JP4480296B2 - 電子部材用収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円板状の電子部材、例えば、半導体ウエハ、あるいは半導体ウエハのダイシング工程で使用されるダイシングフレームにダイシングフィルムを介して支持された状態の半導体ウエハ(以下、ダイシングウエハという)を、それぞれ複数枚まとめて収納する電子部材用収納容器に関し、詳しくは、大径の半導体ウエハの収納および搬送に適するように改良され電子部材用収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インゴットからワイヤーソー等によりスライスされたウエハは、両面が平面研削された後、少なくとも片面が鏡面にポリッシング加工され、その表面に回路パターンが形成される。このようなウエハは、例えば特許第2941125号公報に記載のような専用の収納容器に複数枚積み重ねて収納され、この状態で製造工程の次工程へと搬送される。
そして、この半導体ウエハは、必要に応じて保管された後、この収納容器から1枚づつ取り出され、例えば、ダイシング工程において、ダイシングフレームにダイシングフィルムを介して支持されてダイシングウエハとなり、この状態で多数のチップにダイシングされる。
このダイシングウエハも、例えば、本発明者らにより特願2001−40877として提案された専用の収納容器に複数枚積み重ねて収納され、この状態で製造工程の次工程へと搬送され、必要に応じて保管された後、この収納容器から1枚づつ取り出される。
(以下、半導体ウエハやダンシングウエハをまとめて「半導体ウエハ」あるいは単に「ウエハ」ということもある。)
【0003】
前記特許第2941125号公報に記載の収納容器は、円板状の半導体ウエハを複数枚重ねて収納可能な円筒部が略正方形の基底部上に突設された容器本体と、この容器本体の円筒部に嵌合する円筒部が略正方形の角筒部の内側に形成された蓋体とで構成されており、容器本体に蓋体を装着した状態では、底面が概略正方形の角柱状の輪郭を呈する。
この収納容器において、容器本体の円筒部には、内部に収納されたウエハの取出しを可能とする大気開放口が設けられている。また、容器本体の円筒部外面と蓋体の筒部内面との間には、15〜45°の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ部が設けられており、容器本体に対する蓋体の着脱作業をワンタッチ操作で迅速かつ容易に行うことができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の収納容器において、容器本体の円筒部外面と蓋体の筒部内面との両者の間に設けられる部分ねじ部は、例えば両者の上部に配置して1組しか設けられていない。このため、重量の嵩む大径の半導体ウエハやダンシングウエハを多数枚収納した状態で蓋体のみを把持して搬送した場合など、蓋体に多大な荷重が作用した場合には、蓋体が弾性変形して前記部分ねじ部が外れ、容器本体が蓋体から不用意に脱落する虞れがあり、大径のウエハを確実に収納して搬送するには難点がある。
【0005】
本発明は前記問題点を解消するためになされたものであり、縦置き横置き自在であって、容器本体と蓋体との着脱作業をワンタッチで容易かつ迅速に行うことができるのは勿論のこと、特に重量の嵩む大径の半導体ウエハやダイシングウエハ等の円板状の電子部材を収納して確実に搬送することができる電子部材用収納容器を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する手段として、本発明による電子部材用収納容器は、半導体ウエハやダンシングウエハ等の円板状の電子部材を、それぞれ複数枚重ねて収納可能な内円筒部が設けられた容器本体と、この容器本体の内円筒部に嵌合する外円筒部が設けられた蓋体とにより、底面が概略正方形の角柱状の形状に構成される電子部材用収納容器であって、前記内円筒部には、円板状の電子部材の外周部を把持して出し入れ可能とする切欠きが設けられており、この内円筒部と前記外円筒部との間には、15〜45°の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構が両者の上部と下部とに離間して2組設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような手段を採用した本発明による電子部材用収納容器は、容器本体に蓋体が装着された状態で、底面が概略正方形の角柱状の輪郭を呈するため、縦置に限らず横置も可能である。このため、本発明による電子部材用収納容器を複数個まとめて搬送し、保管する際には、縦置および横置を交えて搬送用箱等にスペース効率の良い安定した状態で収容することができる。
また、容器本体の内円筒部には、円板状の電子部材の外周部を把持して出し入れ可能とする切欠きが設けられているため、容器本体を定位置においた状態で半導体ウエハの外周部を把持することができ、円板状電子部材の収納および取出し作業が容易となる。特に、ロボットハンド等を使用して各円板状電子部材の収納および取出し作業を行うことが可能となるため、自動化された加工工程に好適である。
【0008】
ここで、容器本体の内円筒部と蓋体の外円筒部との間には、15〜45°の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構が設けられているため、容器本体に対する蓋体の着脱作業をワンタッチ操作で容易かつ迅速に行うことができる。
そして、特に、この部分ねじ機構は、前記内円筒部と外円筒部との間において、両者の上部と下部とに分離して2組設けられているため、容器本体に対して蓋体を確実に装着することができる。例えば重量の嵩む大径の半導体ウエハを多数枚収納し、この状態で蓋体のみを把持した場合においても、容器本体が蓋体から不用意に脱落することがなく、大径の半導体ウエハを確実に収納して搬送することができる。
【0009】
しかも、本発明において、前記下部の部分ねじ機構を、
前記蓋体の外円筒部の先端部内周に、円周方向に少なくとも2等配した位置に、少なくとも2個の突条体を部分オスネジとして15〜45°の右ネジリード角を以ってそれぞれ突設し、
一方、前記容器本体の内円筒部の基端部外周に、蓋体の外円筒部の先端部が嵌合する円形の嵌合台部を形成し、この嵌合台部の外周面に、前記各突条体を嵌合してねじ込み可能とする少なくとも2個の傾斜溝(前記リード角と同じ傾斜角)を部分メスネジとして円周方向に少なくとも2等配した位置にそれぞれ形成し、これらの突条体、嵌合台部および傾斜溝によって構成する場合は、前記した容器本体に対して蓋体の確実な装着を、簡単な操作によって実現することができ、容器本体に重量の嵩む大径の半導体ウエハを多数枚収納した場合であっても、この容器本体への蓋体の装着を簡便に行うことができる。
【0010】
その上、本発明では、前記上・下部の部分ねじ機構の位置合わせを容易にするために、容器本体の内円筒部の基端部外周面および蓋体の角筒部の外周面の下端部にそれぞれ合いマークを形成している場合は、前記の大重量の半導体ウエハを収納した後の容器本体への蓋体の装着をより一層簡便に行うことができる。
【0011】
本発明による電子部材用収納容器において、前記容器本体および蓋体が導電性プラスチックスを素材として成形されている場合、静電気の帯電が防止されるため、内部に収容された半導体ウエハの回路パターンを静電気ショックによる損傷から保護することができる。
【0012】
なお、前記容器本体の下面および蓋体の上面に、片手で把持できる回動操作用突部、例えば、滑り止め用のローレットまたは指掛け用の凹部等を有する円形または円環状の突部が形成されていると、容器本体に対する蓋体の着脱作業が一層容易となるので好ましい。
また、前記容器本体の下面および前記蓋体の上面に相互に嵌合可能な凹凸部が設けられていると、複数の電子部材用収納容器を上下方向に安定した状態で積み重ねることが可能となるので好ましい。この場合、容器本体に対する蓋体の着脱作業を容易とするための前記回動操作用突部は、前記凹凸部の一部として形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る電子部材用収納容器の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は、円板状の電子部材として、ダイシングウエハではなく、半導体ウエハを収納するのに適した本発明の一実施形態に係る収納容器の全体構造を示す分解斜視図、図2は一実施形態に係る収納容器の半截横断面図、図3は一実施形態に係る収納容器の半截縦断面図、図4は収納容器のみを示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、一実施形態に係る電子部材用収納容器1は、例えば公称12インチ程度の大径のウエハを複数枚重ねて収納可能な容器である。このウエハ収納容器1は、複数枚のウエハを積み重ね状態で収容する内円筒部2Aが設けられた容器本体2と、この容器本体2の内円筒部2Aに嵌合する外円筒部3Aが設けられた蓋体3とで構成されている。なお、この電子部材用収納容器1に収納されるウエハには、シリコン、GaAs(ガリウム・ヒ素)、GaP(ガリウム・リン)などの各種の材質のウエハが含まれる。
【0015】
前記容器本体2に蓋体3が装着された状態のウエハ収納容器1は、図2,図3に示すように、底面が概略正方形の背の低い角柱状の輪郭形状を呈する。容器本体2および蓋体3は、導電性フィラーを添加した導電性プラスチックス、あるいはポリマーアロイによる導電性プラスチックスを素材として射出成形により一体成形されている。なお、添加する導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイトカーボン、グラファイト、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物の粉末、金属コートした無機質微粉末、有機質微粉末および繊維が使用できる。
【0016】
前記容器本体2は、図2〜図4に示すように、角部が丸みを帯びた概略正方形のベース部2Bを有し、このベース部2B上に前記内円筒部2Aが一体的に突設されている。この内円筒部2Aには、ウエハの外周部を把持して出し入れ可能とする例えば4つの切欠き2Cが形成されている。各切欠き2Cは、内円筒部2Aの先端部からベース部2Bに向かって所定幅で形成されており、内円筒部2Aの周方向に等間隔で配置されている。そして、各切欠き2Cによって4分割された内円筒部2Aの各部分の外周面には、その幅方向両側に位置して上下方向に延びる2本のガイドリブ2Dがそれぞれ突設されている。
【0017】
前記容器本体2のベース部2Bの上面における内円筒部2Aの内側部分には、スペーサ・クッション(図示省略)を介してウエハを水平に載置するための同心状の複数の支持筒部2Eが突設されている。また、ベース部2Bの下面には、後述する蓋体3の円環状突部3Eの外周を嵌合する放射状リブ2Fがベース部2Bの角部付近に突設されており、複数の電子部材用収納容器1を上下方向に積み重ねて一体化できるように構成されている。
【0018】
さらに、前記ベース部2Bの下面中央部には、容器本体2に対して蓋体3を着脱する際の作業を容易にするため、片手で把持できる程度の大きさの回動操作用突部2Gが形成され、その外周には滑り止め用のローレット2Hが形成されている。また、前記回動操作用突部2Gの周囲には円環状突部2Iが形成され、両者の間には円環状凹部2Jが形成されている。なお、前記回動操作用突部2Gは、図示の例では、直径が100mm程度の円形状であるが、円環状や多角形状であってもよい。また、回動操作用突部2Gの外周にはローレット2Hの代わりに指掛け用の凹部を形成してもよい。
【0019】
一方、前記蓋体3は、前記容器本体2の内円筒部2Aの外周面に突設されたガイドリブ2Dに嵌合して内円筒部2Aの外周を覆う外円筒部3Aと、この外円筒部3Aに外接して一体に成形され、容器本体2のベース部2Bの周縁上に下端が当接して容器本体2の全体を覆う角筒部3Bとを有している。この蓋体3の上面中央部には、容器本体2に対して蓋体3を着脱する際の作業を容易にするため、前記容器本体2側の回動操作用突部2Gと同様の回動操作用突部3Cが形成され、その外周には滑り止め用のローレット3Dが形成されている。また、前記回動操作用突部3Cの周囲には円環状突部3Eが形成され、両者の間には円環状凹部3Fが形成されている。なお、前記回動操作用突部3Cは、図示の例では、直径が100mm程度の円形状であるが、円環状や多角形状であってもよい。また、回動操作用突部3Cの外周にはローレット3Dの代わりに指掛け用の凹部を形成してもよい。
【0020】
ここで、一実施形態のウエハ収納容器1においては、図5〜図8に示すように、前記容器本体2と蓋体3との間、具体的には容器本体2の内円筒部2Aと、蓋体3の外円筒部3Aとの間に、15〜45°の相対回動角度の範囲、好ましくは30°前後の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構4,5が両者の上部と下部とに離間して2組設けられている。
【0021】
図5および図6に示すように、前記容器本体2の各切欠き2Cにより4分割された内円筒部2Aの各部分の先端部外周には、その幅方向中央部に位置して長さ約20mm、幅約2mm程度の突条体4Aが部分オスネジとして、15〜45°、本実施形態では約6.5°の右ネジリード角を以ってそれぞれ突設されている。一方、前記蓋体3の外円筒部3Aの基端部内周側には、容器本体2の内円筒部2Aの先端部が嵌る円環状嵌合溝4Bが段部4Cを介して形成され、この円環状嵌合溝4Bの外側壁部には、前記各突条体4Aを嵌合してねじ込み可能とする長さ約65mm程度の4個の傾斜溝(前記リード角と同じ傾斜角)4Dが部分メスネジとして円周方向に4等配した位置にそれぞれ形成されている。また、前記段部4Cには、各傾斜溝4Dの下端部に連続して前記突条体4Aを各傾斜溝4Dに導入可能とする周長約25mm程度の突条体導入口4Eが形成されている。そして、これらの突条体4A、円環状嵌合溝4B、段部4C、傾斜溝4Dおよび突条体導入口4Eによって、上部の部分ねじ機構4が構成されている。
【0022】
また、図7および図8に示すように、前記蓋体3の外円筒部3Aの先端部内周には、円周方向に少なくとも2等配、本例では4等配した位置に、長さ約20mm、幅約2mm程度の4個の突条体5Aが部分オスネジとして、前記リード角と同じ15〜45°、本実施形態では約6.5°の右ネジリード角を以ってそれぞれ突設されている。一方、前記容器本体2の内円筒部2Aの基端部外周に臨むベース部2Bの上面には、蓋体3の外円筒部3Aの先端部が嵌合する円形の嵌合台部5Bが形成され、この嵌合台部5Bの外周面には、前記各突条体5Aを嵌合してねじ込み可能とする長さ約25mm程度の4個の傾斜溝(前記リード角と同じ傾斜角)5Cが部分メスネジとして円周方向に4等配した位置にそれぞれ形成されている。また、前記嵌合台部5Bの上面には、各傾斜溝5Cの上端部に連続して前記各突条体5Aを各傾斜溝5Cに導入可能とする周長約65mm程度の突条体導入口5Dが形成されている。そして、これらの突条体5A、嵌合台部5B、傾斜溝5Cおよび突条体導入口5Dによって、下部の部分ねじ機構5が構成されている。
【0023】
前記容器本体2側の各突条体4Aと蓋体3側の各突条体導入口4Eとの位置合せを容易にし、かつ、前記蓋体3側の各突条体5Aと容器本体2側の各突条体導入口5Dとの位置合わせを容易にするため、容器本体2のベース部2Bの周辺部付近の上面および前記蓋体3の角筒部3Bの外周面の下端部には、それぞれ矢印等の合いマークiが形成されている。そして、この合いマークiを合わせて前記各突条体導入口4Eに各突条体4Aを挿入すると同時に、前記各突条体導入口5Dに各突条体5Aを挿入し、この状態から容器本体2に対して蓋体3を時計方向に30°程度回動させると、蓋体3が容器本体2に装着され、電子部材用収納容器1は概略正方形の底面を有する背の低い角柱状の輪郭を呈する。
【0024】
次に、以上のように構成された一実施形態の電子部材用収納容器1の使用例を説明する。この収納容器1は、例えば公称12インチの大径の半導体ウエハを複数枚重ねて収容し、これを保管、搬送するために使用される。前記ウエハを収容するには、容器本体2をテーブル等の定位置に置き、帯電防止のクッションシート等のクッション材(図示省略)を敷き、さらに導電性等の静電防止対策スペーサシート(図示省略)を敷き、容器本体2の4分割された内円筒部2Aの各部分の内周に各ウエハを水平に収納する。この収納作業においては、内円筒部2Aを4分割する各切欠き2Cがウエハの外周を把持可能とするため、手作業による収納が容易に行えると共に、ロボットハンドを使用した収納作業も容易に行うことができる。
【0025】
前記容器本体2の内円筒部2A内に、前記静電防止対策スペーサシートを間に挟みサンドイッチ状態にして、所定数のウエハを積み重ねて収納したら、その上部空間を塞ぐスペーサとして前記クッショシート等のクッション材をウエハの上に載せ、容器本体2に蓋体3を装着する。容器本体2に対して蓋体3を装着するには、容器本体2のベース部2Bの周辺部付近の上面に形成された合いマークiと、蓋体3の角筒部3Bの外周面の下端部に形成された合いマークiとを合わせて容器本体2の内円筒部2Aに蓋体3の外円筒部3Aを被せ、この状態から容器本体2に対して蓋体3を時計方向に30°程度相対回動させる。この作業は、容器本体2をテーブル等の上に置き、容器本体2のベース部2Bの角部を押さえて蓋体3の角筒部3Bを回すことによって容易に行うことができる。また、容器本体2のベース部2Bの下面に突設された回動操作用突部2Gと蓋体3の上面に突設された回動操作用突部3Cとを把持することで、ワンタッチ操作により一層容易に行うことができる。そして、この作業により、上部の部分ねじ機構4においては、容器本体2側の各突条体4Aが蓋体3側の各突条体導入口4Eから各傾斜溝4Dへと相対的にねじ込まれ、下部の部分ねじ機構5においては、蓋体3側の各突条体5Aが容器本体2側の各突条体導入口5Dから各傾斜溝5Cへと相対的にねじ込まれるのであり、蓋体3の角筒部3Bの下部が9mm程度下方に移動して容器本体2のベース部2Bの周縁上に当接し、こうして蓋体3が容器本体2に確実に装着される。そして、この装着状態において、電子部材用収納容器1は、概略正方形の底面を有する背の低い角柱状の輪郭を呈する。
【0026】
容器本体2に蓋体3が装着されて複数のウエハを収納した電子部材用収納容器1は、前述したように概略正方形の底面を有する背の低い角柱状の輪郭を呈するため、容器本体2のベース部2Bを下にした通常の縦置に限らず蓋体3の角筒部3Bの外周面を下にした横置も可能となる。このため、前記収納容器1は、縦置および横置を交えて搬送箱等にスペース効率の良い安定した状態で収容することができる。また、複数の収納容器1を上下に積み重ねる場合、下方の収納容器1の蓋体3の上面に形成された円環状突部3Eの外周を上方の収納容器1の容器本体2の下面に形成された放射状リブ2Fに嵌合させることで、複数の収納容器1を上下方向に安定した状態で積み重ねることができる。そして、各収納容器1に収容されたウエハは、容器本体2および蓋体3が導電性プラスチックスを素材として成形されて静電気の帯電が防止されているため、IC回路の静電気ショックによる損傷が未然に防止されて保護される。
【0027】
前記電子部材用収納容器1に収容されたウエハを取り出すには、前述と反対の手順で蓋体3を容器本体2に対して反時計方向に30°程度相対回動させ、この状態で容器本体2から蓋体3を引き離す。そして、容器本体2の内円筒部2A内に収容されたウエハを順次取り出す。この取り出し作業は、内円筒部2Aの各切欠き2Cからウエハの外周を手作業または図示しないロボットハンドにより把持して行うこともできる。
【0028】
本実施形態に係る電子部材用収納容器1では、前述のように、容器本体2に対して蓋体3を着脱自在に装着する手段として、容器本体2の内円筒部2Aと、蓋体3の外円筒部3Aとの間に、15〜45°の相対回動角度の範囲、好ましくは30°前後の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構4,5を設けているため、容器本体2および蓋体3の射出成形の際には、成形品を捩じりつつ脱型する工程を必要とせず、製造コストを低減することができる。
そして特に、前記部分ねじ機構4,5は、容器本体2の内円筒部2Aと蓋体3の外円筒部3Aとの嵌合部における上部と下部に離間して設けた上部の部分ねじ機構4と、下部の部分ねじ機構5とで構成されているため、容器本体2に対して蓋体3を確実に装着することができる。その結果、公称12インチ程度の重量の嵩む大径のウエハを多数枚収納し、この状態で蓋体3のみを把持した場合においても、容器本体2が蓋体3から不用意に脱落することがなく、大径のウエハに収納して搬送することができる。
【0029】
なお、本実施形態に係る電子部材用収納容器1では、容器本体2の内円筒部2Aを4つの切欠き2Cにより周方向に4分割したが、2つの切欠き2Cにより内円筒部2Aを半円弧状に2分割するようにしてもよい。
この2分割の実施形態を図9(容器本体の斜視図)、図10(A),(B)(同側面図)、図11(同平面図)、図12(同底面図)に示す。図9〜図12中、図1〜図5と同一符号は図1〜図5と同一機能部を示す。
【0030】
図9〜図12に示す実施形態では、容器本体2のベース部2B上に、上記の2分割の内円筒部21Aが一体的に突設されている。この2分割の内円筒部21Aには、前記ウエハの外周を把持可能とする2つの切欠き21Cが形成されており、各切欠き21Cは、内円筒部21Aの先端部からベース部2Bに向かって所定幅で形成され、内円筒部21Aの周方向を2(等)分割するように配置されている。図10(A)は一方の切欠き21Cが正面に位置し、従って他方の切欠き21Cがこれと相対して位置する方向からの側面図であり、図10(B)は切欠き21Cが両側面に位置するため図には現れない方向からの側面図である。
【0031】
そして、この2分割された内円筒部21Aの各部分の外周面には、上下方向に延びる複数本(本実施形態では2本)のガイドリブ2Dがそれぞれ平行に突設されている。この2分割された容器本体2の平面は図11に示され、底面は図12に示される。本実施形態の場合、放射状リブ2Fと共に、底面(ベース部2B)の各辺の中央部にも、蓋体3の円環状突部3Eの外周を嵌合するためのリブ2F1、2F2が突設されている。
【0032】
ここで、図9〜図12に示す実施形態においても、前記上部の部分ねじ機構4および下部の部分ねじ機構5がそれぞれ円周方向に2等分配置して設けられており、また、容器本体2側の各突条体4Aと蓋体3側の各突条体導入口4Eとの位置合せと、蓋体3側の各突条体5Aと容器本体2側の各突条体導入口5Dとの位置合わせを容易にするため、容器本体2のベース部2Bの周辺部付近の上面および蓋体3の角筒部3Bの外周面の下端部に、それぞれ前記した矢印等の合いマークiが形成されている。
【0033】
さらに、本発明に係る電子部材用収納容器を、円板状電子部材として、半導体ウエハではなく、ダイシングウエハを収納するのに適した一実施形態にした場合について図13を参照して説明する。
図13は、このダイシングウエハ用の収納容器における容器本体2の部分のみを示す斜視図である。
この実施形態では、容器本体2の内円筒部2Aを、2つの切欠き2Cにより内円筒部2Aを半円弧状に2分割し、また2分割された内円筒部2Aの各部分の内周面には、ダイシングウエハの外周を案内可能なガイドリブ2Kを突設している。このガイドリブ2Kは、内円筒部2Aの2分割された各部分の幅方向両側にそれぞれ2本づつ配置されて上下方向に延びている。
なお、容器本体2の他の部分の構成、蓋体の構成は、前記した半導体ウエハ収納に適した電子部材用収納容器1と全く同じである。
【0034】
このように構成された一実施形態のダイシングウエハ収納に適した電子部材用収納容器の使用例を説明する。
この収納容器は、例えば公称12インチの大径の半導体ウエハをダイシングフィルムを介してダイシングフレームに支持した状態のダイシングウエハを、複数枚重ねて収容し、これを保管、搬送するために使用される。
このダイシングウエハを収容するには、前記半導体ウエハ収納の場合と同様に、容器本体2をテーブル等の定位置に置き、帯電防止のクッションシート等のクッション材(図示省略)を敷き、さらに導電性等の静電防止対策スペーサシート(図示省略)を敷く。
その後、容器本体2の2分割された内円筒部2Aの各部分の内周に、各ダイシングウエハをガイドリブ2Kに沿って水平に収納する。この収納作業は、内円筒部2Aを2分割する各切欠き2Cがダイシングウエハの外周を把持可能とするため、手作業による収納が容易に行えると共に、ロボットハンドを使用した収納作業も容易に行うことができる。
【0035】
そして、以上の半導体ウエハあるいはダイシングウエハの収納に適した各実施形態に係る電子部材用収納容器1においては、導電性プラスチックスを素材として電子部材用収納容器1の容器本体2および蓋体3をそれぞれ一体成形したが、帯電防止剤を混入したプラスチックスを素材にして一体成形してもよい。ここで帯電防止剤としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩などの陽イオン系界面活性剤、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩などの陰イオン系界面活性剤、アルキルベタインなどの両性界面活性剤及びこれらの任意の組合せ等、一般に合成樹脂に練り込み、又は塗布して帯電防止剤として使用される界面活性剤であれば何でも使用できる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電子部材用収納容器は、容器本体に蓋体が装着された状態で、底面が概略正方形の角柱状の輪郭を呈するため、縦置に限らず横置も可能である。このため、電子部材用収納容器を複数個まとめて搬送し、保管する際には、縦置および横置を交えて搬送用箱等にスペース効率の良い安定した状態で収容することができる。
また、容器本体の内円筒部には、半導体ウエハやダイシングウエハ等の円板状電子部材の外周部を把持して出し入れ可能とする切欠きが設けられているため、容器本体を定位置においた状態で半導体ウエハやダイシングウエハの外周部を把持することができ、円板状電子部材の収納および取出し作業を容易に行うことができる。特に、ロボットハンド等を使用して各円板状電子部材の収納および取出し作業を行うことが可能となるため、自動化された加工工程に好適である。
【0037】
ここで、容器本体の内円筒部と蓋体の外円筒部との間には、15〜45°の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構が設けられているため、容器本体に対する蓋体の着脱作業をワンタッチ操作で容易かつ迅速に行うことができる。
特に、この部分ねじ機構は、前記内円筒部と外円筒部との間において、両者の上部と下部とに分離して2組設けられているため、容器本体に対して蓋体を確実に装着することができる。例えば重量の嵩む大径の半導体ウエハやダイシングウエハを多数枚収納し、この状態で蓋体のみを把持した場合においても、容器本体が蓋体から不用意に脱落することがなく、大径の半導体ウエハやダイシングウエハを確実に収納して搬送することができる。
【0038】
そして、下部の部分ねじ機構として、蓋体の外円筒部の先端部内周に、円周方向に少なくとも2等配した位置に、少なくとも2個の突条体を部分オスネジとして15〜45°の右ネジリード角を以ってそれぞれ突設する一方で、容器本体の内円筒部の基端部外周に、蓋体の外円筒部の先端部が嵌合する円形の嵌合台部を形成し、この嵌合台部の外周面に、前記各突条体を嵌合してねじ込み可能とする少なくとも2個の傾斜溝(前記リード角と同じ傾斜角)を部分メスネジとして円周方向に少なくとも2等配した位置にそれぞれ形成し、これらの突条体、嵌合台部および傾斜溝によって構成することにより、重量の嵩む大径の半導体ウエハやダイシングウエハを多数枚収納した容器本体への蓋体の確実な装着を、簡単な操作によって実現することができる。
特に、上・下部の部分ねじ機構の位置合わせを容易にするために、容器本体の内円筒部の基端部外周面および蓋体の角筒部の外周面の下端部にそれぞれ合いマークを形成しておけば、この装着作業をより一層簡便にすることができる。
【0039】
本発明による電子部材用収納容器において、前記容器本体および蓋体が導電性プラスチックスを素材として成形されている場合、静電気の帯電が防止されるため、内部に収容された半導体ウエハやダイシングウエハの回路パターンを静電気ショックによる損傷から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体ウエハ収納に適した本発明の一実施形態に係る電子部材用収納容器の全体構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す電子部材用収納容器の半截横断面図である。
【図3】図1に示す電子部材用収納容器の半截縦断面図である。
【図4】図1に示す電子部材用収納容器の容器本体のみを示す平面図である。
【図5】図1に示す電子部材用収納容器の上部の部分ねじ機構を容器の直径方向に破断して示す部分断面図である。
【図6】図1に示す電子部材用収納容器の上部の部分ねじ機構を容器の円周方向に破断して示す部分断面図である。
【図7】図1に示す電子部材用収納容器の下部の部分ねじ機構を容器の直径方向に破断して示す部分断面図である。
【図8】図1に示す電子部材用収納容器の下部の部分ねじ機構を容器の円周方向に破断して示す部分断面図である。
【図9】半導体ウエハ収納に適した本発明の他の実施形態に係る電子部材用収納容器の容器本体のみを示す斜視図である。
【図10】図9に示すに電子部材用収納容器の容器本体のみを示す側面図で、(A)が切欠きを正面に位置させた図、(B)が切欠きを側面に位置させた図である。
【図11】図9に示すに電子部材用収納容器の容器本体のみを示す平面図である。
【図12】図9に示す電子部材用収納容器の容器本体のみを示す底面図である。
【図13】ダイシングウエハ収納に適した本発明の他の実施形態に係る電子部材用収納容器の容器本体のみを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 :電子部材用収納容器
2 :容器本体
2A:内円筒部
2B:ベース部
2C:切欠き
2D:ガイドリブ
2E:支持筒部
2F:放射状リブ
2G:回動操作用突部
2H:ローレット
2I:円環状突部
2J:円環状凹部
2K:ガイドリブ
3 :蓋体
3A:外円筒部
3B:角筒部
3C:回動操作用突部
3D:ローレット
3E:円環状突部
3F:円環状凹部
4 :上部の部分ねじ機構
4A:突条体
4B:円環状嵌合溝
4C:段部
4D:傾斜溝
4E:突条体導入口
5 :下部の部分ねじ機構
5A:突条体
5B:嵌合台部
5C:傾斜溝
5D:突条体導入口
i :合いマーク

Claims (3)

  1. 円板状の電子部材を複数枚重ねて収納可能な内円筒部が設けられた容器本体と、この容器本体の内円筒部に嵌合する外円筒部が設けられた蓋体とにより、底面が概略正方形の角柱状の形状に構成される電子部材用収納容器であって、
    前記内円筒部には、円板状の電子部材の外周部を把持して出し入れ可能とする切欠きが設けられており、
    この内円筒部と前記外円筒部との間には、15〜45°の相対回動角度で両者を着脱できる部分ねじ機構が両者の上部と下部とに離間して2組設けられていることを特徴とする電子部材用収納容器。
  2. 下部の部分ねじ機構が、
    蓋体の外円筒部の先端部内周に、円周方向に少なくとも2等配した位置に、少なくとも2個の突条体が部分オスネジとして15〜45°の右ネジリード角を以ってそれぞれ突設され、
    容器本体の内円筒部の基端部外周に、蓋体の外円筒部の先端部が嵌合する円形の嵌合台部が形成され、この嵌合台部の外周面に、前記各突条体を嵌合してねじ込み可能とする少なくとも2個の傾斜溝が部分メスネジとして円周方向に少なくとも2等配した位置にそれぞれ形成され、
    これらの突条体、嵌合台部および傾斜溝によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子部材用収納容器。
  3. 上・下部の部分ねじ機構の位置合わせを容易にするために、
    容器本体の内円筒部の基端部外周面および蓋体の角筒部の外周面の下端部にそれぞれ合いマークが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部材用収納容器。
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