JP3858565B2 - 車載用電子機器の組付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用電子機器の組み付け構造、特に、複数の車載用電子機器を車体に組み付けるのに適した車載用電子機器の組み付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両はエンジンルームや車室に多数の車載用電子機器を搭載しており、たとえば、エンジンを全運転域で駆動制御するエンジン制御装置、道路状態等に応じて変速段を切り換え制御する変速制御装置、制動時の車輪ロックを防ぐアンチスキッドブレーキ装置(ABS装置)、ドアのロック状態等を制御するドア開閉制御装置、各座席の着座姿勢等を乗員に応じて調整するシート位置制御装置、その他多数の各種車載用電子機器を装備している。これらの機器はそれぞれが各種センサや、電子機器駆動用アクチュエータの駆動部に接続される制御用リレー等を複数装備し、これらは関連する電子制御ユニットにそれぞれ配線を介して接続されている。
【0003】
たとえば、車両が複数の車載用電子機器を備え、それらの各電子制御ユニットが隔壁部材の両側にそれぞれ配備されるとする。この場合、隔壁部材の一方側に配備されている電源回路からの電源配線や複数の電子制御ユニットで共用されるセンサからの入力信号配線はそれぞれジャンクションブロックに導かれ、ここで電子制御ユニットの数だけ電源配線や入力信号配線をそれぞれ分岐される。その上で、ジャンクションブロックからの電源配線や入力信号配線の各分岐部は延出され、隔壁部材の一方側に位置する各電子制御ユニットに接続される。しかも、その他の電源配線や入力信号配線の各分岐部はワイヤハーネスとして束ねられ、隔壁部材の貫通孔に挿通された上で隔壁部材の他方側に位置するその他の電子制御ユニットにそれぞれ接続される。
このように隔壁部材の両側に分かれて複数の電子制御ユニットが配備されると、電源配線や各センサからの入力信号配線がワイヤハーネスとして束ねられ、隔壁部材の貫通孔を通過するための配線作業を必要とすることとなり、迂回部を多く含む上に作業に手間取り、コスト的に不利となる。
【0004】
なお、特公平2−30901号公報には、エンジンルームと車室とを仕切る隔壁部材を貫通する状態で燃料噴射制御ユニットとアンチロックブレーキ制御ユニットをそれぞれの位置に取付けた電気接続箱が開示されている。ここでは、各電子制御ユニットのエンジンルーム対向部にエンジンルーム内のセンサやリレーより延出する配線が接続され、車室対向部に車室内のセンサやリレーより延出する配線が接続され、これによりワイヤハーネスの配設工数を削減し、組み付け作業性を向上させている。更に、特開平6−206503号公報には、ダッシュパネルの閉空間にエンジンコントロールユニットを取付け、これにエンジンルーム側のセンサやリレーより延出する配線が接続され、これによりワイヤハーネスの組み付け作業性を改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平2−30901号公報や特開平6−206503号公報に開示される従来の車載用電子機器の組付け構造で用いている各電子制御ユニットはそれぞれが隔壁部材側に独立して分散配備されている。ここでは各電子制御ユニットの数だけ電源配線や各センサやリレーより延出する配線がすべて分岐され、各分岐配線が各電子制御ユニットまで延出してその延出部が接続されており、このため、重複する配線部分が多く、配線スペースの確保にも問題を生じやすいことより配線作業性が低く、コスト的に不利となる。
【0006】
更に、車載用電子機器である電子制御ユニットは、通常、制御用マイコン、電源回路、多数のセンサ類に入力信号配線を介して接続される入力回路や、駆動用アクチュエータの駆動部に接続される制御用リレーに出力信号配線を介して接続される出力回路をそれぞれ備える。このため複数の電子制御ユニットを使用する場合、それぞれの電源配線やセンサからの入力信号配線が重複すると共に、各電子制御ユニット内での電源回路や入力信号回路も重複しており、低コスト化を図る上で改善が望まれている。
本発明は、上述の課題に基づき、隔壁部材の両側に分かれて複数の車載用電子機器が分散配備されていても、配線接続作業性が良く、低コスト化を図れる車載用電子機器の組付け構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明である車載用電子機器の組付け構造は、エンジンルームと車室とを区分し車幅方向に長い閉空間を有する隔壁部材に形成され、同エンジンルームと車室とに向けて両側が開口する空間部と、前記空間部に収容され、少なくとも前記エンジンルームと車室に配備される各車載用電子機器の制御機能部を組み込んだ機器収納容器と、を具備し、前記機器収納容器は前記エンジンルームと対向する前枠部及び同前枠部の後端縁下部より後方に延出する基枠部を有したケース本体と、ケース本体の上部に重ねて一体化可能な上蓋と、前記前枠部に着脱可能な前カバーとを備え、且つ、前記機器収納容器は前記空間部の前側開口より差し込まれ隔壁部材の前壁に締め付け固定され、前記前枠部の一側壁より斜め前方に下向きで延出形成された円筒前半部と、前記上蓋の前縁部でその一側部より斜め前方に下向きで延出形成され前記円筒前半部の後向きの切欠縁部と接合することで円筒部を形成する円筒後半部とを備え、前記エンジンルームからのワイヤハーネスを前記円筒部を通して前記制御機能部に接続している。
このように、隔壁部材に形成された空間部に各車載用電子機器の制御機能部を組み込んだ機器収納容器を差し込み収容できる。特に、隔壁部材は車両の閉断面構造を成すので、その内部空間を有効利用できる。更に、空間部には機器収納容器がエンジンルーム側の開口より差し込まれ、嵌着され、隔壁部材の前壁に締め付け固定されるので、作業性の良いエンジンルーム上部からの組み付け作業ができる。しかもエンジンルームと車室とからの配線束を機器収納容器のエンジンルームと車室との各対向部を通して機器収納容器内の制御機能部に容易に導入し接続でき、配線の接続作業性が向上する。さらに、電源やセンサ類より機器収納容器に達するまでの電源配線や各信号配線を単一化して機器収納容器内に引込み、これらを機器収納容器内で分岐して各車載用電子機器の制御機能部にそれぞれ接続することができ、電源配線や信号配線を統合して共用化でき、たとえば機器収納容器内に配備するバスバーの単一化を行え、無駄な重複配線や迂回配線を排除でき、配線作業性が良く、低コスト化を図れる。
【0008】
好ましくは、同エンジンルームと車室からそれぞれ延出する各配線束を前記制御機能部に導く一対の配線導入部材を、前記機器収納容器の前記エンジンルームと車室との各対向部にそれぞれ取り付けても良い。この場合、エンジンルームと車室からそれぞれ延出する各配線束を配線導入部材を介して各車載用電子機器の制御機能部に接続するため、配線の接続作業性が向上する。
好ましくは、前記隔壁部材は車両の閉断面構造を成すカウルボックス部であり、同カウルボックス部に前記空間部が形成されても良い。この場合、カウルボックス部の内部空間を有効利用できる。
好ましくは、前記空間部は前記隔壁部材に同部を貫通するように取り付けられる枠部材により形成されることが良い。この場合、枠部材に形成された空間部の一方の開口より機器収納容器を差し込み収容でき、制御機能部の組み付け性がより向上すると共に、支持剛性を強化できる。
好ましくは、前記制御機能部は少なくとも前記エンジンルームと車室に配備される各車載用電子機器の制御機能部を統合してなるものが良い。この場合、電源配線や信号配線の単一化、軽量化、低コスト化をより促進できる。
好ましくは、前記制御機能部は前記エンジンを制御するエンジン制御ユニットと車体の電装部品を制御するボデー制御ユニットとで構成されても良い。この場合、複数の電子制御ユニットを用いていても、エンジンルームからの配線束をエンジンルームに向けた開口を通してエンジン制御ユニットに容易に接続でき、車室からの配線束を車室に向けた開口を通してボデー制御ユニットに容易に接続でき、配線作業性が良く、電源配線や信号配線の単一化、軽量化、低コスト化をより促進できる。
【0009】
特に、エンジンルーム側より延出するワイヤハーネスをそのコネクタが制御機能部に接続された上で、上蓋がケース本体に重ねられ、円筒前半部と円筒後半部とからなる円筒部内に容易に収納することができ、配線の接続作業性が向上する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の車載用電子機器の組付け構造において、前記機器収納容器の内部に配設される主部と同主部より屈曲し前記エンジンルームとの対向部に沿って延出する外部接続用端子片を有するバスバーを備えている。
この場合、外部接続用端子片をエンジンルームとの対向部に配置するので、作業性の良いエンジンルームとの対向部にヒューズ、リレー、コネクタ等の電子機器部品の取付け領域を容易に確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態としての車載用電子機器の組付け構造を装備した車両1を示した。車両1は車体前部にエンジンルーム2を、その後方に車室3及びトランク室4を順次設けており、エンジンルーム2と車室3とはダッシュボード5(図2参照)及びその上部に連続形成されるカウルトップ6とからなる隔壁部材で区分されている。
【0012】
隔壁部材としてのカウルトップ6の一部には後述する車載用機器の制御系の各主要部を統合して収容した機器収納容器7が装着される。
【0013】
図2、図3に示すように、カウルトップ6はアウタパネル601とインナーパネル602とで車幅方向Y(図2では紙面垂直方向)に長い閉空間eを形成しており,その一部に同部を前後方向Xに向けて貫通する矩形枠状の枠部材10を配備し、同枠部材10の前後端部をアウタ及びインナーの両パネル601、602に一体的に接合している。この枠部材10は内側にエンジンルーム2と車室3とに向けて両側が開口する空間部aを形成する。ここで空間部aの前側開口a1(図2では左側開口)は作業性の良いエンジンルーム2の上部空間bと対向し、後側開口a2(図2では右側開口)は図示しないインストルメントパネルの下部空間cと対向している。このような枠部材7の空間部aには機器収納容器7が前側開口a1より差し込まれ、嵌着され、後述の一対の取付けフランジ121が図示しない締め付けボルトでカウルトップ6の前壁に固定されている。
【0014】
機器収納容器7は図2、図3に示すように、同ケース本体8とその上部に重ねて一体化可能な上蓋9と、ケース本体8の前部との対向部に着脱可能なケースカバーとしての前カバー11とを備える。
【0015】
ケース本体8は前部が偏平した矩形筒状の前枠部12と、前枠部12の一側壁より斜め前方に下向きで延出形成された円筒前半部13と、前枠部12の後端側でエンジンルームとの対向部を形成する縦壁15と、前枠部12の後端縁下部より後方に延出する基枠部14とを備える。基枠部14の左右側縁には上蓋9の左右下端縁901が嵌合する前後方向に長い係合溝16がそれぞれ形成される。上蓋9は前後方向Xとの直交断面視が逆U字型を成す断面の蓋体であり、その前縁部には接合フランジ17が形成され、同接合フランジ17が前枠部12の後壁に形成される逆U字型の屈曲凹溝18に一様に当接可能に形成され、これにより後部開口q(図3参照)を形成した状態で基枠部14の上側域を閉鎖するように形成されている。なお、上蓋9はケース本体8に複数箇所で図示しないビス等の固定手段で締め付け可能に形成されている。
【0016】
上蓋9の前縁部でその一側部には同部より斜め前方に下向きで延出形成された円筒後半部19が形成される。ここで、円筒後半部19の前向きの切欠縁部は円筒前半部13の後向きの切欠縁部と接合することで、円筒部pを成すことが可能なように形成されている。この場合、接合フランジ17が屈曲凹溝18に一様に当接する位置で、円筒前半部13と円筒後半部19が当接でき、ここで形成された円筒部pには図示しない蛇腹状のグロメットが嵌着される。このグロメットは円筒部の内壁とここに嵌挿されたワイヤハーネスwとの隙間をシールすると共に円筒前半部13と円筒後半部19の接合隙間をも覆うことができる形状のものが使用される。
【0017】
前枠部12の矩形状の先端縁には全周ににわたり環状のシール材35が嵌め込み装着され、これに前カバー11の周縁部が一様に当接するように形成される。前枠部12の外周壁における2か所には弾性金属板片から成るクリップ部材36が装着され、前カバー11の周縁部がシール材35側に押圧された際に、各クリップ部材36のフック部361が弾性的に変形して前カバー11の周縁部を係止できる。
縦壁15はその前壁面であるエンジンルームとの対向部に複数のヒューズ21の取付け部dや、駆動回路用のフュージブルリンク22の取付け部gや、後述の接続端子42を装着し、その後壁面に後述のL型バスバー23の外部接続用端子片232を取り付けている。更に、場合により、この縦壁15の前壁面に図示しないワイヤハーネスに連結されたコネクタの接続部を配設しても良い。なおこの部位の電子機器部品である各ヒューズ21及びフュージブルリンク22は外部接続用端子片232側を電源配線とするように接続可能に形成されている。
【0018】
基枠部14は基枠本体141とその上側に重ねて接合される上基枠142とを備え、両者の中央部に前後方向Xに長い中央孔25を形成している。上基枠142は上面が凹凸して形成されており、ここには多数の電子部品の取付け部を形成している。このような上基枠142と下側の外枠を成す基枠本体141とは,中央孔25以外の部分で一体化され、厚板状を成している。中央孔25には電源配線の一部を成すL型の導電性金属棒からなるバスバー23が配設される。このL型バスバー23は前後方向Xに長い主部231と、その先端部より屈曲して縦壁15の後壁面に沿って上向きにしかも車幅方向Yに向けて伸びる外部接続用端子片232とで形成される。上基枠142の電子部品の取付け部には,後述する車載用機器の制御装置を成す統合ECU27や複数のリレー30、図示しない各種駆動回路やその他の電子機器が配備される。統合ECU27は上基枠143にビス止めされた中央回路基板28上に配備される。中央回路基板28の前端部であるエンジンルームとの対向部にはエンジンルーム2から延出してくるワイヤハーネス(配線束)wが配線導入部材としての前コネクタ29を介して接続され、後端部である車室との対向部には車室3から延出してくるワイヤハーネス(配線束)wが配線導入部材としての後コネクタ31を介して接続される。
【0019】
ここで、前後のコネクタ29、31はそれぞれの配線側半部291、311がワイヤハーネスwに結合された状態で機器収納容器7内に引き込まれ、基板側半部292、312に差し込み結合される。特に、エンジンルーム2からのワイヤハーネスwは上蓋9の取付け前に機器収納容器7内に引き込まれ、コネクタ29の結合が成された上で上蓋9がケース本体8に重ねられ、ワイヤハーネス(配線束)wが円筒前半部13と円筒後半部19からなる円筒部p内に収納された状態で一体化される。なお、車室3からのワイヤハーネスwは機器収納容器7がカウルトップ6の枠部材8の空間部aに装着された後に図示しないインストルメントパネルの下部空間c側より後部開口qを通して差し込み結合されることとなる。
【0020】
エンジンルーム2からのワイヤハーネス(配線束)w内には電源としてのバッテリ33からの電源配線34が含まれ、同電源配線34はコネクタ29通過後L型バスバー23に接続される。L型バスバー23はその内の主部231側が上基枠142上に配備される統合ECU27や複数のリレー30、図示しない各種駆動回路やその他の電子機器の共通した電源配線として機能するように配線され、外部接続用端子片232側が縦壁15上の複数のヒューズ21やフュージブルリンク22の共通した電源配線として機能するように配線されている。
【0021】
車両1は図示しないエンジン及び駆動力伝達系や、図示しないサスペンション系、制動系、ボデー構成部材系、照明系、空調及び内装系、等の多種の車載用機器を装備する。これら車載用機器の制御装置は車載用電子機器で形成され、この車両1にはエンジン制御装置36、変速機制御装置37、ドアロック制御装置38、照明機器制御装置39、空調及び内装機器制御装置41がそれぞれ配設されている。この車両1ではこれら車載用機器の制御機能部を統合して機器収納容器7内に収容し、各種車載用機器の状態検出用センサ及び車載用機器の駆動操作用アクチュエータを車体各部に分散配備するようにしている。
【0022】
図5に示すように、統合ECU27はエンジン制御装置36のエンジン制御部A1、変速機制御装置37の変速機制御部A2、ドアロック制御装置38のドアロック制御部A3、照明機器制御装置39の照明制御部A4、空調及び内装機器制御装置41の空調、内装機器制御部A5としての各制御機能を備える。しかも、統合ECU27はその他の制御プログラムの書き込み用の接続端子42を縦壁15に取り付けており、その他の車載用機器の制御機能を追加可能に構成されている。
【0023】
ここで、エンジン制御装置36のエンジン制御部A1はエンジン運転用の複数のセンサS1、たとえばスロットル開度センサ、エンジン回転数センサ、冷却水の水温センサ等を用いて点火、燃料供給、排ガス浄化等の制御目標値を演算し、その目標値を達成すべく、エンジン駆動用アクチュエータac1である、たとえばスロットル駆動モータ、アイドルスピード制御用のステップモータ、EGRバルブ制御用の電磁弁等をリレーやスイッチ内蔵のエンジン駆動回路dc1を介して駆動制御する。
変速制御装置37の変速制御部A2は変速段検出用のセンサS2、たとえばインヒビタスイッチを用いて目標変速段を演算し、目標変速段を達成すべく、変速用アクチュエータac2である、たとえばシフトコントロールバルブ等を変速機駆動回路dc2を介して駆動制御する。
【0024】
ドアロック制御装置38のドアロック制御部A3はドア制御用センサS3、たとえば各ドアのドアロック指令スイッチ、各ドアのドアロック検出スイッチ、キーレススイッチの切り換え信号検出用のキーレスアンテナ(図2、3の符号ant.参照)を用いて目標ドアロック状態を判断し、目標ドアロック状態を達成すべく,各ドアロック用アクチュエータac3である、たとえばソレノイド弁等をドアロック駆動回路dc3を介して駆動制御する。
照明機器制御装置39の照明制御部A4は照明用センサS4、たとえばコンビスイッチ、照度センサ等を用いて目標照明状態を判断し、目標状態を達成すべく、車体各部の照明灯用アクチュエータac4である照明用リレー等を照明回路dc4を介して駆動制御する。
【0025】
空調及び内装機器制御装置41の空調,内装機器制御部A5は空調及び内装用の各種のセンサS5を用いて目標制御状態を判断し、目標制御状態を達成すべく、空調器や内装機器であるシート位置調整機の各アクチュエータac5等を空調、内装機器駆動回路dc5を介して駆動制御する。
このような各制御機能部を統合して備える統合ECU27の電源配線、及び各機器駆動回路dc1〜dc5の電源配線はそれぞれヒューズf0〜f5を介してL型バスバー23の主部に接続される。なお、外部接続用端子片232には縦壁15側の複数のヒューズ21やフュージブルリンク22が接続されている。
【0026】
図1の車両1の車載用電子機器の組付け構造では、エンジン制御装置36及び変速機制御装置37側のセンサS1,S2及びアクチュエータac1,ac2の信号配線及び電源配線34がエンジンルーム2側より延出し、前側のワイヤハーネスwとして束ねられた上で前コネクタ29で統合ECU27に接続され、ドアロック制御装置38、照明機器制御装置39及び空調、内装機器制御装置41側のセンサS3,S4、S5及びアクチュエータac3,ac4、ac5の配線が車室3側より延出し、後側のワイヤハーネスwとして束ねられ上で後コネクタ31で統合ECU27に接続される。
【0027】
このため、図1の車載用電子機器の組付け構造は複数の制御機能部を成す統合ECU27を機器収納容器7に収納し、これをカウルトップ6に形成された空間部aに差し込み収容でき、全制御機能部(統合ECU27)の組み付け性が向上する。しかもエンジンルーム2と車室3とからの両ワイヤハーネスwを機器収納容器7のエンジンルームと車室との各対向部側の円筒部pや後部開口qを通して制御機能部に接続でき、配線の接続作業性が向上する。さらに、各制御機能部毎に電源やセンサ類より機器収納容器7に達するまでの各配線をそれぞれ設けることがなく、単一化して機器収納容器7内に引込みでき、これらを機器収納容器7内で分岐して各電子機器に接続でき、無駄な重複配線や迂回配線を排除でき、配線作業性が良く、低コスト化を図れる。特にここではL型バスバー23が電源配線の単一化に寄与できた。しかも、L型バスバー23はその主部231より屈曲し延出する外部接続用端子片232が縦壁15の前面側に配置されるヒューズ、リレー等の電源回路を構成でき、エンジンルーム2との対向部に位置する作業性の良い縦壁15にヒューズ、リレー等の電子機器部品の取付け領域を容易に確保できる。
【0028】
一対の配線導入部材である前後コネクタ29、31を、機器収納容器7のエンジンルーム2と車室3との各対向部である中央回路基板28の前後端部にそれぞれ取り付けたので、エンジンルーム2と車室3のセンサやアクチュエータからそれぞれ延出する配線束を前後コネクタ29、31を介して各車載用電子機器の制御機能部に容易に接続でき、接続作業性が向上する。
カウルボックス6の閉空間eを有効利用して機器収納容器7を収容する枠部材8を取付けたので、機器収納容器7を空間部aの前方の開口a1より差し込み、締め付け固定でき、機器収納容器7の組み付け性がより向上すると共に、支持剛性を強化できる。
機器収納容器7内にヒューズ、リレー等も収容することより、各電子機器の間を接続する配線をより短縮や排除でき、ダブリ配線を排除できこの点でも配線スペース確保の容易化や低コスト化を図れる。更に、前カバー11を前方より開放操作してエンジンルームとの対向部の縦壁15のヒューズ、リレー等の交換作業を容易に行える。
【0029】
図1の車載用電子機器の組付け構造では機器収納容器7内の中央回路基板28上に全制御機能部を成す単一の制御ユニットである統合ECU27を設けていたが、これに代えて、図6、図7に示すように、全制御機能部を2つの制御ユニットに分けて配備した構成を採っても良い。この場合、機器収納容器7aはその上基枠142a上に第1,第2回路基板46,47を備え、上基枠142aの下部にL型バスバー23aを備える。第1回路基板46にエンジン制御装置36及び変速機制御装置37側の制御機能部を成すエンジン制御ユニット(エンジンECU)43が配備され、第2回路基板47にドアロック制御装置38、照明機器制御装置39、空調及び内装機器制御装置41側の制御機能部を成すボデー制御ユニット(ボデーECU)44とが配備される。第1回路基板46の前部であるエンジンルームとの対向部には前コネクタ29の配線側半部291がワイヤハーネスwに結合された状態で機器収納容器7a内に円筒部pを通して引き込まれ、基板側半部292に差し込み結合され,第2回路基板47の後部である車室との対向部には後コネクタ31の配線側半部311がワイヤハーネスwに結合された状態で後部開口qより機器収納容器7a内に引き込まれ、基板側半部312に差し込み結合される。図7に示すように、L型バスバー23aは両制御ユニット43、44にそれぞれヒューズf0a,f0a’を介して接続され,その他の構成は図1の装置とほぼ同様に形成され、ここでは同一部位には同一符号を付し、関連する部材には符号aを追加付記し、重複説明を略した。
【0030】
この場合、統合ECUを用いず、エンジンルーム側の制御機能部をエンジン制御ユニット(エンジンECU)43に、車室側の制御機能部をボデー制御ユニット(ボデーECU)44に搭載した。このため、エンジンルーム2から延出するワイヤハーネスwを円筒部pを通してエンジン制御ユニット43に容易に接続でき、車室3から延出するワイヤハーネスwを後部開口q(図3参照)を通してボデー制御ユニット44に容易に接続でき、この場合も配線作業性が良く、電源配線(バスバー)や信号配線の単一化、軽量化、低コスト化を促進できる。しかも、2つの電子制御ユニット43,44を用いて制御でき、各制御ユニットの制御プログラムを比較的簡素化できる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、隔壁部材に形成された空間部に各車載用電子機器の制御機能部を組み込んだ機器収納容器を差し込み収容できる。特に、隔壁部材は車両の閉断面構造を成すので、その内部空間を有効利用できる。更に、空間部には機器収納容器がエンジンルーム側の開口より差し込まれ、嵌着され、隔壁部材の前壁に締め付け固定されるので、作業性の良いエンジンルーム上部からの組み付け作業ができる。しかもエンジンルームと車室とからの配線束を機器収納容器のエンジンルームと車室との各対向部を通して機器収納容器内の制御機能部に容易に導入し接続でき、配線の接続作業性が向上する。さらに、電源やセンサ類より機器収納容器に達するまでの電源配線や各信号配線を単一化して機器収納容器内に引込み、これらを機器収納容器内で分岐して各車載用電子機器の制御機能部にそれぞれ接続することができ、電源配線や信号配線を統合して共用化でき、たとえば機器収納容器内に配備するバスバーの単一化を行え、無駄な重複配線や迂回配線を排除でき、配線作業性が良く、低コスト化を図れる。
【0032】
特に、エンジンルーム側より延出するワイヤハーネスをそのコネクタが制御機能部に接続された上で、上蓋がケース本体に重ねられ、円筒前半部と円筒後半部とからなる円筒部内に容易に収納することができ、配線の接続作業性が向上する。
【0033】
請求項2の発明は、外部接続用端子片を有するバスバーを備えているので、外部接続用端子片に接続されるコネクタやヒューズ、リレー等をエンジンルームとの対向部に配置するスペースを容易に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車載用電子機器の組付け構造を取り付けた車両の要部概略構成図である。
【図2】図1の車載用電子機器の組付け構造で用いる機器収納容器の拡大側断面図である。
【図3】図1の車載用電子機器の組付け構造で用いる機器収納容器の拡大平断面図である。
【図4】図1の車載用電子機器の組付け構造で用いる機器収納容器の正面図である。
【図5】図1の機器収納容器内の統合ECUの機能ブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態としての車載用電子機器の組付け構造で用いる機器収納容器の切欠平断面図である。
【図7】図6の機器収納容器内の統合ECUの機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 エンジンルーム
3 車室
6 隔壁部材(カウルトップ)
7 機器収納容器
11 前カバー(ケースカバー)
23 L型バスバー
232 外部接続用端子片
27 統合ECU
29 前コネクタ
31 後コネクタ
a 空間部
A1〜A5 制御機能部
Claims (2)
- エンジンルームと車室とを区分し車幅方向に長い閉空間を有する隔壁部材に形成され、同エンジンルームと車室とに向けて両側が開口する空間部と、
前記空間部に収容され、少なくとも前記エンジンルームと車室に配備される各車載用電子機器の制御機能部を組み込んだ機器収納容器と、を具備し、
前記機器収納容器は前記エンジンルームと対向する前枠部及び同前枠部の後端縁下部より後方に延出する基枠部を有したケース本体と、ケース本体の上部に重ねて一体化可能な上蓋と、前記前枠部に着脱可能な前カバーとを備え、且つ、前記機器収納容器は前記空間部の前側開口より差し込まれ隔壁部材の前壁に締め付け固定され、
前記前枠部の一側壁より斜め前方に下向きで延出形成された円筒前半部と、前記上蓋の前縁部でその一側部より斜め前方に下向きで延出形成され前記円筒前半部の後向きの切欠縁部と接合することで円筒部を形成する円筒後半部とを備え、
前記エンジンルームからのワイヤハーネスを前記円筒部を通して前記制御機能部に接続したことを特徴とする車載用電子機器の組付け構造。 - 請求項1記載の車載用電子機器の組付け構造において、
前記機器収納容器の内部に配設される主部と同主部より屈曲しエンジンルームとの対向部に沿って延出する外部接続用端子片とを有するバスバーを備えたことを特徴とする車載用電子機器の組付け構造。
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