JP4482305B2 - トリクロロボラジン化合物の製造方法およびアルキルボラジン化合物の製造方法 - Google Patents

トリクロロボラジン化合物の製造方法およびアルキルボラジン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トリクロロボラジン化合物およびアルキルボラジン化合物の製造方法に関する。本発明の製造方法によって製造される化合物は、例えば半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層を形成するために用いられる。
情報機器の高性能化に伴い、LSIのデザインルールは、年々微細になっている。微細なデザインルールのLSI製造においては、LSIを構成する材料も高性能で、微細なLSI上でも機能を果たすものでなければならない。
例えば、LSI中の層間絶縁膜に用いられる材料に関していえば、高い誘電率は信号遅延の原因となる。微細なLSIにおいては、この信号遅延の影響が特に大きい。このため、層間絶縁膜として用いられ得る、新たな低誘電材料の開発が所望されていた。また、層間絶縁膜として使用されるためには、誘電率が低いだけでなく、耐湿性、耐熱性、機械的強度などの特性にも優れている必要がある。
かような要望に応えるものとして、分子内にボラジン環骨格を有するボラジン環含有化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ボラジン環骨格を有する化合物は分子分極率が小さいため、形成される被膜は低誘電率である。その上、形成される被膜は、耐熱性にも優れる。
ボラジン環含有化合物としては、これまでに種々の化合物が提案されている。例えば、ホウ素部位がアルキル基で置換されたアルキルボラジン化合物は、低誘電材料として非常に優れた特性を有する(例えば、特許文献2参照)。ホウ素部位がアルキル基で置換されたアルキルボラジン化合物は、出発物質としてB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリアルキルボラジンなどのトリクロロボラジン化合物を用い、グリニャール試薬を用いて該化合物の塩素原子をアルキル基で置換することによって合成されうる(例えば、非特許文献1参照)。
出発物質として用いられるトリクロロボラジン化合物は、下記式に示すように、三塩化ホウ素とアミン化合物とを反応させることによって、合成されうる(例えば、非特許文献2参照)。式中、Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
Figure 0004482305
合成されたトリクロロボラジン化合物は、合成後、使用用途に応じて精製される。精製法としては、昇華精製が知られている。昇華精製は、化合物固有の昇華温度の差を利用して、混合物を分離する手法である。しかしながら、昇華精製を用いた精製は非常に時間がかかり、工業的に適用しづらい。
特開2000−340689号公報 特開2003−119289号公報 D.T.HAWORTH and L.F.HOHNSTEDT,J.Am.Chem.Soc.,82,3860(1960) D.T.HAWORTH,Inorganic Syntheses,10,43(1971)
本発明の目的は、合成されたトリクロロボラジン化合物を、効率的に精製する手段を提供することである。
本発明は、溶媒中において、三塩化ホウ素と、化学式1:
Figure 0004482305
(式中、 は水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
で表されるアミン化合物とを反応させて、化学式2:
Figure 0004482305
(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基である)
で表されるトリクロロボラジン化合物を生成させる段階と、反応溶液を濾過して濾液を得る段階と、前記濾液から溶媒を留去して、前記トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階と、を含み、濾過される際の前記反応溶液の温度は、0℃以上30℃未満である、トリクロロボラジン化合物の製造方法である。
また、本発明は、得られたトリクロロボラジン化合物とグリニャール試薬とを反応させる段階を含む、アルキルボラジン化合物の製造方法である。
本発明においては、合成されたトリクロロボラジン化合物を含む反応溶液が濾過され、その濾液から溶媒が留去される。このような精製は非常に効率が良く、工業的に応用する上で適している。
本発明の第1は、溶媒中において、三塩化ホウ素と、化学式1:
Figure 0004482305
(式中、 は水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
で表されるアミン化合物とを反応させて、化学式2:
Figure 0004482305
(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基である)
で表されるトリクロロボラジン化合物を生成させる段階と、反応溶液を濾過して濾液を得る段階と、前記濾液から溶媒を留去して、前記トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階と、を含み、濾過される際の前記反応溶液の温度は、0℃以上30℃未満である、トリクロロボラジン化合物の製造方法である。
また、本発明は、得られたトリクロロボラジン化合物とグリニャール試薬とを反応させる段階を含む、アルキルボラジン化合物の製造方法である。
昇華精製を用いると、高い純度のトリクロロボラジン化合物を得ることが可能である。しかし、昇華精製のみを用いて精製を行うと、多大な手間および長時間を要する。その上、トリクロロボラジン化合物は、水との反応性が非常に高いため、精製されたトリクロロボラジン化合物が大気と接触すると、分解反応が進行してしまう。大気中の水との接触を防止する観点からは、精製装置および単離されたトリクロロボラジン化合物を窒素やアルゴンといった不活性ガスで覆ってもよい。しかしながら、工業的な生産を考慮すると、コスト的に折り合わない。
一方、反応溶液を濾過して、沈殿した不純物を予め除去し、その後、留去する本発明の方法は、手間がかからず、処理時間も昇華精製に比べて短時間で済む。また、溶媒を留去する方法であれば、トリクロロボラジン化合物が使用される直前に、留去するなどの処理が講じやすい。かような手法を講じることによって、トリクロロボラジン化合物と大気中の水との接触による、トリクロロボラジン化合物の分解が抑制される。場合によっては、ある程度溶媒を留去して反応溶液の体積を減少させ、その後、使用直前に溶媒を完全に留去するなどの処理を適用することも可能である。
ただし、本発明は、昇華精製の適用を完全に除外するわけではない。溶媒の留去によって得られたトリクロロボラジン化合物からなる固形物の純度を更に高めるために、この固形物に対して、昇華精製を適用してもよい。濾過、溶媒の留去、および昇華精製を組み合わせても、昇華精製のみを適用する場合と比較すれば、精製に要する時間および手間が大きく削減されうる。
次に、本発明の第1について、詳細に説明する。
まず、原料として用いられる三塩化ホウ素および化学式1で表されるアミン化合物を準備する。
三塩化ホウ素(BCl)は、その純度や入手経路などに関して、特に限定されない。市販されている製品を利用してもよいし、場合によっては、自己で合成してもよい。
本願において、「アミン化合物」とは、特段の断りのない限り、化学式1で表される化合物を意味する。
Figure 0004482305
化学式1で表されるアミン化合物において、Rは、水素原子またはアルキル基である。最終的に形成されるボラジン化合物の物性などを考慮すると、好ましくは、Rはアルキル基である。アルキル基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよい。アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1個である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基が用いられてもよい。
化学式1において、Xはハロゲン原子、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。原料の入手しやすさや、反応性の高さを考慮すると、好ましくは、Xは塩素原子である。
アミン化合物は、Rが水素原子である場合には、ハロゲン化アンモニウムである。ハロゲン化アンモニウムとしては、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、およびヨウ化アンモニウムが挙げられる。
アミン化合物は、Rがアルキル基である場合には、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムである。ハロゲン化モノアルキルアンモニウムは、モノアルキルアミン(RNH)を塩酸、臭化水素酸などの酸によって処理することによって得られる。ハロゲン化モノアルキルアンモニウムとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノ(n−プロピル)アミン、モノ(iso−プロピル)アミン、モノ(n−ブチル)アミン、モノ(sec−ブチル)アミン、モノ(iso−ブチル)アミン、モノ(tert−ブチル)アミン、モノ(1−メチルブチル)アミン、モノ(2−メチルブチル)アミン、モノ(neo−ペンチル)アミン、モノ(1,2−ジメチルプロピル)アミン、モノ(1−エチルプロピル)アミン、モノ(n−ヘキシル)アミン、モノシクロヘキシルアミン等のモノアルキルアミンの、塩酸塩およびシュウ酸塩が挙げられる。具体例としては、モノメチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、モノプロピルアミン塩酸塩、モノメチルアミンシュウ酸塩などが挙げられる。ただし、ハロゲン化モノアルキルアンモニウムは、これらに限定されない。
アミン化合物も、その純度や入手経路などに関して、特に限定されない。市販されている製品を利用してもよいし、場合によっては、自己で合成してもよい。
三塩化ホウ素とアミン化合物との反応に際しては、2種以上のアミン化合物が用いられてもよい。反応溶液中に2種以上のアミン化合物が添加された場合、2種以上のトリクロロボラジン化合物が形成されうる。単一のトリクロロボラジンを、高い収率で得ることを所望するのであれば、1種のアミン化合物を用いればよい。例えば、Rが水素原子であるアミン化合物のみを用いれば、化学式2中の全てのRが水素原子であるトリクロロボラジン化合物が合成される。また、Rが所定のアルキル基であるアミン化合物のみを用いれば、化学式2中の全てのRが所定のアルキル基であるトリクロロボラジン化合物が合成される。
三塩化ホウ素とアミン化合物との反応は、溶媒中に懸濁させたアミン化合物に、三塩化ホウ素を添加する態様が好ましい。以下の説明においては、このような実施態様を用いてトリクロロボラジン化合物を製造する方法について説明するが、三塩化ホウ素とアミン化合物とが反応し、トリクロロボラジン化合物が形成されるのであれば、他の態様を採用してもよい。ただし、その場合には、三塩化ホウ素の融点および沸点が、それぞれ−107℃および12.5℃と非常に低い点に留意すべきである。
まず、アミン化合物を所定の溶媒と混合する。溶媒は、三塩化ホウ素が少なくとも溶解し、反応温度以上の沸点を有する溶媒であれば、特に制限はない。反応後の蒸留精製を考慮すると、製造されるトリクロロボラジン化合物が溶解する溶媒を用いることが好ましい。溶媒の具体例としては、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
反応溶液周辺の雰囲気については、特に限定されないが、好ましくは窒素やアルゴンといった不活性ガスで、反応溶液周辺の雰囲気が置換される。
溶媒中にアミン化合物を懸濁させたら、溶液を反応温度近傍にまで加熱する。反応温度は、用いるアミン化合物や溶媒によって多少変更してもよいが、通常は、125〜145℃である。
溶液を反応温度近傍にまで上昇させたら、三塩化ホウ素を反応系に添加する。三塩化ホウ素は融点および沸点が非常に低いため、コンデンサーなどを用いて液化させてから、反応系中に添加するとよい。また、添加は、一度に三塩化ホウ素の全量を添加するのではなく、徐々に滴下するとよい。滴下に要する時間は、特に限定されないが、一般的には5〜20時間程度である。徐々に滴下させた場合には、低温の三塩化ホウ素を添加することによって、反応用液の温度が大きく低下することが防止されうる。
三塩化ホウ素が添加された反応溶液を反応温度で保持することによって、アミン化合物と三塩化ホウ素との反応が進行する。
反応温度は、特に限定されないが、通常は125〜145℃程度である。反応中は、反応溶液が撹拌されることが好ましい。トリクロロボラジン化合物の合成反応を進行させる時間は、使用している原料の量や反応温度などによって影響されるため、一義的には決定されない。通常は、反応時間は、20〜80時間程度である。
合成されるトリクロロボラジン化合物は、化学式2で表される化合物である。本願において「トリクロロボラジン化合物」とは、特段の断りのない限り、化学式2で表される化合物を意味する。
Figure 0004482305
は、Rに由来する基であり、水素原子またはアルキル基である。Rは、同一であっても異なっていてもよい。2種以上のアミン化合物が原料として用いられる場合には、トリクロロボラジン化合物中のRは異なりうる。半導体材料へ適用された場合の物性を考慮すると、Rは好ましくはアルキル基である。また、合成反応の収率や取り扱いの容易性を考慮すると、Rは好ましくは同一のアルキル基である。即ち、好ましいトリクロロボラジン化合物としては、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンである。B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリエチルボラジンとしては、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(n−ブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(sec−ブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(iso−ブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(tert−ブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(1−メチルブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(2−メチルブチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(neo−ペンチル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(1−エチルプロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリ(n−ヘキシル)ボラジン、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリシクロヘキシルボラジンが挙げられる。
三塩化ホウ素、およびアミン化合物の使用量は、反応系の大きさに応じて決定されればよい。一般的な基準を例示すれば、用いられる三塩化ホウ素とアミン化合物とのモル比は、三塩化ホウ素:アミン化合物=1:1〜1:1.5である。溶媒の量は、溶媒の種類にもよるが、通常は、アミン化合物に対して100〜1000質量%である。
トリクロロボラジン化合物の合成反応が終了した後は、反応溶液を濾過して、沈殿物を除去する。反応溶液の濾過については、濾過に関する一般的な知見が用いられうる。例えば、濾過時間を短縮させるために、吸引濾過や加圧濾過が適用されうる。また、トリクロロボラジン化合物の収率を向上させるためには、沈殿物が付着した濾紙を洗浄し、濾紙に残存するトリクロロボラジン化合物を回収してもよい。
沈殿物を除去するために行われる濾過の際には、反応溶液の温度が、好ましくは0℃以上30℃未満、より好ましくは15℃以上30℃未満である。三塩化ホウ素とアミン化合物との反応は、前述のように、100℃以上もの高温で進行する。しかしながら、濾過される反応溶液が高温であると、目的物であるトリクロロボラジン化合物以外の不純物も反応溶液中に溶解し、濾過による純度向上が不十分となる虞がある。反応溶液の温度を低下させ、反応生成物以外の化合物を沈殿として析出させた後に、反応溶液を濾過することによって、得られるトリクロロボラジン化合物の純度を効果的に向上させうる。ただし、反応溶液の温度を低下させすぎると、結露により反応溶液および濾液中に水が混入し、トリクロロボラジン化合物が水によって分解する虞がある。これらを考慮すると、濾過時の反応溶液の温度は、好ましくは0℃以上30℃未満、より好ましくは15℃以上30℃未満である。
続いて、トリクロロボラジン化合物を含む濾液から溶媒を留去して、トリクロロボラジンからなる固形物を得る。留去方法は、溶媒の揮発性に応じて選択すればよい。例えば、トリクロロボラジン化合物を含む反応溶液を加熱して、反応溶液周辺を減圧することにより、溶媒が留去されうる。
「固形物」とは、濾液から実質的に溶媒が除去された後に生じる、トリクロロボラジンを主として含む固体を意味する。形状は特に限定されない。固形物は、粉末であってもよいし、ある程度の大きさの塊であってもよい。
反応溶液の濾過および留去によって得られるトリクロロボラジン化合物からなる固形物は、高純度であるが、使用用途によっては、より高純度のトリクロロボラジン化合物が必要となることもある。そのような場合には、トリクロロボラジン化合物からなる固形物について、昇華精製してもよい。昇華精製すると、手間および時間がかかるが、反応溶液の濾過および留去の後であれば、必要な手間および時間が少ない。つまり、濾過および留去をせずに昇華精製する場合と比較して、精製に要するトータルの手間および時間は削減されうる。
昇華精製の装置や条件は、特に限定されない。公知の知見に基づき、実施に適した昇華精製装置を作製または購入して、トリクロロボラジン化合物を精製すればよい。
次に、本発明の第2について説明する。本発明の第2は、本発明の第1の製造方法によって製造されたトリクロロボラジン化合物と、グリニャール試薬とを反応させて、ホウ素部位をアルキル基で置換することにより、アルキルボラジン化合物を製造する方法に関する。即ち、本発明の第2は、溶媒中において、三塩化ホウ素と、化学式1:
Figure 0004482305
(式中、Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
で表されるアミン化合物とを反応させて、化学式2:
Figure 0004482305
(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
で表されるトリクロロボラジン化合物を生成させる段階と、反応溶液を濾過して濾液を得る段階と、前記濾液から溶媒を留去して、前記トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階と、前記トリクロロボラジン化合物とグリニャール試薬とを反応させて、化学式3:
Figure 0004482305
(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基であり、Rは、同一または異なっていてもよく、アルキル基である)
で表されるアルキルボラジン化合物を得る段階とを含む、アルキルボラジン化合物の製造方法である。なお、アルキルボラジン化合物の製造方法のうち、トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階までは、本発明の第1と同様であるので、説明を省略する。
精製されたアルキルボラジン化合物は、グリニャール試薬と混合されるが、前述したように、アルキルボラジン化合物は、水分と反応し、分解しやすい性質を有する。このため、精製されたトリクロロボラジン化合物が大気と触れると、トリクロロボラジン化合物が分解する虞がある。この問題を解決するためには、トリクロロボラジン化合物と大気中の水とが接触しないように、措置を講じることが好ましい。トリクロロボラジン化合物と大気中の水との接触を抑制する手段としては、(1)周辺の雰囲気を不活性ガスで置換する、(2)トリクロロボラジン化合物の固形物の存在時間を短くする、などの手段が考えられる。ただし、手段(1)は、設備コストの増大を招くため、窒素置換する部分を極力小さくするべきである。
手段(2)は、溶媒の留去を、トリクロロボラジン化合物の他の用途への使用直前に行えばよいだけであるため、簡便である。例えば、トリクロロボラジン化合物の合成反応および濾過が終了した後、濾液をグリニャール反応が進行する容器に供給し、その後、濾液の溶媒を留去すればよい。つまり、濾液の溶媒が、グリニャール反応を進行させる容器において留去される。
手段(1)および手段(2)を併用してもよい。例えば、トリクロロボラジン化合物の合成反応および濾過が終了した後、濾液を、グリニャール反応が進行する容器に供給する。そして、濾液の溶媒の留去が、不活性ガス雰囲気下で行われる。不活性ガスで雰囲気を置換するタイミングは特に限定されない。濾液が反応容器内に供給される前に反応容器内部が不活性ガスで置換されてもよいし、濾液が反応容器内に供給された後に反応容器内部が不活性ガスで置換されてもよい。
これらの手法を講じることによって、トリクロロボラジン化合物と大気中の水との接触による、トリクロロボラジン化合物の分解が抑制される。
ただし、トリクロロボラジン化合物が、大気中の水によって分解しづらい、または、問題とならないのであれば、特別の措置を講じなくてもよい。例えば、昇華精製によって得られた粉末状の高純度のトリクロロボラジン化合物は、大気と触れると分解して純度が低下する虞があるが、分解量が許容範囲内であれば、昇華精製が用いられてもよい。
トリクロロボラジン化合物とグリニャール試薬との反応により、トリクロロボラジン化合物の塩素原子を、アルキル基で置換する反応は、非特許文献1などに開示されている通り公知の反応であるので、以下簡単に説明する。
MgX(Rはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)型に代表されるグリニャール試薬によって引き起こされるグリニャール反応は、所定の化合物に含まれるハロゲン原子をグリニャール試薬に含まれるアルキル基で置換する。トリクロロボラジン化合物に関して言えば、ホウ素に直接結合している塩素原子が、グリニャール試薬に含まれるアルキル基で置換される。
グリニャール試薬としては、CHMgI、CHCHMgBr、CHCHCHMgIなど、種々のグリニャール試薬が用いられうる。グリニャール試薬は、これらに限定されないことは勿論である。
グリニャール試薬とトリクロロボラジン化合物との反応条件は、特に限定されない。例えば、窒素雰囲気下、所定のトリクロロボラジン化合物および溶媒としてのジエチルエーテルを反応容器に供給する。反応溶液を撹拌しながら、反応溶液にグリニャール試薬であるCHMgIを徐々に滴下する。理論上の必要量をやや上回る量のグリニャール試薬を滴下し、さらに1時間、反応溶液を撹拌する。
製造されるアルキルボラジン化合物は、化学式3で表される構造を有する。なお、本願において「アルキルボラジン化合物」とは、特段の断りのない限り、化学式3で表される化合物を意味する。
Figure 0004482305
は化学式2について説明した通り、化学式1のRに由来する基であり、水素原子またはアルキル基である。2種以上のアミン化合物が用いられる場合には、アルキルボラジン化合物中のRは異なっていてもよい。Rについては、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
はグリニャール試薬に起因するアルキル基である。グリニャール試薬が、RMgXで表される場合には、RはRに由来する。アルキルボラジン化合物の構造については、特に限定されないが、半導体材料として使用された際の物性を考慮すると、好ましくはRおよびRはいずれもアルキル基である。つまり、アルキルボラジン化合物は、好ましくは、ヘキサアルキルボラジンである。
ヘキサアルキルボラジンの具体例としては、ヘキサメチルボラジン、ヘキサエチルボラジン、ヘキサ(n−プロピル)ボラジン、ヘキサ(iso−プロピル)ボラジン、ヘキサ(n−ブチル)ボラジン、ヘキサ(sec−ブチル)ボラジン、ヘキサ(iso−ブチル)ボラジン、ヘキサ(tert−ブチル)ボラジン、ヘキサ(1−メチルブチル)ボラジン、ヘキサ(2−メチルブチル)ボラジン、ヘキサ(neo−ペンチル)ボラジン、ヘキサ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、ヘキサ(1−エチルプロピル)ボラジン、ヘキサ(n−ヘキシル)ボラジン、ヘキサシクロヘキシルボラジン、B,B’,B”−トリメチル−N,N’,N”−トリエチルボラジン、B,B’,B”−トリメチル−N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリメチル−N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリエチル−N,N’,N”−トリメチルボラジン、B,B’,B”−トリメチル−N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリメチル−N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、B,B’,B”−トリ(iso−プロピル)−N,N’,N”−トリメチルボラジン、B,B’,B”−トリ(iso−プロピル)−N,N’,N”−トリエチルボラジンなどが挙げられる。
製造されたアルキルボラジン化合物は、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層などの形成に用いられうる。その際には、アルキルボラジン化合物が用いられてもよいし、アルキルボラジン化合物に改変を加えた化合物が用いられてもよい。アルキルボラジン化合物またはアルキルボラジン化合物の誘導体を重合させた重合体を、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層の原料として用いてもよい。
重合体は、ボラジン環骨格を有する化合物をモノマーとして用いて形成されうる。重合方法や重合形態は特に限定されない。重合方法は、ボラジン環に結合している官能基によって、選択される。例えば、アミノ基が結合している場合には、縮重合によって重合体が合成されうる。ボラジン環にビニル基またはビニル基を含む官能基が結合している場合には、重合開始剤を用いたラジカル重合によって、重合体が形成されうる。重合体は、ホモポリマーであってよく、2以上のモノマーユニットからなる共重合体であってもよい。共重合体の形態は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などのいずれでもよい。他のモノマーと結合を形成しうる官能基を3つ以上有するモノマーを用いれば、モノマーがネットワーク状に結合した重合体を得ることも可能である。
続いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成する方法について説明する。なお、以下の説明においては、「アルキルボラジン化合物」、「アルキルボラジン化合物の誘導体」および「これらに起因する重合体」をまとめて、「ボラジン環含有化合物」と称する。
ボラジン環含有化合物を用いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成するには、ボラジン環含有化合物を含む溶液状またはスラリー状の組成物を調製し、これを塗布することによって、塗膜を形成する手法が用いられうる。その際に用いられる、ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒は、ボラジン環含有化合物や、必要に応じて添加される他の成分を溶解し得るものであれば特に制限されない。溶媒としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジグライム、テトラグライムなどが用いられ得る。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。スピンコーティングを用いて成膜する場合には、ジグライムが好ましい。ジグライムまたはその誘導体を溶媒として用いると、製造される膜の均一性が向上する。また、膜の白濁が防止されうる。ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒の使用量は、特に制限されるべきものではなく、低誘電材料の製造手段に応じて決定すればよい。例えば、スピンコーティングにより成膜する場合には、スピンコーティングに適した粘度になるよう、溶媒および溶媒量を決定すればよい。
ボラジン環含有化合物を含む組成物は、所望する部位に供給され、乾燥することにより、固化される。例えば、半導体用層間絶縁膜を形成するには、スピンコーティングにより、基板上に塗布し、乾燥させればよい。一度のコーティングおよび乾燥では所望する厚さの被膜が得られない場合には、コーティングおよび乾燥を、所望の厚さになるまで繰り返しても良い。スピンコーターの回転数、乾燥温度および乾燥時間などの成膜条件は、特に限定されない。
基板への塗布は、スピンコーティング以外の手法を用いてもよい。例えば、スプレーコーティング、ディップコーティングなどが用いられ得る。
その後、塗膜を乾燥する。塗膜の乾燥温度は、通常、100〜250℃程度である。ここでいう乾燥温度とは、乾燥処理をする際の温度の最高温度を意味する。例えば、乾燥温度を徐々に上昇させ、100℃で30分維持し、その後、冷却した場合の乾燥温度は100℃である。焼成温度は熱電対を用いて測定されうる。乾燥した被膜の乾燥時間については、特に限定されない。得られる低誘電材料についての、誘電率、耐湿性等の特性を考慮して、適宜決定すればよい。
<試薬の調製>
三塩化ホウ素、アミン化合物であるモノメチルアミン塩酸塩、および溶媒であるクロロベンゼンを準備した。モノメチルアミン塩酸塩は、減圧乾燥機を用いて、温度80℃、圧力50Torrで14時間処理することによって乾燥させた。クロロベンゼンは、モレキュラーシーブ3A、1/16を、溶媒質量に対して5質量%添加して、乾燥させた。
<NMR測定>
NMR測定は以下の手順で行った。反応液(0.5ml)と重ベンゼン(0.5ml;アルドリッチ社製ベンゼン−d1%TMS含有 2335−8)とを混合した溶剤を調製し、1H−NMR測定を行った。測定機器はVarian社製UnityPlus400、測定温度は25℃、測定試料は0.7mlとした。
<実施例1>
3L5つ口丸底フラスコに、モノメチルアミン塩酸塩(468g;6.931mol)、およびクロロベンゼン(2000mL)を全量入れた。このフラスコ内に、三塩化ホウ素(870g;7.389mol)をガスボンベから直接取り出し、−70℃で液化させながら、20時間かけて滴下した。滴下後、125〜135℃で60時間熟成し、トリクロロボラジン化合物であるB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの合成反応を終了させた。
反応溶液が25℃になった後、反応溶液を濾過し、濾紙に残存する沈殿物を洗浄した。濾液をナスフラスコに移し、エバポレータを用いて溶媒を留去し、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンからなる固形物を得た。固形物の収量は171.9gであった。固形物についてNMR分析を行ったところ、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの純度は90%以上であった。なお、ここで「90%以上」という表現は、大気中の水との反応によりトリクロロボラジン化合物が分解するためである。すなわち、精製終了時において、少なくとも90%の純度であったことを示す(以下、同様)。
反応溶液の濾過、洗浄およびエバポレータに要した時間は、それぞれ2時間、0.5時間および5時間であり、合成反応終了後の総処理時間は7.5時間であった。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で得られた固形物(171.9g)を、温度90℃、圧力1.5〜70Torrで昇華精製し、固形物中に含まれるB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの純度を向上させた。固形物の収量は147.5gであった。固形物についてNMR分析を行ったところ、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの純度は95%以上であった。昇華精製には5時間を要した。
<比較例1>
3L5つ口丸底フラスコに、モノメチルアミン塩酸塩(468g;6.931mol)、およびクロロベンゼン(2000mL)を全量入れた。このフラスコ内に、三塩化ホウ素(870g;7.389mol)をガスボンベから直接取り出し、−70℃で液化させながら、20時間かけて滴下した。滴下後、125〜135℃で60時間熟成し、トリクロロボラジン化合物であるB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの合成反応を終了させた。
反応溶液をナスフラスコに移し、沈殿物ごと濃縮し、固形物を得た。固形物の収量は1010gであった。固形物についてNMR分析を行ったところ、重溶剤(d−C)に添加すると不溶分が析出したため、溶解物だけについて測定を行った。固形分は反応中間体と推測される化合物とB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンとの混合物であった。不溶分も含めて算出されたB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの純度は20%であった。
昇華精製を用いて、得られた固形物からB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンを精製した。収量は145gであった。NMR分析を行ったところ、B,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジンの純度は95%以上であった。反応溶液の濃縮および昇華精製に要した時間は、それぞれ5時間、24時間であり、合成反応終了後の総処理時間は29時間であった。結果を表1に示す。
Figure 0004482305
<実施例3>
窒素雰囲気下で、実施例1で得られたB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジン(140g)、および溶媒としてジエチルエーテル(300ml)を、2L5つ口フラスコに仕込んだ。反応系の内温が25±5℃になるようにコントロールしながら、グリニャール試薬であるメチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶液を6時間かけて滴下した。その後、20〜25℃で4時間熟成し、反応溶液を濾過および濃縮した。得られた固形物を精製し、ヘキサメチルボラジンを得た。固形物についてNMR分析を行ったところ、ヘキサメチルボラジンの純度は99%以上であった。
<比較例2>
窒素雰囲気下で、比較例1で得られたB,B’,B”−トリクロロ−N,N’,N”−トリメチルボラジン(140g)、および溶媒としてジエチルエーテル(300ml)を、2L5つ口フラスコに仕込んだ。反応系の内温が25±5℃になるようにコントロールしながら、グリニャール試薬であるメチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶液を6時間かけて滴下した。その後、20〜25℃で4時間熟成し、反応溶液を濾過および濃縮した。得られた固形物を精製し、ヘキサメチルボラジンを得た。固形物についてNMR分析を行ったところ、ヘキサメチルボラジンの純度は99%以上であった。
<評価>
実施例1〜2および比較例1に示すように、本発明を用いれば、トリクロロボラジン化合物が効率的に製造される。純度を上げるために留去後に昇華精製を適用しても、濾過しないで昇華精製を行う場合(比較例1)と比較して、精製のための総処理時間が短縮された。
また、実施例3および比較例1に示すように、昇華精製を行う場合と比較して、純度が若干低いトリクロロボラジン化合物をグリニャール反応の原料として用いても、同等の純度のヘキサメチルボラジンが得られた。

Claims (5)

  1. 溶媒中において、三塩化ホウ素と、化学式1:
    Figure 0004482305
    (式中、 は水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
    で表されるアミン化合物とを反応させて、化学式2:
    Figure 0004482305
    (式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基である)
    で表されるトリクロロボラジン化合物を生成させる段階と、
    反応溶液を濾過して濾液を得る段階と、
    前記濾液から溶媒を留去して、前記トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階と、
    を含み、濾過される際の前記反応溶液の温度は、0℃以上30℃未満である、トリクロロボラジン化合物の製造方法。
  2. 前記濾液から溶媒を留去した後、得られた固形物を昇華精製する段階をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 溶媒中において、三塩化ホウ素と、化学式1:
    Figure 0004482305
    (式中、 は水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
    で表されるアミン化合物とを反応させて、化学式2:
    Figure 0004482305
    (式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)
    で表されるトリクロロボラジン化合物を生成させる段階と、
    反応溶液を濾過して濾液を得る段階と、
    前記濾液から溶媒を留去して、前記トリクロロボラジン化合物からなる固形物を得る段階と、
    前記トリクロロボラジン化合物とグリニャール試薬とを反応させて、化学式3:
    Figure 0004482305
    (式中、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基であり、Rは、同一または異なっていてもよく、アルキル基である)
    で表されるアルキルボラジン化合物を得る段階と、
    を含み、濾過される際の前記反応溶液の温度は、0℃以上30℃未満である、アルキルボラジン化合物の製造方法。
  4. 前記濾液から溶媒を留去した後、得られた固形物を昇華精製する段階をさらに含む、請求項に記載の製造方法。
  5. 前記濾液の溶媒は、グリニャール反応を進行させる容器において留去される、請求項3または4に記載の製造方法。
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