JP4472812B2 - ポリカルボン酸系減水剤、それを用いたコンクリート組成物 - Google Patents

ポリカルボン酸系減水剤、それを用いたコンクリート組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木・建築構造物やコンクリート製品の製造において使用されるポリカルボン酸系減水剤及びそれを用いたコンクリート組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、比較的多量に添加しても過度の凝結遅延性がなく、高減水率を発揮するポリアルキルアリルスルホン酸塩系やメラミン樹脂スルホン酸塩系などの高性能減水剤は、スランプロスが大きいので現場打ちのコンクリートには使用できなく、コンクリートの処理時間が15分程度と短くても良いパイル、ポールなどのコンクリート二次製品の高強度化に多用されている。また、高性能減水剤は表面張力を低下させないので空気を連行する能力がなく、普通強度のコンクリート製品に使用する場合は、凍結融解耐久性に課題がある。
そこで、いわゆるポリカルボン酸系の高減水率でスランプロスが小さく、空気連行性のある理想的な式(1)、(2)、及び(3)から成る減水剤が高性能AE減水剤として開発(特開平6-48797号公報)されている。
しかしながら、この式(1)、(2)、及び(3)から構成される共重合体のポリカルボン酸系減水剤は、セメントの種類や銘柄が変わった場合やコンクリート温度が高くなるとスランプロスが急に大きくなる場合があり、極端な場合は練混ぜ中からコンクリートの軟らかさ(スランプ)が低下し、使用できない場合もあるという課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成の共重合体を併用することで、スランプロスに対してセメントの種類や銘柄が変わった場合やコンクリート温度の影響を受け難いポリカルボン酸系減水剤を知見し、さらにそれを用いた初期強度の発現性の高い又は高強度発現性を有するコンクリート組成物を得て本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、無水セッコウ1〜8重量部とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物であり、セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、ポゾラン物質30重量部以下とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物であり、セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、凝結促進剤を無水物換算で0.1〜3重量部とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物であり、ポリカルボン酸系減水剤中の共重合体(II)が、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られるものである該コンクリート組成物であり、ポリカルボン酸系減水剤中の共重合体(II)が、共重合体(I)100重量部に対して、30〜120重量部である該コンクリート組成物であり、ポリカルボン酸系減水剤が、セメント100重量部に対して、固形分換算で2重量部以下である該コンクリート組成物である。
【0005】
【化5】
Figure 0004472812
【0006】
【化6】
Figure 0004472812
【0007】
【化7】
Figure 0004472812
【0008】
【化8】
Figure 0004472812
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
本発明は、式(1)、(2)、及び(3)の構成単位からなる共重合体(I)について、特に流動性保持効果を改善したものである。
式(1)、(2)、及び(3)の構成単位からなる共重合体(I)は、ポリオキシエチレンモノアリルモノアルキルエーテル、無水マレイン酸、及びスチレン単量体を共重合して得られる。
【0011】
【化9】
Figure 0004472812
【0012】
【化10】
Figure 0004472812
【0013】
【化11】
Figure 0004472812
【0014】
式(1)におけるRは、水素又は炭素数1〜5のアルキル基である。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、及びイソアミル基などが挙げられる。
【0015】
また、共重合体(I)中のオキシエチレン単位の重合度は重要であり、分子中のカルボキシル基の量に依存する。
即ち、共重合体(I)中のカルボキシル基1モルに対して、オキシエチレン単位のモル数nが10〜60モルであることが好ましく、15〜50モルであることがより好ましい。オキシエチレン単位が10モル未満では脱型時の短期強度発現性が劣り、ブリージングを発生させる場合があり、60モルを超えるとコンクリートの流動性が低下する場合がある。
【0016】
さらに、カルボキシル基としては、遊離のカルボキシル基の他、酸無水物基に水を加えた場合に加水分解して生じる2モルのカルボキシル基も含まれ、さらに、これらカルボキシル基が、塩又は加水分解しやすいエステルとして存在する場合も本発明におけるカルボキシル基に含まれる。
【0017】
共重合体(I)は、使用に際して水と共存する。その際に無水マレイン酸が開環して生じる2個のカルボキシル基は親水性であるが、セメントの水和遅延因子である。
そこで、他の親水性単位であるオキシエチレンの重合度を調整し、カルボキシル基とポリオキシエチレン単位とのモル比を1:10〜60にすることにより、水和の遅延性が小さくなるものである。
【0018】
共重合体(I)の分子量は、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜80,000がより好ましい。5,000未満では減水効果が不充分となる場合があり、100,000を超えるとコンクリートの流動性が低下する場合がある。
【0019】
本発明のポリカルボン酸系減水剤は、前記共重合体(I)と式(4)の構成単位からなる共重合体(II)の混合物であり、共重合体(II)はポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られる。
【0020】
【化12】
Figure 0004472812
【0021】
本発明の共重合体(II)の分子量は、5,000〜100,000である。5,000未満では流動性を保持する効果が不充分となり、100,0000を超えるとコンクリートの流動性が低下する。より好ましくは10,000〜80,000である。
【0022】
本発明におけるポリカルボン酸系減水剤は、共重合体(I)と共重合体(II)との混合物であるが、その配合比率は、共重合体(I)100重量部に対して共重合体(II)30〜120重量部である。30重量部未満ではコンクリートの流動性保持の面から好ましくなく、120重量部を超えると流動性が低下する。
【0023】
また、本発明のポリカルボン酸系減水剤は、粉末でも水溶液状でも使用可能である。粉末として使用する際にはポリカルボン酸系減水剤自体が粉末になり難い性質であるので、無機粉体に坦持させて粉体とする方法や、多価金属との塩にするなどの方法により粉末とすることが可能である。
【0024】
本発明は、セメントと、ポリカルボン酸系減水剤と、無水セッコウ、ポゾラン物質及び凝結促進剤の中から選ばれた一種又は二種以上とを含有し、適量の水、細骨材0〜適量、粗骨材0〜適量からなるコンクリート組成物である。
【0025】
本発明で使用するセメントは、普通、早強、超早強、中庸熱、白色、低発熱(ビーライトセメント)、耐硫酸塩セメントの各種ポルトランドセメント及び高炉スラグ、フライアッシュ、シリカ粉末を含む混合セメントであり、いずれもJIS規格化され、市販されている。
【0026】
なお、低温時の現場打ちコンクリートにおいて、早期解放や早期脱型を目的として初期強度を高める場合は、3CaO・SiO2含有量は60重量%以上の水硬性の高いポルトランドセメントが好ましく、66重量%以上がより好ましいが、通常は市販の早強又は超早強ポルトランドセメントが使用される。
【0027】
また、高強度を得る場合は、セメントの種類は限定されなく(水硬性の最も小さいシリカセメントはオートクレーブ養生すると高強度が得られる)、市販の各種セメントが使用される。
【0028】
本発明のポリカルボン酸系減水剤の使用量は、固形分換算でセメント100重量部に対して多くても2重量部であり、より好ましくは0.1〜1重量部である。
0.1重量部未満では充分な流動性が得られなく、2.0 重量部を超えると凝結遅延性が大きくなり、初期強度の発現が遅れるので好ましくない。
【0029】
本発明の無水セッコウは、天然に産出する天然無水セッコウ又は半水セッコウや二水セッコウを熱処理して得られる無水セッコウ及び工業副産物として発生する無水セッコウ等の使用が可能であり、いずれもII型の形態を示すものである。無水セッコウの粉末度は、ポルトランドセメントと同等以上で有れば良く、特に限定されないものである。
無水セッコウの使用量は、現場打ちコンクリート(常温で養生)の場合と常圧蒸気養生する場合では高強度を得るための適正使用量は異なるが、常温養生ではセメント100重量部に対して、1〜8重量部が好ましく、3〜6重量部がより好ましい。1重量部未満では高強度の発現性が小さく、8重量部を超えると強度は低下する。また、常圧蒸気養生する場合は多くても15重量部であり、15重量部を超えて添加してもそれ以上の強度の増進がなく、好ましくは、12重量部以下、より好ましくは3〜10重量部である。
【0030】
本発明のポゾラン物質とは、シリコンアロイの製造時に副生するシリカフューム及び稲藁や籾殻、その他ケイ化木の焼成灰、人工的に合成されるアエロジルなどの非晶質活性シリカの超微粉末、メタカオリンなどのアルミノ珪酸塩質の粘土鉱物の焼成物の粉末である。これらは一種又は二種以上併用可能である。
ポゾラン物質の使用量は、セメント100重量部に対して多くても30重量部であり、30重量部を超えて使用してもそれ以上の強度増進は望めない。好ましくは20重量部以下、より好ましくは3〜15重量部であり、無水セッコウなどと併用すると少ない使用量で高強度が得られる。
【0031】
本発明で初期強度を助長するために使用する凝結促進剤は、蟻酸や乳酸塩及び酢酸塩のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩の他に、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸カルシウムなどの硝酸塩類、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸アルミニウム、各種ミョウバン類、ミョウバン石及び仮焼ミョウバン石、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムなどの硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム及びチオシアン酸カルシウムなどのチオシアン酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム及びチオ硫酸カルシウムなどのチオ硫酸塩類などが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を併用することが可能である。
凝結促進剤の使用量は、その種類によっても適正量は異なるがセメント100重量部に対して、無水物換算で0.1〜3重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。0.1重量部未満では初期強度発現性が不充分な場合があり、3重量部を超えても更なる効果の増進が期待できないし、スランプロスを促進したり、減水率を低下させるなどの弊害が発生する場合がある。
【0032】
本発明のコンクリート組成物の練混ぜは常法で良く、ポリカルボン酸系減水剤と、セメント、無水セッコウ、ポゾラン物質、凝結促進剤は、コンクリートの練混ぜ時に他の材料と一緒に別々にミキサに投入しても良く、あらかじめ無水セッコウ、ポゾラン物質、凝結促進剤などを混合して、あるいはポリカルボン酸系減水剤(粉末)と、無水セッコウ、ポゾラン物質、凝結促進剤の全部を混合しておいてミキサに投入しても差し支えない。
【0033】
また、本発明において、コンクリート製造時に必要によって消泡剤や増粘剤及び空気連行調節剤や防錆剤、さらに防凍剤や高分子エマルジョンのうちの一種又は二種以上を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で適量併用することが可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0035】
実施例で用いる使用材料と測定方法をまとめて以下に示す。
<セメント>
A:電気化学工業社製早強ポルトランドセメント、3CaO・SiO2含有量66重量%、ブレーン値4,460cm2/g
B:電気化学工業社製、普通ポルトランドセメント、3CaO・SiO2含有量50重量%、ブレーン値3,200cm2/g
C:電気化学工業社製、高炉セメント(B種)、ブレーン値4,500cm2/g
D:電気化学工業社製、フライアッシュセメント(B種)、ブレーン値3,800cm2/g
【0036】
<ポリカルボン酸系減水剤>
イ〜ナ:共重合体(I)(分子量30,000,カルボキシル基1モルに対するオキシエチレン単位のモル数は30)と共重合体(II)の分子量と配合量を変えてブレンドしたポリカルボン酸系減水剤(表1)
【0037】
<無水セッコウ、ポゾラン物質>
無水セッコウ:ブレーン値4,120cm2/gの天然無水セッコウ
シリカフューム:エルケム社製、比表面積24m2/g(BET法)
メタカオリン:カオリナイトを600℃で焼成してブレーン値8900cm2/gに粉砕したもの
【0038】
<凝結促進剤>
a:蟻酸カルシウム一級試薬
b:乳酸カルシウム一級試薬
c:酢酸ナトリウム一級試薬
d:アルミン酸ナトリウム一級試薬
e:ケイ酸ナトリウム一級試薬
f:炭酸ナトリウム一級試薬
g:硝酸カルシウム一級試薬
h:亜硝酸カルシウム一級試薬
i:硫酸カリウム一級試薬
j:硫酸アルミニウム一級試薬
k:カリミョウバン一級試薬
l:亜硫酸ナトリウム一級試薬
m:チオシアン酸ナトリウム一級試薬
n:チオ硫酸ナトリウム一級試薬
【0039】
<骨材など>
細骨材:新潟県姫川産川砂
粗骨材:新潟県姫川産砕石、最大寸法25mm
水:水道水
【0040】
<測定方法>
スランプ:JIS A 1101に準じて測定、スランプの経時変化を測定する場合は、静置しておいてスコップで練り返して行う。
圧縮強度:JIS A 1108に準じて測定、供試体寸法はφ10×20cm。
スランプフロー:スランプ試験時のコンクリートの広がりを直角方向に2点測定した平均値。
【0041】
【表1】
Figure 0004472812
【0042】
参考例
セメントA〜Dを使用し、単位量をセメント450kg/m3、水135kg/m3、細骨材739kg/m3、粗骨材1000kg/m3を基本配合としたコンクリートに、表1のように調整したポリカルボン酸系減水剤をセメント100重量部に対する使用量(固形分換算)を変えてコンクリートを練混ぜ、スランプ及びその経時変化と圧縮強度を測定した。なお、ポリカルボン酸系減水剤は、練混ぜ水に溶解して添加し、試験温度は30±2℃とした。その結果を表2に示した。
【0043】
表2より、本発明の共重合体(II)の分子量を大きくしてゆくと高温時においても流動性の保持効果は大きくなるが、流動性(スランプ、即ち、減水率)は順次低下し、この両者の観点から分子量は5,000〜100,000であり、好ましくは10,000〜80,000であることが示される(実験No.1-2〜1-7)。
なお、流動性保持効果が大きくなると初期強度は低下する傾向にあるが、概ね28日強度は増大する傾向が示される(実験No.1-2〜1-7、実験No.1-12〜1-17)。
表3より、共重合体(I)単独の場合でオキシエチレン単位のモル数が小さく重合度が低い場合は、流動性も大きくなり、スランプの保持効果もそれほど減少しない傾向にあるが、初期強度が低下し、オキシエチレン単位のモル数が大きく重合度が高い場合は、流動性は低下し、スランプの保持効果は低下するが初期強度は改善される(実験No.1-21〜25)。これに本発明の共重合体(II)を組み合わせた場合は、スランプの経時変化はいずれの場合も改善され、そのほかの傾向は、共重合体(I)単独の場合と同様である。そして、オキシエチレン単位のモル数が15〜50、重合度10,000〜80,000の範囲が流動性と初期強度の面から好ましいことが示される(実験No.1-26〜30)。
【0044】
【表2】
Figure 0004472812
【0045】
【表3】
Figure 0004472812
【0046】
また、使用量が0.1重量部では、流動性は低いが流動性の保持効果は発揮される。1.0重量部を超え2.0重量部では、流動性も保持効果も十分発揮されるが初期強度が小さく、28日強度も低下する傾向にある。したがって、使用量は多くても2.0重量部であり、好ましくは0.1重量部〜1.0重量部であることが示される(実験No.1-12〜1-17)。
さらに、セメントの種類を変えても流動性の保持効果は変わらないことが示される(実験No.1-18〜1-20)。
【0047】
実験例1
参考例の実験No.1-18のコンクリートにおいて、セメント100重量部に対して無水セッコウ、シリカフューム、メタカオリンの使用量と組み合わせを変え、細骨材と置き換えて(容積換算)添加したこと以外は、参考例と同様の試験を行った。その結果を表4に示す。
【0048】
表4より、強度発現性は、常温養生ではセメント100重量部に対して、1〜8重量部が好ましく、3〜6重量部がより好ましいことが示され、1重量部未満では強度発現性が小さく、8重量部を超えても強度発現性は低下する(実験No.2-1〜2-8)。
また、ポゾラン物質の使用量は、セメント100重量部に対して多くても30重量部であり、30重量部を超えて使用してもそれ以上の強度増進は望めなく、好ましくは20重量部以下、より好ましくは3〜15重量部であることが示される(実験No.2-9〜2-15)。無水セッコウとの併用は、少ない使用量で高強度が得られることが示される(実験No.2-19〜2-21)。
なお、流動性の保持効果は、無水セッコウでは適量添加で保持性を助長し、ポゾラン物質では、シリカフュームの場合は使用量が多くなると初期の流動性は向上し、保持効果は低下する傾向が示されるが、共重合体(I)だけの参考例の実験No.1-1の比較例と比べると、十分な流動性の保持効果が得られる。
また、メタカオリンの場合は、初期の流動性は低下するが、流動性の保持効果はシリカフュームと同様の傾向を示している。
【0049】
【表4】
Figure 0004472812
【0050】
実験例2
実験例1の実験No.2-1〜2-8、No.2-19〜2-21のコンクリートにおいて、前養生時間5時間、75℃まで2.5時間まで上げ、そのまま5時間保持し、翌日まで蒸気養生槽内で徐冷して脱型し、脱型強度と、脱型後室内で7日養生したときの強度を測定したこと以外は、参考例と同様に行った。その結果を表5を示す。
【0051】
表5より、常圧蒸気養生では無水セッコウの使用量は、多くても15重量部であり、15重量部を超えて添加してもそれ以上の強度の増進は望めない傾向となり、好ましくは、12重量部以下、より好ましくは3〜10重量部である(実験No.3-1〜3-8)。
また、無水セッコウとポゾラン物質の併用は、少ない使用量で高強度が得られることも示される(実験No.3-19〜3-21)。
【0052】
【表5】
Figure 0004472812
【0053】
実験例3
参考例の実験No.1-4、No.1-19、No.1-20、実験例1の実験No.2-3、2-11、2-21のコンクリートにおいて、凝結促進剤の種類とセメント100重量部に対する使用量を変えて練混ぜ水に溶解し、試験温度を10℃としたこと以外は、参考例と同様の実験を行った。その結果を表5に示す。
【0054】
表6、表7より、凝結促進剤の使用量は、その種類によっても適正量は異なるがセメント100重量部に対して、無水物換算で0.1〜3重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましいことが示される。また、0.1重量部未満では初期の強度発現性が不充分であり、3重量部を超えても更なる効果の増進が期待できないことも示される(実験No.4-1〜4-7)。
さらに、凝結促進剤の種類によっては、3重量部を超えるとスランプを大きく低下(減水率の低下)させたり、スランプロスを促進したりするなどの弊害を示す場合もある(実験No.4-2〜4-7、4-22〜4-26)。
また、凝結促進剤同士の併用は、流動性の保持効果や強度発現性に良い影響を与える場合があることも示される(実験No.4-31〜4-36)。
【0055】
【表6】
Figure 0004472812
【0056】
【表7】
Figure 0004472812
【0057】
【発明の効果】
本発明のポリカルボン酸系減水剤を使用することにより、スランプロスに対してセメントの種類や銘柄が変わった場合やコンクリート温度の影響を受け難く、流動性の保持効果(スランプロスの防止効果)が大きく、さらに、無水セッコウ、ポゾラン物質及び凝結促進剤の中から選ばれた一種又は二種以上を併用することにより、初期の強度発現性の良好なコンクリート又は高強度コンクリートが得られる。

Claims (6)

  1. セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、無水セッコウ1〜8重量部とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物。
    Figure 0004472812
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  2. セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、ポゾラン物質30重量部以下とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物。
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  3. セメント100重量部と、ポリカルボン酸系減水剤と、凝結促進剤を無水物換算で0.1〜3重量部とを含有してなるコンクリート組成物であって、ポリカルボン酸系減水剤が、式(1)、(2)、及び(3)で示される構成単位からなり、オキシエチレン単位のモル数nが、共重合体中のカルボキシル基1モルに対して10〜60モルであり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(I)と、式(4)で示される構成単位からなり、分子量が5,000〜100,000の共重合体(II)とを混合したポリカルボン酸系減水剤であることを特徴とするコンクリート組成物。
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  4. ポリカルボン酸系減水剤中の共重合体(II)が、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと無水マレイン酸を共重合し、ポリオキシエチレンモノアリルエーテルとエステル化することにより得られるものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  5. ポリカルボン酸系減水剤中の共重合体(II)が、共重合体(I)100重量部に対して、30〜120重量部である請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  6. ポリカルボン酸系減水剤が、セメント100重量部に対して、固形分換算で2重量部以下である請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のコンクリート
    組成物。
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