JP4646751B2 - 画像形成装置、機能部品の判定方法、制御プログラム、および記憶媒体 - Google Patents

Description

本発明は、装着可能な機能部品を用いて機能する画像形成装置、機能部品が画像形成装置に使用可能であるか否かを判定するための機能部品の判定方法、その判別方法をコンピュータにより実行させるための制御プログラム、およびその制御プログラムを格納した記憶媒体に関するものである。

一般に、インクジェットプリンタなどの画像形成装置（記録装置）は、画像形成装置本体に対して、インクや記録媒体などの消耗品を収容するカートリッジタイプの機能部品（以下、単に「カートリッジ」ともいう）が交換可能に装着される。そのようなカートリッジは、画像形成装置本体とは別に、それ単体で流通され販売されている。画像形成装置は、毎年あるいは半年などの短期間で新しい製品が製造・発売され、その性能を改善するための改良を発売後に行うことはほとんどない。一方、カートリッジは、それを使用する画像形成装置が市場で使用されている間は供給され続けるため、画像形成装置本体よりも遥かに長い間、例えば１０年以上、製造・販売され続けられる。カートリッジは、このように何年にも渡って製造・販売され続けるため、その間に、改善・改良が行われることも少なくない。例えば、新たなインクを開発して、それを収容するカートリッジ（インクカートリッジ）を販売する時には、その新しいカートリッジを過去に発売された画像形成装置にも使えるようにして、古いカートリッジからのスムーズな移行を図ることが少なくない。

しかし、古いカートリッジに対応していた全ての画像形成装置に、新しいカートリッジを対応させることは、多くの場合困難である。例えば、画像形成装置がインクジェットプリンタである場合には、インクを吐出させるための制御や、インクを吐出するノズルの目詰まりを防止するための回復装置などの対応が難しくなる。また、新しいカートリッジを過去に販売された画像形成装置にも対応させるために、新しい消耗品の形状は、古い消耗品の形状から変更することもできない。

これらの問題を解決するための技術として、特許文献１には、カートリッジにＩＤ情報（識別）を記憶して用いる方法が記載されている。すなわち、そのカートリッジに記憶されているＩＤ情報を画像形成装置が識別することにより、その画像形成装置に不適切なカートリッジが装着されて使用されることを防ぐ。また特許文献２には、カートリッジに、そのカートリッジと適合するドライバ情報を記憶して用いる方法が記載されている。すなわち、カートリッジに記憶されているドライバ情報と、画像形成装置のプリンタドライバと、の適合性を判断することによって、画像形成装置に不適切なカートリッジが装着されて使用されることを防ぐ。また、ドライバ情報に適合するプリンタドライバを特定して用いることにより、過去に発売された画像形成装置においても新しいカートリッジを正しい使用を可能とする。

特開２０００−２４６９２１号公報 特開２００２−２２５３０７号公報

しかしながら特許文献１に記載の方法の場合、過去に発売された画像形成装置は、新しいカートリッジのＩＤ情報を正しく識別することができない。また特許文献２に記載の方法の場合は、過去に発売された画像形成装置において、ドライバ情報とプリンタドライバとの照合することによって、新しいカートリッジを正しく識別することはできる。しかし、そのためには、プリンタドライバを搭載して画像形成装置と通信するコンピュータ（ホスト装置）が必要となる。近年においては、デジタルカメラと画像形成装置とを直接接続して、デジタルカメラで撮影した画像をコンピュータを介さずに記録する画像形成装置がある。さらに、スキャナ機能、ファックス機能、およびコピー機能などを備えたマルチファンクションタイプの画像形成装置などが一般的となっている。このようなコンピュータを必要としない画像形成装置には、コンピュータとの接続を前提とした特許文献１のような方法を適用することができない。

本発明の目的は、画像形成装置と、それに装着可能な機能部品と、の適合性を適確に判定することができる画像形成装置、機能部品の判定方法、制御プログラム、および記憶媒体を提供することにある。

本発明の画像形成装置は、装着可能な機能部品を用いて機能する画像形成装置であって、前記機能部品には、当該機能部品の識別情報が第１情報として記憶され、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報が第２情報として記憶され、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶する記憶手段と、当該画像形成装置に装着された前記機能部品から、前記第１および第２情報を読み出すための読み出し手段と、前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定する判定手段と、前記比較手段による比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように、前記第１情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする。

本発明の機能部品の判定方法は、画像形成装置に装着される機能部品が当該画像形成装置に使用可能であるか否かを判定する機能部品の判定方法であって、前記機能部品に、当該機能部品の識別情報を第１情報として記憶し、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報を第２情報として記憶しておき、前記画像形成装置に、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶しておき、前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較工程と、前記比較工程の比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定する判定工程と、前記比較工程の比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように前記画像形成装置に記憶させる工程と、を有することを特徴とする。

本発明の制御プログラムは、画像形成装置に装着される機能部品が使用可能であるか否かを判定するための制御プログラムであって、前記機能部品は、当該機能部品の識別情報を第１情報として記憶し、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報を第２情報として記憶しており、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶しており、前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較ステップと、前記比較ステップによる比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定するステップと、前記比較ステップによる比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように前記画像形成装置に記憶させるステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。

本発明の記憶媒体は、コンピュータにより読取り可能なプログラムコードを格納した記憶媒体であって、上記の制御プログラムを格納したことを特徴とする。

本発明によれば、機能部品に、当該機能部品の識別情報（第１情報）と、当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報（第２情報）と、を記憶する。また画像形成装置には、当該画像形成装置の識別情報（第３情報）と、当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報（第４情報）と、を記憶する。そして、第４情報が第１情報を含むとき、または第２情報が第３情報を含むときは、画像形成装置に装着された機能部品は使用可能であると判定する。一方、第４情報が第１情報を含まずかつ第２情報が第３情報を含まないときは、画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定する。

このように本発明は、機能部品が記憶する第１および第２情報と、画像形成装置が記憶する第３および第４と、を比較することによって、画像形成装置と、それに装着可能な機能部品と、の適合性を適確に判定することができる。また例えば、新たに製造販売される機能部品に記憶させる第２情報に、過去に販売された画像形成装置の識別情報を含ませることにより、その画像形成装置を何ら改変することなく、機能部品の使用が可能な画像形成装置を適正かつ自由に設定することができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態に含まれる概念について、そのすべてが特許請求の範囲に記載されているとは限らない。ただし、このような概念は特許発明の技術的範囲から意識的に除外したのではなく、特許発明と均等の関係にある場合もあるからである。

［第１の実施形態］
以下の第１の実施形態では、インクを用いて画像を形成する画像形成装置（記録装置）に、機能部品として、インクを収容する１つのカートリッジ（インクカートリッジ）が装着される場合について説明する。しかし本発明は、画像形成装置に装着するカートリッジを１つのみに限定するものではなく、またカートリッジは、インクを収容するインクカートリッジのみに限定されず、記録媒体などの種々の消耗品を収容するカートリッジであってもよい。また、カートリッジは機能部品の一形態に過ぎず、画像形成装置に用いられるプログラムやデータなどを格納した記憶媒体であってもよい。

画像形成装置に装着されるインクカートリッジとしては、ブラック（Ｋ）インクと、シアン（Ｃ），マゼンタ（Ｍ），マゼンタ（Ｙ）インクと、を別々に収容する２カートリッジタイプのものがある。または、Ｃ，Ｍ，Ｙ，Ｋのインクやそれ以外の全てのインクをそれぞれ別々に収容する個別タイプのものもある。画像形成装置は、いずれのタイプのインクカートリッジを用いる場合においても、装着される全てのインクカートリッジが使用可能なものでなければ、画像形成を行わないのが通例である。よって、複数のインクカートリッジを装着する画像形成装置では、後述する処理を全てのインクカートリッジに対して行い、全てのインクカートリッジが使用可能であると判断された場合にのみ正常に動作する。

図８は、本発明を適用可能な画像形成装置の構成例を説明するための概略斜視図である。本例の画像形成装置は、シリアルスキャン方式のインクジェット記録装置であり、矢印Ａの主走査方向の往復移動するキャリッジ５３上には、インクカートリッジ５４とインクジェット記録ヘッドとが着脱可能に搭載される。インクカートリッジは、消耗品としてのインクを収容するカートリッジ５４である。インクジェット記録ヘッドは、インクカートリッジ５４から供給されるインクを複数の吐出口から吐出可能であり、インクを吐出させるためのエネルギーの発生手段として電気熱変換体（ヒータ）やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その電気熱変換体が発生する熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出させることができる。インクカートリッジ５４は、インクジェット記録ヘッドと共にインクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。

キャリッジ５３は、ガイド軸５１，５２によって、矢印Ａの主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ５３は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。記録媒体としての用紙Ｐは、装置の前端部に設けられた挿入口５５から挿入された後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ５６によって矢印Ｂの副走査方向に搬送される。記録装置５０は、記録ヘッド１０を主走査方向に移動させつつ、用紙Ｐに向かってインクを吐出させる記録動作と、用紙Ｐを副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用紙Ｐ上に順次画像を記録する。このときの記録動作は、記録ヘッド１０を主走査方向に移動させつつ、プラテン５７上の用紙Ｐのプリント領域に向かってインクを吐出させるどうさである。そして、搬送動作は、記録動作により記録される画像の記録幅に対応する距離だけ用紙Ｐを副走査方向に搬送する動作である。

キャリッジ５３の移動領域における図２中の左端には、キャリッジ５３に搭載された記録ヘッド１０の吐出口の形成面と対向する回復系ユニット（回復処理手段）５８が設けられている。回復系ユニット５８には、記録ヘッド１０の吐出口のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な吸引ポンプなどが備えられている。回復系ユニット５８は、吐出口を覆ったキャップ内に負圧を導入することにより、吐出口１５からインクを吸引排出させて、記録ヘッド１０の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理（「吸引回復処理」ともいう）をする。また、キャップ内に向かって、吐出口から画像の寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッド１０の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理（「吐出回復処理」ともいう）をすることもできる。

図１は、本実施形態における画像形成装置１００の制御系のブロック構成図である。

画像形成装置１００は、前述した図８のインクジェット記録装置と同様に構成することができる。画像形成装置１００における画像形成部１０９は、画像の形成動作を実行する部分である。前述した図８のインクジェット記録装置の場合、画像形成部１０９は、インクジェット記録ヘッドと用紙Ｐとを相対移動させつつ、インクジェット記録ヘッドからインクを吐出して画像を記録するために必要な機械的な構成部分を含む。その構成部分は、キャリッジ５３を主走査方向に駆動するためのキャリッジモータ、用紙Ｐを副走査方向に搬送するためのＰ．Ｆモータ、および、それらのモータドライバなども含まれる。

画像形成装置１００の通信部１０１は、ＵＳＢやＩＥＥＥ１３９４によって、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ（ホスト装置）２００やデジタルカメラなどと通信する。制御部１０２は、ＲＯＭ１０４に記憶された制御プルグラムにしたがって装置全体の動作を制御するための演算装置である。ＲＯＭ１０４は、不揮発性の書き換え不可能な記憶装置であり、画像形成装置１００のＩＤ情報、および制御部１０２により実行される後述の処理を実行する制御プログラムなどを格納する。ＲＡＭ１０５は揮発性の記憶装置であり、制御部１０２による制御処理の実行の際のワークエリアとして使用されたり、各種データを一時的に保存したりする。ＰＲＯＭ１０６は書き換え可能な不揮発性記憶装置であり、後述するカートリッジのＩＤ情報などを格納する。

カートリッジ装着部１０３は、後述するカートリッジＣのカートリッジ接続端子３０２との接続部分を備え、カートリッジＣの記憶装置３０１から、情報を読み出しおよび情報の書き込みを行う。前述した図８のインクジェット記録装置の場合には、インクカートリッジ５４がカートリッジＣに相当し、カートリッジ装着部１０３は、キャリッジ５３におけるインクカートリッジ５４の装着部に相当する。

表示部１０７は、ＬＥＤや液晶パネルなどによって使用者に画像形成装置の状態を知らせる。通信部１０１、制御部１０２、カートリッジ装着部１０３、ＲＯＭ１０４、ＲＡＭ１０５、ＰＲＯＭ１０６、表示部１０７、および画像形成部１０９は、共有バス１０８を介して通信を行う。なお、ＲＯＭ１０４を省略して、その役割を全てＰＲＯＭ１０６に担わせることも可能である。また、ＲＯＭ１０４に格納可能な情報は全てＰＲＯＭ１０６に格納することも可能である。

ホストコンピュータ２００には、ＲＡＭ２０１、制御部２０２、通信部２０３、外部記憶装置２０４、および表示部２０５が備えられており、これらはバス２０６によって接続されている。

図２は、本実施形態におけるカートリッジ２００の概略構成を示す斜視図である。カートリッジＣは、インクや記録媒体などの消耗品を収容するカートリッジである。本例のカートリッジＣは、前述した図８のインクカートリッジ５４と同様にインクを収容するインクカートリッジである。

本例のカートリッジＣは、インクを収容する本体３００と、情報を記録するためのＩＣチップなどの記憶装置３０１と、を備えている。記憶装置３０１には、画像形成装置１００のカートリッジ装着部１０３と接続可能なカートリッジ接続端子３０２が接続されている。記憶装置３０１と画像形成装置１００との情報交換は、このような接触型の交信手段ではなく、電磁波などを用いた非接触型の交信手段によって実現することも可能である。

図３（ａ），（ｂ）は、画像形成装置１００のＰＲＯＭ１０６と、カートリッジＣの記憶装置３０１のそれぞれに格納される情報の説明図である。

ＰＲＯＭ１０６には、画像形成装置１００自身のＩＤ情報（第３情報）Ｄ３と、その画像形成装置１００において使用可能な少なくとも１つのカートリッジＣのＩＤ情報（第４情報）Ｄ４と、が書き込まれている。図３（ａ），（ｂ）においては、画像形成装置１００のＩＤ情報（第３情報）Ｄ３として「Ｂ」が書き込まれている。また、その画像形成装置１００にて使用可能なカートリッジＣのＩＤ情報（第４情報）Ｄ４として、図３（ａ）の場合には「１」が書き込まれ、図３（ｂ）の場合には「１」，「２」が書き込まれている。画像形成装置１００は、このようにＰＲＯＭ１０６にＩＤ情報Ｄ３，Ｄ４が書き込まれて出荷される。なお、画像形成装置１００自身のＩＤ情報Ｄ３は書き換える必要がない場合もあり、その場合には、そのＩＤ情報をＲＯＭ１０４（図１参照）に格納してもよい。

一方、カートリッジＣの記憶装置３０１には、そのカートリッジ自身のＩＤ情報（第１情報）Ｄ１と、それを使用可能な１以上の画像形成装置１００のＩＤ情報（第２情報）Ｄ２と、が書き込まれている。図３（ａ），（ｂ）においては、カートリッジＣのＩＤ情報（第１情報）Ｄ１として「２」が書き込まれ、そのカートリッジＣを使用可能な画像形成装置１００のＩＤ情報（第２情報）Ｄ２として「Ａ」，「Ｂ」が書き込まれている。カートリッジＣは、このように記憶装置３０１にＩＤ情報Ｄ１，Ｄ２が書き込まれて出荷される。

図４は、本実施形態におけるカートリッジの識別処理の一例を説明するためのフローチャートである。このような識別処理は、画像形成装置１００のＲＯＭ１０４に記憶される制御プログラムにしたがって、制御部１０２により実行される。

まずステップＳ６００において、画像形成装置１００は、カートリッジ装着部１０３に装着されているカートリッジＣから、そのカートリッジＣの記憶装置１０２に記憶されている第１情報Ｄ１としてのＩＤ情報（カートリッジＩＤ）を読み出す。ステップＳ６０１では、画像形成装置１００にＰＲＯＭ１０６にカートリッジＩＤ（第４情報Ｄ４）が記憶されているか否かを確認し、それが記憶されているときには、そのカートリッジＩＤ（第４情報Ｄ４）をＰＲＯＭ１０６から読み出す（ステップＳ６０２）。そして、そのＰＲＯＭ１０６から読み出したカートリッジＩＤ（第４情報Ｄ４）がカートリッジＣのカートリッジＩＤ（第１情報Ｄ１）と一致するか否かを判定する（ステップＳ６０３）。それらが一致した場合には、画像形成装置１００に装着されたカートリッジＣの使用が可能である。したがって、この場合には本識別処理を終了する。

ステップＳ６０３の判定において、カートリッジＩＤが一致しなかった場合にはステップＳ６０１に戻り、ＰＲＯＭ１０６に、未だに読み出していないカートリッジＩＤ（第４情報Ｄ４）があるか否かを判定する。未だ読み出していないカートリッジＩＤがある場合には、そのカートリッジＩＤを読み出して前述したステップＳ６０２，Ｓ６０３の処理をする。未だ読み出していないカートリッジＩＤがない場合には、画像形成装置１００のＲＯＭ１０４から、第３情報Ｄ３としての画像形成装置１００自身のＩＤ情報（画像形成装置ＩＤ）を読み出す（ステップＳ６０４）。

次のステップＳ６０５において、カートリッジＣの記憶装置３０１に画像形成装置ＩＤ（第２情報Ｄ２）が記憶されているか否かを判定する。その画像形成装置ＩＤが記憶されている場合には、それを読み出して（ステップＳ６０７）、その画像形成装置ＩＤ（第２情報Ｄ２）と、画像形成装置１００のＲＯＭ１０４から読み出した画像形成装置ＩＤ（第３情報Ｄ３）と、が一致するか否かを判定する（ステップＳ６０８）。それらが一致した場合には、画像形成装置１００に装着されたカートリッジＣの使用が可能である。この場合にはステップＳ６０９へ進み、次回の識別処理をより少ない手順で行えるように、画像形成装置１００のＰＲＯＭ１０６にカートリッジＩＤを書き込み、そして本識別処理を終了する。

例えば、画像形成装置１００とカートリッジＣとの関係が図３（ａ）のような場合、画像形成装置のＰＲＯＭ１０６の第４情報Ｄ４には、使用可能なカートリッジとしてカートリッジＩＤの「２」が記憶されていない。しかし、カートリッジＣの記憶装置３０１の第２情報Ｄ２には、そのカートリッジＣを使用可能な画像形成装置として、画像記録装置ＩＤの「Ｂ」が書き込まれている。このような場合には、ステップＳ６０８にて、画像記録装置ＩＤが「Ｂ」の画像記録装置１００においては、カートリッジＩＤが「２」のカートリッジＣの使用が可能であると判定される。そしてステップＳ６０９にて、図３（ｂ）のように、画像形成装置１００のＰＲＯＭ１０６の第４情報Ｄ４に、新たなカートリッジＩＤの「２」が書き込まれる。

ステップＳ６０８の判定において、画像形成装置ＩＤが一致しない場合にはステップＳ６０５へ戻り、カートリッジＣの記憶装置３０１に、未だ読み出していない画像形成装置ＩＤ（第２情報Ｄ２）があるか否かを判定する。未だ読み出していない画像形成装置ＩＤがある場合には、それを読み出してステップＳ６０７，Ｓ６０８の処理をする。未だ読み出していない画像形成装置ＩＤが無い場合には、画像記録装置１００に装着されたカートリッジＣは、その画像処理装置１００において使用不可能である。この場合には、画像形成装置１００の使用者に対して、装着されたカートリッジＣが画像形成装置１００に対応しないものであることを通知して、本識別処理を終了する。その場合の通知方法としては、例えば、表示部１０７におけるＬＥＤなどを通常とは異なる形態で点滅させたり、あるいは液晶パネルに文字列を表示する方法などがある。

［第２の実施形態］
第１の実施形態における画像形成装置は、新しいカートリッジを含む種々のカートリッジに関して、それが使用可能であるか否かを識別する構成となっている。さらに、このような基本構成を変更することなく、画像形成を画像形成装置に指示するソフトウェア（ドライバ）の更新を使用者に促すことも可能である。従来使用していたカートリッジとは異なるＩＤをもつカートリッジは、従来とは異なる特性の消耗品（インクなど）が収容されたカートリッジ（インクカートリッジなど）である場合が多い。このような場合には、従来のカートリッジとは異なるプリンタドライバ（ソフトウェア）が必要になることがほとんどである。通常、そのプリンタドライバはホストコンピュータ２００に搭載されており、そのプリンタドライバを用いて画像形成装置１００が制御される。

図５は、本実施形態におけるカートリッジ識別処理の一例を説明するためのフローチャートである。

ステップＳ６００からステップＳ６０９までは、前述した第１の実施形態と同一である。本実施形態の場合には、ステップＳ６０９の後のステップＳ６１０において、画像形成装置１００から、その通信部１０１に接続されたホストコンピュータ２００に対して、画像形成装置１００に新規のカートリッジが装着されたことを通知する。つまり、カートリッジの装着によって、新たなカートリッジＩＤをＰＲＯＭ１０６に書き込む（ステップＳ６０９）ことになる場合、そのカートリッジを新規なカートリッジと判定して、そのこと示す情報をホストコンピュータ２００に通知する。

図６は、このような通知を受けたときのホストコンピュータの処理例を説明するためのフローチャートである。

まずはステップＳ７００において、画像形成装置１００の通信部２０３から通知された情報を取得する。そして、その通知された情報が新規のカートリッジが装着されたことを示すものであるか否かを識別する（ステップＳ７０１）。通知された情報が新規のカートリッジの装着を示す通知であるときには、表示部２０５の表示によって、使用者にプリンタドライバの更新を促す（ステップＳ７０２）。図７は、使用者にプリンタドライバの更新を促す表示例の説明図である。この図７のようなダイアログを表示して、使用者によって「更新する」の表示ボタンが選択された場合には、Internet ExplorerやNetscapeなどのWebブラウザを起動して、プリンタドライバをダウンロードするためのWebページを表示する。使用者は、そのWebページから、ホストコンピュータ２００にプリンタドライバをダウンロードすることができる。

図６の処理手順は、ソフトウェアとしてホストコンピュータ２００の外部記憶装置２０４に格納され、制御部２０２によりＲＡＭ２０１に読み出されてから、その制御部２０２によって実行される。

［他の実施形態］
上述した実施形態は、後の識別処理を簡便にするために、使用可能であることを確認したカートリッジのカートリッジＩＤを記録装置のＰＲＯＭに書き込む構成となっている。しかしながら、当業者であれば、この書き込み処理が必ずしも必要でないことは理解できよう。すなわち、使用可能であることを確認したカートリッジのカートリッジＩＤを記録装置のＰＲＯＭに書き込む処理は、単なるオプションに過ぎない。

本発明は、カートリッジの装着が可能な種々の装置に対して広く適用することができ、そのカートリッジとしては、種々の消耗品を収容するカートリッジを用いることができる。例えば、インクを収容するインクカートリッジの他、記録用紙を収容するカートリッジなどを用いることもできる。またカートリッジは、画像形成装置（記録装置）にて使用される消耗品を収容するだけではなく、画像形成装置において用いられる情報（プログラムやデータを含む）を格納する機能部品であってもよい。

また本発明は、前述したようなシリアルスキャンタイプの記録装置のみに限定されず、種々の画像形成装置に対して適用することができ、また記録方式もインクジェット方式のみに限定されず任意である。

本発明は、ホストコンピュータや画像形成装置などの複数の機器から構成される情報処理システム、および画像形成装置などの１つの機器からなる情報処理装置に対して、広く適用することができる。より具体的には、スキャナ、プリンタ、スキャナ、ＰＣ、複写機、複合機、及びファクシミリ装置などに適用することができる。すなわち本発明は、カートリッジを装着して用いる種々の装置に対して、本発明は広く適用することができる。

また本発明は、画像形成装置１００のＲＯＭ１０４に格納されている制御プログラムを制御部１０２が実行する以外の方法によっても達成することができる。例えば本発明は、画像形成装置１００に組み込まれるコンピュータ、若しくは画像形成装置１００と共に画像形成システムを構成するホストコンピュータ（ホスト装置）２００が、外部から供給されたソフトウェアプログラムのプログラムコードを読み出して実行することによっても達成できる。そのソフトウェアプログラムは、前述した実施形態の各機能を実現するソフトウェアプログラム（図５および図７に示すフローチャートに対応したプログラム）であり、システム若しくは装置に対して直接または遠隔から供給することができる。したがって、本発明の機能・処理をコンピュータによって実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、そのような機能・処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。その場合、プログラムの形態は問わず、例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、ＯＳに供給するスクリプトデータ等であってもよい。

プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ、ＤＶＤ（ＤＶＤ−ＲＯＭ，ＤＶＤ−Ｒ）などを用いることができる。

その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。この場合には、接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルを、ハードディスク等の記録媒体にダウンロードして用いることができる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても供給可能である。つまり、本発明の処理機能をコンピュータによって実現するためのプログラムファイルを、複数のユーザに対してダウンロードさせるＷＷＷサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。

また、本発明のプログラムを暗号化してＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に格納し、それをユーザに配布することによっても本発明の処理機能を実現することができる。この場合には、所定の条件をクリアしたユーザに対して、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより、暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせることができる。

また、読み出したプログラムをコンピュータが実行することによって、本発明の機能を実現する他、そのプログラムの指示に基づいて、コンピュータ上で稼動しているＯＳなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても、本発明の機能を実現することができる。

さらに、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリを用いることもできる。すなわち、それらのメモリに、記録媒体から読み出されたプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるＣＰＵなどが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によっても本発明の機能を実現することができる。

本発明の第１の本実施形態における画像形成装置の概略のブロック構成図である。 図１の画像形成装置に装着可能なカートリッジの概略斜視図である。 （ａ），（ｂ）、図１の画像形成装置と図２のカートリッジの記憶データの関係の説明図である。 本発明の第１の実施形態におけるカートリッジ識別処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第２の実施形態におけるカートリッジ識別処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第２の実施形態におけるホストコンピュータの処理を説明するためのフローチャートである。 図６の処理における表示部の表示例の説明図である。 本発明を適用可能な画像形成装置の一例の概略斜視図である。

符号の説明

１００ 画像形成装置
１０１ 通信部
１０２ 制御部
１０３ カートリッジ装着部
１０４ ＲＯＭ
１０５ ＲＡＭ
１０６ ＰＲＯＭ
１０７ 表示部
１０８ バス
１０９ 画像形成部
２００ ホストコンピュータ（ホスト装置）
３００ カートリッジ本体
３０１ 記憶装置
Ｃ カートリッジ（機能部品）
Ｄ１ カートリッジＩＤ（第１情報）
Ｄ２ 画像形成装置ＩＤ（第２情報）
Ｄ３ 画像形成装置ＩＤ（第３情報）
Ｄ４ カートリッジＩＤ（第４情報）

Claims (6)

1. 装着可能な機能部品を用いて機能する画像形成装置であって、
   前記機能部品には、当該機能部品の識別情報が第１情報として記憶され、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報が第２情報として記憶され、
   前記画像形成装置は、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶する記憶手段と、
   当該画像形成装置に装着された前記機能部品から、前記第１および第２情報を読み出すための読み出し手段と、
   前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較手段と、
   前記比較手段による比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定する判定手段と、
   前記比較手段による比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように、前記第１情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、
   を備えることを特徴とする画像形成装置。
2. 前記比較手段による比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記機能部品を使用するためのソフトウェアの更新が必要であることを通知する手段をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. 画像形成装置に装着される機能部品が当該画像形成装置に使用可能であるか否かを判定する機能部品の判定方法であって、
   前記機能部品に、当該機能部品の識別情報を第１情報として記憶し、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報を第２情報として記憶しておき、
   前記画像形成装置に、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶しておき、
   前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較工程と、
   前記比較工程の比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定する判定工程と、
   前記比較工程の比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように前記画像形成装置に記憶させる工程と、
   を有することを特徴とする機能部品の判定方法。
4. 画像形成装置に装着される機能部品が使用可能であるか否かを判定するための制御プログラムであって、
   前記機能部品は、当該機能部品の識別情報を第１情報として記憶し、かつ当該機能部品を使用可能な少なくとも１つの画像形成装置の識別情報を第２情報として記憶しており、
   前記画像形成装置は、当該画像形成装置の識別情報を第３情報として記憶し、かつ当該画像形成装置に使用可能な少なくとも１つの機能部品の識別情報を第４情報として記憶しており、
   前記第１および第２情報と前記第３および第４情報とを比較する比較ステップと、
   前記比較ステップによる比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含むとき、または前記第２情報が前記第３情報を含むときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用可能であると判定し、前記第４情報が前記第１情報を含まずかつ前記第２情報が前記第３情報を含まないときは、当該画像形成装置に装着された前記機能部品は使用不可能であると判定するステップと、
   前記比較ステップによる比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記第１情報を前記第４情報に加えるように前記画像形成装置に記憶させるステップと、
   をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
5. 前記比較ステップによる比較結果が、前記第４情報が前記第１情報を含まず、かつ前記第２情報が前記第３情報を含むときに、前記機能部品を使用するためのソフトウェアの更新が必要であることを通知するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項４に記載の制御プログラム。
6. コンピュータにより読取り可能なプログラムコードを格納した記憶媒体であって、請求項４または５のいずれかに記載の制御プログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。

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