JP4474299B2 - 水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類の添加剤を含む水相部と食用油脂を含む油相部とを含む水中油型乳化油脂組成物、を提供する。
上記組成物は、さらにペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンを含む水相部と食用油脂を含む油相部とを含むことが好ましい。
また、上記組成物は、特にベーカリー生地への練り混み用として用いられることがこのましい。
本発明はまた、ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類の添加剤を含む水相部と食用油脂を含む油相部とを含む水中油型乳化油脂組成物を生地に練り込んでベーカリー生地を作成し、前記ベーカリー生地を焼成することを含む、ベーカリー製品の製造方法を提供する。
また、本発明により、サンドイッチ等のようにベーカリー製品を冷蔵される用途に用いられる場合でも、硬度の変化が少なくソフト感が維持されたベーカリー製品を製造することができる。
また、本発明により、焼成後冷凍しても、解凍前後の食感に変化が少ない、冷凍に適したベーカリー製品を製造することができる。
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、油脂を含む油相部と水相部を含み、さらに水相部にペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類の添加剤を含むことを特徴とする。
ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類を含むことにより、製造されたベーカリー製品の歯切れ感、ソフト感、べたつき感、口解けが良好で、かつ常温、冷蔵及び冷凍のいずれの条件で保存した場合にも長期間良好な食感が維持されるベーカリー製品を得ることができる。さらにペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンの3種類全てを含むことがより好ましい。
組成物全重量に対して、ペクチンを0.3〜3.0質量%の範囲で含有することが好ましい。
組成物全重量に対して、こんにゃく抽出物を0.05〜1.5質量%の範囲で含有することが好ましい。
グルテンとは、穀類に含まれるタンパク質を主体とした混合物をいう。本発明では特に活性グルテンとして市販されているものを使用することが好ましい。
組成物全重量に対して、グルテンを0.5〜5.0質量%の範囲で含有することが好ましい。
架橋澱粉とは、いずれかの澱粉をリン酸等でアミロース等を架橋反応させ、澱粉粒の強化を行なった澱粉であり、本発明では架橋澱粉として市販されているいずれのものも使用できる。
組成物全重量に対して、架橋澱粉を1〜10質量%の範囲で含有することが望ましい。架橋澱粉を含有することにより、本発明の、食感及び各温度での保存後の食感維持の向上という効果がさらに増強されるからである。
その他、乳化安定剤としてキサンタンガム、アラビアガム、カラギナン、ローカストビーンガム、グアガム、カゼインナトリウム等を含んでいてもよい。
また、ベーカリー製品への風味付のためのハーブや香辛料、香料等を本発明の水中油型乳化油脂組成物に添加してもよい。
本発明の水中油型乳化油脂組成物を、ベーカリー製品の生地に配合する場合には、生地配合中の粉100質量部に対して10〜50質量部を添加することにより、食感改良の効果が高くなるため好ましい。
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、油脂及びペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類の添加剤を水相部に添加し、前期水相部と油相部を混合し、乳化することを含む方法により製造できる。
ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類の添加剤を水に添加して、溶解することにより水相部を得る。
また、架橋澱粉は水溶性であるから、架橋澱粉を添加する場合には水相部に添加することが好ましい。水相部には必要に応じて、水溶性の添加剤をあらかじめ加えて混合しておくことが好ましい。また、水相部の温度を45〜55℃程度にしておくことにより、同程度の温度に加熱された油相部の分散、混合、予備乳化をスムーズに行なうことができ、好ましい。
油脂を油相部に添加する。このとき、油溶性の添加剤は油相部に添加することが好ましい。
水相部を攪拌しながら、油相部を添加し、混合する。
水相部と油相部を混合後、80〜90℃で、15分間以上、好ましくは15〜20分間保持し、予備乳化が完了する。得られた予備乳化液をホモジナイザー等で均質化する。
均質化は、300kg/cm2(30MPa)〜1000kg/cm2(100MPa)の条件で高圧ホモジナイザーで均質化することにより、高回転ホモジナイザーと比較して、より微細な水中油型乳化油脂組成物を得ることができ好ましい。
高圧ホモジナイザーとしては、APV GAULIN, INC製のホモジナイザーが挙げられる。
本発明において、高圧ホモジナイザーで均質化されているとは、加熱攪拌下で得た予備乳化液を200Kg/cm2(20MPa)〜1000Kg/cm2(100MPa)の圧力をかけて均質することを意味する。
本発明において、ベーカリー製品とはいずれのものでもよいが、特に本発明の水中油形乳化油脂組成物を添加することにより食感改良し得るものを全て含む。具体例としては、食パン、ぶどうパン、菓子パン、デニッシュペストリー、スイートロールパン、クロワッサン、フランスパン、パイ、シュー、ドーナツ等が挙げられる。
本発明のベーカリー生地は、上述した本発明の水中油型乳化油脂組成物を含む。本発明のベーカリー生地は、本発明の水中油型乳化油脂組成物が生地中に完全に練り込まれた状態で乳化油脂組成物を含む。本明細書において“練り込み”とは、生地中に水中油型乳化油脂組成物を均一な状態になるまで混合することをいい、生地中に乳化油脂組成物が固形状やペースト状で残存若しくは分散していない状態である。
特に、本発明のベーカリー製品の製造方法では、ベーカリー生地の作成に通常使用される油脂の代替物として用いることが好ましい。すなわち、ベーカリー生地の作成に通常使用される油脂の全てまたは一部を、本発明の水中油型乳化油脂組成物に置き換えて使用することが好ましい。本発明の水中油型乳化油脂組成物は、ベーカリー生地または製品の製造において通常用いられる油脂と同様にベーカリー生地中に練り込んでベーカリー製品の製造に用いることができる。
前記ベーカリー生地を焼成等することにより、本発明のベーカリー製品を製造することができる。
実施例1と同様に油相部を調製し、表2に記載される成分からなる水相部を混合して水中油形乳化油脂組成物を、実施例1と同様に調製した。
中種原料をミキサーにて混合後、26℃、湿度80%にて4時間発酵させた後、これに本捏原料を添加してよく混合した後、フロアタイム40分、分割し、ベンチタイム20分をとった後成型し、食パン型に入れて38℃、湿度85%にて40分発酵させ、200℃で40分焼成した。
比較例7として、乳化油脂組成物の代わりにマーガリンを用いた他は、実施例と同様にして、パンを製造した。
比較例8として、乳化油脂組成物の代わりにショートニングを用いた他は、実施例と同様にして、パンを製造した。
比較例9として、架橋澱粉、グルテン、ペクチン、こんにゃく抽出物を水中油型乳化油脂組成物に添加せず、本捏ね時に直接粉体と混合した他は、実施例と同様にして、パンを製造した。
比較例7〜9のパン配合は表4に示した。
実施例及び比較例に従い得られた食パンの風味及び焼成後の各温度帯(常温(20℃)、冷蔵(5℃)、冷凍(−20℃))で3日間保存した後の食パンの組織の硬度変化、歯切れ等の食感変化を評価し、水中油型乳化油脂組成物の性能を評価した。結果を表5及び6に示す。
また、ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンからなる群より選択される少なくとも2種類に加えて架橋澱粉を加えると、食感及び保存時の食感維持(老化防止)において本発明の効果をさらに増強することがわかった(実施例6〜10)。
また、ベーカリー生地の配合において単にマーガリンまたはショートニングを油脂で用いた場合(比較例7,8)、及び、さらに架橋澱粉、ぺクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンを生地に直接添加した場合(比較例9)は、常温、冷蔵、冷凍でそれぞれ3日間保存すると、いずれも食感が大きく劣化した。
Claims (11)
- ペクチン、こんにゃく抽出物、及びグルテンを含む水相部と食用油脂を含む油相部とを含む、水中油型乳化油脂組成物。
- ベーカリー生地への練り込み用である、請求項1に記載の水中油型乳化油脂組成物。
- 該水相部と該油相部が高圧ホモジナイザーにより均質化されている、請求項1または2に記載の乳化油脂組成物。
- 組成物全重量に対して、ペクチンを0.3〜3.0質量%の範囲で含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物。
- 組成物全重量に対して、こんにゃく抽出物を0.05〜1.5質量%の範囲で含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物。
- 組成物全重量に対して、グルテンを0.5〜5.0質量%の範囲で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物。
- さらに、組成物全重量に対して、架橋澱粉を1〜10質量%の範囲で含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物。
- 組成物全重量に対して、油相部を10〜45質量%の範囲で含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物が生地に練り込まれている、ベーカリー生地。
- 該乳化油脂組成物を、ベーカリー生地の作成に使用される油脂の代替物として含む、請求項9に記載のベーカリー生地。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の乳化油脂組成物を生地に練り込んでベーカリー生地を作成し、前記ベーカリー生地を焼成することを含む、ベーカリー製品の製造方法。
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