JP4679707B2 - 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

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    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタルやコンクリートに使用される、モルタルフローの低下やコンクリートのスランプロスを改善した良好な作業性で、かつ、高強度を発現するセメント混和材及びそれを用いたセメント組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、高性能減水剤は、リグニンスルホン酸塩系やポリオール系、オキシカルボン酸塩系などの一般的な減水剤と比較して減水率が大きく、また、ポリカルボン酸塩系の高性能AE減水剤と比較して比較的多量に添加しても凝結硬化に対する遅延性が小さく、かつ、空気連行性も小さいので高強度モルタル又はコンクリートの製造に好適である。
しかしながら、フローの低下やスランプロスが大きいために、生コンプラントで練混ぜて運搬して打設する現場打ちのモルタルやコンクリートには使用されないという課題を有している。そして、高性能減水剤はコンクリートの処理時間が15分程度と短いコンクリート製品の製造のみに使用されているが、この製品工場においてもトラブルが発生して30分以上放置されると成形できない場合があるという課題を有する。
【0003】
一方、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは、水に不溶又は難溶性であり、通常は繊維や紙の加工用として使用されており、モルタルやコンクリートには使用されない(通常、壁用モルタルなどに使用されるものは鹸化度の低い易溶性のポリビニルアルコールである)が、高性能減水剤とポリビニルアルコールを併用することにより遠心力成形時の脱水性が向上するとして遠心力成形方法が提案されている(特開昭61-127653号公報)。しかしながら、この提案では遠心力成形性を改善するにはポリビニルアルコールであれば何でも良く、鹸化度などの制限はないし、本発明の目的である高性能減水剤を添加したモルタルフローの低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果については全く示唆されていない。
【0004】
セメントには既に石膏類が凝結を正常化するために、モルタルやコンクリートが膨張しない範囲(セメントの種類によりJIS規格値が設定されている。添加される石膏の種類は一般には二水石膏である)で添加されている。炭酸カルシウムは増量材としてセメントに対して5%以下で有れば添加しても良いことになっているが、このように規定量の石膏や、石膏と炭酸カルシウムが添加されていても高性能減水剤を添加したモルタルフローの低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。
ましてや、本発明のように、さらに多くの石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合しても、その配合量の多寡に関係なく高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果はない。そして、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコール有するフロー低下やスランプロスの改善効果を助長することも知られていない。
なお、石膏類の中でもII型の無水石膏は、通常セメントに比較的多量に配合することにより、常圧蒸気養生及び常温において強度を高めることは知られており、高強度コンクリートの製造に利用されている。
【0005】
活性シリカの微粉末は、セメントの水和反応によって生成する水酸化カルシウムと反応してCaO−SiO2−H2O水和物を生成して強度を高めることは知られているが、高性能減水剤を添加したモルタルのフロー低下やコンクリートのスランプロスはむしろ促進されるという課題がある。そして、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールが、この活性シリカが促進するモルタルフローの低下やコンクリートのスランプロスを改善する効果があることは全く知られいてない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高性能減水剤の前記課題を解決するに当たり、鋭意研究した結果、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールの少量と高性能減水剤を比較的多量に用いることにより、また、石膏類及び/又はや炭酸カルシウム、活性シリカを併用することにより、良好な作業性を保持したままで高強度を発現できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とする一種又は二種以上の高性能減水剤と鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールと石膏類及び/又は炭酸カルシウムを主成分とし、セメント100部に対して、高性能減水剤は固形分換算で1.5〜5.0部、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは0.05〜1.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材、(2)活性シリカをセメント100部に対して30部以下となるように配合することを特徴とする(1)の高強度セメント混和材、(3)ポリビニルアルコールの重合度が500である(1)又は(2)の高強度セメント混和材、(4)セメントに(1)〜(3)のいずれかの高強度セメント混和材を配合したセメント組成物において、セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で1.5〜5.0部、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは0.05〜1.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)、活性シリカは30部以下であるセメント組成物である。
なお、本発明で使用する配合割合を示す部は質量単位である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本発明の高性能減水剤とは、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とするものであり、これらの一種又は二種以上が使用される。そして、前記したリグニンスルホン酸塩系などの一般的な減水剤やポリカルボン酸塩系の減水剤とは異なるカテゴリーの減水剤である。
ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤には、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物などがあり、市販品としては電気化学工業(株)商品名「FT-500」とそのシリーズ、花王(株)商品名「マイティ-100(粉末)」や「マイティ-150」とそのシリーズ,第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」、竹本油脂(株)商品名「ポールファイン510N」など、山陽国策パルプ(株)社商品名「サンフローPS」とそのシリーズなどが代表的である。芳香族アミノスルホン酸塩系高性能減水剤としては、藤沢薬品(株)商品名「パリックFP200H」とそのシリーズがあり、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤には、グレースケミカルズ(株)商品名「FT-3S」、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」や「モルマスターF-20(粉末)」が挙げられる。
【0010】
本発明の高性能減水剤は、セメント100部に対して固形分換算で0.8〜5.0部となるように比較的多量に配合される。本発明の鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは、高性能減水剤の配合量が0.8部以上で急にモルタルフローの低下やコンクリートのスランプロス(以下、単にスランプロスという)を改善する効果が示されるもので、0.8部未満では、むしろスランプロスを促進する傾向にあるので好ましくない。また、5.0部を超えて配合してもスランプロスはそれ以上改善されないので好ましくない。好ましくは1.0〜4.0部、より好ましくは1.2〜3.0部である。
【0011】
本発明の鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコール(以下、単にPVAという)は、前記した通り、高性能減水剤がある一定量以上配合された場合のスランプロスを改善する。鹸化度を95mol%以上とするのは、逆に鹸化度が95mol%未満では易溶性となり同一スランプロスを得るのに単位水量が急増し、強度が低下するので好ましくないからである。
【0012】
本発明のPVAの配合量は、セメント100部に対して0.005〜1.0部となるように配合する。0.005部未満では高性能減水剤を多く配合してもスランプロスを改善する効果は小さく、1.0部を超えて配合すると、逆にスランプロスを促進するようになるので好ましくない。好ましくは0.01〜0.6部、より好ましくは0.02〜0.3部である。
【0013】
本発明のPVAの重合度は、スランプロスの改善効果に大きな影響は与えないが、重合度が小さい方がスランプロス改善効果は大きくなる傾向がある。そして最も好ましい重合度は500前後であるが、1500前後、2500前後でも充分実用的なスランプロスの改善効果を発揮する。なお、PVAの重合度は200〜4500などと任意に変えることが可能である。
【0014】
本発明において石膏類及び/又は、炭酸カルシウムは、PVAの有するスランプロスの改善効果を助長する。
石膏類は、II型の無水石膏、二水石膏、半水石膏、III型無水石膏が使用されるが、特に、II型の無水石膏はPVAによるスランプロス改善効果を助長する作用が大きく、かつ、強度の増進効果も有するので好ましい。II型の無水石膏は天然産のものやフッ酸発生時に副生するフッ酸石膏、他の形態の石膏類を350℃以上の温度で熱処理したものが使用されるが、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0015】
石膏類は、セメント100部に対して多くても無水物換算で15部配合されるが、これを超えるとPVAのスランプロスを改善する効果を助長する作用が低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。
【0016】
炭酸カルシウムは、石灰石を粉砕した重質のもの、沈降法による軽質のもののいずれも使用可能であるが、石灰石を粉砕した重質のものが安価でより好ましい。これらはセメント100部に対して多くても15部配合されるが、これを超えるとPVAのスランプロスを改善する効果を助長する作用は低下するので好ましくない。好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である。なお、粉末度などはセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0017】
また、石膏類と炭酸カルシウムを併用して配合する場合は、それぞれ任意の割合で、かつ、合量で10部以下が好ましい。
【0018】
本発明においてスランプロスを改善した良好な作業性の高強度セメント混和材やセメント組成物を提供するために活性シリカを配合する。
活性シリカとはシリコンやシリコン合金を電気炉で製造するときに発生するシリカフュームや稲、藁、竹、葦などのケイ化木の焼成灰、人工のアエロジル(以上、いずれも非晶質SiO2を主成分とする超微粉)及びアルミナケイ酸塩の粘土鉱物を焼成したものや麦飯石や珪藻土などであり、この中の一種又は二種以上を配合する。
【0019】
活性シリカはセメント100部に対して、多くても30部配合され、30部を超えて配合するとPVAのスランプロス改善効果が阻害されるようになり、かつ、強度の伸びも頭打ちとなるので好ましくない。好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部である。
【0020】
本発明のセメント混和材やそれを用いたセメント組成物を使用することにより、スランプロスの小さい高流動で高強度を発現するコンクリートが容易に製造可能となるが、反面、斜面では流れるという課題が発生する。この課題を解決する場合はベントナイトをセメント100部に対して3部以下の少量を配合すればよい。
【0021】
また、本発明におけるセメントとは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、低発熱(ビーライト)セメント、耐硫酸塩性ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントの他、シリカ粉末や高炉スラグ粉末及びフライアッシュを混合した混合セメントであり、既に適量の石膏が添加されているものであるが、ポルトランドセメントクリンカーをベースに予めセメント組成物として製造してもよい。
【0022】
本発明の混和材及びそれを用いたセメント組成物を使用して、モルタルやコンクリートを練混ぜるに際し、特別な方法は必要でなく、各成分を別々に、又は予め混合した混和材やセメント組成物として他のコンクリート材料と一緒にミキサに投入して常法にて練混ぜることができる。
【0023】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例で使用する材料と試験項目とその方法を以下にまとめて示す。
【0025】
「使用材料」
(1)セメント:電気化学工業(株)製普通ポルトランドセメント
(2)砂:新潟県姫川産川砂(5mm下)
(3)砕石:新潟県姫川産砕石(13〜5mm)
(4)高性能減水剤
A:ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤、第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」
B:メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤、昭和電工(株)商品名「モルマスターF-10(粉末)」
(5)PVA
a:電気化学工業(株)品種名「K-05」、重合度500,鹸化度98〜99mol%
b:電気化学工業(株)品種名「K-17」、重合度1700,鹸化度98.5〜99.5mol%
c:電気化学工業(株)品種名「K-24」、重合度2400,鹸化度97.5〜98.5mol%
d:電気化学工業(株)品種名「H-45」、重合度4500,鹸化度95〜96mol%
(6)石膏類など
イ:フッ酸発生無水石膏:粉末度5000cm2/g
ロ:二水石膏:粉末度3500cm2/g(試薬、無水物換算で配合する)
ハ:石灰石(炭酸カルシウム)粉末:粉末度6000cm2/g
(7)活性シリカ
I:シリカフューム(BET比表面積23m2/g)
II:メタカオリン:粉末度9000cm2/g
【0026】
「試験項目とその方法、試験温度は20℃」
(1)モルタルフロー:JIS R 5201による抜き上げたときのフローを測定する。
なお、モルタルフローの経時変化はモルタルを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(2)モルタル強度:JIS R 5201により圧縮強度を測定する。但し、モルタル配合は実施例の通りとした。
(3)コンクリートのスランプフロー:JIS A 1101によりスランプを測定した時のコンクリートの広がり。スランプフローの経時変化はコンクリートを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(4)コンクリート強度:JIS A 1132によりφ10×20cmの型枠に成形し、JIS A 1108により強度測定する。
【0027】
実施例1
セメント800g、砂1600gを配合し、抜き上げフロー200±10mmに設定したモルタルに、高性能減水剤の種類と配合量及びPVAの種類と配合量を変えた場合のフローの経時変化と材齢28日の圧縮強度を測定した結果を、用いた水量と一緒に表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004679707
【0029】
表1より、PVAの配合量を一定として高性能減水剤の配合量を多くして行くと、セメント100部に対して固形分換算で0.8部以上で急にモルタルフローの低下を改善する効果が示され、高性能減水剤の配合量が多くなるほどその改善効果も増大する。そして、好ましくは1.0部以上、より好ましくは1.2部以上であるが、3.0部を超えて配合してもモルタルフローの改善効果は増大しないことが示される。したがって、高性能減水剤の配合量は0.8〜5.0部であり、好ましくは1.0〜4.0部、より好ましくは1.2〜3.0部である(実験No.1-10〜 No.1-18)。
【0030】
高性能減水剤の配合量を一定としてPVAの配合量を多くして行くと、セメント100部に対してPVAは、0.005〜1.0部でモルタルフローの低下を改善する効果が示され、配合量が多くなるほど改善効果も増大するが、多すぎると逆にその改善効果は小さくなる。そして、好ましくは0.01〜0.6部であり、より好ましくは0.02〜0.3部であることが示される(実験No.1-19〜1-27)。
【0031】
なお、実験No.1-15、No.1-23、No.1-28、No.1-29の比較においてPVAの重合度が小さい方がモルタルフローの低下を改善する効果も大きいことが示される。
【0032】
実施例2
空気量3%,単位セメント量500kg/m3、単位水量140kg/m3、単位砂量865kg/m3、単位砕石量900kg/m3、高性能減水剤量A10kg/m3(セメント100部に対して2部をコンクリートに対して外割添加)、PVAを0g/m3(無混和)とPVAaを500g/m3と(セメント100部に対して0.10部、コンクリートに対して外割添加)配合したコンクリートの基本配合に、石膏類及び/又は炭酸カルシウムの配合量(外割配合で砂と容積で置き換えた)を変えてコンクリートを練混ぜ、スランプ値よりも厳しいスランプフロー値とその経時変化及び材齢28日強度を測定した結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004679707
【0034】
表2より、石膏類の配合量を多くしてゆくと、PVAのスランプロス改善効果を助長する作用も大きくなるが、多くなりすぎると小さくなり、多くてもセメント量100部に対して15部が良く、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部であることが示される(実験No.2-2〜No.2-9)。
なお、石膏類がII型の無水石膏の場合は6部が強度の最大値を示すが、常圧蒸気養生では10部までは直線的に強度は増加し、15部では僅かに増加傾向を示すことは判っている。
【0035】
炭酸カルシウムも石膏類と同様のPVAのスランプロス改善効果を助長する作用を示し、この場合も、セメント100部に対して多くても15部配合でよく、好ましくは1〜10部、より好ましくは2〜8部である(実験No.2-14〜No.2-20)。
【0036】
なお、石膏類と炭酸カルシウムを併用して配合することは配合量が少なくてスランプロス改善効果をよく助長するのでより好ましい(実験No.2-21〜No.2-24)。
【0037】
実施例3
実施例2の実験No.2-1、No.2-2、No.2-6、No.2-23のコンクリートを用いて、セメント量100部に対して活性シリカの配合量(質量部、外割配合で砂と容積で置き換えた)を変えた場合のスランプフローの経時変化と材齢28日の圧縮強度を測定した結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 0004679707
【0039】
表3より、高性能減水剤と活性シリカのみを併用すると、始めのスランプフロー値は変わらないがスランプフローの経時変化を大きくする(実験No.3-1〜No.3-2)。
本発明において、活性シリカの配合量を多くして行くとスランプフローのロスは僅かづつ大きくなるが、PVAと併用した場合も(実験No.3-3〜No.3-10)、PVAとII型無水石膏と併用した場合も(実験No.3-11〜No.3-18)、さらにはPVAと石膏類及び炭酸カルシウムと併用した場合も(実験No.3-19〜No.3-23)、スランプフローの保持性からその配合量はセメント100部に対して多くても30部であり、30部を超えて配合するとスランプフローの経時変化は大きくなり過ぎて実用性がなくなることが予想される。
また、強度の伸びは2部より顕著となり、30部では頭打ちとなる傾向が示される。したがって、活性シリカの配合量は多くても30部以下、好ましくは15部以下、より好ましくは2〜10部であることが示される。
【0040】
【本発明の効果】
本発明の高性能減水剤と鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールを主成分とする高強度セメント混和材、及びそれを用いたセメント組成物を使用すると、
▲1▼スランプロスを改善した良好な作業性のコンクリートを容易に製造することができる。
▲2▼石膏類及び/又は炭酸カルシウムを併用することにより、よりスランプロス を改善した良好な作業性のコンクリートを容易に製造することができる。
▲3▼II型無水及び/又は活性シリカを併用することにより、良好な作業性を保ちながら高強度コンクリートを容易に製造でき、耐久性の高い土木建築構造物やコンクリート二次製品用のコンクリートを製造することが出来る。

Claims (4)

  1. ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系のいずれかを主成分とする一種又は二種以上の高性能減水剤と鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールと石膏類及び/又は炭酸カルシウムを主成分とし、セメント100部に対して、高性能減水剤は固形分換算で1.5〜5.0部、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは0.05〜1.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)となるように配合することを特徴とする高強度セメント混和材。
  2. 活性シリカをセメント100部に対して30部以下となるように配合することを特徴とする請求項1の高強度セメント混和材。
  3. ポリビニルアルコールの重合度が500である請求項1又は2の高強度セメント混和材。
  4. セメントに請求項1〜3のいずれかの高強度セメント混和材を配合したセメント組成物において、セメント100部に対して高性能減水剤は固形分換算で1.5〜5.0部、鹸化度95mol%以上のポリビニルアルコールは0.05〜1.0部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムは15部以下(0部を含まず)、活性シリカは30部以下であるセメント組成物。
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