JP4468690B2 - 記録装置及び記録制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録装置及び記録制御方法に関し、特に、例えば、RFIDタグを内蔵する記録媒体と通信を行うRFID記録機能を搭載するとともに、その記録媒体を搬送させ、例えば、フルライン記録ヘッドを用いて記録画像を記録媒体に記録する記録装置及び記録制御方法に関する。
近年、半導体技術及び電子通信技術の発達により、非接触で情報を送受信可能なRFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる自動認識システムが開発されている。
このRFIDシステムは、電子回路を搭載し情報を保持するRFIDタグとRFIDタグをコントロールするRFIDリーダ/ライタとから構成される。
このRFIDシステムの特徴や利点として、データの新規書込み及び追記、複数のRFIDタグとの同時通信が可能であり、通信時には障害物等の影響を受けにくいことなどが挙げられる。これらはバーコードや二次元バーコードなどによる自動認識システムには無い機能を持っている。その利便性から、これまでバーコードや二次元バーコードでは自動化が困難であった分野だけではなく、従来の自動認識システムで自動化が行われていた、物流・流通分野においても注目されている。
さて、カードやラベルなどの媒体に搭載し、RFIDシステムで使用するRFIDタグは、媒体表面への記録とRFIDタグへの情報の書込みを行う必要があるが、近年は、これらの作業を別々の装置で分担するのではなく、記録装置にRFIDタグの記録機能を搭載し、媒体表面への記録とRFIDタグに情報を記録することとを一括して行うRFIDタグ記録機能付き記録装置を使用する。
RFIDタグにはアンテナのサイズの違いや、使用されているICチップの違いなどにより多数の種類が存在し、その種類によって最大容量、通信範囲や通信時間が異なる。
従来のRFIDタグ記録機能付き記録装置は、複数のタイプのRFIDタグに対応しているのが一般的であり、RFIDタグの種類により異なる通信条件に対応するために、RFIDタグに情報を記録する場合はRFIDリーダ/ライタ側のRFIDアンテナの下に記録媒体に取付けられたRFIDタグを移動させた後、記録媒体の搬送を停止し情報の書込みを行っている。
特開2001−96814公報 特開2003−140548公報
しかしながら従来の記録装置の中には搬送を停止することなく記録を行うことが可能な記録装置も存在し、このような装置においてRFIDタグへの情報書込みのために搬送を停止してしまうと、スループットが低下するという問題があった。
特に、複数のフルラインヘッドを持つカラー記録装置は、そのフルラインヘッドを記録媒体の搬送方向に複数並べて配置するという構成をとっているため、使用する記録媒体のサイズによっては複数枚の記録媒体に平行的に記録を行いスループットの向上を図っている。しかしながら、このような構成の装置でも、RFIDタグに情報を書込むためにRFIDタグの通信位置で記録媒体の搬送を停止してしまうと、RFIDタグへ書込みが終了し、再び搬送を行うまで次の記録媒体を給紙することができなくなり、スループットが著しく低下してしまうと言う問題があった。
このような問題を解決するために、記録媒体の搬送を停止せずにそれを搬送させた状態のまま、RFIDタグへの書込みを行うことでスループットの低下を防ぐ方法も提案されている。しかしながら、この方法では、記録媒体の搬送速度に依存して、RFIDタグとの通信可能な時間に制限ができ、タグへの最大書込み情報量が制限されてしまい、そのRFIDタグに書込む情報量によっては、その書込みがオーバフローしてしまうという問題が発生してしまう。このような場合、従来は、RFID書込みエラーとして処理していたが、その結果、高価なRFIDタグを内蔵した記録媒体が無駄になってしまう。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、タグへの情報書込みの際に書込み容量が不足するために生じるようなエラーにより、正常なタグを内蔵した記録媒体を無駄にせずに最適な記録処理を行う記録装置、及び記録制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成からなる。
即ち、無線で情報の入出力が可能なタグを含む記録媒体に対して、前記記録媒体の搬送中に前記タグに対し情報の書込みを行なう記録装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体の表面に画像を記録する第1の記録手段と、前記タグと無線通信を行なって前記タグに情報を書込む第2の記録手段と、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度と前記タグの最大書込み容量との対応関係を格納したテーブルと、前記タグへの書込み情報量が、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度と前記テーブルとに基づいて決定される前記タグの最大書込み容量以下である場合、前記第1の記録手段による前記記録媒体の表面への画像記録と前記第2の記録手段による前記タグへの情報書込みとを実行し、前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を越える場合、前記第1の記録手段による前記記録媒体の表面への画像記録と前記第2の記録手段による前記タグへの情報書込みを抑止するよう制御する書込制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
なお、前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を超えることをメッセージとしてユーザに通知するようにしても良い。
さらに、前記記録媒体を装置外に排出するよう前記搬送手段を制御しても良いし、或いは前記記録媒体を装置内に留めるように前記搬送手段を制御しても良い。
またさらに、前記タグの種類を判別する判別手段を備えても良く、その場合には、タグの最大書込み容量がタグの種類と搬送手段による記録媒体の搬送速度により定められるようにすることが望ましく、これらの関係を示すテーブルを格納する記憶手段をさらに備えることが望ましい。
またさらに、前記記録媒体に記録する画像情報、前記タグに書込む情報、前記タグへの書込み情報量、前記タグの種類を入力する入力手段を備えることが望ましい。
なお、前記第1の記録手段の具体的な構成として、複数のカラーインク夫々に対応して複数のフルラインのインクジェット記録ヘッドを備えることが望ましく、高品位なカラー記録の観点からすれば、複数のカラーインクはイエロインク、淡マゼンタインク、マゼンタインク、淡シアンインク、シアンインク、ブラックインクであり、これら複数のカラーインク各々は別々のインクカートリッジに収容されていることが望ましい。
そして、そのインクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するため、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
またさらに、本発明は上記記録装置に適用できる記録制御方法の形態であっても良い。
即ち、その方法は、無線で情報の入出力が可能なタグを含む記録媒体に対して、前記記録媒体の搬送中に前記タグへ情報の書込みを行なう記録制御方法であって、前記記録媒体を供給搬送する搬送工程と、前記タグと無線通信を行なって前記タグに情報を書込む書込工程と、前記記録媒体の表面に画像を記録する記録工程と、前記タグへの書込み情報量が、前記搬送工程における記録媒体の搬送速度と、前記搬送工程における前記記録媒体の搬送速度と前記タグの最大書込み容量との関係を格納したテーブルとに基づいて決定される前記タグの最大書込み容量以下である場合、前記記録工程における前記記録媒体の表面への画像記録と前記書込工程における前記タグへの情報書込みとを実行し、前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を越える場合、前記記録工程における前記記録媒体の表面への画像記録と前記書込工程における前記タグへの情報書込みを抑止するよう制御する書込制御工程とを有することを特徴とする。
また、本発明は、上記記録制御方法における各工程をコンピュータによって実行するために、コンピュータが実行可能なコードによって記述されたプログラムの形態であっても良い。
さらに、そのプログラムは、コンピュータが読み取り可能であるように、コンピュータ可読の記憶媒体に格納するように備えられても良い。
このようにして、プログラムや記憶媒体の形で本発明を実現することも可能である。
またさらに、本発明は、上記の構成の記録装置と、その記録装置に対して前記タグのための情報と前記画像を記録するための画像データとを生成し前記記録装置に送信するホストコンピュータとを有することを特徴とする記録システムの形態であっても良い。
以上の構成により本発明は、無線で情報の入出力が可能なタグを含む記録媒体への記録に際し、そのタグへの書込み情報量とタグの最大書込み容量とを比較し、その比較結果に従って、記録媒体の表面への画像記録とタグへの情報書込みとを制御する。
以上説明したように本発明によれば、タグへの書込み情報量とタグの最大書込み容量との比較結果から、記録媒体の表面への画像記録とタグへの情報書込みとを制御するので、タグを含む記録媒体を無駄に消費することなく、有効に用いることができるという効果がある。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット方式に従うフルライン記録ヘッドを用いた記録装置を用いたプリントシステムを例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
図1は本発明の代表的な実施例である、インクジェット方式に従うフルライン記録ヘッドを用いたカラー記録装置(以下、記録装置という)とホストコンピュータ(以下、ホストという)とを使用した記録システムの構成図である。図1に示すように、記録装置101とホスト100とは、プリンタケーブル107で接続され、ホスト100で処理された各種データを記録装置101で記録されるように構成されている。
記録装置101は、後述のフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)やRFID用通信アンテナ、及び搬送部を開閉するための上部カバー103と、記録ヘッドに供給される記録剤としての液体インクを貯蓄するタンク部を開閉するための前カバー104と、後述の給紙トレイ102に積載された記録媒体を記録部108に給送する給紙部109と、記録部108から搬送される記録媒体を格納する排紙部110から外郭が構成されている。
さらに、図1において、105は記録装置の電源スイッチ、106は記録装置100に操作環境の設定を行うための入力キーや記録装置のエラー発生状況をユーザに知らせる表示手段とを備えた操作パネルである。操作パネルは、LED111、LCD112、ボタン113から構成される。
図2は記録装置101が記録媒体として使用するRFIDタグ内蔵カード201の模式図である。
図2に示すRFIDタグ205は電子情報を記憶するための不揮発性メモリを搭載したICチップ203とループアンテナ202から構成され、紙、もしくはPET樹脂のフィルム204により覆われている。RFIDタグ内蔵カード201は電源を持たず、記録装置101に配設する後述のRFID用通信アンテナから発生する電波を利用して電力を創成し、これを内部電源としてRFID通信アンテナを介してRFIDタグ205に電子情報の書込みを行うことが可能である。
図3は、図1に示した記録装置101の概略構成を示す断面図であり、図4は図1に示した記録装置101が用いる記録ヘッド及びRFID用通信アンテナの配置を模式的に説明する斜視図である。
記録装置101には最大6色の異なるインクを用いて記録することができるように6つのフルライン記録ヘッドが備えられており、図3及び図4に示されているように、記録媒体の搬送方向の上流方向から順に、ブラックインクを吐出する記録ヘッド306Bk、シアンインクを吐出する記録ヘッド306C、淡シアンインクを吐出する記録ヘッド306LC、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド306M、淡マゼンタインクを吐出する記録ヘッド306LM、及びイエロインクを吐出する記録ヘッド306Yが備えられている。なお、これら6つの記録ヘッドを総称して言及するときには参照番号305を用いるものとする。さらに、記録ヘッド305の上流側にRFID用通信アンテナ303が設けられる。
さて、図3に示すように、記録ヘッド305の下側に位置する搬送部302では、給紙トレイ102に積載されたRFIDタグ内蔵カード201が後述する給送方法で記録ヘッド305による記録位置に向けて100mm/secの速度で搬送されると、TOFセンサ304によりその位置が管理され、RFID用通信アンテナ303の通信位置に搬送されると、RFID用通信アンテナ303を介して内蔵されたRFIDタグ205に電子情報の書込みが開始される。
さらに、RFIDタグ内蔵カード201が搬送され、続いて、その記録位置に達すると6つの記録ヘッド306Bk、306C、306LC、306M、306LM、306Yによってインクが吐出され、RFIDタグ内蔵カード201上に画像が記録され、最終的に排紙部110に搬出されるように構成されている。
搬送部302の下には、各記録ヘッド306Bk、306C、306LC、306M、306LM、306Yに供給される専用のインクを貯蓄するタンク部301が着脱自在に固定されている。
図5は記録装置101の制御構成を示すブロック図である。
図5において、601は記録装置全体を制御するメインコントローラであり、CPU601aを内蔵し、後述する入力データを記憶するための記憶制御機能、データ制御機能、及び、記録動作に必要な種々の設定のための設定制御機能などを有する。メインコントローラ601はインタフェース(不図示)を介してホスト100に接続され、互いに信号の授受を行うことができる。また、602はメインコントローラ601に接続され、図8、図9に示すフローチャートに対応する制御プログラムなどを格納するROMであり、それらのプログラムに従いメインコントローラ601はRAM612を作業領域として使用して動作する。
また、RAM612にはホスト100から転送されRFIDタグ205に書込むデータが一時的に格納され、メインコントローラ601に接続されたRFID通信回路609がRFID用通信アンテナ610を通して、RAM612に格納されたデータをRFIDタグに書込む。
606はホスト100から送信されてきた画像データを格納するイメージバッファメモリであり、606Bkはブラック成分の画像データを一時的に格納するブラックイメージバッファ、同様に606C、606LC、606M、606LM、606Yはシアン成分、淡シアン成分、マゼンタ成分、淡マゼンタ成分、イエロ成分の画像データを一時的に格納するイメージバッファメモリである。
603は記録ヘッド306Bk、306C、306LC、306M、306LM、306Yに内蔵される発熱体(不図示)を駆動させるヘッド駆動回路であり、メインコントローラ601に接続されたドライバコントローラ607が、イメージバッファメモリ606に格納された各色成分のビットマップ形式で記録された画像データに従ってヘッド駆動回路603を制御することで画像を記録する。
604Dは搬送部302に設けられたフィードモータ604を駆動するモータドライバ、600は給紙部109の給紙トレイ102を昇降させるリフトモータ605、及び記録媒体を給送するピックアップモータ608を駆動する駆動回路であり、いずれもメインコントローラ601によって制御される。
また、611は前述したTOFセンサ304を含む種々のセンサを総称したセンサ回路である。
図6はホストから送信される種々の制御コマンドの構造を示した図である。
図6に示すように、全てのコマンドは、そのコマンドの先頭にコマンドの種類を識別する識別コードが配置され、その識別コードに続いて、そのコマンドに関する付帯的な指示を設定するオペランドが続く。なお、コマンドの種類によっては、オペランドがなく、識別コードのみで構成される場合もある。
制御コマンドとしては、記録媒体、例えば、連続ラベル紙のサイズ等を設定する用紙設定コマンド501、記録データの基準となる設定が存在するフォーマットコマンド502、文字、イメージ、RFID夫々の詳細情報を設定するデータコマンド503、504、505、記録データの終了を示しジョブの開始を指示するジョブ開始コマンド510などがある。
それらのコマンドは記録コマンド転送例511に示されるようなコマンド列としてホスト100から記録装置101のRAM612に出力される。
なお、RFIDタグ205のICチップ203の種類は用紙設定コマンド501のICチップタイプオペランド506に、RFIDタグサイズはRFIDタグ取付位置オペランド507に設定される。また、ICチップ203への書込みデータ量はRFIDデータコマンド505のデータ長オペランド508に設定され、書込みデータはデータオペランド509に設定される。
次に以上の構成の記録システムにおけるRFIDタグへの書込みを含む記録処理について、図7〜図8を参照して説明する。
図7はRFID最大書込み容量と記録媒体の搬送速度との関係を示すテーブルを示す図であり、図8は記録情報とICチップへの書込情報の受信後の記録処理を示したフローチャートである。なお、この記録処理は、記録装置101の処理部であるCPU601aが、例えば、ROM602に格納されたプログラムを実行することにより実現する。
以下、図8に示すフローチャートに沿って説明する。
記録枚数や用紙サイズ、ICチップ203の種類などの各種パラメータと記録画像情報、及びICチップ203に記録させる情報は、記録を指示するコマンドと共にホスト100から記録装置101に送信される。
さて、このプログラムが起動されると、ステップS801において、ホストから送信される情報を受信し、記録画像情報はイメージバッファメモリ606Bk〜606Yに、その他、上述の電子情報はRAM612に記憶する。
記録画像情報や電子情報には夫々、情報の属性を示す付帯情報が加えられており、ステップS801での受信終了した後、ステップS802では電子情報の有無を判断する。ここでは、RFIDデータコマンドの有無を判断する。
ここで、RFIDデータコマンドがある、即ち、ICチップ203に記録する情報が存在すると判断された場合は、処理はステップS803に進み、受信した用紙設定コマンド501のICチップタイプオペランド506に設定されているICチップの種類と、受信したRFIDデータコマンド505に設定されている書込みデータ長508とを参照し、さらにステップ804では、ROM602に格納されている図7に示したRFID最大書込み容量と記録媒体の搬送速度との関係を示すテーブル701を参照し、対応するICチップの種類(タイプ)とその時の記録媒体の搬送速度とによって選択される最大書込みデータ量(DATAMAX)とRFIDデータコマンド505に設定されている書込みデータ長(DATAL)508とを比較する。例えば、上述のように、搬送速度が10mm/secであると、TYPE AのICチップではDATAMAX=64バイト(Byte)であり、TYPE BのICチップではDATAMAX=128バイトである。
ここで、DATAL≦DATAMAXであると、記録するデータが最大書込み容量範囲内であると判定して、処理はステップS805に進み、記録媒体の搬送を開始する。搬送開始後、記録媒体がRFID用通信アンテナ303の通信範囲位置に搬送されると、処理はステップS806において、RFID用通信アンテナ303を介して内蔵されたRFIDタグ205に電子情報の書込みが開始される。さらに続いて、記録媒体が搬送され、記録位置(各記録ヘッドの直下)に達すると、RFIDタグ205への書込みと平行して、各記録ヘッド306Bk、306C、306LC、306M、306LM、306Yによってインクが吐出され、RFIDタグ内蔵カード201上に画像が記録される。
RFID205タグへの電子情報の書込み終了後、処理はステップS807において、書込みが正常に終了したかどうかを調べる。ここで、その書込みが正常終了したと判断された場合は、処理はステップS808に進み、RFIDタグ内蔵カード201の表面への記録終了後、記録媒体を排紙部110に搬出する。
これに対して、ステップS807において、RFIDタグ205への電子情報の書込みが正常に終了しなかったと判断された場合は、処理はステップS809に進み、RFIDタグ書込みエラーの発生した記録媒体の表面への記録を中止し、さらにステップS810では、操作パネル106内のLCD112にRFIDタグ書込みエラーである旨のメッセージを表示し、ユーザにエラーが発生したことを通知する。
そして、この場合は、処理はステップS811において、搬送部302にあるすべての記録媒体を排紙部110に排出し、その後、たとえ次の記録媒体への記録データが存在しても次の記録媒体の給紙は行わず、ステップS812では記録媒体の搬送を停止しユーザがエラーを解除するまで、その状態のまま待機する。
これに対して、ステップ804において、DATAL>DATAMAXであると、RFIDタグへ記録するデータが最大書き込み容量を超えていると判定して、処理はステップS813に進み、記録媒体の搬送自体は行うが、RFIDタグへの電子情報の書込みや記録媒体の表面への記録は行わない。さらにその搬送開始後、処理はステップS814において、LCD112に書込みデータ量が最大書込み容量をオーバした旨のエラーメッセージを表示し、ユーザにエラーが発生したことを通知する。その後、上述したステップS811〜S812の処理を実行する。
なお、ユーザがエラーを解除した後は、エラー発生時の記録データから再び記録を再開する。
さて、ステップ802において、ICチップ203に記録する情報が存在しない(即ち、RFIDデータコマンドがない)と判断された場合、処理はステップS815に進み、記録媒体の搬送を開始し、RFIDタグへの書込みは行わず、さらに、ステップS816では記録媒体の表面への記録を行う。この記録処理終了後、処理はステップS808に進み、上述のように記録媒体を排紙部110に搬出する。
なお、以上説明した記録処理はすべての記録データがなくなるまで繰り返される。
従って以上説明した実施例に従えば、記録装置に設定された搬送速度と使用するICチップの種類からRFIDタグに対する最大書込み容量を設定し、ホストから送られてきたRFIDタグへの電子情報が設定された最大書込み容量を越えている場合は、RFIDタグへ対する電子情報の書込み及び記録媒体の表面への記録を抑止するできるので、無駄に正常な記録媒体を消費するのを防ぐことができる。
また、RFIDへの書込み容量がオーバしてエラーの発生した記録媒体が排出部に排出された後に記録動作が停止して、記録媒体の搬送排出はなくなるので、排出部が図3に示すような記録済みの記録媒体を順次積載する構成であれば、一番最後に即ち一番上部に排出されたものがエラーの発生した記録媒体となり、正常に記録が終了した記録媒体と混載することなく簡便に見分けることも可能となる。
[第2実施例]
前述の実施例では、RFIDタグへの書込みデータがICチップの最大容量をオーバした場合のエラー処理の例について説明したが、この実施例では、さらに、その場合に、記録媒体の搬送を行わないで、操作パネルにエラーメッセージの表示を行い記録装置の動作を停止する例について図9を参照して説明する。
図9は記録情報とICチップへの書込情報の受信後の記録処理を示したフローチャートである。
なお、この記録処理は、記録装置101の処理部であるCPU601aが、例えば、ROM602に格納されたプログラムを実行することにより実現する。また、図9に示すフローチャートにおいて、既に前述の実施例において説明したのと同じ処理ステップについては同じステップ参照番号を付し、その説明は省略することとし、ここでは、この実施例に特有の処理についてのみ説明する。
以下、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
この処理が起動されると、ステップS801〜S804の処理を実行後、DATAL≦DATAMAXであると、記録するデータが最大書込み容量範囲内であると判定して、前述の実施例のように、ステップS805〜S812の処理を実行する。
これに対して、ステップ804において、DATAL>DATAMAXであると、RFIDタグへ記録するデータが最大書き込み容量を超えていると判定して、この実施例では、記録媒体の搬送を行わず、処理はステップS814に進み、LCD112に書込みデータ量が最大書込み容量をオーバした旨のエラーメッセージを表示し、ユーザにエラーが発生したことを通知する。その後、搬送部302にある全ての記録媒体を排紙部110に排紙後、たとえ次の記録媒体用のデータが存在しても搬送を停止し、ユーザがエラーを解除するまで待機する
なお、ユーザがエラーを解除した後は、エラー発生時の記録データから再び記録を再開する。
さて、ステップ802において、ICチップ203に記録する情報が存在しない(即ち、RFIDデータコマンドがない)と判断された場合、前述の実施例と同様にステップS815〜S816、及びステップS808の処理を実行する。
なお、以上説明した記録処理はすべての記録データがなくなるまで繰り返される。
従って以上説明した実施例に従えば、記録装置に設定された搬送速度と使用するICチップの種類からRFIDタグに対する最大書込み容量を設定し、ホストから送られてきたRFIDタグへの電子情報が設定された最大書込み容量を越えている場合は、RFIDタグへ対する電子情報の書込み及び記録媒体の表面への記録を抑止するとともに、その時点で書込み容量オーバーエラーの発生したデータを記録する予定であった記録媒体は排出されずに、そのまま記録装置内に留まるので、エラー解除後は、その記録媒体をそのまま使用することができ、記録媒体の有効利用が図られることになる。
さらに、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
さらに、以上説明した実施例ではフルラインタイプのインクジェット方式の記録装置を例に説明をしたが、本発明はインクジェット方式以外の記録ヘッドを持つプリンタ、すなわち感熱式、熱転写式、電子写真式等の他の記録方式を採用した記録装置にも適用でき、或いはモノクロ記録装置にも適用することが可能である。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、電気熱変換体等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
また、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。従って、本発明には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体やそのプログラムを格納する記憶媒体も含まれる。
そして、プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、そのホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範囲に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施例の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施例の機能が実現され得る。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施例の機能が実現される。
本発明の代表的な実施例であるRFIDタグ記録機能付きインクジェット記録装置とホストコンピュータを接続したシステム構成図である。 RFIDタグを内蔵した記録媒体の構成概略図である。 図1に示した記録装置の構成概略を示す側断面図である 図1に示した記録装置に搭載するインクジェット記録ヘッド及びRFID用通信アンテナの配列を模式的に説明する斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 図1に示した記録装置の制御コマンド体系を示す図である。 RFID最大書込み容量と記録媒体の搬送速度との関係を示すテーブルを示す図である。 第1実施例に従う記録処理を説明するフローチャートである。 第2実施例に従う記録処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 ホストコンピュータ
101 記録装置
102 給紙トレイ
103 上部カバー
104 前カバー
105 電源スイッチ
106 操作パネル
107 プリンタケーブル
108 記録部
109 給紙部
110 排紙部
111 LED
112 LCD
113 ボタン
201 RFIDタグ内蔵カード
202 ループアンテナ
203 ICチップ
204 フィルム
205 RFIDタグ

Claims (14)

  1. 無線で情報の入出力が可能なタグを含む記録媒体に対して、前記記録媒体の搬送中に前記タグに対し情報の書込みを行なう記録装置であって、
    前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体の表面に画像を記録する第1の記録手段と、
    前記タグと無線通信を行なって前記タグに情報を書込む第2の記録手段と、
    前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度と前記タグの最大書込み容量との対応関係を格納したテーブルと、
    前記タグへの書込み情報量が、前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度と前記テーブルとに基づいて決定される前記タグの最大書込み容量以下である場合、前記第1の記録手段による前記記録媒体の表面への画像記録と前記第2の記録手段による前記タグへの情報書込みとを実行し、前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を越える場合、前記第1の記録手段による前記記録媒体の表面への画像記録と前記第2の記録手段による前記タグへの情報書込みを抑止するよう制御する書込制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を超えることをメッセージとしてユーザに通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録媒体を装置外に排出するよう前記搬送手段を制御する搬送制御手段をさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  4. 前記記録媒体を装置内に留めるように前記搬送手段を制御する搬送制御手段をさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  5. 前記タグの種類を判別する判別手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記タグの最大書込み容量と前記タグの種類と前記搬送速度との関係を示すテーブルを格納する記憶手段をさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  7. 前記記録媒体に記録する画像情報、前記タグに書込む情報、前記タグへの書込み情報量、前記タグの種類を入力する入力手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記第1の記録手段は、複数のカラーインク夫々に対応して複数のフルラインのインクジェット記録ヘッドを備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  9. 前記複数のカラーインクはイエロインク、淡マゼンタインク、マゼンタインク、淡シアンインク、シアンインク、ブラックインクであり、
    前記複数のカラーインク各々は別々のインクカートリッジに収容されていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  10. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するため、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  11. 無線で情報の入出力が可能なタグを含む記録媒体に対して、前記記録媒体の搬送中に前記タグへ情報の書込みを行なう記録制御方法であって、
    前記記録媒体を供給搬送する搬送工程と、
    前記タグと無線通信を行なって前記タグに情報を書込む書込工程と、
    前記記録媒体の表面に画像を記録する記録工程と、
    前記タグへの書込み情報量が、前記搬送工程における記録媒体の搬送速度と、前記搬送工程における前記記録媒体の搬送速度と前記タグの最大書込み容量との関係を格納したテーブルとに基づいて決定される前記タグの最大書込み容量以下である場合、前記記録工程における前記記録媒体の表面への画像記録と前記書込工程における前記タグへの情報書込みとを実行し、前記タグへの書込み情報量が前記タグの最大書込み容量を越える場合、前記記録工程における前記記録媒体の表面への画像記録と前記書込工程における前記タグへの情報書込みを抑止するよう制御する書込制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法。
  12. 請求項11に記載の記録制御方法の各工程をコンピュータによって実行するために、前記コンピュータが実行可能なコードによって記述されたプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを格納したコンピュータ可読の記憶媒体。
  14. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の記録装置と、
    前記記録装置に対して前記タグのための情報と前記画像を記録するための画像データとを生成し前記記録装置に送信するホストコンピュータとを有することを特徴とする記録システム。
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