JP4472946B2 - プラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期間の使用によりプラスチックコンテナ表面に強固に付着した黒ずみ汚れを洗浄除去するための洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、流通産業における魚類や野菜類、各種の惣菜等の運搬手段として、ポリプロピレン等の樹脂材からなるプラスチックコンテナが汎用的に利用されている。このようにプラスチックコンテナが利用されるのに伴って、その保守管理を進めるために使用したプラスチックコンテナについては、洗浄する機会も増えている。
【0003】
しかし、プラスチックコンテナが長期間使用されると、プラスチックコンテナの表面や角部に、食品加工物や空気中に存在するカーボン汚れ等の埃に基づく種々雑多な黒ずみ汚れが付着する。これらの黒ずみ汚れは、プラスチックコンテナが疎水性の固体表面であるために、ガラスや金属表面に付着する汚れと比較して、より強固に結び付き易く、従来の洗浄剤では除去し難いものである。
【0004】
従来、プラスチックコンテナを洗浄する浸漬用の洗浄剤組成物が開発されている(特許文献1)。特許文献1の洗浄剤組成物は、アルカリ剤と界面活性剤とを必須成分として含有するものである。すなわち、アルカリ剤のケン化・分解等の化学的反応により、プラスチックコンテナ表面の黒ずみ汚れを脱離させると共に、界面活性剤の浸透・軟化作用とにより、その黒ずみ汚れを洗浄除去するものである。さらに、キレート剤を洗浄剤組成物に含有させることにより、洗浄水に含まれるカルシウムイオン等の難溶性の物質が生じて、プラスチックコンテナに再付着するのを防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−140188号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で開示する洗浄剤では、洗浄剤組成物の水溶液を洗浄処理液とし、この洗浄処理液による浸漬処理時に、プラスチックコンテナの黒ずみ汚れに対するアルカリ剤のケン化・分解作用と、界面活性剤の浸透・軟化作用とを期待したものである。しかし、プラスチックコンテナ表面に付着する黒ずみ汚れは、運搬される食品類や食品加工物、あるいは空気中に存在するカーボン汚れ等に基づく埃等の種々の汚れが長期間の使用によって強固に付着したものであるから、この黒ずみ汚れを特許文献1の洗浄剤組成物による浸漬処理により、十分に洗浄除去することは、なおも困難である。
【0007】
そこで、本発明は、上記したプラスチックコンテナ表面に強固に付着する種々の黒ずみ汚れを浸漬あるいは自動洗浄機による洗浄により、十分かつ確実に除去することができるプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物を提供することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物は、プラスチックコンテナに付着したスリップマークを除去するためのプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物は、界面活性剤、アルカリ剤、キレート剤、架橋型ポリアクリル酸又はその塩と水からなる乳化液であることを特徴とする。
【0009】
前記した本発明のプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物は、その洗浄剤組成物を水に溶解して所定濃度の洗浄処理液とし、この洗浄処理液中にプラスチックコンテナを浸漬することにより、さらには、浸漬後にブラシやシャワー等によるすすぎ仕上げを施すことにより、あるいは、自動洗浄機における洗浄剤処理液として使用することにより、プラスチックコンテナ表面に強固に付着した黒ずみ汚れを洗浄除去することができる。
【0010】
本発明のプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物には、上記した界面活性剤に、さらに、アルカリ剤やキレート剤を含有する。これにより、アルカリ剤によるケン化・分解等の洗浄作用、さらにはキレート剤によるカルシウムイオン等の難溶塩が発生して再付着するのを防止する作用を期待するものである。
【0011】
本発明のプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物は、さらに架橋型ポリアクリル酸若しくはその塩と水を含有する乳化液である。
【0012】
洗浄剤組成物に架橋ポリアクリル酸又はその塩と水を成分として含有させることにより、その洗浄処理液中に他の界面活性剤等の含有成分を乳化分散させて、洗浄処理液を増粘させる作用がある。この増粘作用により、洗浄処理液において界面活性剤等の含有成分が均一化される結果、洗浄効果を一層高めることができる。
【0013】
上記した本発明の洗浄剤組成物は、当該組成物を水に溶解ないし分散させてなる洗浄処理液とし、この洗浄処理液中に浸漬し、又は自動洗浄機において洗浄処理する、いずれの洗浄方法にも適用することができる。
【0014】
前記した浸漬による場合、プラスチックコンテナの対象物を洗浄処理液中に一定時間浸漬し、浸漬後に引き上げてすすぎ洗いを行う場合と、浸漬後にブラシ仕上げを行い、その後すすぎ洗い仕上げを行う場合とが含まれる。
【0015】
上記した自動洗浄機による場合、既存の自動洗浄機の機能に基づき、同機の洗浄室内において、所定の温度の洗浄処理液を対象物にスプレー散布する洗浄処理と、さらにブラシ仕上げ及び/又は所定温度のすすぎ水によるすすぎ洗い仕上げとによる洗浄処理が行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の洗浄剤組成物には、界面活性剤を必須成分として含有する。界面活性剤によれば、プラスチックコンテナ表面に強固に付着した黒ずみ汚れに浸透して、その汚れを軟化する作用がある。界面活性剤としては、アルキルエーテルサルフェート、アルキルサルフェート、脂肪酸塩、アルキルスルホネート、アルキルスルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム化合物、アルキルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン、スルフォベタイン、アルキルイミダゾリニウム化合物等の両性界面活性剤、プルロニック型非イオン、リバースプルロニック型非イオン、テトロニック型非イオン、リバーステトロニック型非イオン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤などを用いることができる。これらの界面活性剤の中では、非イオン界面活性剤が、疎水性である黒ずみ汚れに対して浸透しやすく、また自動洗浄機用として使用したときに泡立ちを調整することができること等の点で、他の界面活性剤と比較して優れているので、好ましく使用できる。特に、自動洗浄機用としての洗浄剤組成物の界面活性剤としては、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、プルロニック型非イオン、リバースプルロニック型非イオン、テトロニック型非イオン、リバーステトロニック型非イオン等の抑泡性のものであることが好ましい。
【0017】
界面活性剤の含有量は、洗浄剤中で、好ましくは0.1〜70重量%であり、さらに好ましくは1.0〜20重量%である。この範囲未満の場合、期待する洗浄効果が得られず、またこの範囲を超えても洗浄力の向上の効果は低い。
【0020】
本発明のプラスチックコンテナ用洗浄剤組成物において用いられるアルカリ剤は、プラスチックコンテナ表面に強固に付着した黒ずみ汚れに対しケン化・分解する作用を発揮する。アルカリ剤としては、アルカリ金属水酸化物や、アルカリ金属の炭酸塩、珪酸塩、リン酸塩等が用いられる。アルカリ金属としては、ナトリウムやカリウム等である。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができ、アルカリ金属リン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウム等を挙げることができ、アルカリ金属珪酸塩としては、オルト珪酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム等を挙げることができる。
【0021】
本発明のアルカリ剤の濃度は、洗浄剤中で0.1〜98重量%であることが好ましく、0.5〜90重量%であることがより好ましい。上記処理液濃度に調整し得る組成物であれば、組成物は固体状、フレーク状、粉体状、液状のいずれの形態のものであってもよい。
【0022】
本発明のプラスチックコンテナ用洗浄剤組成物において用いられるキレート剤は、洗浄処理液中に含むカルシウムイオン等に基づく難溶塩が再付着するのを防止する作用を有する。キレート剤としては、アミノカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系及びポリアクリル酸、アクリル酸・マレイン酸共重合体類等のものから選択される1又は2以上のものを使用することができる。アミノカルボン酸系としては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセチックアシッド(HEDTA)、トリエチレンテトラヘキサアセチックアシッド(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミックアシッド(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノアセチックアシッド(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミンテトラアセチックアシッド(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラアセチックアシッド(DPTA−OH)等を挙げることができる。これらから選択される1種又は2種以上を混合して使用することができる。ヒドロキシカルボン酸系のものとしては、グルコン酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸あるいはこれらの塩の1種、又はこれらから選択される2種以上を混合して使用することができる。リン酸系のものとしては、ヒドリキシエチリデンジホスホニックアシッド(HEDP)、ニトリロトリスチレンホスホニックアシッド(NTMP)、ホスホノブタントリカルボキシリックアシッド(PBTC)、ヘキサメタリン酸塩等の1種、又はこれらから選択される2種以上を混合したものを使用することができる。
【0023】
キレート剤の含有量は、洗浄剤中で1.0〜50重量%であることが好ましく、3.0〜35重量%であることがより好ましい。キレート剤の含有量がこの範囲内であることにより、十分な洗浄力が得られる。
【0024】
本発明のプラスチックコンテナ用洗浄剤組成物は、架橋ポリアクリル酸又はその塩と水を含有する。架橋型ポリアクリル酸又はその塩と水を洗浄剤組成物に含有する結果、架橋型ポリアクリル酸又はその塩はその増粘作用に基づいて乳化分散作用を生じさせる。この増粘及び乳化分散作用により、界面活性剤等の洗浄効果を一層高めることができる。
【0025】
架橋型ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩を挙げることができる。架橋型ポリアクリル酸又はその塩の含有量は、洗浄剤中で0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2重量%であることがより好ましい。この範囲から外れると、増粘及び乳化分散の作用が不十分となり、洗浄作用の向上を望めない。
【0026】
本発明のプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物には、上記した含有成分のほかに、有機又は無機の安定剤、増量剤、その他一般的に用いられる添加剤を任意成分として必要に応じて含有させることができる。
【0027】
本発明に係る洗浄剤組成物は、水に溶解させた洗浄処理液として調製し、この洗浄処理液に対象としてのプラスチックコンテナを浸漬し、あるいはこの洗浄処理液を自動洗浄機による洗浄処理方法に適用することにより、プラスチックコンテナ表面における黒ずみ汚れ等を洗浄除去することができる。
【0029】
上記した洗浄剤組成物を水に溶解して得られる洗浄処理液は、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の濃度で使用することができる。洗浄処理液における各成分の濃度が、この範囲未満の濃度である場合、期待する洗浄力を得ることができず、また、この範囲を超える濃度である場合であっても、洗浄作用が格別向上することはない。
【0030】
上記した洗浄処理液の温度及び洗浄時間は、浸漬による場合は、洗浄処理液の温度が10〜80℃、好ましくは30〜70℃であり、少なくとも1分の浸漬時間が必要である。さらに、浸漬後に、ブラシ仕上げ及び/又はすすぎ洗い仕上げを施すこともできる。自動洗浄機による洗浄処理による場合は、洗浄処理液の温度が40〜75℃、好ましくは50〜70℃あり、さらに、40〜90℃の温度のすすぎ水によるすすぎ仕上げにより、表面に付着した洗浄処理液等を洗い流すようにしてもよい。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1〜5)[浸漬による場合]
【0032】
【表1】
【0033】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル:旭電化(株)製アデカノールB722、ポリオキシエチレンドデシル硫酸エステルナトリウム塩:テイカ(株)製テイカポールNE7030、ポリアクリル酸ナトリウム(8000):BASF製ソカランPA30CL、ポリアクリル酸ナトリウム(15000):BASF製ソカランCP45G、アクリル酸ナトリウム・マレイン酸ナトリウムコポリマー:BASF製ソカランCP45G(Mw=70000)を使用した。
【0034】
【表2】
【0035】
対象Aは、プラスチックコンテナ(ポリプロピレン製の小コンテナ(48×34×7cm))を魚類運搬用として約3年間使用したもので、主に魚類に基づいた油汚れの黒ずみ汚れが表面に付着するものである。対象Bは、プラスチックコンテナ(ポリプロピレン製の大コンテナ(57×39×10cm))を惣菜運搬用として約3年間使用したもので、主に植物性油脂に基づいた黒ずみ汚れが表面に付着している。また、スリップマークとは、プラスチックコンテナの側面、底面等に空気中に浮遊するカーボン等に基づく黒ずみ汚れが付着したものである。
【0036】
表1に示した含有成分を同表に示す濃度で含有する洗浄剤組成物を実施例1〜5とした。これらの実施例に係る洗浄剤組成物を水に溶解して洗浄処理液とし、これらの洗浄処理液を試料とした。表1の実施例3〜5の試料は、それぞれの洗浄処理液を二剤に分離して調製したもので、各洗浄処理液を混合して併用したことを示す。
【0037】
実施例1〜5の洗浄剤組成物の洗浄処理液を所定温度とし、その洗浄剤処理液中に対象A、Bのプラスチックコンテナを、表2に示す所定の時間にわたり浸漬することにより、洗浄試験を行った。
【0038】
表2の洗浄試験による洗浄力は、浸漬した後に対象プラスチックコンテナを引き上げた引上直後の結果、及び浸漬後に、さらにブラシ仕上げ及び約65℃のすすぎ水の散布による仕上げを行ったすすぎ洗い後の結果とを示した。
【0039】
洗浄試験による洗浄力の結果は表2に示すとおりである。この洗浄力は、目視観察による評価で、◎は汚れの除去率が、90%以上のとき、○は汚れの除去率が、70〜90%のとき、△は汚れの除去率が、50〜69%のとき、▲は汚れの除去率が、20〜49%のとき、×は汚れの除去率が、20%未満のときである。
【0040】
(実施例6〜9)[浸漬による場合]
【0041】
【表3】
【0042】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル:旭電化(株)製アデカノールB722、ポリオキシエチレンドデシル硫酸エステルナトリウム塩:テイカ(株)製テイカポールNE7030、ポリアクリル酸ナトリウム(8000):BASF製ソカランPA30CL、ポリアクリル酸ナトリウム(15000):BASF製ソカランCP45G、アクリル酸ナトリウム・マレイン酸ナトリウムコポリマー:BASF製ソカランCP45G(Mw=70000)、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム:BFGoodrich製のCARBOPOL941(Mw=1250000)を使用した。
【0043】
【表4】
【0044】
表3に示す実施例6〜9の洗浄剤組成物は、漂白剤に代えて、又は漂白剤と共に、架橋型ポリアクリル酸ナトリウムと水との乳化液を含有する洗浄剤組成物である。実施例6〜9の洗浄剤組成物に関する洗浄処理液の試料についても、前記同様に浸漬処理を行った。前記同様に浸漬後、又はすすぎ洗い後における洗浄力の効果を表4に示した。洗浄力についての評価基準は前記同様である。
【0045】
(比較例1〜3)[浸漬による場合]
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
表5に示すように、比較例1〜3は、成分として界面活性剤、あるいは架橋型ポリアクリル酸又はその塩を含有しない組成物である。特に、比較例2及び3の組成物は、二層に分離してしまうため、界面活性剤が均一に分散しない。これらの比較例1〜3の組成物により、前記同様に浸漬、あるいはすすぎ洗い後の洗浄力の結果を表6に示した。洗浄力についての評価基準は前記同様である。
【0049】
(洗浄力の結果に対する評価)
実施例1〜5の洗浄剤組成物の洗浄処理液の試料によれば、表2に示す洗浄力の結果から、浸漬や浸漬後のすすぎ洗いにより、対象Aや対象B、スリップマークにおける黒ずみ汚れに対し、50%以上の高い除去率で洗浄処理できることが分かる。特に、二剤を混合して使用する実施例3〜5の試料によれば、浸漬するだけで、黒ずみ汚れに対する除去率が70%以上の除去率となり、さらに、すすぎ洗い仕上げを行うことにより、除去率が90%以上の高い除去率で洗浄できることも分かる。また、表4に示す結果から、この洗浄力についての傾向は、架橋型ポリアクリル酸又はその塩、界面活性剤、及び水との乳化液を含有する実施例6〜9の洗浄剤組成物についても同様であることが分かる。
【0050】
これらの実施例1〜9の洗浄処理液の試料による洗浄力の結果は、界面活性剤や架橋ポリアクリル酸と水との乳化液を成分として含有しない表5に示す比較例1〜3の結果と対比できる。比較例1〜3の組成物による場合、洗浄剤が分離し、成分が不均一となるため、均一な洗浄処理液、安定した洗浄力が得られない。
【0051】
(実施例10〜13)[自動洗浄機による場合]
【0052】
【表7】
【0053】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル:旭電化(株)製のアデカノールB722、ポリアクリル酸ナトリウム(8000):BASF製ソカランPA30CL、ポリアクリル酸ナトリウム(15000):BASF製ソカランCP45G、アクリル酸ナトリウム・マレイン酸ナトリウムコポリマー:BASF製ソカランCP45G(Mw=70000)、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム:BFGoodrich製のCARBOPOL941(Mw=1250000)を使用した。
【0054】
【表8】
【0055】
表7に示す実施例10〜13の洗浄剤組成物の洗浄処理液の試料を、自動洗浄機に適用して洗浄試験を行った。
【0056】
この洗浄試験においては、表7に示した含有成分を同表に示す濃度で含有する洗浄剤組成物を水に溶解した洗浄処理液を試料とした。洗浄力についての評価基準は前記同様である。
【0057】
表7の実施例10〜12の洗浄剤組成物は、その各洗浄処理液をそれぞれ分離して調製したもので、これらの各洗浄処理液を調製時に混合して併用したものである。
【0058】
実施例10〜13の洗浄剤組成物の混合洗浄処理液、あるいは洗浄処理液の試料を調製し、この洗浄処理液をドア式タイプの自動洗浄機にそれぞれ供給した。自動洗浄機では、表8に示す洗浄条件で、洗浄剤処理液を対象A、Bの面上に所定時間にわたりスプレー散布することによって洗浄処理し、さらに所定温度のすすぎ水によるすすぎ洗い仕上げを一定時間行うことにより、洗浄試験した。この洗浄試験による洗浄力の結果を表8に示した。洗浄力の結果における符号は、前記同様である。
【0059】
(洗浄力の結果に対する評価)
表8に示す洗浄力の結果から、実施例10〜13の洗浄剤組成物によれば、その洗浄処理液を自動洗浄機に供給することにより、対象A及び対象Bの黒ずみ汚れに対し、50%以上の除去率で洗浄できることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
上述したように本発明は構成されるから、本発明の洗浄剤組成物によれば、界面活性剤、アルカリ剤、キレート剤、架橋型ポリアクリル酸又はその塩と水からなる乳化液として構成させることにより、長期間の使用によりプラスチックコンテナ表面に付着した各種の黒ずみ汚れや、プラスチックコンテナの角部に付着したスリップマークを確実にかつ十分に洗浄除去することが可能となった。
Claims (1)
- プラスチックコンテナに付着したスリップマークを除去するためのプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物は、界面活性剤、アルカリ剤、キレート剤、架橋型ポリアクリル酸又はその塩と水からなる乳化液であるプラスチックコンテナ表面洗浄用洗浄剤組成物(漂白剤を含有するものを除く。)。
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