JP4477995B2 - 塗膜形成方法および塗装物品 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車部品や電化製品等の部品の意匠性を向上させるのに有用な塗膜形成方法、および該方法によって得られる意匠性に優れた塗装物品に関する。
自動車部品や電化製品等の部品においては、金属光沢感や金属調意匠性を付与して高級感を与えるなどの目的で、プラスチック材料や金属材料からなる部品に複層メタリック塗膜を形成することが行なわれている。
複層メタリック塗膜の形成方法としては、従来から、ベースコート塗料、光輝材を含有するメタリック塗料およびクリヤー塗料を順次塗装し、この3層の塗膜に同時に焼付けを施す、いわゆる3コート1ベイク方式による方法が知られており、塗膜を硬化させるための加熱工程が1回で済む点で好ましく一般に採用されている。詳しくは、この3コート1ベイク方式により複層メタリック塗膜の形成方法は、中間塗膜層を形成するメタリック塗料として、i)水性メタリック塗料を用いる方法と、ii)溶剤型メタリック塗料を用いる方法とに分類できる。
しかし、前記i)の水性メタリック塗料を用いる方法は、形成される3層の塗膜間の馴染みが少ない点では良好な光沢感を得やすいという面があるものの、ベースコート塗料の未硬化塗面に水性メタリック塗料を塗装することになるので、光輝材の配向が乱れ、金属光沢感や金属調意匠性が不充分になることがあるという問題を有していた。しかも、水性塗料を用いる場合には塗装環境の温度や湿度を調整する必要があるため、前記溶剤型メタリック塗料を用いる方法に比べ、設備面やコスト面でも不利となる。これらのことを考慮すると、前記ii)の溶剤型メタリック塗料を用いた方法が好ましいと考えられる。
金属光沢感や金属調意匠性を付与するための溶剤型メタリック塗料を用いた3コート1ベイク方式による塗膜形成方法としては、べースコート塗料として同一分子中にエポキシ基及び水酸基を含有する化合物(a)、フェニルシラノール系化合物(b)およびアルミニウムキレート化合物(c)を含有する着色塗料を使用し、メタリック塗料として特定の厚さとアスペクト比を有するアルミニウム薄片をメタリック顔料として含む塗料を使用する方法(特許文献1参照)や、べースコート塗料として塗装時の固形分含有率が40〜90重量%の白色塗料を使用し、メタリック塗料として透明塗膜を形成する塗料を使用する方法(特許文献2参照)が知られている。
特開2000−84483号公報 特開平10−176127号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法は、蒸着アルミ箔を粉砕して得られる特殊なアルミニウム薄片を光輝材として用いるものであるため、メタリック塗料を固形分含有率が非常に低い状態で塗装し、その乾燥膜厚を非常に薄く設定しなければ、充分なフリップフロップ性をもたせることができないという欠点があり、得られる金属光沢感や金属調意匠性のレベルには限界があった。加えて、前記アルミニウム薄片は少しの力で変形しやすいのでサーキュレーション安定性が悪く、しかも、軽くて配向しにくくムラになりやすいという問題があった。さらに、前記アルミニウム薄片は通常コスト高で汎用性に欠けるという問題もあった。
他方、前記特許文献2に記載の方法は、白色メタリック塗膜の形成を目的としたものであるため、該方法においては、ベースコート塗料の固形分の多くは白色顔料で占められており、ベースコート塗料に光輝材を含有させたとしてもその量は必然的に少量になる。そのため、金属光沢感や金属調意匠性はほぼメタリック塗料中の光輝材のみによって付与されることになり、より高い金属光沢感や金属調意匠性を得たい場合には、メタリック塗料を非常に厚く塗装するか、もしくはメタリック塗料中の光輝材含有量を非常に高くしなければならない。しかし、光輝材含有塗料の膜厚が厚すぎたり、光輝材含有量が高すぎると、光輝ムラを生じて外観不良となる恐れがあるので、該方法により得られる金属光沢感や金属調意匠性のレベルには限界があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、金属光沢感および金属意匠性に極めて優れた塗膜を形成することができる塗膜形成方法と、該方法によって得られる意匠性に優れた塗装物品とを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、第1層目を形成する塗料(A)と第2層目を形成する塗料(B)の両方に特定の光輝材を含有させることとし、それぞれの塗料について、金属光沢感や金属意匠性を有効に発現させうる条件、すなわち、塗料固形分中の光輝材含有量と、塗布時の塗料固形分濃度と、特定の予備試験に供したときの塗膜固形分含有量および粘度とが各々特定範囲となるようにすることによって、前記課題を一挙に解決しうることを見出した。詳しくは、本発明は、アルミニウム薄片など特殊な光輝材ではなく、従来汎用されている光輝材(アルミフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、アルミナフレーク顔料)を用いて、従来の技術では得られなかった極めて高い光輝感をもつ塗膜を形成するものであり、第1層目を形成する塗料(A)と第2層目を形成する塗料(B)の物性(すなわち、塗料固形分中の光輝材含有量、塗布時の塗料固形分濃度、および特定の予備試験に供したときの塗膜固形分含有量および粘度)を、通常求められる塗料安定性や塗装作業性を損なわない範囲内で最適化することにより、はじめてその目的(極めて高い光輝感をもつ塗膜を形成すること)を達成しうることを見出したのである。本発明は、これらの知見により完成したものである。
すなわち、本発明にかかる塗膜形成方法は、被塗膜形成物上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(A)を塗布して塗膜(a)を形成し、塗膜(a)上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(B)を塗布して塗膜(b)を形成し、塗膜(b)上にトップクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成し、その後、形成された3層の塗膜に対して同時に焼付けを行なう塗膜形成方法であって、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)に含有される光輝材は、それぞれ独立して、アルミフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、アルミナフレーク顔料からなる群より選ばれる1種以上であり、前記ベースコート塗料(A)としては、光輝材含有量が塗料固形分中5〜25質量%、塗布時の塗料固形分濃度が18〜28質量%であるとともに、乾燥膜厚5〜16μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに塗膜固形分含有量55〜75質量%、粘度28,000mPas以上となるものを用い、前記ベースコート塗料(B)としては、光輝材含有量が塗料固形分中6〜35質量%、塗布時の塗料固形分濃度が11〜18質量%であるとともに、乾燥膜厚1〜6μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに塗膜固形分含有量25〜50質量%、粘度4,000〜20,000mPasとなるものを用いるとともに、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の固形分中の光輝材含有量/塗膜(b)の固形分中の光輝材含有量(質量比)が1/1.2〜1/4となるように塗布する、ことを特徴とする。
本発明の塗膜形成方法の好ましい態様においては、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(b)の乾燥膜厚が1〜6μmとなり、かつ、前記塗膜(a)上に前記塗膜(b)を形成したのちトップクリヤー塗料を塗布したときの塗膜(a)と塗膜(b)の複層膜2層の合計塗膜固形分含有量が55質量%以上となるように、塗布する。
発明の塗膜形成方法の好ましい態様においては、また、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の乾燥膜厚が5〜16μmとなり、かつ、塗膜(a)の乾燥膜厚/塗膜(b)の乾燥膜厚の値が1.1〜16となるように、塗布する。
本発明にかかる塗装物品は、塗膜を備えてなる塗装物品であって、前記塗膜が前記本発明の塗膜形成方法により形成されてなる。
本発明によれば、金属光沢感および金属意匠性に極めて優れた塗膜を形成することができる塗膜形成方法と、該方法によって得られる意匠性に優れた塗装物品とを提供することができる。
以下、本発明にかかる塗膜形成方法および塗装物品について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔塗膜形成方法〕
本発明の塗膜形成方法は、被塗膜形成物上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(A)を塗布して第一塗膜層となる塗膜(a)を形成し、該塗膜(a)上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(B)を塗布して第二塗膜層となる塗膜(b)を形成し、該塗膜(b)上にトップクリヤー塗料を塗布して第三塗膜層となるクリヤー塗膜を形成し、その後、形成された3層の塗膜に対して同時に焼付けを行なう、いわゆる3コート1ベイク方式の塗膜形成方法である。本発明の塗膜形成方法により得られる塗膜は、第一塗膜層と第二塗膜層の2層に光輝材を含み、該光輝材を含む2層が被塗膜形成物と第三塗膜層との間に挟まれた積層構造となる。
本発明の塗膜形成方法において第一塗膜層を形成するための溶剤型ベースコート塗料(A)と、第二塗膜層を形成するための溶剤型ベースコート塗料(B)は、ともに光輝材を含有するものである。これにより、極めて優れた金属光沢感および金属意匠性を発現させることができる。
前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)に含有される光輝材は、それぞれ独立して、アルミフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、アルミナフレーク顔料からなる群より選ばれる1種以上である。好ましくは、本発明におけるこれらの光輝材は、サーキュレーションの点から厚みが0.1μm以上であることが望ましい。このような光輝材を選択することで、アルミニウム薄片を用いる場合の問題、すなわちサーキュレーション安定性が悪く、ムラになりやすく、コスト高であるという問題を回避し、汎用性に富んだ塗膜形成方法として工業的にも有利に適用できる。なお、本発明において、前述の「それぞれ独立して」とは、前記ベースコート塗料(A)に含有される光輝材と前記ベースコート塗料(B)に含有される光輝材とが、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい、ことを意味するものである。
前記ベースコート塗料(A)は、光輝材含有量が塗料固形分中5〜25質量%であるものである。光輝材含有量が5質量%未満であると、下地隠蔽性が低くなり、外観不良を招くこととなり、一方、25質量%を超えると、形成された塗膜の凝集力が弱くなり、付着性が悪くなる。
前記ベースコート塗料(A)は、塗布時の塗料固形分濃度が18〜28質量%であるものである。好ましくは、塗布時の塗料固形分濃度は20〜26質量%であるのがよい。塗布時の塗料固形分濃度が18質量%未満であると、塗装後の粘度が低く、タレが生じたり、光輝材の配向が乱れることになり、一方、28質量%を超えると、形成される塗膜の平滑性が得られず、しかも光輝材が配向しにくくなる。
前記ベースコート塗料(A)は、乾燥膜厚5〜16μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに固形分含有量55〜75質量%、粘度28,000mPas以上となるものである。好ましくは、前記予備試験に供したときに塗膜固形分含有量60〜70質量%、粘度30,000mPas以上となるものがよい。前記予備試験に供したときの塗膜の固形分含有量が55質量%未満であったり、前記予備試験に供したときの塗膜の粘度が28,000mPas未満であったりすると、形成される塗膜にタレが生じたり、光輝材の配向が乱れることになり、しかも、ベースコート塗料(B)を塗装したときに該塗料(B)中の溶剤を吸い込むことによっても光輝材の配向が乱されることになる。一方、前記予備試験に供したときの塗膜の固形分含有量が75質量%を超えると、形成される塗膜の平滑性が得られず、しかも光輝材が配向しにくくなる。なお、前記予備試験は、本発明の塗膜形成方法の実施とは別に予め行うものであり、本発明の方法を実施するに際しての乾燥膜厚や放置温度および時間などは、前述した予備試験の条件に制限されることなく、製造現場にあわせて適宜設定すればよい。
前記ベースコート塗料(A)を構成する樹脂成分等については、特に制限はなく、たとえば、1液型ポリウレタン塗料、2液型ポリウレタン塗料、メラミン樹脂硬化系塗料など、通常、用いられる溶剤型ベース塗料を前記ベースコート塗料(A)とすればよい。
前記ベースコート塗料(B)は、光輝材含有量が塗料固形分中6〜35質量%であるものである。光輝材含有量が6質量%未満であると、下地隠蔽性が低くなり、外観不良を招くこととなり、一方、35質量%を超えると、形成された塗膜の凝集力が弱くなり、付着性が悪くなる。
前記ベースコート塗料(B)は、塗布時の塗料固形分濃度が11〜18質量%であるものである。好ましくは、塗布時の塗料固形分濃度は13〜17質量%であるのがよい。塗布時の塗料固形分濃度が11質量%未満であると、塗装後の粘度が低く、タレが生じたり、光輝材の配向が乱れることになり、一方、18質量%を超えると、塗膜(a)への溶剤の吸い込みによって起こる塗膜の粘度上昇もあり、形成される塗膜の平滑性が得られず、しかも光輝材が配向しにくくなる。
前記ベースコート塗料(B)は、乾燥膜厚1〜6μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに塗膜固形分含有量25〜50質量%、粘度4,000〜20,000mPasとなるものである。好ましくは、前記予備試験に供したときに塗膜固形分含有量35〜45質量%、粘度8,000〜18,000mPasとなるものがよい。前記予備試験に供したときの塗膜の固形分含有量が25質量%未満であったり、前記予備試験に供したときの塗膜の粘度が4,000mPas未満であったりすると、形成される塗膜にタレが生じたり、光輝材の配向が乱れることになり、しかも、該塗料(B)中の溶剤が多量に塗膜(a)に吸い込まれることになり、塗膜(a)中の光輝材の配向をも乱すことになる。一方、前記予備試験に供したときの塗膜の固形分含有量が50質量%を超えたり、前記予備試験に供したときの塗膜の粘度が20,000mPasを超えたりすると、形成される塗膜の平滑性が得られず、しかも光輝材が配向しにくくなる。なお、前記予備試験は、本発明の塗膜形成方法の実施とは別に予め行うものであり、本発明の方法を実施するに際しての乾燥膜厚や放置温度および時間などは、前述した予備試験の条件に制限されることなく、製造現場にあわせて適宜設定すればよい。
前記ベースコート塗料(B)を構成する樹脂成分等については、特に制限はなく、たとえば、1液型ポリウレタン塗料、2液型ポリウレタン塗料、メラミン樹脂硬化系塗料など、通常、用いられる溶剤型ベース塗料を前記ベースコート塗料(B)とすればよい。
前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)には、それぞれ必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、着色顔料(たとえば、アゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイントリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料;黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機系顔料など)や、体質顔料(たとえば、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカなど)等を含有させることもできる。
本発明の塗膜形成方法において第三塗膜層を形成するためのトップクリヤー塗料としては、特に制限はなく、通常、用いられるトップクリヤー塗料を用いることができるが、たとえば、1液型ポリウレタン塗料、2液型ポリウレタン塗料、メラミン樹脂硬化系塗料、酸−エポキシ硬化系塗料(たとえば、特公平8−19315号公報に記載のようなカルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含む溶剤型クリヤー塗料;市販品では、たとえば、日本ペイント社製「マックフローO−330クリヤー」など)から選ばれる1種以上が好ましく挙げられる。なお、トップクリヤー塗料は、溶剤型塗料、水性塗料、粉体塗料のいずれであってもよく、その塗料形態に制限はない。
前記ベースコート塗料(A)、前記ベースコート塗料(B)および前記トップクリヤー塗料には、それぞれ必要に応じて、前述した成分以外に、通常、塗料用添加剤として配合される成分、たとえば、架橋剤、表面調整剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、硬化触媒等を含有させることもできる。
本発明の塗膜形成方法においては、前記ベースコート塗料(A)は、形成される塗膜(a)の乾燥膜厚が5〜16μmとなるように塗布することが好ましい。より好ましくは、6〜14μmとするのがよい。塗膜(a)の乾燥膜厚が5μm未満であると、下地の隠蔽性が低くなる恐れがあり、一方、16μmを超えると、塗装時に塗装機からの吐出量が多くなりすぎて、微粒化不良や塗着固形分が低くなる傾向があり、その結果、光輝材の配向不良を招き、光輝感が損なわれる恐れがある。
本発明の塗膜形成方法においては、前記ベースコート塗料(B)は、形成される塗膜(b)の乾燥膜厚が1〜6μmとなるように塗布することが好ましい。より好ましくは、2〜5μmとするのがよい。塗膜(b)の乾燥膜厚が1μm未満であると、下地の隠蔽性が低くなる恐れがあり、一方、6μmを超えると、塗装時に低固形分塗料を多量吐出することとなり、微粒化不良や塗着固形分が低くなる傾向があり、その結果、光輝材の配向不良を招き、光輝感が損なわれる恐れがある。
本発明の塗膜形成方法において、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の乾燥膜厚/塗膜(b)の乾燥膜厚の値が1.1〜16となるように、塗料(A)および塗料(B)の塗布量などを調整して塗布することが好ましい。この範囲を外れると、充分に高い光輝感を発現させにくくなる恐れがある。
本発明の塗膜形成方法において、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の固形分中の光輝材含有量/塗膜(b)の固形分中の光輝材含有量(質量比)が1/1.2〜1/4となるように、塗料(A)および塗料(B)の塗布量などを調整して塗布することが好ましい。この範囲を外れると、隠蔽不良を招いたり、充分に高い光輝感を発現させにくくなる恐れがある。
本発明の塗膜形成方法において、前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、前記塗膜(a)上に前記塗膜(b)を形成したのちトップクリヤー塗料の塗布時に塗膜(a)と塗膜(b)の複層膜2層の合計塗膜固形分含有量が55質量%以上となるように、塗料(A)および塗料(B)の塗布量などを調整して塗布することが好ましい。前記複層膜2層の合計塗膜固形分含有量が55質量%未満となる条件で塗布を行うと、トップクリヤー塗料中の溶剤が塗膜(a)や塗膜(b)に浸透しやすくなり、粘度低下により光輝材の配向に乱れが生じ、光輝感が損なわれる恐れがある。なお、複層膜2層の合計塗膜固形分含有量は、例えば、実施例で後述するように、本発明の塗膜形成方法の実施と同じ条件で前記ベースコート塗料(A)と前記ベースコート塗料(B)を順次アルミ箔等の上に塗布してトップクリヤー塗料の塗布時(トップクリヤー塗料の塗布直前)の状態にし、その後、直ちに揮発成分が逃げないようにしてJIS−K−5601−1−2に準じて105℃で3時間加熱して、該加熱前後の質量から求めるようにすればよい。
本発明の塗膜形成方法においては、塗膜(a)の単独膜と、塗膜(a)および塗膜(b)の複層膜との色差が10以内となるようにすることが、塗膜(b)の隠蔽性不良によるスケムラを防止するうえで、好ましい。より好ましくは8以内とするのがよい。塗膜(a)の単独膜と塗膜(a)および塗膜(b)の複層膜との色差が10以内となるようにすることは、具体的には、前記ベースコート塗料(A)に含有させる光輝材および必要に応じて含有させる着色顔料と、前記ベースコート塗料(B)に含有させる光輝材および必要に応じて含有させる着色顔料として、同一の光輝材および同一の着色顔料、もしくは近似した種類の光輝材(たとえば、どちらもアルミフレーク顔料であって異なるもの)および近似した種類の着色顔料(たとえば、どちらも同色系の着色顔料であって異なるもの)等を選択することにより、達成することができる。なお、両塗膜の色差は、塗膜(a)の単独膜と、塗膜(a)および塗膜(b)の複層膜とを各々形成し、それぞれ、クリヤー塗膜を重ねることなく80℃で20分間焼き付け乾燥し、色差計(たとえば、ミノルタ社製「ミノルタCR−300」など)で測定することにより求められる。
本発明の塗膜形成方法においては、前記トップクリヤー塗料は、形成されるクリヤー塗膜の乾燥膜厚が15〜45μmとなるように塗布することが好ましい。より好ましくは、20〜40μmとするのがよい。クリヤー塗膜の乾燥膜厚が15μm未満であると、塗膜外観不良や耐久性低下などの不具合が生じる恐れがあり、一方、45μmを超えると、タレが生じやすく、塗布作業に不具合を招く恐れがある。
本発明の塗膜形成方法において、各塗料の塗布方法は、特に限定されるものではなく、使用する塗料の形態および被塗膜形成物の表面形状等を考慮して、例えば、ベル塗装、スプレー塗装、ロールコーター塗装、刷毛塗り、静電塗装など従来公知の塗布方法のなかから適宜選択して塗布を行なえばよい。
本発明の塗膜形成方法においては、以上のようにして形成された3層の塗膜(塗膜(a)、塗膜(b)およびクリヤー塗膜)に対して同時に焼付けを行なう。焼付けの際の加熱温度や加熱時間は特に制限されないが、たとえば、クリヤー塗料として1液型ポリウレタン塗料や2液型ポリウレタン塗料を用いた場合には、60〜120℃で10〜60分間加熱するようにすればよく、クリヤー塗料としてメラミン樹脂硬化系塗料や酸−エポキシ硬化系塗料を用いた場合には、120〜160℃で10〜45分間加熱するようにすればよい。
本発明の塗膜形成方法を適用しうる被塗膜形成物は、特に制限されるものではなく、たとえば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属基材;ポリオレフィン、ABS、ポリカーボネート、ポリウレタン等のプラスチック基材;等が挙げられる。なかでも、前記被塗膜形成物は、各種素材からなる自動車用鋼板または前記プラスチック基材であることが好ましい。なお、前記被塗膜形成物の塗膜形成面には、たとえば、プライマー塗料、カチオン電着塗料、中塗塗料等を塗装することにより、予めプライマー層や中塗り塗膜層等が形成されていてもよい。
〔塗装物品〕
本発明の塗装物品は、塗膜を備えてなる塗装物品であって、前記塗膜が前記本発明の塗膜形成方法により形成されてなるものである。したがって、本発明の塗装物品は、極めて優れた金属光沢感および金属意匠性を備えたものである。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「質量部」を単に「部」と、「質量%」を単に「%」と記すものとする。
実施例および比較例において得られた塗膜の評価は、下記のように行った。
<光輝感(金属光沢感および金属意匠性)>
形成した塗膜の外観を、正面および斜めから目視にて観察し、下記の基準で判定した。
○:どの方向から見たときにも、光輝材が配向しており、ムラのない均一な金属調の輝き(光輝性)が認められる。
×:いずれかの方向から見たときに、光輝材の配向がなく、金属調の輝き(光輝性)にムラが認められる。
<付着性>
JIS−K−5600−5−6に準じ、形成した塗膜上にカッターで切り込みを入れて2mm角の碁盤目を100マス目作り、その上に粘着テープを貼り付けたのち、強制的に剥離する試験を行い、下記の基準で判定した。
○:試験後に塗膜の剥離が全く認められない。
×:試験後に塗膜の剥離が一部でも認められる。
〔製造例1〕
攪拌機を備えたステンレス容器に、後述する方法で得たアクリル樹脂ワニス133.3部を仕込み、攪拌しながら、次いで、トルエン69.6部および酢酸ブチル46.4部を添加し、均一に混合するよう充分に攪拌した。次いで、攪拌しながら、光輝材としてアルミフレーク顔料(旭化成メタルズ社製「アルペーストMH8801」、固形分64%)19.4部を、該アルミフレーク顔料の凝集が起こらないように少しずつ添加した。攪拌によりアルミフレーク顔料が充分にほぐれたのち、硬化剤としてブロックイソシアネート硬化剤(住化バイエルウレタン社製「デスモジュールTPLS2759」、固形分75%)26.7部と、粘性調整剤(日本ペイント社製「AZS−522」、固形分25%)40部と、沈降防止剤(楠本化成社製「ディスパロン6900−20X」、固形分20%)10部とを、この順に添加し、均一な状態になるよう充分に攪拌して、塗料(a1)を得た。得られた塗料の固形分濃度(%)および光輝材含有量(PWC%)を表1に示す。
なお、上記で用いたアクリル樹脂ワニスの製造は、次のようにして行った。すなわち、攪拌機、温度計、還流管、滴下ロート、窒素導入管およびサーモスタット付き加熱装置を備えた反応容器に、トルエン16部および酢酸ブチル11部を仕込み、攪拌しながら、内部液相温度を120℃まで昇温した。この温度を維持しながら、次いで、メチルメタクリレート20部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート30部、エチルアクリレート11部、およびエチルヘキシルアクリレート10部からなるモノマー混合溶液と、パーオキサイド系重合開始剤(日本化薬社製「カヤエステルO」)1.5部、トルエン4部、および酢酸ブチル4部からなる開始剤溶液(1)とを、各々別の滴下ロートから3時間かけて滴下して、重合反応を開始した。この滴下終了後、さらに、内部液相温度を120℃に維持しながら、パーオキサイド系重合開始剤(日本化薬社製「カヤエステルO」)0.5部、トルエン2部、および酢酸ブチル2部からなる開始剤溶液(2)を2時間かけて滴下した。この滴下終了後、さらに1時間、内部液相温度を120℃に維持して熟成を行い、重合反応を完了させた。次いで、内部液相温度を80℃にまで下げ、トルエン18部と酢酸ブチル9.5部とをこの順に反応容器内に添加して、アクリル樹脂ワニスを得た。該アクリル樹脂ワニスについて、JIS−K−5601−1−2に準じ105℃で3時間加熱したときの残存固形分を測定したところ、得られたアクリル樹脂ワニスの樹脂固形分は、60%であった。
〔製造例2〜7〕
各成分の配合量を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にして、塗料(a2)〜(a5)および塗料(b1)〜(b2)を得た。得られた塗料の固形分濃度(%)および光輝材含有量(PWC%)を表1に示す。
Figure 0004477995
〔実施例1〜9および比較例1〜9〕
まず、ポリプロピレン基板をイソプロパノールで洗浄したのちに乾燥し、次いで、塩素化ポリプロピレン系溶剤型プライマー塗料(日本ビー・ケミカル社製「RB116プライマー」)を乾燥膜厚8μmとなるようにスプレー塗装したのち25℃で3分間放置して、これを基材とした。そして、上記基材上に、ベースコート塗料(A)、ベースコート塗料(B)およびトップクリヤー塗料を3コート1ベイク方式により塗装して塗膜を形成した。詳しくは、以下の通りである。
ベースコート塗料(A)(表中では「塗料(A)」と表記する)およびベースコート塗料(B)(表中では「塗料(B)」と表記する)としては、それぞれ表2および表3に示す番号の塗料を希釈溶剤で表2および表3に示す塗布時の塗料固形分濃度となるように希釈したもの(このときの希釈溶剤の使用量は表2および表3に示す)を用い、トップクリヤー塗料としては、ポリイソシアネート−アクリル樹脂系溶剤型2液ポリウレタン塗料(日本ビー・ケミカル社製「R290Sクリヤー」)を用いた。なお、ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)は上記希釈ののち直ちに使用することとし、ベースコート塗料(A)の希釈溶剤としては、酢酸エチル/エチル−3−エトキシプロピオネート=72/25(質量比)の混合溶剤を用い、ベースコート塗料(B)の希釈溶剤としては、酢酸エチル/エチル−3−エトキシプロピオネート=40/60(質量比)の混合溶剤を用いた。
前記ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)を表2または表3に示す乾燥膜厚で塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したところ、予備試験後の塗膜固形分含有量および粘度は、それぞれ表2および表3に示す通りであった。この予備試験後の塗膜固形分含有量および粘度は、次のようにして行った。
予備試験後の塗膜固形分含有量;各塗料を単独でアルミ箔(この重量をxとする)上に所定の乾燥膜厚となるように塗布し、25℃で1分間放置したのち、直ちにアルミ箔を折りたたみ揮発成分が逃げないようにして重量を測定する(この重量は、アルミ箔とWET塗膜の合計重量となり、これをyとする)。次いで、折りたたんだアルミ箔を広げ、JIS−K−5601−1−2に準じて105℃で3時間加熱したのち、再び重量を測定する(この重量は、アルミ箔と乾燥塗膜の合計重量となり、これをzとする)。そして、得られたx、y、zの各値から下記式に従い求めた。
予備試験後の塗膜固形分含有量(%)=[(z−x)/(y−x)]×100
予備試験後の粘度;各塗料を単独でブリキ板上に所定の乾燥膜厚となるように塗布し、25℃で1分間放置したのち、直ちに形成された塗膜から掻き取ったサンプルについてR型粘度計(東機産業社製「H型」または「M型」)を用いてせん断速度0.1秒−1にて粘度を測定した。
ベースコート塗料(A)を表2および表3に示す乾燥膜厚となるように塗装して塗膜(a)を形成し、25℃で1分間放置した。その後、直ちに、該塗膜(a)上にベースコート塗料(B)を表2および表3に示す乾燥膜厚となるように塗装して塗膜(b)を形成し、25℃で5分間放置した。その後、直ちに、該塗膜(b)上にトップクリヤー塗料を乾燥膜厚30μmとなるように塗装してクリヤー塗膜を形成した。そして、3層の塗膜が形成された基材を25℃で10分間放置したのち80℃で20分間加熱して、3層の塗膜に対して同時に焼付けを行なった。なお、ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)の塗装は、ともに、回転霧化型ベル塗装機(ABBインダストリー社製「メタリックベルG1−COPESベル」)を用いて回転速度3×10rpmで行い、トップクリヤー塗料の塗装は、エアースプレーガン(アネスト岩田社製「W−71」)を用いて行った。
前記塗装において、前記塗膜(a)上に前記塗膜(b)を形成したのちトップクリヤー塗料の塗布時に該2層(塗膜(a)と塗膜(b))の合計塗膜固形分含有量は、表2および表3に示す通りであった。このトップクリヤー塗料塗布時の塗膜(a)と塗膜(b)の合計塗膜固形分含有量は、次のようにして求めた。
トップクリヤー塗料塗布時の塗膜(a)と塗膜(b)の合計塗膜固形分含有量;アルミ箔(この重量をxとする)上に、ベースコート塗料(A)を表2および表3に示す乾燥膜厚となるように塗布して塗膜(a)を形成し、25℃で1分間放置したのち、直ちに、該塗膜(a)上にベースコート塗料(B)を表2および表3に示す乾燥膜厚となるように塗装して塗膜(b)を形成し、25℃で5分間放置した。その後、直ちにアルミ箔を折りたたみ揮発成分が逃げないようにして重量を測定する(この重量は、アルミ箔とWET複層膜の合計重量となり、これをyとする)。次いで、折りたたんだアルミ箔を広げ、JIS−K−5601−1−2に準じて105℃で3時間加熱したのち、再び重量を測定する(この重量は、アルミ箔と乾燥複層膜の合計重量となり、これをzとする)。そして、得られたx、y、zの各値から下記式に従い求めた。
トップクリヤー塗料塗布時の塗膜(a)と塗膜(b)の合計塗膜固形分含有量(%)
=[(z−x)/(y−x)]×100
形成した塗膜の光輝感と付着性についての評価結果を表2および表3に示す。
〔実施例10〕
まず、燐酸亜鉛処理したダル鋼板の上に、カチオン電着塗料(日本ペイント社製「パワートップV−50」)を乾燥膜厚25μmとなるように電着塗装したのち160℃で30分間焼付けし、さらに、中塗塗料(日本ペイント社製「オルガP−5シーラー」)を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装したのち140℃で30分間焼付けして、これを基材とした。そして、上記基材上に、ベースコート塗料(A)、ベースコート塗料(B)およびトップクリヤー塗料を3コート1ベイク方式により塗装して塗膜を形成した。詳しくは、以下の通りである。
ベースコート塗料(A)としては、光輝材としてアルミフレーク顔料(旭化成メタルズ社製「アルペーストMH8801」、固形分64%)を光輝材含有量が塗料固形分中10%となるようにアクリル−メラミン樹脂系塗料(日本ペイント社製「スーパーラックM−95HB」)に配合してなる塗料(該塗料を表中では「塗料(a6)」と表記する)を希釈溶剤で表2に示す塗布時の塗料固形分濃度となるように希釈したもの(このときの希釈溶剤の使用量は表2に示す)を用い、ベースコート塗料(B)としては、光輝材としてアルミフレーク顔料(旭化成メタルズ社製「アルペーストMH8801」、固形分64%)を光輝材含有量が塗料固形分中18%となるようにアクリル−メラミン樹脂系塗料(日本ペイント社製「スーパーラックM−95HB」)に配合してなる塗料(該塗料を表中では「塗料(b3)」と表記する)を希釈溶剤で表2に示す塗布時の塗料固形分濃度となるように希釈したもの(このときの希釈溶剤の使用量は表2に示す)を用い、トップクリヤー塗料としては、アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(日本ペイント社製「スーパーラックO−100クリヤー」)を用いた。なお、ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)は上記希釈ののち直ちに使用することとし、ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)の希釈溶剤としては、ともに、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤を用いた。
前記ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)を表2に示す乾燥膜厚で塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したところ、予備試験後の塗膜固形分含有量および粘度は、表2に示す通りであった。この予備試験後の塗膜固形分含有量および粘度は、実施例1と同様にして行った。
ベースコート塗料(A)を表2に示す乾燥膜厚となるように塗装して塗膜(a)を形成し、25℃で1分間放置した。その後、直ちに、該塗膜(a)上にベースコート塗料(B)を表2に示す乾燥膜厚となるように塗装して塗膜(b)を形成し、25℃で5分間放置した。その後、直ちに、該塗膜(b)上にトップクリヤー塗料を乾燥膜厚35μmとなるように塗装してクリヤー塗膜を形成した。そして、3層の塗膜が形成された基材を25℃で10分間放置したのち140℃で30分間加熱して、3層の塗膜に対して同時に焼付けを行なった。なお、ベースコート塗料(A)およびベースコート塗料(B)の塗装は、ともに、回転霧化型ベル塗装機(ABBインダストリー社製「メタリックベルG1−COPESベル」)を用いて回転速度3×10rpmで行い、トップクリヤー塗料の塗装は、エアースプレーガン(アネスト岩田社製「W−71」)を用いて行った。
前記塗装において、前記塗膜(a)上に前記塗膜(b)を形成したのちトップクリヤー塗料の塗布時に該2層(塗膜(a)と塗膜(b))の合計塗膜固形分含有量は、表2に示す通りであった。このトップクリヤー塗料塗布時の塗膜(a)と塗膜(b)の合計塗膜固形分含有量は、実施例1と同様にして求めた。
形成した塗膜の光輝感と付着性についての評価結果を表2に示す。
Figure 0004477995
Figure 0004477995
本発明にかかる塗膜形成方法および塗装物品は、例えば、自動車部品や電化製品等の部品等の用途において、意匠性、特に金属光沢感や金属調意匠性を付与する際に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 被塗膜形成物上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(A)を塗布して塗膜(a)を形成し、塗膜(a)上に光輝材含有溶剤型ベースコート塗料(B)を塗布して塗膜(b)を形成し、塗膜(b)上にトップクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成し、その後、形成された3層の塗膜に対して同時に焼付けを行なう塗膜形成方法であって、
    前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)に含有される光輝材は、それぞれ独立して、アルミフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、アルミナフレーク顔料からなる群より選ばれる1種以上であり、
    前記ベースコート塗料(A)としては、光輝材含有量が塗料固形分中5〜25質量%、塗布時の塗料固形分濃度が18〜28質量%であるとともに、乾燥膜厚5〜16μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに塗膜固形分含有量55〜75質量%、粘度28,000mPas以上となるものを用い、
    前記ベースコート塗料(B)としては、光輝材含有量が塗料固形分中6〜35質量%、塗布時の塗料固形分濃度が11〜18質量%であるとともに、乾燥膜厚1〜6μmで塗布した後25℃で1分間放置する予備試験に供したときに塗膜固形分含有量25〜50質量%、粘度4,000〜20,000mPasとなるものを用いるとともに、
    前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の固形分中の光輝材含有量/塗膜(b)の固形分中の光輝材含有量(質量比)が1/1.2〜1/4となるように塗布する、
    ことを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(b)の乾燥膜厚が1〜6μmとなり、かつ、前記塗膜(a)上に前記塗膜(b)を形成したのちトップクリヤー塗料を塗布したときの塗膜(a)と塗膜(b)の複層膜2層の合計塗膜固形分含有量が55質量%以上となるように、塗布する、請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記ベースコート塗料(A)および前記ベースコート塗料(B)は、塗膜(a)の乾燥膜厚が5〜16μmとなり、かつ、塗膜(a)の乾燥膜厚/塗膜(b)の乾燥膜厚の値が1.1〜16となるように、塗布する、請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記被塗膜形成物は自動車用の鋼板またはプラスチック基材である、請求項1から3までのいずれかに記載の塗膜形成方法。
  5. 塗膜を備えてなる塗装物品であって、前記塗膜が請求項1から4までのいずれかに記載の塗膜形成方法により形成されてなる、塗装物品。
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