JP4405641B2 - 外装材の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅等の建物外壁面を構成する外装材の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁には所定間隔で柱および間柱が設けられ、その外面に透湿防水シートが張られ、これを押えるため及び通気層を確保するために柱と間柱に縦胴縁が固定される。外装材(サイディング)は、この縦胴縁に取付金具を固定し、この取付金具により支持される。
【0003】
外装材は予め工場等で所定の矩形寸法に形成され、その長手方向の両縁には合じゃくり加工が施されている。この外装材は通常建物外面に横置き配置で順次並べて取付られる。上下の外装材同士は合じゃくりにより接合され、左右の外装材間はシール材を介して接合される。
【0004】
図10に示すように、外装材の取付金具1は、側面から見てY字を横にした形状の支持片1aを有し、上下の外装材2,3間の合じゃくり接合位置に配設される。Y字の支持片1aの上側に上側の外装材2の合じゃくり部が載せられて重量が支持され、支持片の下側により下側の外装材3が前に倒れないようにその上縁の合じゃくり部を保持する。この取付金具1は釘4により縦胴縁5及びその背面の透湿防水シート6を介して柱(または間柱)7に固定される。このような取付金具1の縦胴縁5への取付面の寸法は、縦胴縁5の幅寸法に合わせて、通常縦横が40mmあるいはそれ以下の矩形形状である。
【0005】
一方、壁自体の強度を高めるために、壁面を例えば斜め格子状等の多数の孔を有するパネル材で覆った耐力壁構造が検討されている。このような壁面を覆う孔の明いたパネル材に対しても、これを下地材として外装材を堅固に取付ける必要がある。この外装材の下地となる下地パネルの格子等で形成される孔は縦胴縁の幅程度あるいはそれより大きい外形寸法で形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、壁体を構成する孔明きのパネル材を下地材としてこれに外装材を取付ける場合、従来の取付金具をそのまま用いたのでは、その取付位置に下地パネルの孔が形成されていた場合に、取付金具が小さいため下地パネルの孔内に入り込んで下地パネル表面に固定できない。この場合、取付金具の位置をずらそうとしても、縦方向については外装材の所定の幅寸法ごとの間隔で取付けるためずらすことができず、また横方向については下地パネルを通して所定間隔の柱や間柱に固定する必要上大きくずらせることはできない。
【0007】
本発明は上記の下地構造を考慮したものであって、孔明きの下地材に対し、取付金具を介して任意の位置に外装材を装着可能な外装材の取付構造の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、建物外壁面に下地材を設け、この下地材に外装材を支持するための取付金具を縦方向および横方向に所定間隔で固定し、これらの取付金具により外装材を下地材の外面に取付けた外装材の取付構造において、前記下地材は、多数の孔を有し建物外壁面を覆う下地パネルからなり、前記取付金具は、前記下地材の孔より大きい形状であることを特徴とする外装材の取付構造を提供する。
【0009】
この構成によれば、外装材を取付ける下地材が従来の縦胴縁に代えて壁面を覆う下地パネルとすることにより、壁面は一体となり強度を高めることができるとともに、外装材の取付金具が孔明き下地パネルの孔より大きいため、孔の位置にかかわらず外装材の取付金具を任意の位置に固定することができる。
【0010】
さらに本発明では、建物外壁面に下地材を設け、この下地材に外装材を支持するための取付金具を縦方向および横方向に所定間隔で固定し、これらの取付金具により外装材を下地材の外面に取付けた外装材の取付構造において、前記下地材は、多数の孔を有し建物外壁面を覆う下地パネルからなり、前記取付金具の固定位置に、前記下地パネルの孔を塞ぐ塞ぎ材を装着したことを特徴とする外装材の取付構造を提供する。
【0011】
この構成によれば、外装材を取付ける下地材が従来の縦胴縁に代えて壁面を覆う下地パネルとすることにより、壁面は一体となり強度を高めることができるとともに、孔明き下地パネルの孔に塞ぎ材を嵌め込むことにより、孔の位置にかかわらず外装材の取付金具を任意の位置に固定することができる。
【0012】
好ましい構成例としては、前記下地パネルは、一定の方向に傾斜して並列する多数本の表材と、この表材に対し直角方向に傾斜して並列する多数本の裏材とを接合して形成した斜め格子部材からなるものが挙げられる。
【0013】
この構成によれば、斜め格子状の下地パネルに対し、その格子孔の位置にかかわらず外装材の取付金具を任意の位置に固定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る外装材取付構造の構成説明図であり、(A)は部分正面図、(B)は水平断面図である。
下地パネル8は、一定方向に傾斜して並列する多数本の表材8aと、この表材8aに直交方向に傾斜して並列する多数本の裏材8bとにより斜め格子状に形成される。裏材8bの露出部は厚さが表材分だけの段差部8cが形成され、格子の空間部には孔9が形成される。柱10および間柱11の外面に透湿防水シート12が張られ、その外面に下地パネル8が取付けられる。この柱10および間柱11の位置の下地パネル8上に取付金具13が固定され、外装材14が取付けられる。
【0015】
取付金具13は横長形状であり、下地パネル8の孔9や段差部8cを跨いでその両側の表材8a間に架け渡される。この状態で適当な本数の釘15により柱10あるいは間柱11に固定される。このとき、表材8aに係合する取付金具13の左右いずれか又は両方の端部を、下地パネル8の表材8aと裏材8bの重なり部分に対しさらに釘16で固定してもよい。
【0016】
図2(A)(B)はそれぞれ上記実施形態の取付金具13の正面図および側面図である。
横長の取付金具13は、側面から見て横Y字形状の支持部18と、下地材側に取付ける取付部19と、側面部20とを板金の折り曲げ加工により一体形成したものである。
【0017】
支持部18は、上片18aと、下片18bと、後片18cとにより構成される。上片18aは、上側の外装材22の下端部の合じゃくり根元部の切欠き内に係入して上側の外装材22の重量を支持する。下片18bは、下側の外装材23の上端部の合じゃくりに係合して下側の外装材23が前に倒れないように保持する。後片18cは、下側の外装材23の上端部を背面側から支持する。
【0018】
取付部19には、複数の釘孔17aおよびビス孔17bが形成される。
側面部20の幅寸法(前面側への突き出し寸法)により下地材と外装材との間に空間が形成される。これにより、下地材に形成された孔同士が不連続の場合に、下地材の前面側に通気層が形成される。なお、図1で示した斜め格子状の下地パネル8の場合には、孔9同士が連通するため、側面部20がない形状の取付金具(例えば図10で示した取付金具1)であっても通気層が形成される。
【0019】
図3は本発明の別の実施の形態の部分正面図であり、図4はその取付金具の詳細図である。
この実施形態に係る取付金具21は、縦長の矩形形状であり、下地パネル8の隣接する両表材8a間を縦方向に跨って架け渡される。その他の構成および作用効果は前述の実施形態と同様である。
【0020】
図5は、本発明に係る取付金具の別の例を示し、図4の縦長取付金具の変形例である。
この取付金具24は後面が開口した筐体形状であり、矩形開口面の周縁の両側辺および上辺にスパイク25が形成される。このスパイク25により取付金具24が下地材上に確実に固定保持される。また、前面側の取付部19には釘孔17aおよびビス孔17bとともに、補強用のリブ26が前面側からのプレス加工により後方に突出して形成される。その他の構成および作用効果は前述の実施形態と実質上同じである。なお、このような筐体構造およびスパイク25やリブ26は、前述の横長の取付金具や後述の略正方形の取付金具に対しても適用可能である。
【0021】
図6は本発明の別の実施の形態の一部正面図であり、図7はその取付金具の詳細図である。
この実施形態に係る取付金具27は、略正方形の形状であり、下地パネル8の隣接する両表材8a間に架渡される大きさである。その他の構成および作用効果は前述の実施形態と同様である。
【0022】
図8(A)(B)は、本発明のさらに別の実施の形態に係る外装材取付構造の部分正面図および水平断面構成図である。
この実施形態は、柱10および間柱11の位置で、下地パネル8の孔9及び/又は段差部8cを塞ぎ又は覆うことにより、取付金具を取付ける部分の下地パネル8の上面を表材8aの上面と同一面としたものである。段差部8cには図9(A)に示すように、表材8aと同じ厚さの塞ぎ材28を嵌め込む。孔9には図9(B)に示すように、表材8aと裏材8bを合わせた厚さの塞ぎ材29を嵌め込む。図9(C)の塞ぎ材30は、孔9とその両側の段差部8cを塞ぐものである。このような塞ぎ材30を用いることにより、塞ぎ材が嵌め込み位置に確実に固定保持されるため取扱性がよく、また取付金具の取付可能位置範囲が広がる。
【0023】
このような塞ぎ材28,29または30を嵌め込むことにより、孔9や段差部8cが塞がれるため、孔9内に入り込むような小さな形状の取付金具1を用いて外装材14を取付けることができる。
【0024】
なお、上記各実施形態では下地材として斜め格子状の下地パネルを用いたが、本発明はこのような形状の下地パネルに限定されず、板材に各種形状の孔が明いた下地材を用いることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、外装材を取付ける下地材が従来の縦胴縁に代えて壁面を覆う下地パネルとすることにより、壁面の強度を高めることができるとともに、外装材の取付金具を孔明き下地パネルの孔より大きくすることにより、あるいは孔を塞ぐことにより、孔の位置にかかわらず外装材の取付金具を任意の位置に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の構成説明図。
【図2】 図1の実施形態で用いる取付金具の形状説明図。
【図3】 本発明の別の実施形態の構成説明図。
【図4】 図3の実施形態で用いる取付金具の形状説明図。
【図5】 図4の取付金具の変形例の形状説明図。
【図6】 本発明のさらに別の実施形態の形状説明図。
【図7】 図6の実施形態で用いる取付金具の形状説明図。
【図8】 本発明のさらに別の実施の形態の構成説明図。
【図9】 図8の実施形態で用いる塞ぎ材の形状説明図。
【図10】 従来の外装材取付構造の断面図。
【符号の説明】
1:取付金具、2,3:外装材、4:釘、5:縦胴縁、6:透湿防水シート、
7:柱(または間柱)、8:下地パネル、8a:表材、8b:裏材、
8c:段差部、9:孔、10:柱、11:間柱、12:透湿防水シート、
13:取付金具、14:外装材、15,16:釘、17a:釘孔、
17b:ビス孔、18:支持部、18a:上片、18b:下片、18c:後片、
19:取付部、20:側面部、21:取付金具、22,23:外装材、
24:取付金具、25:スパイク、26:リブ、27:取付金具、
28,29,30:塞ぎ材。
Claims (3)
- 建物外壁面に下地材を設け、この下地材に外装材を支持するための取付金具を縦方向および横方向に所定間隔で固定し、これらの取付金具により外装材を下地材の外面に取付けた外装材の取付構造において、
前記下地材は、多数の孔を有し建物外壁面を覆う下地パネルからなり、
前記取付金具は、前記下地材の孔より大きい形状であることを特徴とする外装材の取付構造。 - 建物外壁面に下地材を設け、この下地材に外装材を支持するための取付金具を縦方向および横方向に所定間隔で固定し、これらの取付金具により外装材を下地材の外面に取付けた外装材の取付構造において、
前記下地材は、多数の孔を有し建物外壁面を覆う下地パネルからなり、
前記取付金具の固定位置に、前記下地パネルの孔を塞ぐ塞ぎ材を装着したことを特徴とする外装材の取付構造。 - 前記下地パネルは、斜め格子状の多数の孔を有するパネル材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の外装材の取付構造。
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