JP4877882B2 - 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタルやコンクリートに使用される、モルタルのフローの低下やスランプロス及び自己流動性によるダレを改善した高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、高性能減水剤は、リグニンスルホン酸塩系やポリオール系、オキシカルボン酸塩系などの一般的な減水剤と比較して減水率が大きく、また、ポリカルボン酸塩系の高性能AE減水剤と比較して比較的多量に添加しても凝結硬化に対する遅延性が小さく、かつ、空気連行性も小さいので高強度モルタル又はコンクリートの製造に好適である。
しかしながら、フローの低下やスランプロスが大きいために、生コンプラントで練混ぜて運搬して打設する現場打ちのモルタルやコンクリートには使用されなく、コンクリートの処理時間が15分程度と短いコンクリート製品のみに使用されている。さらに、この製品工場においてもトラブルが発生して30分以上放置されると成形できない場合もあるという課題を有する。
また、高性能減水剤を添加したモルタルやコンクリートは、その添加量が多いほど粘性が高くなり傾斜があると自己流動してダレが生じ、施工できないという課題を有する。
【0003】
一方、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールは水に可溶性であり、壁用モルタルのコテ延び性の改善などに多用されている。また、高性能減水剤とポリビニルアルコールの併用で遠心力成形性(脱水性)を向上させる、遠心力成形方法が提案されている(特開昭61-127653号公報)。しかしながら、この提案では遠心力成形性の改善するにはポリビニルアルコールであれば何でも良く、鹸化度の制限はない。そして本発明の目的であるスランプロスの改善効果などについては全く示唆されていないし、高性能減水剤に起因するダレを改善する効果についても示されていない。
【0004】
石膏類は、一般にセメントの凝結を正常化するために膨張しない範囲(最大値はJIS規格でセメントの種類毎に設定され、使用される石膏の種類は二水石膏である)で添加されている。炭酸カルシウムは、セメントの増量材として5%以下で有れば添加しても良いことになっている。このように規定量の石膏や、石膏と炭酸カルシウムが添加されていても高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。
また、本発明のように、さらに多くの石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合しても、その配合量の多寡に関係なく高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。
ましてや、石膏類及び/又は炭酸カルシウムが、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールの有する高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果を助長することも知られていない。
なお、石膏類の中でもII型の無水石膏は、通常セメントに比較的多量に配合することにより、常圧蒸気養生及び常温において強度を高めることは知られており、高強度コンクリートの製造に利用されている。
【0005】
活性シリカは、セメントの水和反応によって生成する水酸化カルシウムと反応してCaO−SiO2−H2O水和物を生成して強度を高めることは知られているが、高性能減水剤を添加したモルタルのフローやコンクリートのスランプロスはむしろ促進するという課題がある。そして鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールが、この活性シリカが促進するモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果があることは全く知られいてない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高性能減水剤の前記課題を解決するに当たり、鋭意研究した結果、特定の鹸化度のポリビニルアルコールの少量と高性能減水剤を比較的多く配合することにより、また、石膏類及び/又は炭酸カルシウム、活性シリカを配合することにより、良好な作業性を維持したまま高強度を発現させることができることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とするものであり、これらの一種又は二種以上の高性能減水剤と鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールに石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合してなり、セメント100部に対して、高性能減水剤が固形分換算で0.6〜5.0部、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールが0.005〜0.5部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムが15部以下となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材、(2)セメント100部に対して、活性シリカを30部以下配合することを特徴とする(1)の高強度セメント混和材、(3)セメントに(1)又は(2)の高強度セメント混和材を配合することを特徴とするセメント組成物、(4)セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で0.6〜5.0部、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールは0.005〜0.5部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下、活性シリカは30部以下とすることを特徴とする(3)のセメント組成物である。
なお、本発明で使用する配合割合を示す部は質量単位である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本発明の高性能減水剤とは、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とするものであり、これらの一種又は二種以上が使用されるものである。そして、前記したリグニンスルホン酸塩系などの一般的な減水剤やポリカルボン酸塩系の減水剤とは異なるカテゴリーの減水剤である。
ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤には、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物などがあり、市販品としては、電気化学工業(株)商品名「FT-500」とそのシリーズ、花王(株)商品名「マイティ-100(粉末)」や「マイティ-150」とそのシリーズ,第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」、竹本油脂(株)商品名「ポールファイン510N」など、山陽国策パルプ(株)商品名「サンフローPS」とそのシリーズなどが代表的である。芳香族アミノスルホン酸塩系高性能減水剤としては、藤沢薬品(株)商品名「パリックFP200H」とそのシリーズがあり、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤には、グレースケミカルズ(株)商品名「FT-3S」、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」や「モルマスターF-20(粉末)」が挙げられる。
【0010】
本発明の高性能減水剤は、セメント100部に対して固形分換算で0.6〜5.0部となるように比較的多量に配合される。鹸化度80〜95mol%未満のポリビニアルコールは高性能減水剤の減水率を低下させるので0.6部未満では十分な減水率が得られないことと、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニアルコールが適量配合されていても0.6部未満と高性能減水剤が少ないとモルタルのフローの低下やコンクリートのスランプロス(以下、単にスランプロスという)を防止する効果は小さいので好ましくない。また、5.0部を超えて配合しても減水率は向上しないし、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニアルコールとの相互作用によるスランプロスの改善効果も向上しないので好ましくない。好ましくは0.8〜4.0部、より好ましくは1.0〜3.0部である。
【0011】
本発明のポリビニルアルコールは、鹸化度80〜95mol%未満の部分鹸化したもの(以下、単にPVAという)である。PVAの鹸化度が80mol%未満では、ランプロスを改善する効果は小さくなり好ましくない。また、95mol%以上の鹸化度では急に流動性が大きくなりダレ性を改善する効果がなくなるので好ましくない。より好ましい鹸化度の範囲は、85〜93mol%である。
【0012】
本発明のPVAは、セメント100部に対して0.005〜0.5部となるように配合する。0.005部未満では高性能減水剤の配合量を多くしてもスランプロスを改善する効果は小さく、また、0.5部を超えて配合すると逆にスランプロスを促進するようになるので好ましくない。好ましくは0.01〜0.5部、より好ましくは0.02〜0.3部である。
本発明において石膏類及び/又は炭酸カルシウムは、PVAの有するスランプロスを改善する効果を助長する。
【0013】
石膏類は、II型の無水石膏、二水石膏、半水石膏、III型無水石膏が使用されるが、特に、II型の無水石膏はスランプロスの改善効果が大きく、かつ、強度の増進効果も有するので好ましい。II型の無水石膏は天然産のものやフッ酸発生時に副生するフッ酸石膏、他の形態の石膏類を350℃以上の温度で熱処理したものが使用され、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0014】
これらの石膏類は、セメント100部に対して多くても無水物換算で15部配合されるが、これを超えるとスランプロスの改善を助長する効果が低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。
【0015】
炭酸カルシウムは、石灰石を粉砕した重質のもの、沈降法による軽質のもののいずれも使用可能であるが、石灰石を粉砕した重質のものが安価で好ましい。これらはセメント100部に対して多くても15部配合されるが、これを超えるとスランプロスの改善を助長する効果は低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。なお、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0016】
石膏類と炭酸カルシウムを併用して配合すると、特に、スランプロスの改善を助長する効果がより大きくなるので好ましい。この場合のセメントに対する配合量はそれぞれ任意の割合でかつ、合量で10部以下が好ましい。
【0017】
本発明において、スランプロスとダレ性を改善した良好な作業性を維持したままで高強度を発現する高強度セメント混和材やセメント組成物を提供するために活性シリカを配合する。活性シリカとはシリコンやシリコン合金を電気炉で製造するときに発生するシリカフュームや稲、藁、竹、葦などのケイ化木の焼成灰、人工のアエロジル(以上、いずれも非晶質SiO2を主成分とする超微粉末)及びアルミナケイ酸塩の粘土鉱物を焼成したもの、麦飯石、珪藻土などの一種又は二種以上を配合する。
【0018】
活性シリカはセメント100部に対して、多くても30部配合され、30部を超えて配合するとPVAのスランプロス改善効果が阻害されるようになり、かつ、強度の伸びも期待ではないので好ましくない。好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部である。
【0019】
また、本発明におけるセメントとは普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、低発熱(ビーライト)セメント、耐硫酸塩性ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントの他、シリカ粉末や高炉スラグ粉末及びフライアッシュを混合した混合セメントであり、既に適量の石膏が添加されているものであるが、ポルトランドセメントクリンカーをベースに予めセメント組成物として製造しても良い。
【0020】
本発明の高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物を使用して、モルタルやコンクリートを練混ぜるに際し、特別な方法は必要でなく、各成分を別々に、又は予め混合した混和材やセメント組成物を他のコンクリート材料と一緒にミキサに投入して常法にて練混ぜることができる。
【0021】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0022】
【実施例】
実施例で使用する材料と試験項目とその方法を以下にまとめて示す。
【0023】
「使用材料」
(1)セメント:電気化学工業(株)製普通ポルトランドセメント
(2)砂:新潟県姫川産川砂(5mm下)
(3)砕石:新潟県姫川産砕石(20〜5mm)
(4)高性能減水剤
A:ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤,第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」
B:メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」
(5)PVA
a:電気化学工業(株)商品名「W-24」、重合度2400,鹸化度78mol%(比較)
b:電気化学工業(株)商品名「NP-05F」、重合度500,鹸化度80mol%
c:電気化学工業(株)商品名「B-17R」、重合度1700,鹸化度93mol%
d:電気化学工業(株)商品名「B-20」、重合度2000,鹸化度88mol%
e:電気化学工業(株)商品名「B-45」、重合度4500,鹸化度85mol%
f:電気化学工業(株)商品名「K-17」、重合度1700,鹸化度98.5〜99.5mol% (比較)
(6)石膏類など
イ:フッ酸発生無水石膏:粉末度5000cm2/g
ロ:二水石膏:粉末度3500cm2/g(試薬)
ハ:石灰石(炭酸カルシウム)粉末:粉末度6000cm2/g
(7)活性シリカ
I:シリカフューム(BET比表面積23m2/g)
II:メタカオリン:粉末度9000cm2/g
【0024】
「試験項目とその方法、試験温度は20℃」
(1)モルタルフロー:JIS R 5201による抜き上げたときと規定通り15回叩いたときのフローを測定する。ダレ性は練混ぜ直後の[(15回叩いたときのフロー値−100)/(抜き上げたときのフロー値−100)]の比率から判定する。なお、式中の100の数値はフローコーンの底辺の直径。なお、モルタルフローの経時変化はモルタルを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(2)コンクリートのスランプ:JIS A 1101によりスランプを測定する。スランプの経時変化はコンクリートを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(3)コンクリート強度:JIS A 1132によりφ10×20cmの型枠に成形し、JIS A 1108により強度測定する。
【0025】
実施例1
セメント800g、砂1600gを配合し、15回叩いたときのフロー200±10mmのモルタルに高性能減水剤の種類と配合量及び鹸化度の異なったPVAの種類と配合量を変えた場合のフローの経時変化とダレ性を判定した結果を、用いた水量と一緒に表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004877882
【0027】
表1より、PVAを一定とし、高性能減水剤の配合量を変化させた場合、セメント100部に対して高性能減水剤の量が0.6部では30分はフローの低下を防止し、その後はフローダウンを促進しているが、これはコンクリート二次製品などで成形後、なるべく速く仕上げ(コテ)をして蒸気養生する場合に好都合である。(実験No.1-1とNo.1-9の比較)。
さらに、高性能減水剤の配合量を多くするほどフローダウンも小さくなるが、0.8部以上で顕著となり、1.0部以上でより顕著となる。また、高性能減水剤を増加させて行くとフローダウンの改善効果は向上するが減水率は殆ど向上しないし、5.0部ではフローダウンの改善効果も停滞する傾向が認められる。したがって、高性能減水剤の量は0.8〜4.0部が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0部である(実験No.1-9〜No.1-18)。
また、高性能減水剤量を一定として、本発明の鹸化度の範囲のPVAの配合量を変えた場合は、セメント100部に対してPVAの配合量が0.005部からフローダウンの改善効果が示されるが(実験No.1-4とNo.1-19の比較)、0.01部以上で顕著となり、0.02部以上でより顕著となるが、0.5部と多くなるとフローダウンの改善効果は逆に低下する傾向となり、0.5部以上ではより大きくなることが示唆される。したがって、PVAは0.01〜0.5部が好ましく、より好ましく0.02〜0.3部(実験No.1-19〜No.1-26)であることが示される。なお、鹸化度が80mol%未満ではフローダウンはむしろ促進される(実験No.1-27の比較例)。
【0028】
ダレ性の判定は比率が大きいほどダレ性が小さく、感覚的なものも加えると数値的には4.00前後以上でダレ難くなる。高性能減水剤の多寡に拘わらずPVAの配合量がセメント100部に対して0.005部以上で比率は4.0以上となり、配合量が多くなるほど大きな数値を示し、よりダレ難くなるものである(例えば、実験No.1-19〜No.1-26)。なお、鹸化度が95mol%以上では、急に流動化し、ダレ性の改善効果は示されなくなる(実験No.1-31の比較例)。
【0029】
実施例2
実施例1の実験No.1-12のモルタルに石膏類及び/又は石灰石粉末の配合量を変えた場合のフローの経時変化と、用いた水量を表2に示す。
【0030】
【表2】
Figure 0004877882
【0031】
表2より、石膏類はセメント100部に対して無水物換算で1.0部より配合量を増加させて行くとフローの低下を防止する助長効果が顕著となることが示される。しかしながら、多すぎるとフローの低下を防止する助長効果は小さくなり、15部では顕著となる。したがって、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。(実験No.2-1〜No.2-8)。
【0032】
炭酸カルシウムの場合も、セメント100部に対して1.0部よりフローの低下を防止する助長効果が示され、配合量を増加させて行くと助長効果も大きくなり、石膏の場合よりもその助長効果は大きい傾向にある。しかしながら、多すぎるとフローの低下を防止する助長効果は低下するようになり、15部ではそれが顕著となる。したがって、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部であることが示される(実験No.2-9〜No.2-15)。また、石膏の種類を変えても同様の効果が示されるが(実験No.2-16〜No.2-18)、石膏類と炭酸カルシウムの併用は、よりフローの低下を防止する助長効果を示す(実験No.2-19〜No.2-21)。
【0033】
実施例3
最大寸法20mmの砕石,空気量3%、スランプ18±2.5cm、単位セメント量350kg/m3、単位水量135kg/m3、単位砂量792kg/m3、単位砕石量950kg/m3、高性能減水剤量A4.2kg/m3(セメント100部に対して1.2部)、PVAdを0kg/m3と175g/m3(セメント100部に対して0.05部)、石膏類イを0kg/m3と14kg/m3(セメント100部に対して4部、砂と容積で置き換えて外割添加した)とした4種類のコンクリートの基本配合に、活性シリカの種類と配合量を変えてコンクリートを練混ぜ、そのスランプの経時変化と材齢28日の圧縮強度を測定した結果と、実際に用いた単位水量を表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0004877882
【0035】
表3より、PVAは活性シリカを併用してもスランプロス防止効果が十分発揮される。また、活性シリカの配合量を多くして行くとスランプロス防止効果は少しずつ低下して行くが、30部を配合しても1時間は充分作業時間が確保できる。また、活性シリカは1部の配合量から強度が増加し、さらに多くして行くと強度も順次増大するが、30部では頭打ちとなり30部を超えて配合しても強度の増加はこれ以上期待できない。したがって、活性シリカの配合量は30部以下で、好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部であり、特に、石膏類との併用は相乗的に高強度が得られる。
【0036】
【本発明の効果】
本発明の高性能減水剤とPVAを主成分とする高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物を用いると、
▲1▼スランプロスやダレを改善した良好な作業性のコンクリートを容易に製造することができる。
▲2▼石膏類及び/又は炭酸カルシウムを併用することにより、スランプロスをより改善した良好な作業性のコンクリートを容易に製造することができる。
▲3▼II型無水石膏及び/又は活性シリカを併用することにより、良好な作業性を保ちながら高強度コンクリートを容易に製造でき、耐久性の高い土木建築構造物やコンクリート二次製品用のコンクリートを製造することができる。

Claims (4)

  1. ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とするものであり、これらの一種又は二種以上の高性能減水剤と鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールに石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合してなり、セメント100部に対して、高性能減水剤が固形分換算で0.6〜5.0部、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールが0.005〜0.5部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムが15部以下となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材。
  2. セメント100部に対して、活性シリカを30部以下配合することを特徴とする請求項1の高強度セメント混和材。
  3. セメントに請求項1又は2の高強度セメント混和材を配合することを特徴とするセメント組成物。
  4. セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で0.6〜5.0部、鹸化度80〜95mol%未満のポリビニルアルコールは0.005〜0.5部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下、活性シリカは30部以下とすることを特徴とする請求項3のセメント組成物。
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