JP4481028B2 - 有機半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機半導体薄膜の製造方法に関する。また、有機半導体薄膜及び有機半導体素子に関する。
有機半導体を用いたデバイスは、従来の無機半導体デバイスに比べて成膜条件がマイルドであり、各種基板上に半導体薄膜を形成したり、常温で成膜したりすることが可能であるため、低コスト化や、ポリマーフィルム等に薄膜を形成することによるフレキシブル化が期待されている。
有機半導体材料としては、ポリフェニレンビニレン,ポリピロール,ポリチオフェン等の共役系高分子化合物やそのオリゴマーとともに、アントラセン,テトラセン,ペンタセン等のポリアセン化合物を中心とする芳香族化合物が研究されている。特に、ポリアセン化合物は分子間凝集力が強いため高い結晶性を有していて、これによって高いキャリア移動度と、それによる優れた半導体デバイス特性とを発現することが報告されている。
そして、ポリアセン化合物のデバイスへの利用形態としては蒸着膜又は単結晶があげられ、トランジスタ,太陽電池,レーザー等への応用が検討されている(非特許文献1〜3を参照)。
また、蒸着法以外の方法でポリアセン化合物の薄膜を形成する方法として、ポリアセン化合物の一種であるペンタセンの前駆体の溶液を基板上に塗布し、加熱処理してペンタセン薄膜を形成する方法が報告されている(非特許文献4を参照)。この方法は、ポリアセン化合物は溶媒に対する溶解性が低いため、溶解性の高い前駆体の溶液を用いて薄膜を形成し、熱により前駆体をポリアセン化合物に変換するというものである。
一方、置換基を有するポリアセン化合物は、高橋らの報告(非特許文献5),グラハムらの報告(非特許文献6),アンソニーらの報告(非特許文献7)及び,ミラーらの報告(非特許文献8)などに記載されている。
なお、ペンタセンを超える移動度を有する有機半導体材料は、現在のところ知られていない。
「アドバンスド・マテリアルズ」,2002年,第14巻,p.99 ジミトラコポウラスら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第80巻,p.2501 クロークら,「IEEE・トランザクション・オン・エレクトロン・デバイシス」,1999年,第46巻,p.1258 ブラウンら,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」,1996年,第79巻,p.2136 「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」,2000年,第122巻,p.12876 グラハムら,「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」,1995年,第60巻,p.5770 アンソニーら,「オーガニック・レターズ」,2000年,第2巻,p.85 ミラーら,「オーガニック・レターズ」,2000年,第2巻,p.3979
しかしながら、前述のような前駆体を利用してポリアセン化合物の薄膜を形成する方法は、前記前駆体をポリアセン化合物に変換するために150℃程度の高温処理が必要であるという問題点を有していた。また、ポリアセン化合物への変換反応を完全に行うことが難しいため未反応部分が欠陥として残ったり、高温により変性が生じて欠陥となったりするという問題点も併せて有していた。
一方、前述の高橋らの報告等には、各種のポリアセン化合物に置換基を導入した誘導体が記載されているが、有機半導体材料としての特性や薄膜化に関しては記載されていない。
また、2,3,9,10−テトラメチル−1,4,6,8,11,13−ペンタセンヘキサオンや2,3,9,10−テトラメチル−1,4,8,11−ペンタセンテトラオンは合成されているが、キノン化合物の還元及び脱水素により芳香化を行いペンタセン化合物を合成した例は知られていない。さらに、2,3−置換アントラセンや2,3−置換テトラセンの合成例は知られているが、ペンタセン以上の環数の2,3−置換ポリアセン化合物の合成例は知られていない。
そこで、本発明は、前述のような従来技術が有する問題点を解決し、高い移動度を有する有機半導体薄膜の製造方法を提供することを課題とする。また、高い移動度を有する有機半導体薄膜、及び、電子特性の優れた有機半導体素子を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係るポリアセン化合物は、下記の化学式(I)で表されるような構造を有することを特徴とする。
Figure 0004481028
(I)
ただし、化学式(I)中の官能基R1 〜R4 のうち少なくとも一部は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、ホルミル基、ハロゲン基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアン基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他部は水素原子である。また、nは2〜7の整数である。
また、本発明に係るポリアセン化合物は、下記の化学式(II)で表されるような構造を有することを特徴とする。
Figure 0004481028
(II)
ただし、化学式(II)中の官能基R1 及びR2 の少なくとも一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、ホルミル基、ハロゲン基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアン基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他方は水素原子である。また、nは3〜7の整数である。
さらに、本発明に係るキノン化合物は、下記の化学式(III )で表されるような構造を有することを特徴とする。
Figure 0004481028
(III )
ただし、化学式(III )中の官能基R1 及びR2 の少なくとも一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、ホルミル基、ハロゲン基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアン基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他方は水素原子である。また、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
さらに、本発明に係るポリアセン化合物の合成方法は、化学式(I)のポリアセン化合物を合成する方法であって、官能基を有するフタルアルデヒドとシクロヘキサン−1,4−ジオンとを環化縮合させて官能基を有するキノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とする。
さらに、本発明に係るポリアセン化合物の合成方法は、化学式(II)のポリアセン化合物を合成する方法であって、下記の化学式(IV)で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、下記の化学式(V)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、を環化縮合させて、前記キノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とする。
Figure 0004481028
(IV)
Figure 0004481028
(V)
ただし、化学式(IV)中の官能基R1 及びR2 の少なくとも一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、ホルミル基、ハロゲン基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアン基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他方は水素原子である。また、化学式(IV)及び(V)において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
さらに、本発明に係るポリアセン化合物の合成方法は、化学式(II)のポリアセン化合物を合成する方法であって、下記の化学式(VI)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、下記の化学式(VII )で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、を環化縮合させて、前記キノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とする。
Figure 0004481028
(VI)
Figure 0004481028
(VII )
ただし、化学式(VI)中の官能基R1 及びR2 の少なくとも一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシル基、エーテル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、ホルミル基、ハロゲン基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアン基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、又はこれらのうちの2以上の基を含む官能基であり、他方は水素原子である。また、化学式(VI)及び(VII )において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
さらに、本発明に係る有機半導体薄膜は、化学式(I)又は化学式(II)のポリアセン化合物で構成され、結晶性を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る有機半導体薄膜は、前記有機半導体薄膜において、基板上に形成された結晶性の有機半導体薄膜であって、前記ポリアセン化合物の分子の長軸が前記基板の表面に対して垂直方向に配向していることを特徴とする。
さらに、本発明に係る有機半導体素子は、前記有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係るトランジスタは、ゲート電極,誘電体層,ソース電極,ドレイン電極,及び半導体層を備えるトランジスタにおいて、前記半導体層を、前記有機半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
本発明のポリアセン化合物は、細長い形のポリアセン骨格の長軸方向の端部(一方又は両方の端部)のみに官能基を有する構造であり、このようなポリアセン化合物はこれまで知られていなかった。本発明者らは、このような分子構造のポリアセン化合物であれば、分子同士で共役面が2次元的ネットワークを有したヘリンボン構造を取りやすいと考えた。また、長軸方向の端部のみに官能基を有する構造によって、溶媒に対する溶解度が向上し且つ前述のヘリンボン構造が維持されやすいと考えた。
さらに、ポリアセン骨格の長軸方向の端部又は側面中央部に長鎖の官能基(例えば長鎖の炭化水素基)を導入することにより、さらに溶解性が向上し、ヘリンボン構造に比べて1次元的スタッキング効果がより高い結晶配向構造となり、さらに強い共役面の相互作用を実現できると考えた。その結果、本発明のポリアセン化合物の薄膜は、有機材料中最も高い移動度を有するペンタセンを超える高い移動度を発現することを確認した。また、該薄膜を用いた有機半導体素子は、優れた電子特性を示すことを確認した。
本発明のポリアセン化合物は、前記化学式(I)に示すような構造の化合物であり、官能基R1 〜R4 の少なくとも1つは前述のような官能基であり、他のものは水素原子である。官能基R1 〜R4 のうち1つが前述のような官能基で、他の3つが水素原子でもよいし、官能基R1 〜R4 の全てが前述のような官能基であってもよい。官能基R1 〜R4 のうち2つ以上が前述のような官能基である場合には、それらの官能基は同種の官能基であってもよいし、異種の官能基であってもよい。
ポリアセン化合物は官能基の置換位置によって分類することができ、ポリアセン骨格の長軸方向の端部に官能基を有する本発明のポリアセン化合物(例えばペンタセンの2,3,9,10位のうち少なくとも1つに官能基を有するもの)と、長軸方向の側面部分に官能基を有するポリアセン化合物(例えばペンタセンの1,4,5,6,7,8,11,12,13,14位のうち少なくとも1つに官能基を有するもの)と、長軸方向の端部及び側面部分の両方に官能基を有するポリアセン化合物とがあげられる。
これらのうち端部のみに官能基を有するポリアセン化合物、及び両側面の中央部の位置のみに官能基を有するポリアセン化合物は、高い移動度を発現するので特に好ましい。特に、一方の端部のみに官能基を有するポリアセン化合物(前記化学式(II)に示すような構造のポリアセン化合物)は、分子同士のスタッキング時に官能基同士の立体障害が生じにくいように配向することが可能であるので、さらに好ましい。一方、長軸方向の端部及び側面部分の両方に官能基を有するポリアセン化合物は、分子同士のスタッキング時に官能基が障害(立体障害)となるため、分子間の共役面の重なりが阻害されやすい。
ポリアセン化合物の官能基としては、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数は1〜15個が好ましい。炭化水素基の構造は、直鎖状や分岐状でもよいし、環状構造でもよい。また、アルケニル基及びアルキニル基においては、二重結合及び三重結合は官能基中のどの位置にあっても差し支えない。二重結合及び三重結合は、官能基の構造を強固とする目的、不飽和結合基を用いてさらに他の分子と反応させる目的、あるいは不飽和結合基同士を反応(結合)又は重合させる目的で利用することができる。
次に、本発明のポリアセン化合物の合成方法について説明する。ポリアセン化合物の一例であるペンタセン誘導体の合成方法としては、以下に示すものがあり、本発明のポリアセン化合物はこれらと同様の方法で合成することが可能である。
(1)フタルアルデヒド誘導体とシクロヘキサン−1,4−ジオンとを塩基性条件下で環化縮合して置換ペンタセン−6,13−キノンを合成し、このキノン化合物を還元及び芳香化する方法(アンゲバンテ・ヘミイ,第65巻,201ページ(1953年))。
(2)二置換イソベンゾフラン誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンとを縮合して2,3,9,10−四置換アントラセン−5,14;7,12−ジエンドオキシドを得て、これを熱処理することによりペンタセンジオンへ誘導後、水素化金属化合物等により還元する方法(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第51巻,1189ページ(1986年))。
(3)置換ベンゾシクロブテンとアントラセン−1,4;5,8−ジエンドオキシドとを熱環化反応し、さらに酸性条件下でエンドジオキシドを開環及び脱水素する方法(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第52巻,4833ページ(1987年))。
(4)塩基性条件下において1,2−ジブロモベンゼン誘導体より発生させたベンザイン中間体と5,6,7,8−テトラキス(メチレン)ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エンとのディールス・アルダー反応により環化付加体を得て、これを水素化した後に、熱分解によりエチレンを脱離させる方法(アドバンスト・マテリアル,第11巻,481ページ(1999年))。
(5)1,2−ジ(2−アルキル)置換ベンゼン誘導体及びジアルキルジルコノセンの反応により生成するジルコナシクロペンタジエン中間体とアセチレンジカルボン酸エステルとのディールス・アルダー反応と、ジルコノセニル基の脱離を基軸とする環化反応とを繰り返し利用する方法(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ,第122巻,12876ページ(2000年))。
(6)オルトジアセチレン置換ポリアセンの分子内環化反応による合成法(オーガニック・レターズ,第2巻,85ページ(1999年))。
(7)テトラハロゲン化ベンゼンとジルコノシクロペンタジエンとの環化反応を繰り返し適用する方法(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ,第124巻,576ページ(2002年))。
(8)1,4−ジアルコキシメチルベンゼン誘導体の酸触媒重合による直線状の水素化ポリアセン誘導体の生成と、脱水素化反応とによる方法(シンセティク・メタル,第101巻,100ページ(1999年))
これらの合成方法の中では、合成の効率,操作性,収率を勘案すると、(1)の方法が最も好ましい。また、置換フタルアルデヒドは既知法又はその類似法により容易に合成可能であり、さらに、置換フタルアルデヒドとシクロヘキサン−1,4−ジオンとにより生成したキノン化合物は、水素化リチウムアルミニウム,アルミニウムトリアルコキシド等を用いる還元反応により、所望の多置換ペンタセンへ効率良く変換することができることも、(1)の方法が好ましい理由としてあげられる。ただし、この方法で得られるポリアセン化合物は、長軸方向両端の環の官能基が等しい(ペンタセンの場合であれば1〜4位の官能基と8〜11位の官能基とが等しい)左右対称構造の化合物である。
一方の端部のみに官能基を有するポリアセン化合物(前記化学式(II)に示すような構造のポリアセン化合物)は、まず前駆体であるキノン化合物を合成し、これを還元及び芳香化して合成することができる。例えば、一方の端部のみに官能基を有するペンタセン誘導体は、フタルアルデヒド誘導体と1,4−ジヒドロキシアントラセンとを塩基性条件下でアルドール縮合して環化し、得られたキノン化合物を水素化リチウムアルミニウム,アルミニウムトリアルコキシド等を用いて還元することにより合成することができる。
なお、フタルアルデヒド誘導体及び1,4−ジヒドロキシアントラセンは、既知法又はその類似法により容易に合成可能である。また、上記キノン化合物の合成方法の例としては、以下に示すものがある。
(9)フタルアルデヒド誘導体と1,4−ジヒドロキシナフタレンとを塩基性条件下でアルドール縮合して環化する方法(ブレタン・ド・ラ・ソサエテ・キミケ・ド・フランス,5−6巻パート2,539ページ(1977年))。
(10)チエン−2,3−ジアルデヒドと1,4−ジヒドロキシアントラセンとを塩基性条件下で環化縮合する方法(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第57巻,6192ページ(1992年))。
また、本発明のポリアセン化合物は上記のような方法で合成した後、昇華,再結晶等の通常の精製法により精製し、高純度化することができる。
本発明のポリアセン化合物は結晶性を有し、この結晶構造はヘリンボン型で、分子が配列した構造を示す。このヘリンボン構造の結晶構造においては、細長い分子が矢筈状にスタックされた格子構造をとる。これら結晶構造は、前述のように精製し、高純度化した結晶を用いて、X線回折により構造決定することができる。
また、本発明のポリアセン化合物は、無置換のポリアセンと同様に斜方晶系構造又は立方晶系構造を示す。ここで、結晶の格子定数a,b,cが決定でき、このc軸格子定数は細長い分子の分子長が配列した格子ユニット長さに対応し、a軸及びb軸格子定数は分子の共役面がスタックした分子カラム面内の格子ユニットの大きさに対応する。
さらに、本発明のポリアセン化合物は、分子の共役面がスタックした面の分子間距離(a軸及びb軸格子定数に対応する)が、無置換のポリアセンと比較して同等又は縮小した構造を示す。このことは分子間のπ電子の重なりが大きく、キャリアが容易に分子間を移動できることにつながり、高い移動度を示す原因と考えられる。また。c軸格子定数はポリアセン化合物の長軸方向の分子長に対応して変化し、ほぼ分子長と同等又は若干小さい値を示す。
分子間距離が縮小することによってその材料が高い移動度を発現することは、分子軌道計算によって予想することができる。例えば、ペンタセン分子のa軸,b軸格子定数が1〜2%減少することにより、結晶の分子カラムのバンド構造が大きく変化し、k空間内のバンドの揺らぎが大きくなることを、本発明者らは計算で確認した。このことがキャリアの有効質量が小さくなることにつながって、高い移動度を発現するものと考えられる。
次に、本発明の有機半導体薄膜について説明する。
本発明の有機半導体薄膜の形成方法としては、公知の方法を採用することが可能であり、例えば、真空蒸着,MBE法(Molecular Beam Epitaxy),スパッタリング法,レーザー蒸着法,気相輸送成長法等があげられる。そして、このような方法により、基板表面に薄膜を形成することができる。
本発明で用いるポリアセン化合物は昇華性を示すので、前述の方法で薄膜を形成することが可能である。MBE法,真空蒸着法,及び気相輸送成長法は、ポリアセン化合物を加熱して昇華した蒸気を、高真空,真空,低真空又は常圧で基板表面に輸送して薄膜を形成するものである。また、スパッタリング法は、ポリアセン化合物をプラズマ中でイオン化させて、ポリアセン化合物の分子を基板上に堆積して薄膜を形成する方法である。また、レーザー蒸着法は、レーザー照射によりポリアセン化合物を加熱して蒸気を生成させ、ポリアセン化合物の分子を基板上に堆積して薄膜を形成する方法である。前述の製法のうちMBE法,真空蒸着法,及び気相輸送成長法は、生成する薄膜の平坦性及び結晶性に優れるので好ましい。
MBE法や真空蒸着法における薄膜作製条件としては、例えば、基板温度は室温乃至100℃以下とすることが好ましい。基板温度が低温であるとアモルファス状の薄膜が形成されやすく、また、100℃を超えると薄膜の表面平滑性が低下する。また、気相輸送成長法の場合は、基板温度は室温乃至200℃以下とすることが好ましい。
また、本発明のポリアセン化合物は、薄膜成長速度が高い場合でも結晶性の良好な薄膜を形成しやすく、高速成膜が可能である。成長速度は、0.1nm/min以上1μm/sec以下の範囲とすることが好ましい。0.1nm/min未満では結晶性が低下しやすく、1μm/secを超えると薄膜の表面平滑性が低下する。
また、本発明の有機半導体薄膜は、ウェットプロセスで形成することも可能である。従来公知の無置換ポリアセンは一般の溶媒に室温では難溶であり、溶液化と溶液の塗布による薄膜形成とが困難であったが、本発明のポリアセン化合物は、官能基の導入により溶媒に対する溶解性が無置換ポリアセンと比べて同等又は高いので、溶液化と溶液の塗布による薄膜形成とが可能である。
本発明の有機半導体薄膜は、本発明のポリアセン化合物の溶液を基板等のベース上に被覆した上、加熱等の方法により前記溶媒を気化させることにより得ることができる。前記溶液をベース上に被覆する方法としては、塗布,噴霧の他、ベースを前記溶液に接触させる方法等があげられる。具体的には、スピンコート,ディップコート,スクリーン印刷,インクジェット印刷,ブレード塗布,印刷(平版印刷,凹版印刷,凸版印刷等)等の公知の方法があげられる。
このような操作は、通常の大気下又は窒素,アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。ただし、一部のポリアセン化合物の溶液は酸化されやすい場合もあるため、溶液の作製,保存及び有機半導体薄膜の作製は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、溶媒を気化させる際には、ベース付近の温度や雰囲気の溶媒蒸気圧により気液界面の溶媒気化速度を調節することによって、結晶成長を制御することができる。さらに、ポリアセン化合物の溶液にベースを接触させて、過飽和状態でベースの表面に有機半導体薄膜を形成させることも可能である。さらに、所望により、ポリアセン化合物の溶液とベースとの界面に、温度勾配,電場,磁場の少なくとも1つを印加して、結晶成長を制御することができる。これらの方法により高結晶性の有機半導体薄膜を製造することが可能であり、得られた有機半導体薄膜は高結晶性であることから半導体特性が優れている。
さらに、有機半導体薄膜の安定性,半導体特性の点から、有機半導体薄膜中に残存する溶媒の量は低いことが好ましい。よって、通常は、有機半導体薄膜を形成した後に再度加熱処理及び/又は減圧処理を施して、有機半導体薄膜中に残存する溶媒をほぼ完全に除去することが好ましい。
このように、ドライプロセス又はウェットプロセスによりポリアセン化合物からなる有機半導体薄膜が形成できる。
前述したように、本発明のポリアセン化合物は、結晶性及び半導体特性に優れた薄膜を形成することができる。また、本発明の有機半導体薄膜においては、ポリアセン化合物は、分子の長軸をベース面に対して垂直にして配向している。このことは、ポリアセン化合物の分子の分子凝集力が強く、分子面同士でスタックした分子カラムを形成しやすいためであると考えられる。したがって、有機半導体薄膜のX線回折パターンは、結晶の(00n)面強度が強く現れやすい。この面間距離は、結晶のc軸格子定数にあたる。
また、本発明のポリアセン化合物は、その結晶の結晶軸のa軸方向及び/又はb軸方向の分子間距離が縮小する場合があり、この分子間距離の縮小によってキャリア移動が起こりやすく、その結果、高い移動度を示す。このような有機半導体薄膜で構成された有機半導体素子は、層状に形成された分子カラムに沿ってキャリアが流れやすい性質を持つものと思われる。そして、このa軸及びb軸の格子定数は、斜め入射X線回折,透過型電子線回折,薄膜のエッジ部にX線を入射させ回折を測定する方法などによって観測することができる。
さらに、通常の無機半導体薄膜は、その結晶性がベースの材料の結晶性,面方位の影響を受けるが、本発明の有機半導体薄膜は、ベースの材料の結晶性,面方位に関係なく高結晶性の薄膜となる。よって、ベースの材料には、結晶性,非晶性に関係なく種々の材料を用いることが可能である。
例えば、ガラス,石英,酸化アルミニウム,サファイア,チッ化珪素,炭化珪素等のセラミック、シリコン,ゲルマニウム,ガリウム砒素,ガリウム燐,ガリウム窒素等の半導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコール共重合体,環状ポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエーテルスルフォン,ポリスルフォン,ポリメチルメタクリレート等の樹脂、紙、不織布などがあげられる。
また、ベースの形状は特に限定されるものではないが、通常はシート状のベースや板状のベース(基板)が用いられる。
本発明の有機半導体薄膜はキャリア移動度が高いことが特徴であり、0.1cm2 /V・s以上であることが好ましい。より好ましくは0.5cm2 /V・s以上であり、最も好ましくは1.0cm2 /V・s以上である。
このような有機半導体薄膜を用いることにより、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等の分野において有益な半導体素子を製造することができる。このような半導体素子の例としては、ダイオード,トランジスタ,薄膜トランジスタ,メモリ,フォトダイオード,発光ダイオード,発光トランジスタ,センサ等があげられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、ディスプレイに利用することが可能であり、液晶ディスプレイ,分散型液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,粒子回転型表示素子,エレクトロクロミックディスプレイ,有機発光ディスプレイ,電子ペーパー等の種々の表示素子に利用可能である。トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示素子において表示画素のスイッチング用トランジスタ,信号ドライバー回路素子,メモリ回路素子,信号処理回路素子等に利用される。
半導体素子がトランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造、基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層(誘電体層)+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造等があげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
トランジスタの構成としては、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型及びバイポーラ型のいずれでも採用可能である。ポリアセン化合物は、通常はp型半導体であるので、ドナードーピングしてn型半導体としたポリアセン化合物と組み合わせたり、ポリアセン化合物以外のn型半導体と組み合わせたりすることにより、素子を構成することができる。
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造があげられる。そして、p型半導体層に本発明の有機半導体薄膜が使用され、n型半導体層に前述のn型半導体が使用される。
半導体素子における有機半導体薄膜内部又は有機半導体薄膜表面と電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造を有する半導体素子は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する有機半導体素子を複数接合して、インバータ,オスシレータ,メモリ,センサ等の素子を形成することもできる。
さらに、本発明の半導体素子を表示素子として用いる場合は、表示素子の各画素に配置され各画素の表示をスイッチングするトランジスタ素子(ディスプレイTFT)として利用できる。このようなアクティブ駆動表示素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動表示素子と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示素子は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極,ソース電極,ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン,信号ラインを追加することも可能である。
また、表示素子の画素に、画素配線,トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示素子が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバ,画素信号のメモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ等を搭載することもできる。
また、本発明の有機半導体素子は、ICカード,スマートカード,及び電子タグにおける演算素子,記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。このICカード,スマートカード,及び電子タグは、メモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ,キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ,バッテリを備えていてもよい。
さらに、本発明の有機半導体素子でダイオード,ショットキー接合構造を有する素子,トンネル接合構造を有する素子を構成すれば、その素子は光電変換素子,太陽電池,赤外線センサ等の受光素子,フォトダイオードとして利用することもできるし、発光素子として利用することもできる。また、本発明の有機半導体素子でトランジスタを構成すれば、そのトランジスタは発光トランジスタとして利用することができる。これらの発光素子の発光層には、公知の有機材料や無機材料を使用することができる。
さらに、本発明の有機半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ,バイオセンサ,血液センサ,免疫センサ,人工網膜,味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。通常は、有機半導体素子を構成する有機半導体薄膜に測定対象物を接触又は隣接させた際に生じる有機半導体薄膜の抵抗値の変化によって、測定対象物の分析を行うことができる。
以上のように、本発明のポリアセン化合物は、高い移動度を発現するとともに、溶媒に対する溶解性に優れる。また、本発明のポリアセン化合物の合成方法は、前記ポリアセン化合物を合成することが可能である。さらに、本発明の有機半導体薄膜は高い移動度を有している。さらにまた、本発明の有機半導体薄膜の製造方法は、高い移動度を有する有機半導体薄膜を製造することができる。さらにまた、本発明の有機半導体素子は優れた電子特性を有している。
本発明に係るポリアセン化合物及びその合成方法、有機半導体薄膜及びその製造方法、並びに有機半導体素子の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
まず、ポリアセン骨格の長軸方向の両端部に官能基を有するポリアセン化合物について説明する。
〔ポリアセン化合物の合成方法について〕
シクロヘキサン−1,4−ジオン(1当量)及び4,5−ジメチルフタルアルデヒド(2当量)のエタノール溶液に、水酸化カリウムの5%エタノール溶液を攪拌下に滴下した。生成した褐色の沈殿を濾取し、これを真空乾燥することにより、下記の化学式に示すキノン化合物を得た。この反応における収率は92%であった。
Figure 0004481028
次に、上記の反応により得られたキノン化合物と大過剰量のアルミニウムトリイソプロポキシドとの混合物を、窒素雰囲気下においてアルミニウムトリイソプロポキシドが溶融状態となるように加熱し、その状態で12時間反応させた。冷却後、混合物を希塩酸で処理し、水溶液に不溶の生成物を濾取した。そして、生成物を真空乾燥して、青藍色の固体を得た。この固体を1.33×10-3Pa以下の高真空下で昇華させ、高純度の2,3,9,10−テトラメチルペンタセン(化学構造は下記の化学式を参照)を得た。この反応における収率は24%であった。
Figure 0004481028
得られた2,3,9,10−テトラメチルペンタセンについて、重水素化テトラクロロエタンを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果は以下の通りである。なお、得られたチャートを図1に示す。
1H−NMR(ppm):δ2.51(s,12H)、7.70(s,4H)、8.50(s,4H)、8.85(s,2H)
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
前述のようにして合成した2,3,9,10−テトラメチルペンタセンを真空蒸着することにより、膜厚80nmの2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜をシリコン基板上に形成した。なお、雰囲気圧力は2.66×10-5Pa、薄膜成長速度は0.1nm/sec、昇華セル温度は310℃、基板温度は30℃とした。
得られた2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜のX線回折パターン測定(図2に示すチャートを参照)によって、(00n)面に相当する回折線(n=1,2,3,4)が観測され、c軸の格子定数は17.9Åであった。このc軸格子定数は、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン分子の長軸方向の長さとファンデルワールス半径との和(17.Å)にほぼ一致することから、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン分子は薄膜内において、分子の長軸を基板の表面に対して垂直方向に配向させて結晶を形成していることが分かった。
また、斜め入射X線回折(図3に示すチャートを参照)によって、(110)面,(020)面,及び(200)面の面間距離が求められ、それぞれ4.74Å,3.82Å,及び3.23Åであった。これらの面間距離は、無置換分子であるペンタセンの結晶に比較して、それぞれ−3.9%,−1.8%,及び+3.1%変化していることが分かった。
これらのことから、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜の結晶構造は、やや立方晶的な斜方晶であり、分子間距離が無置換のペンタセンに比較してわずかに縮小していることが分かった。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μm、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に(基板温度は40℃)、上記と同様の真空蒸着法により膜厚80nmの2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲートとして、ソース・ドレイン電極間の電流/電圧曲線を測定した。その際には、ゲート電圧を0Vから20Vまで、5Vステップで変化させた。その結果、ドレイン電圧の増加に伴ってドレイン電流の飽和が観測された(図4を参照)。この電流飽和領域のゲート電圧依存性から求めた移動度は、1.63cm2 /V・sであった。
次に、ポリアセン骨格の長軸方向の一方の端部のみに官能基を有するポリアセン化合物について説明する。
〔ポリアセン化合物の合成方法について〕
1,4−ジヒドロキシアントラセン1.14gと4,5−ジメチルフタルアルデヒド880mgとを、ピリジン12mlに溶解し、窒素雰囲気下で13時間還流させた。生成した深緑色の沈澱を濾取し、水とエタノールで洗浄した後、真空乾燥して2,3−ジメチルペンタセンキノン1.46gを得た。この反応における収率は80%であった。
得られた2,3−ジメチルペンタセンキノンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果は以下の通りである。 1H−NMR(ppm):δ2.49(s,6H)、7.69(dd,2H)、7.85(s,2H)、8.11(dd,2H)、8.82(s,2H)、8.92(s,2H)
次に、上記の反応により得られた2,3−ジメチルペンタセンキノン700mgとアルミニウムトリイソプロポキシド10.3gとの混合物を、窒素雰囲気下においてアルミニウムトリイソプロポキシドが溶融状態となるように加熱し、その状態で18時間反応させた。冷却後、混合物を希塩酸で処理し、水溶液に不溶の生成物を濾取した。そして、生成物を真空乾燥して、青藍色の固体を得た。この固体を1.33×10-3Pa以下の高真空下で昇華させ、高純度の2,3−ジメチルペンタセン75mgを得た。この反応における収率は12%であった。
得られた2,3−ジメチルペンタセンについて、重水素化テトラクロロエタンを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った(測定温度は140℃)。結果は以下の通りである。なお、得られたチャートを図5に示す。
1H−NMR(ppm):δ2.51(s,6H)、7.33(dd,2H)、7.72(s,2H)、7.94(dd,2H)、8.53(s,2H)、8.64(s,2H)、8.89(s,2H)
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
前述のようにして合成した2,3−ジメチルペンタセンを真空蒸着することにより、膜厚80nmの2,3−ジメチルペンタセン薄膜をシリコン基板上に形成した。なお、雰囲気圧力は2.66×10-5Pa、薄膜成長速度は0.1nm/sec、昇華セル温度は310℃、基板温度は30℃とした。
得られた2,3−ジメチルペンタセン薄膜のX線回折パターン測定(図6に示すチャートを参照)によって、(00n)面に相当する回折線(n=1,2,3,4)が観測され、c軸の格子定数は17.0Åであった。このc軸格子定数は、2,3−ジメチルペンタセン分子の長軸方向の長さとファンデルワールス半径との和(16.3Å)にほぼ一致することから、ペンタセン誘導体分子は薄膜内において、分子の長軸を基板の表面に対して垂直方向に配向させて結晶を形成していることが分かった。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μm、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に(基板温度は40℃)、上記と同様の真空蒸着法により膜厚80nmの2,3−ジメチルペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
このトランジスタのシリコン基板をゲートとして、ソース・ドレイン電極間の電流/電圧曲線を測定した。その際には、ゲート電圧を0Vから20Vまで、5Vステップで変化させた。その結果、ドレイン電圧の増加に伴ってドレイン電流の飽和が観測された。この電流飽和領域のゲート電圧依存性から求めた移動度は、1.61cm2 /V・sであった。
次に、ウェットプロセスで形成したポリアセン化合物の有機半導体薄膜について説明する。
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
実施例1で合成した2,3,9,10−テトラメチルペンタセンの粉末20mgを、窒素雰囲気中でo−ジクロロベンゼン20mlに分散させ、120℃で加熱して均一な溶液を得た。該溶液を120℃に加熱したシリコン基板上に展開し、o−ジクロロベンゼンを蒸発させて、平均膜厚120nmの2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜をシリコン基板上に形成した。
得られた2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜のX線回折パターン測定によって、(00n)面に相当する回折線(n=1,2,3,4)が観測され、c軸の格子定数は18.1Åであった。このc軸格子定数は、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン分子の長軸方向の長さとファンデルワールス半径との和(17.Å)にほぼ一致することから、実施例1で得られた真空蒸着膜の場合と同様に、2,3,9,10−テトラメチルペンタセン分子は薄膜内において、分子の長軸を基板の表面に対して垂直方向に配向させて結晶を形成していることが分かった。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μm、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様のウェットプロセスにより膜厚120nmの2,3,9,10−テトラメチルペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲート電極として、ソース・ドレイン電極間の電流/電圧曲線を、ゲート電圧をスキャンさせて測定した。その際には、ドレイン電圧を−5Vから−20Vまで、5Vステップで変化させた。その結果、トランジスタのゲート電圧によるドレイン電流のon/off動作が観測された。このドレイン電流/ゲート電圧の傾きから求めた電界効果移動度は、0.15cm2 /V・sであった。
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
実施例2で合成した2,3−ジメチルペンタセンの粉末20mgを、窒素雰囲気中でo−ジクロロベンゼン20mlに分散させ、120℃で加熱して均一な溶液を得た。該溶液を120℃に加熱したシリコン基板上に展開し、o−ジクロロベンゼンを蒸発させて、平均膜厚120nmの2,3−ジメチルペンタセン薄膜をシリコン基板上に形成した。
得られた2,3−ジメチルペンタセン薄膜のX線回折パターン測定(図7に示すチャートを参照)によって、(00n)面に相当する回折線(n=1,2,3,4,5)が観測され、c軸の格子定数は16.7Åであった。このc軸格子定数は、2,3−ジメチルペンタセン分子の長軸方向の長さとファンデルワールス半径との和(16.3Å)にほぼ一致することから、実施例2で得られた真空蒸着膜の場合と同様に、2,3−ジメチルペンタセン分子は薄膜内において、分子の長軸を基板の表面に対して垂直方向に配向させて結晶を形成していることが分かった。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μm、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様のウェットプロセスにより膜厚120nmの2,3−ジメチルペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲート電極として、ソース・ドレイン電極間の電流/電圧曲線を、ゲート電圧をスキャンさせて測定した。その際には、ドレイン電圧を−5Vから−20Vまで、5Vステップで変化させた。その結果、トランジスタのゲート電圧によるドレイン電流のon/off動作が観測された(図8を参照)。このドレイン電流/ゲート電圧の傾きから求めた電界効果移動度は、1.23cm2 /V・sであった。
比較例
〔有機半導体素子について〕
ペンタセンを用いたことを除いては前述の実施例1,2と同様にして、真空蒸着法によりシリコン基板上に有機半導体薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
得られたペンタセン薄膜の構造をX線回折パターンで評価した結果、(00n)面に相当する回折線(n=1,2,3,4)が観測された。そして、この面間距離から求めた格子定数は15.4Åであった。また、斜め入射X線回折により求めた面内構造の(110)面,(020)面,及び(200)面の面間距離は、4.93Å,3.89Å,及び3.13Åであった。
また、トランジスタの電流/電圧曲線を測定した結果、移動度は0.53cm2 /V・sであった。
本発明は、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等において好適である。
2,3,9,10−テトラメチルペンタセンの 1H−NMRスペクトルを示す図である。 2,3,9,10−テトラメチルペンタセンの薄膜のX線回折パターンを示す図である。 2,3,9,10−テトラメチルペンタセンの薄膜の斜め入射X線回折パターンを示す図である。 実施例1のトランジスタのドレイン電流/ドレイン電圧曲線を示す図である。 2,3−ジメチルペンタセンの 1H−NMRスペクトルを示す図である。 真空蒸着法で形成した2,3−ジメチルペンタセンの薄膜のX線回折パターンを示す図である。 ウェットプロセスで形成した2,3−ジメチルペンタセンの薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例4のトランジスタのドレイン電流/ドレイン電圧曲線を示す図である。

Claims (11)

  1. 下記の化学式(II)で表されるような構造を有するポリアセン化合物を、溶媒に溶解して溶液とし、この溶液を基板上に被覆した上、前記溶媒を気化させることを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0004481028
    (II)
    ただし、化学式(II)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、nは3〜7の整数である。
  2. 前記ポリアセン化合物は、下記の化学式(III )で表されるような構造を有するキノン化合物を還元及び芳香化して合成したものであることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0004481028
    (III )
    ただし、化学式(III )中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
  3. 前記キノン化合物は、下記の化学式(IV)で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、下記の化学式(V)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、を環化縮合させて合成したものであることを特徴とする請求項2に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0004481028
    (IV)
    Figure 0004481028
    (V)
    ただし、化学式(IV)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、化学式(IV)及び(V)において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
  4. 前記キノン化合物は、下記の化学式(VI)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、下記の化学式(VII )で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、を環化縮合させて合成したものであることを特徴とする請求項2に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0004481028
    (VI)
    Figure 0004481028
    (VII )
    ただし、化学式(VI)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、化学式(VI)及び(VII )において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機半導体薄膜の製造方法によって前記基板上に形成された結晶性の有機半導体薄膜であって、前記ポリアセン化合物の分子の長軸が前記基板の表面に対して垂直方向に配向していることを特徴とする有機半導体薄膜。
  6. 請求項5に記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部を構成したことを特徴とする有機半導体素子。
  7. ゲート電極,誘電体層,ソース電極,ドレイン電極,及び半導体層を備えるトランジスタにおいて、前記半導体層を請求項5に記載の有機半導体薄膜で構成したことを特徴とするトランジスタ。
  8. 下記の化学式(III )で表されるような構造を有することを特徴とするキノン化合物。
    Figure 0004481028
    (III )
    ただし、化学式(III )中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
  9. 下記の化学式(I)で表されるような構造を有するポリアセン化合物を合成する方法であって、官能基を有するフタルアルデヒドとシクロヘキサン−1,4−ジオンとを環化縮合させて官能基を有するキノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とするポリアセン化合物の合成方法。
    Figure 0004481028
    (I)
    ただし、化学式(I)中の官能基R 1 〜R 4 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、nは2〜7の整数である。
  10. 下記の化学式(II)で表されるような構造を有するポリアセン化合物を合成する方法であって、下記の化学式(IV)で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、下記の化学式(V)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、を環化縮合させて、請求項8に記載のキノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とするポリアセン化合物の合成方法。
    Figure 0004481028
    (II)
    Figure 0004481028
    (IV)
    Figure 0004481028
    (V)
    ただし、化学式(II)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、nは3〜7の整数である。また、化学式(IV)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。さらに、化学式(IV)及び(V)において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
  11. 下記の化学式(II)で表されるような構造を有するポリアセン化合物を合成する方法であって、下記の化学式(VI)で表される1,2−ジホルミルポリアセン化合物と、下記の化学式(VII )で表される1,4−ジヒドロキシポリアセン化合物と、を環化縮合させて、請求項8に記載のキノン化合物を生成し、該キノン化合物を還元及び芳香化することを特徴とするポリアセン化合物の合成方法。
    Figure 0004481028
    (II)
    Figure 0004481028
    (VI)
    Figure 0004481028
    (VII )
    ただし、化学式(II)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。また、nは3〜7の整数である。また、化学式(VI)中の官能基R 1 及びR 2 の少なくとも一部は、炭素数1〜15個の脂肪族炭化水素基であり、他部は水素原子である。さらに、化学式(VI)及び(VII )において、pは2以上の整数であり、p+qは3〜7の整数である。
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