JP4480393B2 - スルホニウム塩、これらの製造方法および放射線硬化性系のための光開始剤としてのこれらの使用 - Google Patents
スルホニウム塩、これらの製造方法および放射線硬化性系のための光開始剤としてのこれらの使用Info
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Description
技術説明
さらに、可溶性物質(extractable material)のレベルが極めて低いことおよび臭気がないことは、これらの系の2種の重要な特性である。
これらの硬化性系は、一般的に、陽イオン系重合性物質および場合によっては反応性溶媒に溶解した、オニウム塩(スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウム塩)を含む。
これらの化合物は、エポキシまたはビニルモノマーの重合に適する酸発生剤であることは、十分知られている。
また、スルホニウム塩の使用の際に、いくつかの問題、例えば配合物へのこれらの低い溶解性および硬化プロセスにおける放出に遭遇することが、知られている。
同一の書物において、陽イオン性重合が、酸素の存在下で、および照射の後に起こり(「暗反応」);熱後硬化が、重合度を高めるためにしばしば必要であることが、報告されている。
毒性および/または揮発性化合物の放出は、特に、光重合性配合物を食物包装において用いる際には、回避しなければならない。
構造中にスルホニウム塩を含む複素環式環は、光または熱により活性化される重合の開始剤として用いられた。
Rは、他のC5〜C8シクロアルキル基で置換されているC5〜C8シクロアルキルであり;
Xは:PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、SbF5OH−から選択されている陰イオンであり;
Zは:単結合、酸素、硫黄、式>S+RX−で表される基、式>C=Oで表される基から選択される、
で表される一層伝統的なスルホニウム塩と共に用いることが、報告されている。
スルホニウム塩はまた、レジストのための光開始剤として用いられる。
M−は、カルボン酸または有機スルホン酸陰イオンであり;
Rは、非置換または置換アリール基であり;
Xは、O、S、N−RまたはC1〜C3アルキレンである、
で表される塩を含むフォトレジストが、記載されている。
Mは:P、As、Sbから選択されており;
Xは、SまたはSeであり;
Rは、アリールであり;
Zは:S、SO、CH2、C2H4、NR’から選択されており、ここで、R’は、C1〜C8アルキルまたはC6〜C13アリールである、
で表される光開始剤が報告されている。
前述の刊行物において、照射した際のトリアリールスルホニウム塩からのベンゼンの放出の問題は、決して考慮されていない。
発明の概要
nは、1または2であり;
Xは:S、O、CH2、CO、単結合、RがHまたはアルキルもしくはアリールであるN−Rから選択されており;
Y1およびY2は、等しいかまたは異なっており:H、C1〜C6直鎖状または分枝状アルキル、シクロアルキル、O−アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、S−アルキル、S−アリールから選択されており;
Z−は、一般式MQpで表される基であり、ここで、Mは、B、P、AsまたはSbであり;Qは、F、Cl、Br、Iまたはパーフルオロフェニルであり;pは、4〜6の整数であり;
mは、1または2であり;
R1〜R9は、等しいかまたは異なっており:単結合、H、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ニトロ、C1〜C6直鎖状または分枝状アルキル、C1〜C6直鎖状または分枝状アルコキシル、S−C1〜C6直鎖状または分枝状アルキルチオから選択されており、ただし、R1〜R5の少なくとも1つは、Hであり;
から選択されており;
m=2である際には、Bは、N;等しいかまたは異なっており、O、S、N−Rから選択されている3個のヘテロ原子を有するC3〜C18直鎖状または分枝状アルキルであって、該アルキルが、場合によって、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6メルカプトアルキル、ヒドロキシル、アミノまたはアミノアルキルで置換される;環中に3個のNを有する脂環式基であって、該脂環式基が、場合によって、OH、NH2、C1〜C6直鎖状または分枝状アミノアルキルで置換される、
から選択されている、
で表される官能基である、
で表されるスルホニウム塩に関する。
Xは:S、O、CH2、CO、単結合、RがHまたはアルキルもしくはアリールであるN−Rから選択されており;
Y1’、Y2’、Y3’は、等しいかまたは異なっており:H、C1〜C6直鎖状または分枝状アルキル、シクロアルキル、O−アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、S−アルキル、S−アリール、R1およびR2が、等しいかまたは異なっており、H、直鎖状もしくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリールから選択されているNR1R2から選択されており;
L−は、一般式MQpで表される基であり、ここで、Mは、B、P、AsまたはSbであり;
Qは、F、Cl、Br、Iまたはパーフルオロフェニルであり;pは、4〜6の整数であり;
OH、OR、NH2、NHR、NR1R2、SH、SRより選択される1または2以上の基で場合によって置換される、C2〜C6直鎖または分枝アルコキシル、またはシクロアルコキシルであって、ここで、R、R 1 、R 2 は等しいかまたは異なりうるものであって、H、直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、またはアリールから選択される;
SH、SR、OH、OR、NH2、NHR、NR1R2より選択される1または2以上の基で場合によって置換される、C2〜C6直鎖または分枝アルキルチオ、またはシクロアルキルチオであって、ここで、R、R 1 、R 2 は等しいかまたは異なりうるものであって、H、直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、またはアリールから選択される;
NR 3 R 4 、式中R3、R4 は等しいかまたは異なるものであって、H;アリール;C1〜C12直鎖または分枝アルキルから選択され、前記アルキルは、OH、OR、NH2、NHR、NR1R2、SH、SRより選択される1または2以上の基で場合によって置換され、ここで、R、R 1 、R 2 は等しいかまたは異なるものであってH、直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、またはアリールから選択される;
から選択されている、
で表されるスルホニウム塩に関する。
a)0℃〜100℃において、式(IV):
で表される化合物を、過酸化水素または3−クロロ−過安息香酸または他の有機過酸化物と、氷酢酸中で反応させて、式(V):
R1〜R9は、式(II)におけるものと同一であり;m’は、0〜2の整数であり;
m’=1または2である場合には、B’は、式(II)におけるものと同一であり;
m’=0である場合には、B’は、ハロゲンであり;
および
・m’=2である場合には、(V)/(IIA)のモル比は、3/1であり、次に、このようにして得られた化合物を、式TZで表され、式中、Tは、アルカリ元素の陽イオンであり、Zは、式(I)におけるZと同一である塩と反応させて、m=2およびn=2である、式(I)で表される化合物を得、
・m’=0である場合には、(V)/(IIA)のモル比は、1/1であり、次に、このようにして得られた化合物を、式TZで表され、式中、Tは、アルカリ元素の陽イオンであり、Zは、式(I)におけるZと同一である塩と反応させて、式(IA):
で表される化合物を得、
好ましいルイス酸は、三塩化アルミニウムであり;好ましい鉱酸は、硫酸である段階、
R1〜R5は、等しいかまたは異なっており、H、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ニトロ、C1〜C6直鎖状または分枝状アルキル、C1〜C6直鎖状または分枝状アルコキシル、S−C1〜C6直鎖状または分枝状アルキルチオから選択されており;
mは、1または2であり、
および
から選択されている、
で表される化合物と反応させて、
および
・m=2である場合には、B”は:末端において、異なっているかまたは等しい、O、S、N−Rから選択された2個のヘテロ原子を有し、追加の末端において、NHR、SH、OHから選択された第3の基を有する、C3〜C18直鎖状または分枝状アルキル基であって;該アルキル基は場合によって、C1〜C6直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシアルキルまたはC1〜C6直鎖状もしくは分枝状メルカプトアルキル、ヒドロキシル、アミノまたはアミノアルキル基で置換されている、前記アルキル基;
2個のアリール基およびNHに結合している、2個の窒素原子を有する脂環式基であって、該脂環式基は場合によって、ヒドロキシル、アミノまたはC1〜C6直鎖状もしくは分枝状アミノアルキルで置換されている、前記脂環式基から選択されている、
で表される化合物を得て、m=2である、式(IB)で表される化合物を得る段階、
あるいは、段階b)の後に:
e)化合物(IA)を、少なくとも2つまたは3つのOH、NHR(式中、Rは、C1〜C6直鎖状または分枝状アルキル基である)またはSHで置換されている、C2または3〜C18直鎖状または分枝状の、2価または3価のアルキル基と、2/1または3/1のモル比で反応させて、nが1または2である、式(I)で表される化合物を得る段階
を含む、前記方法である。
a)0℃〜100℃において、式(IVA):
で表される化合物を、過酸化水素または3−クロロ−過安息香酸または他の有機過酸化物と、氷酢酸中で反応させて、式(VA):
b)このようにして得られた式(VA)で表される化合物を、ルイス酸または強力な鉱酸の存在下で、式(VI):
で表される化合物と反応させる段階:
d)式(VII)で表される化合物を、Dが式(III)におけるものと同一である、化合物DHと反応させて、式(III)で表される化合物を得る段階
を含む、前記方法である。
発明の詳細な説明
Yは、HまたはC1〜C6直鎖状または分枝状アルキルである。
4,4’−ビス−(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス−(2,6−ジメチル−チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス−(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルスルフィドジヘキサフルオロホスフェート、
1,2−ビス−[4−(チアントレニウム−9−イル)−フェノキシ]−エタンジヘキサフルオロホスフェート、
1,2,3−トリス−[4−(チアントレニウム−9−イル)−フェノキシ]−プロパントリヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス−(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルジヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス−(チオキサンテニウム−10−イル−9−オン)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート
である。
nは、2〜10の整数であり;
Kは、O、SまたはNR3であり、R1、R2、R3は、等しいかまたは異なっており、H、直鎖状または分枝状アルキル、シクロアルキル、アリールから選択されており;
Zは、OまたはSである、
であるものである。
9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート;
9−[4−(2,3−ジ−ヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
である。
有利には、式(III)で表されるスルホニウム塩は、配合物への良好な溶解性を示し、従って、これらを、予め溶媒に溶解せずに、配合物に直接加えることができる。
本発明の放射線硬化性組成物は、2000〜7000オングストロームの波長における照射線により、重合する。
エポキシド、オキセタン、修飾シリコーン、植物性エポキシド化油、エポキシド化アルケン、環式エーテル、ビニルエーテル(例えばエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、4−エポキシブチルビニルエーテル)、ラクトン、スチレン、アクロレイン、ビニルアレーン、ビニル化合物、スピロ−オルトカーボネート、フェノール、ホルムアルデヒド、
に属するモノマーまたはプレポリマーである。
本発明の放射線硬化性組成物は、食物包装または金属表面の被膜に使用可能である。
通常、これらを、高圧もしくは中圧水銀ランプまたはキセノンランプでの照射、あるいはレーザーまたは電子ビームにより、重合する。
暴露時間は、一瞬から数秒までの範囲内であり、これは、フィルムの厚さおよび放射線の強度に依存する。
場合によって、強力な脱水剤(例えばP2O5)と組み合わされた、強力な鉱酸(例えば硫酸)は通常、求電子基の形成を促進する。
不都合なことに、陽イオン基の過塩素酸塩は、この不安定性により極めて危険である。
以下の例を、本発明を示すために提供する。この例は、本発明の範囲を限定することを意図せず、これらを、このように解釈するべきではない。
チアントレン(22.3g;100mmol)および氷酢酸(400g)を、90℃で十分かきまぜた溶液に、35%過酸化水素(11.3g;99.7mmol)を、55分間にわたり滴加した。2時間後、0.5gの過酸化水素を加え、30分後、混合物を、水中に注入し、固体を、吸引濾過により採集し、水で洗浄した。フィルターケークを、真空下で乾燥して、白色固体(17.8g)が、77%の収率および148℃の融点で得られた。
4,4’−ビス(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート
ジフェニルエーテル(3g)、チアントレン−9−オキシド(4.06g)およびテトラクロロエチレン(200g)の溶液に、塩化アルミニウム(7g)を、一部で加えた。懸濁液を、温和な還流において、75分間かきまぜた。次に、テトラクロロエチレン(60g)、チアントレン−9−オキシド(4.64g)および塩化アルミニウム(8g)を加え、同一の反応条件を維持した。反応を完了するために、0.6gのチアントレン−9−オキシドを、さらに加え、反応混合物を、還流下で30分間さらにかきまぜた。次に、混合物を、水中に注入し、濾過し、エチルエーテルで洗浄した。水性相を、8.5gのヘキサフルオロリン酸カリウムを2リットルの蒸留水に溶解した溶液中に、滴加した。溶液から沈殿した固体を、吸引濾過により採集し、水で洗浄した。フィルターケークを乾燥して、白色固体(14.6g)が、93.7%の収率で得られた。
4,4’−ビス−(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルジヘキサフルオロホスフェート
ビフェニル(0.77g)、チアントレン−9−オキシド(1.16g)、塩化アルミニウム(2g)およびテトラクロロエチレン(85g)の混合物を、温和な還流において75分間かきまぜた。次に、テトラクロロエチレン(22g)、チアントレン−9−オキシド(1.33g)および塩化アルミニウム(2.64g)を加え、同一の条件を維持した。75分後、希塩酸を、ゆっくりと加えた。抽出物を、ヘキサフルオロリン酸カリウム(2.5g)を100gの水に溶解した溶液で処理した。白色沈殿物(0.1g)が得られ、融点は、140℃であった。
4,4’−ビス−(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルスルフィドジヘキサフルオロホスフェート
a)10gのフルオロベンゼン、0.46gのチアントレン−9−オキシドおよび1.6gの塩化アルミニウムの混合物を、温和な還流において90分間かきまぜた。冷却後、混合物を、水中に注入し、有機相を分離した。水性相を濾過し、0.5gのヘキサフルオロリン酸カリウムを10gの水に溶解した溶液で処理した。沈殿物を濾過して除去し、水で洗浄し、次に真空下で乾燥して、0.6gの白色固体が得られた(66%)。
10−オキソ−チオキサンテン−9−オン
10.3gのチオキサンテン−9−オンを100mlの氷酢酸に溶解した、十分かきまぜた溶液に、80℃において、5mlの過酸化水素(35%)を滴加した。溶液を、30分間かきまぜ、次に減圧下で濃縮し、追加のジクロロメタンを加えた。有機相を、水酸化ナトリウムの溶液で洗浄し、次に水で洗浄した。乾燥後(Na2SO4)、溶媒を、真空下で除去し、11gの油状物が得られた。この油状物を、CH2Cl2およびCH2Cl2/酢酸エチル9:1で溶離させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2)で精製した;8.44gの黄色固体が、収率72%で得られた。
10−(4−フェノキシ−フェニル)−チオキサンテニウム−9−オンヘキサフルオロホスフェート
1.0gのフェニルエーテル、0.20gの10−オキソ−チオキサンテン−9−オンおよび0.8gの塩化アルミニウムの懸濁液に、40gのテトラクロロエチレンを加えた。懸濁液を、温和な還流において40分間かきまぜ、次に、有機相を、水中にゆっくりと注入し、水性相を、エチルエーテルで洗浄した。20mlの水に溶解した0.5gのヘキサフルオロリン酸カリウムを、十分にかきまぜた水溶液に加えた。溶液から沈殿した固体を、ジクロロメタンに溶解し、次に、有機相を分離し、真空下で乾燥して、50mgの白色固体が得られた。
4,4’−ビス−(チオキサンテニウム−10−イル−9−オン)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート
0.50gの10−(4−フェノキシ−フェニル)−チオキサンテニウム−9−オンヘキサフルオロホスフェート、0.3gの10−オキソ−チオキサンテン−9−オンおよび0.40gの塩化アルミニウムの混合物を、80gのテトラクロロエチレンに、室温で溶解した。溶液を、30分間かきまぜ、次に0.43gの塩化アルミニウムを加えた;20分後、0.17gの10−(4−フェノキシ−フェニル)−チオキサンテニウム−9−オンヘキサフルオロホスフェートおよび0.34gの塩化アルミニウムを加え、次に反応混合物を、15分間かきまぜた。有機相を、水中に注入し、水性相を、エチルエーテルで洗浄した。10gの水に溶解した0.30gのヘキサフルオロリン酸カリウムを、溶液に加えて、深い黄色の固体が得られた(0.25g)。
9−(4−フルオロ−フェニル)−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
反応フラスコに、10g(104.2mmol)のフルオロベンゼン、0.46g(1.98mmol)のチアントレン−9−オキシドおよび1.6g(12.03mmol)の塩化アルミニウムを充填した。反応混合物を、還流において90分間かきまぜた。冷却後、混合物を、水中に注入し、有機層を分離した。10gの水に溶解したヘキサフルオロリン酸カリウムを、溶液に加えた。混合物をかきまぜ、結晶状の生成物が、濾過により得られた。濾液を、水で洗浄し、次に真空下で乾燥して、0.6g(66%)が、白色固体として得られた。
9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
丸底フラスコに、0.2g(0.438mmol)の9−(4−フルオロ−フェニル)−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェートおよび5.0gのエチレングリコールを充填した。混合物を、120℃に加熱し、完全に溶解するまでかきまぜた。50mgの水酸化カリウムを、この溶液に加えた;溶液を、1時間かきまぜ、次に水中に注入した。ジクロロメタンを加え、有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。乾燥後、溶媒を、真空下で除去して、白色固体が得られた(0.2g、92%)。
9−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
3つ首丸底フラスコに、0.2g(438.6mmol)の9−(4−フルオロ−フェニル)−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェートおよび10gのグリセロールを、加えた。懸濁液を、120℃で、完全に溶解するまでかきまぜた。次に、50mgの水酸化カリウムを加え、10分間かきまぜ、混合物を、水中に注入した。ジクロロメタンを加え、有機層を洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。真空下での溶媒の除去により、白色固体が得られた(0.17g、73.4%)。
2,6−ジメチル−9−(4−フェノキシ−フェニル)−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
反応フラスコに、2.0g(7.69mmol)の2,6−ジメチル−チアントレン−9−オキシドおよび18gのビフェニルを充填した。反応混合物を、70℃でかきまぜ、次に、7gの塩化アルミニウムを、1時間において加えた。次に、2gの塩化アルミニウムを、さらに加えた。溶液を冷却し、600mlの水中に注入し、次にエチルエーテルで洗浄した。水に溶解した1.58gのヘキサフルオロリン酸カリウムおよび200mlのジクロロメタンを、この溶液に加えた。混合物を、1時間激しくかきまぜ、次に、有機層を分離し、洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。真空下での溶媒の除去により、2.59g(60%)の固体が、得られた。
9−(4−フェノキシ−フェニル)−ジベンゾチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート
丸底フラスコに、1.72gのフェニルエーテル(10mmol)、2.0gのジベンゾチオフェン−9−オキシド(10mmol)、4.0gの塩化アルミニウム(30mmol)および90gのテトラクロロエチレンを充填した。混合物を、還流において75分間加熱し、水(70g)で希釈し、分離し、得られた濁った水溶液を濾過し、3.0gのヘキサフルオロリン酸カリウムの溶液に加えた。溶液から沈殿した固体を、吸引濾過により採集し、洗浄し、乾燥した(0.60g)。
9−(4−フェニルチオ−フェニル)−ジベンゾチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート
ジベンゾチオフェン−9−オキシド(2.0g、10mmol)、硫化ジフェニル(1.90g、10mmol)、塩化アルミニウム(4.0g、30mmol)およびテトラクロロエチレン(100g)の混合物を、温和な還流において、75分間かきまぜた。冷却後、混合物を分離し、濾過して除去し、3.0gのヘキサフルオロリン酸カリウムを40gの水に溶解した溶液に加えた。溶液から沈殿した固体を、吸引濾過により採集し、水で洗浄し、乾燥して、明るい黄色の固体(0.75g)が得られた。
MS=369.2(M)
9−(4−フルオロ−フェニル)−ジベンゾチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート
反応フラスコに、2.5gのジベンゾチオフェン−9−オキシド(12.5mmol)、50gのフルオロベンゼンを充填し、室温でかきまぜた。10gの塩化アルミニウム(75mmol)を、5分において加えた。懸濁液を、還流において90分間かきまぜた。冷却後、水を加え、混合物を分離し、濾過した。100gの水およびジクロロメタンに溶解した3.3gのヘキサフルオロリン酸カリウムを、水溶液に加えた。有機層を分離し、溶媒を除去して、白色固体が得られた(40mg)。
2−および4−異性体の4,4’−ビス−(イソプロピル−チオキサンテニウム−10−イル−9−オン)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート混合物
0.54g(2mmol)の2−および4−異性体のイソプロピル−10−オキソ−チオキサンテン−9−オン混合物を、かきまぜながら5℃に冷却した26gの濃硫酸にゆっくりと加えた。1時間後、0.35g(2mmol)のフェニルエーテルを、混合物に加えた。次に、混合物を、室温で一晩かきまぜ、次に水中に注入し、エチルエーテルで洗浄した。20gの水およびジクロロメタンに溶解した0.50g(2.72mmol)のヘキサフルオロリン酸カリウムを、この溶液に加えた。混合物をかきまぜ、ジクロロメタン層を分離し、溶媒を、回転蒸発器を用いて除去し、深い黄色の固体(200mg)が得られた。
4,4’−ビス−(2,6−ジメチル−チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート
0.30g(0.54mmol)の2,6−ジメチル−9−(4−フェノキシ−フェニル)−チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート、0.15g(0.59mmol)の2,6−ジメチル−チアントレン−9−オキシド、70gのテトラクロロエチレンおよび0.21g(1.61mmol)の塩化アルミニウムの混合物を、室温で、40分間かきまぜた。1g(3.84mmol)の2,6−ジメチルチアントレン−9−オキシドを加え、混合物を、1時間かきまぜ、次に水中に注入し、ジクロロメタンで洗浄した。水に溶解したヘキサフルオロリン酸カリウムを、この溶液に加え、沈殿した固体を濾過し、乾燥して、40mgの固体が得られた。
熱後硬化で処理した際に、試料を、105℃に10分間維持した。
試験を、シーン(Sheen)引っ掻き試験装置で実施し、重合した被膜の硬度を測定した;被膜を完全に引っ掻くのに必要な振り子経路の数を、測定した;この試験を、種々の重量の振り子を用いて実施した(引っ掻き試験)。
これらの放射線硬化性組成物を、「単一経路引っ掻き試験」で試験し、被膜を1つの単一の経路で完全に引っ掻くのに必要な振り子の最小の重量を測定した。
組成物Aを、再び基準として用いた。
組成物A(4%の光開始剤を含む)を、再び基準として用いた。
低分子量の有機化合物の放出を評価するために、重合した放射線硬化性組成物(4%の光開始剤を含む)中のベンゼンの含量を測定した。ベンゼンの含量を、ヘッドスペースGC、毛細管カラムCP選択624CB、30m×内径0.32mm、フィルム1.8μmおよびFIDデテクターにより、250℃において決定した。試料を、小さい片に切断し、DMSOを含むヘッドスペースバイアル中に充填し、次に95℃で30分間加温し、注入した(2.5ml)。
Claims (8)
- 一般式(III):
XはS、O、CH2、CO、単結合、RがHまたはアルキルもしくはアリールであるN−Rから選択され;
Y1’、Y2’、Y3’は等しいかまたは異なるものであって:H、C1〜C6直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、O−アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン、S−アルキル、S−アリール、R1およびR2が等しいかまたは異なるものであってH、直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、アリールから選択されるNR1R2より選択され;
L-は、MがB、P、AsまたはSbであり;QがF、Cl、Br、Iまたはパーフルオロフェニルであり;pが4から6までの整数である; 一般式MQpで表される基であり;
Dは:
OH、OR、NH 2 、NHR、NR 1 R 2 、SH、SRより選択される1または2以上の基で置換されてもよい、C 2 〜C 6 直鎖または分枝アルコキシル、またはシクロアルコキシルであって、ここで、R、R 1 、R 2 は等しいかまたは異なりうるものであって、H、直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、またはアリールから選択される;
で表されるスルホニウム塩。 - 9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]-チアントレニウム ヘキサフルオロホスフェート;
9−[4−(2,3−ジ-ヒドロキシ-プロポキシ)−フェニル]−チアントレニウム ヘキサフルオロホスフェート
からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のスルホニウム塩。 - 光開始剤として、請求項1から3までのいずれかに記載のスルホニウム塩を少なくとも1つ、0.5〜10%w/w含み、重合性化合物として、下記カテゴリー:
エポキシド、オキセタン、修飾シリコーン、植物性エポキシド化油、エポキシド化アルケン、環状エーテル、ビニルエーテル、ラクトン、スチレン、アクロレイン、ビニルアレーン、ビニル化合物、スピロ-オルトカルボネート、フェノール、ホルムアルデヒド
に属するモノマーまたはプレポリマーを含む放射線硬化性組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のスルホニウム塩を1または2以上、30〜80%w/w含み、かつ、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネートのプロペニルエーテル(PEPC)、γ−ブチロ-ラクトン、ジビニルエーテルおよびこれらの混合物よりなる群から選択される溶媒とを含む液体配合物。
- ジビニルエーテルは:エチルビニルエーテル(EVE)、n−ブチルビニルエーテル(n−BVE)、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(DVE−3)、1,4,−シクロヘキサン−ジメタノール−ジビニルエーテル(CHVE)から選択される、請求項5に記載の液体配合物。
- 溶媒はプロピレンカーボネートである、請求項5に記載の液体配合物。
- 下記段階:
a)0〜100℃で式(IVA):
X、Y1’およびY2’は式(III)におけるものと同じである、
で表される化合物を過酸化水素、または3−クロロ-過安息香酸、または他の有機過酸化物と酢酸中で反応させ、式(VA):
b) 前記で得られた式(VA)で表される化合物をルイス酸または強鉱酸の存在下、式(VI):
A’はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)であって、Y3’は式(III)におけるものと同じである;
で表される化合物と反応させる段階、
c) 段階b)で生成した化合物を、Jがアルカリ元素の陽イオンでありLが式(III)におけるものと同じである式LJで表される塩と反応させ、式(VII):
式(VII)で表される化合物を、Dが式(III)におけるものと同じである化合物DHと反応させ、式(III)で表される化合物を生成する段階、
を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のスルホニウム塩の調製方法。
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