JP2021055343A - 外壁構造および外壁の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成の水切で、外壁の通気層内の通気と防水とを両立すること。【解決手段】外壁構造は、下階側および上階側のフレーム部材(21,31)と、下階側および上階側の外壁面部材(22,32)との間に通気層(20,30)が形成された外壁と、上階側のフレーム部材の下端部に固定された水切(40)とを備える。水切は、上階側のフレーム部材の屋外面に当接する当接部(41)と、当接部の下端から上階側の外壁面部材の裏面に向かって外方へ張り出し、複数の通気孔(42a)が設けられた第1張り出し部(42)と、第1張り出し部の外方端から下方に延びる第1垂下部(43)と、第1垂下部の下端から、下階側の外壁面部材の上端面上を通って外方へ張り出す第2張り出し部(44)と、第2張り出し部の外方端から下方に延びる第2垂下部(45)とを含む。【選択図】図2
Description
本発明は、複数階建ての建物の外壁構造および外壁の施工方法に関する。
店舗や介護施設に代表される鉄骨系建物の外壁では、サイディングなどの外壁面材の下地として、複数の胴縁が用いられる。胴縁を1本ずつ現場で固定する作業は労力を要するため、従来から、胴縁をパネル化した胴縁パネルが存在する。
たとえば特開2017−57695号公報(特許文献1)では、複数階分の高さを有する胴縁パネルを工場で生産し、現場において、複数に分割された外壁面材(外装面材)が個々に胴縁パネルに取り付けられる。この施工方法では、複数の外壁面材が複数階に亘り連続的に配置されるため、階間部における防水処理を不要にできる。
住宅建物の階間部に配置される水切としては、特開2015−90042号公報(特許文献2)に開示されたようなものがある。この水切は、下側の外壁パネルの通気層に位置し通気開口を備える通気層面部と、通気層面部から延設されて下側の外壁パネルの外壁板の上端面上を通って横目地の外側に至る横目地面部と、を有することを特徴としている。
特許文献1では、複数階分の高さを有するフレーム部材としての胴縁パネルに、外壁面材を現場で個々に取り付けているため、上述のように、階間部における防水処理を不要にできるが、フレーム部材と外壁面材とが一体化された外壁パネルを用いて外壁を施工する場合、階間部に隙間ができるため、特許文献2に示されるように、外壁パネル間に水切が配置されることがある。
特許文献2の水切は、下側フレームの上端面に固定されていることから、下階側の外壁パネルと上階側の外壁パネルを設置した後で水切の取り付け作業を行うことはできない。また、水切は、通気層内を上下方向に延びる部分に、外側に下り傾斜するガラリ状の通気開口を有するなど、複雑な形状となっており、簡易な構成の水切で、外壁の通気層内の通気と防水とを両立できる技術が求められていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成の水切で、外壁の通気層内の通気と防水とを両立できる外壁構造および外壁の施工方法を提供することである。
この発明のある局面に従う外壁構造は、複数階建ての建物の外壁構造であって、建物の躯体部にそれぞれ固定された下階側および上階側のフレーム部材と、屋外空間に露出する下階側および上階側の外壁面部材との間に通気層が形成された外壁と、上階側のフレーム部材の下端部に固定され、下階側の外壁面部材と上階側の外壁面部材との間から通気層への雨水の浸入を防止するための水切とを備える。水切は、上階側のフレーム部材の屋外面に当接する当接部と、当接部の下端から上階側の外壁面部材の裏面に向かって外方へ張り出す第1張り出し部と、第1張り出し部の外方端から下方に延びる第1垂下部と、第1垂下部の下端から、下階側の外壁面部材の上端面上を通って外方へ張り出す第2張り出し部と、第2張り出し部の外方端から下方に延びる第2垂下部とを含む。第1張り出し部に、複数の通気孔が設けられている。
好ましくは、第1垂下部の上端部は、上階側の外壁面部材の裏面に、当接または近接した状態で対面して配置されている。
好ましくは、第2張り出し部と下階側の外壁面部材の上端面との間に、弾性部材が設けられている。
好ましくは、上階側の外壁面部材は、上下方向に互いに隣接する複数の外装面材によって構成され、上階側の外壁面部材のうち下端に位置する下端外装面材は、水切の当接部に重なって配置されるスペーサを介して、上階側のフレーム部材の下端部に固定されている。
より好ましくは、上階側および下階側のそれぞれにおいて、フレーム部材および外壁面部材は一体化されて外壁パネルを構成している。
この発明の他の局面に従う外壁の施工方法は、複数階建ての建物の外壁の施工方法であって、フレーム部材と外壁面部材との間に通気層を有する下階側および上階側の外壁パネルを準備する工程と、下階側の外壁パネルを、建物の躯体部に固定する工程と、上階側の外壁パネルを、当該外壁パネルの外壁面部材を構成する複数の外装面材のうち下端に位置する下端外装面材を取り除いた状態で、躯体部に固定する工程と、躯体部に固定された上階側の外壁パネルのフレーム部材の下端部に、下階側の外壁面部材と上階側の外壁面部材との間から通気層への雨水の浸入を防止するための水切を固定する工程と、水切を固定した後で、下端外装面材を、上階側の外壁パネルのフレーム部材に固定する工程とを備える。水切は、上階側の外壁パネルのフレーム部材の屋外面に当接する当接部と、当接部の下端から下端外装面材の裏面に向かって外方へ張り出す第1張り出し部と、第1張り出し部の外方端から下方に延びる第1垂下部と、第1垂下部の下端から、下階側の外壁面部材の上端面上を通って外方へ張り出す第2張り出し部と、第2張り出し部の外方端から下方に延びる第2垂下部とを含み、第1張り出し部に、複数の通気孔が設けられている。
本発明によれば、簡易な構成の水切で、外壁の通気層内の通気と防水とを両立することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<概略構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る建物の外壁構造1の概略構成について説明する。図1(A)は、外壁構造1を模式的に示す断面図であり、図1(B)は、外壁構造1の一部を構成するフレーム部材21を屋外側から見た模式図である。なお、図1(A)の矢印A1は建物の屋外側(外方)を示し、図1(B)に示す矢印A2は、外壁の横幅方向を示す。
図1を参照して、本実施の形態に係る建物の外壁構造1の概略構成について説明する。図1(A)は、外壁構造1を模式的に示す断面図であり、図1(B)は、外壁構造1の一部を構成するフレーム部材21を屋外側から見た模式図である。なお、図1(A)の矢印A1は建物の屋外側(外方)を示し、図1(B)に示す矢印A2は、外壁の横幅方向を示す。
図1(A)を参照して、外壁構造1は、複数階建ての建物の外壁構造であり、柱12および梁13を含む躯体部10と、躯体部10に取り付けられた外壁パネル14,15とを備えている。
外壁パネル14,15は、上下方向(高さ方向)に隣接して配置され、外壁パネル14が下階側、外壁パネル15が上階側に位置している。各外壁パネル14,15は、典型的には、建物の1階分の高さを有している。外壁パネル14,15は、たとえば建物の1階および2階の外壁を構成している。
下階側の外壁パネル14は、躯体部10に固定されたフレーム部材21と、屋外空間に露出する外壁面部材22と、これらの間に形成された通気層20とを含んでいる。上階側の外壁パネル15も同様に、躯体部10に固定されたフレーム部材31と、屋外空間に露出する外壁面部材32と、これらの間に形成された通気層30とを含んでいる。通気層20,30は、互いに連通している。そのため、これらを区別する必要がない場合には、単に通気層という。なお、フレーム部材21,31の屋外面(屋外側の面)に、透湿防水シート50が配されていてもよい。
フレーム部材21,31の構成例については、図1(B)を参照して説明する。図1(B)には代表的に、下階側のフレーム部材21の一部分を示している。ここでは、フレーム部材21の構成例について説明するが、上階側のフレーム部材31も同様の構成である。
フレーム部材21は、正面(屋外側)から見て矩形形状であって、所定の厚みを有している。フレーム部材21の横幅寸法は、柱12のピッチと同じである。フレーム部材21は、柱12および梁13よりも屋外側に持ち出された状態で、柱12に固定されている。
フレーム部材21は、両側部(横方向両端部)において上下方向に延びる一対の縦フレーム21aと、縦フレーム21aの上端部および下端部をそれぞれ連結する一対の横フレーム21bと、一対の縦フレーム21a間において上下方向に延びる複数の縦胴縁21cとを含む。各縦胴縁21cの上端および下端は、一対の横フレーム21bに連結されている。図1(A)には、フレーム部材21の上端に位置する横フレーム(以下「上桟」という)21bと、フレーム部材31の下端に位置する横フレーム(以下「下桟」という)31bとが図示されている。
外壁面部材22は、スペーサ23,24を介して、フレーム部材21に固定されている。スペーサ23,24は、フレーム部材21の縦胴縁21cに固定されている。スペーサ23,24の厚みによって、通気層20が形成されている。同様に、外壁面部材32は、スペーサ33,34を介して、フレーム部材31に固定されている。スペーサ33,34は、フレーム部材31の縦胴縁に固定されている。スペーサ33,34の厚みによって、通気層30が形成されている。各スペーサは、外壁面部材22,32を取り付けるための取付具として機能してもよい。なお、図1(B)には、スペーサ23,24の配置位置が、P23,P24としてそれぞれ示されている。
本実施の形態において、各外壁面部材22,32は、複数の横長の外装面材16を上下方向に並べることによって構成されている。外装面材16は、典型的には窯業系サイディングである。上下方向に隣接する外装面材16同士は、互いに係合することで連結されている。具体的には、外装面材16の下端部および上端部が、上下方向に嵌合するように加工されている。
たとえば、外装面材16の下端部は、図2に明示されるように、屋内側の一部分が上方に後退しており、内外方向に段差が形成されている。そのため、外装面材16の下端部は、屋外側に、下方に突出する下方突出部161を有している。また、内外方向の段差間には、上方にさらに凹んだ凹部162が設けられている。この場合、外装面材16の上端部は、下方突出部161の裏面と面接触する上方突出部を屋内側に有し、この上方突出部の先端に、凹部162に嵌まる凸部が設けられる。
本実施の形態において、外装面材16同士の連結部分は、共通のスペーサ23(33)を介してフレーム部材21(31)の縦胴縁に固定される。外壁パネル14の上端に位置する外装面材16の上端部は、スペーサ24を介してフレーム部材21の上桟21bまたは縦胴縁に固定される。外壁パネル15の下端に位置する外装面材16の下端部は、スペーサ34を介してフレーム部材31の下桟31bまたは縦胴縁に固定される。
なお、外壁パネル14の上端に位置する外装面材16の上端面はフラットな水平面である。外壁パネル15の下端に位置する外装面材16は、中央部に位置する外装面材16と同様に、下端部に段差が形成されていてもよい。つまり、各外壁パネル14,15の上端に位置する外装面材16以外は、全て同じ構造であってもよい。
上記構成の外壁パネル14,15は、予め工場で製造されたものである。そのため、現場では、各外壁パネル14,15を躯体部10に取り付けるだけでよいため、外壁の施工性が向上する。
その一方で、各外壁パネル14,15を躯体部10に取り付けた場合、上下の外壁面部材22,32間には隙間Sが生じる。そのため、隙間Sから通気層への雨水の浸入を防止するために、外壁の階間部には水切(以下「中間水切」という)40が必要となる。なお、上下のフレーム部材21,31の間には、たとえばウレタンなどの発泡体により構成される乾式のシール部材26が設けられている。シール部材26は、下階側のフレーム部材21の上端面に予め接着剤などにより固定されていてもよい。
<中間水切の取り付け構造>
図2および図3を参照して、中間水切40の取り付け構造について説明する。図2は、図1のII部分を拡大して示す断面図である。図3は、中間水切40を模式的に示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
図2および図3を参照して、中間水切40の取り付け構造について説明する。図2は、図1のII部分を拡大して示す断面図である。図3は、中間水切40を模式的に示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
中間水切40は、外壁の横幅方向に長さを有する長尺状の部材であり、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。中間水切40は、フレーム部材31の下端部(下桟31b)の屋外面に当接する当接部41と、当接部41の下端から外方へ張り出す第1張り出し部42と、第1張り出し部42の外方端から下方に延びる第1垂下部43と、第1垂下部43の下端から外方へ張り出す第2張り出し部44と、第2張り出し部44の外方端から下方に延びる第2垂下部45とを含む。
当接部41は、垂直方向に延在し、締結部材としてのタッピングビス61によってフレーム部材31の下桟31bに固定されている。当接部41は、その全体が下桟31bの屋外面に面接触している。つまり、当接部41は、下桟31bの高さ範囲内に配置されている。当接部41は、典型的には、その上端が下桟31bの天端に一致するように配置される。当接部41には、タッピングビス61を通すための複数の貫通孔(図示せず)が、長手方向(建物の横幅方向)に沿って設けられている。
なお、当接部41の上端には、外方側に折り返された折り返し部41aが設けられていてもよい。これにより、中間水切40の取り付け時に、透湿防水シート50が破損することを防止できる。
第1張り出し部42は、当接部41の下端から外壁面部材32の裏面に向かって延びている。つまり、第1張り出し部42は、フレーム部材31の下桟31bと外壁面材32の裏面との間を内外方向に延在し、通気層30を上下に分断するように配置されている。第1張り出し部42には、板厚方向に貫通する複数の通気孔42aが設けられている。これにより、下階側の通気層20と上階側の通気層30との間の通気が可能となっている。複数の通気孔42aは、たとえば丸形状であり、長手方向に沿って一定ピッチで設けられている。第1張り出し部42は、屋外側が下方となるよう若干傾斜していることが望ましい。
第1垂下部43は、通気層20,30と外壁面部材22,32との間の境界ラインLに沿って、略垂直方向に延びている。第1垂下部43の上下方向位置は、上階側の外壁面部材32の上下方向位置と重なる。言い換えると、外壁面部材32は、第1張り出し部42の位置を越えて下方に延びている。第1垂下部43の上端部は、外壁面部材32の裏面に当接または近接した状態で対面している。第1垂下部43の上下方向位置は、下階側の外壁面部材22の上下方向位置と重ならない。第1垂下部43は、孔のないフラットな板状部により形成される。なお、「近接した状態」とは、互いに対面する面同士の間隔(隙間)が5mm以下であり、より特定的には2mm以下の状態を表わす。つまり、取付状態において、第1垂下部43の上端部の屋外面と外壁面部材32の裏面とは、略隙間なく接している。
第2張り出し部44は、境界ラインL上に位置する第1垂下部43の下端から、外壁面部材22の上端面上を通って外方へ張り出している。つまり、第2張り出し部44の内外方向長さは、外壁面部材22の厚み寸法よりも長い。第2張り出し部44は、第1張り出し部42と同様に、後端よりも前端が下方となるよう若干傾斜していることが望ましい。第2張り出し部44も、孔のないフラットな板状部により形成される。
本実施の形態では、第2張り出し部44と外壁面部材22の上端面との間に、上下方向に弾性を有する弾性部材25が設けられている。つまり、弾性部材25は、外壁面部材22の上端面と第2張り出し部44の底面とに挟まれている。弾性部材25は、疎水性を有し、たとえばウレタンなどの発泡体により構成される。第2張り出し部44は、弾性部材25を下方に押え付けた状態(圧縮した状態)で配置されている。弾性部材25は、工場において外壁パネル14の製造時に、外壁面部材22の上端面に予め接着されていてもよい。
第2垂下部45は、外壁面部材22の表面に沿って垂直方向に延びている。第2垂下部45は、外壁面部材22の表面から若干外方に離れて配置されている。第2垂下部45もまた、孔のないフラットな板状部により形成される。第2垂下部45の下端には、屋内側に向かって折り返された折り返し部45aが設けられていてもよい。折り返し部45aの先端は、外壁面部材22の表面に接していてもよい。
中間水切40は、一枚の金属板を高さ方向に複数回折り曲げて、第1張り出し部42に複数の通気孔42aを設けることによって形成されている。このような簡易な構成で、通気層内の通気と防水とを両立できる。
具体的には、通気層に架け渡される第1張り出し部42に、複数の通気孔42aが設けられているため、図2において矢印Fで示すように、下階側の通気層20から上昇してきた空気を上階側の通気層30へと導くことができる。また、隙間Sの奥に配置された第1垂下部43と隙間Sの下端に配置された第2張り出し部44によって、隙間Sから(境界ラインLを超えて)通気層への雨水の浸入を防止することができる。また、本実施の形態では、第2張り出し部44と外壁面部材22の上端面との間に疎水性の弾性部材25が介在しているので、強風時などに、第2張り出し部44と外壁面部材22との間から雨水が吹き込むことを防止できる。
さらに、第2張り出し部44と外壁面部材22の上端面との間に弾性部材25が介在することによって、当接部41を締結部材(タッピングビス61)でフレーム部材31に固定するだけで、中間水切40の姿勢を安定させることができる。つまり、外壁面部材32(後述する下端外装面材16a)の裏面と第1垂下部43とを密着状態にしなくても、中間水切40の姿勢を維持することができる。そのため、仮に、通気層30内に水が浸入したとしても、第1垂下部43と外壁面部材32の裏面との間の微小な隙間から外部へ排出することが可能となる。すなわち、第1張り出し部42の上面を伝って屋外側に流れた水を、そのまま、第1垂下部43と外壁面部材32の裏面との間の微小な隙間へ通って外部へ排出することができる。
<外壁の施工方法>
図1および図4を参照して、外壁の施工方法について説明する。図4は、外壁構造1の要部の分解断面図である。
図1および図4を参照して、外壁の施工方法について説明する。図4は、外壁構造1の要部の分解断面図である。
はじめに、建物の躯体部10に固定するための外壁パネル14,15を準備する。上述のように、各外壁パネル14,15は、フレーム部材21,31と外壁面部材22,32との間に通気層20,30が形成されるように、予め工場で一体化されたものである。
上階側の外壁パネル15に関しては、工場において、外壁面部材32を構成する複数の外装面材16のうち、下端に位置する外装面材(以下「下端外装面材」という)16aだけが取り除かれている。つまり、下端外装面材16aだけは別部材として取り扱われる。
次に、準備した下階側の外壁パネル14と、下端外装面材16aを取り除いた状態の外壁パネル15とを、公知の手法によって躯体部10に固定する。これにより、外壁の基本構造が完成する。図4には、この状態が図示されている。外壁構造1を屋外側から見た場合、下階側のフレーム部材21は外壁面部材22によって隠された状態であるのに対し、上階側のフレーム部材31は下端部分が屋外空間に露出している。なお、上述のように、上下のフレーム部材21,31の屋外面には、透湿防水シート50が貼り付けられていてもよい。
外壁の基本構造が完成すると、フレーム部材31の下端部の屋外面に、中間水切40を固定する。このとき、当接部41の上端が、下桟31bの天端に一致するように、高さ方向において中間水切40が位置決めされる。また、位置決めの際には、第2張り出し部44が外壁面部材22の上端面に設けられた弾性部材25を上方から押さえ付けるように、中間水切40は、一旦、正規位置よりも上方へ持ち上げられてから、正規位置にセットされる。正規位置に位置決めされた中間水切40は、当接部41を挿通するタッピングビス61によって、フレーム部材31の下桟31bに固定される。
次に、図2に示されるように、中間水切40の当接部41に重なるように、スペーサ34が、締結部材(図示せず)によってフレーム部材31の縦胴縁または下桟31bに固定される。スペーサ34は、少なくとも一部(下端部)が当接部41に重なるように固定される。
スペーサ34がフレーム部材31に固定されると、最後に、下端外装面材16aを外壁パネル15の下端部にセットする。すなわち、下端外装面材16aの上端部を、その上に位置する外装面材16の下端部に係合させる。その状態で、スペーサ34を介して、締結部材62によって下端外装面材16aをフレーム部材31の下桟31bに固定する。これにより、外壁構造1が完成する。
以上説明した本実施の形態によれば、外壁構造1の施工、および、階間部における防水処理を、簡易に行うことができる。
なお、本実施の形態では、フレーム部材と外壁面部材とが外壁パネルとして一体化された例について説明したが、限定的ではない。つまり、フレーム部材および外壁面部材の固定を、現場において個別に行ってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 外壁構造、10 躯体部、14,15 外壁パネル、16 外装面材、16a 下端外装面材、20,30 通気層、21,31 フレーム部材、22,32 外壁面部材、25 弾性部材、26 シール部材、40 中間水切、41 当接部、42 第1張り出し部、42a 通気孔、43 第1垂下部、44 第2張り出し部、45 第2垂下部、50 防水シート、S 隙間。
Claims (6)
- 複数階建ての建物の外壁構造であって、
建物の躯体部にそれぞれ固定された下階側および上階側のフレーム部材と、屋外空間に露出する下階側および上階側の外壁面部材との間に通気層が形成された外壁と、
前記上階側のフレーム部材の下端部に固定され、前記下階側の外壁面部材と前記上階側の外壁面部材との間から前記通気層への雨水の浸入を防止するための水切とを備え、
前記水切は、前記上階側のフレーム部材の屋外面に当接する当接部と、前記当接部の下端から前記上階側の外壁面部材の裏面に向かって外方へ張り出す第1張り出し部と、前記第1張り出し部の外方端から下方に延びる第1垂下部と、前記第1垂下部の下端から、前記下階側の外壁面部材の上端面上を通って外方へ張り出す第2張り出し部と、前記第2張り出し部の外方端から下方に延びる第2垂下部とを含み、
前記第1張り出し部に、複数の通気孔が設けられている、外壁構造。 - 前記第1垂下部の上端部は、前記上階側の外壁面部材の裏面に、当接または近接した状態で対面して配置される、請求項1に記載の外壁構造。
- 前記第2張り出し部と前記下階側の外壁面部材の上端面との間に、弾性部材が設けられている、請求項1または2に記載の外壁構造。
- 前記上階側の外壁面部材は、上下方向に互いに隣接する複数の外装面材によって構成されており、
前記上階側の外壁面部材のうち下端に位置する下端外装面材は、前記水切の前記当接部に重なって配置されるスペーサを介して、前記上階側のフレーム部材の下端部に固定されている、請求項1〜3のいずれかに記載の外壁構造。 - 上階側および下階側のそれぞれにおいて、前記フレーム部材および前記外壁面部材は一体化されて外壁パネルを構成している、請求項1〜4のいずれかに記載の外壁構造。
- 複数階建ての建物の外壁の施工方法であって、
フレーム部材と外壁面部材との間に通気層を有する下階側および上階側の外壁パネルを準備する工程と、
前記下階側の外壁パネルを、建物の躯体部に固定する工程と、
前記上階側の外壁パネルを、当該外壁パネルの外壁面部材を構成する複数の外装面材のうち下端に位置する下端外装面材を取り除いた状態で、前記躯体部に固定する工程と、
前記躯体部に固定された前記上階側の外壁パネルのフレーム部材の下端部に、前記下階側の外壁面部材と前記上階側の外壁面部材との間から前記通気層への雨水の浸入を防止するための水切を固定する工程と、
前記水切を固定した後で、前記下端外装面材を、前記上階側の外壁パネルのフレーム部材に固定する工程とを備え、
前記水切は、前記上階側の外壁パネルのフレーム部材の屋外面に当接する当接部と、前記当接部の下端から前記下端外装面材の裏面に向かって外方へ張り出す第1張り出し部と、前記第1張り出し部の外方端から下方に延びる第1垂下部と、前記第1垂下部の下端から、前記下階側の外壁面部材の上端面上を通って外方へ張り出す第2張り出し部と、前記第2張り出し部の外方端から下方に延びる第2垂下部とを含み、前記第1張り出し部に、複数の通気孔が設けられている、外壁の施工方法。
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JP2019178246A JP2021055343A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 外壁構造および外壁の施工方法 |
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