JP4415541B2 - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果トランジスタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、以下、FETと称することがある。)素子は、半導体層としてシリコン(Si)やガリウム砒素単結晶など無機半導体材料を用いたものが広く利用されている。しかし無機材料の場合、製造時に300℃以上の高温で処理するため基板にプラスチック(樹脂)を用いるのが難しいこと、製造に多くのエネルギーを要すること、蒸着やスパッタリング、CVDなどの真空下での素子作製プロセスを経るため大面積の素子を製造するのが困難なこと、また製造ラインに高価な設備を必要とし高コストになること、などの課題がある。
【0003】
そこで、有機半導体材料を、電界効果トランジスタをはじめとして発光ダイオード、非線形光デバイスなど電子デバイスの半導体層に使用した有機電子デバイスが提案されている。これによれば、比較的低温のプロセスで製造できるので基板にプラスチックフィルムが使用でき、軽量で柔軟性に優れた壊れにくいデバイスを作製できる利点がある。塗布法や印刷法によって形成できるので大面積のデバイスが、高価な設備を必要とせず低コストで製造できる利点もある。また有機物は材料のバリエーションが豊富で分子構造を変化させて材料特性を根本的に変えることもできるので、無機物にはない機能を持つ素子が得られる可能性がある。
【0004】
有機半導体材料は、高分子化合物材料(ポリマー材料)と低分子化合物材料の2種に大別される。
高分子化合物材料としては導電性高分子や共役高分子などが代表的で、共役高分子化合物を半導体としてそのまま用いる方法、電場をかけて共役高分子化合物にイオン(ドーパント)を出し入れしてスイッチングを行う方法などが試みられている。
【0005】
例えば、芳香族基をアルキニレン基で連結した構造単位を含むポリアリレンエチニレン化合物をルミネッセンス材料とした例がある(非特許文献1及び非特許文献2)。また、芳香族基をアルケニレン基で連結した構造単位を含む高分子化合物も検討され、2,5−ビス[2−{5−(2,2′−ビチエニル}エテニル]チオフェンが電界効果トランジスタに適用された例がある(非特許文献3)。
【0006】
しかし、高分子であることに由来する問題点、すなわち溶媒溶解性が低く均一な塗布液が得られず膜の均一性や安定性が低いこと、成膜時に構造の不完全部分に由来する欠陥が生じてしまうこと、精製が困難なこと、酸化電位が下がり酸化されやすくなりやすいこと等の課題があり、高性能かつ安定性の高い材料はいまだ見出されていない。
【0007】
一方、低分子化合物は、合成の結果得られる化合物の構造がほぼ定まっており、かつ昇華精製や再結晶、カラムクロマトグラフィー等のさまざまな精製法が利用できるため、純度が高く、高性能で安定性の高い材料が得られやすい点で高分子化合物より優れている。
低分子化合物材料の例としては、ペンタセン等の芳香族縮合炭化水素化合物やチオフェン環が3個以上連結したオリゴチオフェン類で、蒸着成膜されたものながら、アモルファスシリコン(a−Si)並の高い移動度を示した報告がある(非特許文献4)。しかし、高分子化合物ほどではないものの酸化されやすい傾向があるため、安定性の面で課題がある。即ち、空気中の酸素が有機半導体膜にドーピングされ、キャリア密度が上がってしまい、漏れ電流が多くなったり移動度が変化して安定な特性が得られなくなったりする場合がある。
【0008】
また、アルキル置換ターチオフェン骨格を有する非対称液晶正電荷輸送材料も開示されているが(特許文献1)、この化合物は液晶性を示し、高温域のスメクティック相においてのみ高い移動度を示し、使用温度に幅が無く実用的でなかった。また、スメクティック相を利用した液晶性電荷輸送材料は特許文献2、特許文献3でも報告されている。
【0009】
【非特許文献1】
Chem.Rev.,100巻(2000)p.1605
【非特許文献2】
J.Mater.Chem.,8巻(1998)p1687
【非特許文献3】
Synthetic Metals,89巻(1997)p.193
【非特許文献4】
Synthetic Metals,45(1993)p.163
【特許文献1】
特開2001−233872号公報
【特許文献2】
特開平9−316442号公報
【特許文献3】
特開平11−199871号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、半導体用有機材料を用いた高特性を示し安定性の高い電界効果トランジスタを提供することにある。さらに、簡便な作製プロセスでありながら、高特性で安定性の高い電界効果トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する有機化合物によりその目的を達成しうることを見いだし、本発明に至った。
本発明の要旨は、少なくとも有機半導体層を有する電界効果トランジスタであって、該有機半導体層が、下記一般式(1)で表される構造を含み、かつ分子量が2000以下である化合物からなる有機半導体材料を含むことを特徴とする電界効果トランジスタに存する。
【0014】
【化2】
Figure 0004415541
【0015】
〔式(1)中、A及びBはそれぞれ独立して、置換されていても良い芳香族炭化水素環を含む基又は置換されていても良い芳香族複素環を含む基を表す。nは〜8から選ばれる整数を表す。
【0016】
本発明の別の要旨は、少なくとも有機半導体層を有する電界効果トランジスタの製造方法であって、前記有機半導体材料を含む有機半導体層を成膜する工程と、該有機半導体層が流動相となるまで加熱した後、冷却する工程、とを含むことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法に存する
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明においては、有機半導体材料が、置換されていても良い芳香族炭化水素環を含む基又は置換されていても良い芳香族複素環を含む基(以下、芳香族炭化水素環と芳香族複素環を総称して芳香族環とする。)が、アルキニレン基を介して結合する構造を少なくとも1以上含み、かつ分子量2000以下である化合物からなることを大きな特徴とする。
【0020】
本材料を用いて形成した有機半導体膜は、高いキャリア移動度を示す。更に、空気中の酸素がドーピングされにくく、キャリア密度が増加するのを抑えることができるので、漏れ電流が少なく、キャリア移動度が安定化する利点がある。従って本材料を有機半導体層に使用した有機電子デバイスは、高いキャリア移動度と高いオンオフ比を安定的に得られる利点がある。
【0021】
この理由は必ずしも明らかでないが、以下のように推定される。半導体膜において漏れ電流を少なくし高いオンオフ比を達成するためには、キャリア密度を下げるのが有効である。そこで、キャリアとして正孔を用いるp型半導体においては、最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギー準位を低くして正孔密度を下げることが有効と考えられるが、これは分子内に電子吸引基を導入することにより達成できる。
【0022】
一般にアルキニレン基(炭素−炭素3重結合)は、アルケニレン基(炭素−炭素2重結合)に比べて電子吸引性が強いので、HOMOのエネルギー準位を低くする効果が期待できる。実際に、モデル化合物として下記構造式で表される化合物(101)、(102)、(103)について、半経験的分子軌道法(PM3)を用いて分子軌道計算を行った。その結果、化合物(102)が−7.92eV,アルケニレン基を持つ化合物(103)が−7.89eVであるのに比べ、アルキニレン基を持つ化合物(101)は−8.03eVと、HOMOのエネルギー準位が低いことが示された。
【0023】
【化3】
Figure 0004415541
【0024】
このような作用によって、置換されていても良い芳香族環を含む2つの基がアルキニレン基を介して結合する構造を1以上含む本化合物は、漏れ電流が少なく、オンオフ比が高い優れた有機半導体材料であると推定される。
また、本材料は低分子量であり成膜性に優れるので、高分子化合物のように溶媒溶解性が低く均一な塗布液が得られず膜の均一性や安定性が低い、成膜時に構造の不完全部分に由来する欠陥が生じてしまう、精製が困難、といったことが無い。更に、本材料は塗布法、印刷法などにより低コストで容易に半導体膜が形成できる利点もある。
【0025】
[1]本発明の有機半導体材料の構造
本発明においては、置換されていても良い芳香族環を含む2つの基がアルキニレン基を介して結合する構造を1以上含む。置換されていても良い芳香族環を含む基をX1、X2、X3、X4・・・で表しアルキニレン基をQで表すと、本構造はX1−Q−X2で表される。
【0026】
好ましくは、該構造を2以上含む。即ちX1−Q−X2−Q−X3で表される構造である。
上記X1、X2、X3、X4・・・で表される、置換されていても良い芳香族環を含む基について説明する。芳香族環は、1又は複数の芳香族炭化水素環を含むか、1又は複数の芳香族複素環を含んでいれば良く、両方を含んでもよい。通常、1〜8個の芳香族環を含み、より好ましくは2〜8個の芳香族環を含む。また、X1、X2、X3、X4・・・は同じ構造でも良いし、それぞれ異なる構造であっても良い
芳香族炭化水素環としては、価数に限定はなく、構造も特に限定されないが、好ましく用いられるのは、炭素数6〜30の芳香族炭化水素環である。具体例としては、フェニレン、ビフェニレン、ターフェニレン、トリフェニレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタセン、コロネン、ルビセン、アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、テトラフェニレン、ビスアントラセンなどが挙げられる。
【0027】
また芳香族複素環としては、価数に限定はなく、構造も特に限定されないが、好ましく用いられるのは、炭素数4〜30の芳香族複素環である。具体例としては、フラン、チオフェン、ピロール、2−ヒドロキシピロール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、1−ベンゾチオフェン、2−1−ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、カルバゾール、2−ヒドロキシピラン、2−ヒドロキシクロメン、1−ヒドロキシ−2−ベンゾピラン、キサンテン、4−ヒドロキシチオピラン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、4−ヒドロキシキノリジン、フェナンスリジン、アクリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、イミダゾール、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、1−ヒドロキシイミダゾール、1,8−ナフチリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、フタラジン、ピュリン、テリジン、ペリミジン、1,10−フェナンスロリン、チアンスレン、フェノキサチン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、フェナサジン、シラシクロペンタジエン、シラベンゼン等が挙げられる。
これら芳香族環としては、例えば下記に示すような環構造が挙げられる。
【0028】
【化4】
Figure 0004415541
【0029】
【化5】
Figure 0004415541
【0030】
【化6】
Figure 0004415541
【0031】
これら芳香族環は置換基を有していても良く、置換基の例としては以下のようなものが挙げられる。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−へプチル基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜20の環状アルケニル基;エチニル基などの炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルキニル基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フルフリル基、等の複素環基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜30のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の炭素数3〜20の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;フェノキシ基トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜30のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基;イソシアノ基;シアナト基;イソシアナト基;チオシアナト基;イソチオシアナト基;メルカプト基;ヒドロキシ基;ヒドロキシアミノ基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;−NR12で表されるアミノ基;−NHCOR3で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR4で表されるカーバメート基;−COR5で表されるアシル基;−COOR6で表されるカルボン酸エステル基;−CONR78で表されるカルバモイル基;−OCOR9で表されるアシルオキシ基;−SOR10で表されるスルフィニル基;−SO211で表されるスルフォニル基;−SO2NR1213で表されるスルファモイル基;−SO314で表されるスルホン酸エステル基;−NHSO215で表されるスルホンアミド基等が挙げられる。これらの置換基は芳香族環の種類を問わず、1環中に複数有していてもよい。また結合位置も特定されるものではない。またこれらの中で、アルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基をはじめとするさらに置換されうる基については、後述する置換基で更に置換されていてもよい。
【0032】
1〜R14はそれぞれ、水素原子、直鎖または分岐のアルキル基、環状アルキル基、アリール基、複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
本発明の芳香族環の置換基であるアルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基をはじめとするさらに置換されうる基、およびR1〜R14であらわされるアルキル基の置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基(これらは置換基でさらに置換されていてもよい。);フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;アリルオキシ基、ビニルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0033】
本発明の芳香族環の置換基がアルコキシ基、アルキルチオ基または−NR12基の場合、これらは互いに結合して環状構造を形成してもよく、芳香族環を構成する原子と結合して該環と縮合する環を形成していてもよい。また結合部分にヘテロ原子を介することにより、ヘテロ原子を含む複素環を形成してもよい。これらがつくる複素環としては、5〜7員環の飽和複素環が好ましい。
【0034】
これらの縮合位置は隣接する置換基同士の間であれば、その位置や数は特定されるものではない。また、これらの縮合環の炭化水素は、芳香族環が有しうる基として前述したような置換基を有していてもよい。
以上述べた置換基のうち好ましいものとしては、置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換されてもよいアシル基、置換されてもよいアミノ基である。
【0035】
また、芳香族環は、1つ以上の2価、3価又は4価の連結基を挟んでQ(アルキニレン基)と結合していてもよい。2価の連結基としては、アルキリデン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基、2価のアルコール残基、カルボニル基、2価のアシル基、イミノ基、アゾ基、アミノ基等が上げられる。3価の連結する基としては、アルキリジン基、アルキルトリイル基、3価のアルコール残基、3価のアシル基、アミノ基、3価のボロニル基等が上げられる。4価の連結する基としてはアルキルテトライル基等が上げられる。但し、好ましいのは芳香族環がQ(アルキニレン基)と直接結合する構造である。
【0036】
本発明においては、置換されていても良い芳香族環を含む2つの基がアルキニレン基を介して結合する構造を1以上含むが、好ましくは該構造を2以上含む。つまり、置換されていても良い芳香族環を含む基をX1、X2、X3、X4・・・で表しアルキニレン基をQで表したとき、X1−Q−X2−Q−X3で表される構造である。
【0037】
1、X2、X3は同じ構造をとってもよいし互いに異なる構造をとってもよいが、好ましくはいずれか1種以上が異なる構造をもつ態様である。
芳香族環を含む基のうち末端に存在するX1及びX3は、上述したような置換基を有するものが好ましい。中でも好ましい置換基は、直鎖または分岐のアルキル基、環状のアルキル基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる1種または2種以上の置換基である。
【0038】
また、好ましくは芳香族環を含む基の少なくとも1つが、芳香族複素環を含む基である。なかでも好ましくは、ヘテロ原子として硫黄原子又は窒素原子を含む芳香族複素環である。より好ましい芳香族複素環構造は、チオフェン、又は複数のチオフェンが連なった構造である。最も好ましくは複数のチオフェンが連なった構造である。これらはいずれも上述したような置換基を有していてもよい。
【0039】
以上を総合して特に好ましいのは、前記化合物が下記一般式(1)で表される構造を含む態様である。
【0040】
【化7】
Figure 0004415541
【0041】
但し、A及びBはそれぞれ独立して、置換されていても良い芳香族炭化水素環を含む基又は置換されていても良い芳香族複素環を含む基を表す。nは1〜8から選ばれる整数を表す。好ましくはnは2〜8から選ばれる整数を表す。
A及びBについては、上記、X1、X2、X3、X4・・・で表される、置換されていても良い芳香族環を含む基の説明と同様である。
【0042】
本化合物は比較的低分子量であることが望ましく、分子量は2000以下であり、好ましくは1000以下である。但し、通常、少なくとも分子量は200以上である。
本発明の有機化合物の製造方法は特に制限がなく、公知の様々な方法を用いるうるが、例えばアリール基又は複素環化合物基を有するアセチレン化合物と、ハロゲン化芳香族化合物又はハロゲン化複素環化合物をパラジウム触媒でヘック反応型カップリングさせることにより効率よく得られる。
【0043】
[2]本発明の有機半導体材料の特性
本発明の有機半導体材料の有すべき好ましい特性について説明する。
本発明の化合物は、室温で液晶状態又は固体状態を示すものが好ましく、より好ましくは室温で固体状態である。液晶性状態でも有機半導体として用いうるが、一般に、室温で固体状態のほうが、有機半導体膜が高いキャリア移動度を示しやすい。即ち、材料が固体状態で、隣りあう分子同士が良好に重なりあっていると、有機半導体膜が高いキャリア移動度を示しやすい傾向がある。
【0044】
キャリア、すなわち電子あるいは正孔が分子間を移動していく際には各分子のπ電子軌道間の相互作用が重要であるが、隣りあう分子同士が良好に重なりあっていると相互作用が良好に働き、キャリアが高速で移動しやすいためと考えられる。
本発明の有機半導体材料のキャリア移動度としては、高いほど望ましいが、好ましくは1×10-5cm2/Vs以上である。キャリア移動度が1×10-5cm2/Vsより小さいと、デバイスにした場合、半導体層の移動度が低いためにデバイスの応答速度が低下してしまう可能性がある。より好ましくは3×10-5cm2/Vs以上である。
【0045】
また、本発明の有機半導体材料のオンオフ比としては、高いほど望ましいが、好ましくは800以上であり、より好ましくは1000以上である。
[3]本発明の有機電子デバイスについて
本発明の有機電子デバイスは、少なくとも有機半導体層を有する有機電子デバイスであって、該有機半導体層が上記有機半導体材料を含むことを特徴とする。
【0046】
本発明において電子デバイスとは、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を電気、光、磁気、又は化学物質等により制御するデバイスである。例えば、電圧や電流の印加により電流や電圧を制御する素子、磁場の印加による電圧や電流を制御する素子、化学物質を作用させて電圧や電流を制御する素子が挙げられる。この制御としては、整流、スイッチング、増幅、発振が挙げられる。現在シリコン等で実現されている対応するデバイスとしては、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、化学センサー等、あるいはこれらの素子の組み合わせや集積化したデバイスが挙げられる。電子デバイスのより具体的な例は、S.M.Sze著、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition(Wiley−Interscience 1981)に記載されているものを挙げることができる。
【0047】
本発明によれば、有機半導体材料を用いるため、比較的低温のプロセスで製造できるので基板にプラスチックフィルムが使用でき、軽量で柔軟性に優れた壊れにくい電子デバイスを作製できる利点がある。
また、塗布法や印刷法によって形成できるので大面積のデバイスが、高価な設備を必要とせず低コストで製造できる利点もある。更に有機物は材料のバリエーションが豊富で分子構造を変化させて材料特性を根本的に変えることもできるので、無機物にはない機能を持つ素子が得られる可能性がある。
【0048】
更に、本発明の有機半導体材料を半導体層に含む電子デバイスは、キャリア移動度μが高く高速応答性があり、漏れ電流(リーク電流)が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
【0049】
本発明の有機電子デバイスの好ましい例としては、電界効果トランジスタ(FET)、静電誘導トランジスタ(SIT)、ダイオード、抵抗、コンデンサなどが挙げられる。以下、個々について詳細に説明する。
[3−1]電界効果トランジスタ(FET)
電界効果トランジスタは、半導体材料からなる層にソース電極とドレイン電極を設け、絶縁体層を介してゲート電極を設けた構造を有する。基本的には、p型半導体あるいはn型半導体の一方のキャリア(正孔あるいは電子)が電荷を輸送する、モノポーラ素子の代表的なものである。
【0050】
本発明によれば、有機半導体材料を用いるため、比較的低温のプロセスで製造できるので基板にプラスチックフィルムが使用でき、軽量で柔軟性に優れた壊れにくいデバイスを作製できる利点がある。従って、薄膜で可撓性のある電解効果トランジスタが製造できるので、これを各セルのスイッチング素子に利用することで、可撓性のあるアクティブマトリクス液晶ディスプレーが作製できるなど、広く応用できる。
【0051】
さて、電界効果トランジスタの動作特性は、半導体層のキャリア移動度μ、電導度σ、絶縁層の静電容量Ci、素子の構成(ソース・ドレイン電極間距離L及び幅W、絶縁層の膜厚d等)などにより決まる。本発明に係る電界効果トランジスタは、キャリア移動度(単に移動度と称することもある。)μが高く、漏れ電流(リーク電流)が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
【0052】
以下、図を用いて本発明の電界効果トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれら構造には限られない。
図1に、A〜Dとして、電界効果トランジスタ素子のいくつかの構造例を示す。1が半導体層、2が絶縁体層、3及び4がソース電極及びドレイン電極、5がゲート電極、6が基板である。なお、各層や電極の配置は、素子の用途により適宜選択できる。
【0053】
基板6は、上に形成される各層が剥離することなく保持できる必要がある。このような材料としては、例えば、樹脂からなる板やフィルム、紙、ガラス、セラミックなどの絶縁性材料、金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成したも、樹脂と無機材料など各種組合せからなる複合材、等が挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、素子に可撓性を持たせることができ、好ましい。
【0054】
電極3,4,5には導電性を有する材料を用いうる。例えば、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属及びそれらを含む合金、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子化合物、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、等の半導体、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料等が挙げられる。また、導電性高分子化合物や半導体にはドーピングが行われていても良い。ドーパントとしては、例えば、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等が挙げられる。また、上記材料にカーボンブラックや金属粒子などを分散した導電性の複合材料も用いうる。
【0055】
また、電極3,4,5には図示しない配線が連結されているが、配線も電極とほぼ同様の材料により作製できる。
絶縁体層2は絶縁性を有する材料を用いうる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、SrTiO3、BaTiO3等の強誘電性酸化物、窒化珪素等の窒化物、硫化物、フッ化物などの誘電体、あるいは、これら誘電体の粒子を分散させたポリマー、等が挙げられる。
【0056】
一般に、絶縁体層2の静電容量が大きいほど、ゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので有利である。このためには、誘電率の大きな絶縁材料を用いるか、絶縁体層の厚さを薄くすることが望ましい。好ましくは、誘電率が6以上の絶縁材料を用いる。
絶縁体層2の膜厚は、上記の通り、必要な機能を果たせる範囲で、薄いほど好ましい。通常、膜厚は1nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。但し、通常、膜厚は10μm以下であり、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは500nm以下である。
【0057】
半導体層1の材料としては、上述の有機半導体材料を主成分として含む半導体層が好ましく用いられる。主成分とは50重量%以上含むことを言う。より好ましくは80重量%以上含む。特性を改善したり他の特性を付与するために、必要に応じて他の有機半導体材料と混合して用いたり、各種添加剤を添加しても良い。また、半導体層1は複数の層から成っても良い。
【0058】
半導体層1の膜厚は、必要な機能を果たせる範囲で、薄いほど好ましい。図1に例示するような横型の電界効果トランジスタ素子(ソース電極とドレイン電極がほぼ水平に配置されている)においては、所定以上の膜厚があれば素子の特性は膜厚に依存しない一方、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多いためである。必要な機能を果たすために、通常、膜厚は1nm以上であり、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。但し、通常、膜厚は10μm以下であり、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは500nm以下である。
【0059】
また、各層の間や素子の外面には、必要に応じて他の層を設けてもよい。例えば、外気の影響を最小限にするために、素子にはさらに保護層を形成することができる。保護層の材料は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール等の各種樹脂からなる膜や、酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等、無機酸化膜や窒化膜等の誘電体からなる膜が好ましく挙げられる。
【0060】
[3−2]静電誘導トランジスタ(SIT)
FETはソース電極とドレイン電極が基板上に並べて配置され、電流の流れる方向が、ゲートにより誘起される電場に垂直方向であるのに対し、SITではソースとドレインの間の適当な位置に、ゲート電極がグリッド上に配置され、電流の方向が、ゲートにより誘起される電場に平行方向である点を特徴とする。
【0061】
図2は静電誘導トランジスタ(SIT)の模式図である。7がソース電極、8がドレイン電極であり、9がゲート電極、10が半導体層である。これらは図示しない基板上に設けられる。SIT構造によれば、キャリアの流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアを移動できる。またソース電極とドレイン電極が縦に配されているので電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流したり、高速のスイッチングを行う用途に好ましく適用できる。
【0062】
半導体層10に関する説明は上記半導体層1と同様であり、電極7,8に関する説明は上記電極3,4,5と同様である。
9のゲート電極は、電極間をキャリアが通り抜けていく網目あるいはストライプ状の構造をしている。ゲート電極の網目の間隔は、ソースとドレインとの距離(素子の厚さに相当する。)よりも小さいことが望ましい。また、電極の厚みは、通常10nm以上であり、好ましくは20nm以上である。但し、通常10μm以下であり、好ましくは1μm以下である。
【0063】
ゲート電極9の材料としては上述の電極3,4,5と同様のものが用いうるが、好ましくは金属、合金や導電性高分子等の導電性材料からなる島状構造薄膜を用いる。例えば、厚さ50nm以下の薄膜で半透明のアルミニウム電極などを用いうる。
ゲート電極9と半導体層10の間には、通常、絶縁層あるいはエネルギー障壁を設け、電極からのキャリアの出入りが抑えられるようにする。例えば電極の周りに絶縁層をパターニングして形成してもよい。また、電極材料として、半導体とエネルギー障壁を作りうる金属を選択し、半導体層とのあいだでキャリアの出入りを押さえても良い。例えばアルミニウムを選ぶことで、p型半導体とのあいだにいわゆるショットキー障壁を形成しうる。
【0064】
また、各層の間や素子の外面には、必要に応じて他の層を設けてもよい。
本発明に係る静電誘導トランジスタは、キャリア移動度μが高く、漏れ電流が小さくオンオフ比が大きく、膜及び特性の安定性が高く寿命が長いという利点がある。更には、使用可能温度幅が広く、成膜性が良く、大面積適用性があり、低コストで製造できるという利点もある。
【0065】
[3−3]ダイオード素子
そのほかの例として、ダイオード素子が挙げられる。これは、非対称な構造をした2端子素子である。図3のE,Fはダイオード素子の模式図である。これらは図示しない基板上に設けられる。
構造例Eは、仕事関数の異なる2つの金属電極11及び12で半導体層13を挟んだ構造のものである。半導体層13に関する説明は上記半導体層1と同様である。電極11及び12の少なくとも一方は、半導体材料との間でエネルギー障壁を形成している。エネルギー障壁を形成するためには、電極と半導体とで仕事関数が異なるものを選べばよいが、例えば、p型半導体との間でエネルギー障壁を形成する金属としては、アルミニウムがよく用いられる。他の電極の材料としては上述の電極3,4,5と同様のものが用いうるが、好ましくは金属、合金である。本素子に電圧を印加すると、電圧の極性によって流れる電流値が異なる、いわゆる整流作用が見られる。従ってこのようなダイオード素子の応用例としては、整流素子が挙げられる。
【0066】
また、構造例Fは仕事関数が互いに大きく異なる半導体層16及び17を、電極14及び15で挟んだ構造のものである。半導体層16に関する説明は上記半導体層1と同様である。半導体層17については、半導体層16と仕事関数が大きく異なればよいが、このような材料としては例えばペリレン顔料やフタロシアニン材料、フラーレン、共役高分子等が挙げられる。
【0067】
電極14、15については、同じ材料でも異なる材料でも良く、上述の電極3,4,5と同様のものを用いうる。
また、各層の間や素子の外面には、必要に応じて他の層を設けてもよい。
[3−4]抵抗素子
また、他の応用例として抵抗素子が挙げられる。これは、基板上に設けられた、半導体層を2つの電極で挟んだ、対称な構造をもつ2端子素子である。抵抗素子は、電極間の抵抗を調整するための抵抗器として用いたり、抵抗を大きくして電極間の電気容量を調整するためのコンデンサとして用いることができる。
【0068】
半導体層に関する説明は上記半導体層1と同様であり、電極に関する説明は上記電極3,4,5と同様である。
また、各層の間や素子の外面には、必要に応じて他の層を設けてもよい。
このようなダイオード素子や抵抗素子は、高キャリア移動度を示す本発明の有機半導体材料を用いることにより、抵抗値等のデバイスパラメータを広く制御できるメリットがあり、集積化に都合がよい。
【0069】
[3−5]本発明の有機電子デバイスの応用
本発明の有機電子デバイスは、ディスプレーのアクティブマトリクスのスイッチング素子として利用することができる。これは、ゲートに印加される電圧でソースとドレイン間の電流をスイッチングできることを利用して、ある表示素子に電圧を印加あるいは電流を供給する時のみスイッチを入れ、その他の時間は回路を切断する事により、高速、高コントラストな表示を行うものである。
適用される表示素子としては、液晶表示素子、高分子分散型液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロルミネッセント素子、エレクトロクロミック素子等が挙げられる。
【0070】
特に、本発明の有機電子デバイスは、低温プロセスでの素子作製が可能であり、プラスチック板、プラスチックフィルムや紙等の、高温処理に耐えない基板を用いることができる。また、塗布あるいは印刷プロセスでの素子作製が可能であることから、大面積のディスプレーへの応用に適している。また、従来のアクティブマトリクスの代替としても、省エネルギープロセス、低コストプロセスの可能な素子として有利である。
【0071】
また、トランジスタを集積することにより、デジタル素子やアナログ素子が実現できる。これらの例としては、AND、OR、NAND、NOT等の論理回路、メモリー素子、発振素子、増幅素子、等が挙げられる。さらにこれらを組み合わせることにより、ICカードやICタグを作製することができる
有機半導体は、ガスや化学物質、温度等の外部の刺激により、特性が大きく変化するので、それらのセンサーへの応用も考えられる。例えば本発明の有機電子デバイスの特性が、気体や液体との接触により変化する量を測定することにより、定性的あるいは定量的にそれに含まれている化学物質を検出することが可能である。
【0072】
[4]本発明の有機電子デバイスの製造方法
本発明に係る有機電子デバイスの好ましい製造方法について、図1の構造例Aに示す電界効果トランジスタ(FET)を例として、以下に説明するが、これらは他の有機電子デバイスにも同様に適用しうる。
一般に、電界効果トランジスタなどの有機電子デバイスは、基板1上に必要な層や電極を設けることで作製される。基板としては上記[3]で説明したものを用いうる。
【0073】
基板に所定の表面処理を行うことで、デバイスの特性を向上できる場合がある。例えば基板表面の親水性/疎水性の度合いを調整することで、その上に成膜される膜の膜質を改良しうる。特に、有機半導体材料は分子の配向など膜の状態によって特性が大きく変わるが、基板表面処理によって、基板とその後に成膜される半導体膜との界面部分の分子配向を制御し、特性を改良できると推定される。
【0074】
このような基板処理としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等による疎水化処理、塩酸や硫酸、酢酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等によるアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュアブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、などが挙げられる。
【0075】
次に、ゲート電極5を形成する。電極材料としては上記[3]で説明したものを用いうる。
電極膜を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いうる。
成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行う。パターニング方法も公知の各種方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチング(エッチング液によるウエットエッチングや反応性のプラズマによるドライエッチング)を組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用できる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを作製してもよい。
【0076】
次に、絶縁体層2を形成する。絶縁体材料としては上記[3]で説明したものを用いうる。
絶縁体層2を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えばスピンコーティングやブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、真空蒸着法、スパッタリング法、そのほか、アルミニウム上のアルマイトのように金属上に酸化物膜を形成する方法等を用いうる。
【0077】
なお、絶縁体層上に半導体層を形成する態様においては、両層の界面で半導体分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うことができる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものが用いうる。
さらにソース電極3及びドレイン電極4を形成するが、形成方法等はゲート電極5に準ずる。
【0078】
続いて、有機半導体層1を形成する。有機半導体材料としては上記[1]で説明したものを用いうる。半導体層を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、例えばスパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法と、塗布法、印刷法などの溶液プロセスでの形成方法に大別される。
有機半導体材料を真空プロセスによって成膜し有機半導体層を得る方法について詳しく説明する。例えば、材料をルツボや金属のボートに入れて真空中で加熱し、蒸発させ基板に付着させる真空蒸着法を用いることができる。この際、真空度としては、通常1×10-3Torr以下とし、好ましくは1×10-5Torr以下とする。また、基板温度によって半導体膜、ひいてはデバイスの特性が変化するので、最適な基板温度を選択する。通常、0℃から200℃の範囲が好ましい。また、蒸着速度は、通常0.001nm/秒以上であり、好ましくは0.01nm/秒以上である。但し、通常10nm/秒以下であり、好ましくは1nm/秒以下である。材料を加熱により蒸発させる方法に代えて、加速したアルゴン等のイオンを材料ターゲットに衝突させて材料原子を叩きだし基板に付着させるスパッタリング法を用いてもよい。
【0079】
本発明の有機半導体材料は比較的低分子化合物であるため、このような真空プロセスが用いうる。真空プロセスには、高価な設備が必要であるものの、成膜性が良く均一な膜が得られやすいという利点がある。
有機半導体材料を溶液プロセスによって成膜し有機半導体層を得る方法について詳しく説明する。まず、有機半導体材料を溶媒に溶かして基板上に塗布する。塗布の方法としては、溶媒をたらすだけのキャスティング、スピンコーティング、ディップティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いうる。さらに、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
【0080】
溶液プロセスを用いると、比較的安価な設備で、大面積の有機電子デバイスを作製しやすいという利点がある。
本発明の製造方法においては、好ましくは、有機半導体層を成膜後に、有機半導体層が流動相となるまで加熱したのち冷却する工程を含む。これによれば、塗布直後に比べて結晶性の高い膜を作製できる。
【0081】
すなわち、半導体層を成膜する際には構造柔軟性と大面積に亘る均一性を有する非晶質性(アモルファス性)の高い材料を用いることで、塗布法など溶液プロセスによって簡便かつ安価に均一性の良い膜を成膜でき、かつ、成膜後には上記加熱・冷却によって結晶性を高めることで優れた特性を有する半導体膜を得ることができるという、両方の利点を併せ持つ製造法を提供できる。
【0082】
この加熱工程は、塗布溶媒を留去するなど他の目的を兼ねても良い。
ここで、流動相とは、液状であるほか分子構造がアモルファスから結晶に変わりうる程度に分子が動ける状態であれば良く、例えば結晶化温度以上の温度に加熱することで得られる。
また、有機半導体材料が液晶性を示す化合物を含む場合、好ましくは、膜をイソトロピック相、ネマティック相またはスメクティック相などの液晶相となるまで(液晶転移温度まで)加熱し冷却することが好ましい。
上記[2]において説明したように、有機半導体膜が高いキャリア移動度を示すためには、隣りあう分子同士が良好に重なりあっていることが望ましいが、分子同士の重なりを良好にするには有機半導体膜の結晶性が高いことが好ましいのである。
【0083】
非晶質状態の半導体層においては、含まれる半導体分子のエネルギー分布が大きく、かつ分子間距離の分布も大きいことから、分布に由来したキャリアのトラップが避けられず、キャリア移動度は一般に高くない。従って、キャリア移動度を高めるためには分子間の配向がそろった構造とすること、すなわち結晶性を高めることが重要である。
【0084】
一般に溶液プロセスは成膜性が高くなく、結晶性の高い有機半導体膜が得られにくいとされているが、本方法によれば、簡便な溶液プロセスで、結晶性の高い特性の良い有機半導体膜が得られ、非常に好ましい。このように形成した膜は、キャリア移動度が高く、かつ漏れ電流が小さくオンオフ比が高いという望ましい特性を持つ。本製造法は、本発明に係る有機半導体材料に限られず、広く有機半導体材料一般に適用しうる優れた方法である。
【0085】
このように作製された有機半導体層は、後処理によりさらに特性を改良することが可能である。例えば、加熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みを緩和することができ、特性の向上や安定化を図ることができる。さらに、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や液体にさらすことにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することができる。
【0086】
また、ドーピングと呼ばれる微量の元素や原子団、分子、高分子を加えることにより、特性を変化させて望ましいものにすることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF6、AsF5、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウムカリウム等の金属原子等をドーピングする事が挙げられる。これは、これらのガスに接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは膜の形成後でなくても、材料合成時に添加したり、溶液からの作製プロセスでは、その溶液に添加したり、前駆体膜の段階で添加することができる。また蒸着時に添加する材料を共蒸着したり、膜形成時の雰囲気に混合したり、さらにはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
【0087】
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられ、半導体デバイスでは良く利用されているものである。ドーピング処理は同様に本発明の有機電子デバイスでも利用することができる。
本発明の有機電子デバイスには各層のあいだや素子の外面に必要に応じて他の層を設けることが出来る。例えば、さらに保護層を設けることもできる。保護層材料としては上記[3]で説明したものを用いうる。
【0088】
保護層を成膜するにあたっては公知の各種方法を用いうるが、保護層が樹脂からなる場合は、例えば、樹脂溶液を塗布後、乾燥させて樹脂膜とする方法、樹脂モノマーを塗布あるいは蒸着したのち重合する方法などが挙げられる。成膜後に架橋処理を行ってもよい。保護層が無機物からなる場合は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法を用いることができる。
【0089】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(有機半導体材料の合成)
2−ヘキシル−5−ヨードチオフェン5.66g(19.2mmol)、トリメチルシリルアセチレン2.07g(21.1mmol)及びトリエチルアミン2.914g(28.8mmol)の混合物を、N2気流下、室温で撹拌した。そこに、ヨウ化銅(I)0.09g(0.48mmol),ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)クロリド0.67g(0.96mmol)を加え、窒素気流下で1時間反応を続けた。反応終了後、塩化メチレンを加えて有機層とした。有機層を水洗後、有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、油状物4.77gを得た。
【0090】
次に、油状物4.619g(17.46mmol)にメタノール25mlを加え、撹拌下、K2CO30.5gを加え、さらに室温下で1時間反応させた。反応終了後、塩化メチレンを加えて有機層とした。有機層を水洗後、有機層の溶媒を留去して、5−ヘキシル−2−エチニルチオフェンを3.36g得た。
続いて、得られた5−ヘキシル−2−エチニルチオフェン2.539g(13.2mmol)に5,5”−ジブロモ−2,2’;5’,2”−ターチオフェン2.234g(5.5mmol),トリエチルアミン25ml,テトラヒドロフラン(THF)15mlを加え、窒素気流下,50℃で撹拌した。そこにヨウ化銅(I)0.0026g(0.138mmol),ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)0.193g(0.275mmol)を加え、50℃にて4時間反応を続けた。反応終了後、塩化メチレンを加えて有機層とした。有機層を水洗後、有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、下記化合物(4)(5,5”−ビス(5−ヘキシル−2−チエニルエチニル)−2,2’;5’、2”−ターチオフェン)を1.27g得た。本化合物の分子量は628であった。以下に反応経路を示す。
【0091】
【化8】
Figure 0004415541
【0092】
(FET素子の作製及び評価)
n型のシリコン基板(Sbドープ、抵抗率0.02Ωcm以下、住友金属工業社製)上に、厚さ300nmの酸化シリコン膜を形成したのち、フォトリソグラフィーを行い、金/Cr電極(ソース、ドレイン電極)を形成した。両電極のあいだには長さ(L)10μm、幅(W)250μmのギャップを有する。また、この電極と異なる位置の酸化シリコン膜をフッ酸/フッ化アンモニウム液でウエットエッチングし、むき出しになったSi部分に金を蒸着し、これをシリコン基板に電圧を印加するための電極(ゲート電極)とした。図4にその構造を示す。
【0093】
この上に、化合物(4)10mgをクロロホルム1mLに溶解してスピンコートし、良好な半導体層を形成した。その後、半導体層を含む基板をホットプレート上で110℃に加熱し1分間保持したところ、半導体層はネマティック相に相転移した。次いで冷却し、結晶化した半導体層を得た。
こうして得られたFET素子の特性を半導体パラメータアナライザー4155C(アジレントテクノロジー社製)を用いて評価した。まずVg(ゲート電圧)を0Vとして、Vsd(ソース・ドレイン間電圧)を0〜ー100Vまで変化させ、その時のIsd(ソース・ドレイン間に流れる電流値)を測定した。次いでVgを−20、−40、−60、−80、−100Vと変化させて同様に測定を行った。結果を図5に示す。この図から有効移動度を計算すると3×10-4cm2/Vsであった。また、ゲート電圧0Vと−100Vでのオンオフ比は1100であった。
【0094】
実施例2
(有機半導体材料の合成)
4−ブチル−1−エチニルテトラフルオロベンゼン2.55g(11.1mmol)及びジブロモターチオフェン2.05g(5.05mmol),トリエチルアミン25ml,THF25mlを混合し、窒素気流下、室温で撹拌した。そこに、ヨウ化銅(I)0.025g(0.13mmol),ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)クロリド0.175g(0.25mmol)を加え、窒素気流下、加温し、60℃にて5時間反応を続けた。反応終了後、塩化メチレンを加えて有機層とした。有機層を水洗後、有機層の溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物(5)(5,5”−ビス(4−n−ブチル−2−エチニルテトラフルオロフェニル−2,2’;5’,2”−ターチオフェン)を3gを得た。本化合物の分子量は704であった。以下に反応経路を示す。
【0095】
【化9】
Figure 0004415541
【0096】
(FET素子の作製及び評価)
化合物(4)に代えて化合物(5)を用いた以外は実施例1と同様にしてFET素子を作製した。
得られたFET素子の特性を半導体パラメータアナライザー4155C(アジレントテクノロジー社製)を用いて評価した。有効移動度を計算すると、5×10-5cm2/Vsであった。また、ゲート電圧0Vと−100Vでのオンオフ比は1200であった。
【0097】
なお、化合物(4)及び(5)のエチニレン部位をビニレンやエチレンにした化合物は、前述の分子軌道計算の結果から、漏れ電流が多くオンオフ比が低く、また酸化により劣化されやすい。
【0098】
【発明の効果】
本有機半導体材料は高いキャリア移動度を示し、かつ空気中の酸素がドーピングされにくく、キャリア密度が増加するのを抑えることができるので、漏れ電流が少なく、キャリア移動度が安定化する利点がある。従って本材料を有機半導体層に使用した有機電子デバイスは、高いキャリア移動度と高いオンオフ比を安定的に得られる利点がある。
【0099】
さらに本材料は低分子量であり成膜性に優れるので、高分子化合物のように溶媒溶解性が低く均一な塗布液が得られず膜の均一性や安定性が低い、成膜時に構造の不完全部分に由来する欠陥が生じてしまう、精製が困難、といったことが無い。更に、本材料は塗布法、印刷法などにより低コストで容易に膜特性の良い半導体膜が形成できるので、低コストで高性能、高速応答性の有機デバイスが得られる利点がある。
【0100】
また、本発明の有機デバイスの製造方法によれば、簡便かつ安価なプロセスで、膜質のよい有機半導体膜が形成できるので、低コストで高性能、高速応答性の有機デバイスが得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解効果トランジスタ(FET)の構造例の模式図である。
【図2】本発明に係る静電誘導トランジスタ(SIT)の構造例の模式図である。
【図3】本発明に係るダイオード素子の構造例の模式図である。
【図4】実施例におけるFET素子の構造を説明するための説明図である。
【図5】実施例1のFET素子の電圧−電流特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体層
2 絶縁体層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板
7 ソース電極
8 ドレイン電極
9 ゲート電極
10 半導体層
11 金属電極
12 金属電極
13 半導体層
14 電極
15 電極
16 半導体層
17 半導体層

Claims (3)

  1. 少なくとも有機半導体層を有する電界効果トランジスタであって、該有機半導体層が、下記一般式(1)で表される構造を含み、かつ分子量が2000以下である化合物からなる有機半導体材料を含むことを特徴とする電界効果トランジスタ
    Figure 0004415541
    〔式(1)中、A及びBはそれぞれ独立して、置換されていても良い芳香族炭化水素環を含む基又は置換されていても良い芳香族複素環を含む基を表す。nは3〜8から選ばれる整数を表す。〕
  2. 少なくとも有機半導体層を有する電界効果トランジスタの製造方法であって、下記一般式(1)で表される構造を含み、かつ分子量が2000以下である化合物からなる有機半導体材料を含む有機半導体層を成膜する工程と、該有機半導体層が流動相となるまで加熱したのち冷却する工程、とを含むことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
    Figure 0004415541
    〔式(1)中、A及びBはそれぞれ独立して、置換されていても良い芳香族炭化水素環を含む基又は置換されていても良い芳香族複素環を含む基を表す。nは3〜8から選ばれる整数を表す。〕
  3. 該流動相が液晶相である、請求項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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