付加を要請していると判断した場合(S63:YES)、該当する付加画像をHDD装置110内の付加画像記憶領域110Cから読出し、印刷用の画像に対して付加画像を付加する(ステップS64)。具体的には、付加画像に係るデータと印刷用の画像に係るデータとの合成処理を実行し、一の合成画像を生成する。次いで、生成した合成画像のデータを画像形成部107へ転送することにより、印刷処理を実行する(ステップS65)。
また、付加画像の付加を要請していないと判断した場合(S63:NO)、ステップS62で取得した画像データを画像形成部107へ転送し、印刷処理を実行する(S65)。
本実施の形態では、受信した印刷ジョブを解析して付加画像の要否を判断する構成としたが、送信先の複合機100が通信ネットワーク上に複数接続されている場合には、印刷ジョブの送信先に応じて付加画像の要否を判断することも可能である。この場合には、例えば、利用者が所属している部署内に設定されている複合機100を送信先としている場合には付加画像の付加を要請せず、他の部署に設置されている複合機100を送信先としている場合に付加画像の付加を要請するような制御が可能となり、複合機100及び情報処理装置300の設置状況に応じて、柔軟なセキュリティ環境を提案することが可能となる。
本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す模式図である。 複合機の内部構成を説明するブロック図である。 プリンタドライバが生成する印刷設定画面の一例を示す模式図である。 操作パネルの構成を示す模式図である。 プリンタドライバが作成する印刷ジョブの内容を示す概念図である。 印刷処理を実行する際の複合機の動作を説明するフローチャートである。 付加画像の付加の要否を確認する際に出力される画面の一例を示す模式図である。 印刷データ記憶領域にデータを記憶させる際に複合機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 付加画像の付加の要否を判断する際の判断基準を示す図表である。 判断手法を説明する説明図である。 プリントサーバの内部構成を説明するブロック図である。 プリントサーバの動作を説明するフローチャートである。 プリントサーバからの印刷ジョブを受信した複合機の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
100 複合機
101 CPU
102 バス
103 ROM
104 RAM
105 操作パネル
106 画像読取部
107 画像形成部
108 画像メモリ
109 通信インタフェース
110 HDD装置
110A 印刷データ記憶領域
110B 履歴情報記憶領域
110C 付加画像記憶領域
111 利用者認証装置
200 プリントサーバ
300 情報処理装置
N 通信ネットワーク

Claims (7)

  1. 印刷ジョブを受付け、受付けた印刷ジョブに基づいて出力画像を出力する画像出力装置において、
    出力画像に付加すべき複数種の付加画像を記憶する記憶手段を有し、
    前記印刷ジョブは、出力画像のセキュリティレベルを規定する複数の情報、及び付加画像の付加の要否と付加すべき付加画像の種類とを示す情報を含み、
    付加画像に関するスコアとして、付加画像の付加の要否及び付加すべき付加画像の種類に応じて出力画像の出力可否に係る判断基準を示すスコアを設定してあり、
    印刷ジョブを受付けた場合、該印刷ジョブに含まれる前記複数の情報から前記印刷ジョブに基づく出力画像のセキュリティレベルを算出する算出手段と、
    前記印刷ジョブの付加画像に関するスコアが、前記算出手段により算出されたセキュリティレベルを満たすか否かを判断する手段とを備え、
    前記スコアが前記セキュリティレベルを満たすと判断した場合、前記付加画像を付加した出力画像を出力するようにしてあり、前記スコアが前記セキュリティレベルを満たさないと判断した場合、前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にするようにしてあることを特徴とする画像出力装置。
  2. 前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、その旨の情報を報知する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
  3. 前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、前記記憶手段に記憶された付加画像の選択を受付ける手段を備え、選択された付加画像を出力画像に付加した後、出力画像を出力するようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像出力装置。
  4. 前記印刷ジョブに基づく出力画像の出力を保留にした場合、計時を開始する手段と、計時を開始してから所定時間が経過するまでに前記選択を受付けていない場合、前記印刷ジョブを無効化する手段とを更に備えることを特徴とする請求項に記載の画像出力装置。
  5. 受付けた印刷ジョブの履歴を記憶する手段を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の画像出力装置。
  6. 出力画像の出力を、シート上に画像を形成する処理により実行するようにしてあることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の画像出力装置。
  7. 出力画像の出力を、付加画像が付加された出力画像を含む印刷ジョブを外部へ送信する処理により実行するようにしてあることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の画像出力装置。
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