JP4467352B2 - Icタグ、インターポーザ、icタグに用いられる導電体形成済シートの巻体、インターポーザ付シートの巻体、およびicタグの製造方法 - Google Patents

Icタグ、インターポーザ、icタグに用いられる導電体形成済シートの巻体、インターポーザ付シートの巻体、およびicタグの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、外部のリーダ・ライタと非接触でデータの授受を行うことができるICタグ、インターポーザ、ICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体、インターポーザ付シートの巻体およびICタグの製造方法に関する。
外部のリーダ・ライタと非接触でデータの授受を行う非接触ICタグとして、一対の接点を有するアンテナ回路が形成されたアンテナ形成済シートと、インターポーザとを備えるものが知られている。
このうち、アンテナ形成済シートのアンテナ回路は基材シート上に設けられるとともに通常、渦巻き状または棒状、クロス状等からなり、渦巻き状の場合には一対の接点はその内側および外側に配置される端部によって形成されている。なお、アンテナ回路の形状は、リーダ・ライタとデータの送受信する際の電磁波の周波数によって決定される。
一方、インターポーザは一対の拡大電極と、各々が異なる拡大電極に接続された一対の電極を有するICチップとを有している。なお、リーダ・ライタとデータの送受信する際に用いられる電磁波の周波数帯によっては、一対の拡大電極がアンテナとして機能し、一対の拡大電極とICチップとを有するインターポーザをアンテナ形成済シートと組み合わせることなくICタグとして用いることができる。本願におけるインターポーザという用語は、このようなICタグを含んだ概念である。
アンテナ形成済シートとともに用いられるインターポーザは、各拡大電極をアンテナ回路の異なる接点に接合することにより、アンテナ形成済シート上に固定されている。
しかしながら、接合が局所的であることと、インターポーザがICタグの表面に露出していることとから、インターポーザがアンテナ形成済シートから引き剥がされやすいという不具合を有している。このため、さらにラミネート等の処理がICタグに実施されることもあり、このことはICタグの製造コストを上昇させる一つの原因となっている。なお、このラミネート等の処理は、インターポーザのアンテナ形成済シートへの接合強度を増加させるとともに、ICタグの表面に露出するICチップを保護することも目的としている。
また、インターポーザ製造時にICチップの位置決めが容易となるよう、拡大電極はICチップに比べて大きく形成されている。一方で、拡大電極がアンテナ回路の一対の接点以外の部分を短絡してしまうと、ICタグが想定された機能を発揮することができなくなるという不都合が生じる。このため、アンテナ回路の接点のみを基材シートの両面に設けるとともにインターポーザをアンテナ形成済シートの裏面(アンテナ形成済シートのアンテナ回路の設けられていない側の面)に配置するICタグや、インターポーザの拡大電極のうち、アンテナ回路の接点に接触する部分以外の部分を絶縁処理したICタグが製造されている。
しかしながら、インターポーザをアンテナ形成済シートの裏面に配置した場合、基材によってはかしめた時に、拡大電極とアンテナ回路の接点との導通性が不安定になるという不都合が生じる。また、拡大電極の一部分のみを絶縁処理するのは煩雑であり、製造コストを上昇させる一つの原因となる。
本発明は上述した問題点を考慮してなされたものであり、インターポーザの拡大電極とアンテナ回路の接点との導通性およびインターポーザの拡大電極とアンテナ回路の接点以外の回路部との絶縁性を保ちつつ、インターポーザをアンテナ回路に容易かつ強固に接合することができるとともに、特別の処置を施すことなくICチップを保護することができ、これにより、製造コストを安価に抑えることができるICタグ、インターポーザ、ICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体、インターポーザ付シートの巻体、およびICタグの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材シートと、アンテナ回路とからなるアンテナ形成済シートと、アンテナ形成済シート上に配置され、支持シートと、支持シート上に設けられるとともに支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布された一対の拡大電極と、拡大電極に接続されたICチップとを有するインターポーザとを備え、インターポーザのICチップ側の面がアンテナ形成済シートのアンテナ回路側の面と対面し、インターポーザの拡大電極はアンテナ回路にかしめ、超音波または熱圧着により接続されていることを特徴とするICタグである。
本発明は、ICチップの各電極は、超音波接合または熱圧着により異なる拡大電極に接続されていることを特徴とするICタグである。
本発明は、支持シートと、支持シート上に設けられるとともに、支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布された一対の拡大電極と、拡大電極に接続されたICチップとを備えたことを特徴とするインターポーザである。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シート上に設けられるとともに、支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートに沿って延びて互いに離間する一対の導電体とを有する導電体形成済シートを備え、巻取コアに巻き取られていることを特徴とするICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体である。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シート上に設けられるとともに、支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートの長手方向に沿って配置された多数対の導電体とを有する導電体形成済シートを備え、巻取コアに巻き取られていることを特徴とするICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体である。
本発明は、支持シートの導電体に対面しない側の面が剥離処理されていることを特徴とするICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体である。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シート上に設けられるとともに、支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートに沿って延びて互いに離間する一対の導電体と、導電体上に設けられた多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを備え、巻取コアに巻き取られていることを特徴とするインターポーザ付シートの巻体である。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シート上に設けられるとともに、支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートの長手方向に沿って配置された多数対の導電体と、導電体上に設けられた多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを備え、巻取コアに巻き取られていることを特徴とするインターポーザ付シートの巻体である。
本発明は、インターポーザ付シートのICチップ側の面に積層された剥離紙をさらに備えていることを特徴とするインターポーザ付シートの巻体である。
本発明は、ICチップ毎にインターポーザ付シート側の面から、切り込みを入れられ、支持シートと、非導電性接着剤を塗布された一対の拡大電極と、ICチップとを有するインターポーザが剥離紙から取り剥がし自在となっていることを特徴とするインターポーザ付シートの巻体である。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シートに積層されるとともに支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートに沿って延びて互いに離間する一対の導電体とを有する導電体形成済シートを準備する工程と、導電体形成済シートの導電体の非導電性接着剤を塗布された側の面上に、一対の電極を有するICチップを順次配置し、支持シートと、一対の導電体と、多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを形成する工程と、インターポーザ付シートをICチップ毎に打ち抜きまたは切断し、導電体から拡大電極を形成して、支持シートと、一対の拡大電極と、ICチップとを有するインターポーザを形成する工程と、基材シートにアンテナ回路を形成してなるアンテナ形成済シートを準備する工程と、インターポーザのICチップ側の面をアンテナ形成済シートのアンテナ側の面に対面させて、インターポーザをアンテナ形成済シート上に配置する工程とを備えたICタグの製造方法である。
本発明は、帯状に延びる支持シートと、支持シートに積層されるとともに支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートの長手方向に沿って配置された多数対の導電体とを有する導電体形成済シートを準備する工程と、導電体形成済シートの導電体の非導電性接着剤を塗布された側の面上に、一対の電極を有するICチップを順次配置し、支持シートと、多数対の導電体と、多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを形成する工程と、インターポーザ付シートをICチップ毎に打ち抜きまたは切断し、導電体から拡大電極を形成して、支持シートと、一対の拡大電極と、ICチップとを有するインターポーザを形成する工程と、基材シートにアンテナ回路を形成してなるアンテナ形成済シートを準備する工程と、インターポーザのICチップ側の面をアンテナ形成済シートのアンテナ側の面に対面させて、インターポーザをアンテナ形成済シート上に配置する工程とを備えたICタグの製造方法である。
本発明は、超音波接合または熱圧着により、ICチップの各電極を異なる導電体に接続させる工程をさらに備えたことを特徴とするICタグの製造方法である。
本発明は、かしめ、超音波接合、熱圧着または溶接により、インターポーザの拡大電極を基材シートのアンテナ回路に接続させる工程をさらに備えたことを特徴とするICタグの製造方法である。
本発明によれば、インターポーザをアンテナ回路に容易かつ強固に接合することができるとともに、特別の後工程を必要とせずICチップを保護することができる。また、インターポーザの拡大電極とアンテナ回路の接点は確実に電気的に接続されるとともに、インターポーザの拡大電極とアンテナ回路の接点以外の回路部とは確実に絶縁される。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1乃至図8は本発明によるICタグ、インターポーザ、ICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体、インターポーザ付シートの巻体、ICタグの製造方法、導電体形成済シートの巻体の製造方法、およびインターポーザ付シートの巻体の製造方法を示す図である。
このうち、図1は本発明によるICタグの一実施の形態を示す部分断面図であり、図2はICタグのアンテナ形成済シートを示す斜視図であり、図3はICタグの製造方法を示す断面図であり、図4はインターポーザの製造方法を示す概略斜視図であり、図5は本発明によるICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体の一実施の形態の製造方法を示す概略斜視図であり、図6は本発明によるインターポーザ付シートの巻体の一実施の形態の製造方法を示す概略斜視図であり、図7は図6の線A−Aに沿った断面図であり、図8は導電体を積層された支持シートの変形例を示す斜視図である。
まず図1乃至図3によりICタグ1について説明する。
図1および図3に示すように、ICタグ1はインターポーザ2とアンテナ形成済シート3とからなっている。
このうちインターポーザ2は、図3に示すように、支持シート10と、支持シート10上に積層されるとともに支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17を塗布された一対の拡大電極13と、ICチップ15とからなっている。
なお、リーダ・ライタとデータの送受信する際に用いられる電磁波の周波数帯によっては、一対の拡大電極がアンテナとして機能し、一対の拡大電極とICチップとを有するインターポーザをアンテナ形成済シート3と組み合わせることなくICタグとして用いることができる。本願におけるインターポーザという用語は、このようなICタグを含んだ概念である。
図3に示すように、ICチップ15は、拡大電極13の非導電性接着剤17が塗布された側の面上に配置され、非導電性接着剤17により拡大電極13に固定されている。また、ICチップ15は先端が尖った一対の電極15aを有している。各電極15aは各々異なる拡大電極13に突き刺ささり、或いは接触し、或いは金属結合しており、これにより、電極15aと拡大電極13とが電気的に接続されている。
このような支持シート10は非導電性の紙やPET等からなり、拡大電極13は導電性を有するアルミや銅等の導電箔や導電性インキ等からなっている。また、本実施の形態において、非導電性接着剤17は、例えば天然ゴム系やウレタン系のような絶縁性を有する加圧接着タイプの接着剤からなっている。
次に、図2により、アンテナ形成済シート3について説明する。アンテナ形成済シート3は基材シート20とアンテナ回路22とからなっている。このうちアンテナ回路22は、図2に示すように、例えば、渦巻き状の回路部22bと回路部22bの両端からなる一対の接点22aとから形成されている。このようなアンテナ形成済シート3は、例えば、基材シート20にアンテナ回路22をエッチング、箔の転写または印刷機で印刷すること等によって作製される。基材シート20は非導電性の紙やPET等からなり、アンテナ回路22は導電性を有するアルミや銅等の導電箔や導電性インキ等からなる。
図1および図3に示すように、インターポーザ2は、インターポーザ2のICチップ15側の面がアンテナ形成済シート3のアンテナ回路22側の面と対面するよう、アンテナ形成済シート3上に配置されている。また、インターポーザ2の各拡大電極13はアンテナ回路22の異なる接点22aに熱圧着や超音波接合やかしめによって非導電性接着剤層を溶かし、または破ることによりそれぞれ電気的に接続されている(図1)。
このようなICタグ1において、インターポーザ2は、非導電性接着剤17によりインターポーザ2の大部分の表面を介してアンテナ形成済シート3に接合されている。したがって、インターポーザ2とアンテナ形成済シート3とは強固に接合され、ICタグ1の使用中にインターポーザ2がアンテナ形成済シート3から剥がれてしまうことを防止することができる。
また、ICチップ15は支持シート10と基材シート20との間に配置されている。したがって、ICタグ1の使用中において、ICチップ15が外部と接触して傷つけられてしまうことを防止することができる。
次に図3および図4によりICタグ1およびICタグ用インターポーザ2の製造方法について説明する。
まず図4により、インターポーザ2の製造方法について説明する。
図4に示すように、まず帯状に延びる支持シート10が供給されてニップローラー25に送られるとともに、支持シート10に沿って帯状に延びる導電体12が供給されてニップローラー25へと送られる。この間、支持シート10と導電体12との間に図示しない加圧接着タイプの接着剤が塗布される。その後、支持シート10と導電体12とがニップローラー25によって圧着されることにより、支持シート10と導電体12とは互いに接着固定され、導電体12が支持シート10上に積層される。なお、本実施の形態においては、図4に示すように、導電体12の幅と支持シート10の幅とは同一となっているが、これに限られず、異なってもよい。
次に、図4に示すように、非導電性接着剤17が、導電体12の支持シート10に対面しない側の全面に塗布装置27により塗布される。その後、導電体12が、太矢印で示す長手方向(流れ方向ともいう)に沿って、幅方向の中央をカッター29により切断され、導電体12が一対に分断される。なお、本発明において幅方向とは、細長く帯状に延びる支持シートの送り方向(図4における矢印方向)に直交する方向(図4における左下と右上を結ぶ方向)である。
この場合、一対の導電体12の隙間の幅Wが、ICチップ15の電極15a間の幅より小さくなるよう、導電体12は切断される。また、図4に示すように、カッター29による切断はいわゆるハーフカットであり、導電体12と支持シート10との積層体の全厚みを切り込むのではなく、導電体12のみが分断され、支持シート10は分断されることはない。
以上のようにして、帯状に延びる支持シート10と、支持シート10上に設けられるとともに支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17を塗布され、支持シート10に沿って延びて互いに離間する一対の導電体12とを有する導電体形成済シート6が得られる。
なお、導電体形成済シート6を形成する工程において、非導電性接着剤17の塗布はカッター29による導電体12の切断後に行われてもよい。
その後、図4に示すように、導電体形成済シート6の非導電性接着剤17を塗布された導電体12の面上に、一対の電極15aを有するICチップ15が順次実装される。この場合、ICチップ15は、その各電極15aがそれぞれ異なる導電体12に対面するように位置決めされた後、導電体形成済シート6上に配置される。このとき、ICチップ15は非導電性接着剤17により導電体形成済シート6上に接着固定されるので、製造工程中に一度位置決めして配置した位置からずれてしまうことはない。
また、このとき、ICチップ15が導電体形成済シート6に押し込まれることにより、ICチップ15の尖った先端を有する電極15aが導電体12に突き刺ささって接触する。これにより、ICチップ15はより強固に導電体12上に固定される。また、ICチップ15と導電体12との間に非導電性接着剤17が配置されていても、ICチップ15の各電極15aと各導電体12との間における電気的な接続を確実に得ることができる。
またさらに、ICチップ15と導電体形成済シート6とに超音波振動を与えることにより、これらを超音波接合してもよい。この場合、非導電性接着剤17層を溶かし、または破り、ICチップ15の電極15aと導電体12とが金属結合し、ICチップ15が導電体12上に確実に固定されるとともに、各電極15aと各導電体12との間における電気的な接続を確実に得ることができる。
以上のようにして、帯状に延びる支持シート10と、支持シート10上に設けられるとともに支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17を塗布され、支持シート10に沿って延びて互いに離間する一対の導電体12と、導電体12上に設けられた多数のICチップ15とを有するインターポーザ付シート7が形成される。
その後、図4に示すように、切断カッター31により、インターポーザ付シート7がICチップ15毎に切断され、一対の導電体12から一対の拡大電極13が形成されるとともに、支持シート10と、支持シート10上に積層されるとともに、支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17を塗布された一対の拡大電極13と、拡大電極13に接続されたICチップ15とを備えたインターポーザ2が得られる。この場合、切断カッター31による切断に代え、打ち抜き装置により、インターポーザ付シート7をICチップ15毎に打ち抜いてインターポーザ2を得るようにしてもよい。
次に、図3により、以上のようにして作製されたインターポーザ2をアンテナ形成済シート3上に配置してICタグ1を製造する方法について説明する。なお、上述したようにアンテナ形成済シート3は、基材シート20にアンテナ回路22を印刷、エッチングまたは箔の転写等を施すことによって得ることができる。
まず、アンテナ形成済シート3上にインターポーザ2を配置する。この場合、図3に示すように、インターポーザ2のICチップ15側の面がアンテナ形成済シート3のアンテナ回路22側の面に対面し、かつインターポーザ2の各拡大電極13がそれぞれ異なるアンテナ回路22の接点22a上に配置されるよう、インターポーザ2は位置決めされた後、アンテナ形成済シート3上に配置される。
このとき、アンテナ形成済シート3に対面するインターポーザ2の拡大電極13の全面には非導電性接着剤17が塗布されており、これにより、インターポーザ2はアンテナ形成済シート3に面する拡大電極13の全面を介し、アンテナ形成済シート3に接着固定される。このように、広面積に渡ってインターポーザ2とアンテナ形成済シート3とが接着固定されるため、インターポーザ2とアンテナ形成済シート3との接合は強固となる。
またこの場合、導電性を有する拡大電極13とアンテナ回路22との間には非導電性接着剤17が配置されているので、アンテナ回路22は拡大電極13から絶縁され、電気的に接続されることはない。これにより、アンテナ回路22が拡大電極13によって短絡されてしまうことを防止することができる。
その後、対面するインターポーザ2の拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとの間をかしめることにより、拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとが接合される。これにより、拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとの間に非導電性接着剤17が配置されていても、インターポーザ2の拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとの間における電気的な接合を確実に得ることができる。なお、かしめの代わりに超音波接合、熱圧着接合、あるいは溶接を用いて、インターポーザ2の拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとが接合されてもよい。この場合においても、非導電性接着剤層を溶かし、または破り、インターポーザ2の拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとの間における電気的な接合を確実に得ることができる。
このようにして、基材シート20とアンテナ回路22とからなるアンテナ形成済シート3と、支持シート10と非導電性接着剤17を塗布された一対の拡大電極13とICチップ15とからなるインターポーザ2とを備えたICタグ1が得られる。
以上のようにICタグ1の本実施の形態によれば、インターポーザ2は、非導電性接着剤17によりインターポーザ2の大部分の表面を介してアンテナ形成済シート3に接合されている。したがって、インターポーザ2とアンテナ形成済シート3とは強固に接合され、ICタグ1の使用中にインターポーザ2がアンテナ形成済シート3から剥がれてしまうことを防止することができる。
また、ICチップ15は支持シート10と基材シート20との間に配置されている。したがって、ICタグ1の使用中において、ICチップ15が外部と接触して傷つけられてしまうことを防止することができる。これにより、ICチップ15を保護するためのラミネート処理等の後工程が不要となり、コストを削減することができる。
さらに、ICチップ15と拡大電極13との間には非導電性接着剤17が塗布されているが、ICチップ15は先端が尖った電極15aを有し、この電極15aが拡大電極13に突き刺さっている或いは接触している或いは金属結合しているので、ICチップ15の電極15aと拡大電極13とは確実に電気的に接続される。同様に、拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとの間にも非導電性接着剤17が塗布されているが、かしめ、超音波接合または熱圧着により拡大電極13とアンテナ回路22の接点22aとは確実に電気的に接続される。その一方で、拡大電極13とアンテナ回路22部との間にも非導電性接着剤17が塗布されているので、拡大電極13とアンテナ回路22の回路部22bとは確実に絶縁され、アンテナ回路22の短絡を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、支持シート10上に導電体12を積層した後、導電体12の支持シート10に面しない側の全面に非導電性接着剤17を塗布するとともに、導電体12の幅方向中央に送り方向に沿った切れ目を入れることによって、導電体形成済シート6を得ることができる。この導電体形成済シート6の導電体12上にICチップ15を順次配置した後、ICチップ15毎に切断または打ち抜くことによりインターポーザ2を得ることができる。さらに、このインターポーザ2の拡大電極13が設けられた面をアンテナ回路22側に向け、インターポーザ2をアンテナ形成済シート3上に配置することにより、上述したICタグ1を容易に得ることができる。
このような製造方法によれば、非導電性接着剤17は導電体12全面に塗布されるので、一部のみに限定して塗布する場合に比べ非導電性接着剤17を容易に塗布することができる。
また、一度ICチップ15を導電体12上に実装すると、非導電性接着剤17によりICチップ15の位置は固定され、その後の工程においてずれることがないので、安定して高品質のICタグ1を容易に製造することができる。
さらに、一度インターポーザ2をアンテナ形成済シート3上に配置すると、非導電性接着剤17によりインターポーザ2の位置は固定され、その後の工程においてインターポーザ2がずれてしまうことはないので、安定して高品質のICタグ1を容易に製造することができる。
さらにまた、拡大電極13とアンテナ回路22とは、これらの間に配置された非導電性接着剤17によって確実に絶縁されるので、インターポーザ2を精度よく位置決めする必要がなく、安定して高品質のICタグ1を容易に製造することができる。
なお、本実施の形態において、導電体12の支持シート10に対面しない側の全面に、非導電性接着剤17を塗布する例を示したが、これに限られない。導電体12上のICチップ15が配置される部分に異方性導電性接着剤を塗布するとともに、それ以外の導電体12の支持シート10に対面しない側の面上に非導電性接着剤を塗布するようにしてもよい。異方性導電性接着剤は、例えば、ニッケル、銀等の導電性の粒子を含んだ非導電性の熱硬化性樹脂からなっている。したがって、一対の導電体を跨がるように異方性導電性接着剤を塗布したとしても、一対の導電体12同士が導通してしまうことはない。また、全面に塗布する場合と同様に、拡大電極13とアンテナ回路22の回路部22bとの間は非導電性接着剤17により確実に絶縁される。また、その一方で、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)との間を熱圧着接合させることにより、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)との間を導電性の粒子を介して確実に電気的に接合させることができる。さらに、超音波接合により、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)との間を金属結合させて、電気的に接合させてもよい。
また、本実施の形態において、ICチップ15は先端が尖った電極15aを有し、この先端を拡大電極13(導電体12)に突き刺す或いは接触させる或いは金属結合させることにより、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)とを電気的に接続させる例を示したが、これに限られない。ICチップ15は先端が平坦な電極を有し、この電極と拡大電極13(導電体12)とを超音波接合または熱圧着により接合してもよい。これにより、非導電性接着剤17あるいは上述した異方性導電性接着剤が、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)との間に配置されていたとしても、ICチップ15の電極15aと拡大電極13(導電体12)とを確実に電気的に接合させることができる。
さらに、本実施の形態においては、図4に示すように、1つの連続する工程によって、支持シート10と、非導電性接着剤17を塗布された導電体12と、ICチップ15とから、インターポーザ2を形成する例を示したが、これに限られない。帯状に延びる支持シート10と、支持シート10上に設けられるとともに支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17が塗布され、支持シート10に沿って延びて互いに離間する一対の導電体12とを有する、上述した導電体形成済シート6を、巻取コア8aに巻き取ることによって、導電体形成済シートの巻体8を形成するまでを1つの連続する工程としてもよい。
図5はこのような導電体形成済シートの巻体8の製造方法を示す斜視図である。図5において、図1乃至図4に示す上述してきた実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
このような導電体形成済シートの巻体8を予め作製しておき、異なる規格のICチップ15を実装する各ラインへ投入することにより、様々な種類のICタグ1を効率的に製造することができる。
また、このような導電体形成済シートの巻体8を作製する際には、支持シート10の導電体12に対面しない側の全面に剥離加工を施すこと、または剥離紙を積層することが好ましい。この場合、帯状に巻かれた導電体形成済シートの巻体8において、導電体12の非導電性接着剤17を塗布された面は、支持シート10の剥離加工や剥離紙の積層等による剥離処理を施された面に対面する(図5)。これにより、導電体形成済シートの巻体8から導電体形成済シート6を容易に繰り出すことができる。
さらに同様に、帯状に延びる支持シート10と、支持シート10上に設けられるとともに支持シート10に対面しない側の全面に非導電性接着剤17が塗布され、支持シート10に沿って延びて互いに離間する一対の導電体12と、導電体12上に設けられた多数のICチップ15とを有する、上述したインターポーザ付シート7を、巻取コア9aに巻き取ることによって、インターポーザ付シートの巻体9を形成するまでを1つの連続する工程としてもよい。
図6はこのようなインターポーザ付シートの巻体9の製造方法を示す斜視図である。図6において、図1乃至図5に示す上述してきた実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
このようなインターポーザ付シートの巻体9を予め作製しておき、異なる形状を有するアンテナ形成済シート3へ実装する各ラインへ投入することにより、様々な種類のICタグ1を効率的に製造することができる。
このようなインターポーザ付シートの巻体9を作製する際には、インターポーザ付シート7のICチップ15側の全面に剥離加工を施すこと、または図6に示すように剥離紙23を積層することが好ましい。これにより、インターポーザ付シートの巻体9からインターポーザ付シート7を容易に繰り出すことができる。
また図7に示すように、インターポーザ付シート7に剥離紙23を積層した積層体24を巻取コア9aに巻き取る前に、積層体24に対しインターポーザ付シート7側(図6における下側)の面からICチップ15毎にインターポーザ2の大きさに合わせて切り込み33を入れておくことがさらに好ましい。この場合の切り込み33とは、所謂ハーフカットであり、剥離紙23は完全に分断されることはない。切り込み33を入れたインターポーザ付シート7の断面図(図6のA−A部分)を図7に示す。
図7に示すように、切り込み33によって、支持シート10および非導電性接着剤17を塗布された導電体12は分断されている。この場合、インターポーザ付シートの巻体9からインターポーザ付シート7と剥離紙23との積層体24を容易に繰り出すことができるとともに、繰り出した積層体24から、支持シート10と、一対の導電体12から形成された一対の拡大電極13と、ICチップ15とを有するインターポーザ2を容易に取り剥がすことができる。この取り剥がされたインターポーザ2の拡大電極13には、非導電性接着剤17からなる粘着層が形成されているため、あらためて接着剤を塗布することなくインターポーザ2を所望の場所に、所謂シールのように貼り付けることができる。
なお、切り込みの形状をICチップ15を囲む長方形状として例示したが、これに限られず、幅方向に沿った直線状の切り込みをICチップ15の送り方向両側に設けてもよい。
ところで、本実施の形態において、図4に示すように支持シート10上に積層された導電体12をハーフカットし、これにより、支持シート10上に一対の導電体12を形成する例を示したが、これに限られない。予め切断された一対の導電体12を支持シート10上に積層してもよい。また、エッチングや導線性インキの印刷によっても支持シート10上へ導電体12を積層することができる。このような方法によれば、カッター29によってハーフカットすることなく、支持シート10の幅方向に沿って離間した一対の導電体12を支持シート10上に設けることができる。
さらに、エッチングや導線性インキの印刷を用いた場合、図8に示すように、支持シート10の幅方向に沿って離間して対をなす導電体12を、支持シート10の長手方向に沿って多数対設けることができる。これにより、帯状に延びる支持シート10と、支持シート10上に設けられるとともに支持シート10に対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シート10の長手方向に沿って配置された多数対の導電体22とを有する導電体形成済シートを得ることができる。また、このような導電体形成済シートを用いて、上述した方法によりICタグ10、インターポーザ2、インターポーザ付シート7、インターポーザ付シートの巻体9、および導電体形成済シートの巻体8を製造することができる。
なお、非導電性接着剤を塗布する際には、導電体12だけでなく、導電体形成済シート6の導電体12が積層された側の全面に非導電性接着剤17が塗布されてもよい。
本発明によるICタグの一実施の形態を示す部分断面図。 ICタグのアンテナ形成済シートを示す斜視図。 ICタグの製造方法を示す側面図。 ICタグのインターポーザの製造方法を示す概略斜視図。 本発明によるICタグに用いられる導電体形成済シートの巻体の一実施の形態の製造方法を示す概略斜視図。 本発明によるインターポーザ付シートの巻体の一実施の形態の製造方法を示す概略斜視図。 図6の線A−Aに沿った断面図。 導電体を積層された支持シートの変形例を示す斜視図。
符号の説明
1 ICタグ
2 インターポーザ
3 アンテナ形成済シート
6 導電体形成済シート
7 インターポーザ付シート
8 導電体形成済シートの巻体
8a 巻取コア
9 インターポーザ付シートの巻体
9a 巻取コア
10 支持シート
12 導電体
13 拡大電極
15 ICチップ
15a 電極
17 非導電性接着剤
20 基材シート
22 アンテナ回路
22a 接点
23 剥離紙

Claims (4)

  1. 帯状に延びる支持シートと、支持シートに積層されるとともに支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートに沿って延びて互いに離間する一対の導電体とを有する導電体形成済シートを準備する工程と、
    導電体形成済シートの導電体の非導電性接着剤を塗布された側の面上に、一対の電極を有するICチップを順次配置し、支持シートと、一対の導電体と、多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを形成する工程と、
    インターポーザ付シートをICチップ毎に打ち抜きまたは切断し、導電体から拡大電極を形成して、支持シートと、一対の拡大電極と、ICチップとを有するインターポーザを形成する工程と、
    基材シートにアンテナ回路を形成してなるアンテナ形成済シートを準備する工程と、
    インターポーザのICチップ側の面をアンテナ形成済シートのアンテナ側の面に対面させて、インターポーザをアンテナ形成済シート上に配置する工程とを備え
    導電体形成済シートを準備する工程において、帯状に延びる支持シート上に積層された導電体を切り込み、支持シートを分断することなく導電体を分断することにより、その間に切り込みが形成された一対の導電体を支持シート上に形成する、ICタグの製造方法。
  2. 帯状に延びる支持シートと、支持シートに積層されるとともに支持シートに対面しない側の面に非導電性接着剤を塗布され、支持シートの長手方向に沿って配置された多数対の導電体とを有する導電体形成済シートを準備する工程と、
    導電体形成済シートの導電体の非導電性接着剤を塗布された側の面上に、一対の電極を有するICチップを順次配置し、支持シートと、多数対の導電体と、多数のICチップとを有するインターポーザ付シートを形成する工程と、
    インターポーザ付シートをICチップ毎に打ち抜きまたは切断し、導電体から拡大電極を形成して、支持シートと、一対の拡大電極と、ICチップとを有するインターポーザを形成する工程と、
    基材シートにアンテナ回路を形成してなるアンテナ形成済シートを準備する工程と、
    インターポーザのICチップ側の面をアンテナ形成済シートのアンテナ側の面に対面させて、インターポーザをアンテナ形成済シート上に配置する工程とを備え
    導電体形成済シートを準備する工程において、帯状に延びる支持シート上に積層された導電体を切り込み、支持シートを分断することなく導電体を分断することにより、その間に切り込みが形成された一対の導電体を支持シート上に形成する、ICタグの製造方法。
  3. 超音波接合または熱圧着により、ICチップの各電極を異なる導電体に接続させる工程をさらに備えたことを特徴とする請求項および請求項のいずれかに記載のICタグの製造方法。
  4. かしめ、超音波接合、熱圧着または溶接により、インターポーザの拡大電極を基材シートのアンテナ回路に接続させる工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のICタグの製造方法。
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