JP4469075B2 - 軒天見切り構造および軒天見切り構造の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁と軒天との接合部における軒天見切り構造および軒天見切り構造の施工方法に関し、特に外壁内部の通気性を考慮したものに関する。
【0002】
【背景の技術】
住宅の屋根の施工において、建物の躯体から突出する軒先の裏面側の軒天を施工する場合、例えば、特開平10−183912号公報に記載の技術のように、小屋裏換気の為の換気機能を備えた換気見切り部材が用いられる場合がある。このような見切り部材は、単に、軒天や外壁の仕上げ材の端辺を外観上すっきりと仕上げる効果だけでなく、小屋裏の換気を促すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術には次のような課題があった。
第1に、特開平10−183912号公報に記載の技術では、見切り材を用いて軒天井の上下に連通する通気路を設けているが、建物本体の外壁内部の通気が考慮されていなかった。
第2に、見切り部材として、1つ以上の固定部材と見切り部材本体とを用いると、施工作業と部材の管理に手間がかかる。
本発明は上記課題を鑑みてなされるものであり、外壁内部の通気性を考慮し、施工および部材の管理が軽減される軒天見切り構造および軒天見切り構造の施工方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し、請求項1の発明は、例えば図1に示すように、建物の軒先に設けられた軒天材1の基端部1bと、建物の躯体5にこの躯体5との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材2の上端部との間に、軒天見切材4が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材4は、上面部4bと、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aとによって構成されており、
前記軒天材1の基端部1bと前記躯体5との間に、前記外装材2の上端部が配置され、前記軒天材1の基端部1bに前記軒天見切材4の係合部4aが係合されており、かつ、この係合部4aの裏側の少なくとも一部が前記外装材2の上端部表面に当接されており、
前記躯体5には、支持部材6a,6bが前記外装材2より上方位置で固定され、この支持部材6aと前記外装材2との間の隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部が挿入され、
前記支持部材6aに前記軒天見切材4の上面部4bが固定され、前記支持部材6bには、上下方向に貫通する通気孔8が形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、例えば図4に示すように、建物の軒先に設けられた軒天材1の基端部1bと、建物の躯体5にこの躯体5との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材2の上端部との間に、軒天見切材4が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材4は、上面部4bと、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aとによって構成されており、
前記軒天材1の基端部1bと前記躯体5との間に、前記外装材2の上端部が配置され、前記軒天材1の基端部1bに前記軒天見切材4の係合部4aが係合されており、かつ、この係合部4aの裏側の少なくとも一部が前記外装材2の上端部表面に当接されており、
前記外装材2の上端と屋根芯材11との間に隙間が設けられており、この隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部が挿入され、
前記屋根芯材11に前記軒天見切材4の上面部4bが固定されていることを特徴とする。
【0005】
請求項1および2の発明によれば、前記軒天材1の基端部1bと前記躯体5との間に、前記外装材2の上端部が配置されているので、外装材2の端部の上面は少なくとも前記軒天材1に覆われることのない外装材2勝ちとなる。また、前記軒天材1の基端部1bに前記軒天見切材4が係合され、かつ、この軒天見切材4は前記外装材2の表面側に当接されているので、軒天見切材4を容易に所定の位置に取付けることができるとともに、前記軒天材1および外装材2の見切りが可能になる。さらに、このような軒天見切り構造とすることによって、前記外装材2と躯体5との間に形成された外壁内部の空間Sの上部が前記軒天材1あるいは軒天見切材4で塞がれることがないので、外壁内部の空間Sと小屋裏とが連通し、外壁内部の通気性を高めることができる。
【0006】
なお、軒天見切材4は、軒天の基端部における軒天材1と外装材2とが当接する端部に配設される部材であり、例えば、ラミネート塩化ビニル鋼板等からなり、軒天材1および外装材2の端部を外部から隠す見切りに用いる。
【0007】
外装材2は、建物の躯体5の表面を覆う部材であり、防火性等を有する板状の素材を用いる場合があり、例えば、タイル貼り状やレンガ積み状の模様等、意匠性を高める模様が形成されている。
【0009】
また、請求項1の発明によれば、前記躯体5には、支持部材6a,6bが前記外装材2より上方位置で固定され、この支持部材6aに前記軒天見切材4が固定されるので、支持部材6a,6bを介して前記躯体5に軒天見切材4が固定される。このように固定された軒天見切材4と前記軒天材1とが係合されているので、軒天材1の基端部1bを固定する作業を容易に行うことができる。さらに、前記支持部材6bには、上下方向に貫通する通気孔8が形成されているので、前記外壁内部の空間Sと支持部材6a,6bの上部にある小屋裏とが連通し、外壁内部の通気が可能となる。
【0010】
請求項3の発明は例えば、図5に示すように、建物の軒先に設けられた軒天材1の基端部1bと、建物の躯体5にこの躯体5との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材2の上端部との間に、軒天見切材4が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材4は、上面部4bと、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aとによって構成されており、
前記軒天材1の基端部と前記躯体5との間に、前記外装材2の上端部が配置され、前記軒天材1の基端部に前記軒天見切材4の係合部4aが係合されており、かつ、この係合部4aの裏側の少なくとも一部が前記外装材2の上端部表面に当接されており、
前記軒天材1は屋根12の軒先裏面に、該屋根12の傾斜方向に沿って取付けられており、
前記外装材2の上端と前記屋根12との間に隙間が設けられており、この隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部が挿入され、
前記軒天見切材4は屋根12の裏面に固定されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明によれば、前記軒天材1は屋根12の軒先裏面に、該屋根12の傾斜方向に沿って取付けられており、前記軒天見切材4は屋根12の裏面に固定されているので、傾斜方向に沿って軒天材1が設けられた場合に、前記軒天見切材4によって前記軒天材1および外装材2の見切りが可能となる。また、図6に示すように屋根12の裏面には格子状に屋根梁13が組まれているので、外装材2が屋根12の裏面近傍にあっても、外壁内部と屋根12裏面とが連通する空間があり、通気路を確保することができる。
【0013】
また、前記軒天見切材4は、前記軒天材1の基端部1bに係合する凹溝状の係合部4aを備え、この係合部4aが前記軒天材1に係合され、この係合部4aの裏側の少なくとも一部が前記外装材2の上端部表面に当接されているので、一つの部材からなる軒天見切材4によって、軒天材1と外装材2とを同時に見切ることが可能である。よって、見切りに必要な部材の数を少なく抑えることができる。さらに、このような構成の軒天見切材4は、図1に示す桁側の軒天の他に、妻側の軒天(図4)や屋根裏面に軒天材1が設けられた(図5)際の見切りにも対応可能となるので、軒天見切材4の形状の統一が可能となり、部材の種類を少なく抑えられ、部材の管理が軽減できる。
【0014】
請求項4の発明は、建物の軒先に設けられた軒天材1の基端部1bと、建物の躯体5にこの躯体5との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材2の上端部との間に、軒天見切材4が設けられてなる軒天見切り構造の施工方法であって、
前記軒天見切材4は、上面部4bと、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aとによって構成されており、
まず、前記躯体5に前記外装材2を該躯体5との間に所定間隔を隔てて取付け、次に、前記躯体5に、上下に貫通する通気孔8が形成された支持部材6bを前記外装材2より上方位置で固定し、
次に、前記支持部材6bと前記外装材2との間の隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部を差し込み、前記支持部材6aに、軒天見切材4を前記外装材2の表面に当接するようにして取付け、次に、前記軒天見切材4の係合部4aに、前記軒天材1の基端部1bを係合することを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明の軒天見切り構造の施工方法によれば、まず、前記躯体5に前記外装材2を該躯体5との間に所定間隔を隔てて取付け、次に、前記躯体5に、上下に貫通する通気孔8が形成された支持部材6bを前記外装材2より上方位置で固定し、次に、前記支持部材6bと前記外装材2との間の隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部を差し込み、前記支持部材6aに、軒天見切材4を前記外装材2の表面に当接するようにして取付け、次に、前記軒天見切材4の係合部4aに、前記軒天材1の基端部1bを係合するので、前記軒天見切材4を容易に設置でき、外壁内部の通気路を確保し、かつ軒天材1および外装材2の見切りが可能である軒天見切り構造の施工を容易に行うことができる。
【0016】
請求項5の発明は、建物の軒先に設けられた軒天材1の基端部1bと、建物の躯体5にこの躯体5との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材2の上端部との間に、軒天見切材4が設けられてなる軒天見切り構造の施工方法であって、
前記軒天見切材4は、上面部4bと、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aとによって構成されており、
まず、前記躯体5に、上下に貫通する通気孔8が形成された支持部材6bを前記外装材2より上方位置で固定し、
次に、前記躯体5に前記外装材2を該躯体5との間に所定間隔を隔てて取付け、
次に、前記支持部材6bと前記外装材2との間の隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部を差し込み、前記支持部材6aに、軒天見切材4を前記外装材2の表面に当接するようにして取付け、次に、前記軒天見切材4の係合部4aに、前記軒天材1の基端部1bを係合することを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明の軒天見切り構造の施工方法によれば、まず、前記躯体5に、上下に貫通する通気孔8が形成された支持部材6bを前記外装材2より上方位置で固定し、次に、前記躯体5に前記外装材2を該躯体5との間に所定間隔を隔てて取付け、次に、前記支持部材6bと前記外装材2との間の隙間に前記軒天見切材4の上面部4bの端部を差し込み、前記支持部材6aに、軒天見切材4を前記外装材2の表面に当接するようにして取付け、次に、前記軒天見切材4の係合部4aに、前記軒天材1の基端部1bを係合するので、前記軒天見切材4を容易に設置でき、外壁内部の通気路を確保し、かつ軒天材1および外装材2の見切りが可能である軒天見切り構造の施工を容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る軒天見切り構造について説明する。図1は本発明における軒天納まり構造の一例の要部を示す断面図である。図1において、符号1は軒天材、符号2は外装材、符号3は胴縁、符号4は軒天見切材、符号6aは野縁(支持部材),6bは軒天通気野縁(支持部材)であり、これらによって本発明の軒天見切り構造の主要部が構成されている。軒天材1は、石綿スレート板からなる軒先の奥行きとほぼ等しい長さを有する平板である。
【0019】
軒天見切材4はラミネート塩化ビニル鋼板からなり、図2に示すように、上面部4bと係合部4aとによって構成されている。上面部4bは矩形の平板状であり、この上面部4bの下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部4aが、上面部4bの長手方向の辺と平行に設けられている。なお、前記上面部4bおよび係合部4aの長尺方向の幅はほぼ等しくなっている。また係合部4aの端部は、内側方向に折り曲げられて該係合部4a内面に当接するように処理されている。前記係合部4aの高さは、軒天材1の厚さよりやや高く設定されている。
【0020】
野縁(支持部材)6aは木質の角材からなる矩形枠状の軒天材支持枠(図示せず)の一部をなし、図3に示すように、さらにその野縁(支持部材)6aの辺の軒天材支持枠の外側に前記野縁(支持部材)6aに沿ってもう一本の角材が軒天通気野縁6bとして取付けられている。この軒天通気野縁(支持部材)6bを介して前記野縁(支持部材)6aは躯体5に取り付けられる。また、前記軒天通気野縁(支持部材)6bの躯体5に接する側面は、所定間隔で欠切した通気孔8が設けられている。
【0021】
外装材2は、躯体5との間に長尺な板材である胴縁3によって所定間隔を保ちながら躯体5を覆っている。なお、胴縁3の厚さは前記野縁6aの厚さより薄く、該胴縁3の左右端部には溝が形成されており、躯体5と外装材2との間に上下に所定間隔で複数本設けられている。この胴縁3により外壁内部の通気や防音等の効果が得られる。なお、本例では、躯体の構成部材である壁パネル5に、工場にて図示しない防水透湿シートを貼設後、胴縁3を貼設し、さらに外装材2が取り付けられた艤装壁パネル5となっている。
【0022】
このような艤装パネルは、基準寸法=910mmを1M(モジュール)として、例えば、1/8M、1/4M、1/2M、1M、2M、4M…の寸法に規格化された標準パネルを主として構成されている。
【0023】
次に、本実施の形態の施工方法について説明する。予め工場で艤装された前記艤装壁パネル5を用いて建物の躯体を構築すると、外装材2の上端の位置が決まる。前記外装材2の上端よりやや高い位置に、軒天の面積に応じた矩形枠状の野縁(支持部材)6aを取り付ける。その野縁6aの基端部側の枠の外側側面にはさらに軒天通気野縁6bを前記通気孔8を有する側面を壁側に向けて、軒先側から基端部方向へ釘7にて取り付ける。このとき、外装材2の上端側面と野縁6aとの間には隙間ができる。該隙間に軒天見切材4の係合部4a背面側の上面部4b端部を差し込み、上面部4bの所定の位置にて、その下側から上面部4bを通して上面部4bに接する野縁6a側へ釘7を打ち込み、該軒天見切材4を固定する。
【0024】
続いて、固定された軒天見切材4の係合部4aに軒天材1の基端部1bを係合し、軒天材1の反対側の端部を軒先側の所定の位置に納めるために、係合部4aの奥部まで該軒天材1を押し込み、軒先側の端部を所定位置に納める。続いて、係合部4aの奥まで押し込まれていた軒天材1を軒先側にずらして軒先側の挿入口(図示せず)側に係合させ、所定の位置で軒天材1の下面側から野縁6a側へ向けて釘7を打ち、軒天材1を固定する。以上により軒天見切りの施工が終了する。
【0025】
本実施の形態の例によれば、外装材2勝ちとなっているので、外壁内部の通気を確保するために、軒天材1が外壁上部全面に当接して外壁内部の空間Sの上部を塞ぐことがなく、容易に通気性を確保することができる。さらに、軒天通気野縁(支持部材)6bに通気孔8を設けたので、小屋裏10と外壁内部の空間Sとが連通して通気が可能となり、外壁内部の除湿効果が向上する。
【0026】
また、軒天見切材4を外装材2と軒天通気野縁6bとの間に挿入し、外装材2の側面に係合部4aの裏面を当接するので、軒天見切材4の設置位置を容易に決めることができる。軒天見切材4の突出する係合部4aに軒天材1を係合するので、軒天材1および外装材2の見切りを行うことができる。また、前記係合部4aは、軒天材1を所定位置に納める際に、軒天材1を一時的に支持することができるので、軒天材1の取付作業が容易となる。さらに、前記軒天見切材4は外観上目立たず、軒天の見切り部分がすっきりとした外観を呈する。
【0027】
また、前記軒天見切材4によれば、外装材2の厚みの違いによって、前記軒天見切材4の形状を変えることなく対応できるので、外装材2の厚み変化に左右されない軒天見切材4となり、部材の種類が少なくでき、部材管理が軽減される。
【0028】
なお、軒天見切材4の材質をラミネート塩化ビニル鋼板としたが、この材質に限定するものではなく、例えば、鋼板でもよく、野縁(支持部材)6aに固定し、軒天材1を支持しうる十分な強度を有するものであればよい。また、外装材2および胴縁3については、予め工場にて外装材2および胴縁3が艤装された艤装壁パネル5を用いたが、これに限定するものではなく、建築現場にて外装材2および胴縁3を取り付ける構成であってもよく、要は躯体5と外装材2との間に胴縁3が設けられて、外壁内部の空間Sが設けられた構成であればよい。なお、建築現場にて外装材2および胴縁3を取り付ける場合は、軒天通気野縁(支持部材)6bおよび野縁(支持部材)6aとを躯体に取り付けた後に、胴縁3および外装材2を取り付ける。
【0029】
図4は、本実施の形態の第2の例であり、住宅の妻側の軒先の見切り構造の要部を示すものである。図1の桁側の軒先の例と同一形態の艤装壁パネル5および軒天材1および軒天気見切材4を用いる。躯体を構成する艤装壁パネル5は予め胴縁3および外装材2が取り付けられており、その外装材2上端と屋根芯材11との間に隙間が出来るような構成となっている。この隙間に軒天見切材4の上面部4bの係合部4aの背面側の端部を挿入し、前記軒天見切材4は屋根芯材11に釘7を打って固定する。固定された軒天見切材4の係合部4aに軒天材1を係合させ、前記第1の例と同様に軒先側の所定の位置に軒天材1の端部を納める処理を行う。その後、軒天材1の下面側から屋根芯材11側に釘7を打って軒天材1を固定し、軒天の施工を終了する。
【0030】
上記第2の実施の形態の例によれば、妻側の軒天の見切りにおいても、容易に作業でき、かつ外観意匠上すっきりとした軒天を仕上げることができる。また、桁側の軒先で用いたものと同一形状の軒天見切材4を妻側の軒天の見切りにも用いることができるので、住宅の軒天の見切り作業における軒天見切材4の形状統一が可能となり、部品の管理や生産コストが軽減される。
【0031】
なお、本実施の例では予め工場にて胴縁3および外装材2が艤装された艤装壁パネル5を用いたが、これに限定するものではなく、建築現場にて胴縁3と外装材2を取り付けてもよい。
【0032】
図5は、本実施の形態の第3の例を示す図である。本例では、軒天材1が屋根12の裏面に沿って配設される軒天構造に本発明の軒天見切り構造を適用したものである。この屋根12は、予め工場で製造された屋根パネルで構成されている。図5の(a)〜(d)は、それぞれ屋根の勾配が異なり、(a)が最も緩やかな勾配屋根となり、順に勾配が大きくなり、(d)は最も勾配が大きい例を示すものである。なお、例(a)〜(d)に用いられている軒天材1と軒天見切材4と艤装壁パネル5とはそれぞれ同じ形状のものであり、各設置場所に応じて各部材の大きさが変化したものである。
【0033】
(a)では、躯体を構成する艤装壁パネル5には外装材2が屋根の裏面近傍まで設けられており、該外装材2の上端部と屋根12とには隙間が出来るようになっている。この隙間に前記軒天見切材4を屋根12に沿うように挿入し、軒天見切材4の上面部4bの所定の位置から屋根12側に釘7を打ち、該軒天見切材4を固定する。このとき、軒天見切材4の係合部4aの突出する角部が前記外装材2に当接している。次いで、軒天材1の一方の端部を係合部4aに係合し、他方の端部を軒先側の端部の所定の位置に納め、軒天材1側から屋根12側に釘7を打ち固定する。
【0034】
(b)〜(d)についても、上記(a)と同様の構成および施工方法を用いる。なお、(a)〜(d)の構造のように、外装材2の上端が屋根12裏面近傍まであっても、図6に示すように、屋根12には格子状の屋根梁13が設けられ、この屋根梁13によって屋根12裏面と外壁内部とに連通する空間が設けられ、通気性を確保できる。
【0035】
従って、本発明の軒天見切り構造は、屋根12の勾配角度に影響されることなく、同一形状の軒天見切材4および艤装壁パネル5を用いることが可能であり、軒天見切材4の標準化を進めることができる。また、軒天材1と外装材2とが垂直に当接しない場合においても、同一形状の軒天見切材4を用いて軒裏を施工することができるので、軒裏施工に必要な部材の種類を減らすことができ、部材の管理や転用が容易に行えるので、部品の形状統一による共通化が可能となり、部品の管理および生産面での効率化が図られる。さらに、軒天見切材4は艤装されたパネルを用いた軒天と一般的な材工を用いた軒天とのいずれの場合にも使用可能なので、艤装用の部品と一般材工部品とを形状を統一することも可能であり、部品の種類を減らすことが可能となる。
【0036】
なお、本実施の例においては、屋根パネルおよび艤装壁パネル5を用いた建物の例を示したが、これに限定するものではなく、建物が軸組によって構築され、前記建物の屋根を支持する支持部材が柱、梁により構成されてなる従来の工法による屋根や外装材を有する壁であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1および2の発明によれば、外装材の端部の上面は少なくとも前記軒天材に覆われることのない外装材勝ちであり、軒天材の基端部と外装材の上端部との間に軒天見切材が設けられる構成により、前記外壁内部の空間の上部が前記軒天材あるいは軒天見切材で塞がれることがない。また、この軒天見切材は前記外装材の表面側に当接されるので、軒天見切材を容易に所定の位置に取付けることができるとともに、前記軒天材および外装材の見切りが可能になる。
【0038】
また、請求項1の発明によれば、前記躯体に支持部材が前記外装材より上方位置で固定され、この支持部材に前記軒天見切材が固定されるので、支持部材を介して前記躯体と軒天見切材とが固定される。この固定された軒天見切材と前記軒天材とが係合しているので、軒天材の基端部を容易に納めることができる。さらに、前記支持部材に設けられた通気孔によって、前記外壁内部の空間と支持部材の上部にある小屋裏とが連通し、外壁内部の通気性が向上する。
【0039】
請求項3の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、屋根の傾斜方向に沿って屋根裏面に前記軒天材が取付けられ、屋根の裏面に前記軒天見切材が固定されたので、傾斜方向に沿って軒天材が設けられた場合にも、前記軒天見切材によって前記軒天材および外装材の見切りが可能となる。また、屋根の裏面と外壁内部とが連通する空間があるので、外装材が屋根の裏面近傍にあっても、通気路を確保することができる。
【0040】
また、前記軒天見切材の係合部を備え、この係合部の裏側の少なくとも一部が前記外装材の上端部表面に当接される構成によって、前記軒天見切材の取付位置を容易に特定でき、一つの部材からなる軒天見切材で軒天材と外装材とを同時に見切ることが可能になる。よって、見切りに必要な部材の数を少なく抑えることができる。さらに、このような構成の軒天見切材は、桁側および妻側の軒天や屋根裏面に軒天材が設けられた際の見切りにも対応可能となるので、軒天見切材の形状の統一が可能となり、部材の種類を少なく抑えられ、部材の管理が軽減できる。
【0041】
請求項4の発明の軒天見切り構造の施工方法によれば、前記軒天見切材を容易に設置でき、外壁内部の通気路を確保し、軒天材を納め、かつ軒天材および外装材の見切りが可能である軒天見切り構造の施工を容易に行うことができる。
【0042】
請求項5の発明の軒天見切り構造の施工方法によれば、外壁内部の通気路を確保し、前記軒天見切材を容易に設置でき、軒天材を納め、かつ軒天材および外装材の見切りが可能である軒天見切り構造の施工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、軒天見切り構造の一例を示す桁側の断面図である。
【図2】本発明の軒天見切材の斜視図である。
【図3】本発明の軒天見切り構造を用いた桁側の軒の斜視図である。
【図4】本発明の軒天見切り構造を妻側に適用した例の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の軒天見切り構造を勾配軒天に適用した例の要部を示す断面図である。
【図6】図5の例の外装材と屋根裏面との当接部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 軒天材
1b 基端部
2 外装材
4 軒天見切材
4a 係合部
5 躯体(壁パネル)
6a 野縁(支持部材)
6b 軒天通気野縁(支持部材)
8 通気孔
12 屋根
Claims (5)
- 建物の軒先に設けられた軒天材の基端部と、建物の躯体にこの躯体との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材の上端部との間に、軒天見切材が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材は、上面部と、この上面部の下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部とによって構成されており、
前記軒天材の基端部と前記躯体との間に、前記外装材の上端部が配置され、前記軒天材の基端部に前記軒天見切材の係合部が係合されており、かつ、この係合部の裏側の少なくとも一部が前記外装材の上端部表面に当接されており、
前記躯体には、支持部材が前記外装材より上方位置で固定され、この支持部材と前記外装材との間の隙間に前記軒天見切材の上面部の端部が挿入され、
前記支持部材に前記軒天見切材の上面部が固定され、前記支持部材には、上下方向に貫通する通気孔が形成されていることを特徴とする軒天見切り構造。 - 建物の軒先に設けられた軒天材の基端部と、建物の躯体にこの躯体との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材の上端部との間に、軒天見切材が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材は、上面部と、この上面部の下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部とによって構成されており、
前記軒天材の基端部と前記躯体との間に、前記外装材の上端部が配置され、前記軒天材の基端部に前記軒天見切材の係合部が係合されており、かつ、この係合部の裏側の少なくとも一部が前記外装材の上端部表面に当接されており、
前記外装材の上端と屋根芯材との間に隙間が設けられており、この隙間に前記軒天見切材の上面部の端部が挿入され、
前記屋根芯材に前記軒天見切材の上面部が固定されていることを特徴とする軒天見切り構造。 - 建物の軒先に設けられた軒天材の基端部と、建物の躯体にこの躯体との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材の上端部との間に、軒天見切材が設けられてなる軒天見切り構造において、
前記軒天見切材は、上面部と、この上面部の下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部とによって構成されており、
前記軒天材の基端部と前記躯体との間に、前記外装材の上端部が配置され、前記軒天材の基端部に前記軒天見切材の係合部が係合されており、かつ、この係合部の裏側の少なくとも一部が前記外装材の上端部表面に当接されており、
前記軒天材は屋根の軒先裏面に、該屋根の傾斜方向に沿って取付けられており、
前記外装材の上端と前記屋根との間に隙間が設けられており、この隙間に前記軒天見切材の上面部の端部が挿入され、
前記軒天見切材は屋根の裏面に固定されていることを特徴とする軒天見切り構造。 - 建物の軒先に設けられた軒天材の基端部と、建物の躯体にこの躯体との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材の上端部との間に、軒天見切材が設けられてなる軒天見切り構造の施工方法であって、
前記軒天見切材は、上面部と、この上面部の下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部とによって構成されており、
まず、前記躯体に前記外装材を該躯体との間に所定間隔を隔てて取付け、次に、前記躯体に、上下に貫通する通気孔が形成された支持部材を前記外装材より上方位置で固定し、
次に、前記支持部材と前記外装材との間の隙間に前記軒天見切材の上面部の端部を差し込み、前記支持部材に、軒天見切材を前記外装材の表面に当接するようにして取付け、
次に、前記軒天見切材の係合部に、前記軒天材の基端部を係合することを特徴とする軒天見切り構造の施工方法。 - 建物の軒先に設けられた軒天材の基端部と、建物の躯体にこの躯体との間に所定間隔を隔てて取付けられた外装材の上端部との間に、軒天見切材が設けられてなる軒天見切り構造の施工方法であって、
前記軒天見切材は、上面部と、この上面部の下面から垂直に突出し、直角に曲折して凹溝状となっている係合部とによって構成されており、
まず、前記躯体に、上下に貫通する通気孔が形成された支持部材を前記外装材より上方位置で固定し、
次に、前記躯体に前記外装材を該躯体との間に所定間隔を隔てて取付け、
次に、前記支持部材と前記外装材との間の隙間に前記軒天見切材の上面部の端部を差し込み、前記支持部材に、軒天見切材を前記外装材の表面に当接するようにして取付け、
次に、前記軒天見切材の係合部に、前記軒天材の基端部を係合することを特徴とする軒天見切り構造の施工方法。
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