JP2022043069A - 積層圧電素子、振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器 - Google Patents

積層圧電素子、振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い駆動効率で駆動可能な非鉛系積層圧電素子を提供することを目的とする。【解決手段】 圧電材料層と、電極層が交互に積層された積層圧電素子において、前記圧電材料層はチタン酸バリウム系材料を含み、前記積層圧電素子の二つの抗電界Ec1およびEc2が同じ符号であり、(|Ec2|-|Ec1|)≧8kV/cmであることを特徴とする積層圧電素子を提供する。【選択図】 図2

Description

本発明は、積層圧電素子、該積層圧電素子を用いた振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器に関する。
積層圧電素子は圧電材料層と電極層とが交互に積層された構造を有しており、低い電圧で大きな変形歪みが得ることができる。積層圧電素子に振動を増幅するための弾性体を取り付けると振動子となり、振動子は様々なアクチュエータに用いることができる。例えば、振動子に移動体を取り付け、電圧によって移動体部分が回転運動するように構成した振動波モータがある。
特許文献1には、積層圧電素子の圧電材料層にチタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと呼ぶ)を用いることが開示されている。しかし、PZTは主成分として鉛を含有するため、廃棄された際に鉛成分が土壌に溶け出し、生態系に害を及ぼすか可能性があるなど環境に対する影響が問題視されている。このため、鉛を含有しない、いわゆる非鉛圧電材料を用いた積層圧電素子(以下、非鉛系積層圧電素子と呼ぶ)が検討されている。
一方で、非鉛圧電材料としてはチタン酸バリウム系材料が有望視されている。非特許文献1には高い圧電定数を有するチタン酸バリウム系材料が開示されている。
特開平8-213664号公報
"Journal of American Ceramics Society"2010年93巻10号2942ページから2944ページ
しかし、非特許文献1においてはチタン酸バリウム系材料の抗電界が小さいゆえ、圧電材料層に起因した電気的損失が多くなり、良好な駆動効率が得られないという問題があった。
本発明は、上述した問題に対処するためになされたものであり、高効率で駆動可能な非鉛系積層圧電素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、圧電材料層と、電極層が交互に積層された積層圧電素子において、
前記圧電材料層はチタン酸バリウム系材料を含み、
前記積層圧電素子の二つの抗電界Ec1およびEc2が同じ符号であり、
(|Ec2|-|Ec1|)≧8kV/cm
であることを特徴とする積層圧電素子を提供する。
本発明によれば、高効率で駆動可能な非鉛系の積層圧電素子を提供できる。また、高効率で駆動可能な振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器を提供できる。
本発明の積層圧電素子の一実施形態を示した断面概略図である 本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性の一実施形態を示した概略図である 本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性を測定するために印加した電圧の波形図である 本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性の一実施形態を示した概略図である 本発明の振動子の一実施形態を示した概略構造の断面図である 本発明の振動波モータの一実施形態を示した概略構造の断面図である 本発明の光学機器の一例であるデジタルカメラ(撮像装置)の概略構造を示す斜視図である 本発明の電子機器の一実施形態を示した概念図である 本発明の実施例1から3までの積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性を示した図である 本発明の比較例1と2の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性を示した図である 本発明の電子機器のひとつの実施例としての液体吐出ヘッドの構造を示す概略図である
本発明の積層圧電素子は圧電材料層と、電極層が交互に積層された積層圧電素子において、
前記圧電材料層はチタン酸バリウム系材料を含み、
前記積層圧電素子の二つの抗電界Ec1およびEc2が同じ符号であり、
(|Ec2|-|Ec1|)≧8kV/cm
であることを特徴とする。
この条件を満たすとき、積層圧電素子の分極反転が生じる電界が十分に大きいため、積層圧電素子に大きな電界を印加することが可能となる。すなわち、本発明の積層圧電素子は耐電界性に優れることを意味する。その結果、分極反転により生じる電流成分に起因した消費電力が少ないため、本発明の積層圧電素子は良好な駆動効率で駆動可能となる。ここで駆動効率とは、所望の速度における消費電力が少ないこと、または、モータの入力電力に対する機械出力の比が大きいことを意味する。
本発明を実現するための手段は特に限定されないが、前記(|Ec2|-|Ec1|)の値は、チタン酸バリウム系材料の組成、積層圧電素子の焼成最高温度、後述する第一のナットの締付圧力等によって可変させることが可能である。
本発明の積層圧電素子は、圧電材料層と、電極層が交互に積層されている。
図1は本発明の積層圧電素子の一実施形態を示した断面概略図である。図1において、積層圧電素子は圧電材料層11-1、11-2、11-3、・・・、11-2、11-3と、金属で構成された電極層である金属電極層12とが交互に積層されている。圧電材料層11-2の表面は、金属電極層12が圧電材料層の周方向に4分割され、電極A+、A-、B+、B-が形成されるとともに、互いに非導通に構成されている。圧電材料層11-3の表面は、金属電極層12が圧電材料層の周方向に4分割され、電極AG+、AG-、BG+、BG-が形成されるとともに、互いに非導通に構成されている。ここでGはグラウンドのことである。
圧電材料層11-2に形成された金属電極A+、A-、B+、B-、圧電材料層11-3に形成された内部電極AG+、AG-、BG+、BG-は8個のスルーホール13により接続され、電気的に導通している。また、8個のスルーホールは圧電材料層11-1の表面に達している。このような加工を施した後に、4分割された金属電極のうち180度の位置関係にある2つの金属電極を互いに分極方向が異なるように特定の、温度、電界の極性、電界強度、および時間で分極処理を行う。
後述する電界-ヒステリシス特性は、A+とAG+、A-とAG-、B+とBG+もしくはB-とBG-のいずれか1相に電圧を印加することによって、測定することが可能となる。
ここで圧電材料層はチタン酸バリウム系材料からなる。チタン酸バリウム系材料は、鉛成分を実質的に使用せず(1000ppm以下)に高い圧電定数を示し、かつ微量の添加物によって機械的品質係数を高くしたり、誘電正接を小さくしたりすることができ、特性の調整が容易という利点がある。ここでチタン酸バリウム系材料とは、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムカルシウム((Ba、Ca)TiO)、チタン酸ジルコン酸バリウム(Ba(Ti、Zr)O)、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム((Ba、Ca)(Ti、Zr)O)、ニオブ酸ナトリウム-チタン酸バリウム(NaNbO-BaTiO)、チタン酸ビスマスナトリウム-チタン酸バリウム((Bi、Na)TiO-BaTiO)、チタン酸ビスマスカリウム-チタン酸バリウム((Bi、K)TiO-BaTiO)などの組成や、これらの組成を主成分(圧電材料の総重量に対して51重量%以上の含有率)とした材料のことを指す。これらの中でも、圧電材料層の圧電定数と機械的品質係数を両立できるという観点において、前記チタン酸バリウム系材料が、Ba、Ca、Ti、Zrを含む酸化物とMnやBiを含むことが好ましい。圧電材料層の圧電定数と機械的品質係数が大きくなると、積層圧電素子のアドミタンスが大きくなり、大きな変位を得ることができる。また、積層圧電素子の誘電正接が小さくなり、駆動効率を高くして、デバイスの消費電力を小さくすることができる。なお、圧電材料層の組成は蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析、原子吸光分析等の手段より求めることが可能である。
また、前記Ba、Ca、Ti、Zrを含む酸化物において、
前記Baおよび前記Caの和に対する前記Caのモル比であるxが0.02≦x≦0.30であり、前記Tiおよび前記Zrの和に対するZrのモル比であるyが0.01≦y≦0.10である。また前記酸化物100重量部に対する前記Mnの含有量は、金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下である。
xの値がこの範囲であると、抗電界Ec1およびEc2の差(|Ec2|-|Ec1|)をより大きくすることができ、積層圧電素子により大きな電界を印加しても、駆動効率が悪化することなく積層圧電素子の駆動が可能となるためである。さらに好ましくは、xが0.10≦x≦0.20である。
yの値がこの範囲であると、前記(|Ec2|-|Ec1|)を小さくすることなく、積層圧電素子のアドミタンスを大きくできるため、結果、積層圧電素子の変位量および振動速度を大きくすることができるためである。yの値が0.02≦y≦0.07であると、より好ましい。
Mnの含有量がこの範囲であると、積層圧電素子の誘電正接が小さくなり、駆動効率を高くすることができるためである。さらに、0.10重量部以上0.40重量部以下であることがより好ましい。
ここで、「金属換算」でのMnの含有量は以下のように測定する。まず、蛍光X線分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などにより前記圧電材料層の元素の含有量から、上記の金属酸化物を構成する元素を検出し、ペロブスカイト型酸化物に換算する。その総重量を100としたときに、その総重量とMn元素の重量との比で表される。
圧電材料層の1層辺りの厚さは特に限定されないが、積層圧電素子の設計および製造がしやすいという観点において20μm以上100μm以下であることが好ましい。20μm未満であると、積層圧電素子のアドミタンスを大きくするために、層数を多くする必要があり、その結果、金属電極層が増え、金属電極層のコストが増大するおそれがある。一方で、100μmより厚いと、積層圧電素子が大きな変位を得るために必要な電圧が大きくなり、その結果、電源のコストアップに繋がるおそれがある。
また、圧電材料層における結晶粒の大きさは特に限定されないが、圧電材料層が大きな圧電定数を得られるという観点において、円相当径に換算して、4μmから20μmであることが好ましい。ここで「円相当径」とは、顕微鏡観察法において一般に言われる「投影面積円相当径」を表し、結晶粒の投影面積と同面積を有する真円の直径を表す。「円相当径」は、例えば、積層圧電素子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影して得られる写真画像を画像処理して求めることができる。
電極層の材質は特に限定されないが、導電性に優れ、圧電材料層と同時に焼成できる金属であることが好ましい。チタン酸バリウム系材料は、緻密な密度(たとえば、相対密度が90%以上)を有する焼結体を得るのに必要な最高温度が1150℃から1350℃程度であるから、この最高温度でも溶融しない金属であることが好ましい。これらの条件を満たす金属電極層としては、ニッケル、白金、銀-パラジウム合金等がある。コストが安価であるという観点において、銀-パラジウム合金が好ましい。また、銀の含有重量M1とパラジウムの含有重量M2の好ましい重量比は0.25≦M1/M2≦4.0である。この範囲を満たすとき、金属電極層は導電性、形状均一性およびコストの観点において好ましい。
電極層の1層辺りの厚さは限定されないが、圧電材料層の変位および振動性能を阻害しないという観点において、1μm以上10μm以下であることが好ましい。電極層の導電性が高まるという観点において、より好ましくは3.5μm以上である。
本発明の積層圧電素子は分極-電界ヒステリシス特性を備える。図2は本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性の一実施形態を示した概略図である。
分極-電界ヒステリシス特性とは、強誘電体に印加した交流電界と、強誘電体が発生する分極量との関係において履歴効果を有することをいう。
図2の横軸は印加電界であり、積層圧電素子に印加した電圧値を積層圧電素子の圧電材料層の1層の厚さで除算した値である。ここで、印加電界の値が正のときの分極-電界ヒステリシス特性を正の電界極性、負のときの分極-電界ヒステリシス特性を負の電界極性という。また、縦軸の分極量は、積層圧電素子に電圧を印加して、圧電材料層に生ずる分極が発生させる表面電荷を金属電極層の面積で除算した値である。ここで電圧の印加は、A+とAG+、A-とAG-、B+とBG+もしくはB-とBG-のいずれか1相に電圧を印加することにより行う。
また、図2において、分極量が0となる2つの電界の値を抗電界と呼ぶ。このときの電界の値をそれぞれ抗電界Ec1、抗電界Ec2と呼ぶ。また、分極-電界ヒステリシス特性を示すヒステリシスループにおいて、抗電界Ec1、抗電界Ec2が位置する電界極性とは異なる電界極性のループで囲まれた領域の面積をSとする。つまり、図2において面積Sは印加電界が負の領域のループと、図中の印加電界における電界がゼロの軸とで囲まれた部分の面積を表す。
また、抗電界Ec1、抗電界Ec2と同じ電界極性における分極量の最大値をPmax、分極量の最小値をPminと呼ぶ。つまりPmaxおよびPminは、図2において、印加電界が正の部分に相当するヒステリシスループにおける最大の分極量と最小の分極量に相当する。
以下に、分極-電界ヒステリシス特性の測定方法を具体的に説明する。図3は、圧電材料層の1層の厚さが55μmである本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性を測定するために印加した電圧の波形図である。印加した電圧は、周波数が1Hz、振幅が110Vp0のいわゆる三角波である。110Vp0の電圧を55μmの圧電材料層に印加したことから、得られる分極-電界ヒステリシス特性は印加電界を-20kV/cmから20kV/cmまで掃引したものということを意味する。一般的な強誘電体評価装置などの評価装置を用いて分極-電界ヒステリシス特性の測定を10回行い、その平均値を測定値とした。
本発明の積層圧電素子は、印加電界を-20kV/cmから20kV/cmまで掃引した際の分極-電界ヒステリシス特性(ヒステリシスループ)における二つの抗電界点がいずれも同一の電界極性に位置する。二つの抗電界点がいずれも同一の電界極性に位置することにより、一方の電界極性のみに電圧を印加することにより、積層圧電素子を高い駆動効率で駆動することが可能となる。つまり同一の電界極性に位置するとは、二つの抗電界が同じ符号であることを意味する。
図2で示した分極-電界ヒステリシス特性は、2つの抗電界点が共に正の電界極性に位置している例である。一方、図4は、図2とは正負が逆方向の電圧を印加した際の本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性の一実施形態を示した概略図であり、2つの抗電界点は共に負の電界極性に位置している。言い換えると、圧電材料の分極処理を行った結果生じた分極軸の極性が逆の積層圧電素子に、図3に示す電界を加えた場合のヒステリシスループを示している。
このように本発明の積層圧電素子の分極-電界ヒステリシス特性は、印加する電圧の正負の方向により、2つの抗電界点が位置する電界極性が変化する。
本発明の積層圧電素子は、印加電界を-20kV/cmから20kV/cmまで掃引した際の分極-電界ヒステリシス特性における、前記2つの抗電界点における抗電界Ec1およびEc2(ただし、|Ec2|>|Ec1|)が(|Ec2|-|Ec1|)≧8kV/cmである。この条件を満たすとき、積層圧電素子が分極反転により生じる電流が発生する電界が十分に高いため、積層圧電素子に大きな電界を印加することが可能となる。すなわち耐電界性に優れることを意味する。結果、前記電流成分に起因する消費電力が少なく、高効率で駆動可能な積層圧電素子を得ることができる。より好ましい(|Ec2|-|Ec1|)の値は11kV/cm以上である。
一方、(|Ec2|-|Ec1|)の値が8kV/cm未満であると、低い電界印加時から積層圧電素子の分極反転により生じる電流が発生し、消費電力の増大が生じる。また、駆動中に自己発熱による温度上昇が生じる。チタン酸バリウム系材料は一般的にPZTよりキュリー温度が低いため、自己発熱による温度上昇が続くと、脱分極することもある。従って、チタン酸バリウム系材料を用いた積層圧電素子によって、高い駆動効率を実現するには、この(|Ec2|-|Ec1|)の値が十分に大きいことが必要となる。
本発明の積層圧電素子は前記|Ec2|が10kV/cm以上であることが好ましい。前記|Ec2|が10kV/cm以上であると、積層圧電素子の分極反転により生じる電流が発生する電界を、より高くすることができるため、積層圧電素子により大きな電界を印加することが可能となる。その結果、鉛系の積層圧電素子と同等の効率の駆動特性を得ることができる。より好ましい|Ec2|の値は14kV/cm以上である。
本発明においては、積層圧電素子のヒステリシスループにおける、前記Ec1および前記Ec2とは異なる電界極性のヒステリシスループと電界がゼロの軸とで囲まれる面積SがS≦5mV・C/mであることが好ましい。
このヒステリシスループの面積Sは、積層圧電素子を高電界で駆動した際の誘電正接の値と相関がある。そのため、この面積は小さければ小さいほど、積層圧電素子として損失が少ないことを意味する。この条件を満たすとき、積層圧電素子は、電圧が印加されたことによる素子自身の発熱に起因した消費電力が少なく、より高効率で駆動可能な積層圧電素子を得ることができる。より好ましいヒステリシスループの面積Sの値は3mV・C/m以下である。
本発明の積層圧電素子は、前記積層圧電素子のヒステリシスループにおける、前記Ec1および前記Ec2が位置する電界極性における分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminが(|Pmax-Pmin|)≧15μC/cmであることが好ましい。
前記(|Pmax-Pmin|)の値は、積層圧電素子に電圧を印加した際に得られる歪の大きさに比例する。そのため、この値が大きければ大きいほど、積層圧電素子として大きな変位や高い振動速度が得られることを意味する。すなわち変位・振動特性に優れることを意味する。この条件を満たすとき、積層圧電素子は、より低い電圧で目標とする変位量や振動速度が得られることになるため、より高効率で駆動可能な積層圧電素子を得ることができる。より好ましい分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminの差は20μC/cm以上である。
本発明の積層圧電素子は、前記(|Ec2|-|Ec1|)と前記(|Pmax-Pmin|)との積が120kV・C/m以上であることが好ましい。
一般にチタン酸バリウム系材料を用いた圧電素子は、変位・振動特性と耐電界性はトレードオフの関係にある。この条件を満たすと、本発明の積層圧電素子は、変位・振動特性と耐電界性を両立することができる。より好ましい(|Ec2|-|Ec1|)と(|Pmax-Pmin|)との積の値は200kV・C/m以上である。
(積層圧電素子の製造方法)
本発明にかかる積層圧電素子の製造方法は特に限定されないが、以下にその製造方法を例示する。
まず、粉末状のチタン酸バリウム系材料に溶媒を加えてスラリーを得る。
粉末状のチタン酸バリウム系材料には、後の焼成工程時における積層素子の反りやクラックの発生を防止するために、予めBa、Ca、TiおよびZr成分を含む酸化物を800℃から1100℃程度の温度で仮焼した、いわゆる仮焼粉を用いることが好ましい。前記酸化物にMn酸化物を加えて仮焼した仮焼粉を得ても良い。仮焼粉に含まれるBa、Ca、Ti、ZrおよびMn成分の混合比は、目的とする金属酸化物と同様にする。
この仮焼粉に対し、焼成最高温度の低減および前記(|Ec2|-|Ec1|)の値の向上を目的として、助剤を添加する。助剤が粒子状のSiO、B、Al、NaCOを含むと、焼成時の粒成長に伴うグリーンシートの収縮の開始温度が低下するので、好ましい。粒子状のSiO、B、Al、NaCOの好ましい平均粒子径は、0.5μm以上2.0μm以下である。
仮焼粉に対する助剤の添加割合は、0.05重量部以上1.0重量部以下が好ましい。助剤の添加割合を前記範囲にすることで、積層圧電素子の前記(|Ec2|-|Ec1|)の値を増大させつつ、焼成最高温度を低減することができる。
粉末状のチタン酸バリウム系材料に加える溶媒としては、例えば、トルエン、エタノール、酢酸n-ブチル、水を用いることができる。前記金属化合物粉体に溶媒を加えボールミルで24時間混合した後に、バインダと可塑剤を加える。バインダは例えば、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、アクリル系樹脂を用いることができる。可塑剤としては例えば、ジオクチルセバケート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートを用いることができる。
次に前記スラリーを基材上に設置し、圧電材料層の前駆体であるグリーンシートを得る。
グリーンシートは例えば、ドクターブレードを用いて前記スラリーを前記基材上に塗布し、乾燥させることで得られる。基材としては例えば、フッ素コートPETフィルムを用いることができる。前記グリーンシートの厚さは特に制限されることはなく、目的とする圧電材料層の厚さに合わせて調整することができる。
次に前記グリーンシートに金属の電極層を形成する。
グリーンシートに、スルーホールとなる小さな孔を形成する。更に、グリーンシートに形成した孔の中に、電極層となる導電粉末材料からなるペーストをスクリーン印刷法で充填する。更に、グリーンシートの表面に、電極層を形成する導電粉末材料からなるペーストをスクリーン印刷法で印刷する。
複数枚のグリーンシートを下から順に重ねて、加熱・加圧装置により加熱しながら加圧し、積層化し、焼成前の積層体を形成する。
そして、積層体を1150℃~1350℃の大気雰囲気下で焼成を行う。次に、焼成を行った後の焼成体に対して分極処理を行う。分極処理の条件は、例えば、60℃~150℃に加熱して、1kV/mm~2kV/mmの電界を、10~60分間程度印加すると良い。分極処理はスルーホール13に繋がる各金属電極A+、A-、B+、B-、AG+、AG-、BG+、BG-に対し、A+とB+には正の電圧を、A-とB-には負の電圧を印加する。また、AG+、AG-、BG+、BG-はグランドとする。以下、得られた積層圧電素子のA+、A-をA相、B+、B-をB相と呼ぶ。
本発明の積層圧電振動子は、前記積層圧電素子と、該積層圧電素子を積層方向に挟持する第一の弾性体と第二の弾性体と、前記積層圧電素子と第一の弾性体と第二の弾性体を貫通するシャフトを有することを特徴とする。
図5は、本発明の振動子の一実施形態を示した概略構造の断面図である。
図5に示すように、積層圧電素子10は、積層圧電素子10の積層方向に第一の弾性体21と第2の弾性体22によって挟持されている。更に積層圧電素子10は、シャフト24と第一のナット25を有する。
第一の弾性体21と第二の弾性体22は、シャフト24を通すための孔部を有する。
シャフト24は積層圧電素子10、第一の弾性体21および第2の弾性体22を貫通する。
さらに、第一のナット25がシャフト24に取り付けられている。
ここで、積層圧電素子10は、接着剤等を用いて第一の弾性体21と第二の弾性体22とに接合されている。接合に際しては1MPaから10MPa程度加圧しながら行うことが好ましい。また、積層圧電素子10はシャフト24及び第一のナット25によって締め付けられて、所定の圧縮力が付与されている。
本発明の振動波モータは、前記積層圧電振動子と前記積層圧電振動子と接する移動体を有することを特徴とする。
図6は本発明の振動波モータの一実施形態を示した概略構造の断面図である。
図6に示すように振動波モータ40は、積層圧電振動子20を構成する、積層圧電素子10、第一の弾性体21、第二の弾性体22、シャフト24、第一のナット25を備えている。それに加えて、ゴム26、移動体27、ギア28、加圧バネ29、フランジ30及び第二のナット31を有する。
フランジ10は、振動波モータ40が搭載される機器のフレーム等の不図示の外部部材に振動波モータ40を取り付けるための部材であり、第二のナット31により所定位置に固定されている。ゴム26の下側の端面は、第一の弾性体21の上側の表面に接触している。移動体27は、ゴム26に固定されている。ギア28は移動体27の上側に配置されており、移動体27の上側に設けられた凹部とギア28の下側に設けられた凸部とが係合している。加圧バネ29は、移動体27とギア28との間に配置されている。加圧バネ29のバネ力によって、ギア28は位置が定まると共に、移動体27を下側へ加圧する。これにより、移動体27に固定されたゴム26の下側端面が、第一の弾性体21の上側表面に押し付けられて加圧接触することで、その接触面に所定の摩擦力が生じる。
積層圧電素子10の金属電極B+、B-に金属電極A+、A-と90°の位相差を有する交番電圧を印加すると2つの曲げ振動が生じる。これにより、積層圧電振動子20の曲げ振動がシャフト24の軸を中心に回転する。その結果、第一の弾性体21においてゴム26と接触する接触面に楕円運動が形成されることで駆動力が発生し、第一の弾性体21に押圧されたゴム26が摩擦駆動される。こうして、ゴム26、移動体27、ギア28及び加圧バネ29は、一体となってシャフト24の軸回りに回転する。この回転は、ギア28を介して振動波モータの外部に出力される。
本発明の光学機器は、前記振動波モータと光学部材を有することを特徴とする。
図7は本発明の光学機器の一例であるデジタルカメラ(撮像装置)200の概略構造を示す斜視図である。
デジタルカメラ200の前面には、レンズ鏡筒202が取り付けられており、レンズ鏡筒202の内部には、レンズ209と、手ぶれ補正光学系203が配置されている。
デジタルカメラ200の本体側には撮像素子208が配置されており、撮像素子208に、レンズ鏡筒202を通過した光が光学像として結像する。撮像素子208は、CMOSセンサ或いはCCDセンサ等の光電変換デバイスであり、光学像をアナログ電気信号に変換する。撮像素子208から出力されるアナログ電気信号は、不図示のA/D変換器によってデジタル信号に変換された後、不図示の画像処理回路による所定の画像処理を経て、画像データ(映像データ)として不図示の半導体メモリ等の記憶媒体に記憶される。
レンズ鏡筒202には、光軸方向に移動可能な不図示のレンズ群が配置されている。振動波モータ40は、不図示のギア列等を介してレンズ鏡筒等の光学部材に力学的に接続され、レンズ鏡筒202に配置されたレンズ群を駆動する。振動波モータ40は、デジタルカメラ200において、ズームレンズの駆動、フォーカスレンズの駆動等に用いることができる。
ここで本発明の光学機器として、デジタルカメラについて説明した。それ以外にも一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒、コンパクトカメラ、電子スチルカメラ、カメラ付き携帯情報端末等、カメラの種類を問わない。駆動部に振動波モータを有する光学機器に広く適用することができる。
本発明の電子機器は、前記積層圧電振動子を備えることを特徴とする。
図8は本発明の電子機器の一実施形態を示した概念図である。
本発明の積層圧電振動子は、液体吐出ヘッド、振動装置、圧電集音装置、圧電発音装置、圧電アクチュエータ、圧電センサ、圧電トランス、強誘電メモリ、発電装置等の電子機器に用いることができる。
本発明の電子機器は、図8に示すように、本発明の積層圧電振動子を備えている。また前記積層圧電振動子への電圧印加手段および電力取出手段の少なくとも一方を有しているとよい。「電力取出」とは、電気エネルギーを採取する行為もしくは電気信号を受信する行為のいずれであっても良い。電圧印加手段により発生する積層圧電振動子の振動を電子機器がその機能を発揮するために利用する。あるいは、外部作用によって振動した積層圧電振動子に発生した電力を電力取出手段で検知して電子機器がその機能を発揮するために利用する。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(積層素子、積層圧電振動子の作製)
(実施例1)
まず、圧電材料層の出発原料となる粉末状のチタン酸バリウム系材料を準備した。
具体的には、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.13に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.03に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.30重量部となるように秤量して混合した。この混合粉を900℃で4時間仮焼し、チタン酸バリウム系材料よりなる仮焼粉を得た。
この仮焼粉100重量部に対し、0.1重量部の助剤を添加した。助剤には平均粒子径が1.0μmの粒子状であるSiO、B、Al、NaCOの混合物を用いた。助剤に含まれるSiO、B、Al、NaCOの重量比は、無水物として5対2対2対1とした。
次に、溶媒である水に対し、助剤を混合した仮焼粉と、バインダ(PVB)、分散剤を加えて混合し、スラリーを得た。
得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ60μmのグリーンシートを得た。上記グリーンシートにスルーホールとなる小さな孔を形成し、その孔の中に導電ペーストを充填した。また、上記グリーンシートの表面に、金属電極層を形成する導電ペーストを印刷した。導電ペーストには、銀(Ag)50%-パラジウム(Pd)50%合金(Ag/Pd=1.0)ペーストを用いた。導電ペーストを印刷したグリーンシートを36枚積層して、その積層体を最高温度1250℃で5時間保持する焼成をして焼結体を得た。
このようにして得られた焼結体の圧電材料部分の組成をICP発光分光分析により評価した。その結果、(Ba0.87Ca0.13)(Ti0.97Zr0.03)Oの化学式で表わすことができる金属酸化物を主成分としており、前記主成分100重量部に対してMnが0.30重量部含有されていることが分かった。Ba、Ca、Ti、Zr、Mnの各成分は、秤量した組成と焼結後の組成が一致していた。
焼結体を切削加工した後に、4分割された金属電極のうち180度の位置関係にある2つの金属電極を互いに分極方向が異なるように、135℃、1.4kV/mm、30分間分極処理を行い、図1のような実施例1の積層圧電素子を得た。
得られた積層圧電素子は、外径6mm、内径2mm、厚さ2.0mm、圧電材料層の厚さが55μm、金属電極が外径9.5mm、厚さ5μm、圧電材料層の層数が36層、金属電極層の層数が35層、スルーホールの直径0.1mmであった。
続いて、得られた積層圧電素子を用いて図5のような積層圧電振動子を作製した。
まず、積層圧電素子をプライマー処理して、第一の弾性体に加圧接着した。続いて、前記積層圧電素子の第一の弾性体が接着していない面に対し、フレキシブルプリント基板からなる電気配線を第二の弾性体によって挟み込んだ。最後に、シャフトを積層圧電素子、第一の弾性体および第二の弾性体に貫通させた後に、第一のナットを3kgf・mで加圧締込を行い、実施例1の積層圧電振動子を得た。
(実施例2)
第一のナットを2kgf・mで加圧締め込みを行った点以外は、実施例1と同様の工程で、実施例2の積層圧電振動子を得た。
(実施例3)
第一のナットを4kgf・mで加圧締め込みを行った点以外は、実施例1と同様の工程で、実施例3の積層圧電振動子を得た。
(実施例4)
以下の点以外は、実施例1と同様の工程で、実施例4の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.10に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.07に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.20重量部となるように秤量して混合した点
(2)導電ペーストには、銀(Ag)40%-パラジウム(Pd)60%合金(Ag/Pd=0.67)ペーストを用いた点
(3)積層体を最高温度1280℃で5時間保持する焼成をして焼結体を得た点
(実施例5)
以下の点以外は、実施例4と同様の工程で、実施例5の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.20に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.03に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.10重量部となるように秤量して混合した点
(実施例6)
以下の点以外は、実施例4と同様の工程で、実施例6の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.10に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.05に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.40重量部となるように秤量して混合した点
(比較例1)
まず、圧電材料層の出発原料となる粉末状のチタン酸バリウム系材料を準備した。
具体的には、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.08に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.07に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.18重量部となるように秤量して混合した。この混合粉を900℃で4時間仮焼し、チタン酸バリウム系材料よりなる仮焼粉を得た。
この仮焼粉100重量部に対し、0.1重量部の助剤を添加した。助剤には平均粒子径が1.0μmの粒子状であるSiO、B、Al、NaCOの混合物を用いた。助剤に含まれるSiO、B、Al、NaCOの重量比は、5対2対2対1とした。
次に、溶媒である水に対し、助剤を混合した仮焼粉と、バインダ(PVB)、分散剤、加えて混合し、スラリーを得た。
得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ60μmのグリーンシートを得た。上記グリーンシートにスルーホールとなる小さな孔を形成し、その孔の中に導電ペーストを充填した。また、上記グリーンシートの表面に、金属電極層を形成する導電ペーストを印刷した。導電ペーストには、銀(Ag)50%-パラジウム(Pd)50%合金(Ag/Pd=1.0)ペーストを用いた。導電ペーストを印刷したグリーンシートを36枚積層して、その積層体を最高温度1200℃で5時間保持する焼成をして焼結体を得た。
このようにして得られた焼結体の圧電材料部分の組成をICP発光分光分析により評価した。その結果、(Ba0.92Ca0.08)(Ti0.93Zr0.07)Oの化学式で表わすことができる金属酸化物を主成分としており、前記主成分100重量部に対してMnが0.18重量部含有されていることが分かった。Ba、Ca、Ti、Zr、Mnの各成分は、秤量した組成と焼結後の組成が一致していた。
焼結体を切削加工し、4分割された金属電極のうち180度の位置関係にある2つの金属電極を互いに分極方向が異なるように、135℃、1.4kV/mm、30分間分極処理を行い、図1のような比較例1の積層圧電素子を得た。
得られた積層圧電素子は、外径6mm、内径2mm、厚さ2.0mm、圧電材料層の厚さが55μm、金属電極が外径9.5mm、厚さ2~3μm、圧電材料層の層数が36層、金属電極層の層数が35層、スルーホールの直径0.1mmであった。
続いて、得られた積層圧電素子を用いて図5のような積層圧電振動子を作製した。
まず、積層圧電素子をプライマー処理して、第一の弾性体に加圧接着した。続いて、前記積層圧電素子の第一の弾性体が接着していない面に対し、フレキシブルプリント基板からなる電気配線を第二の弾性体によって挟み込んだ。最後に、シャフトを積層圧電素子、第一の弾性体および第二の弾性体に貫通させた後に、第一のナットを3kgf・mで加圧締込を行い、比較例1の積層圧電振動子を得た。
(比較例2)
以下の点以外は、比較例1と同様の工程で、比較例2の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および四酸化三マンガン(Mn)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.13に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.03に、Mnの含有量がBa、Ca、TiおよびZrを含む酸化物100重量部に対して金属換算で0.20重量部となるように秤量して混合した点
(2)導電ペーストには、銀(Ag)60%-パラジウム(Pd)40%合金(Ag/Pd=1.5)ペーストを用いた点
(3)積層体に対して分極処理を行わなかった点
(比較例3)
以下の点以外は、比較例1と同様の工程で、比較例3の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)および酸化ジルコニウム(ZrO)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.02に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.05になるように秤量して混合した点
(2)導電ペーストには、銀(Ag)40%-パラジウム(Pd)60%合金(Ag/Pd=0.67)ペーストを用いた点
(3)積層体を最高温度1300℃で5時間保持する焼成をして焼結体を得た点
(比較例4)
以下の点以外は、比較例3と同様の工程で、比較例4の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)および酸化ジルコニウム(ZrO)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.08に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.05になるように秤量して混合した点
(比較例5)
以下の点以外は、比較例3と同様の工程で、比較例5の積層圧電振動子を得た。
(1)炭酸バリウム(BaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)および酸化ジルコニウム(ZrO)を、BaおよびCaの含有量(mol)の和に対するBaの含有量の比であるxの値が0.20に、TiおよびZrの含有量(mol)の和に対するZrの含有量の比であるyの値が0.05になるように秤量して混合した点
実施例1から6および比較例1から5の製造条件を表1にまとめた。
Figure 2022043069000002
(積層素子、積層圧電振動子の評価)
得られた積層圧電振動子の分極-電界ヒステリシス特性は、強誘電体評価装置(東陽テクニカ社製、商品名:FCE-1)によって評価した。
積層圧電振動子には、振幅が±110Vp0、周波数が1Hzの三角波の電圧を印加した。電圧の印加によって得られた分極量と電界の関係を10回測定し、その平均値から、分極-電界ヒステリシス特性における各評価パラメータを算出した。ここで、電圧の振幅が±110Vp0であることは、電界としては-20kV/cmから20kV/cmまで掃引して印加したこととなる。
分極-電界ヒステリシス特性は以下の項目により評価した。
(項目1) 二つの抗電界点の電界極性
(項目2) 二つの抗電界点における抗電界Ec1およびEc2の差(|Ec2|-|Ec1|)
(項目3) |Ec2|の値
(項目4) 二つの抗電界点が位置する電界極性とは異なる電界極性のヒステリシスループの面積S
(項目5) 二つの抗電界点が位置する電界極性側における分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminの差(|Pmax-Pmin|)の絶対値
(項目6) (|Ec2|-|Ec1|)と(|Pmax-Pmin|)の積
実施例1から6および比較例1から5の分極-電界ヒステリシス特性を表2にまとめた。
また、図10(a)は実施例1、図10(b)は実施例2、図10(c)は実施例3の分極-電界ヒステリシス特性の波形である。また、図11(a)は比較例1、図11(b)は比較例2の分極-電界ヒステリシス特性の波形である。
Figure 2022043069000003
表2に示すように、実施例1から6の二つの抗電界点の電界極性は、いずれも正のみであった。また、実施例1から6の二つの抗電界点における抗電界Ec1およびEc2の差(|Ec2|-|Ec1|)の値は、いずれも8kV/cm以上であった。また、実施例1から6の|Ec2|の値は、いずれも10kV/cm以上であった。また、実施例1から4の二つの抗電界点が位置する電界極性とは異なる電界極性のヒステリシスループの面積Sは、いずれも5mV・C/m以下であった。また、実施例1から4および6の二つの抗電界点が位置する電界極性側における分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminの差(|Pmax-Pmin|)の絶対値は、いずれも15μC/cm以上であった。さらに、実施例1から6の(|Ec2|-|Ec1|)と(|Pmax-Pmin|)の積は、いずれも120kV・C/m以上であった。
一方、比較例1および比較例2は二つの抗電界点における抗電界Ec1およびEc2の差(|Ec2|-|Ec1|)の値が8.0kV未満であった。また、比較例3から5は、二つの抗電界点の電界極性がいずれも正と負であった。
(振動波モータ)
(実施例7から12)
実施例1から6で作製した積層圧電振動子と、ゴム、移動体、ギア、加圧バネ、フランジ及び第二のナットを用いて、図6のような振動波モータを作製した(実施例7から12)。
作製した振動波モータのA相とB相に位相差が90°となるように、15Vrmsの交番電圧をそれぞれ印加し、振動波モータを回転駆動させた。そして、700rpm時のモータ電力を電力計にて測定した。その結果を表3に示す。
(比較例6から10)
比較例1から5で作製した積層圧電振動子と、ゴム、移動体、ギア、加圧バネ、フランジ及び第二のナットを用いて、図6のような振動波モータを作製した(比較例6から10)。
作製した振動波モータのA相とB相に位相差が90°となるように、15Vrmsの交番電圧をそれぞれ印加し、50gf・cmの負荷をかけて振動波モータを回転駆動させた。そして、700rpm時のモータの消費電力を電力計にて測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2022043069000004
表3に示すように、実施例7から12の700rpm時における消費電力は、いずれも2.0W未満であったのに対し、比較例6、8、9および10の700rpm時における消費電力は2.3W以上となった。また、比較例7に関しては最高速度が700rpmに達しなかった。
(光学機器)
(実施例13および比較例11)
実施例7で作製した振動波モータと光学部材とを力学的に接続し、図7のような光学機器を作製した(実施例13)。また、比較例6で作製した振動波モータと光学部材とを力学的に接続し、図7のような光学機器を作製した(比較例11)。どちらの光学機器も交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作を確認できたが、実施例13のフォーカス動作は比較例11のフォーカス動作に比べて、消費電力が小さかった。
(電子機器)
実施例1の積層圧電素子を用いて、図11に示される液体吐出ヘッドを作製した。図11に示す液体吐出ヘッドは、実施例の積層圧電素子101(電極1011、積層部1012、電極1013よりなる)を有している。さらに、吐出口105、個別液室102、個別液室102と吐出口105をつなぐ連通孔106、液室隔壁104、共通液室107、振動板103、圧電素子101を有する。液室内には液状のインクを貯留し得る。
液体吐出ヘッドに電気信号を入力すると、信号パターンに追随したインクの吐出が確認された。この液体吐出ヘッドをインクジェット式プリンタに組込み、記録紙へのインク吐出を確認した。
その他、本発明の積層圧電素子あるいは振動子を備えたさまざまな電子機器に適用可能であることを確認した。
本発明によれば高効率な駆動特性を有する積層圧電素子を提供できる。また、本発明によれば、高効率な駆動特性を有する振動子、振動波モータ、光学機器および電子機器を提供できる。さらに、本発明の積層素子は積層素子を用いた圧電デバイス全般に適用可能である。
10 積層圧電素子
11 圧電材料層
12 金属電極層
13 スルーホール

Claims (11)

  1. 圧電材料層と、電極層が交互に積層された積層圧電素子において、
    前記圧電材料層はチタン酸バリウム系材料を含み、
    前記積層圧電素子の二つの抗電界Ec1およびEc2が同じ符号であり、
    (|Ec2|-|Ec1|)≧8kV/cm
    であることを特徴とする積層圧電素子。
  2. 前記|Ec2|が10kV/cm以上である請求項1に記載の積層圧電素子。
  3. 前記積層圧電素子のヒステリシスループにおける、前記Ec1および前記Ec2とは異なる電界極性のヒステリシスループと電界がゼロの軸とで囲まれる面積SがS≦5mV・C/mである請求項1または2に記載の積層圧電素子。
  4. 前記積層圧電素子のヒステリシスループにおける、前記Ec1および前記Ec2と同じ電界極性における分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminとしたとき、
    (|Pmax-Pmin|)≧15μC/cmである請求項1から3のいずれか1項に記載の積層圧電素子。
  5. 前記積層圧電素子のヒステリシスループにおける、前記Ec1および前記Ec2が位置する電界極性における分極量の最大値Pmaxと分極量の最小値Pminとしたとき、
    (|Ec2|-|Ec1|)と(|Pmax-Pmin|)の積が120kV・C/m以上である請求項1から4のいずれか1項に記載の積層圧電素子。
  6. 前記チタン酸バリウム系材料が、Ba、Ca、Ti、およびZrを含む酸化物と、Mnを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の積層圧電素子。
  7. 前記Baおよび前記Caの和に対する前記Caのモル比であるxが0.02≦x≦0.30であり、前記Tiおよび前記Zrの和に対するZrのモル比であるyが0.01≦y≦0.10であり、前記酸化物100重量部に対する前記Mnの含有量は、金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下である請求項6に記載の積層圧電素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載された積層圧電素子と、前記積層圧電素子を挟持する第一の弾性体と第二の弾性体と、前記積層圧電素子と第一の弾性体と第二の弾性体を貫通するシャフトを有する振動子。
  9. 請求項8に記載の振動子と、前記振動子と接する移動体を有する振動波モータ。
  10. 請求項9の振動波モータと、光学部材を有することを特徴とする光学機器。
  11. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された積層圧電素子あるいは請求項8に記載の振動子を備えた電子機器。
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