JP3877636B2 - セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3877636B2
JP3877636B2 JP2002124232A JP2002124232A JP3877636B2 JP 3877636 B2 JP3877636 B2 JP 3877636B2 JP 2002124232 A JP2002124232 A JP 2002124232A JP 2002124232 A JP2002124232 A JP 2002124232A JP 3877636 B2 JP3877636 B2 JP 3877636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
mass
parts
reducing agent
water reducing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002124232A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003321262A (ja
Inventor
芳春 渡邉
守正 塩川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2002124232A priority Critical patent/JP3877636B2/ja
Publication of JP2003321262A publication Critical patent/JP2003321262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3877636B2 publication Critical patent/JP3877636B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフローの低下やスランプロスを改善した良好な作業性を有し、かつ、高強度を発現するセメント混和材及びそれを用いたセメント組成物に関し、一般の土木建築構造物やコンクリート二次製品に使用されるものである。
【0002】
【従来技術】
従来、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤は、リグニンスルホン酸塩系やポリオール系、オキシカルボン酸塩系などの一般的な減水剤と比較して減水率が大きく、また、ポリカルボン酸塩系の高性能AE減水剤と比較して比較的多量に添加しても凝結硬化に対する遅延性が小さく、かつ、空気連行性も小さいので高強度モルタル又はコンクリートの製造に好適な減水剤である。
しかしながら、フローの低下やスランプロスが大きいために、生コンプラントで練混ぜて運搬して打設する現場打ちのモルタルやコンクリートには使用されないという課題を有しているため、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤は、コンクリートの処理時間が15分程度と短いコンクリート製品の製造のみに使用されているが、製品工場においてもトラブルが発生して30分以上放置されると成形できない場合があるという課題を有する。
さらに、15℃前後以下の低温時ではフローの低下やスランプロスがより大きくなるなどの温度依存性にも課題がある。
一方、ポリプロピレングリコールは、平均分子量が大きいほど水に難溶性となり、平均分子量の低い領域の100〜800の範囲のものがコンクリートの収縮低減剤として提案(特開昭59−152253号公報)されているが、特定の減水剤にポリプロピレングリコールを併用することにより低温時のフローの低下やスランプロスを改善する効果については知られていない。
ポリビニルアルコールの完全鹸化タイプは水に難溶性であるので、通常モルタルやコンクリートには使用されないが、部分鹸化タイプは壁用モルタルのコテ延び性の改善などに多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、高性能減水剤とポリビニルアルコールの併用でフロー低下やスランプロスの改善効果について提案(特開2002−104852号公報、特開2002−104853号公報)しているが、ポリビニルアルコールだけでは低温時のフロー低下やスランプロスを改善する効果が十分でないという課題がある。
セメントには既に石膏類が、凝結を正常化するためコンクリートが膨張しない範囲(セメントの種類によりJIS規格値が設定されており、添加される石膏の種類は一般には二水石膏である)で添加されている。
また、炭酸カルシウムは、増量材としてセメントに対して5%以下であれば添加しても良いことになっているが、本発明のように、さらに多くの石膏類及び/又は炭酸カルシウムを配合してもポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤を添加したモルタルやコンクリートのフロー低下やスランプロスを改善する効果はないが、ポリプロピレングリコール又はポリプロピレングリコールとポリビニルアルコールを併用した系に対してはフローの低下やスランプロスを改善する効果を助長することは知られていない。
一般にポゾラン物質は、セメントの水和反応によって生成する水酸化カルシウムと反応してCaO−SiO2−H2O水和物を生成して強度を高めるが、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤を添加した場合のスランプロスを促進するという課題を有する。ポリプロピレングリコール又はポリプロピレングリコールとポリビニルアルコールを併用することにより、これらも改善できることは知られていない。
本発明者らは、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤の前記課題を解決するに当たり鋭意研究した結果、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤とポリプロピレングリコールを主成分とするセメント混和材を使用することにより、さらにポリビニルアルコールや石膏類及び/又は炭酸カルシウムやポゾラン物質を併用することにより、温度に関係なく良好な作業性を保持し、かつ、良好な作業性を保持したままで高強度を発現できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤とポリプロピレングリコールを主成分とし、セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤が固形分換算で0.5〜4.0質量部であり、ポリプロピレングリコールが0.05〜1.0質量部であるセメント混和材であり、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤とポリプロピレングリコールの合計量が、セメント100質量部に対して、0.8〜4.3質量部である該セメント混和材であり、ポリビニルアルコールを含有してなるセメント混和材であり、ポリビニルアルコールが、セメント100質量部に対して、0.01〜0.3質量部である該セメント混和材であり、石膏類及び/又は炭酸カルシウムを含有してなるセメント混和材であり、ポゾラン物質を含有してなるセメント混和材であり、セメントとセメント混和材とからなるセメント組成物であり、セメント、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤、及びポリプロピレングリコールからなり、セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤を固形分換算で0.5〜4.0質量部、ポリプロピレングリコールを0.05〜1.0質量部配合してなるセメント組成物であり、セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤固形分換算で0.5〜4.0質量部、ポリプロピレングリコール0.05〜1.0質量部、ポリビニルアルコール0.01〜0.3質量部、石膏類及び/又は炭酸カルシウム15質量部以下、並びに、ポゾラン物質30質量部以下配合してなるセメント組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0006】
本発明のポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤(以下、高性能減水剤と略記する。)とは、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族アミノスルホン酸ホルマリン縮合物などがあり、市販品としては電気化学工業(株)商品名「FT−500」とそのシリーズ、花王(株)商品名「マイティ−100(粉末)」や「マイティ−150」とそのシリーズ、第一工業製薬(株)商品名「セルフロ−110P(粉末)」、竹本油脂(株)商品名「ポールファイン510N」など、山陽国策パルプ(株)社商品名「サンフローPS」とそのシリーズなど、及び藤沢薬品(株)商品名「パリックFP200H」などが挙げられ、これらの一種以上が使用される。
これらはリグニンスルホン酸塩系などの一般的な減水剤やポリカルボン酸塩系の高性能AE減水剤とは異なるカテゴリーの減水剤であり、その他の高性能減水剤として分類されているメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系とも異なる減水剤である。
本発明の高性能減水剤は、セメント100質量部に対して固形分換算で0.5〜4.0質量部となるように比較的多量に配合することが好ましい。ポリプロピレングリコールを併用した場合において高性能減水剤量が0.5質量部以上で特に低温時のモルタルやコンクリートのフローの低下及びスランプロス(以下、単にスランプロスと略記する。)を改善する効果が示され、4.0質量部を超えて配合してもスランプロスはそれ以上改善されないので好ましくない。好ましくは0.6〜3.0質量部、より好ましくは0.8〜2.0質量部である。
【0007】
本発明のポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記する。)は、特に低温時のスランプロスを改善する作用を有する。通常、平均分子量が大きいほど難溶性となるが液体であれば使用可能である。収縮低減剤など特殊目的に使用される平均分子量の小さいものの他に、平均分子量1000、2000、3000のものが市販されておりいずれも使用可能であり、平均分子量の高い方がスランプロスの改善効果が大きくなるのでより好ましい。
PPGは、セメント100質量部に対して0.05〜1.0質量部配合され、好ましくは0.07〜0.7質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。0.05質量部未満ではスランプロスの改善効果は小さく、同様に1.0質量部を超えて配合してもスランプロスの改善効果は小さくなるので好ましくない。
なお、PPGは、平均分子量や配合量に関係なく温度が25℃以上になるとスランプロスの改善効果は小さくなる傾向を示す。
【0008】
本発明のポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する。)は、鹸化度や重合度に関係なく使用可能である。鹸化度が95mol%以上の完全鹸化物のPVAは、難溶性となるが高流動コンクリートを製造するのに適し、鹸化度が95mol%未満の部分鹸化物では易溶性となって同一スランプを得るのに単位水量は増加するが高性能減水剤特有の粘性を低減し、斜面に施工してもダレ難くなるものである。
PVAはPPGの低温時のスランプロス改善効果に影響を与えなく、反対にPPGはPVAの高温時のスランプロス改善効果に影響を与えないので両成分を高性能減水剤に配合すると、低温から高温領域まで安定したスランプロスの改善効果が得られる。
なお、鹸化度や重合度の異なったPVAを適宜併用することは、溶解性(スランプロス改善効果に関係)や材料分離抵抗性及びダレ性の調節に好ましい。
市販のPVAは、鹸化度が80〜99mol%のものがあり、その用途に応じて選択される。
また、市販のPVAは、重合度が200〜4500の範囲のものがあり、いずれも使用可能であるが、溶解性と関連してより好ましい重合度は500〜2000である。
PVAの配合量は、セメント100質量部に対して0.01〜0.3質量部となるように配合する。0.01質量部未満では高性能減水剤やPPGの配合量を変えてもスランプロスを改善する効果は小さく、0.3質量部を超えて配合すると、強度低下が大きくなるので好ましくない。好ましくは0.02〜0.2質量部、より好ましくは0.03〜0.15質量部である。
【0009】
本発明において、石膏類及び/又は炭酸カルシウム(以下、石膏類等と略記する。)は、PPG又はPPGとPVA(以下、PPG等と略記する。)の有するスランプロスの改善効果を助長する。石膏類としては、II型の無水石膏、二水石膏、半水石膏、III型無水石膏が使用され、特にII型の無水石膏は、PPG等によるスランプロス改善効果を助長する作用が大きく、高強度も得られるので好ましい。II型の無水石膏は、天然産のものやフッ酸発生時に副生するフッ酸石膏、他の形態の石膏類を350℃以上の温度で熱処理したものが使用され、粉末度はセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
石膏類は、セメント100質量部に対して多くても無水物換算で15質量部配合され、これを超えるとPPG等のスランプロスを改善する効果を助長する作用が低下するので好ましくない。好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜8質量部である。
【0010】
炭酸カルシウムは、石灰石を粉砕した重質のもの、沈降法による軽質のもののいずれも使用可能であるが、石灰石を粉砕した重質のものが安価でより好ましい。
炭酸カルシウムは、セメント100質量部に対して多くても15質量部配合されるが、これを超えるとPPG等のスランプロスを改善する効果を助長する作用は低下するので好ましくない。好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜8質量部である。なお、粉末度などはセメントと同等以上で有れば特に限定されない。
【0011】
また、石膏類と炭酸カルシウムを併用して配合する場合は、それぞれ任意の割合で、合量で15質量部以下であるが、石膏を2〜8質量部として残りを炭酸カルシウムとするのがより好ましい。
【0012】
本発明において、スランプロスを改善した良好な作業性とより高強度を得るためのセメント混和材やセメント組成物を提供するためにポゾラン物質を配合する。
ポゾラン物質とは、セメントの水和によって生成するCa(OH)2と反応してCaO−SiO2−H2Oを生成させる無機物質であり、金属シリコンやシリコン合金を電気炉で製造するときに発生するシリカフュームや稲、藁、竹、葦などのケイ化木の焼成灰、人工のアエロジル(以上、いずれも非晶質SiO2を主成分とする超微粉)及びアルミノケイ酸塩の粘土鉱物を焼成したもの(例:メタカオリン)や麦飯石や珪藻土の粉砕品及び酸性白土、活性白土、人工の高炉スラグ粉末やフライアッシュなどであり、この中の一種又は二種以上を配合する。
ポゾラン物質の中でもフライアッシュと高炉スラグ粉末は、スランプロスの改善効果を助長する作用があり、比較的短期間に高強度を発現するシリカフュームや稲、藁、竹、葦などのケイ化木の焼成灰、人工のアエロジル及び粘土鉱物の焼成物の一種以上とフライアッシュや高炉スラグ粉末を併用することは、スランプロスの改善と高強度発現を同時に達成できるので好ましい。さらにII型無水石膏との併用はより好ましい。
ポゾラン物質は、セメント100質量部に対して多くても30質量部配合され、30質量部を超えて配合してもそれ以上の強度やスランプロスを改善する効果は増強されないので、経済的にも好ましくない。好ましくは20質量部以下、より好ましくは3〜15質量部である。
【0013】
以上、本発明のセメント混和材やそれを用いたセメント組成物を使用することにより、スランプロスの小さい高流動性の又はダレ性を改善したモルタルやコンクリートの製造が可能となり、かつ、高強度を発現させることが出来る。
【0014】
本発明におけるセメントとは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントの他、シリカ粉末や高炉スラグ粉末及びフライアッシュを混合した混合セメントである。
普通ポルトランドセメントと比較して早強ポルトランドセメント及び超早強ポルトランドセメントの使用は、現場打ちでは早期開放が必要な道路舗装やポーラスコンクリートによる道路舗装及び常圧蒸気養生を行うコンクリート二次製品の超高強度化に有利となり、より長時間のスランプロス防止を行う場合はアルミン酸三カルシウム含有量の少ない中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントや混合セメントの高炉セメントやフライアッシュセメントの使用がより好ましい。
【0015】
本発明において、モルタルやコンクリートを練混ぜるに際し、特別な方法は必要ではなく、各成分を別々に、あるいは各成分を予め混合、または混合したものを粉砕してセメント混和材としたも及びそれらをセメントに混合してセメント組成物として、他のコンクリート材料と一緒にミキサに投入して常法にて練混ぜることができる。そして、常法による運搬、打設を行えばよい。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0017】
実施例で使用する材料と試験項目とその方法を以下にまとめて示す。
【0018】
「使用材料」
(1)セメント:電気化学工業(株)製の普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント(C種、スラグ配合率70%)、フライアッシュセメント(B種、フライアッシュ配合率20%)
(2)砂:新潟県姫川産川砂(5mm下)
(3)砕石:新潟県姫川産砕石(13〜5mm)
(4)高性能減水剤:ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤、第一工業製薬(株)商品名「セルフロー110P(粉末)」
(5)PPG:市販一級試薬
イ:平均分子量1000
ロ:平均分子量2000
ハ:平均分子量3000
(6)PVA:電気化学工業(株)製PVA
a:品種名「K-05」、平均重合度500、鹸化度98〜99mol%(完全鹸化物)
b:品種名「K-17」、平均重合度1700、鹸化度98.5〜99.5mol%(完全鹸化物)
c:品種名「B-05」、平均重合度500、鹸化度80mol%(部分鹸化物)d:品種名「B-20」、平均重合度2000、鹸化度88mol%(部分鹸化物)
(7)石膏類等
A:フッ酸発生無水石膏:粉末度5000cm2/g
B:石灰石(炭酸カルシウム)粉末:粉末度6000cm2/g
(8)ポゾラン物質
I:シリカフューム(BET比表面積23m2/g)
II:フライアッシュ:粉末度4000cm2/g(分級しないもの)
III:高炉スラグ粉末:粉末度4500cm2/g
【0019】
「試験項目とその方法」
(1)モルタルフロー:JIS R 5201による。但し、高性能減水剤のみやPVAの完全鹸化物との併用では抜き上げたときのフローを測定し、部分鹸化物のPVAとの併用(部分鹸化物と完全鹸化物の混用も同様)では規定通り15回叩いた後のフローを測定する。なお、モルタルフローの経時変化はモルタルを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(2)モルタルの成形と強度測定:JIS R 5201に準ずる。
(3)コンクリートのスランプ:JIS A 1101に準ずる。スランプの経時変化はコンクリートを静置した状態とし、測定時間毎に練り返して測定する。
(4)コンクリート強度:JIS A 1132によりφ10×20cmの型枠に成形し、JIS A 1108により強度測定する。
【0020】
実施例1
普通ポルトランドセメント800g、砂1400gを配合し、抜き上げフロー又は15回規定通り叩いた後のフローを200±10mmに設定したモルタルに、セメント100質量部に対して外割で、高性能減水剤(表中WRAと略記)の添加量及びPPGの種類と添加量を変えた場合のフローの経時変化を温度を変えて測定し、同様の温度条件で成形したモルタル供試体を2日間その温度で養生した後に脱型して、20℃で水中養生した材齢28日の圧縮強度を測定した。その結果を用いた水量と共に表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003877636
【0022】
表1より、高性能減水剤単独では低温の方がフローの低下が大きい(例えば実験No.1-5、No.1-29、No.1-33の比較)。PPGを併用すると特に低温時のフローの低下が少なくなる(例えば、実験No.1-20、No.1-32、No.1-36の比較)が、高性能減水剤量が0.5質量部以上でフローの低下を改善する効果が顕著となり、高性能減水剤の配合量が多くなるほどその改善効果も大きくなるものの、4.0質量部を超えてもそれ以上改善されないので、好ましくは0.6〜3.0質量部、より好ましくは0.8〜2.0質量部である(実験No.1-1〜No.1-8とNo.1-9〜No.1-16の比較)。
PPGは、通常平均分子量が大きい方がフローの低下を改善する効果が大きくなる(例えば、実験No.1-13、No.1-20、No.1-26、No.1-30〜No.1-32、No.1-34〜No.1-36の比較)。
また、PPGは、0.05質量部以上でフローの低下を改善する効果が顕著となるが多すぎると逆転現象が生じ、1.0質量部を超えて添加しても効果は示されなくなる。好ましくは0.07〜0.7質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部である(実験No.1-17〜No.1-23)。
【0023】
実施例2
実施例1の実験No.1-5、No.1-26、及び実験No.1-31、実験No.1-36の配合とそれぞれの温度条件下で、表2に示すようにPVAの種類と配合量を変えて同様の試験を行った。その結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003877636
【0025】
表2より、PVAはPPGを併用しない場合は低温でのフローの低下を防止する効果を示さない(実験No.2-1〜No.2-5)が、PPGと併用することにより温度に関係なくフローの低下を防止する(実験No.2-6〜No.2-35)。
PVAは、0.01質量部からフローの低下を防止し、配合量が多くなるほどその効果も大きくなるが0.3質量部を超えて多くなりすぎると強度低下がより急に大きくなることが予測され、好ましくは0.02〜0.20質量部、より好ましくは0.03〜0.15質量部である(実験No.2-6〜No.2-15、No.2-22〜No.2-31)。
【0026】
実施例3
実施例1の実験No.1-33、実験No.1-36と実施例2の実験No.2-33について、表3に示すように石膏類等の配合量を変えて同様の試験を行った。その結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
Figure 0003877636
【0028】
表3より、石膏類等は、PPG又はPPGとPVAの有するフローの低下防止効果を助長する(実験No.3-4〜No.3-16、No.3-17〜No.3-23)。
石膏類等は、1質量部よりフローの低下防止の助長効果を示し、配合量が多くなると助長効果も大きくなるが、多くなりすぎると逆転現象が生じ、15質量部を超えると助長効果を示さなくなると予測される。
石膏類の場合は、添加量を多くして行くと強度も高くなり、多くしすぎると低下してくるが、これらの両面から好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜8質量部である(実験No.3-4〜No.3-10、No.3-17〜No.3-23)。
また、石膏類と炭酸カルシウムを併用する場合は、フローの低下防止効果と強度の両面から、合量で15質量部以下、より好ましくは石膏を2〜8質量部として残りを炭酸カルシウムとするのがより好ましい(実験No.3-24〜No.3-30)。
【0029】
実施例4
実施例1の実験No.1-33、No.1-36と実施例2の実験No.2-33及び実施例3の実験No.3-7、実験No.3-20にポゾラン物質(表4中、Poz.と略記する。)の種類と配合量を変えて同様の試験を行った。その結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
Figure 0003877636
【0031】
表4より、シリカフュームなどの超微粉はフローの低下を防止する効果はないが、PPGやPPGとPVA及び石膏類のフローの低下を防止又は助長する効果を大きく阻害せず、添加量を多くするほど強度を高める一方15質量部を超えると頭打ちとなり、30質量部では僅かに強度は低下する(実験No.4-5〜No.4-11)。
フライアッシュと高炉スラグ粉末は、3質量部からフローの低下を防止する効果を示し、添加量を多くするほどフローの低下防止効果をより助長し、多すぎると助長効果は低下し、30質量部を超えると助長効果を示さなることが予測される(実験No.4-12〜No.4-17、No.4-31〜No.4-37)。
したがって、ポゾラン物質は、強度又はフローの低下防止助長効果の両面から多くても30質量部、好ましくは20質量部以下、より好ましくは3〜15質量部である。
強度増進効果の大きいシリカフュームとフロー低下を防止する効果のあるフライアッシュや高炉スラグを併用すると、良作業性を維持しながら高強度を発現させることが出来るのでより好ましい(例えば、実験No.4-7、No.4-9とNo.4-18、No.4-19、実験No.4-34とNo.4-40、No.4-41の比較)。
【0032】
実施例5
実施例4の実験No.4-38のモルタルに、最大寸法13mmの粗骨材を単位量で1000kg/m3配合して、空気量を2%として1m3となるようにセメントの種類を変えてコンクリートを配合して練混ぜ、そのスランプの経時変化と標準養生材齢28日及び供試体成形後6時間前置き養生してから80℃まで3時間で昇温してそのまま5時間保持してから翌日まで養生槽の中で放置して脱型した材齢1日の圧縮強度を測定した(実験No.5-3〜No.5-6)。その結果を表5に示す。
なお、比較として実施例4の実験No.4-1のモルタルを用いて同様に配合したコンクリートも一部加えた(実験No.5-1、No.5-2)。
【0033】
【表5】
Figure 0003877636
【0034】
表5より、本発明のセメント混和材を用いることによりセメントの種類に関係なく良作業性の高強度コンクリートが容易に製造できることが判る。
【0035】
【発明の効果】
本発明の高性能減水剤とPPG又はPPGとPVAを主成分とするセメント混和材及びこの混和材を配合したセメント組成物を用いると、
▲1▼スランプロスやダレを改善した良作業性のコンクリートを容易に製造することが出来る。
▲2▼石膏類及び/又は炭酸カルシウムを併用することにより、スランプロスをより改善した良作業性の高強度コンクリートを容易に製造することが出来る。
▲3▼さらに、ポゾラン物質を併用することにより、良作業性を保ちながらより高強度なコンクリートを容易に製造でき、耐久性の高い土木建築構造物やコンクリート二次製品用のコンクリートを製造することが出来る。

Claims (9)

  1. ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤とポリプロピレングリコールを主成分とし、セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤が固形分換算で0.5〜4.0質量部であり、ポリプロピレングリコールが0.05〜1.0質量部であるセメント混和材。
  2. ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤とポリプロピレングリコールの合計量が、セメント100質量部に対して、0.8〜4.3質量部である請求項1に記載のセメント混和材。
  3. ポリビニルアルコールを含有してなる請求項1又は請求項2に記載のセメント混和材。
  4. ポリビニルアルコールが、セメント100質量部に対して、0.01〜0.3質量部である請求項3に記載のセメント混和材。
  5. 石膏類及び/又は炭酸カルシウムを含有してなる請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材。
  6. ポゾラン物質を含有してなる請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材。
  7. セメントと、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載のセメント混和材とからなるセメント組成物。
  8. セメント、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤、及びポリプロピレングリコールからなり、セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤を固形分換算で0.5〜4.0質量部、ポリプロピレングリコールを0.05〜1.0質量部配合してなるセメント組成物。
  9. セメント100質量部に対して、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系高性能減水剤を固形分換算で0.5〜4.0質量部、ポリプロピレングリコールを0.05〜1.0質量部、ポリビニルアルコールを0.01〜0.3質量部、石膏類及び/又は炭酸カルシウムを15質量部以下、並びに、ポゾラン物質を30質量部以下配合してなるセメント組成物。
JP2002124232A 2002-04-25 2002-04-25 セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物 Expired - Fee Related JP3877636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124232A JP3877636B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124232A JP3877636B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003321262A JP2003321262A (ja) 2003-11-11
JP3877636B2 true JP3877636B2 (ja) 2007-02-07

Family

ID=29539308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002124232A Expired - Fee Related JP3877636B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3877636B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269610A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd コンクリート組成物および当該組成物を用いたコンクリート成形品
JP5107072B2 (ja) * 2007-02-22 2012-12-26 太平洋セメント株式会社 セメント質硬化体の製造方法
JP5058098B2 (ja) * 2008-08-21 2012-10-24 オリエンタル白石株式会社 土木用低収縮aeコンクリートの調製方法及び土木用低収縮aeコンクリート
JP5605235B2 (ja) * 2011-01-19 2014-10-15 住友大阪セメント株式会社 コンクリート組成物および当該組成物を用いたコンクリート成形品
CN102320787B (zh) * 2011-08-08 2013-01-23 大岩(上海)建筑材料有限公司 一种自闭型聚合物水泥防水涂料及其制备方法
KR101993873B1 (ko) * 2017-06-14 2019-06-28 삼성물산(주) 분체량 절감을 위한 조강형 저수축 콘크리트

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003321262A (ja) 2003-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Oner et al. An experimental study on optimum usage of GGBS for the compressive strength of concrete
JP3559274B2 (ja) セメント混和材
WO2004005212A2 (en) Rapid setting cementitious composition
ITMI982118A1 (it) Additivi di lavorazione migliorati per cementi idraulici.
WO2008044361A1 (fr) Produit de remplissage pour un joint de renforcement et procédé de remplissage de joint de renforcement à l'aide de celui-ci
JP2011136885A (ja) 低温用速硬材及びこれを含むセメント含有材料
JP3877636B2 (ja) セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物
JP2004292307A (ja) 水硬性組成物
JP2002003249A (ja) セメント混和材、セメント組成物、及び高流動セメントコンクリート
JPH0986976A (ja) 高流動性セメント組成物
JP2001261415A (ja) セメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いた高流動コンクリート
JPH0680456A (ja) 流動性水硬性組成物
JP3672518B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物及びそれを用いたコンクリート
JP7369849B2 (ja) セメント組成物
JP6985177B2 (ja) 水硬性組成物及びコンクリート
JP3871594B2 (ja) 硬化促進剤及びセメント組成物
JP5688069B2 (ja) セメント組成物、それを用いたモルタル又はコンクリート
JP4679707B2 (ja) 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物
JP2001220197A (ja) セメント組成物
JPH09295843A (ja) 高性能減水剤組成物及びそれを使用したセメント組成 物
JP4877882B2 (ja) 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物
JP4679706B2 (ja) 高強度セメント混和材及びそれを用いたセメント組成物
JP2005289657A (ja) 高強度遠心力成型製品の製造方法およびその高強度遠心力成型製品
JP4709359B2 (ja) 水硬性組成物
JP6163317B2 (ja) 高炉スラグ含有コンクリート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060320

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3877636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees