JPH11157889A - セメント・コンクリート製品用水硬性組成物 - Google Patents

セメント・コンクリート製品用水硬性組成物

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JPH11157889A
JPH11157889A JP34201997A JP34201997A JPH11157889A JP H11157889 A JPH11157889 A JP H11157889A JP 34201997 A JP34201997 A JP 34201997A JP 34201997 A JP34201997 A JP 34201997A JP H11157889 A JPH11157889 A JP H11157889A
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Shoji Hisayoshi
昭二 久芳
Tomohiko Sakamoto
知彦 坂本
Tsuyoshi Kido
強 城戸
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
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    • C04B28/04Portland cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作製されたセメント製品・コンクリート製品
が、比較的低収縮性でありながら比較的高い強度となる
水硬性組成物を提供する。 【解決手段】 普通ポルトランドセメントまたは早強ポ
ルトランドセメント100重量部に対して、石膏を混合
比5〜20重量部で外割添加し、また高炉スラグ微粉
末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およびシリカフュー
ムのうちの少なくとも1つを全体で5〜20重量部の混
合比になるように添加する。または、これに合成樹脂エ
マルジョン粉末を3〜15重量部混合する。低収縮性で
あって、しかも高強度であるセメント製品またはコンク
リート製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はセメント・コンク
リート製品用水硬性組成物、詳しくは建築資材、土木資
材などとして用いられるセメント製品またはコンクリー
ト製品を製造するための水硬性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】今日において、セメントスラリー、モル
タルおよびコンクリートを型枠に流し込み、これを硬化
したセメント製品またはコンクリート製品は、各種の構
築物の構成要素としてなくてはならないものとなってい
る。例えば、コンクリート建物の壁を構成するプレキャ
ストパネル(建材)や、ヒューム管やスレート板、セメ
ントタイル、テラゾー(人工大理石)などがそれであ
り、その用途は多岐にわたっている。ところで、従前ま
で、このようなセメント製品、コンクリート製品の曲げ
強度の補強は、組成物中にアスベストを混入することで
行われていた。しかしながら、最近になって、アスベス
トは肺ガンなどの誘因物質であることが医学会で発表さ
れた。これにより、今では国際的にその使用廃止が提唱
されるようになった。なお、従来におけるセメント・コ
ンクリート製品用の水硬性組成物としては、普通ポルト
ランドセメントまたは早強ポルトランドセメントに外割
で石膏を混合したものがほとんどであった。そこで、こ
のようなアスベストの不使用運動を踏まえて、従来、ア
スベストに代わる新たなコンクリート二次製品の補強方
法が開発されている。すなわち、例えばセメントスラリ
ー中に、適量のパルプ、合成繊維等を混入する方法がそ
れである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトラ
ンドセメントに石膏を混合した水硬性組成物では、骨材
や水と混練してセメントスラリー、モルタルおよびコン
クリートをつくり、これを型枠に流し込んで硬化させた
際、その収縮率が大きすぎて、脱型後の製品が設計上の
形状と異なってしまう。これにより、デザイン性および
強度などが劣った不良品の発生頻度が増大するおそれが
あった。また、パルプや合成繊維を混入した、モルタル
およびコンクリートの場合では、耐火性が十分でないと
いう不都合があった。そして、従来の水硬性組成物の場
合、その組成物全体の比表面積は、3000cm2/g
程度となっていた。したがって、このように比表面積が
小さい従来の組成物を原材料としたセメント製品・コン
クリート製品の強度は、さほど大きくなならないという
問題点があった。これらのことから、今日の建築および
土木等の産業分野では、低収縮性で、かつ高強度の水硬
性組成物の開発が切望されている。
【0004】
【発明の目的】そこで、この発明は、得られたセメント
製品・コンクリート製品が低収縮性でありながら強度の
向上をも図れるセメント・コンクリート製品用水硬性組
成物を提供することを、その目的としている。また、こ
の発明は、セメント製品・コンクリート製品のより以上
の高強度化が図れるセメント・コンクリート製品用水硬
性組成物を提供することを、その目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトランド
セメント100重量部に対して、石膏が5〜20重量
部、高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末
およびシリカフュームのうちの少なくとも1つが5〜2
0重量部混合したセメント・コンクリート製品用水硬性
組成物である。
【0006】普通ポルトランドセメントは、珪酸三カル
シウムC3S(3CaO・SiO2),珪酸二カルシウム
2S(2CaO・SiO2),アルミン酸三カルシウム
3A(3CaO・Al23),鉄アルミン酸四カルシ
ウムC4AF(4CaO・Al23・Fe23)を主成
分とする。また、早強ポルトランドセメントは、セメン
ト組成中、早期強度の発現に貢献する化合物である珪酸
三カルシウム(3CaO・SiO2)を、普通ポルトラ
ンドセメントより多くしている。ここでは、その汎用品
を使用することができる。
【0007】普通ポルトランドセメントの場合、その比
表面積は3000〜3500cm2/gである。また、
早強ポルトランドセメントの場合のそれは4000〜4
500cm2/gである。石膏のポルトランドセメント
100重量部に対する混合比が5重量部未満では、セメ
ント系初期水和物であるエトリンガイトの生成が少なく
なる。これにより、初期強度の発現が低下したり、収縮
率の増大を防止できない。また、石膏の混合比が20重
量部を超えると、エトリンガイトの生成が多くなり、カ
ルシウムシリケート水和物の生成が少なくなって、材齢
7日以降の強度発現が悪くなってしまう。なお、使用す
る石膏は、二水石膏,半水石膏,無水石膏のいずれでも
よい。石膏の比表面積は3000〜7000cm2/g
である。
【0008】高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ
質微粉末およびシリカフュームのうち少なくとも1つと
は、高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末
およびシリカフュームをそれぞれ単独で混合してもよ
く、またこのうちの任意の2種類,任意の3種類または
全種類の組み合わせでもよいことを意味する。高炉スラ
グ微粉末とは、溶鉱炉で銑鉄をつくる際に発生する副産
物であるスラグを急冷し、適切な粒径に粉砕したもので
ある。主成分は、酸化カルシウム(40〜43重量
%),二酸化珪素(32〜35重量%),酸化アルミニ
ウム(14〜16重量%)である。
【0009】石灰石微粉末とは、石灰石をブレーン値3
000cm2/g〜7000cm2/g程度に粉砕した微
粉末である。シリカ質微粉末とは、二酸化珪素を主成分
とした非晶質の微粉末である。ポゾラン反応を有するた
め、これを添加することにより、水和物の組織がち密化
し、水密性および耐久性に富む水硬性組成物となる。通
常、オートクレーブ養生するコンクリート製品に汎用さ
れる。オートクレーブ養生とは、気圧釜(オートクレー
ブ)内で、摂氏180度前後、蒸気圧10気圧前後の高
温高圧により養生する方法である。シリカフュームと
は、流動性が高くて高強度のコンクリートが得られるコ
ンクリートの添加材である。これは、フェロシリコンや
金属シリコンなどの製造時に副生される非晶質の二酸化
珪素を主原料としている。一般的には、平均粒径0.1
μm程度、比表面積が1g当たり約20平方メートル
の、球形の超微粒子である。これにより、セメント水和
物の間に入り込んで、マイクロフィラー効果と称される
コンクリートの組織を緻密化する効果が得られる。ま
た、ポゾラン反応という、セメントの水和物とシリカフ
ュームが反応して安定した物質を生成する反応も得られ
る。
【0010】また、高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,
シリカ質微粉末およびシリカフュームのうち少なくとも
1つの、ポルトランドセメント100重量部に対する混
合比が5重量部未満では、強度の増進および収縮の低減
が不十分となる。また、混合比が20重量部を超える
と、上記の効果より以上の増進が認められなくなる。こ
うして得られたセメント・コンクリート製品用水硬性組
成物は、骨材や水と混練してスラリー、モルタルおよび
コンクリートにしてから使用される。硬化後のセメント
・コンクリート製品用水硬性組成物からなるコンクリー
トの1日材齢の収縮率は、従来品1.0×10-4〜2.
0×10-4に対して、0.5×10-4 〜0.8×10-4
まで低くなった。また、その強度は従来品8.0〜1
0.0N/mm2に対して、10.0〜12.0N/m
2まで大きくなる。
【0011】請求項2に記載の発明は、普通ポルトラン
ドセメントまたは早強ポルトランドセメント100重量
部に対して、石膏5〜20重量部を混合し、高炉スラグ
微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およびシリカフ
ュームのうち少なくとも1つを5〜20重量部混合する
とともに、合成樹脂エマルジョン粉末を3〜15重量部
混合したセメント・コンクリート製品用水硬性組成物で
ある。合成樹脂エマルジョン粉末としては、例えばアク
リル系エマルジョン粉末、酢酸ビニル共重合樹脂エマル
ジョン粉末などがある。添加するエマルジョン粉末が3
重量部未満では、セメント・コンクリート製品の十分な
強度が得られなくなり、15重量部を越えると、より以
上の強度の増加が得られるものの、製品の耐火性が劣
り、製造コストが高くなり、経済的に劣ることとなる。
【0012】請求項3に記載の発明は、上記水硬性組成
物全体の比表面積が4000〜6000cm2/gであ
る請求項1に記載のセメント・コンクリート製品用水硬
性組成物である。水硬性組成物全体の比表面積が400
0cm2/g未満では強度の増進が不十分となる。ま
た、6000cm2/gを超えると収縮を増大させるこ
ととなる。
【0013】
【作用】請求項1,請求項2,請求項3に記載の発明に
よれば、普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトラ
ンドセメントと、このポルトランドセメント100重量
部に対して混合比5〜20重量部の石膏と、しかもこの
ポルトランドセメント100重量部に対して混合比5〜
20重量部の高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ
質微粉末およびシリカフュームのうちの少なくとも1つ
を、さらには3〜15重量部の合成樹脂エマルジョン粉
末を、例えばミキサに投入して混合することで、セメン
ト・コンクリート製品用水硬性組成物を作製する。得ら
れたセメント・コンクリート製品用水硬性組成物は、骨
材や水と混練してスラリー、モルタルおよびコンクリー
トにした後、例えば建物のプレキャストパネルの型枠に
流し込まれて成型される。
【0014】型枠に流し込まれたセメント・コンクリー
ト製品用水硬性組成物の水との混練物は、一般的なポル
トランドセンメントの場合と比べ、石膏の増加および高
炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末および
シリカフュームのうち少なくとも1つの添加により収縮
が調整され、低収縮となる。これにより、型枠内にコン
クリートの収縮に伴う空隙ができにくくなる。なお、セ
メントとして早強ポルトランドセメントを採用した場合
には、コンクリートの初期強度が大きくなり、硬化した
コンクリートが従来以上に高強度となる。
【0015】また、請求項2に記載の発明によれば、上
記エマルジョン粉末を添加しない場合に比べて、製造さ
れたセメント製品またはコンクリート製品の強度を高め
ることができる。特に、請求項3に記載の発明によれ
ば、組成物全体における比表面積が4000〜6000
cm2/gと高いので、硬化したコンクリートが緻密に
なり、高強度化する。なお、組成物全体の比表面積が大
きくなれば、コンクリート硬化時における収縮率も高く
なる傾向となる。そこで、組成物全体の比表面積を上記
範囲に限定することで、この比表面積の増大に伴う収縮
率の増加を抑えている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。ただし、この発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 (実施例1〜8、比較例1)普通ポルトランドセメント
(比表面積3200cm2/g)または早強ポルトラン
ドセメント(比表面積4300cm2/g)を主原料と
して、これに石膏(比表面積5000cm2/g)、高
炉スラグ微粉末(比表面積5000cm2/g)、石灰
石微粉末(比表面積6000cm2/g)、シリカ質微
粉末(9000cm2/g)、シリカフューム(200
000cm2/g)、アクリル系エマルジョン粉末(平
均粒径60〜80μm)を所定の条件で添加する。その
後、これらをミキサで混合して、セメント・コンクリー
ト製品用水硬性組成物をつくった。
【0017】得られたセメント・コンクリート製品用水
硬性組成物に対して水をW/C=40%でモルタルを混
練し、4×4×16cmの供試体を作製した。次いで1
週間水中養生した後、湿空で1日養生したものの収縮率
を測定した。また、1日水中養生した供試体の圧縮強度
を測定した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、高炉スラグ微粉
末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およびシリカフュー
ムのいずれも添加していない水硬性組成物では、硬化時
のモルタルの収縮率は2.0×10-4と比較的高い収縮
であった。しかも、硬化後の強度は材齢1日で約9.0
N/mm2と比較的低強度であった。これに対して、実
施例1〜8では、硬化時のモルタルの収縮率は5×10
-5と比較的低い収縮であった。また、硬化後の強度も約
11.0N/mm2と比較的高強度で良好な結果が得ら
れた。その評価を同じ表1に示す。
【0020】(実施例9〜11、比較例2,3)組成物
全体の比表面積を所定の条件に調整した以外は、実施例
1と同様の条件で、セメント・コンクリート製品用水硬
性組成物をつくった後、これを硬化して、同様に収縮率
の測定と圧縮強度試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、比較例2のセメ
ント・コンクリート製品用水硬性組成物では、組成物全
体における比表面積が2000cm2/gと低いので、
硬化したモルタルが低強度となった。また、比較例3で
は、その比表面積が8000cm2/gと高すぎるの
で、高強度にはなったものの、収縮率が高くなってしま
った。一方、実施例9〜11では、比較的低い収縮率を
維持し、かつ強度もさらに高強度となった。その評価を
同じ表2に示す。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、普通ポルトランドセ
メントまたは早強ポルトランドセメント100重量部に
対して、石膏を混合比5〜20重量部で添加し、また高
炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末および
シリカフュームのうちの少なくとも1つを5〜20重量
部の混合比になるように添加したので、低収縮性であっ
て、しかも高強度であるセメント製品またはコンクリー
ト製品を得ることができる。
【0024】特に、請求項3に記載の発明によれば、水
硬性組成物全体の比表面積を4000〜6000cm2
/gとしたので、この水硬性組成物を原材料とするセメ
ント製品またはコンクリート製品をより以上に高強度化
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 14:04) (72)発明者 城戸 強 愛知県名古屋市中区錦2−4−3 三菱マ テリアル株式会社名古屋支社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 普通ポルトランドセメントまたは早強ポ
    ルトランドセメント100重量部に対して、 石膏5〜20重量部を混合するとともに、 高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およ
    びシリカフュームのうち少なくとも1つを5〜20重量
    部混合したセメント・コンクリート製品用水硬性組成
    物。
  2. 【請求項2】 普通ポルトランドセメントまたは早強ポ
    ルトランドセメント100重量部に対して、 石膏5〜20重量部を混合し、 高炉スラグ微粉末,石灰石微粉末,シリカ質微粉末およ
    びシリカフュームのうち少なくとも1つを5〜20重量
    部混合するとともに、 合成樹脂エマルジョン粉末を3〜15重量部混合したセ
    メント・コンクリート製品用水硬性組成物。
  3. 【請求項3】 上記セメント・コンクリート製品用水硬
    性組成物全体の比表面積が4000〜6000cm2
    gである請求項1または請求項2に記載のセメント・コ
    ンクリート製品用水硬性組成物。
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