JP4961660B2 - 銅ポルフィリン化合物を用いた電界効果トランジスタ - Google Patents

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本発明は、電界効果トランジスタ等に利用できる有機電子材料に関する。
有機物を用いた電界効果トランジスタは、そのほとんどは無機半導体より低温プロセスで製造できるため、プラスチック基板やフィルムを用いることができ、軽量で壊れにくい素子を作製することができる。また、溶液の塗布や印刷法を用いた素子作製が可能なものもあり、大面積の素子を低コストで製造することが可能である。さらに、材料のバリエーションが豊富であり、分子構造を変化させることにより容易に材料特性を根本的に変化させることが可能であるため、異なる機能を組み合わせることで、無機半導体では不可能な機能、素子を実現することも可能である。
このような有機物を利用したトランジスタは、これまで幾つかデモンストレーションされている。例えば、特許文献1に示されたような、導電性高分子、共役高分子を利用したもの、特許文献2で示された低分子化合物を利用したものが挙げられる。
高分子の例では、共役高分子や導電性高分子を半導体としてそのまま用いるもの、電場によりイオン(ドーパント)を出し入れしてスイッチングを行うもの等が試みられている。しかしながら、高分子材料であるために、精製が困難なこと、製膜時に構造の不完全部分に由来する欠陥が生じてしまうこと、酸化電位が下がり酸化されやすくなりやすいこと等から、十分に高性能でかつ安定性の良好な材料は見出されていない。
一方、低分子化合物の例では、ペンタセン等の芳香族縮合炭化水素やチオフェン環が4個以上連結したオリゴチオフェン類で、蒸着によりa−Si並の移動度を示す有機トランジスタが示されている。低分子化合物では、高分子に比較して、定まった構造の化合物を合成し、かつ精製法も昇華精製や再結晶、カラムクロマト等色々利用できるため、安定な材料になる。一方で、蒸着による製膜法は製造コストが塗布よりも高くなり、有機物の特徴を十分に生かしたものになりにくい。また一般に低分子化合物を溶液からの塗布による製膜を行うと、結晶化による粒状の構造になるため、均一な膜が得られにくく、製膜性に問題がある場合が多い。
近年、低分子化合物の単結晶を用いたトランジスターで、色々な物理現象が観測されている。例えば、電流注入によるレーザーの発振、超伝導、量子ホール効果等が挙げられる。しかしながら、有機物の単結晶は、大きな結晶を成長させること自体難しい上、非常に柔らかい為、それを切削、研磨して素子化に供することも極めて難しい。
又、他の低分子化合物の例として、フタロシアニンはこれまで多くの有機デバイスへの応用が検討されており、例えば電界効果トランジスタに応用した例が特許文献3及び4、並びに非特許文献1に記載されている。この際の、フタロシアニンのキャリア移動度μは0.02cm2/Vsであった。しかしながら、フタロシアニン類は一般に溶媒に不溶で
あり、これらの素子を作製するには、真空蒸着法により製膜する必要がある。
一方、低分子化合物を用いた半導体で、溶液プロセスで塗布後、半導体に変換して、電界効果トランジスタを作製する方法については、ペンタセンあるいは類似の芳香族炭化水素の系が、非特許文献2に報告されている。移動度はペンタセンで0.89cm2/Vs
であるが、半導体前駆体や半導体自体の保存安定性に問題がある。
一方、ポルフィリン化合物は、生体でヘモグロビンやクロロフィルに含まれる色素の骨格として、古くから検討されてきたが、それらは光電流や光起電力等の光デバイスに限られたものである。それに対して、積極的に正孔や電子の輸送を利用した有機電子デバイスへの適用例はこれまで見られない。この理由は、移動度が十分に高いポルフィリンが得られていないことが挙げられる。例えば、ベンゾポルフィリンの太陽電池への応用が、特許文献5に記載されている。ここでは昇華精製による性能向上が記載されているが、この実施例のキャリア密度と抵抗率から移動度を計算すると、最大でも1.3×10-6cm2
Vs程度である。この低い移動度の原因としては、製膜に用いた材料の純度が不十分で昇華精製してもなお不純物がかなり含まれている事、製膜条件によりキャリアの移動を阻害する欠陥が多く含まれている事等が考えられる。
特開昭61−202467号公報 特登録2984370号公報 特開平11−251601号公報 特開2000−174277号公報 特開平9−18039号公報 Appl.Phys.Lett.69巻(1996)p3086 J.Am.Chem.Soc.124巻、No.30 2002年 p8812
従来高性能の有機電子デバイスとしての応用が検討されてきたものとして、フタロシアニン類やペンタセン、オリゴチオフェン類等があるが、これらは、コストの高い蒸着法にその製造法が限定されていた。
従って、蒸着法に制限されない容易なプロセスで素子の作製が可能で、且つ、実用的な特性を有した有機電子デバイスは未だ実現されていない。従って、溶液からの塗布法等の容易なプロセスで素子が作製でき、かつ高い移動度を示し、安定性の高い材料が要求されていた。
以上の事に鑑み、種々検討を行った結果、銅ポルフィリン骨格を含む化合物が、溶液プロセスでも製膜でき、かつ高い移動度を示し、他の有機半導体と比較して有利な性能を有し、有機電子デバイスに有用であることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は、少なくとも半導体層、ゲート絶縁体層、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を含む電界効果トランジスタにおいて、銅ポルフィリン骨格を有する化合物を半導体層に含み、半導体層のゲート絶縁体層と異なる側に、芳香環を含有するポリマーを含む有機層を有することを特徴とする電界効果トランジスタに存する。
本発明の有機デバイスは、高特性有し、容易な作製プロセスで得ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する
(ポルフィリン骨格を有する化合物)
本発明の銅ポルフィリン骨格を有する化合物は、銅ポルフィリン骨格を含んでいさえすれば、どのような化合物でもかまわないが、具体的には、下記一般式(1)で表されるものであ
る。
Figure 0004961660
式中、Q1'〜Q8'は、それぞれ独立して1価の有機基を示す。このうち、(Q1'及びQ2')、(Q3'及びQ4')、(Q5'及びQ6')、並びに、(Q7'及びQ8')は互いに結合して環構造を形成していても良い。
上記Q1'〜Q8'の1価の有機基としては、酸化反応時に悪影響を与えない基であれば特に限定されないが具体的には、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基;イソシアノ基;シアナト基;イソシアナト基;チオシアナト基;イソチオシアナト基;メルカプト基;ヒドロキシ基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;置換されていても良いアルキル基;置換されていても良いシクロアルキル基;置換されていても良いアルケニル基;置換されていても良いシクロアルケニル基;置換されていても良いアリール基;置換されていても良い複素環基;置換されていても良いアルコキシ基;置換されていても良いアルケニルオキシ基;置換されていても良いアリールオキシ基;置換されていても良いアルキルチオ基;−COQ9で表される
アシル基;−OCOQ9で表されるアシルオキシ基;−NQ1011で表されるアミノ基;
−COOQ9で表されるカルボン酸エステル基;−CONQ1213で表されるカルバモイ
ル基;−SOQ9で表されるスルフィニル基;−SO29で表されるスルホニル基;−S
39スルホン酸エステル基;−SO2NQ1213で表されるスルファモイル基が挙げら
れる。このうち、置換されていても良いアルキル基;置換されていても良いシクロアルキル基;置換されていても良いアルケニル基;置換されていても良いシクロアルケニル基;置換されていても良いアリール基;置換されていても良い複素環基;置換されていても良いアルコキシ基;置換されていても良いアルケニルオキシ基;置換されていても良いアリールオキシ基;置換されていても良いアルキルチオ基;−COQ9で表されるアシル基;
−OCOQ9で表されるアシルオキシ基;−NQ1011で表されるアミノ基;−COOQ9で表されるカルボン酸エステル基;−CONQ1213で表されるカルバモイル基;−SOQ9で表されるスルフィニル基;−SO29で表されるスルホニル基;−SO39スルホ
ン酸エステル基;−SO2NQ1213で表されるスルファモイル基としては、炭素数18
以下、好ましくは12以下ものが挙げられる。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−へプチル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。
上記アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の直鎖又は分岐のアルケニル基が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環状アルケニル基が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基又はナフチル基が挙げられる。
上記複素環基としては、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピペリジル基、モルホリノ基等の異項原子を1〜3個有する複素環基が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。
上記アルケニルオキシ基としてはプロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基が挙げられる。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基又はナフチルオキシ基が挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の直鎖または分岐のアルキルチオ基が挙げられる。
上記アシル基、アシルオキシ基、カルボン酸エステル基、スルフィニル基、スルホニル基及びスルホン酸エステル基におけるQ9としては、置換されていても良い炭化水素基又
は置換されていても良い複素環基が挙げられる。
上記アミノ基におけるQ10及びQ11としては、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭化水素基、複素環基、−COQ9で表されるアシル基、−COOQ9で表されるカルボン酸エステル基又は−SO29で表されるスルホニル基が挙げられる。
上記カルバモイル基又はスルファモイル基における、Q12及びQ13としては、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基又は複素環基が挙げられる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基及び炭化水素基は、酸化反応において悪影響を与えない範囲で任意の置換されていても良く、その具体例としては、上述のQ1'〜Q8'の具体例として記述したような基が挙げられる。
また、(Q1'及びQ2')、(Q3'及びQ4')、(Q5'及びQ6')、並びに、(Q7'及びQ8')は、それぞれが互いに一体となって、プロピレン基、ブチレン基、等となり、それぞれがピロール環と縮合環を形成する脂肪族炭化水素基となっていてもよく、または形成された縮合環がベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭素環となっていてもよく、さらにヘテロ原子により置換されてピロール環、ピリジン環等の複素環基を形成していてもよく、このうち好ましくは、脂肪族炭素環である。
上記Q1'〜Q8'として好ましくは、(Q1'及びQ2')、(Q3'及びQ4')、(Q5'及びQ6')、並びに、(Q7'及びQ8')のうちの少なくとも1つの組が一体となって下記一般
式(II)
Figure 0004961660
で表される基を形成しているのが好ましく、より好ましくは2つ以上の組が上記一般式(II)で表される基を形成しているのが好ましく、特には、4つの組み合わせが全て上記一般式(II)で表される基を形成しているのが好ましい。
また、R1〜R4は水素原子又は1価の有機基を表す。この有機基としては、置換しても良いアルキル基、アリール基、アルコキシ基、メルカプト基、カルボキシル基と炭素数1〜10のアルコールとのエステル、フッ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
また、1分子中に上記銅ポルフィリン骨格を2個以上含有するものも挙げられる。これは、上記Q1'〜Q8'又はR1〜R4を介して別のポルフィリン環と結合したものである。この複数のポルフィリン環は同じでも異なっていても良い。
本発明の銅ポルフィリン骨格を有する化合物は、室温で固体状態のものがデバイスへの応用には都合がよい。一般式(1)中の置換基によっては、液晶性を示すものが得られるが、液晶性状態でも有機半導体として用いることができる。特に本発明の銅ポルフィリン化合物は平面性の良好な構造をしているため、ディスコチック液晶が得られる事が期待されるが、そのような構造はキャリアの輸送に都合がよい。動作する温度範囲で大きな特性の変化を生じるのは好ましくないので、融点や凝固点等の相転移温度が5℃〜40℃の範囲の化合物が好ましい。室温で固体状態をとる化合物は、融点やガラス転移温度が50℃以上であることが好ましく、100℃以上がより好ましい。
有機半導体材料が高いキャリア移動度を有するためには、固体状態で隣り合う分子間が良好に重なりあうことが望ましい。これは、キャリア、すなわち電子あるいは正孔が分子間を伝達して行く際に、π電子軌道間の相互作用が重要であるためである。有機半導体において、π電子が電荷輸送に重要な役割を果たすことは良く知られている。しかし、π電子がマクロなスケールまで共役して半導体特性を示す例はほとんど知られていない。
特に、分子性結晶ではπ電子の共役は分子内に限られており、電荷の輸送は分子間を電荷が移動することよりなされる。その場合、分子内で共役しているπ軌道の重なりが大きいほど、その電荷移動の効率が高くなる。それゆえ、分子性結晶の移動度にも方向依存性が生ずる。また、一般に非晶質の材料よりも結晶性の高い材料の方が高い移動度を示すことにも反映されている。
分子間のπ軌道の重なりを大きくする為には、分子のπ共役系の平面性が高いことが望ましい。平面性の尺度としては、銅ポルフィリン環平面からの銅ポルフィリン骨格を形成している原子のずれを用いることができる。
そこで、本発明においては、銅ポルフィリン環平面から銅ポルフィリン骨格を形成する原子の中心までの距離が1Å以内で配置された分子構造を有することが好ましい。この距離が1Å以内であれば、高い平面性を有し、移動度が高くなる条件を満たすことができる。
ここで、「銅ポルフィリン環」とは、銅ポルフィリンであり、「銅ポルフィリン環平面」とは、銅ポルフィリン環を形成するすべての原子の中心からの距離の2乗の和が最小になるような平面を言う。また「銅ポルフィリン骨格」とは、銅ポルフィリン環を形成する原子に加え、該銅ポルフィリン環に対して結合している、室温程度の熱エネルギーでは自由回転の制限された原子または原子団を総称して言う。
なお、「該銅ポルフィリン環に対して結合している、室温程度の熱エネルギーでは自由回転の制限された原子または原子団」とは、銅ポルフィリン環の原子とそれに直接結合した原子との間の結合の、内部回転のエネルギー障壁が、室温(通常、25℃)における熱エネルギーよりも大であるものを言う。例えば、内部回転のエネルギー障壁が10kcal/mol以上の場合である。
一般に、結合の回転に要するエネルギーは、実測によっても求められるが、分子軌道法等による計算により求めることもできる。6−311G(dp)等の非経験的分子軌道法やMOPAC等の半経験的分子軌道法が用いうるが、それぞれ、非経験的分子軌道法は精度が良く、半経験的分子軌道法は比較的計算が簡便である利点がある。
又、銅ポルフィリン環平面から、銅ポルフィリン骨格を形成する原子の中心までの距離は、公知の方法により求められるが、具体的には結晶構造解析や分子科学計算等の方法が挙げられる。
上記一般式(1)中のQ1'〜Q8'としては、水素原子、ハロゲン原子等の単原子が好ましい。また、置換基を有しない平面性の高い環を形成する基として、中でも(Q1'及びQ2')、(Q3'及びQ4')、(Q5'及びQ6')、並びに、(Q7'及びQ8')の少なくとも1つが、それぞれが互いに一体となって、プロピレン基、ブチレン基、等となり、それぞれがピロール環と縮合環を形成し、形成された縮合環がベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭素環であることが好ましく、さらには形成された縮合環が全て芳香環であるものが好ましい。また、R1〜R4も、水素原子やフッ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子等の単原子が好ましい。
銅ポルフィリン骨格を有する化合物としては分子量が8000以下が好ましい。さらに好ましくは5000以下、より好ましくは3000以下が好ましい。分子量が大きすぎると高純度の物質が得られにくく、精製が困難である。分子量は400以上が好ましい。
電子デバイスに応用するために必要な移動度は、制御する電流の大きさやスイッチング速度、素子の構造から決められるものである。本発明の銅ポルフィリン化合物を使用することで、キャリア移動度として1×10-2cm2/Vs以上、好ましくは1×10-1cm2/Vs以上の有機デバイスを提供することができる。
以下に本発明の好ましい銅ポルフィリン化合物の例を挙げる。もちろん本発明の銅ポルフィリン化合物はこれらの例示化合物に限定されるわけではない。
Figure 0004961660
Figure 0004961660
Figure 0004961660
(銅ポルフィリン化合物の合成方法)
本発明の銅ポルフィリン化合物は、対応するピロール化合物を出発原料として合成することが出来る。ポルフィリン化合物の合成法については、例えば、KARL M. KADIS H KEVIN M. SMITH ROGER GUILARD著、THE PORPHYRIN HANDBOOK VOL.1、ACADEMIC PRESS(2000)に記述されている方法を用いることができる。
例えば、ピロールとアルデヒドの縮合は特にテトラフェニルポリフィリンの合成法としてよく利用されている。
Figure 0004961660
(上記式中、Q1及びQ2 は、一般式(1)のQ1'〜Q8'に対応し、Q3はR1〜R4に対応する。)
また、α位にカルボン酸エステルやメチル基を有するピロールの縮合反応でも得ることができる。
Figure 0004961660
(上記式中、Q1及びQ2は、一般式(1)のQ1'〜Q8'に対応する。またR5はアルキル
基を表わす。)
本発明の銅ポルフィリン化合物中、ベンゼン環が1個以上のピロール環に縮合した、銅ベンゾポルフィリンは、その前駆体として対応するビシクロ化合物を用いて誘導することが出来る。この前駆体は平面構造でないため、溶媒への溶解性が高くかつ結晶化もしにくいため、溶液から塗布することにより、アモルファスまたはアモルファスに近い良好な膜を与える。この膜を加熱処理して下記のような脱エチレン反応により、平面性の高い銅ベンゾポルフィリン膜を得ることが出来る。この反応は100℃以上、好ましくは150℃以上に加熱することにより定量的に進行する。また、脱離するものがエチレン分子である
ため、系内に残りにくく、毒性、安全性の面でも問題ない。次に4個のベンゼン環が縮合した銅テトラベンゾポルフィリンの例を示す。
Figure 0004961660
このビシクロ化合物の合成法としては、例えば次のようなルートが挙げられる。
Figure 0004961660
また、途中のピロール中間体までの合成ルートは別のルートでも取ることができる。
Figure 0004961660
この前駆体の銅錯体はこの化合物と銅塩を溶解する有機溶媒中で混合することにより得られる。銅塩は有機溶媒に溶解するものであれば用いることが出来るが、酢酸塩はその代表的な例である。溶媒は金属塩とビシクロ化合物を溶解するものであればよいが、好ましい例としては、クロロホルム、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
(デバイスの種類)
(1)電子デバイスの定義
本発明の電子デバイスとは、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を光以外の、例えば電気、磁気、又は化学物質等により制御するデバイスである。例えば、電圧や電流の印加により電流や電圧を制御する素子、磁場の印加による電圧や電流を制御する素子、化学物質を作用させて電圧や電流を制御する素子が挙げられる。この制御としては、整流、スイッチング、増幅、発振が挙げられる。現在シリコン等で実現されている対応するデバイスとしては、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、化学センサー等、あるいはこれらの素子の組み合わせや集積化したデバイスが挙げられる。
また光で制御される、あるいは発光を制御するデバイスでも、本ポルフィリン材料が直接光を吸収したり発光したりして動作する以外の用途、例えば配線や上記の電圧、電流の制御に使われるデバイスも含まれる。
電子デバイスのより具体的な例は、S.M.Sze著、Physics of
Semiconductor Devices、2nd Edition (Wile
y−Interscience 1981)に記載されているものを挙げることができる。
(2)電界効果トランジスタ
本発明の有機デバイスの例としては、電界効果トランジスタ(FET)が挙げられる。これは、例えば、図1に示す構造を有する素子である。ここで、1が半導体層、2がゲート絶縁体層(以下絶縁体層)、3と4がソース及びドレイン電極、5がゲート電極、6が基板である。
電極には白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属の他、InO2、SnO2、ITO等の導電性の酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子及びそれに塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸
、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウムカリウム等の金属原子等のドーパントを添加したもの、カーボンブラックや金属粒子を分散した導電性の複合材料等の、導電性を有する材料が用いられる。
絶縁体層に用いられる材料としては、特に制限はなく、有機物、無機物及びその混合物が挙げられる。有機物としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、ベンゾシクロブタン、パリレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、低分子有機物が挙げられる。無機物としては二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化膜、SrTiO3、B
aTiO3等の強誘電性酸化物膜が挙げられる。有機物と無機物の混合物としては、上記
酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー膜等が挙げられる。
絶縁体層には有機物を含むものが好ましい。絶縁体層の有機物の含有量は5重量%以上が好ましく、さらに好ましくは15重量%以上である。有機物が少なすぎると脆くなり、膜の強度が低下する。又、100重量%以下が好ましい。
有機物としては、上記ポリマー及びその共重合体が好ましい。
一般に絶縁膜の静電容量が大きくなるほどゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので、有利になる。これには、誘電率の大きな絶縁材料を用いるか、絶縁体層の厚さを薄くする事に対応する。絶縁体層は、塗布(スピンコーティングやブレードコーティング)、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、アルミ上のアルマイトの様に金属上に酸化膜を形成する方法等、材料特性に合わせた方法で作製することが出来る。絶縁体層がポリマー及びその共重合体を含む場合、ポリマーを塗布して膜を作成しても、ポリマー原料のモノマーを塗布し、加熱等によりポリマー化して膜を作成することができる。
絶縁体層のポリマー材料としては、ガラス転移点(Tg)が80℃以上であることが好ましい。Tgが80℃より低いと、流動性が高く、膜厚不均一化や表面状態凹凸化等が発生し、絶縁体層を維持できない。また、支持基板を溶解しない溶媒に可溶で、かつ塗布型半導体層の作製時に溶剤に侵食されない耐溶剤性を有することが望ましい。
絶縁体層は、ゲート電極への漏れ電流、電界効果トランジスタの低ゲート電圧駆動に関係することから、室温での電気伝導度が10-12S/cm以下、更には10-14S/cm以下、比誘電率が2.0以上、更には2.5以上を示すことが好ましい。
このような絶縁体層の厚みの上限は4μm以下が好ましく、更に好ましくは2μm以下である。下限は0.1μm以上が好ましく、更に好ましくは0.2μm以上である。
厚すぎると絶縁体層のキャパシタンスが少なくなるので、電子デバイス特性が低下する。
(3)SIT
静電誘導トランジスタ(SIT)と呼ばれる有機デバイスも挙げることができる。これはFETではソースとドレイン電極が基板上に並べて配置され、電流の流れる方向がゲートにより誘起される電場に垂直方向であるのに対し、SITではソースとドレイン間にゲートがグリッド上に配置され、電流の方向がゲートにより誘起される電場に平行方向であるようなものである。図2にその模式図を示す。3がソース電極、4がドレイン電極であり、5がゲート電極、1が半導体である。このSIT構造では、キャリアの流れは面上に広がり、かつ電極間距離を小さくできる為、大電流でかつ高速のスイッチングを行うことが可能になり、そのような動作の必要な応用に対しては望ましいものである。
5のゲート電極は電極間をキャリアが通り抜けていく網目あるいはストライプ状の構造をしており、膜厚としては、10nm〜10μm、好ましくは20nm〜1μmが好ましく、ゲートの網目の間隔は、ソースとドレイン間の距離(素子の厚さ)よりも小さい事が望ましい。また、ゲート電極には金属は導電性高分子等の導電性材料の薄膜の島状構造利用することもできる。
例えば、50nm以下の半透明のアルミの電極はこのような用途に用いることができる。
このゲート電極からのキャリアの出入りを抑えるために、電極と半導体の間に、絶縁層あるいは障壁があることが必要である。その為に、電極材料を障壁を作る金属、例えばアルミニウムを選んでショットキー障壁を形成させることができる。また、電極周りに絶縁膜を形成するために絶縁層をパターニングすることも利用できる。
(4)ダイオード
そのほかの例として、ダイオード素子が挙げられる。これは、非対称な構造をした図3に示される2端子素子である。
その一つの例としては、仕事関数の異なる2つの金属電極(7及び8)で銅ポルフィリン材料(9)を挟んだ構造のものである。この少なくとも一方はポルフィリン材料との間でエネルギー障壁を形成する必要がある。p−型の半導体との間でエネルギー障壁を形成する金属としては、アルミニウムがよく用いられるが、仕事関数が半導体と電極で異なるものであれば、エネルギー障壁を形成する。そのような素子に電圧を印加すると、極性を逆転した場合で流れる電流が異なり、整流作用が見られる。
また、本発明の銅ポルフィリン材料(9)と、仕事関数の大きく異なる他の半導体材料(10)を接触させることにより、ダイオード素子を作製することも可能である。この場合の電極7,8は同じでも異なっていてもよい。組み合わせる材料としては、例えば、ペリレン顔料やフタロシアニン材料、フラーレン、共役高分子等が挙げられる。
このようなダイオード素子の応用としては、整流素子への応用が挙げられる。
(5)抵抗等
対称な2端子素子の作製も可能である。電極間の抵抗を調整して抵抗器として用いたり、抵抗を大きくして電極間の電気容量を調整してコンデンサーとして用いることも可能である。
このようなダイオード素子や抵抗素子は、本発明の高移動度を示す銅ポルフィリン材料を用いることにより、抵抗値等のデバイスパラメータを広く制御できるメリットがあり、集積化に都合がよい。また低抵抗のものは配線に用いる事もできる。
(デバイスの作製方法)
(1)基板処理
本発明の有機デバイスは、基板上に作製するが、その基板処理により特性を向上させることができる。これは基板の親水性/疎水性を調整して、製膜の際に得られる膜質を向上させること、特に基板と半導体層の界面部分の特性を改良することがその原因と推定される。このような基板処理としては、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等の疎水化処理、塩酸や硫酸、酢酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュアブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理が挙げられる。
(2)膜厚
本発明の有機デバイスには、銅ポルフィリンの膜が用いられる。膜厚は、先に例示した横型の電界効果トランジスタの場合、素子の特性は必要な膜厚以上であれば膜厚には依存しない。膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多い。従って好ましい膜厚は、1nmから10μmの範囲であるが、より好ましくは10nmから500nmが望ましい。
また、本発明の銅ポルフィリン材料が単独で用いることはもちろんであるが、他の材料との混合で用いることもできるし、さらには他の層との積層構造で用いることも出来る。(3)蒸着
本発明の銅ポルフィリン化合物は、フタロシアニン化合物等と同様に、真空プロセスで製膜してデバイスを作製することが出来る。この場合には、銅ポルフィリン化合物をルツボや金属のボートに入れて真空中で加熱し、基板に付着させる真空蒸着法を用いることが出来る。この際、真空度としては、1×10-3Torr以下、好ましくは1×10-5Torr以下が望ましい。また、基板温度でデバイスの特性が変化するので、最適な基板温度を選択する必要があるが、0℃から200℃の範囲が好ましい。また、蒸着速度は0.01Å/秒以上100Å/秒以下、好ましくは0.1Å/秒以上10Å/秒以下が用いられる。材料を蒸発させる方法としては、加熱の他、加速したアルゴン等のイオンを衝突させるスパッタ法も用いることが出来る。
(4)塗布
本発明の銅ポルフィリン化合物は、溶媒に溶解して塗布することによっても素子を作製することが出来る。この際、最終的に素子中で用いる銅ポルフィリン化合物を直接塗布することも可能であるが、溶解性の高い化合物(以下前駆体と呼ぶ)を塗布しておき、それの化学構造の変化により、最終的な銅ポルフィリン化合物に変換することも可能である。特に溶媒に難溶な材料を塗布法で膜形成するのに有用である。
この前駆体としては、次に示すビシクロ構造を有するものが、好ましい例として挙げられる。
Figure 0004961660
このビシクロ構造は、加熱によりエチレン分子が解離してベンゼン環に変化する。
Figure 0004961660
ビシクロ構造は立体的にかさ高いため、結晶性が悪く、この構造を有する分子は溶解性が良好でかつ溶液から塗布した際に、結晶性の低い、あるいは無定型の膜が得やすい性質を有することが多い。加熱によりベンゼン環に変化すると、平面性の良好な分子構造になるために、結晶性の良好な分子に変化する。従って、この前駆体からの化学変化を利用することにより、結晶性の良好な膜を塗布により得ることが出来る。
特に、本発明の銅ポルフィリン中、銅ベンゾポルフィリンと呼ばれるピロール環にベンゼン環が縮合している化合物は、前駆体としてビシクロ構造のものから得ることができるので、塗布による素子を得るのに有利である。
塗布の方法としては、溶媒をたらすだけのキャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いることができる。さらに、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
(5)膜の後処理
作製された膜は、後処理により特性を改良することが可能である。例えば、加熱処理により、製膜時に生じた膜中の歪みを緩和することができ、特性の向上や安定化を図ることができる。さらに、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や液体にさらすことにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することができる。
(6)ドーピング処理
また、ドーピングと呼ばれる微量の元素や原子団、分子、高分子を加えることにより、特性を変化させて望ましいものにすることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子
、ナトリウムカリウム等の金属原子等をドーピングする事が挙げられる。これは、これらのガスに接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは膜の形成後でなくても、材料合成時に添加したり、溶液からの作製プロセスでは、その溶液に添加したり、前駆体膜の段階で添加することができる。また蒸着時に添加する材料を共蒸着したり、膜形成時の雰囲気に混合したり、さらにはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられ、半導体デバイスでは良く利用されているものである。ドーピング処理は同様に本発明の有機デバイスでも利用することができる。
(7)基板、電極、絶縁膜、パッシベーション等の材料
本発明のデバイスの基板としては、ポリマーの板、フィルム、ガラス、あるいは金属をコーティングにより絶縁膜を形成したもの、ポリマーと無機材料の複合材等を用いることができる。
電子デバイス作製の為の電極や配線には、金、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、等の金属、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、等の導電性高分子及びそのドーピングされた材料、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、等の半導体及びそのドーピングされた材料、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料、を用いることができる。これらを形成する方法も、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いることができる。また、そのパターニング方法も、フォトレジストのパターニングとエッチング液や反応性のプラズマでのエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法及びこれらの手法の複数の組み合わせた手法を利用することができる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり材料の導電性を変化させる事により、直接パターンを作製することも利用できる。
本発明の電子デバイスは、絶縁膜とは別に絶縁膜Aを形成することができる。
絶縁膜Aとは半導体層の電気伝導度以下の抵抗を有していれば良く、好ましくは10-8S/cm以下、さらに好ましくは10-9S/cm以下、より好ましくは10-10S/cm
以下である。半導体層より電気伝導度が高いと、電子デバイスのオフ電流が増加するので好ましくない。特に電子デバイスが電界効果トランジスタの場合、半導体層の絶縁層と異なる側に絶縁膜Aを形成することが好ましい。半導体層と絶縁層Aは、間に他の層が入っていても良いが、好ましくは半導体層に直接絶縁膜Aが形成されているのが好ましい。
絶縁膜Aの材料としては、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のポリマー膜、低分子有機膜、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化膜や窒化膜等が挙げられる。絶縁膜Aとしては有機物を含有するものが好ましく、さらに好ましくはポリマーを含む膜、より好ましくは芳香環を含有するポリマーを含む膜である。
絶縁膜A4の有機物の含有量は5重量%以上が好ましく、さらに好ましくは15重量%以上である。有機物が少なすぎると脆くなり膜の強度が低下する。又100重量%以下が好ましい。
芳香環を含有するポリマーとしては、芳香族ポリカーボネート類、芳香族エポキシ系樹脂、ポリアリレート類、芳香族ポルスルホン類、芳香族ポリエステル類、フェノール系樹脂、芳香族ポリアミド類、芳香族ポリイミド、芳香族ポリウレタン類、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルターフェニル、ポリビニルピレン、ポリビニルテトラセン、ポリアセナフチレン、ポリフェニル(メタ)アクリレート又はポリベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
絶縁膜Aの形成法は、溶液の塗布乾燥する方法、モノマーを塗布あるいは蒸着して重合する方法が挙げられ、さらに架橋処理や多層膜を形成することも可能である。無機物の膜の形成には、スパッタ法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。
絶縁膜Aの膜厚は、1nm以上が好ましく、さらに好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上である。又、1mm以下が好ましく、さらに好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以下である。特に、絶縁膜Aが有機半導体層に接して積層される場合には、絶縁膜Aが有機半導体層と接触することにより有機半導体の移動度を改
良する効果もあるので、膜厚依存性は小さいと考えられる。しかしながら、十分に有機半導体層と接触しないほどの薄膜では効果が少なく、あまりに厚い膜では製膜に手間がかかり、機械的に破壊しやすくなる。
絶縁膜Aの形成により、移動度の向上、オンオフ比の改良、ヒステリシス特性の改良、閾値電圧(Vt)のシフトの緩和、耐久性の向上、外気での特性の振れの改良、の少なくとも1つが改良する。
(デバイスの応用分野)
(1)アクティブマトリクス
本発明の有機デバイスは、ディスプレーのアクティブマトリクスのスイッチング素子として利用することが出来る。これは、ゲートに印加される電圧でソースとドレイン間の電流をスイッチング出来ることを利用して、ある表示素子に電圧を印加あるいは電流を供給する時のみスイッチを入れ、その他の時間は回路を切断する事により、高速、高コントラストな表示を行うものである。
適用される表示素子としては、液晶表示素子、高分子分散型液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロルミネッセント素子、エレクトロクロミック素子等が挙げられる。
特に、本発明の有機デバイスは、低温プロセスでの素子作製が可能であり、プラスチック基板、プラスチックフィルムや紙等の、高温処理に耐えない基板を用いることができる。また、塗布あるいは印刷プロセスでの素子作製が可能であることから、大面積のディスプレーへの応用に適している。また、従来のアクティブマトリクスの代替としても、省エネルギープロセス、低コストプロセスの可能な素子として有利である。
(2)IC
また、トランジスタを集積することにより、デジタル素子やアナログ素子が実現できる。これらの例としては、AND、OR、NAND、NOT等の論理回路、メモリー素子、発振素子、増幅素子、等が挙げられる。さらにこれらを組み合わせることにより、ICカードやICタグを作製することが出来る。
(3)センサー
有機半導体は、ガスや化学物質、温度等の外部の刺激により、特性が大きく変化するので、それらのセンサーへの応用も考えられる。例えば本発明の有機デバイスの特性が、気体や液体との接触により変化する量を測定することにより、定性的あるいは定量的にそれに含まれている化学物質を検出することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1):銅ビシクロポルフィリン錯体の合成
Figure 0004961660
上記ルートで銅ビシクロポルフィリン化合物を合成した。合成法はS.Ito、N.Ochi,T.Murashima,H.Uno,N.Ono、Heterocycles52巻、399(2000)に記載の方法に準じて行った。
ビシクロポルフィリン(3)(92.8mg, 0.16mmol)と酢酸銅(II)2水和物(313.6mg, 1.6mmol)をクロロホルム(150mL)−メタノール(15mL)混合液に溶解し、約1時間攪拌した。アルミナTLC(展開溶媒クロロホルム−ヘキサン1:1)により、原料は消失して新規なものが生成しているのが確認された。水を加えて反応を停止し、そのまま水で洗浄し、有機層を分離した。さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。乾燥剤を濾紙により濾過した後に溶媒を留去し、アルミナゲルによりクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム−ヘキサン1:1)を行った。目的物のみを含むフラクションのみを集めて濃縮した。濃縮の途中でメタノールを加え、さらに濃縮を続けると目的物の沈殿が生成した。これを、濾紙を用いて廬別し、真空乾燥した。こうして得られたビシクロポルフィリン銅錯体(4)の収量は76.5mg、収率は75%であった。
このビシクロポルフィリン銅錯体(4)0.8mgをクロロホルム1.25gに溶解して、ガラス基板上に2000rpmでスピンコートして得られた膜を、4℃/分で加熱しながら吸収スペクトルを測定した。その結果を図4に示す。これから、120〜180℃の間で銅ビシクロポルフィリンから銅ベンゾポルフィリンへの変換が起こっている事が分かる。
Figure 0004961660
比較例1)
300nmの酸化膜を形成したN型のシリコン基板(Sbドープ、抵抗率0.02Ωcm以下、住友金属工業社製)上に、フォトリソグラフィーで長さ(L)10μm、幅(W)500μmのギャップを有する金電極(ソース、ドレイン電極)を形成した。また、この電極と異なる位置の酸化膜をフッ酸/フッ化アンムニウム液でエッチングし、むき出しになったSi部分に金を蒸着し、これをシリコン基板(ゲート電極)に電圧を印加するための電極とした。
合成例1で得られたビシクロポルフィリン銅錯体(2)0.8mgをクロロホルム1.25gに溶解した。以下の製膜及び電機特性の評価は、酸素や湿度の影響を避けるために、すべて窒素雰囲気下で行った。先に用意した溶液を上記電極を形成した基板上に1000rpmでスピンコートして良好な膜を得た。この基板を、120℃に加熱したホットプレートの上に置き、その後15分ごとに10℃ずつステップ状に200℃まで昇温し加熱した。
こうして得られた電界効果トランジスタの特性を、アジレントテクノロジー社製半導体パラメータアナライザー4155Cを用いて測定した。ソースとドレイン間に印加された電圧Vdに対して流れる電流をId、ソースとゲートに印加される電圧をVg、閾値電圧を
t、絶縁膜の単位面積当たりの静電容量をC、ソース電極とドレイン電極の間隔をL
、幅をW、半導体層の移動度をμとすると、その動作は、次のように表すことができる。
Figure 0004961660
μは素子の電流電圧特性から求めることができる。μを求めるには式(1)或いは(2)を用いるが、(2)式の飽和電流部分のId 1/2−Vgの傾きから求める方法を採用した
。このプロットのId=0との切片からスレシホールド電圧Vt、Vd=−30V印加時の
g=30Vと−50VのIdの比をオンオフ比とした。
このようにして得られた移動度は、0.41cm2/Vs、Vtは16V、オンオフ比は3
.3×104であった。
比較例2)
比較例1で、製膜後の加熱条件を210℃のホットプレートで5分間行った以外は同様の実験を行った。そうして得られた移動度は0.11cm /Vs、Vは17V、オンオフ比は5.2×10 であった。
(実施例
比較例2で作製した素子に、ポリスチレンの10%トルエン溶液をオーバーコートすると、移動度が0.31cm /Vs、Vは14V、オンオフ比は1.1×10 になった。
(合成例2)
ポリアミド酸1の合成
室温、窒素雰囲気下において、4,4‘−オキシジアニリン(ODA)(2.0g,10mmol)を42mlのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた。この溶液にピロメリット酸二無水物(PMDA)(2.2g,10mmol)を加えて開環重付加反応を行い、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の重合を行った。重合開始12時間後に、重合溶液をメタノール500ml中に投入して再沈殿処理を行い、ポリアミド酸を回収した。減圧乾燥後、NMPに溶解させ、再びメタノールで再沈殿を行った。この再沈殿処理を2回繰り返して精製されたポリアミド酸1を得た。
比較
4インチガラスマスクウェハー基板(表面研磨、ユニバーサル社製)上に、ネガ型フォトレジスト(日本ゼオン社製)を用いて、フォトリソグラフィーを行いゲート電極のパタ
ーニングを行った。このパターンに真空蒸着機EX−400(アルバック社製、真空度:10−6Torr)を用いてクロムを1000Åの厚さで蒸着を行った。次いで、不要となったレジストパターンを有機溶剤を用いて除去し、さらに表面をエキシトラン洗浄液(メルク社製)を用いて超音波洗浄を行ってガラスウェハー上にクロムゲート電極がパターニングされた基板を作製した。
この上に20wt%濃度でN−メチルピロリドンに溶解させ、0.2μmのフィルターでろ過を行ったポリアミド酸1溶液を2mL展開し、3000rpm,120secの間スピンコートを行い、製膜を行った。このポリアミド酸フィルムを窒素中で300℃まで徐々に加熱してイミド化を行い、下記構造のポリイミド1絶縁膜を作製した。膜厚計(Alpha−Step500:Tencor社製)で絶縁膜の膜厚を測定した結果、9000Åであった。
Figure 0004961660
このポリイミド1絶縁膜上に再びネガ型フォトレジスト(日本ゼオン社製)を用いて、フォトリソグラフィーを行いソース・ドレイン電極のパターニングを行った。このパターンに真空蒸着機EX−400(アルバック社製、真空度:10-6Torr)を用いてクロムを100Å、金を1000Åの厚さで蒸着を行った。次いで、不要となったレジストパターンを有機溶剤で除去、洗浄してボトムコンタクト基板を作製した。
次いで、ビシクロポルフィリン銅錯体(2)を窒素雰囲気下、室温において、クロロホルムに0.7wt%になるように溶解した。この0.7wt%ビシクロポルフィリン銅錯体クロロホルム溶液を上記で作製したポリイミド1絶縁膜付きボトムコンタクト基板上に1000rpmでスピンコートし薄膜を作製した。この基板を210℃で5min加熱処理を行い、半導体層に変換を行い、図1のAに示した構造のTFTを作製した。このTFTをアジレントテクノロジー社製半導体パラメータアナライザー4155Cを用いて測定し、電圧−電流曲線を求めて移動度とオン/オフ比を算出した結果、0.9cm2/Vs
と102となった。
本発明の電界効果トランジスタ(FET)の模式図を示す。 本発明の静電誘導トランジスタ(SIT)の模式図を示す。 本発明のダイオード素子の模式図を示す。 合成例1で得られた化合物の加熱温度における吸収スペクトル変化を示す図である。
符号の説明
1 半導体層
2 絶縁体層
3 ソース
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板
7,8 金属電極
9 銅ポルフィリン材料
10 他の半導体材料

Claims (4)

  1. 少なくとも半導体層、ゲート絶縁体層、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を含む電界効果トランジスタにおいて、銅ポルフィリン骨格を有する化合物を半導体層に含み、半導体層のゲート絶縁体層と異なる側、芳香環を含有するポリマーを含む有機層を有することを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 銅ポルフィリン骨格を有する化合物の分子量が8000以下である請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 銅ポルフィリン骨格を有する化合物が、銅ポルフィリン環平面から銅ポルフィリン骨格を形成する原子の中心までの距離が1Å以内に配置された分子構造を有するものである請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 銅ポルフィリン骨格を有する化合物が、銅ベンゾポルフィリンである請求項1〜のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
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