JP4480481B2 - 皮なめし剤及び皮のなめし方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮なめし剤及びそれを用いた皮のなめし方法に関するものである。
「なめし」とは、皮のタンパク質を化学的に固定・安定化させ、また腐敗しにくくさせて、柔軟性、通気性、耐水性、耐熱性などにおいて、優れた性質を革に与える製革工程の一つである。皮革製造において主要な工程であるなめし処理では、一般的に、塩基性クロム、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物のような無機なめし剤が用いられている。特にクロムなめし剤は、なめしが短時間で済み、経済性に優れ、柔軟性、保存性、耐熱性、染色性が良いなどの優れた特性があり、現在最も多く用いられている。しかしながらクロム系なめし剤は、環境汚染や労働衛生上の問題が危惧され、その代替品として非クロム系なめし剤の開発も進められている。
非クロム系なめし剤としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタンなどの金属なめし剤、アルデヒド類及び合成鞣剤、植物タンニンなめし剤などがある。また、例えばテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩をなめし剤として使用することも提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献3には、式;[HORPR’nOm]xXy[式中、Rは1〜24の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基であり;R’は同一又は異なる1〜24の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基または−ROH基であり;Xは化合物が水に少なくとも少しは溶解性であるアニオンであり;xはXの原子価であり;nは2又は3;mは0又は1であって、(n+m)は2又は3であり;yは0又は1であって、(n+y)は2又は4である]で示されるヒドロキシアルキルホスフィン化合物をなめし剤として使用する方法が提案されている。ここで主に用いられているヒドロキシアルキルホスフィン化合物は、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェートである。テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェートはなめし剤としての効果は優れるが、ホルムアルデヒドが発生するという問題がある。
米国特許2,732,278号明細書 米国特許3,104,151号明細書 特表平6−502886号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る皮なめし剤及び皮のなめし方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる実情において鋭意研究を重ねた結果、特定の一般式で示されるホスホニウム塩を有効成分として含有する処理液は、ホルムアルデヒドの発生がなく、また皮のなめし効果に優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記一般式(1)で表わされるホスホニウム塩を有効量含有することを特徴とする皮なめし剤を提供することにより前記目的を達成したものである。
Figure 0004480481
更に本発明は、前記の皮なめし剤を用いることを特徴とする皮のなめし方法を提供するものである。
本発明の皮なめし剤は非クロム系であり、環境汚染や労働衛生の観点から安全なものである。また、従来のリン系皮なめし剤と比較して、ホルムアルデヒドの発生がなく、皮のなめし効果に優れたものである。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。本発明の皮なめし剤は下記一般式(1)で表わされるホスホニウム塩を有効成分として含有するものである。
Figure 0004480481
一般式(1)中、Xのアニオンとしては、特に制限されるものではない。例えば、有機酸の酸残基のアニオン、無機酸の酸残基のアニオン、OH-等が挙げられる。これらのうち、後述するように酸残基のアニオンが特に好ましい。
無機酸の酸残基のアニオンとしては、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、亜硫酸、硫酸、過塩素酸、クロム酸、クロロスルホン酸、硝酸、次亜塩素酸、シアン化水素酸、炭酸、砒酸、亜砒酸、弗化珪素酸、硼酸、燐酸、次亜燐酸、亜燐酸の酸残基のアニオンなどが挙げられる。一方、有機酸の酸残基のアニオンとしては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、琥珀酸、アスコルビン酸の酸残基のアニオンなどが挙げられる。とりわけ、ギ酸、酢酸、硫酸の酸残基のアニオンが好ましい。
一般式(1)で表わされるホスホニウム塩は、公知の方法により製造することができる。その一例を示せば、下記一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィンに対して酸を好ましくは1〜5倍モル、更に好ましくは1〜2倍モルの割合で用い、水溶液中において10〜40℃で好ましくは1〜10時間、更に好ましくは2〜4時間反応を行うことにより容易に製造することができる。
Figure 0004480481
トリスヒドロキシプロピルホスフィンと酸との反応は早やかに進行する。また、後述するように、本発明の皮なめし剤は、pH7以下の酸性領域でなめし効果が特に向上することから、反応終了後の反応液をそのまま皮なめし剤として用いるのが効率的である。これらの観点から、一般式(1)中のXのアニオンは、有機酸又は無機酸の酸残基のアニオンであることが好ましい。
なお本発明においては、一般式(1)で表わされるホスホニウム塩として、予め別に調製したものを用いることができることは言うまでもない。
皮なめし剤中のホスホニウム塩の濃度は特に制限されるものではなく、皮なめしに有効な量であればよいが、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。濃度がこの範囲内であれば、反応系が高アルカリとなることに起因する皮の損傷を防止しつつ、皮との反応を十分に行うことができる。
本発明の皮なめし剤には、一般式(1)で表わされるホスホニウム塩以外に、他の成分として界面活性剤及び/又はpH緩衝剤を含有させてもよい。これらの成分を含有させることで、なめし効果を更に向上させることができる。
用いることができる界面活性剤は特に制限されず、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性の界面活性剤の何れをも用いることができる。これらの界面活性剤は1種又は2種以上用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えばスルホネート系、スルフェート系、カルボキシレート系の界面活性剤が挙げられる。スルホネート系界面活性剤としては、炭素原子数が9〜15のアルキルベンゼンスルホネート類、炭素原子数12〜16のアルキルスルホネート類、アルケン及びヒドロキシアルカンスルホネート、ジスルホネート、αーオレフィンスルホネート等が挙げられる。スルフェート系界面活性剤としては、獣脂脂肪アルコール、オレインアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の第一アルコール又は/及び炭素原子数10〜20のオキソアルコール等の第二アルコールの硫酸モノエステル、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸、アミノスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、スルホコハク酸エステル、スルホコハク酸アルコール等が挙げられる。また、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油、パーム核油、獣脂脂肪酸等の石鹸も挙げることができる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば少なくとも1つが炭素数12〜18のアルキル基である脂肪族アミンの有機酸塩又は無機酸塩、およびその4級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩などの複素環4級アンモニウム塩や、スルホニル塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば脂肪アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪酸アミド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリエチレン化カルボン酸アミド、アミノキシド、スルホキシド系のものも用いることができる。
両性界面活性剤としては、例えば炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するα位付加型、二級アミド、若しくは三級アミド型のイミダゾリン系両性界面活性剤、炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ホスホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、若しくはアミドスルホベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
以上の化合物は1種又は2種以上で、またこれら化合物はナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン等の有機酸塩として存在しても差し支えない。
界面活性剤は、皮なめし剤中に好ましくは0.1〜2重量%、更に好ましくは0.2〜1.0重量%添加される。
用いることができるpH緩衝剤は特に制限されるものでなく、例えば酢酸−酢酸ナトリウム系、塩酸−酢酸ナトリウム系、リン酸二水素ナトリウム―酢酸水素二ナトリウム系のpH緩衝剤が挙げられる。これらのうち、酢酸−酢酸ナトリウム系のpH緩衝剤が特に好ましい。
pH緩衝剤は、皮なめし剤のpHが後述する値以下となるような量添加される。一般に、外添量で好ましくは10〜400重量%、更に好ましくは100〜300重量%添加される。
本発明の皮なめし剤には、前記した成分以外に、塩化ナトリウム等の中性塩や、当該技術分野において常用されている薬剤を添加してもよい。
本発明の皮なめし剤で処理対象とする皮の種類は特に制限はされるものではない。例えば豚、羊、牛、やぎ、爬虫類、鳥類および魚類からの毛皮及び皮膚をそのまま、または特に(例えばブライン中に)塩漬けまたは酸漬け(pickle)した皮であってもよい。
本発明の皮のなめし方法は、一般式(1)で表されるホスホニウム塩を含有する皮なめし剤を用いるものである。好ましくは一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィンと、酸とを少なくとも水を含む皮なめし液中に添加し、生成する一般式(1)で表わされるホスホニウム塩と皮とを該皮なめし液中で接触させることが効率的であり、工業的に有利である。この場合、各薬剤及び皮の処理液への添加順序は特に制限されるものではない。例えば、一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィン及び酸並びに必要に応じて用いられる薬剤を水に添加し、次いで皮を添加する方法を用いることができる。或いは、必要に応じて用いられる薬剤と皮を水に添加し、次いで一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィン及び酸を添加する方法を用いることもできる。
一般式(1)で表されるホスホニウム塩と皮との接触を、pHが好ましくは7以下、更に好ましくは5以下、特に好ましくは2〜4で行うと、なめし効果が一層向上する。接触温度は好ましくは10〜40℃、更に好ましくは15〜30℃である。接触時間は好ましくは1時間以上、更に好ましくは2〜4時間である。
本発明の皮のなめし方法において用いる酸は、市販の工業薬品に限られない。例えばホルムアルデヒドを含有する皮なめし廃液にアルカリを作用させて、ホルムアルデヒドをギ酸に分解せしめたものを酸源として用いてもよい。この場合、アルカリ源としては、一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィンをそのまま用いることができる。ホルムアルデヒドを含有する皮なめし廃液としては、従来法に従いホルムアルデヒドをなめし剤に使用して生じた、ホルムアルデヒドを含有する廃液が挙げられる。しかしこれに限定されず、なめし処理中に、例えばなめし剤の成分の分解によってホルムアルデヒドが副生した廃液であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。実施例及び比較例で使用した皮試料は、水分含有量が59.7%で、熱収縮温度が52℃の牛ピックル皮(大きさ10cm×10cm)である(熱収縮温度の測定方法は実施例1参照)。
〔実施例1〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)4gを、室温下(25℃)で純水100mlに添加した。次いでギ酸0.5gを添加してpHを3に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、過塩素酸滴定法および1H−NMRにより同定及び定量を行い、処理液の組成を求めた。その結果を表1に示す。
次いで、処理液に牛ピックル皮25gを添加し、40℃で1時間、2時間又は4時間攪拌下に処理を行った。処理後の牛ピックル皮を取り出し、熱収縮温度を測定し、なめし性の評価の尺度とした。また処理液中のホルムアルデヒドの濃度を吸光光度法により測定した。それらの結果を表2に示す。熱収縮温度の測定は、示差走査熱量計を用い、外挿点をもって熱収縮温度とした。
〔実施例2〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)4g、及び陰イオン/非イオン混合界面活性剤(日本乳化剤社製、商品名;ミネマル344、10%水溶液)4mlを、室温下(25℃)で蒸留水100mlに添加した。添加後のpHは9.5であった。次いでギ酸0.5gを添加してpHを3.8に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、実施例1と同様の方法で処理液の組成を求めた。その結果を表1に示す。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表2に示す。
〔実施例3〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)4g、塩化ナトリウム10g及び陰イオン/非イオン混合界面活性剤(日本乳化剤社製、商品名;ミネマル344、10%水溶液)4mlを、室温下(25℃)で蒸留水100mlに添加した。添加後のpHは9.5であった。次いでギ酸0.5gを添加してpHを3.5に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、実施例1と同様の方法で処理液の組成を求めた。その結果を表1に示す。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 0004480481
〔比較例1〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)4gを、室温(25℃)下で純水100mlに添加し、処理液を得た。pHは9.5であった。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。但し、処理時間は4時間のみとした。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表2に示す。
〔比較例2〕
市販のテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート4gを、室温(25℃)下で純水100mlに添加し、処理液を得た。pHは5.0であった。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。但し、処理時間は2時間及び4時間とした。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 0004480481
表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜3の処理液(本発明品)を用いてなめしを行うと、なめし効果が高く、しかもホルムアルデヒドの発生がないことが判る。これに対して、比較例1の処理液を用いてなめしを行うと、ホルムアルデヒドの発生はないものの、なめし効果が劣ることが判る。逆に、比較例2の処理液を用いてなめしを行うと、なめし効果は高いものの、ホルムアルデヒドが発生することが判る。
〔実施例4〜7〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)、塩化ナトリウム10g及び陰イオン/非イオン混合界面活性剤(日本乳化剤社製、商品名;ミネマル344、10%水溶液)4mlを、室温下(25℃)で純水100mlに添加した。トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンの添加量は表3に示す通りであった。次いでギ酸を所定量添加してpHを3.8に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、実施例1と同様の方法で処理液の組成を求めた。その結果を表3に示す。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。但し、処理時間は4時間のみとした。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表3に示す。
Figure 0004480481
〔実施例8〜10〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)2g、塩化ナトリウム10g、陰イオン/非イオン混合界面活性剤(日本乳化剤社製、商品名;ミネマル344、10%水溶液)4mlを、室温下(25℃)で純水100mlに添加した。添加後のpHは9.5であった。次いでギ酸及び炭酸水素ナトリウムを所定量添加してpHを表4に示す値に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、実施例1と同様の方法で処理液の組成を求めた。その結果を表4に示す。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。但し、処理時間は4時間のみとした。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表4に示す。
Figure 0004480481
〔実施例11及び12〕
トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)2g、塩化ナトリウム10g、陰イオン/非イオン混合界面活性剤(日本乳化剤社製、商品名;ミネマル344、10%水溶液)4mlを、室温下(25℃)で純水100mlに添加した。添加後のpHは9.5であった。次いで表5に示す酸を所定量添加してpHを3.5に調整し、処理液を得た。添加後すぐにこの処理液の一部を採取し、実施例1と同様の方法で処理液の組成を求めた。その結果を表5に示す。その後は実施例1と同様に牛ピックル皮25gの処理を行った。但し、処理時間は2時間及び4時間とした。処理後の牛ピックル皮の熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。それらの結果を表5に示す。
Figure 0004480481
〔実施例13〜19〕
表6に示す組成のpH緩衝液100mlに、粉砕した牛ピックル皮25gを加え、20℃で攪拌した。2時間後、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン(日本化学工業社製、純度37%)4gを、室温下(20℃)で各反応系に添加した。次いで、ギ酸又は硫酸を用いてpHを3.0に調整した。この時点から2時間後、4時間後及び6時間後に処理皮を取り出し、熱収縮温度及び処理液中のホルムアルデヒドの濃度を実施例1と同様に測定した。更に処理皮への処理液の浸透の度合いを以下の基準で目視評価した。以下の基準は、その数値が大きいほど浸透の度合いが大きいことを意味する。これらの結果を表7に示す。
〔浸透の度合〕
5;試料全体がなめされている。
4;試料の大部分がなめされている。
3;試料の約半分がなめされている。
2;試料の大部分がにかわ状である。
1;試料全体がにかわ状である。
Figure 0004480481
Figure 0004480481

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表わされるホスホニウム塩を有効量含有することを特徴とする皮なめし剤。
    Figure 0004480481
  2. 前記ホスホニウム塩は、下記一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィンと、酸との反応により得られる生成物である請求項1記載の皮なめし剤。
    Figure 0004480481
  3. 前記一般式(1)中のXが酸残基のアニオンである請求項1又は2記載の皮なめし剤。
  4. 更に、界面活性剤及びpH緩衝剤から選ばれる少なくとも1種の薬剤を含有する請求項1乃至3の何れかに記載の皮なめし剤。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の皮なめし剤を用いることを特徴とする皮のなめし方法。
  6. 前記一般式(2)で表わされるトリスヒドロキシプロピルホスフィンと、酸とを皮なめし液中に添加し、生成する前記一般式(1)で表わされるホスホニウム塩と皮とを該なめし液中で接触させる請求項5記載の皮のなめし方法。
  7. 前記ホスホニウム塩と皮との接触をpH7以下で行う請求項5又は6記載の皮のなめし方法。
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