以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の第1形態)
図1は本発明の実施の第1形態に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
ファクシミリ装置は、図1に示すように、公衆回線網(PSTN)109に対する接続制御などを行う網制御装置(以下、NCUという)108と、公衆回線網109を介してファクシミリ送受信する情報の変復調を行うモデム107と、送信する原稿画像を読み取るための読取部103と、受信した情報および通信管理レポートを出力する記録部104と、メールサーバ112を収容するローカルエリアネットワーク(以下、LANという)111に接続するためのLANI/F(インターフェィス)110と、CPU101とを備える。
CPU101は、ROM105に格納されている制御プログラムに従い装置全体の制御とともに、各種制御を行う。ROM105には、FAX送信・受信制御プログラム151、E-mail送信・受信制御プログラム152、レポート生成制御プログラム153、記録・読取制御プログラム154などが含まれ、CPU101は、これら制御プログラムに従い、FAX送信・受信、E-mail送信・受信、レポート生成、記録・読取、ユーザI/Fなどの制御を行う。CPU101の作業領域としては、RAM106が用いられる。また、RAM106には、通信管理情報テーブル、画像データなどの各種情報が格納される。
このCPU101に対する指示入力は、操作部102を介して行われる。この操作部102は、各種設定情報などを表示するためのLCD(液晶表示パネル)121と、動作状態などを表すためのLED122と、機能設定キー、ワンタッチキー、短縮ダイヤルキー、テンキー、スタートーキー、ストップキーなどを含むキー群123と、操作音、警告音などを発するためのスピーカ124とを有し、各キーの操作が行われると、対応する情報がCPU102に入力される。
本実施の形態は、公衆回線網109を介してファクシミリ情報の送受信およびLAN111に収容されたメールサーバ112を経由して電子メールの送受信を行うとともに、ファクシミリ情報の送受信時および電子メールの送受信時にその通信管理情報を作成する。作成された通信管理情報は、RAM106の通信管理情報テーブル上に格納される。この通信管理情報は、記録部104により通信管理レポートとして出力することが可能である。
ここで、電子メールを送信する際の手順について説明すると、まず操作部102により宛先(アドレス)が入力され、読取部103により送信原稿の画像が読み取られる。この読み取られた画像は、電子メールに添付されて入力された宛先に送信される。この電子メールの形式、添付画像の圧縮方法などは、ITU-T T.37(インターネットを介したファクシミリ送信の勧告)に従うものである。画像が添付された電子メールは、LANI/F110によりLAN111を介してメールサーバ112に送られる。
上記電子メールを受けたメールサーバ112は、この電子メールをその宛先にインターネットを介して送出する。ここで、例えば中継先において送信エラーが発生した場合には、メールサーバ112は、RFC(Request For Comments)1894に記述されているDSN(送達通知)の電子メールをファクシミリ装置に返すように構成されている。このDSNは、"Action:"ヘッダにより、"failed"(不達通知)/"delayed"(遅送)/"delivered"(送信OK)/"relayed"(中継)/"expanded"(拡張)を通知する。
本ファクシミリ装置においては、電子メールの送信から一定期間経過後に、送信電子メールに対するDSN(送達通知)をメールサーバ112から受信したか否か判定し、このDSNを受信すると、このDSNに応じてこのDSNを受けた電子メールの通信管理情報の内容を更新する。また、電子メールの送信から一定期間経過後に、送信電子メールに対するDSN(送達通知)をメールサーバ112から受信していないと判定されると、送信された電子メールの送信結果を正常終了とするように通信管理情報が更新される。この管理通信情報の更新処理の詳細については、後述する。
次に、RAM106に格納されている通信管理情報テーブルの構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1のファクシミリ装置のRAM106に格納されている通信管理情報テーブルの構成を示す図である。
RAM106に格納されている通信管理情報テーブル201には、図2に示すように、ファクシミリ情報の送受信、電子メールの送受信時に作成される通信管理情報が格納される。この通信管理情報は、通信管理番号202、ユーザID203、通信モード204、通信時間205、通信開始時間206、ページ数207、相手先電話番号/メールアドレス208、メッセージID209、およびエラーコード(通信結果)210を含む。
通信管理番号202においては、送信時の番号として1〜4999が割り当てられ、受信時の番号として5000〜5999が割り当てられている。ユーザID203は、ファクシミリ送信時のユーザ略称、発信人名称、または電子メール送信時の"From:"フィールド欄に記述される情報である。通信モード204は、G3、ECMなどのファクシミリ送信または受信モード、また電子メールの送信または受信モードを示す。通信時間205は通信に要した時間を示し、通信開始時間206は通信を開始した時間を示す。ページ数207は、送信または受信原稿の枚数を示し、画像が添付されていない電子メールを受信した場合、ページ情報がないものと見なされてページ数207の欄は無記述となる。相手先電話番号/メールアドレス208は、相手先の電話番号または相手先のメールアドレスを示す。メッセージID209は、電子メールの送信または受信時のメールヘッダに付加される"Message ID:"に記述されるIDを示す。エラーコード(通信結果)210は、ファクシミリ送信または受信の通信結果、また電子メールの送信また受信の通信結果を示す。
次に、電子メールの送信について図3を参照しながら説明する。図3は図1のファクシミリ装置における電子メールの送信手順を示すフローチャートである。
電子メールを送信する際には、図3に示すように、まずステップS301において、通信管理情報を格納するための1つの領域をRAM106上に確保する。ここで、RAM106の通信情報管理テーブル上の空領域、または空領域がなければ、通信情報管理テーブルの最も古い通信管理情報に対応する領域が確保される。また、この確保した領域に対して、送信する電子メールの通信管理番号、メッセージID、通信モードとしてインターネットファクシミリ送信(I-FAX送信)、通信開始時間、ページ数、相手先メールアドレス、エラーコード(通信結果;未定)が設定される。
次いで、ステップS302に進み、メールサーバ112に対して、読み取られた画像が添付された電子メール(I-FAX)の送信を実行する。続くステップS303では、メールサーバ112への送信が成功したか否かを判定する。メールサーバ112への送信が成功しなかったときには、ステップS304に進み、メールサーバ112への送信が成功しなかった原因が送信エラー発生によるものであるか否かを判定する。ここで、この原因が送信エラー発生によるものでないときには、サーバビジーなどによりメールサーバ112への接続ができないと判断して上記ステップS302に戻り、再度、電子メールの送信を行う。これに対し、メールサーバ112への送信が成功しなかった原因が送信エラー発生によるものであるときには、ステップS305に進み、送信NGとして通信管理情報に対応するエラーコードを設定するとともに、この送信結果を表す送信結果レポートを出力し、本処理を終了する。
上記ステップS303においてメールサーバ112への送信が成功したと判定されると、ステップS306に進み、メールサーバ112に対する受信動作を一定時間経過後に開始するために、一定時間(例えば30分間)ウェイトする。このウェイト期間中には、通信管理情報に通信時間が設定される。また、このウェイト期間中に通信管理レポートが出力された場合、通信結果の欄に"--"と記述することにより、まだ送信結果が確定していないことを示す。
次いで、ステップS307に進み、メールサーバ112に対する受信処理を実行し、続くステップS308で、メールサーバ112からのメールの受信に成功したか否かを判定し、メールサーバ112からのメールの受信に成功しなかったときには、送信した電子メールが指定した宛先に正常に送信されたと判断してステップS309に進み、送信OKとして通信管理情報を更新するとともに、この送信結果を表す送信結果レポートを出力し、本処理を終了する。
これに対し、メールサーバ112からのメールの受信に成功すると、ステップS310に進み、受信したメール中にDSNのメールが含まれているか否かを判定する。この判定は、受信したメール中のフィールドに以下の記述があるか否かにより行われる。
Content-Type: multipart/report; report-type=delivery-status;
なお、DSNの詳細は、RFC1894を参照のこと。
上記メール中にDSNのメールが含まれていないときには、送信した電子メールが指定した宛先に正常に送信されたと判断してステップS309に進み、送信OKとして通信管理情報を更新し、本処理を終了する。受信したメール中にDSNのメールが含まれているときには、ステップS311に進み、DSN解析処理を実行し、本処理を終了する。
次に、上記ステップS311のDSN解析処理について図4を参照しながら説明する。図4は図3のステップS311のDSN解析処理の手順を示すフローチャートである。
DSN解析処理では、図4に示すように、まずステップS401において、受信したDSNの元メールの"Message-ID:"フィールドに記述されているメッセージID(DSN)を取得し、続くステップS402で、通信情報管理テーブル検索用のインデックスiを1に設定する。そして、ステップS403に進み、通信管理情報テーブルを参照して通信管理情報iのメッセージID(i)を取得する。
次いで、ステップS404に進み、取得したメッセージID(i)とメッセージID(DSN)を比較し、両者が一致するか否かを判定する。メッセージID(i)とメッセージID(DSN)とが一致しないときには、ステップS405に進み、インデックスiを1インクリメントし、続くステップS406で、インデックスiが通信管理情報テーブルの最大値(通信管理情報の通信管理番号)以下であるか否かを判定する。インデックスiが通信管理情報テーブルの最大値以下であるときには、上記ステップS404に戻り、インデックスiが通信管理情報テーブルの最大値を超えているときには、ステップS407に進み、DSNメッセージと一致する通信管理情報がないので、受信したDSNの内容を記述したDSNエラーレポートを出力し、本処理を抜ける。
上記ステップS404においてメッセージID(i)とメッセージID(DSN)とが一致したと判定されると、ステップS408に進み、DSN中の"Action:"フィールドからそれに記述された情報を取得し、続くステップS409で、取得した情報に基づき対応する通信管理情報の通信結果を更新する。ここで、"Action:"には、上述したように、"failed"(不達通知)/"delayed"(遅送)/"delivered"(送信OK)/"relayed"(中継)/"expanded"(拡張)のいずれかが記述されており、"failed"(不達通知)が記述されていた場合には、対応する通信管理情報の通信結果を送信結果NGとして更新し、その送信結果を表す送信結果レポートを出力す。また、"delayed"(遅送)が記述されていた場合には、対応する通信管理情報の通信結果を送信結果未達として、"delivered"(送信OK)が記述されていた場合には、送信結果OKとして、"relayed"(中継)が記述されていた場合には、送信結果OK(中継)として、"expanded"(拡張)が記述されていた場合には、送信結果OK(同報)としてそれぞれ更新し、それぞれ送信結果を表す送信結果レポートを出力する。そして、本処理を抜ける。
次に、通信管理レポートの出力例について図5を参照しながら説明する。図5は図1のファクシミリ装置の通信管理レポートの出力例を示す図である。
通信管理レポートは、RAM106の通信管理情報テーブルに格納されている通信管理情報の一欄を記述したレポートであり、操作部102の入力操作により記録部104から出力することが可能である。この通信管理レポートは、例えば図5に示すように、開始時刻、相手先、発信元名称、通信管理番号(No.)、通信モード、送受信枚数および通信結果を含む。ここで、電子メールを送信した場合、通信モードの欄には、"送信 I-FAX"が記述される。
この通信管理レポートにおいては、3件の"送信 I-FAX"があり、1件目の電子メール(通信管理番号0002)に関しては、一定時間経過後にメールサーバ112からメールを受信したが、DSNを受信していないので(通信管理番号5002)、通信結果の欄にOKと記述されている。2件目の電子メール(通信管理番号0003)に関しては、一定時間経過後にメールサーバ112からメールを受信し、またDSN(不達)を受信しているので(通信管理番号5003,5004)、通信結果の欄にNGと記述されている。また、3件目の電子メール(通信管理番号0004)に関しては、送信から一定時間経過しておらず、メールサーバ112からメールを受信するか否かが不明であるので、通信結果の欄に"--"と記述されている。
次に、上記ステップS305または上記ステップS309において出力される送信結果レポートの例について図6および図7を参照しながら説明する。図6は図3のステップS305において出力される送信結果レポートの一例を示す図、図7は図3のステップS309において出力される送信結果レポートの一例を示す図である。
メールサーバ112への電子メールの送信時に送信エラー発生して送信がエラー終了した場合(図3のステップS304)には、送信NGとして通信管理情報に対応するエラーコードを設定するとともに、この送信結果を表す送信結果レポートを出力する(ステップS305)。この送信結果レポートには、例えば図7に示すように、送信がエラー終了した旨を示すメッセージとともに、通信結果が含まれ、この通信結果の欄には、送信結果を表すNGと、エラーコードとが記述されている。
また、メールサーバ112から上記メールを受信しなかったとき、またはメール中に該当するDSNのメールが含まれていないとき(図3のステップS308,S310)には、送信した電子メールが指定した宛先に正常に送信されたとして、送信OKの送信結果を表す送信結果レポートを出力する(ステップS309)。この送信結果レポートには、例えば図6に示すように、送信が正常終了した旨を示すメッセージとともに、その通信結果が含まれ、この通信結果の欄には、送信結果を表すOKが記述されている。
このように、本実施の形態では、電子メールの送信から一定期間経過後に、送信電子メールに対するDSN(送達通知)をメールサーバ112から受信したか否か判定し、このDSNを受信すると、このDSNに応じてこのDSNを受けた電子メールの通信管理情報の内容を更新するので、電子メールサーバを経由して送信された電子メールが正常に相手先に送信されたか否かを確実に知ることができ、ひいてはインターネットを介したファクシミリ送信に対する信頼を向上させることができる。
また、通信管理レポートには、DSNに応じた送信結果が記述されるから、この記述から、不達、遅送、送信OK、中継、同報などの送信結果情報を得ることができる。
(実施の第2形態)
次に、本発明の実施の第2形態について図8ないし図10を参照しながら説明する。図8は本発明の実施の第2形態に係るファクシミリ装置におけるDSNのメール受信処理の手順を示すフローチャート、図9は図8のステップS807において出力される送信結果レポートの一例を示す図、図10は図8のステップS809において出力される受信結果レポートの一例を示す図である。本実施の形態は、呪術の実施の第1形態と同じ構成を有し、その構成のついての説明は省略する。
本実施の形態は、送信された電子メールに対してメールサーバ112から返されたDSN(送達通知)を受信すると、受信した送達通知の内容を解析し、この解析により受信したDSN(送達通知)が送信された電子メールの不達通知であることが検出されると、この送信された電子メールの不達を表すエラー通知情報を出力する。ここで、エラー通知情報は、操作部102のスピーカ124により警告音を発することによりユーザに通知されるように構成されている。また、エラー通知情報は、記録部104により印字して出力することにより、また操作部102のLCD121およびLED122を用いてユーザに通知されるように構成されている。
本実施の形態においては、読みと取られた画像が添付された電子メールを送信した後にメールサーバ112からのメール受信処理を開始する。そして、メールサーバ112からのメールを受信すると、図8に示すように、まずステップS801においてメールサーバ112から受信したメールがDSNを含むメールであるか否かを判定する。この判定は、上述の実施の第1形態と同様に、受信したメール中のフィールドに以下の記述があるか否かにより行われる。
Content-Type: multipart/report; report-type=delivery-status;
メールサーバ112から受信したメールがDSNを含むメールでないときには、ステップS808に進み、通常のメール受信処理を実行する。この通常のメール受信処理では、受信したメールの印字出力または転送などを行う。そして、本処理を終了する。
メールサーバ112から受信したメールがDSNを含むメールであるときには、ステップS802に進み、"Action:<action>"の記述の有無を判定し、この記述がないときには、不正なDSNを受信したと判断してステップS809に進み、記録部104から通信結果レポートを出力する。ここでは、異常DSN受信を表す受信結果レポートを出力する。この受信結果レポートの詳細については後述する。そして、本処理を終了する。
DSNに"Action:<action>"の記述があるときには、ステップS803に進み、この"Action:<action>"に記述されている文字列を取得してRAM106のaction文字列バッファに格納する。そして、ステップS804に進み、取得したaction文字列が"failed"であるか否かを判定し、取得したaction文字列が"failed"であるときには、この"failed"が不達を示すので、ステップS805に進む。
ステップS805では、送信された電子メールが指定された宛先に到達していないことをユーザに通知するために、警告音をスピーカ124から発生させ、続くステップS806で、このDSNにより不達通知を受けた電子メールを特定するための情報例えば相手先メールアドレスなどを操作部102のLCD121に表示するとともに、エラー状態であることを表すようにLED122を点灯する。そして、ステップS807に進み、記録部104から、このDSNにより不達通知を受けた電子メールに対する通信結果レポートを出力する。ここでは、このDSNにより不達通知を受けた旨、その電子メールに関する情報を記述した送信結果レポートを出力する。この送信結果レポートの詳細については後述する。そして、本処理を終了する。
上記ステップS804において取得したaction文字列が"failed"でないと判定されると、取得したaction文字列が"delayed"(遅送)/"delivered"(送信OK)/"relayed"(中継)/"expanded"(拡張)のいずれかであるので、ステップS805およびステップS806をスキップしてステップS807に進み、このDSNを受けた電子メールに対する通信結果レポートを出力する。ここでは、このDSNが示す"delayed"(遅送)/"delivered"(送信OK)/"relayed"(中継)/"expanded"(拡張)のいずれかを記述した送信結果レポートを出力する。そして、本処理を終了する。
DSNにより不達通知を受けた場合(ステップS804)、この電子メールに対しては、例えば図9に示す送信結果レポートが出力される(ステップS807)。この送信結果レポートには、メールサーバによりエラーが通知された旨と、そのエラーが通知された電子メールに関する情報(ここでは、受付番号、相手のアドレス、相手先略称、開始時刻、通信時間、枚数)と、NGの通信結果とが記述されている。
メールサーバ112から不正なDSNを受信した場合(ステップS802)、例えば図10に示す、異常DSN受信を表す受信結果レポートが出力される(ステップS809)。この受信結果レポートには、受信したメールが不正なDSNメールであることの旨と、このメールに該当する電子メールに関する情報(ここでは、受付番号、相手のアドレス、相手先略称、開始時刻、通信時間、枚数)と、"Action:"ヘッダがないDSNを受信したことを示す通信結果とが記述されている。
このように、本実施の形態では、送信された電子メールに対してメールサーバ112から返されたDSN(送達通知)を受信すると、受信した送達通知の内容を解析し、この解析により受信したDSN(送達通知)が送信された電子メールの不達通知であることが検出されると、この送信された電子メールの不達を表すエラー通知情報を操作部102のスピーカ124、LCD121およびLED122、また記録部104を用いて出力するので、送信された電子メールが指定された相手先に到達していないことを確実に知ることができ、ひいてはインターネットを介したファクシミリ送信に対する信頼を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、エラー通知情報を操作部102のスピーカ124、LCD121およびLED122、また記録部104を用いて出力するように構成しているが、これらのいずれか1つ以上を組合せてエラー通知情報を出力するようにしてもよい。
(実施の第3形態)
次に、本発明の実施の第3形態について図11および図12を参照しながら説明する。図11は本発明の実施の第3形態に係るファクシミリ装置の構成を示すブロック図、図12は図11のファクシミリ装置において出力される通信管理レポートの一例を示す図である。
ファクシミリ装置は、図11に示すように、公衆回線網(PSTN)344に接続されている網制御装置(以下、NCUという)302を備える。NCU302は、電話網とのデータ通信などに使用するためにその回線端末へ接続するなどの電話交換網の接続制御、データ通信路への切換を行い、公衆回線網344と電話機304との接続(CMLオフ)、および公衆回線網344とハイブリット部306との接続(CMLオン)を選択的に切り換える。NCU302と電話機304とは信号線302aで接続され、NCU302とハイブリット部306とは信号線302cで接続される。NCU302の切換動作は後述するCPU322で制御され、通常状態では、公衆回線網344と電話機304との接続が選択されている。
ハイブリット部306は、公衆回線網344を介して送信されるファクシミリ送信系からの送信信号と、公衆回線網344を介して受信されるファクシミリ受信系への受信信号とを分離する。
ファクシミリ送信系は読取部314を有し、読取部314は、原稿情報を読み取り、その読取りデータをバス326に出力する。この読取りデータはRAM318に一旦格納された後にCPU322により読み出されて符号化され、該符号化されたデータはバス326を介して変復調部308に出力される。
変復調部308は、バス326を介して入力された符号化データに対し変調処理を施して変調信号を生成し、またハイブリット部306から信号線306aを介して取り込まれた受信信号に対し復調処理を施して復調データを生成する。この変調処理および復調処理は、ITU-T勧告V.8,V.21,V.27ter,V.29,V.17,V.34に基づき行われる。変復調部308による変調、復調処理の内容はCPU322からバス326を介して与えられる信号によって指示され、この指示された変調、復調処理によって伝送モードが決定される。CPU322からバス326を介して変復調部308に与えられる指示は、送信モード、受信モード、伝送速度などの指示である。
変復調部308で生成された変調信号は、加算部312に信号線308aを介して出力され、加算部312は、変復調部308からの変調信号と発呼部310から信号線310aを介して入力した信号とを加算してハイブリット部306に信号線312aを介して出力する。発呼部310は、CPU322からバス326を介して入力された電話番号情報に応じてDTMFの選択信号を出力する。ハイブリット部306は加算部312からの加算された信号を送信信号としてNCU302経由で公衆回線網344に送出する。
これに対し、ファクシミリ受信系では、相手装置からNCU302経由で受信した信号がハイブリット部306から信号線306aを介して変復調部308に出力される。変復調部308は、上述したように、信号線306aを介して取り込まれた受信信号に対し復調処理を施し、復調データを生成する。変復調部308で生成された復調データは、バス326を介してCPU322に与えられる。CPU322は、復調データに対し復号化などの処理を施し、その復号化されたデータをRAM318にバス326を介して格納し、またはバス326を介して記録部316に出力する。記録部316は、バス326を介して取り込んだデータを順次1ライン毎に記録紙に記録する。
CPU322は、ROM324に格納されている制御プログラムに従い装置全体の制御を行うとともに、伝送制御手順を実行する。このCPU322による制御の作業領域としては、RAM318が用いられる。また、RAM318には、後述する通信管理情報テーブルを格納する領域が設けられている。さらに、RAM318には、メモリ受信する情報を格納する領域が設けられている。
このCPU322に対する指示入力は操作部320を介して行われる。この操作部320は、機能設定キー、ワンタッチキー、短縮ダイヤルキー、テンキー、スタートーキー、ストップキー、各種情報登録キーなどを有し、これらのキー操作が行われると、対応する情報がバス326を介してCPU322に入力される。また、操作部320には、装置状態、宛先およびその電話番号情報、警告メッセージなどを表示する表示部(図示せず)が設けられている。
公衆回線網344には、複数のプロバイダ(A,B,C)328,330,332が収容され、これらプロバイダ(A,B,C)328,330,332は、インターネット346を介して各プロバイダ(D,E)334,336およびファクシミリ装置(FAXB)338に接続可能であるとともに、各プロバイダ(D,E)334,336を経由してファクシミリ装置(FAXC,FAXD)340,342に接続可能である。
プロバイダA,Dは、ITU-T T.38に従うリアルタイムでのインターネットを介してファクシミリ通信をサポートする。プロバイダBはITU-T T.37のシンプルモードおよびフルモードでのインターネットを介してファクシミリ通信をサポートする。プロバイダCは、公衆回線網344との間でITU-T T.30に従うファクシミリ通信をサポートし、インターネット346との間でITU-T T.37のシンプルモードでのファクシミリ通信をサポートする。プロバイダEは、ITU-T T.37のシンプルモードでのインターネットを介してファクシミリ通信をサポートする。ここで、ITU-T T.37のシンプルモードは、インターネットを介したファクシミリ送信時において相手機との間で能力確認および送達確認を行うことができない。ITU-T T.37のフルモードおよびITU-T T.38は、インターネットを介したファクシミリ送信時において相手機との間で能力確認および送達確認を行うことができる。
本実施の形態では、各プロバイダA,B,C,D,Eを経由してファクシミリ送信を行うための複数の通信機能を有し、通信機能のそれぞれにより各プロバイダA,B,C,D,Eを介したファクシミリ送信を実行した際に、該ファクシミリ送信の通信管理情報を作成し、RAM318の通信管理テーブル上に格納する。ここで、ITU-T T.37でのインターネットを介してファクシミリ送信を実行した際には、このファクシミリ送信の通信結果の確認が必要である旨を記述した通信管理情報を作成する。この通信管理テーブルには、最大40件分の通信管理情報が格納可能であり、この通信管理テーブルに格納された通信管理情報の一欄は、記録部316により通信管理レポートとして出力することが可能である。
通信管理レポートにおいては、例えば図12に示すように、通信番号、送受信の識別情報、相手先情報、通信結果、確認が必要である通信の各項目を含む。ここで、例えばインターネットを介した、通信番号「0002」,「0005」,「0008」のファクシミリ送信は、対応するプロバイダへ送信は正常に終了したが、相手先に到達したか否かを判別することができない送信であり、これらの送信に対しては、それぞれの通信結果の欄にOKが記述されるが、実際には相手先に到達したか否かを判別することができないので、それぞれの確認が必要である通信の欄に、相手先に情報が到達したか否かの確認が必要であることを示す「○」印が記述される。
また、通信番号「0002」の送信に関しては、ITU-T T.37のシンプルモードでのファクシミリ送信であるときには、相手先に情報が到達したか否かの確認が必要であることを示す「○」印が記述され、ITU-T T.37のフルモードでのファクシミリ送信であるときには、相手先に情報が到達したか否かの確認が必要でないことを示す「−」印が記述される。
このように、本実施の形態では、ITU-T T.37でのインターネットを介してファクシミリ送信を実行した際には、このファクシミリ送信の通信結果の確認が必要である旨を記述した通信管理情報を作成するので、インターネットを介したファクシミリ送信の内の相手先に到達したか否かを判別することができないファクシミリ送信に対しては、相手先に対して情報が到達したか否かの確認の必要性を容易に知ることができる。