JP4477830B2 - 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品 - Google Patents

圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品 Download PDF

Info

Publication number
JP4477830B2
JP4477830B2 JP2003065237A JP2003065237A JP4477830B2 JP 4477830 B2 JP4477830 B2 JP 4477830B2 JP 2003065237 A JP2003065237 A JP 2003065237A JP 2003065237 A JP2003065237 A JP 2003065237A JP 4477830 B2 JP4477830 B2 JP 4477830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
orientation
piezoelectric ceramic
ceramic
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003065237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004006704A (ja
Inventor
豊 土信田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2003065237A priority Critical patent/JP4477830B2/ja
Publication of JP2004006704A publication Critical patent/JP2004006704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4477830B2 publication Critical patent/JP4477830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電セラミック部品、例えば圧電セラミックトランスや圧電セラミックスピーカや圧電セラミックセンサや圧電セラミックアクチュエータや圧電セラミックディスプレイや圧電セラミックモータ等には、チタン酸鉛(PbTiO3 )とジルコン酸鉛(PbZrO3 )との固溶体から成るジルコン・チタン酸鉛、所謂、PZTがその圧電セラミック部の材料として一般に用いられている。このPZTはそれまでの圧電セラミック材料、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3 )或いはチタン酸バリウムと他の酸化物との固溶体等に比べて優れた圧電効果が得られる。
【0003】
しかし、前記のPZTは鉛(Pb)を含むことから、これを使用することは環境保存の要求からして好ましいとは言えず、最近ではPZTに代わる圧電セラミック材料が求められている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−53367号公報
【特許文献2】
特願2000−309785号(特開2002−121069号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の要求に対し、発明者は、鉛(Pb)を含まない非磁性セラミック粒子、例えばCaBi4Ti415等のビスマス層状化合物の粒子を用いてセラミックグリーンシートを作成し、このセラミックグリーンシートを用いて圧電セラミック部品を作成することを検討した。
【0006】
ビスマス層状化合物の粒子は結晶軸の長手方向をc軸とするとこれと直交するa(b)軸方向に結晶成長し、同方向に大きな圧電特性が得られる物性を有するため、圧電セラミック部品用のセラミックグリーンシートを得るには粒子のa(b)軸がシートの厚さ方向に向くような配向処理を事前に行う必要がある。
【0007】
前記粒子は結晶のa(b)軸方向とc軸方向に微小な磁化率差を有するため、当該粒子を含むスラリーに磁場を印加すれば前記の配向処理を行うことは可能である。しかし、スラリーに対して前記の配向処理を行っても、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを得るまでの過程で配向が大きく乱れてしまうことから、所期の粒子配向を有するセラミックグリーンシートを得ることが困難であり、所期の圧電特性を有する圧電セラミック部品を得ることも難しい。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、優れた圧電特性を有する圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る圧電セラミック部品の製造方法は、セラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作成する工程を備えた圧電セラミック部品の製造方法であって、前記セラミックグリーンシート作成工程は、結晶のa(b)軸方向とc軸方向に微小な磁化率差を有するセラミック粒子を含有したセラミックスラリーをベースフィルム上に塗工することにより所定厚さの未配向シートを得るステップと、この未配向シートをベースフィルムで支持した状態のまま磁場印加装置に送り込んで所定方向の磁場を印加することにより該未配向シート内のセラミック粒子が該磁場の方向に配向された配向処理シートを得るステップと、この配向処理シートの一部に硬化処理を施すことにより該配向処理シート内の一のセラミック粒子の配向固定された配向固定シートを得るステップとを備える、ことをその特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ベースフィルム上に形成された未配向シートの厚みがほぼ一定であることから磁場印加による粒子配向を偏りなく均一に行えると共に、この配向処理シートに粒子配向を固定する処理を行うことで所期の粒子配向を有する配向シート(セラミックグリーンシート)を確実に得ることができる。依って、この配向シートを用いて圧電セラミック部品を製造すれば、所望の粒子配向を備えた圧電セラミック部を得て、優れた圧電特性を有する圧電セラミック部品を提供できる。
【0011】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[配向固定シート及びその製造方法]
以下に、圧電セラミック部品を製造する際に用いられる配向固定シート及びその製法について図1〜図8を引用して説明する。
【0013】
まず、非磁性セラミック粒子と有機バインダと有機溶剤を必須成分とし必要に応じて可塑剤と分散剤が添加されたセラミックスラリー1を用意する。
【0014】
用途等によって配合割合は異なるが、非磁性セラミック粒子と有機バインダと有機溶剤と可塑剤と分散剤とを含むセラミックスラリー1の場合、概ね、セラミックスラリー1中の非磁性セラミック粒子は40〜60wt%、有機バインダは3〜5wt%、有機溶剤は30〜50wt%、可塑剤は1〜2wt%、分散剤は0.5〜1wt%であり、セラミックスラリー1中の非磁性セラミック粒子の体積割合は30〜50vol%である。
【0015】
前記の非磁性セラミック粒子には、CaBi4Ti415,BaBi4Ti415,SrBi4Ti415,Na0.5Bi4.5Ti415,Bi4Ti312,CaBi2Ta29,CaBi2Nb29,BaBi2Ta29,BaBi2Nb29,SrBi2Ta29,SrBi2Nb29等のビスマス層状化合物の粒子、または、Sr1.9Ca0.1NaNb515,SrNb26,BaNb26,NaBa2Nb515,KBa2Nb515,NaSr2Nb515,Bi1/3Ba2Nb515等のタングステンブロンズ型化合物の粒子が利用される。
【0016】
また、前記の非磁性セラミック粒子は周知の合成法、例えば、水熱法や加水分解法や固相法やシュウ酸塩法やクエン酸法や気相法等の合成法を利用して作成される。例えば、ビスマス層状化合物の粒子としてCaBi4Ti415を用いる場合には、CaBi4Ti415となるようにCaCO3とBi23とTiO2を所定の比率で配合し、これをエタノール等の溶媒を用いてボールミルにより混合して乾燥させ、これを900〜1000℃、3〜5hで仮焼し、これをボールミルで粉砕して目的の粒子を得る。また、例えば、タングステンブロンズ型化合物の粒子としてSr1.9Ca0.1NaNb515を得る場合には、Sr1.9Ca0.1NaNb515となるようにSrCO3,CaCO3,Na2CO3,Nb25を所定の比率で配合し、これにMnO2を助剤として0.2wt%加えてエタノール等の溶媒を用いてボールミルにより混合して乾燥させ、これを1100〜1200℃、3〜5hで仮焼し、これをボールミルで粉砕して目的の粒子を得る。
【0017】
さらに、前記の非磁性セラミック粒子は板状,柱状,球状またはこれら以外の形状であっても構わないが、後述する配向処理を効率良く行うには形状異方性のないものを用いるほうが好ましい。前記の板状,柱状,球状には、表面凹凸があって形が多少歪なものも含まれる。非磁性セラミック粒子が球状である場合には、その平均粒径は0.1〜1μmで、比表面積が1〜5m2/gであることが好ましい。
【0018】
前記の有機バインダにはポリビニルブチラール樹脂やセルロール樹脂やアクリル樹脂等が適宜使用され、前記の有機溶剤にはケトン類や炭化水素類やアルコール類やエステル類やエーテルアルコール類や塩化炭化水素類等が適宜使用され、前記の可塑剤にはジオクチル等のエステル系のもの等が適宜使用され、前記の分散剤にはポリアクリル酸アンモニウム等の陰イオン系のものやノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤等が適宜使用される。
【0019】
次に、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムやステンレス等の金属薄板から成るテープ状のベースフィルムBFを一定速度で走行させながら、このベースフィルムBF上にドクターブレードやダイコータやリバースコータ等の塗工機2を用いて前記のセラミックスラリー1を所定厚さで連続塗工してセラミックグリーンシートGS1(以下、未配向シートGS1と言う)を形成する。ベースフィルムBFと未配向シートGS1の厚さに制限はないが、後述する圧電セラミック部品を製造する場合の未配向シートGS1の厚さは概ね0.5〜20μmである。
【0020】
次に、未配向シートGS1をベースフィルムBFで支持した状態のまま磁場印加装置3に送り込み、ベースフィルムBFを一定速度で走行させながら、未配向シートGS1に対して所定方向の磁場を印加する。磁場を印加する前の未配向シートGS1内の非磁性セラミック粒子の配向方向はランダムであるが、磁場を印加すると未配向シートGS1内の非磁性セラミック粒子は自らの磁化率差に基づいて結晶のa(b)軸またはc軸が磁場の方向と同じ向きとなるように配向される。これにより、配向処理されたセラミックグリーンシートGS2(以下、配向処理シートGS2と言う)が作成される。この配向処理を行う際の印加磁場は大きいほど好ましく、SI単位系で言えば3テスラ(T)以上、もしくは6テスラ(T)以上の磁束密度の磁場であることが望ましい。
【0021】
前記の磁場印加装置3には、図2(A)及び(B)、或いは、図3(A)及び(B)に示すように、所定間隔をおいて平行に向き合う一対の磁石部3aを備えたものが好ましく使用される。各磁石部3aは矩形リング状を成していて中央に矩形孔3a1を有し、各磁石部3aには矩形孔3a1を囲むように超伝導磁石または電磁石が内蔵されていてそのコイルには図示省略の電源回路から励磁用電力が供給される。符号L1は矩形孔3a1のシート走行方向と直交する方向の間隔を示し、符号L2は矩形孔3a1のシート走行方向の間隔を示すもので、間隔L1はベースフィルムBFの幅よりも大きく、間隔L2はベースフィルムBFと未配向シートGS1の厚さの和よりも大きい。
【0022】
図2(A)及び(B)に示すように、各磁石部3aを上下に配置してその間に未配向シートGS1を通過させるようにした場合、各磁石部3a内のコイルに上から見て反時計回り方向に電流を流したときに生じる磁場強度SMは両磁石部3a間の矩形孔3a1に対応する領域IA(以下、磁場印加領域IAと言う)が他よりも大きく、この磁場印加領域IAにおける磁場の向きは図2(A)に太線矢印で示すようにシート面と直交し且つ上向きとなる。勿論、各磁石部3a内のコイルに流れる電流の向きを逆方向にすれば、磁場の向きを逆向きとすることも可能である。
【0023】
また、図3(A)及び(B)に示すように、各磁石部3aを左右に配置して両磁石部3aの矩形孔3a1内に未配向シートGS1を通過させるようにした場合、各磁石部3a内のコイルに左から見て反時計回り方向に電流を流したときに生じる磁場強度SMは両磁石部3a間の矩形孔3a1に対応する磁場印加領域IAが他よりも大きく、この磁場印加領域IAにおける磁場の向きは図3(A)に太線矢印で示すようにシート面と平行で且つ左向きとなる。勿論、各磁石部3a内のコイルに流れる電流の向きを逆方向にすれば、磁場の向きを逆向きとすることも可能であり、また、各磁石部3aの向きを上から見て90度変化させれば、磁場の向きをシート面と平行で図面手前向きまたはその逆向きに設定することも可能である。
【0024】
図2(A)及び(B)に示す磁石部3aの配置及び磁場の向きにおいて、未配向シートGS1に磁場を適正且つ均一に印加するには、未配向シートGS1の厚さ方向の中心が両磁石部3a間の中央を通るようにすることが好ましい。一方、図3(A)及び(B)に示す磁石部3aの配置及び磁場の向きにおいて、未配向シートGS1に磁場を適正且つ均一に印加するには、未配向シートGS1の厚さ方向の中心が各矩形孔3a1の長さL2の中央を通るようにすることが好ましい。
【0025】
前記の未配向シートGS1がビスマス層状化合物の粒子を含むものであるときには、同粒子は結晶のa(b)軸方向に分極し易い性質を有することから、図2(A)及び(B)に示す磁石部3aの配置及び磁場の向きにおいて磁場を印加すると、未配向シートGS1内のセラミック粒子は磁場印加領域IAを通過する過程で結晶のa(b)軸が磁場の方向に配向される。
【0026】
一方、前記の未配向シートGS1がタングステンブロンズ型化合物の粒子を含むものであるときには、同粒子は結晶のc軸方向に分極し易い性質を有することから、図3(A)及び(B)に示す磁石部3aの配置及び磁場の向きにて磁場を印加すると、未配向シートGS1内の非磁性セラミック粒子は磁場印加領域IAを通過する過程で結晶のc軸が磁場の方向に配向される。
【0027】
次に、配向処理シートGS2をベースフィルムBFで支持した状態のまま乾燥炉4に送り込んで乾燥処理を行う。この乾燥処理によって配向処理シートGS2内の有機溶剤,可塑剤及び分散剤の少なくとも一部が蒸発して全体が硬化し、非磁性セラミック粒子の流動性が抑制されて配向が固定される。これにより、配向処理され且つ乾燥処理されたセラミックグリーンシートGS3(以下、配向固定シートGS3と言う)が作成される。この乾燥処理を行う際の温度及び時間は、配向処理シートGS2の成分や厚さ等によって異なるが、概ね、20〜150℃、10〜30分である。
【0028】
前記の配向固定シートGS3内の非磁性セラミック粒子の配向度をX線回折装置や電子線走査型顕微鏡等の検査装置で検査したところ、前記セラミックスラリー1中の非磁性セラミック粒子の体積割合が30〜50vol%の範囲内にあるときには、非磁性セラミック粒子の体積割合が30vol%のときにも最も高い配向度(約70%)を得られることが確認できた。また、配向度は、非磁性セラミック粒子の体積割合が30vol%から50vol%に変化するに従って低下するものの、50vol%のときでも約50%の配向度を得られることが確認できた。因みに、前記の配向度は、配向固定シートGS3を焼成することで約10%向上することも確認されている。
【0029】
このように、前述の配向固定シートGS3の製法によれば、ベースフィルムBF上に形成された未配向シートGS1の厚みが薄く且つほぼ一定であると共に、未配向シートGS1をベースフィルムBFで支持した状態のまま磁場印加領域IAを通過させることで非磁性セラミック粒子の配向処理を行っているので、磁場印加による配向処理を偏りなく均一に行うことができる。
【0030】
尚、先に述べた配向固定シートGS3の製法説明では、磁場印加装置3として矩形リング状の磁石部3aを備えるものを例示したが、図4に示すように、円形リング状を成し中央に円形孔3a1’を有する磁石部3a’を有するものを磁場印加装置3として用いてもよい。この場合の円形孔3a1’の直径RはベースフィルムBFの幅よりも大きい。
【0031】
また、先に述べた配向固定シートGS3の製法説明では、テープ状のベースフィルムBF上に未配向シートGS1を連続形成するものを例示したが、図5(A)に示すように、単位形状のベースフィルムBF’上に未配向シートGS1’を所定形状で形成するようにしてもよい。このような未配向シートGS1’に対して配向処理を行う場合には、図5(B)及び(C)に示すように、未配向シートGS1’が形成されたベースフィルムBF’をコンベアCOによって一定速度で搬送し、搬送される未配向シートGS1’に対して所定方向の磁場を印加すればよい。また、乾燥処理も同様のコンベアCOを利用して行うことができる。
【0032】
さらに、先に述べた配向固定シートGS3の製法説明では、配向処理シートGS2を乾燥炉4に送り込むことで乾燥処理を行うものを例示したが、磁場印加装置3を乾燥炉4の内側手前に配置するか、或いは、磁場印加装置3を通過する未配向シートGS1に乾燥用熱風をノズル等を用いて吹き付けるようにすれば、配向処理を行いながら乾燥処理を行うことも可能である。また、前記の乾燥処理は自然乾燥によっても行うことが可能であるので、前記乾燥炉4は配向固定シートGS3を作成する上で必ずしも必要なものではない。
【0033】
さらに、先に述べた配向固定シートGS3の製法説明では、配向処理シートGS2に乾燥処理を施すことで配向固定を行うものを例示したが、セラミックスラリーのバインダとして紫外線硬化型のものを使用すれば、紫外線照射によって同様の配向固定を行うことができる。
【0034】
紫外線照射によって配向固定を行うには、まず、前記セラミックスラリー1の有機バインダを紫外線硬化型樹脂に置換、または、紫外線硬化型樹脂を含むバインダと置換したセラミックスラリーを用意する。紫外線硬化樹脂としては紫外線によって重合反応を示すアクリル系のものや、これと非感光性のポリビニルブチラール樹脂等を混合して得たもの等が適宜使用できる。そして、このセラミックスラリーを、前記同様に、ベースフィルムBF上に所定厚さで連続塗工してセラミックグリーンシートGS11(以下、未配向シートGS11と言う)を作成する。
【0035】
図6(A)及び(B)は前記の未配向シートGS11に対する配向固定方法の第1の例を示す。
【0036】
ここでは前記の未配向シートGS11をベースフィルムBFで支持した状態のまま磁場印加装置3に送り込み、ベースフィルムBFを一定速度で走行させながら、磁場印加領域IAを通過する未配向シートGS11に対して所定方向の磁場を印加すると共に、磁場印加領域IAの終点付近(図中の右側部分)で未配向シートGS11に対して紫外線LRを照射する。
【0037】
図6(A)に示した紫外線照射装置5は、紫外線ランプ5aと、レフレクター5bと、集光レンズ5cとを備えており、未配向シートGS11に対して図6(B)に示す領域IR(以下、紫外線照射領域IRと言う)で紫外線LRを照射することができる。
【0038】
この紫外線照射によって、未配向シートGS11の配向処理を受けた部分に含まれる紫外線硬化型バインダが硬化し、非磁性セラミック粒子の流動性が抑制され配向が固定される。これにより、配向処理され且つ配向固定されたセラミックグリーンシートGS12(以下、配向固定シートGS12と言う)が作成される。
【0039】
前記の紫外線照射領域IRを磁場印加領域IAと重なるように設定すれば、配向処理中に配向固定を行って配向度を高められる利点を奏するが、磁場印加装置3から送り出された配向処理シート上に紫外線照射領域IRを設定して配向固定を行うようにしても構わない。
【0040】
また、図6(A)には磁場の向きとしてシート面と直交し且つ上向きのものを示してあるが、各磁石部3a内のコイルに流れる電流の向きを逆方向にすれば磁場の向きを逆向きとすることができる。勿論、磁石部3aの向きを図3(A)及び(B)に示したような向きとすれば磁場の向き(粒子配向の向き)をシート面と平行に設定することもできる。
【0041】
図7(A)及び(B)は前記の未配向シートGS11に対する配向固定方法の第2の例を示す。図7(A)に示した紫外線照射装置5の構成は図6(A)に示したものと同様である。
【0042】
ここでは前記の未配向シートGS11をベースフィルムBFで支持した状態のまま磁場印加装置3に送り込み、ベースフィルムBFを間欠走行させながら、磁場印加領域IAを通過する未配向シートGS11に対して所定方向の磁場を印加すると共に、未配向シートGS11が停止している時間を利用して磁場印加領域IAの終点付近(図中の右側部分)で未配向シートGS11に対してマスク6を介して紫外線LRを照射する。
【0043】
マスク6は紫外線を遮断或いは反射可能な構成を備え、所定形状の透光部6aを複数備えている。図7(B)には透光部6aとして矩形状のものを示してあるが、矩形以外の円形状や多角形状や任意の形状が透光部6aとして採用できる。
【0044】
紫外線照射装置5の紫外線照射領域IRはこのマスク6上に設定されているため、透光部6aを通過した紫外線LRのみが未配向シートGS11の配向処理を受けた部分に透光部6aと一致した数及び形状で照射されることになる。
【0045】
このマスク6を介した紫外線照射によって、未配向シートGS11の配向処理を受けた部分のうち透光部6aと整合する部分に含まれる紫外線硬化型バインダが硬化し、同部分の非磁性セラミック粒子の流動性が抑制され配向が固定される。これにより、マスク6の透光部6aの数及び形状に一致した配向固定部分AA1がマトリクス状に形成されたセラミックグリーンシートGS13(以下、配向固定シートGS13と言う)が作成される。
【0046】
前記の紫外線照射領域IRを磁場印加領域IAと重なるように設定し且つそこにマスク6を配置すれば、配向処理中に配向固定を行って配向度を高められる利点を奏するが、磁場印加装置3から送り出された配向処理シート上に紫外線照射領域IRを設定し且つそのマスク6を配置して配向固定を行うようにしても構わない。
【0047】
また、前記のように未配向シートGS11を間欠走行させるのではなく、未配向シートGS11を一定速度で走行させながらマスク6を介して紫外線LRを照射すれば、図7(C)に示すように、透光部6aの数及び幅に一致した帯状の配向固定部分AA1’が走行方向に沿って形成された配向固定シートGS13’を得ることができる。
【0048】
さらに、図7(A)には磁場の向きとしてシート面と直交し且つ上向きのものを示してあるが、各磁石部3a内のコイルに流れる電流の向きを逆方向にすれば磁場の向きを逆向きとすることができる。勿論、磁石部3aの向きを図3(A)及び(B)に示したような向きとすれば磁場の向き(粒子配向の向き)をシート面と平行に設定することもできる。
【0049】
図8(A)及び(B)は前記の未配向シートGS11に対する配向固定方法の第3の例を示す。図8(A)に示した紫外線照射装置5の構成は図6(A)に示したものと同様であり、図8(A)及び(B)に示したマスク6の構成は図7(A)及び(B)に示したものと同様である。
【0050】
ここでは前記の未配向シートGS11をベースフィルムBFで支持した状態のまま第1磁場印加装置3に送り込み、ベースフィルムBFを間欠走行させながら、磁場印加領域IAを通過する未配向シートGS11に対して所定方向の磁場を印加すると共に、未配向シートGS11が停止している時間を利用して磁場印加領域IAの終点付近(図中の右側部分)で未配向シートGS11に対してマスク6を介して紫外線LRを照射する。
【0051】
第1磁場印加装置3側の紫外線照射装置5の紫外線照射領域IR1はマスク6上に設定されているため、透光部6aを通過した紫外線LRのみが未配向シートGS11の配向処理を受けた部分に透光部6aと一致した数及び形状で照射されることになる。
【0052】
このマスク6を介した紫外線照射によって、未配向シートGS11の配向処理を受けた部分のうち透光部6aと整合する部分に含まれる紫外線硬化型バインダが硬化し、同部分の非磁性セラミック粒子の流動性が抑制され配向が固定される。これにより、透光部6aの数及び形状に一致した配向固定部分AA1がマトリクス状に形成されたセラミックグリーンシートGS14(以下、配向固定シートGS14と言う)が作成される。
【0053】
続いて、第1磁場印加装置3を通過した配向固定シートGS14をベースフィルムBFで支持した状態のまま第2の磁場印加装置3に送り込み、ベースフィルムBFを間欠走行させながら、磁場印加領域IAを通過する配向固定シートGS14に対して前記とは異なる方向の磁場を再度印加し、磁場印加領域IAの終点付近(図中の右側部分)で配向固定シートGS14に対して紫外線LRを再度照射する。
【0054】
第2の磁場印加装置3側の紫外線照射装置5からの紫外線照射によって、配向固定シートGS14の配向固定部分AA1以外の部分に含まれる紫外線硬化型バインダが硬化し、非磁性セラミック粒子の流動性が抑制され配向が固定される。これにより、前記配向固定部分AA1以外にもこれと異なる粒子配向の配向固定部分AA2が形成されたセラミックグリーンシートGS15(以下、配向固定シートGS15と言う)が作成される。
【0055】
前記の紫外線領域IR1を磁場印加領域IAと重なるように設定し且つそこにマスク6を配置し、前記の紫外線領域IR2を磁場印加領域IAと重なるように設定すれば、配向処理中に配向固定を行える利点を奏するが、第1磁場印加装置3から送り出された配向固定シート上に紫外線照射領域IR1を設定し且つそのマスク6を配置して配向固定を行うようにしても構わないし、第2の磁場印加装置3から送り出された配向固定シート上に紫外線照射領域IR2を設定して配向固定を行うようにしても構わない。
【0056】
また、前記のように未配向シートGS11を間欠走行させるのではなく、未配向シートGS11を一定速度で走行させながらマスク6を介して紫外線LRを照射すれば、図8(C)に示すように、透光部6aの数及び幅に一致した帯状の配向固定部分AA1’が走行方向に沿って形成され、且つ、配向固定部分AA1’を除く部分にこれと異なる粒子配向の帯状の配向固定部分AA2’が形成された配向固定シート15’を得ることができる。
【0057】
さらに、図8(A)には第1磁場印加装置3の印加磁場の向きとしてシート面と直交し且つ上向きのものを示し、第2磁場印加装置3の印加磁場の向きとしてシート面と平行で且つ左向きのものを示してあるが、各磁石部3a内のコイルに流れる電流の向きを逆方向にすれば磁場の向きを逆向きとすることもできる。また、第2磁場印加装置3の各磁石部3aの向きを上から見て90度変化させれば、磁場の向き(粒子配向の向き)を前記と90度異なる向きに設定することもできる。
【0058】
尚、前記の配向固定には、紫外線照射による重合反応に基づく硬化処理以外にも、セラミックスラリーの組成を調整することで紫外線以外の波長光による重合反応に基づく硬化処理や、光や電子線の照射による架橋反応に基づく硬化処理等を適宜利用することができる。
【0059】
[圧電セラミック部品及びその製造方法]
以下に、前述の製法により得た配向固定シートを用いて作成された圧電セラミック部品及びその製法について図9〜図15を引用して説明する。
【0060】
図9(A)は圧電セラミックスピーカに用いられる振動子11を示す。
【0061】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の振動子11を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の振動子11を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された配向固定シートを用意する。
【0062】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0063】
次に、単位形状の配向固定シートをそのまま、或いは、複数枚の配向固定シートを積層しこれを圧着してシート積層物を得る。
【0064】
次に、単位形状の配向固定シート、或いは、シート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施す。
【0065】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0066】
前述の振動子11は、セラミック粒子が振動子11の厚さ方向に配向され且つ分極されているため、無配向のものに比べて優れた圧電特性を得ることができる。
【0067】
図9(B)は圧電セラミック基板12を示す。
【0068】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の基板12を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の基板12を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された配向固定シートを用意する。
【0069】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0070】
次に、単位形状の配向固定シートをそのまま、或いは、複数枚の配向固定シートを積層しこれを圧着してシート積層物を得る。
【0071】
次に、単位形状の配向固定シート、或いは、シート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施す。
【0072】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0073】
前述の基板12は、セラミック粒子が基板12の厚さ方向に配向され且つ分極されているため、無配向のものに比べて優れた圧電特性を得ることができる。
【0074】
図10は厚み駆動タイプの中央駆動型圧電セラミックトランスを示す。
【0075】
この圧電セラミックトランス20は、多層構造の圧電セラミック部21と、圧電セラミック部21の内部に部品高さ方向に間隔をおいて対向配置された計5層の内部電極22と、圧電セラミック部21の一側面に設けられ上から1番目と3番目と5番目の内部電極22の端縁と接続する入力電極23と、圧電セラミック部21の他側面に設けられ上から2番目と4番目の内部電極22の端縁と接続する入力電極23と、圧電セラミック部21の上面と下面に設けられた一対の出力電極24とを備え、図中の△印箇所で支持されている。
【0076】
圧電セラミック部21は、配向固定シートを積層,圧着し焼成することで作成されており、セラミック粒子のa(b)軸またはc軸が内部電極面と直交する上下方向に配向されている。
【0077】
この圧電セラミックトランス20では、一対の入力電極23に1次電力25を入力することで圧電セラミック部21を上下に振動させ、これにより一対の出力電極24から2次電力26を得ることができる。
【0078】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックトランス20を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックトランス20を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された配向固定シートを用意する。
【0079】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0080】
次に、単位形状の配向固定シートの表面に、PtやAg等の金属粉末を含有する電極ペーストを所定形状で且つ部品取り数に応じた配列で印刷して未焼成内部電極を形成しこれを乾燥させる。
【0081】
次に、ペースト印刷された単位形状の配向固定シートとペース非印刷の単位形状の配向固定シートとを必要枚数、所定の順序で積層し、これを圧着してシート積層物を得る。
【0082】
次に、このシート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施し、続いて、焼成チップの表面に前記と同様の電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて残りの電極(外部電極23,24)を形成する。勿論、この電極ペーストの焼き付けは前記未焼成チップの焼成と同時に行うようにしてもよい。
【0083】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0084】
前述の圧電セラミックトランス20は、圧電セラミック部21におけるセラミック粒子が内部電極22と直交する部品高さ方向に配向され且つ分極されているため、配向方向以外に不要な振動を生じることを抑制することができ、無配向のものに比べて変圧を効果的に行って、優れたトランス特性を得ることができる。
【0085】
図11は撓み駆動タイプの中央駆動型圧電セラミックトランスを示す。
【0086】
この圧電セラミックトランス30は、多層構造の圧電セラミック部31と、圧電セラミック部31の中央部分に部品高さ方向に間隔をおいて対向配置された計5層の電極32と、上から1番目と3番目の電極32を接続し3番目と5番目の電極32を接続するビア33と、上から2番目と4番目の電極を接続するビア34と、圧電セラミック部31の一側面と他側面に設けられた一対の出力電極35とを備え、図中の△印箇所で支持されている。
【0087】
また、上から2番目と4番目の電極32にはビア33との接触を回避するための孔32aが形成され、上から1番目と3番目の電極32にはビア34との接触を回避するための孔32aが形成されている。
【0088】
圧電セラミック部31は、配向固定シートを積層,圧着し焼成することで作成されており、中央部分のセラミック粒子のa(b)軸が内部電極面と直交する上下方向に配向され且つ両側部分31aのセラミック粒子のa(b)軸が内部電極面と平行な左右方向に配向されるか、或いは、中央部分のセラミック粒子のc軸が内部電極面と直交する上下方向に配向され且つ両側部分31aのセラミック粒子のc軸が内部電極面と平行な左右方向に配向されている。
【0089】
この圧電セラミックトランス30では、ビア34の上端と下面電極32に1次電力35を入力することで圧電セラミック部31の中央部分を上下に振動させ、且つ、両側部分31aを左右に振動させ、これにより一対の出力電極35から2次電力37を得ることができる。
【0090】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックトランス30を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された部分とその両側にシート面と平行な左右向きにa(b)軸が配向固定された部分を一体に備える配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックトランス20を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された部分とその両側にシート面と平行な左右向きにc軸が配向固定された部分を一体に備える配向固定シートを用意する。
【0091】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0092】
次に、単位形状の配向固定シートにレーザ加工や打ち抜き加工等の手法によってビア用のスルーホールを部品取り数に応じた数及び配列で形成する。
【0093】
次に、単位形状の配向固定シートの表面に、PtやAg等の金属粉末を含有する電極ペーストを所定形状で且つ部品取り数に応じた配列で印刷して未焼成電極を形成すると共に、スルーホールに同様の電極ペーストを充填してこれらを乾燥させる。
【0094】
次に、ペースト印刷及びペースト充填後の単位形状の配向固定シートを必要枚数、所定の順序で積層し、これを圧着してシート積層物を得る。
【0095】
次に、このシート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施し、続いて、焼成チップの表面に前記と同様の電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて残りの電極(下面電極32,32、出力電極35)を形成する。勿論、この電極ペーストの焼き付けは前記未焼成チップの焼成と同時に行うようにしてもよい。
【0096】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0097】
前述の圧電セラミックトランス30は、圧電セラミック部31の中央部分におけるセラミック粒子が電極32と直交する部品高さ方向に方向に配向され、且つ、両側部分31aにおけるセラミック粒子が電極32と平行な部品高さ方向と直交する方向に配向され、しかも分極されているため、配向方向以外に不要な振動を生じることを抑制することができ、無配向のものに比べて変圧を効果的に行って、優れたトランス特性を得ることができる。
【0098】
図12は圧電セラミックスピーカを示す。
【0099】
この圧電セラミックスピーカ40は金属製の振動板45の上下に振動子40a,40bを接着したもので、上側振動子40aと下側振動子40bのそれぞれは、多層構造の圧電セラミック部41と、圧電セラミック部41に部品高さ方向に間隔をおいて対向配置された計4層の電極42と、上から2番目と4番目の電極42を接続するビア43と、上から1番目と3番目の電極42を接続するビア44とを備え、図中の△印箇所で支持されている。
【0100】
また、上から2番目と4番目の電極42にはビア43,44と接触を回避するための孔42aが形成されている。
【0101】
圧電セラミック部41は、配向固定シートを積層,圧着し焼成することで作成されており、セラミック粒子のa(b)軸またはc軸が内部電極面と直交する方向に配向されている。
【0102】
この圧電セラミックスピーカ40では、上側振動子40aの上面電極42及び下側振動子40bの下面電極42と振動板45に音声信号を入力することで、上下の側振動子40a,40bを上下に振動させ、これにより各側振動子40a,40bから音声信号に準じた周波数の音声を発することができる。
【0103】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックスピーカ40を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックスピーカ40を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された配向固定シートを用意する。
【0104】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0105】
次に、単位形状の配向固定シートにレーザ加工や打ち抜き加工等の手法によってビア用のスルーホールを部品取り数に応じた数及び配列で形成する。
【0106】
次に、単位形状の配向固定シートの表面に、PtやAg等の金属粉末を含有する電極ペーストを所定形状で且つ部品取り数に応じた配列で印刷して未焼成電極を形成すると共に、スルーホールに同様の電極ペーストを充填してこれらを乾燥させる。
【0107】
次に、ペースト印刷及びペースト充填後の単位形状の配向固定シートを必要枚数、所定の順序で積層し、これを圧着してシート積層物を得る。
【0108】
次に、このシート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施し、続いて、焼成チップの上面または下面に前記と同様の電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて残りの電極(下面電極42)を形成する。勿論、この電極ペーストの焼き付けは前記未焼成チップの焼成と同時に行うようにしてもよい。
【0109】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0110】
前述の圧電セラミックスピーカ40は、圧電セラミック部41におけるセラミック粒子が電極42と直交する振動子40a,40bの高さ方向に配向され且つ分極されているため、配向方向以外に不要な振動を生じることを抑制することができ、無配向のものに比べて振動生成を効果的に行って、優れたスピーカ特性を得ることができる。
【0111】
尚、図12には振動板45の上下に振動子40a,40bを配したものを示したが、上下の振動子40a,40bの一方を排除して圧電セラミックスピーカを構成しても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0112】
図13(A),(B)及び(C)は圧電セラミックセンサ(圧電セラミックアクチュエータ)を示す。
【0113】
この圧電セラミックセンサ50は、多層構造の圧電セラミック部51と、圧電セラミック部51の上下面と中央に部品高さ方向に間隔をおき且つ図13(A)の上下方向に等間隔で配置された計3層の第1帯状電極52a〜52eと、圧電セラミック部51の一側面に設けられ第1帯状電極52a〜52eそれぞれの端縁と接続する第1外部電極53a〜53eと、圧電セラミック部51の内部の上から1番目と2番目の第1帯状電極52a〜52eの間と2番目と3番目の第1帯状電極52a〜52eの間に配置され且つ図13(A)の左右方向に等間隔で配置された計2層の第2帯状電極54a〜54eと、圧電セラミック部51の他側面に設けられ第2帯状電極54a〜54eそれぞれの端縁と接続する第2外部電極55a〜55eとを備える。
【0114】
圧電セラミック部51は、配向固定シートを積層,圧着し焼成することで作成されており、第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eとで挟まれる部分のセラミック粒子のa(b)軸が第1,第2帯状電極面と直交する上下方向に配向され且つ他の部分のセラミック粒子のa(b)軸が第1,第2帯状電極面と平行な方向(例えば左右方向)に配向されるか、或いは、第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eとで挟まれる部分のセラミック粒子のc軸が第1,第2帯状電極面と直交する上下方向に配向され且つ他の部分のセラミック粒子のc軸が第1,第2帯状電極面と平行な方向(例えば左右方向)に配向されている。
【0115】
この圧電セラミックセンサ50は付与圧力の大きさ及び位置を検出するためのもので、第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54を電圧検出装置に接続した状態で使用される。センサ上面の任意位置に圧力が付与されると、この圧力に基づく局部的な圧電効果により発生する電圧を第1帯状電極52a〜52e及び第2帯状電極54a〜54によって検出することで、圧力付与位置の平面座標及び付与圧力の大きさを求めることができる。
【0116】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックセンサ50を作成するときには、シート面と直交する上下向きにa(b)軸が配向固定された部分をマトリクス状に有し他の部分のa(b)軸がシート面と平行な向きに配向固定された一体の配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックセンサ50を作成するときには、シート面と直交する上下向きにc軸が配向固定された部分をマトリクス状に有し他の部分がc軸がシート面と平行な向きに配向固定された一体の配向固定シートを用意する。
【0117】
次に、この配向固定シートをテーブル上に搬送してベースフィルムを吸着保持し、切断刃を有する吸着ヘッドを降下させて配向固定シートを所定形状に切断し、吸着ヘッドを上昇させて切断された単位形状の配向固定シートを吸着ヘッドによってベースフィルムから剥離して取り出す。
【0118】
次に、単位形状の配向固定シートの表面に、PtやAg等の金属粉末を含有する電極ペーストを所定形状で且つ部品取り数に応じた配列で印刷して未焼成電極を形成しこれを乾燥させる。
【0119】
次に、ペースト印刷された単位形状の配向固定シートを必要枚数、所定の順序で積層し、これを圧着してシート積層物を得る。
【0120】
次に、このシート積層物を個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップを脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施し、続いて、焼成チップの上下面に前記と同様の電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて残りの電極(下面の第1帯状電極52a〜52e、第1外部電極53a〜53e、第2外部電極55a〜55e)を形成する。勿論、この電極ペーストの焼き付けは前記未焼成チップの焼成と同時に行うようにしてもよい。
【0121】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0122】
前述の圧電セラミックセンサ50は、圧電セラミック部51における第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eとで挟まれる部分のセラミック粒子が第1,第2帯状電極面と直交する上下方向に配向され、且つ、他の部分のセラミック粒子が第1,第2帯状電極面と平行な方向に配向され、しかも分極されているため、無配向のものに比べて付与圧力に対する電圧出力を効果的に行って、優れたセンサ特性を得ることができる。
【0123】
尚、前述の圧電セラミックセンサは圧電セラミックアクチュエータとして用いることができる。つまり、圧電セラミックアクチュエータ50の第1外部電極53a〜53e(第1帯状電極52a〜52e)の何れか1つと第2外部電極55a〜55e(第2帯状電極54a〜54e)の何れか1つに電圧を印加すれば、圧電セラミック部51における第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eの交差する部分を局部的に伸長させることができ、伸長量を電圧によりコントロールすることができる。圧電セラミックアクチュエータとして用いた場合も、無配向のものに比べて印加電圧に対する変位を効果的に行って、優れたアクチュエータ特性を得ることができる。
【0124】
図14は圧電セラミックディスプレイを示す。
【0125】
この圧電セラミックディスプレイ60は、圧電セラミックアクチュエータ50と、ガラス等から成る透明板56とを備える。圧電セラミックアクチュエータ50の構成及び製法は図13(a)〜(c)を引用して説明した圧電セラミックセンサ50と同じであるので、同一符号を用いその説明を省略する。
【0126】
この圧電セラミックディスプレイ60は、第1外部電極53a〜53e(第1帯状電極52a〜52e)の何れか1つと第2外部電極55a〜55e(第2帯状電極54a〜54e)の何れか1つに電圧を印加することにより、圧電セラミック部51における第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eの交差する部分を局部的に伸長させて透明板56の下面に接触させ、この接触部分における光反射によって文字等を表示することができる。
【0127】
前述の圧電セラミックディスプレイ60は、圧電セラミック部51におけるセラミック粒子の第1帯状電極52a〜52eと第2帯状電極54a〜54eと平行な方向(部品高さ方向と直交する方向)に配向されているため、無配向のものに比べて印加電圧に対する変位を効果的に行って、優れたディスプレイ特性を得ることができる。
【0128】
図15は圧電セラミックモータを示す。
【0129】
この圧電セラミックモータ70は、ロータ71とステータ72とから成り、ステータ72は、導電性の振動体73と、環状の第1電極74と、多層構造の圧電セラミック部75と、計11個の第2電極76とを備える。
【0130】
圧電セラミック部75は、配向固定シートを積層,圧着し焼成することで円筒状に作成されており、周方向に間隔をおいて形成された計11個の駆動部75aとこれを覆う非駆動部75bとを備え、前記の第2電極76は駆動部75aに対応して設けられている。駆動部75bはセラミック粒子のa(b)軸が第1電極74と直交する上下方向に配向され且つ非駆動部75bはセラミック粒子のa(b)軸が第1電極74と平行な方向(例えば左右方向)に配向されるか、或いは、駆動部75bはセラミック粒子のc軸が第1電極74と直交する上下方向に配向され且つ非駆動部75bはセラミック粒子のc軸が第1電極74と平行な方向(例えば左右方向)に配向されている。
【0131】
この圧電セラミックモータ70では、第1電極74と計11個の第2電極76との間に所定電圧を印加することにより、具体的には、図15(B)の左側5個の第2電極76に図中に+または−で示す極性を付与し所定電圧を印加し、右側6個の第2電極76に図中に+または−で極性で付与して前記とは位相が90度が異なる電圧を印加することにより、圧電セラミック75を介して振動体73にうねりを生じさせ、このうねりを利用してロータ71を所定方向に回転させることができる。
【0132】
ビスマス層状化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックモータ70を作成するときには、図15(c)に示すような配向処理部分、即ち、駆動部75bに相当する部分のセラミック粒子のa(b)軸がシート面と直交する上下方向に配向され且つ非駆動部75bに相当する部分のセラミック粒子のa(b)軸がシート面と平行な方向に配向された部分を複数有する配向固定シートを用意する。一方、タングステンブロンズ型化合物の粒子を含む配向固定シートを用いて前記の圧電セラミックモータ70を作成するときには、図15(c)に示すような配向処理部分、即ち、駆動部75bに相当する部分のセラミック粒子のc軸がシート面と直交する上下方向に配向され且つ非駆動部75bに相当する部分のセラミック粒子のc軸がシート面と平行な方向に配向された部分を複数有する配向固定シートを用意する。
【0133】
次に、前記の配向固定シートを必要枚数積層し、これを圧着してシート積層物を得る。
【0134】
次に、このシート積層物を圧電セラミック部75に対応する個々のサイズに分断して未焼成チップを作成し、この未焼成チップに脱バイ処理を施し、続いて、焼成処理を施し、続いて、焼成チップの一面に電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて第1電極74を形成し、焼成チップの反対面に電極ペーストを塗布しこれを焼き付けて第2電極76を形成する。勿論、この電極ペーストの焼き付けは前記未焼成チップの焼成と同時に行うようにしてもよい。
【0135】
次に、配向固定された粒子の極性を定めるために分極処理を施す。未焼成チップの未焼成セラミック部分の成分及び電極ペーストの成分によって異なるが、脱バイ温度及び時間は、概ね、200〜400℃、10〜40時間であり、焼成温度及び時間は、概ね、1000〜1600℃、1〜10時間である。また、分極処理の温度,印加電圧及び時間は、概ね、150〜200℃、2〜5kV/mm、15〜30分である。
【0136】
次に、圧電セラミック部75の第1電極側に振動体73を付設し、その上にロータ71を配置してモータを組み上げる。
【0137】
前述の圧電セラミックモータ70は、圧電セラミック部75における第2電極76と対応する部分(駆動部75a)のセラミック粒子が第1,第2電極74,76と直交する方向(部品高さ方向)に配向され、且つ、前記以外の部分(非駆動部75b)のセラミック粒子が第1,第2電極74,76と平行な方向(部品高さ方向と直交する方向)に配向され、しかも、分極されているため、無配向のものに比べて印加電圧に対する変位を効果的に行って、優れたモータ特性を得ることができる。
【0138】
尚、前述の製造により得た配向固定シートは、前記以外の圧電セラミック部品を製造するときに使用でき、同様の効果を得ることができる。
【0139】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、優れた圧電特性を有する圧電セラミック部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配向固定シートを作成するための装置の概略図
【図2】配向方法を示す磁場印加装置の側面図と上面図
【図3】配向方法を示す磁場印加装置の側面図と上面図
【図4】磁石部の変形例を示す斜視図
【図5】未配向シート作成方法の変形例を示す図と、同方法によって形成された未配向シートに配向処理を施す方法の説明図
【図6】他の配向固定方法を示す磁場印加装置の側面図と上面図
【図7】他の配向固定方法を示す磁場印加装置の側面図と上面図と、その変形例を示す図
【図8】他の配向固定方法を示す磁場印加装置の側面図と上面図と、その変形例を示す図
【図9】振動子の斜視図と基板の斜視図
【図10】厚み駆動タイプの圧電セラミックトランスの縦断面図
【図11】撓み駆動タイプの圧電セラミックトランスの縦断面図
【図12】圧電セラミックスピーカの縦断面図
【図13】圧電セラミックセンサの上面図とそのa1−a1線断面図及びa2−a2線断面図
【図14】圧電セラミックディスプレイの縦断面図
【図15】圧電セラミックモータの縦断面図とその下面図及びb1−b1線断面図
【符号の説明】
1…セラミックスラリー、3…磁場印加装置、3a,3a’…磁石部、3a1…矩形孔、3a1’…円形孔、IA…磁場印加領域、4…乾燥炉、BF,BF’…ベースフィルム、GS1,GS1’…未配向シート、GS2…配向処理シート、GS3…配向固定シート、CO…搬送ベルト、5…紫外線照射装置、LR…紫外線、IR…紫外線照射領域、GS11…未配向シート、GS12…配向固定シート、6…マスク、6a…透光部、GS13,GS13’…配向固定シート、AA1,AA1’…配向固定部分、IR1,IR2…紫外線照射領域、GS14,GS14’…配向固定シート、GS15,GS15’…配向固定シート、AA2,AA2’…配向固定部分、11…振動子、12…基板、20…厚み駆動タイプの圧電セラミックトランス、30…撓み駆動タイプの圧電セラミックトランス、40…圧電セラミックスピーカ、50…圧電セラミックセンサ、60…圧電セラミックディスプレイ、70…圧電セラミックモータ。

Claims (4)

  1. セラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作成する工程を備えた圧電セラミック部品の製造方法であって、
    前記セラミックグリーンシート作成工程は、
    結晶のa(b)軸方向とc軸方向に微小な磁化率差を有するセラミック粒子を含有したセラミックスラリーをベースフィルム上に塗工することにより所定厚さの未配向シートを得るステップと、
    この未配向シートをベースフィルムで支持した状態のまま磁場印加装置に送り込んで所定方向の磁場を印加することにより該未配向シート内のセラミック粒子が該磁場の方向に配向された配向処理シートを得るステップと、
    この配向処理シートの一部に硬化処理を施すことにより該配向処理シート内の一のセラミック粒子の配向固定された配向固定シートを得るステップとを備える、
    ことを特徴とする圧電セラミック部品の製造方法。
  2. 前記配向固定シートをベースフィルムで支持した状態のまま第2の磁場印加装置に送り込んで前記所定方向とは異なる方向の磁場を印加することにより該配向固定シート内の他部のセラミック粒子が該磁場の方向に配向された第2の配向固定シートを得るステップと、
    この第2の配向固定シートの他部に硬化処理を施すことにより該配向固定シート内の他部のセラミック粒子の配向が固定された第2の配向固定シートを得るステップと、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電セラミック部品の製造方法。
  3. 前記セラミックスラリーは紫外線硬化型のバインダを含み、前記配向処理シートの一部に施される硬化処理は透光部を備えるマスクを介した紫外線照射である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電セラミック部品の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法により製造され、圧電セラミック部には焼成後に分極処理が施されている、
    ことを特徴とする圧電セラミック部品。
JP2003065237A 2002-03-25 2003-03-11 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品 Expired - Fee Related JP4477830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003065237A JP4477830B2 (ja) 2002-03-25 2003-03-11 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002084032 2002-03-25
JP2003065237A JP4477830B2 (ja) 2002-03-25 2003-03-11 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004006704A JP2004006704A (ja) 2004-01-08
JP4477830B2 true JP4477830B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=30445919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003065237A Expired - Fee Related JP4477830B2 (ja) 2002-03-25 2003-03-11 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4477830B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102303353A (zh) * 2011-06-29 2012-01-04 浙江大学 运动磁场中梯度材料的凝胶注模制备方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005217111A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Sumitomo Heavy Ind Ltd 高分子圧電体及びそれを製造する装置
JP4653647B2 (ja) * 2005-11-28 2011-03-16 積水化学工業株式会社 セラミックコンデンサ、セラミックコンデンサの製造方法及びセラミックグリーンシート
JP5119176B2 (ja) * 2009-01-30 2013-01-16 東海ゴム工業株式会社 誘電材料の製造方法およびそれにより製造された誘電膜
KR101318516B1 (ko) * 2009-03-31 2013-10-16 고쿠리츠다이가쿠호징 야마나시다이가쿠 세라믹, 압전 소자 및 그의 제조 방법
JP5748493B2 (ja) * 2010-02-10 2015-07-15 キヤノン株式会社 配向性酸化物セラミックスの製造方法、配向性酸化物セラミックス、圧電素子、液体吐出ヘッド、超音波モータおよび塵埃除去装置
JP5676910B2 (ja) * 2010-04-27 2015-02-25 キヤノン株式会社 セラミクスの製造方法および圧電材料
WO2012026397A1 (ja) * 2010-08-26 2012-03-01 独立行政法人物質・材料研究機構 圧電セラミックスおよびその製造方法
JP5832244B2 (ja) * 2011-10-31 2015-12-16 太陽誘電株式会社 圧電体セラミックデバイス用のセラミック粒子集合体の製造方法と圧電体セラミックデバイスの製造方法
JP2014012620A (ja) 2012-07-05 2014-01-23 Murata Mfg Co Ltd 配向性セラミックの製造方法、及び配向性セラミック、並びにセラミック電子部品
CN105164827B (zh) * 2013-05-10 2018-01-02 株式会社村田制作所 压电陶瓷电子部件

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102303353A (zh) * 2011-06-29 2012-01-04 浙江大学 运动磁场中梯度材料的凝胶注模制备方法
CN102303353B (zh) * 2011-06-29 2014-01-29 浙江大学 运动磁场中梯度材料的凝胶注模制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004006704A (ja) 2004-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4477830B2 (ja) 圧電セラミック部品の製造方法及び圧電セラミック部品
US8749117B2 (en) Vibrating body of vibratory drive unit and vibratory drive unit
US10775681B2 (en) Ultrasonic motor, drive control system, optical apparatus, and vibrator
US10536097B2 (en) Ultrasonic motor, drive control system, optical apparatus, and vibrator
JP2009177751A (ja) 圧電素子、圧電振動板および圧電型電気音響変換器
US9246081B2 (en) Method for manufacturing piezoelectric element
US10451833B2 (en) Ultrasonic motor, drive control system, optical apparatus, and vibrator
JP2004282841A (ja) 超音波振動子及び超音波モータ
JP5135674B2 (ja) 積層圧電素子
JP3445262B2 (ja) 圧電体の製造方法、圧電体、超音波探触子、超音波診断装置および非破壊検査装置
JP2001339967A (ja) アクチュエータとこれを用いた電子機器
JP5427835B2 (ja) 圧電駆動素子及び圧電駆動装置
JP5179913B2 (ja) 超音波モータ装置
JP3059038B2 (ja) 積層圧電素子、振動波駆動装置および振動波駆動装置を備えた装置
JP2008061344A (ja) 超音波モータ素子
JP2008061446A (ja) 超音波モータ素子
JP5411196B2 (ja) 圧電デバイス及びそれを用いた電子機器
JP4366913B2 (ja) 配向セラミックスの製造方法
JP4818858B2 (ja) 超音波モータ素子
JP2022043069A (ja) 積層圧電素子、振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器
JPH04255245A (ja) 圧電ステージ
JP2001037262A (ja) 圧電変換素子及び圧電変換素子を使用したアクチエータ
JP2007158056A (ja) 圧電素子及びそれを用いた電子機器
JP4408721B2 (ja) 駆動装置
Park Integration of a piezoelectric ultrasonic motor into a low temperature cofired ceramic package for active optical fiber alignment

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4477830

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees