JP4471502B2 - 遮音性軽量気泡コンクリート床構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた遮音性能を有する、軽量気泡コンクリートパネルが敷設されてなる床構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集合住宅の一部や、2世帯住宅、あるいは3階建て住宅において、軽量気泡コンクリートからなる床構造が幅広く使用されている。軽量気泡コンクリートからなる床構造は、従来の木造床に比較すれば、遮音性に優れた性質の床構造である。しかしながら、集合住宅に用いられた場合や、最近都市部を中心に急速に普及してきている2世帯住宅、あるいは3階建て住宅においては、さらに高度な遮音性が要求されている。
【0003】
階上から階下への、床面を通しての騒音には大きく分けて軽量床衝撃音と、重量床衝撃音の2種類がある。軽量床衝撃音は、人がハイヒールのような履物を履いて階上を歩くときに生じるようなコツコツといった騒音であり、フロアリングの仕様変更や、カーペットを敷くなどの対策を講じることによって相当程度解決できる。
一方、重量床衝撃音は、子供が飛び跳ねたりする際に生じる種類の騒音であって、軽量床衝撃音と異なり、なかなか有効な対策の難しい騒音である。近年、居住者の住宅性能に対する要求は高度化してきており、遮音性に関しても、従来よりさらに優れたものが求められるようになってきている。なかでも重量床衝撃音については高度な遮音性を求める要求が強い。
【0004】
重量床衝撃音の遮音のために、従来より数々の提案がなされており、そのなかで、動吸振器が取り付けられてなる床構造は公知である。例えば、特公平4−4423には、床スラブ上に適宜空間を保ってユニットパネルを多数並置して床下地を構築する床下地工法において、ユニットパネル上に適宜間隔を空けて多数の根太材を列設することにより区画スペースを形成し、次いでその区画スペースに動吸振器材を配置し、さらに前記根太材上に動吸振器上面から空間を保つように捨て張り材を施工した床工法が開示されている。
【0005】
また、木村、井上らは日本建築学会計画系論文集第496号、15頁〜21頁の“鉄骨ALC系住宅における重量床衝撃音遮断性能の改善方法に関する研究”(1997年6月)の17頁において、軽量気泡コンクリートパネルが敷設されて床とされた場合の問題点として、パネル相互の力学的連続性が不足し、重量床衝撃音に対して有効な一体化された床として効果が上げられないという問題点を指摘している。該論文において上記問題点に対しては、軽量気泡コンクリートパネルの周囲小口部分にコンクリート用接着剤を塗りこみ、さらにモルタルを流し込むという目地処理を行うことが、重量衝撃音の遮音に対して効果のあることを示している。
【0006】
従来の技術の問題点をまず3つに分けて述べる。1つは、軽量気泡コンクリートパネルに対する動吸振動器の取り付けに関する問題点であり、もう1つは軽量気泡コンクリートパネル自体に起因する問題点であり、さらにもう1つは、それらが敷設されて床とされた場合の問題点である。
まず最初の問題点は、軽量気泡コンクリートパネルに対して、簡便でかつ高い信頼性を有する動吸振器の取り付け構造、及び方法が提供されていないということである。第2の問題点は、軽量気泡コンクリートパネル自体の曲げ剛性が不足しているということである。また、第3の問題点、軽量気泡コンクリートパネルが敷設されてなる床の問題点とは、パネル相互の力学的連続性が不足し、重量床衝撃音に対して有効な一体化された床としての効果が上がらないということである。従来、例えば目地部の接着剤処理等の提案はあるが、動吸振器と併用されて高い効果を上げることのできる簡便かつ経済的な手段は提供されていない。
【0007】
以下に、上記に述べた計3つの問題点のうち、さらに詳しく説明した方が良いと考える最初の2つの問題点について詳述する。
まず、第1の動吸振器の軽量気泡コンクリートパネルへの取り付け構造に係わる問題点について述べる。動吸振器を軽量気泡コンクリートに取り付けて、遮音性、特に重量衝撃音の遮音性を向上させようとした場合に、軽量気泡コンクリート独自の特徴に起因する問題があるために、施工が簡便であって、動吸振器の性能が十分に発揮され、かつその性能が長期間に渡って維持される構造がなかったという問題点である。
【0008】
重量床衝撃音のような騒音に対して、動吸振器を用いて床パネルの振動抑制をする場合、明らかに遮音性能の向上が認められるレベルにするためには、主振動体である床パネルの質量に対して好ましくは1%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%程度以上の付加質量体を用いる必要がある。すなわち、軽量気泡コンクリート床の場合、一枚のパネル寸法として、例えば、一般的な厚み10cm、巾60cm、長さ180cmのパネルでは密度0.6g/cm3として質量は約65kgであり、付加質量体として好ましくは6.5kg程度、より好ましくは13kg程度のものを用いる必要がある。
【0009】
また、床に取り付けられた動吸振器は、床面上を人が歩いたりする際の振動を、共振することによって緩和する性質のものであり、長期間に渡って、日常的に、振動が加わるものである。
従って、床面への動吸振器の取り付けに対しては、相当の質量からなる動吸振器を、長年月に渡って恒常的に振動が加わる状態で、緩みが生じないような状態で固定する必要がある。
【0010】
他方で、軽量気泡コンクリートは多くの気泡を含有する構造であるために、ネジ孔を形成して、ネジを用いて重量物を取り付けると、ネジ山が磨耗し易く、動吸振器のようなものを信頼性高く固定することは困難である。貫通の座くり孔を形成してボルトとナットを用いて固定する場合には、狭い間隔で多数の貫通孔を形成することになり、パネルのひび割れ、パネルの曲げ強度の低下等の問題が生じる恐れがあり好ましくなく、使用できるボルトの数は限られたものとなり、動吸振動器の固定法として十分な信頼性のあるものではない。
【0011】
次に、従来技術の第2の問題点である、軽量気泡コンクリート自体の曲げ剛性が不足しているという問題点について詳しく述べる。
重量床衝撃音のような騒音に対しては、質量が重く、曲げ剛性の高いパネルが有利である。その点で、軽量気泡コンクリートパネルは、木造パネルに比べれば有利であるが、スラブコンクリートのような材料と比べれば不利であり、近年の市場の重量床衝撃音に対する高度な要求に対しては不十分である。
【0012】
軽量気泡コンクリートパネルは、気泡コンクリートのみでは脆弱な曲げ剛性しか有しないので、通常鉄筋で補強されており、曲げ剛性のかなりの部分は鉄筋によるものである。鉄筋による補強は、工場にて型枠を用いて製造する際に、あらかじめ所定の形状に配筋された鉄筋を型枠内にセットしておき、そこに発泡剤を含有するモルタルを流し込むことにより行われる。型枠内で、所定の形状に発泡し、一定の強度に達したモルタルを型枠から取り出した後、所定の形状に切断し、その後オートクレーブにて高温蒸気養生されてパネル製品が得られる。
【0013】
型枠内に流し込んだモルタルは、配筋された鉄筋の間や鉄筋の周囲に十分回り込んで発泡硬化する必要があるために、配筋できる鉄筋の本数や太さには限界がある。また、鉄筋の本数や鉄筋の太さを変更するには、配筋に用いる大掛かりな設備の変更が必要であり、また生産工程が煩雑になることを考えると必ずしも経済的ではない。
すなわち、従来技術の第2の問題点は、軽量気泡コンクリートパネルの曲げ剛性を高めて、重量床衝撃音に対する遮音性を向上させようとする際、生産の工程に影響を与えずに、その場で適切に要求に応えることができるような手段が提供されていないことである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上述べた従来技術の問題点である、軽量気泡コンクリートパネルが敷設されて構成される床に対して、簡便でかつ高い信頼性を有する動吸振器の床面への取り付け構造を提供し、かつ、経済的に、必要に応じて、軽量気泡コンクリートパネルの曲げ剛性を高める手段を提供するものである。
また本発明の第2は、従来技術の第3の問題点を解決するものである。すなわち、軽量気泡コンクリートパネルが敷設されてなる床において、複数の軽量気泡コンクリートパネルを簡便に一体化し、上記の動吸振動器の効果との複合化によって、重量床衝撃音に対する遮音性をさらに大きく向上させる手段を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、動吸振器が取り付けられてなる床構造において、
1. 床は敷設された軽量気泡コンクリートパネルから構成されている、
2. 該軽量気泡コンクリートパネルの小口面には、その小口面と垂直に該小口面から相対する小口面までの長さの少なくとも半分以上の長さを有する長孔が設けられ、パネル下面には前記長孔に連通する座くり孔が設けられており、この座くり孔へ基端に係合孔、先端に係止用ネジを有する取付金具の基端を差込み、前記長孔に差し込んだ係止杆を該取付金具の係合孔に差し通して取付金具が係止されている、
3. 動吸振器の取り付け部材が、前項2の取付金具の先端係止用ネジに連結されている、
ことを特徴とする遮音性軽量気泡コンクリート床構造である。
【0016】
また、本発明の第2は、
軽量気泡コンクリートパネルの小口面にその面と垂直に、該小口面から相対する小口面までの長さの少なくとも半分以上の長さを有する長孔が設けられ、係止杆が少なくとも隣接する2枚のパネルを貫通するごとく、該長孔に差し込まれていることを特徴とする上に記載の遮音性軽量気泡コンクリート床構造である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1〜図5に示す。軽量気泡コンクリートパネルに対する動吸振器の取り付け構造は、該床パネルの小口面1dにその面と垂直方向に、該小口面から相対する小口面までの長さの少なくとも半分以上の長さを有する長孔1aを設け、床パネル下階側表面1cから該長孔1aに連通する座くり孔1bを設け、基端に係合孔4a、先端に係止用ネジ4bを有する取付金具4の基端を前記長孔1aに差込み、該長孔1aに差し込んだ係止杆2を取付金具4の係合孔4aに差し通し、さらに該取り付け金具4の先端係止用ねじ4bを動吸振動器取り付け部材(筐体)3に連結してある構造である。
【0018】
取付金具4の基端の外径Bは、その基端と先端間の軸部径より大きく、座くり孔1bは取り付け金具4の基端が挿入できる大きさの径である。
本発明では多数の取付金具によって動吸振器を締結することができ、係止杆2と動吸振器取り付け部材3は軽量気泡コンクリート1を強力に咥え込み、サンドイッチ構造を形成している。そのサンドイッチ構造は、係止杆2による鉄筋補強効果と相俟って軽量気泡コンクリートパネルに強力な曲げ剛性を提供するものであり、重量衝撃に対して強い抵抗性を付与する。
【0019】
長孔1aの長さが、小口面から該小口面と相対する小口面までの長さの半分以上であることが、係止杆2による鉄筋補強効果による曲げ剛性の付与と、係止杆2と動吸振器取り付け部材3から構成されるサンドイッチ構造による曲げ剛性の付与の効果の2つを生み出し、その相乗効果によって、高度な遮音性能を実現していると考えられる。
本発明では、動吸振器の取り付け部材3を、取付金具4とナット等を用いて締結する際に、取付金具4に若干の回転方向の遊びがあるため、バランスよく多数の取付金具を迅速に締結することができる。しかし、動吸振器のパネルへの取り付け終了後には取付金具4は回転運動することはなく、動吸振器は床パネルに垂直下方に懸架されており、取り付け金具4と動吸振器の取り付け部材3は、床パネルの運動に完全に追随する。
【0020】
したがって、長期的に高い信頼性の取り付けという意味で、係止杆2に取付金具4を係合した後、座くり孔1bをモルタル等でシールし、動吸振器取り付け部材3を締結することが好ましい。また、取付金具4に使用するナットも締結後の緩み防止のため、硬化性接着剤等で固定することが好ましい。
以下、実施例の詳細を説明する。図1は、本発明の実施例による動吸振器付き軽量気泡コンクリート床パネルの斜視図である。図2は、その床パネルの断面図、図3は、その要部の一部切欠斜視図である。図4は、実施例の構成を施工手順により説明する説明図である。図5は、実施例に使用される取付金具の例である。図6は、第2の発明の実施例を説明する図である。
【0021】
まず、図4に従って、実施例の内容を述べると、2階等の床建築施工現場において、床軽量気泡コンクリートパネル1の小口面1dの所定の位置にその面と垂直方向に、該小口面から相対する小口面までの長さの少なくとも半分以上の長さを有する長孔1aをあける。この長孔1aは、パネルを貫通するように設けられていても良い。また、パネル下階側表面1cからこの面と垂直方向に長孔1aに達する概略円柱形の座くり穴1bをあける。
【0022】
座くり孔1bは、住宅等の建築現場で、幅広く用いられているポータブルタイプの電気ドリルで容易に穿孔することができる。長孔1aは、60cm程度の長さであれば、上記電気ドリルで穴あけ可能であり、一般的なパネルの巾方向であれば、貫通孔とすることも容易である。パネルの長辺方向に対しては、通常180cm程度の長さであるので、小口面との垂直性を保つような治具を用いるか、あるいは後述するように、パネルの製造時にあらかじめ所定の場所に、長孔を設けることが好ましい。
【0023】
動吸振器の取り付け位置は、振動の腹に相当する場所に取り付けるのが最も効果的である。床が構成された際に、床は各種の振動モードを持ち、各振動モードに対応する腹の位置が存在する。したがって、どの部分に、どのような動吸振器を取り付けるのが最も効果的であるかは、実際上複雑な問題と考えられる。
ただし、一般的に軽量気泡コンクリートパネルは、その長辺方向を軽量鉄骨等で軸組みされた梁間に渡して、床を構成するものである。そのため、該パネルの第一次の振動の腹は該パネルの重心近傍に存在すると考えられる。したがって、その場合には動吸振器は概略、各パネルの重心位置、すなわち各パネルの中心に動吸振器の重心位置が一致するように取り付けることで、ほぼ最適化に近い振動制御を行うことができる。
【0024】
上記のように長孔1a、および、もしくは座くり孔1bの位置を軽量気泡コンクリートパネル製造時に決定しておき、工場にて型枠内でパネルを製造するときに、モルタル打設前に棒状のものを差し込んでおき、モルタルが所定強度に達したときに、該棒状物を引き抜くことにより、長孔1a、座くり孔1bを形成せしめることができる。その場合、上記方法による長孔1a、座くり孔1bの形成は生産工程に与える影響は小さなものであり、現場穿孔の手順を省略することができるので、経済的な施工方法となる。
【0025】
この長孔1aと座くり孔1bが形成されたパネル1に対して、次に座くり孔1bに取付金具4を挿入する。この取付金具4は、基端に係合孔4a、先端に係止用ネジ4bを有しており、座くり孔1bに係合孔4aを先にして長孔1aまで挿入し、一方係止杆2は長孔1aに挿入し、係合孔4aを貫通して取付金具4と係合する。
図5は、取付金具4の例である。
【0026】
この取付金具4の形状は、基端に係合孔4aを有し、先端に係止用ねじ4bを有し、その軸部4の外径Aより、基端部の外径Bのほうが大きい構造で有れば良い。係止用ねじ4bは、雄ねじでも、雌ねじであっても良い。係合孔4aは、図5(a)のように環状であっても、図5(b)のように環状の一部が欠如していても、図5(c)のように長方形であっても、係止杆2を係合保持できるもので有れば良い。
【0027】
係止杆2は、取付金具4の係合孔に差し通しできる太さのものであれば、棒状でも、環状でも良い。また、図5(c)のような係合孔を有する取付金具に対しては、略長方形の係止杆をもちいることが好ましい。
図1は、本発明による動吸振器が取り付けられた軽量気泡コンクリートパネルを下方より見た斜視図である。3は動吸振器取り付け部材であり、鉄、アルミニウム等の金属、あるいはプラスチック等よりなる筐体である。取付金具4との締結に支障を及ぼさない範囲で、軽量化のために、部分的にパンチングメタルを用いたり、グレーチングのような構造としても良い。
【0028】
図1で5,6は動吸振器本体部分であり、5は弾性体である。弾性体としては発泡プラスチックス、発泡ゴム等の弾性体、あるいはゴム製、プラスチック製、金属製等のバネ材を用いることができる。
図1の6は、付加質量であり、例えば金属製のプレートである。弾性体5、付加質量6は、動吸振器取り付け部材3の上に置かれている状態なので、通常、大きな力が加わることはない。したがって、ビス、クランプ等の接合用金具や、接着剤によって良好に行うことができる。また、付加質量の形状を若干工夫して、弾性体5と嵌合構造を形成した上で、接着剤を用いて一体化することも好ましい。
【0029】
付加質量6と弾性体5の物性の関係について、簡単に述べる。付加質量6の質量をM(kg)、弾性体5のバネ定数をK(N/m)とすると、付加質量Mの共振周波数はf0(Hz)は、振動の理論では、
0=(1/2π)×(K/M)1/2
と表される。
軽量気泡コンクリートパネル場合、重量床衝撃音として最も遮音性を向上させたいのは60Hz近傍での、騒音である。通常1/3オクターブバンドでの測定を考えて、上記共振周波数f0を30Hzに設定することを考える。軽量気泡コンクリートとして、例えば前述の密度0.6g/m3、重量65kgのパネルに、付加質量として20kgの鋼鉄製プレートを用いるとすれば、バネ定数を7.1×103N/m程度に調整すれば、共振周波数f0として30Hzを得ることができる。
【0030】
図6は、本発明の第2の態様を示すものである。(a)は、長孔1aが、軽量気泡コンクリートパネル短辺方向に、巾の1/2以上の長さを有して設けられており、係止杆2が、隣接するパネルを貫通するように差し込まれている状態である。
(b)は、長孔1aが、短辺方向に貫通するように設けられ、係止杆2が、隣接するパネル3枚を貫通するように差し込まれている。(c)は、長孔1aがパネルの長辺方向に、長辺方向巾の1/2以上の長さで設けられており、係止杆2が、隣接するパネルを貫通するように差し込まれている状態である。いずれの状態においても、複数の軽量気泡コンクリートパネルが係止杆2によって、一体化されており、重量床衝撃に対して高い抵抗力を有するために、より優れた遮音性を示す床構造となる。
【0031】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、軽量気泡コンクリートからなる床構造に対して、1. 高度な遮音性能を発揮する比較的重い付加質量からなる動吸振動器を確実に取り付けることのできる構造を提供し、かつその取り付け構造は長期間に渡って高度な遮音性能を維持でき、なお取り付けも簡便で施工性に優れている。
2. 係止杆による鉄筋補強効果と、係止杆と動吸振動器取り付け部材とのサンドイッチ構造による軽量気泡コンクリートの曲げ剛性向上効果を有し、遮音性能、特に重量床衝撃音の遮音性に優れた経済的な床構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による動吸振器付き軽量気泡コンクリート床パネルの斜視図。
【図2】本発明の実施例による動吸振器付き軽量気泡コンクリート床パネルの断面図。
【図3】実施例の要部の一部切欠斜視図。
【図4】実施例の構成を施工手順により説明する説明図。
【図5】本発明に使用される取付金具の一例を示す平面図。
【図6】本発明の別の実施態様を説明する図であり、隣接パネルの係止杆による一体化の例を示す平面図。
【符号の説明】
1・・・・軽量気泡コンクリートパネル
1a・・・長孔
1b・・・座くり孔
1c・・・パネル下階側表面
1d・・・パネル小口面
2・・・・係止杆
3・・・・動吸振動器取り付け部材
4・・・・取付金具
4a・・・係合孔
4b・・・係止用ネジ
5・・・・弾性材
6・・・・付加質量
7・・・・ナット
8・・・・バネ座金

Claims (2)

  1. 動吸振器が取り付けられてなる床構造において、
    1. 床は敷設された軽量気泡コンクリートパネルから構成されている、
    2. 該軽量気泡コンクリートパネルの小口面には、その小口面と垂直に該小口面から相対する小口面までの長さの少なくとも半分以上の長さを有する長孔が設けられ、パネル下面には前記長孔に連通する座くり孔が設けられており、この座くり孔へ基端に係合孔、先端に係止用ネジを有する取付金具の基端を差込み、前記長孔に差し込んだ係止杆を該取付金具の係合孔に差し通して取付金具が係止されている、
    3. 動吸振器の取り付け部材が、前項2の取付金具の先端係止用ネジに連結されている、
    ことを特徴とする遮音性軽量気泡コンクリート床構造。
  2. 係止杆が少なくとも隣接する2枚のパネルを貫通するごとく、該長孔に差し込まれていることを特徴とする請求項1に記載の遮音性軽量気泡コンクリート床構造。
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