JP4482538B2 - 車両用フード構造 - Google Patents
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Description
このインタークーラーに走行風を導入するために、エア導入ダクトをエンジンフードの裏面に備えた車両用フード構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
よって、フードインナパネルにエア導入ダクトを取り付ける際には、エンジンフードを開けて斜め上向きに配置してフードインナパネルを外側に向け、外側に向けたフードインナパネルにエア導入ダクトを当て、ボルト・ナットなどの締結部材で取り付ける。
よって、フードインナパネルにエア導入ダクトを取り付ける際には、フードインナパネルに当てたエア導入ダクトを、作業者が手で支えながらボルト・ナットなどの締結部材でフードインナパネルに取り付ける必要がある。
この際、作業者は、エア導入ダクトの全体を支えながら、締結作業をおこなうため、作業者にかかる負担が大きく、この観点から改良の余地が残されていた。
このインシュレータは、通常、フードインナパネル全域を覆うように形成され、その周縁がボルトなどの締結部材でフードインナパネルに取り付けられる。
このため、インシュレータの形状は比較的大きく、インシュレータの周縁を取り付けるためにボルト・ナットなどの締結部材を多数使用する必要があり、この観点から改良の余地が残されていた。
請求項2に係る発明は、前記係止爪は、前記係止爪の先端部に向けて先細状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記エア導入ダクトおよび前記フードインナパネル間に前記インシュレータを挟み込んだ状態で、前記エア導入ダクトの差込孔、前記インシュレータの貫通孔および前記フードインナパネルの取付孔が同軸上に配置され、前記差込孔、前記貫通孔および前記取付孔にボルトを差し込み、差し込んだボルトをねじ結合することを特徴とする。
よって、エンジンフードを開放した際に、係止孔は、エンジンフードの下側に位置し、かつ上向きとなる。
これにより、エア導入ダクトの車体前側端部を押さえるだけで、エア導入ダクトをフードインナパネルに簡単に保持することができる。
したがって、フードインナパネルにエア導入ダクトを取り付ける際に、作業者にかかる負担を軽減することができるという利点がある。
さらに、係止爪にナットが埋設されている。
この係止爪は、最大幅寸法が係止孔の幅寸法Wより僅かに小さく、厚さ寸法がTに形成されている。
厚さ寸法Tを比較的大きく設定することで、係止爪の肉厚を大きく確保してナットを良好に埋設することができる。
請求項2に係る発明では、係止爪を先細状に形成することで、係止爪を係止孔に容易に挿入することができる。
よって、エア導入ダクトを利用してインシュレータを支える部位を、ボルトなどの締結部材でフードインナパネルに締結する必要がない。
これにより、フードインナパネルにインシュレータを取り付けるために必要な締結部材を減らすことができるという利点がある。
請求項4に係る発明では、エア導入ダクトの差込孔、インシュレータの貫通孔およびフードインナパネルの取付孔にボルトを差し込み、差し込んだボルトをねじ結合することができる。
車両10は、車体前部11にフロントバルクヘッド12を備え、フロントバルクヘッド12後方のエンジンルーム13にエンジン14を備え、エンジン14の上方にインタークーラー15を備え、エンジンルーム13後部の左右側に左右のアッパサイドメンバー17(左アッパサイドメンバーは図示せず)をそれぞれ設け、左右のアッパサイドメンバー17にヒンジ18を介して車両用フード構造20を備える。
ダクト本体31は、ダクト本体31の車体前側端部31aに導入口34が形成されるとともに、車体後側端部31bにカバー32の裏面32a側に臨む導出口35が形成され、導入口34および導出口35が導入流路(図示せず)で連通されている。
これにより、エンジンフード21は、ヒンジ18を支点にして開位置と閉位置との間でスイング自在に左右のアッパサイドメンバー17に取り付けられている。
エンジンフード21を閉じることにより、エア導入ダクト26のカバー32でインタークーラー15の上部15aが覆われる。
よって、車両10が走行すると、走行風がエア導入ダクト26の導入口34から導入流路内に矢印の如く進入し、導入流路を経て導出口35からカバー32の裏面32a側に矢印の如く導かれる。
以下、車両用フード構造20について説明する。なお、車両用フード構造20の理解を容易にするために、車両用フード構造20を車体前部11から外した状態で説明する。
エンジンフード21は、後辺41が車体幅方向に延びるように湾曲状に形成され、後辺41の左右端部21a,21bから車体前方に向けて左右の側辺42,43が延出され、左右の側辺42,43の前端部間に前辺44が湾曲状に形成されている。
フードインナパネル23は、前辺中央にストライカ28が形成され、ストライカ28の左右側に左右の前ダクト取付孔46,47が形成され、左右の前ダクト取付孔46,47の下方中央寄りに左右の中間ダクト取付孔48,49がそれぞれ形成され、左右の中間ダクト取付孔48,49の下方中央寄りに左右の係止孔(係止孔)51,52がそれぞれ形成されている。
左右の前ダクト取付孔46,47、左右の中間ダクト取付孔48,49、ナット57…および左右の係止孔51,52は、エア導入ダクト26をフードインナパネル23に取り付けるためのものである。
左右の前インシュレータ取付孔61,62、左右の中間インシュレータ取付孔63,64、左右の後インシュレータ取付孔65,66、ナットおよび左右のインシュレータ係止爪71,72は、インシュレータ25をフードインナパネル23に取り付けるためのものである。
インシュレータ25は、遮音、吸音や断熱などのために用いる部材である。
左右の前ダクト貫通孔81,82は、左右の前ダクト取付孔46,47に対して同軸上に形成されている。
左右の中間ダクト貫通孔83,84は、左右の中間ダクト取付孔48,49に対して同軸上に形成されている。
左インシュレータ係止爪71が左係止開口93の前縁93aに係止するとともに、右インシュレータ係止爪72が右係止開口94の前縁94aに係止する。
左前インシュレータ差込孔86および左前インシュレータ取付孔61にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
同様に、右前インシュレータ差込孔87および右前インシュレータ取付孔62にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
左中間インシュレータ差込孔88および左中間インシュレータ取付孔63にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
同様に、右中間インシュレータ差込孔89および右中間インシュレータ取付孔64にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
左後インシュレータ差込孔91および左後インシュレータ取付孔65にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
同様に、右後インシュレータ差込孔92および右後インシュレータ取付孔66にボルト96が差し込まれてナットにねじ結合される。
挿入された左係止爪104が左係止孔51に係止するとともに、挿入された右係止爪105が右係止孔52に係止する。
左前ダクト差込孔98および左前ダクト貫通孔81および左前ダクト取付孔46にボルト107が差し込まれてナット57(図4に1個のみ図示する)にねじ結合される。
同様に、右前ダクト差込孔99および右前ダクト貫通孔82および右前ダクト取付孔47にボルト107が差し込まれてナット57(図4に1個のみ図示する)にねじ結合される。
左後ダクト差込孔101および左中間ダクト貫通孔83および左中間ダクト取付孔48にボルト107が差し込まれてナット57(図4に1個のみ図示する)にねじ結合される。
同様に、右後ダクト差込孔102および右中間ダクト貫通孔84および右中間ダクト取付孔49にボルト107が差し込まれてナット57(図4に1個のみ図示する)にねじ結合される。
以下、フードインナパネル23の右段部55およびエア導入ダクト26の右係止爪105を図4〜図6に基づいて説明する。
なお、図6は、車両用フード構造20において構成の理解を容易にするためにフードアウタパネル22を外した状態で図示する。
この右段部55は、車体前方に臨む右傾斜側壁(側壁)111が設けられるとともに、右傾斜側壁111の端部に右頂壁112が設けられている。
頂壁112には、ボルト孔116が形成されている。ボルト孔116は、右段部55の内部空間115に連通している。
右係止爪105を先細状に形成することで、右係止爪105を右係止孔52に容易に挿入することができる。
さらに、4個の中空部118を形成することで右係止爪105の軽量化が図れる。
厚さ寸法Tを比較的大きく設定することで、右係止爪105の肉厚を大きく確保してナット119を先端部105cに良好に埋設することができる。
但し、右係止孔52の高さ寸法Hと比較して僅かに小さく設定されている。
締結部材121は、ナット119およびボルト122からなる。
以下、締結部材121で右係止爪105を右段部55に締結する具体例を説明する。
これにより、エア導入ダクト26のうち、ダクト本体31の車体前側端部31aを押さえるだけで、エア導入ダクト26をフードインナパネル23に保持することができる。
ボルト孔116からボルト122を差し込んで、ナット119にねじ結合することで、右係止爪105が右段部55に取り付けられる。
同様に、図2に示す左係止爪104が締結部材121で左段部54に取り付けられる。
よって、エア導入ダクト26を利用してインシュレータ25を支える部位を、図3に示すボルト96・ナットなどの締結部材でフードインナパネル23に締結する必要がない。
これにより、フードインナパネル23にインシュレータ25を取り付けるために必要なボルト96・ナットなどの締結部材を減らすことができる。
この右係止開口94を、フードインナパネル23の右インシュレータ係止爪72に嵌め込むことにより、右インシュレータ係止爪72が右係止開口94の前縁94aに係止する。
これにより、インシュレータ25の後辺74のうち、中央部を左右のインシュレータ係止爪71,72でフードインナパネル23の後辺41に容易に係止させることができる。
これにより、右係止爪105を右係止孔52に挿入させた際に、大きく形成した外側部位を右係止孔52の周縁に当てて、右係止爪105を右係止孔52に一層良好に係止させることができる。
これにより、右係止爪105を右係止孔52に挿入させた際に、段差の部位を右係止孔52の周縁に当てて、右係止爪105を右係止孔52に一層良好に係止させることができる。
図7(a),(b)は本発明に係る車両用フード構造のフードインナパネルにインシュレータを取り付ける例を説明する図である。
(a)において、エンジンフード21を開けた状態で、インシュレータ25の左右の係止開口93,94を、フードインナパネル23の左右のインシュレータ係止爪71,72にそれぞれ嵌め込む。
左中間インシュレータ差込孔88および左中間インシュレータ取付孔63にボルト96を差し込むとともに、右中間インシュレータ差込孔89および右中間インシュレータ取付孔64にボルト96を差し込む。
左後インシュレータ差込孔91および左後インシュレータ取付孔65にボルト96を差し込むとともに、右後インシュレータ差込孔92および右後インシュレータ取付孔66にボルト96を差し込む。
ボルト96…・ナットでインシュレータ25をフードインナパネル23に締結する。
(a)において、フードインナパネル23の左右の係止孔51,52に、エア導入ダクト26の左右の係止爪104,105を矢印の如く挿入する。
左右の係止爪104,105のナット119,119が、それぞれのボルト孔116、116に対して同軸上に配置される。
左係止爪104を左係止孔51に係止するとともに、右係止爪105を右係止孔52に係止する。
この状態で、右係止孔52に右係止爪105を挿入するとともに、左係止孔51に左係止爪104を挿入することで、エア導入ダクト26の車体後側端部32bをフードインナパネル23に係止する。
これにより、エア導入ダクト26の車体前側端部31aを押さえるだけで、エア導入ダクト26をフードインナパネル23に簡単に保持することができる。
同様に、右前ダクト差込孔99および右前ダクト貫通孔82および右前ダクト取付孔47((a)参照)にボルト107を差し込み、ナット57(図4参照)にねじ結合する。
同様に、右後ダクト差込孔102および右中間ダクト貫通孔84および右中間ダクト取付孔49((a)参照)にボルト107を差し込み、ナット57(図4参照)にねじ結合する。
つぎに、それぞれのボルト孔116からボルト122を差し込んで、各ナット119((a)参照)にねじ結合する。
よって、作業者は、エア導入ダクト26の車体前側端部31aを押さえるだけの状態で、ボルト107…,122…の差込み作業や締付け作業を容易におこなうことができる。
これにより、フードインナパネル23にエア導入ダクト26を取り付ける際に、作業者にかかる負担を軽減することができる。
各ボルト107…をそれぞれナット57(図4参照)にねじ結合して、エア導入ダクト26のダクト本体31をフードインナパネル23に締結する。
これにより、フードインナパネル23にインシュレータ25およびエア導入ダクト26を取り付ける。
Claims (4)
- エンジンフードの裏面を形成するフードインナパネルに遮音用のインシュレータが設けられ、このインシュレータに重ねてインタークーラー用のエア導入ダクトが設けられた車両用フード構造において、
前記フードインナパネルの車体後側端部に、車体前方に臨む側壁が形成され、この側壁に車体前方に向けて係止孔が形成された段部と、
この段部の係止孔に挿入可能に形成され、前記エア導入ダクトに設けられた係止爪と、
前記係止孔に挿入された係止爪を前記段部に締結する締結部材としてのボルトおよびナットと、
を備え、
前記係止爪に前記ナットが埋設され、
前記係止爪が前記係止孔に挿入された状態で、前記ナットが前記段部に設けられたボルト孔と同軸上に配置され、
前記ボルト孔から差し込まれた前記ボルトを前記ナットにねじ結合することで前記係止爪を前記段部に締結することを特徴とする車両用フード構造。 - 前記係止爪は、前記係止爪の先端部に向けて先細状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用フード構造。
- 前記エア導入ダクトおよび前記フードインナパネル間に前記インシュレータを挟み込むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用フード構造。
- 前記エア導入ダクトおよび前記フードインナパネル間に前記インシュレータを挟み込んだ状態で、前記エア導入ダクトの差込孔、前記インシュレータの貫通孔および前記フードインナパネルの取付孔が同軸上に配置され、
前記差込孔、前記貫通孔および前記取付孔にボルトを差し込み、差し込んだボルトをねじ結合することを特徴とする請求項3記載の車両用フード構造。
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