JP2023113044A - デュアルインターフェースicカードおよびその製造方法 - Google Patents

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Makoto Yasuhara
崇弘 尾島
Takahiro Ojima
健太 淵
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真彦 藤原
Masahiko Fujiwara
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Abstract

【課題】カードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、ICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上できるデュアルインターフェースICカードおよび製造方法を提供する。【解決手段】デュアルインターフェースICカード1は、凹部9を備えたカード基体2と、アンテナ線83および複数のプレート状の端部100を備え、アンテナ線83の複数の先端および複数の端部100が、それぞれ電気的に接続されているアンテナ80と、ICチップおよびこれと電気的に接続された複数の端子73a、73bを有するICモジュール70と、を備える。凹部9において端部100が部分的にカード基体2から露出しており、端部100は、第1の導電部材111とこれよりも酸化し難い第2の導電部材112とが積層され、先端および端子73a、73bはいずれも第2の導電部材112と電気的に接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカードに関する。
従来、ICカードとして、カード表面の外部接続端子を通じて電気信号の入出力を行う接触ICカードや、アンテナを介して電磁誘導等により電気信号の入出力を行う非接触ICカードが用いられている。また、これらに加えて、カードが備える単一のICチップにより、接触ICカードの機能と非接触ICカードの機能とのいずれも実現できる接触および非接触共用ICカード、すなわちデュアルインターフェースICカードも用いられている。中でも、デュアルインターフェースICカードは、金融決済時には入出力データの外部漏洩の抑制に効果的な接触ICカードとして使用でき、部屋への入退室時や駅の改札機等に対しては近接状態でデータのやり取りを行う利便性の高い非接触ICカードとして使用できる。このため、デュアルインターフェースICカードについても、市場での普及が進んでいる。
ところで、デュアルインターフェースICカードの製造は以下のようにして行われる。まず、特許文献1に記載されるように、1または複数のコアシートを含むカード基材を形成し、当該カード基材の表面から、ICモジュールを埋め込む埋め込み予定領域を切削する。そして、当該ICモジュールを、埋め込み予定領域に埋め込む。ここで1または複数のコアシートのうちの1つに導線が配置されており、導線が、前記非接触通信機能を提供するための巻き線アンテナ部、およびICモジュールの端子と電気的に接触している接触端子部を形成しており、その接触端子部は、例示的にはメアンダ型状に配置されている。
導線をメアンダ型状に形成した接触端子部をカード基材から露出させるために、エンドミルによる切削加工が行われる。しかし、基材を構成するコアシートの厚さや、導線をコアシートに埋め込む際の熱圧条件がばらつくことにより、カード基材に埋め込まれた導線の表面からの埋設深さが変動する。よって、0.2mm以下程度の導線を傷付けずに確実にカード基材から露出させることは困難であり、巻き線アンテナの断線による歩留まりの悪化や、加工速度を低下させることによる生産性の低下が生じ得る。
一方、このような課題を避けるため、特許文献2のように、ICモジュールの端子と電気的に接触する接触端子部を導電プレートとすることができる。当該文献には、インレイの内部に備えられた被覆導線からなるコイル状のアンテナと、そのアンテナの両端に接続された導電プレートからなるアンテナ側接続部と、を備えたインレイを用いたデュアルインターフェースICカードが記載されている。これにより、導線を直接露出させることと比べて歩留まりや作業性の向上が見込めるが、さらにカードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、かつICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上できるデュアルインターフェースICカードが求められている。
特開2019-219732号公報 特開2020-91637号公報
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、カードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、かつICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上できるデュアルインターフェースICカードおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本実施の形態による、外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカードは、凹部を備えたカード基体と、前記カード基体の内部に配置され、アンテナ線および複数のプレート状の端部を備え、前記アンテナ線の複数の先端および前記複数の端部が、それぞれ電気的に接続されているアンテナと、ICチップおよび当該ICチップと電気的に接続された複数の端子を有するICモジュールと、を備え、前記凹部において、前記複数の端部が少なくとも部分的に前記カード基体から露出しており、前記複数の端部は、第1の導電部材と、当該第1の導電部材よりも酸化し難い第2の導電部材と、が積層された構成を有し、前記先端および前記端子は、いずれも前記第2の導電部材と電気的に接続される。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記凹部は、前記カード基体の表面からの深さが第1の深さである第1の凹部と、当該第1の凹部よりも中央側に形成され、前記第1の深さよりも深い第2の深さである第2の凹部と、を含み、 平面視において、前記複数の端部は前記第2の凹部の外側の領域に配置されていてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記凹部は、前記第1の凹部と隣接し、かつ前記第2の凹部の外側の領域に配置され、前記第1の深さよりも深く、かつ前記第2の深さよりも浅い第3の深さである第3の凹部をさらに備え、前記第3の凹部において、前記端子と対向する前記端部が少なくとも部分的に前記カード基体から露出してもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードは、前記端部の互いに対向する両端が前記第1の凹部において前記カード基体の中に埋設され、前記第3の凹部において前記端部の前記両端に挟まれた部分が前記カード基体から露出していてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードは、前記端部に貫通孔が設けられてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記貫通孔は、前記端部のうち、前記端子と対向する部分を避けて設けられていてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードは、前記端部に貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、前記端部のうち前記端子と対向する部分を避けて設けられており、かつ、前記端部のうち、前記カード基体の中に埋設された部分に設けられていてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記ICモジュールは、互いに対向する前記複数の端子および前記複数の端部が、異方性導電フィルムを介してそれぞれ電気的に接続されてもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記異方性導電フィルムは、導電粒子としてはんだを含むものでもよい。
また、本実施の別の形態によるデュアルインターフェースICカードにおいて、前記第1の導電部材は銅を含み、前記第2の導電部材は銀メッキを含むものでもよい。
本実施の形態による外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカードの製造方法は、第1の基材、第2の基材、並びにICチップおよび当該ICチップと電気的に接続された複数の端子を有するICモジュール、を準備する工程と、 前記第1の基材の一方の面に、アンテナ線および複数のプレート状の端部から構成されるアンテナを形成し、前記アンテナ線の複数の先端および前記複数の端部をそれぞれ電気的に接続する工程と、前記アンテナを挟むように前記第1の基材と前記第2の基材とを熱融着により、または接着剤を介して、積層して積層体を形成する工程と、前記積層体をカードサイズに打ち抜いてカード基体を形成する工程と、前記カード基体に、前記複数の端部が少なくとも部分的に露出するように前記ICモジュールを埋め込むための凹部を形成する工程と、前記ICモジュールを前記凹部に埋め込み、かつ前記複数の端子および前記複数の端部を互いに対向させて電気的に接続する工程と、を備え、前記複数の端部は、第1の導電部材と、当該第1の導電部材よりも酸化し難い第2の導電部材と、が積層された構成を有し、前記先端および前記端子を、いずれも前記第2の導電部材と対向させて前記端部と電気的に接続する。
本実施の形態によれば、カードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、かつICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上できるデュアルインターフェースICカードおよびその製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する平面図および断面図である。 ICモジュール埋設用の凹部の平面図および断面図である。 凹部の形成工程を説明する断面を含む図である。 ICモジュール並びにICモジュールおよびアンテナの接続を説明する図である。 凹部に露出したプレートにはんだを塗布した状態を示す画像である。 プレートの表面状態を拡大した画像である。 第2実施形態に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する平面図である。 第3実施形態および変形例に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する平面図である。 第3実施形態に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する断面図である。 第4実施形態および変形例に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する平面図である。 第4実施形態に係るデュアルインターフェースICカードの構造を説明する断面図である。
以下、図面等を参照して、本開示のデュアルインターフェースICカードの一例について説明する。ただし、本開示のデュアルインターフェースICカードは、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
1.第1実施形態
本開示のデュアルインターフェースICカードの第1実施形態の一例について説明する。ここで、説明の便宜上、デュアルインターフェースICカード1についてXYZ座標系を設定する。まず、図1や図2等に示すように、デュアルインターフェースICカード1の主面の法線方向にZ軸をとる。そして、ICモジュール70の外部接続端子71が配置されていない側の主面から、当該外部接続端子71が配置されている側の主面に向かう方向を+Z方向または厚さ方向の上方とし、その反対方向を-Z方向または厚さ方向の下方とする。
また、デュアルインターフェースICカード1を+Z方向から見たとき、デュアルインターフェースICカード1の両短辺およびZ軸に垂直な直線をX軸とする。また、外部接続端子71に近い側の一の短辺から他の短辺に向かう方向を+X方向または右方向とし、その反対方向を-X方向または左方向とする。さらに、X軸およびZ軸に垂直な軸をY軸とし、外部接続端子71から遠い側の一の長辺から他の長辺に向かう方向を+Y方向または上方とし、その反対方向を-Y向または下方とする。
ここで、図1(a)は、デュアルインターフェースICカード1を+Z方向から見た平面図である。図1(b)や図2(b)に示す図1(b)は、図1(a)のデュアルインターフェースICカード1について、外部接続端子71のY軸に沿った方向の中央付近をX軸に沿ったA-A線で切り、この断面を-Y方向側から見た断面図である。また、図2(a)は、図1(a)のデュアルインターフェースICカード1において、ICモジュール70を取り外したときの凹部9の部分を拡大した拡大平面図である。図2(b)は、図1(b)と同様の、ICモジュール70や導電接着層11がない状態の断面図である。
図1(a)に示すように、デュアルインターフェースICカード1は、+Z方向側からの平面視において、4隅に丸みを備えた略矩形状の薄板の形態を有する。また、デュアルインターフェースICカードの+Z方向側の表面には、中心よりもやや左上、すなわち中心よりも-X方向寄りでありかつ+Y方向寄りに外部接続端子71を含むICモジュール70が配置される。ICモジュール70は、図1(b)や図2(a)、図2(b)に示すように、カード基体2に形成された凹部9の中に埋設され、外部接続端子71の+Z方向側の表面がカード基体2の+Z方向側の表面と略同一面となるように配置されている。このようなデュアルインターフェースICカード1の形態は、ICカードの国際規格であるISO/IEC7816に準拠している。
図1(b)や図2(b)に示すように、デュアルインターフェースICカード1のカード本体を構成するカード基体2は、-Z方向側から見て順に、オーバーシート層8、インナー層7、アンテナ保持層6および5、インナー層4並びにオーバーシート層3が積層されて一体化したものである。典型的には、オーバーシート層8および3が透明色の基材であり、インナー層7および4、並びにアンテナ保持層6および5が白色の基材であるが、これには限定されない。また、アンテナ保持層6および5の間には、アンテナ80を構成するアンテナ線83や、プレート状の端部100である第1プレート110および第2プレート120が両者に挟まれるように配置されている。
このアンテナ80を構成するアンテナ線83は、図1(a)や図2(a)に破線で示されるように、カード基体2の内部に埋まっており、凹部9からは露出していない。アンテナ線83は、略矩形のカードの周囲を周回するように巻かれた上、その両端が一対の導電性のプレート状の端部100である第1プレート110および第2プレート120と電気的に接続されている。図2(b)に示すように、第1プレート110は第1導電部材111と第2導電部材112とが積層した構成を有しており、その第2導電部材112の表面が凹部9の底面91aにおいて露出している。第1導電部材111および第2導電部材112は、互いに異種の金属から構成され、第2導電部材112は、第1導電部材111よりも酸化し難い金属で構成される。一例として、第1導電部材111を銅、第2導電部材112を銀メッキとすることができるがこれには限られない。なお、第2プレート120の構成もこれと同じである。
ICモジュール70のカード基体2側を向く面には、後述するように、内包されるICチップと電気的に接続している端子73aおよび73bが設けられている。そして、図1(b)に示すように、端子73aは、導電接着層11を介して第1プレート110と電気的に接続するとともに、ICモジュール70は、カード基体2と、導電接着層11を介して機械的にも接合される。導電接着層11は、内部にはんだ等の導電粒子と接着剤とを含有する部材で構成される。ここで、第1プレート110および第2プレート120は、第2導電部材112が凹部9の開口側を向き、第1導電部材111が凹部9の開口とは反対側を向くように、カード基体2に配置されている。
アンテナ線83の先端は、第1プレート110の+Z方向側、すなわち第2導電部材112と当接することにより、第1プレート110との電気的接続が図られている。また、ICモジュール70の端子73aも、導電接着層11を介して、第1プレート110の第2導電部材112と当接することにより、第1プレート110との電気的接続が図られている。これらの第1プレート110および端子73aに関する内容は、そのまま第2プレート120および端子73bにもあてはまる。
このように、本実施形態の外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカード1は、凹部9を備えたカード基体2と、カード基体2の内部に配置され、アンテナ線83および複数のプレート状の端部100を備える。また、デュアルインターフェースICカード1は、アンテナ線83の複数の先端および複数の端部100が、それぞれ電気的に接続されているアンテナ80と、ICチップ74aおよびICチップ74aと電気的に接続された複数の端子73a、73bを有するICモジュール70と、を備える。複数の端部100は、第1プレート110および第2プレート120である。
ここで、デュアルインターフェースICカード1は、凹部9において、複数の端部100が少なくとも部分的にカード基体2から露出している。さらに、互いに対向する複数の端子73a、73bおよび複数の端部100が、それぞれ電気的に接続されるように、ICモジュール70が凹部9に収納されている。複数の端部100は、第1導電部材111と、第1導電部材111よりも酸化し難い第2導電部材112と、が積層された構成を有する。また、アンテナ線83の先端および端子73a、73bは、いずれも第2導電部材112と対向して端部100と電気的に接続される。
デュアルインターフェースICカード1がこのような構成であることにより、端部100は、第1導電部材111と第2導電部材112との2層構成のプレートとすることができる。よって、アンテナ80は、アンテナ線83の両端が、それぞれ当該層構成の端部100と電気的に接続した比較的簡単な構成とでき、これを内部に埋め込んだカード基体2の製造も比較的容易である。
また、詳細は後述するが、アンテナ線83の先端および端子73a、73bが、いずれも第2導電部材112と対向して端部100と電気的に接続されるため、アンテナ線83の先端および端子73a、73bと、端部100との電気的接続の信頼性が向上する。比較的、酸化し難い第2導電部材112は、その表面に酸化被膜が形成され難くなり、アンテナ線83の端部100への溶接や、異方性導電フィルム(ACF)が含有する金属粒子との接合が良好に行える可能性が高いからである。
第2導電部材112の表面には酸化被膜が形成され難い。このため、エンドミル等の切削加工により凹部9を形成する際、第2導電部材112の表面に積層されているアンテナ保持層5または6等の樹脂基材との水素結合等による接着力が得られ難くなり、第2導電部材112と樹脂基材との密着性が下がる傾向にある。このため、エンドミルの刃の切削深さの設定が多少浅めにずれたとしても、第2導電部材112の界面では、樹脂基材がはがれやすくなり、良好に凹部9に第2導電部材112の表面を露出させることができる。よって、切削加工における刃の深さ設定範囲を広げることができ、歩留まりや生産性が向上する。
上記により、本実施形態のデュアルインターフェースICカード1は、カードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、かつICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上できる。以下に、本実施形態のデュアルインターフェースICカード1の構成およびその製造方法の詳細を説明する。
(a)カード基体
カード基体2は、デュアルインターフェースICカード1を構成する、ICモジュール70を除くカード本体を指す。カード基体2は、前述したとおり、典型的には厚さ方向の-Z方向側の一端からオーバーシート層8、インナー層7、アンテナ保持層6および5、インナー層4およびオーバーシート層3がこの順に積層された構成を有している。また、アンテナ保持層6および5の間には、ループ形状に巻かれ、被覆導線等から形成されたアンテナ80が配置されている。
カード基体2は、凹部9が形成される前のもの、および凹部9の形成後のものの両方を指すことがあり、アンテナ80を含まないもの、およびこれを含むものの両方を指す場合がある。また、アンテナ80のアンテナ線83の両方の先端は、互いにX軸方向に沿って配置される-X方向側の第1プレート110および+X方向側の第2プレート120と電気的に接続されている。
ここで、本実施形態では、説明の便宜のため、アンテナ80のアンテナ線83は分岐等のない1本の導線をループ状に巻いたものとして説明するが、本開示はこれに限定されず、アンテナ線83が適宜分岐され、先端が3箇所以上存在するものも含むとする。また、プレート状の端部100も、アンテナ線83の先端の数に応じて、3個以上配置することができる。
また、カード基体2の層構成も上述したものに限らず、オーバーシート層、アンテナ保持層、オーバーシート層の3層構成、アンテナ保持層、アンテナ保持層の2層構成でもよい。あるいは、カード基体2の層構成は、オーバーシート層、アンテナ保持層、第2インナー層、第1インナー層、第1インナー層、第2インナー層、アンテナ保持層およびオーバーシート層、といった7層以上の多層構成であってもよい。この場合、2箇所の第1インナー層の間にアンテナ80が配置される。また、カード基体2のオーバーシート層3または8のインナー層4または7とは反対側の表面に印刷や磁気ストライプの埋め込みがされていてもよく、インナー層4または7のオーバーシート層3または8との隣接表面に印刷がされていてもよい。
カード基体2の厚さは、ISO/IEC7816等の規格に準拠する観点からは、0.76mm以上、0.84mm以下であることが好ましいが、この範囲外であってもよい。
(i)インナー層
インナー層はコア層とも称する。インナー層4および7としては、白色または着色された各種のプラスチックシートを幅広く使用することができ、以下にあげる単独のフィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET-G(テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。インナー層4および7の厚さは、カードの全体厚さを勘案して適宜に選択することができるが、例えば、0.10mm以上、0.38mm以下程度とすることができる。
(ii)アンテナ保持層
アンテナ保持層は、インナー層と同様にコア層とも称する。アンテナ保持層5および6は、アンテナ80を挟み込んでこれを保持する機能を有し、インナー層4および7と同様の各種のプラスチックシートを幅広く使用することができる。アンテナ保持層5および6は、インナー層4および7と同一材料で構成されてもよく、互いに異なる材料で構成されてもよい。アンテナ保持層5および6の厚さは、カードの全体厚さを勘案して適宜に選択することができるが、例えば、0.10mm以上、0.38mm以下程度とすることができる。
(iii)オーバーシート層
オーバーシート層3および8としては、通常、インナー層やアンテナ保持層と同質の材料を使用するが、厚さが0.05mm以上、0.10mm以下程度の透明材料が使用されることが多い。インナー層、アンテナ保持層およびオーバーシート層の積層体を熱プレス等で一体化する際のカールの発生を防止する観点からは、オーバーシート層3および8の厚さが同一であることが好ましいが、必ずしも同一でなくてもよい。また、この点は前述のインナー層4および7やアンテナ保持層5および6についても共通する。
オーバーシート層の材料は、熱により接着性を有するものであればよいが、オーバーシート層自体が熱による接着性を有しない場合でも、熱等により接着力を発生させる公知の接着剤の層をインナー層およびオーバーシート層の間に追加形成することで両者を一体化できる。また、デュアルインターフェースICカード1を磁気カードとして使用する場合には、オーバーシート層3および8のいずれかまたは両方について、インナー層4および7の両方または片方とは反対の主面側に磁気ストライプを熱転写等によりあらかじめ埋め込んでおいてもよい。
(iv)アンテナシート
本実施形態では、後述するように、アンテナ保持層5または6の一方の面に、アンテナ80を形成し、当該アンテナ80を構成するアンテナ線83の両方の先端が、プレート状の導電性の端部100である第1プレート110および第2プレート120と電気的に接続した構成を有する。このようなアンテナ保持層5または6へのアンテナ80の形成は、例えば以下のように行う。まず、積層前のアンテナ保持層6のアンテナ保持層5と対向する表面に第1プレート110および第2プレート120を、熱圧等を掛けて接着固定する。このとき、アンテナ保持層6の表面に接着剤を塗布してから第1プレート110および第2プレート120を配置してもよい。なお、第1プレート110および第2プレート120は、ICモジュール70の載置予定位置に左右方向に並べて、その一部が載置時のICモジュール70の端子73aおよび73bと重畳するように配置される。
その後、アンテナ線83の先端を第1プレート110および第2プレート120のいずれか一方に対して溶接する。そして、この地点を始点として、アンテナ線83に対して所定の熱圧を掛け、絶縁部材で被覆された被覆導線であるアンテナ線83を、巻き線形成機によりアンテナ保持層6の表面に埋め込む。すなわち、アンテナ線83に対して所定の熱圧を加えながら、図1(a)に示すようなループ形状にアンテナ供給ヘッドを描画させ、当該アンテナ供給ヘッドから供給されたアンテナ線83をアンテナ保持層6に順次、埋め込む。埋め込みが終了したアンテナ線83を切断し、当該切断されたアンテナ線83の先端を終点として、第1プレート110および第2プレート120のいずれか他方に対して溶接する。
アンテナ線83の始点となる先端と終点となる先端とは、それぞれ、第1プレート110および第2プレート120のいずれか一方と他方とに溶接によって電気的に接続される。このようにしてアンテナ80が形成されたアンテナ保持層6(アンテナシート12)を得る。アンテナ80がアンテナ保持層5または6に埋め込まれた中間生成物を、アンテナシート12と称することがある。アンテナシート12は、それのみでデュアルインターフェースICカード1を製造するための部品として市場に流通させることができる。あるいは、アンテナ保持層等のシート材を加工業者に供給し、これを当該加工業者がアンテナシート12に加工して供給元に納品する、という商形態が存在し得る。
(v)アンテナ
アンテナ保持層5または6に形成されたアンテナ80において、そのアンテナ線83の複数の先端が電気的に接続された一対の端部100である第1プレート110および第2プレート120には、ICモジュール70の端子73aおよび73bがそれぞれ電気的に接続する。これにより、ICモジュール70が備えるICチップおよびアンテナ80が非接触通信の通信回路を構成する。当該通信回路は、例えば、ISO/IEC18092やISO/IEC144443等で規定される13.56MHzのHF周波数帯域を用いて近接通信を行うものでもよい。または、それ以外の、例えば920MHzのUHF周波数帯域や125KHzのLF周波数帯域、マイクロ波の2.45GHzの周波数帯を用いて通信を行うものでもよい。
外部機器であるリーダライタ等にデュアルインターフェースICカード1をかざしたときに、当該通信回路にはリーダライタが形成する磁界や電波等により起電力や電流が発生して、ICチップに電力を供給する。これにより、ICチップは駆動可能となり、リーダライタと非接触による情報の送受信が可能であり、メモリに対する情報の読み出しや書き換え等を行なう。
アンテナ80を構成するアンテナ線83は、典型的には、銅線の周囲が絶縁部材で被覆された被覆導線により形成される。なお、これ以外にも、Cu-Ni、Cu-Cr、Cu-Zn、Cu-Sn、Cu-Be等の銅合金線、または鉄、ステンレス、アルミ等の種々の金属線、金属合金線を選択することもできる。デュアルインターフェースICカード1は、被覆導線を用いることにより、例えば銅箔エッチング方式等に比較して安価に製造できる。ただし、本開示のデュアルインターフェースICカード1は、銅箔エッチング方式や金属箔の打ち抜き方式等で形成されたアンテナ線を用いてもよい。
アンテナ線83の直径は、非接触の通信回路としての特性を確保できる限りにおいて、特段の制限はないが、例えば、0.03mm以上、0.30mm以下とすることができ、好ましくは、0.05mm以上、0.15mm以下とすることができる。後者の範囲とすることで、埋め込み加工による熱圧や切削加工による外力への耐久性が向上でき、良好な通信特性を確保できる。
(vi)端部(第1プレートおよび第2プレート)
次に、導電性の端部100である第1プレート110および第2プレート120の構成の詳細を説明する。第1プレート110および第2プレート120は、いずれも、デュアルインターフェースICカード1の主面の法線方向であるZ軸方向に沿った平面視において、略矩形状の板状部材である。図2(a)に示すように、第1プレート110および第2プレート120は、当該平面視において、第1凹部91と重畳する領域、すなわち、カード基体2から露出している領域と、第1凹部91よりも外側に位置し、カード基体2の内部に埋め込まれている領域と、を有する。
言い換えると、当該平面視で凹部9の外周93のうち、Y軸に沿う-X方向側の辺93aおよび+X方向側の辺93bに重畳する直線をそれぞれ直線m1およびm2とする。このとき、第1プレート110は、直線m1よりも+X方向側の領域が第1凹部91においてカード基体2から露出しており、直線m1よりも-X方向側の領域がカード基体2に被覆されている。同様に、第2プレート120は、直線m2よりも-X方向側の領域が第1凹部91においてカード基体2から露出しており、直線m2よりも+X方向側の領域がカード基体2に被覆されている。
第1プレート110を例にとれば、第1凹部91においてカード基体2から露出している第1プレートのX軸方向に沿った横幅は、第1凹部91の横幅と同じくW12であり、カード基体2による被覆部分も含めた横幅W11よりも狭い。また、第1凹部91においてカード基体2から露出している第1プレートのY軸方向に沿った縦幅はW2である。W12、W11およびW2の大きさや比率は任意であるが、第1プレート110の縦幅W2かつ横幅W12の領域の中に、ICモジュール70の載置時の端子73aの領域が包含されることが好ましい。これにより、端子73aと第1プレート110との電気的な接続に関する接触面積が安定的に得られるからである。第2プレート120についても同様である。
また、このように第1プレート110および第2プレート120の一部が、カード基体2に被覆されていることにより、凹部9の形成時のエンドミル刃の切削抵抗等の外力に対する第1プレート110および第2プレート120の保持効果が高められる。よって、不用意にプレートがカード基体2から剥がれて位置がずれてしまうことが抑制される。
一方、第1プレート110の+X方向側の端と第2プレート120の-X方向側の端の位置は、それぞれこれらと重畳する第1凹部91の+X方向側および-X方向側の端の位置と同一となる。すなわち、凹部9の形成前の第1プレート110の+X方向側の端と、第2プレート120の-X方向側の端は、+Z方向からの平面視において第2凹部92の内側まで入り込むように配置されている。第2凹部は後述するように、その周囲を取り囲む第1凹部よりも深く切削された、ICチップ体を収納するための凹部領域である。そして、凹部9の形成加工時に、第2凹部92の領域のプレート部分が切削除去されている。言い換えると、当該平面視において、凹部9の切削加工後の第1プレート110および第2プレート120は、第2凹部92の外側の領域に配置されている。
第1プレート110および第2プレート120がこのような配置及び大きさをとることにより、X軸方向に沿ったプレートの配置位置のずれが生じても、確実にICモジュール70の端子73a、73bとの接触面積を確保できる。ただし、第1プレート110の+X方向側の端は、これと重畳する第1凹部91の+X方向側の端よりも-X方向側にずれていてもよく、第2プレート120の-X方向側の端は、これと重畳する第1凹部91の-X方向側の端よりも-X方向側にずれていてもよい。ただし、第2凹部92は、ICチップ体の厚さが十分薄い場合には、第1凹部と同じ深さとしてもよく、第1凹部とは異なる深さの第2凹部を必ずしも設けなくてもよい。
また、前述したように、第1プレート110および第2プレート120は、第1導電部材111と、当該第1導電部材111の+Z方向側に積層される第2導電部材112との少なくとも2層を含む積層構成を有する。このとき、第2導電部材112は、第1導電部材111よりも酸化し難い部材である。酸化し難い部材とは、例えば第1導電部材111や第2導電部材112がともに金属である場合は、第2導電部材112の方が、第1導電部材111よりもイオン化傾向が小さい金属であると言い換えることができる。このような金属の一例として、第1導電部材111をアルミニウム、鉄、ニッケルまたは銅とし、第2導電部材112を銀、パラジウム、プラチナまたは金とすることができる。
また、第1導電部材111および第2導電部材112は、単一金属から構成される部材に限らず、合金でもよく、カーボン等の非金属部材でもよい。このような場合の第1導電部材111および第2導電部材112の相対的な部材の酸化し難さの評価は、各部材の金属等の配合比から計算で求めてもよく、実験的に求めてもよい。
また、第1プレート110および第2プレート120は、第1導電部材111、第2導電部材112以外の異なる導電部材の層をさらに有する3層以上の積層構成を備えてもよい。例えば、-Z方向側から+Z方向側に向けて、第1導電部材、第3導電部材および第2導電部材がこの順に積層しているものとする。この場合、第2導電部材は第1導電部材および第3導電部材のいずれか一方よりも酸化し難い部材であることが好ましい。第2導電部材が、第1導電部材および第3導電部材のいずれに対しても酸化し易い部材である場合、本開示の作用効果を奏することが困難となるからである。このようなものの適切な例として、例えば、第1導電部材を銅とし、第3導電部材をニッケルメッキとし、第2導電部材を金メッキとすることができる。
材料調達の容易性やコスト、加工適性、電気特性等を考慮すると、上記に挙げた中でも、第1導電部材111として導電性の高い銅を使用し、第2導電部材112として銀メッキを使用することが好ましい。十分な導電性が確保できる銅を第1導電部材111とし、酸化し難く、エンドミルによる樹脂層の切削時に金属界面を露出させ易い銀をメッキとして第2導電部材112に用いることで、コストアップを抑制しつつ、良好な電気特性および加工適性を得られるからである。
このように、本実施形態では、第1プレート110および第2プレート120を、第1導電部材111と、当該第1導電部材111よりも酸化し難いおよび第2導電部材112との積層構成としている。さらに、アンテナ線83の先端および端子73a、73bを第2導電部材112と対向して第1プレート110および第2プレート120と電気的に接続している。これによる作用効果は、理論に拘束されることを望まないが、一例として以下を考えることができる。
例えば、第2導電部材112が第1導電部材111よりも酸化し難い部材である場合、第2導電部材112の表面は、第1導電部材111の表面が露出している場合と比べて酸化被膜の形成量が少ない。このため、第2導電部材112とアンテナ線83の先端とを溶接で接合する際に、両者の間に介在する不純物の量が少ないため、良好に溶接ができる。また、仮に第1導電部材111および第2導電部材112がいずれも銅であったとすると、第2導電部材112とアンテナ線83とを溶接する際に、熱伝導率が高い第2導電部材112の銅に溶接時の熱が逃げてしまい、溶接不良が起きたり溶接時間が長くなるおそれがある。しかし、第1導電部材111の銅に対して、これよりも熱伝導率が低い第2導電部材112を銀メッキ等で設けることで、溶接効率や溶接歩留まりを向上できる。
一方、アンテナ保持層5および6のような樹脂基材で第1プレート110や第2プレート120を挟み込んで熱プレスすることを考える。このとき、樹脂基材の種類にもよるが、第1プレート110や第2プレート120の表面に酸化被膜が十分に形成されている場合には、樹脂基材と酸化被膜との間に水素結合が形成されやすくなる。その結果、第1プレート110や第2プレート120は当該樹脂基材と強力に接着し易くなる。逆に、第1プレート110や第2プレート120の表面に酸化被膜がほとんど形成されず、金属面が略露出している場合には、樹脂基材と第1プレート110や第2プレート120との接着力は非常に弱くなると考えられる。
また、第1プレート110や第2プレート120の表面の濡れ性に関しては、表面に酸化被膜等の異物が付着していない方が、濡れ性が高くなる傾向がある。図5(a)の画像1は、本実施形態のデュアルインターフェースICカード1と類似するデュアルインターフェースICカード1pにおける、カード基体の凹部9pに露出した第1プレート110pおよび第2プレート120pの表面上に、はんだ11pを塗布した状態を示す画像である。第1プレート110pおよび第2プレート120pは、第1導電部材として銅を使用し、第2導電部材として銀メッキを使用したものである。はんだ11pは、フラックス(松脂)を含有したはんだである。
図5(b)の画像2は、上記に対する比較例であり、デュアルインターフェースICカード1qにおける、カード基体の凹部9qに露出した第1プレート110qおよび第2プレート120qの表面上に、はんだ11qを塗布した状態を示す画像である。第1プレート110qおよび第2プレート120qは、上記とは異なり、第1導電部材および第2導電部材の区別なく、共通の銅を使用したものである。はんだ11qは、はんだ11pと同様に、フラックス(松脂)を含有したはんだである。図5(a)の画像1、図5(b)の画像2とも、第1プレートおよび第2プレートの上に一定量のはんだが付着しているが、その付着量には差があり、図5(a)の画像1の方がはんだが多く付着している。
次に、図5(c)の画像3は、図5(a)の画像1のデュアルインターフェースICカード1pと同様の構成のデュアルインターフェースICカード1rに関する画像である。すなわち、デュアルインターフェースICカード1rにおける、カード基体の凹部9rに露出した第1プレート110rおよび第2プレート120rの表面上に、はんだ11rを塗布した状態を示す画像である。第1プレート110rおよび第2プレート120rは、第1導電部材として銅を使用し、第2導電部材として銀メッキを使用したものである。はんだ11rは、フラックス(松脂)を含有しないはんだである。
図5(d)の画像4は、上記に対する比較例であり、図5(b)の画像2のデュアルインターフェースICカード1qと同様の構成のデュアルインターフェースICカード1sに関するものである。すなわち、デュアルインターフェースICカード1sにおける、カード基体の凹部9sに露出した第1プレート110sおよび第2プレート120sの表面上に、はんだ11sを塗布した状態を示す画像である。第1プレート110sおよび第2プレート120sは、第1導電部材および第2導電部材の区別なく、共通の銅を使用したものである。はんだ11sは、はんだ11rと同様に、フラックス(松脂)を含有しないはんだである。図5(c)の画像3では、図5(a)の画像1とほぼ変わらず、十分な量のはんだが第1プレート110rおよび第2プレート120rの上に付着している。しかしながら、図5(d)の画像4では、第1プレート110sおよび第2プレート120sの上にははんだがほとんど付着していないことが明確にわかる。
このように、単純に第1プレートおよび第2プレートの表面にはんだを塗布した場合であっても、その表面が酸化被膜を多く形成し易い銅であるか、酸化被膜を形成し難い銀メッキであるかにより、はんだの残留状態、すなわち濡れ性に差が生じる。この点は、ICモジュール70の端子73a、73bとアンテナ80の端部100である第1プレート110および第2プレート120との間に、はんだや他の金属粒子を含有した異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)を介在させた場合にもあてはまる。すなわち、第1プレート110および第2プレート120の表面の酸化被膜が少なく、濡れ性が高い状態であるほど、ACFやACPを介してICモジュール70をカード基体2の凹部9に埋設した際のICチップおよびアンテナ80の電気的接続の信頼性を向上できる。
次に、第1プレート110や第2プレート120の露出した表面が、比較的に酸化し難い第2導電部材112である際の加工上の利点について説明する。図3(a)は、図2(b)のカード基体2における、凹部9の形成前の状態を示す断面図である。凹部9の形成は、刃先が付いたエンドミル200を用いて、カード基体2を切削加工することにより行う。まず、図3(a)および図3(b)に示すように、凹部9の中央付近を占める、比較的深い深さの第2凹部92を形成する。このとき、第1プレート110および第2プレート120の第2凹部92と重畳する部分は切削加工により除去される。
続いて、第2凹部92を形成した後、エンドミル200は第1凹部91を切削加工により形成する。ここで、第1凹部91は、カード基体2の表面からの深さが第1の深さとなるように形成され、第2凹部92は、第1凹部91よりも中央側に形成され、第1の深さよりも深い第2の深さとなうように形成される。そして、凹部9の形成後において、+Z方向側からの平面視において、第1プレート110や第2プレート120は第2凹部92の外側の領域に配置されている。
このとき、エンドミル200の刃先の深さの設定は、第1プレート110および第2プレート120の表面がちょうど露出する位置であることが好ましいが、切削加工機の切削深さ精度には一定のばらつきがある。このばらつきは、一般的には目標値プラス、マイナス10μmから目標値プラス、マイナス15μm程度を見込む必要がある。ここで、第1凹部91の切削深さの目標値を第1プレート110および第2プレート120の表面に設定すると、実際の切削深さが-Z方向に15μmシフトしていた場合に、第2導電部材112を全部切削してしまい、第1導電部材111が露出してしまう可能性がある。第2導電部材を銀メッキとする場合、メッキの厚さは通常、0.1μm以上、6μm以下程度しかないからである。
そこで、本実施形態では、例えば第1凹部91の切削深さの目標値を第1プレート110および第2プレート120の表面よりも15μmだけ浅い地点に設定する。これは図3(b)における深さd11に相当する。このとき、設定通りに切削加工がされると、エンドミル200は、第1プレート110および第2プレート120の表面上にアンテナ保持層5を厚さt11、すなわち、ここでは15μmだけ残して切削することとなる。
本実施形態では、第1プレート110および第2プレート120の+Z方向側の表面は、比較的に酸化し難い第2導電部材112により構成されている。このため、第1プレート110および第2プレート120と、その上層の樹脂基材との密着性は弱くなっている。その結果、図3(c)に示すように、エンドミルの高速回転による切削加工時の振動等の外力により、薄皮として形成された第1プレート110および第2プレート120の表面上の樹脂基材の残部5aは、当該外力により剥がされる。そして残部5aは、当該樹脂部分の根元となる-X方向側の端から引きちぎられてカード基体2から自然に離脱する。これにより、第1凹部91の切削深さの目標値を第1プレート110および第2プレート120の表面よりも浅く設定した場合でも、良好に、第1プレート110および第2プレート120の表面を第1凹部91において露出させることができる。
上記を実験的に示したものが、図6である。図6(a)の画像5は、第1導電部材を銅とし、第2導電部材を銀メッキとした第1プレート110tについて、切削加工の深さを第1プレート110tの表面よりも30μmだけ浅くした場合の切削後の第1プレート110tの表面状態を示した画像である。図6(b)の画像6は、図6(a)の第1プレート110tと同様の構成の第1プレート110uについて、切削加工の深さを第1プレート110uの表面と略同一とした場合の切削後の第1プレート110uの表面状態を示した画像である。さらに、図6(c)の画像7は、第1プレート110tと同様の構成の第1プレート110vについて、切削加工の深さを第1プレート110vの表面よりも10μmだけ深く設定した場合の切削後の第1プレート110vの表面状態を示した画像である。
これらの画像からもわかるように、画像5の第1プレート110tおよび画像6の第1プレート110uの切削加工後の表面状態はほとんど同じであり、銀メッキが良好に露出している。さらには、画像5、画像6とも、アンテナ保持層の残留物と思われる残部5bが両画像の左端に確認できる。これは、上述したメカニズムによって生じたものと推定される。一方、画像7の第1プレート110vの表面は、銀メッキが少なくなり、下地の銅の露出が顕著になっている。このような状態では、第2導電部材としての特徴は得られず、酸化被膜の形成等により、品質面に悪影響を及ぼす可能性が考えられる。
(b)ICモジュール
次に、ICモジュール70の主要な構成要素の各部について、主に図1(b)や図4に基づいて説明する。図4(a)は、図1(a)と同様に、+Z方向側からICモジュール70の外部接続端子71側を見た図である。図4(b)は、ICモジュール70を図4(a)とは反対側の-Z方向側から見た図である。ここでは、内部を透視できるよう、ICチップ体74のモールド部74bの大半を省略して記載している。また、図4(c)は、図1(b)の端子73a付近のB部を拡大した断面図である。
ICモジュール70は、カード基体2に対して形成された凹部9に埋設され、ICモジュール70の端子73aおよび73bがアンテナ80の第1プレート110および第2プレート120とそれぞれ電気的に接続することで、非接触通信の通信回路を形成できる。このとき、ICモジュール70が備える外部接続端子71を通じて、接触式リーダライタ等と接触通信を行うことができる。
基板72はガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の可撓性を有する絶縁性の樹脂フィルムの表裏に銅箔が接着剤を介して貼り込まれ、当該樹脂フィルムの表裏面に貼り込まれた銅箔を、所定のパターンを形成するように残存させたものである。具体的には、当該樹脂フィルムの一方の銅箔面に外部接続端子71を、他方の銅箔面に端子73aおよび73bを形成するように、感光材の塗付、所定パターンが形成されたフィルム版の載置、露光、非感光部位のエッチング除去、を順次行う。これにより、当該樹脂フィルムの表裏面に所定のパターンの銅箔が一部残存した基板72が形成される。また、基板72にはあらかじめ、外部接続端子71へのワイヤボンディングのための貫通孔であるボンディングホール76が複数箇所、設けられている。
外部接続端子71には、図4(a)に示すように、ISO/IEC7816―2規格で定められた、外部端子の各区画が画定されている。これらの各区画とICチップ74aとは、図4(b)に示すように、基板72に設けられた上述のボンディングホール76を通じて、金ワイヤ等のワイヤ75によって結線されている。また、端子73aおよび73bとICチップ74aとの間も同様に、ワイヤ75によって結線されている。これらのボンディングホール76やワイヤ75は、モールド部74bによって被覆保護されている。
基板72の、外部接続端子71の形成面とは反対側の面に、ICチップ体74が配置されている。ICチップ体74は、基板72に接着剤を介して接着、固定されたICチップ74aと、結線のためのボンディング用のワイヤ75と、これらを保護するための封止樹脂であるモールド部74bとから構成される。ICチップ74aは、接触通信、非接触通信の両方の動作を制御するためのCPUと、RAMやROM、EEPROM、フラッシュメモリー等の記憶装置と、を備える。さらにICチップ74aは、接触通信および非接触通信の入力信号解読と出力信号生成を行うインターフェース回路や電力発生回路等の各種回路を備えている。なお、各種回路はICチップ74aとは別個の素子として設けられていてもよい。
モールド部74bは、ICチップ74aやワイヤ75を外力負荷や環境負荷から保護するために、これらを被覆する突起状部位として設けられる。モールド部74bとして、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂等が使用される。
(c)導電接着層
カード基体2に対してICモジュール70を埋設するための凹部9を、エンドミルによる切削加工等によって形成した後、ICモジュール70を当該凹部9に埋設固定し、電気的および機械的に接続する導電接着層11について説明する。導電接着層11は、図4(c)に示すように、第1プレート110と、ICモジュール70の基板72および基板72に形成された端子73aと、に挟まれるように配置される、液状またはテープ状の部材である。
導電接着層11は、あらかじめ、ICモジュール70の基板72の外部接続端子71とは反対側の面に塗付、貼付されていてもよく、カード基体2の凹部9の切削後の底面91a上に塗付、貼付されてもよい。
典型的な導電接着層11は、ICモジュール70と切削済みのカード基体2との機械的接続を兼ねるため、基板72の裏面の全面または凹部9のうちの第1凹部91に対応する部位に塗付、貼付されていてもよい。こうすることで、ICチップ74aおよびアンテナ80の電気的接続と、ICモジュール70およびカード基体2の機械的接続とを同一種類の導電接着層11で行うことができ、工程の簡略化に寄与する。
しかし、導電接着層11が、基板72の裏面のうち、端子73aおよび73bの領域のみを覆うように塗付、貼付され、その他の基板72の裏面には、導電性を有しない別の接着剤が塗付、貼付されていてもよい。当該別の接着剤が導電性を考慮しなくてもよいことにより、接着剤として機械的接続に有利なものを選定し易くできるからである。
電気的接続と機械的接続との兼用が図れる導電接着層11としては、ACF(Anisotropic Conductive Film)、すなわち、異方性導電フィルムや、ACP(異方性導電ペースト)を使用できる。また、その他、エポキシ樹脂中に銀粒子をフィラーとして分散した、いわゆる導電性ペーストやはんだペーストとしてもよい。中でも、ACFを使用すれば、ICモジュール70の基板72の裏面全体にACFを熱ラミネートしておき、当該ICモジュール70を切削済みのカード基体2の凹部9に埋設後、これを所定温度、荷重でヒートプレスすることができる。こうすることで、ICチップ74aとアンテナ80との電気的接続が容易に図れる。さらには、ICモジュール70のカード基体2への機械的接続も同時に図れるため、ICモジュール70のカード基体2への実装工程を簡易化することができる。
導電接着層11としてACFを使用した際の、ICチップ74aおよびアンテナ80の電気的接続と、ICモジュール70およびカード基体2の機械的接続とは、図4(c)に基づいて以下のように説明できる。導電接着層11は、接着成分を含有するバインダーである接着剤11bの中に、球状樹脂または球状金属の周りに金属膜が形成された導電粒子11aが分散した構成を有している。導電粒子としては、樹脂をニッケルや金でコーティングしたものでもよく、はんだ粒子であってもよい。はんだ粒子は、SnPb系、SnAgCu系、SnCu系、SnZnBi系、SnAgInBi系、SnZnAl系等様々なものや、これと他の金属とを合金化したもの等が使用可能である。これらの構成は、ACPとした場合にでも同様である。
ここで、アンテナ線83の先端と電気的に接続した第1プレート110と、ICモジュール70の基板72および基板72に形成された端子73aと、に挟まれるように配置された導電接着層11が圧縮されるように、基板72に対して+Z方向から-Z方向に向かう熱圧を掛ける。
その結果、導電接着層11のうち、特に間隔が狭い、第1プレート110と端子73aとに挟まれた部位に強い熱圧が掛かり、この部位の導電接着層11の導電粒子11aが、導電接着層11の厚さ方向に沿って第1プレート110および端子73aから押し付けられる。また、導電粒子11aが小さい場合は、導電粒子11aが導電接着層11の厚さ方向に沿って第1プレート110から端子73aまで数珠つなぎに重なる。すなわち、導電粒子11aを介して、第1プレート110と端子73aとが導通する。
一方、端子73aの存在しない領域の基板72との間では、導電粒子11aが導電接着層11の厚さ方向に沿って第1プレート110および端子73aから押し付けられる程度、または、数珠つなぎに重なる程度にまでは圧縮されない。しかしながら、その熱圧によって生じた接着剤11bの接着力によって、アンテナ保持層6と基板72とが機械的に接続される。
(d)デュアルインターフェースICカードの製造方法
次に、上述したカード基体2、ICモジュール70および導電接着層11を用いた、デュアルインターフェースICカード1の製造方法の一例を説明する。
まず、インナー層4または7とは隣接しない側の、アンテナ保持層5または6のいずれかの表面に、プレート状の端部100である第1プレート110および第2プレート120を接着する。両者は、それぞれ接着剤を介してアンテナ保持層5または6の表面に接着および固定してもよい。次に、絶縁部材で被覆された被覆導線をアンテナ線83として、端部100が形成されたアンテナ保持層5または6の当該形成面に、第1プレート110および第2プレート120のいずれか一方を始点とし、いずれか他方を終点として、巻き線形成機により埋め込む。ここで、アンテナ線83の始点および終点において、巻き線形成機は、第1プレート110および第2プレート120に、アンテナ線83の先端を溶接する。
具体的には、例えば、アンテナ保持層6に対して所定の熱圧を加えながら、図1(a)に示すようなループ形状にアンテナ供給ヘッドを描画させ、当該アンテナ供給ヘッドから供給されたアンテナ線83をアンテナ保持層6に順次、埋め込む。
次に、図3(a)に示すとおり、厚さ方向の下側からオーバーシート層8、インナー層7、アンテナ保持層6および5、インナー層4およびオーバーシート層3をこの順に重ねる。その後、カードが縦横に多面付けで配置された大判シートの積層体の単位で、厚さ方向の上下からステンレス板で挟み込み、当該ステンレス板を介して、当該積層体に対して熱圧を加える。このとき、アンテナ保持層5および6の間に挟まれるように、例えばアンテナ保持層6の表面上に事前にアンテナ80が形成されている。
このような熱プレス工程を経ることにより、積層体の各層が一体化した大判シート単位のカード基体を得ることができる。また、オーバーシート層、インナー層、アンテナ保持層のいずれかが所定温度で熱融着しない耐熱性を有する場合には、各層間に所定温度で熱融着する接着シートを挟むか、接着剤を塗付する。その上で、これらを熱プレス工程に掛けることにより、一体化した大判シート単位のカード基体を得る。
上記により得られた、カードが縦横に多面付けで配置された大判シート単位のカード基体を、打ち抜き機によりISO/IEC7816のカードサイズであるカード基体2として打ち抜く。また、当該カード基体2にICモジュール70を埋設するための凹部9を、エンドミルによる切削加工にて形成する。これにより、切削済みのカード基体2が得られる。凹部9は、ICモジュール70の平板状の基板72を収納するための第1の深さの第1凹部91と、凸状のICチップ体74を収納するための、第1凹部91よりも深い第2の深さの第2凹部92との2段で構成されることは前述したとおりである。
ここで、前述したように、第1凹部91の形成にあたっては、切削加工機の切削深さ精度を考慮して、第1プレート110および第2プレート120の+Z方向側の表面よりも若干浅い深さを目標値として設定することができる。このように、第1凹部91の深さを、第1プレート110および第2プレート120の表面までの深さよりも浅く切削した場合でも、本実施形態のデュアルインターフェースICカード1では、第1プレート110および第2プレート120の表面を良好に露出させることができる。
一方、カード基体2の製造および凹部9を形成するための切削加工とは別に、ICモジュール70への導電接着層11の貼付を行う。ICモジュール70としては、通常、1列取りまたは2列取りで連続的に長尺のテープに当該ICモジュール70が形成されているモジュールテープを使用する。このモジュールテープの外部接続端子71の形成面とは反対側の面に、テープ状のACFを一定の熱圧を加えながら貼り込んでいく。その後、ACFが貼り込まれたモジュールテープを、角に丸みを有する略矩形のICモジュール70として打ち抜き機で打ち抜くことで、導電接着層11の貼付がされたICモジュール70を得る。
その後、凹部9が形成されたカード基体2に対し、導電接着層11の貼付がされたICモジュール70を埋設し、外部接続端子71に所定のヒートブロックを押し当てて、カード基体2側に向けて所定時間、所定の熱圧を加える。これにより、ACFで構成された導電接着層11を溶融させることにより、ICモジュール70の端子73aおよび73bと、第1プレート110および第2プレート120との電気的接続を図るとともに、ICモジュール70とカード基体2との機械的接続を図る。ACFは、その品種や組成により、加える時間や熱圧条件に差異はあるが、一例としては、時間を0.5秒以上、10.0秒以下、温度を150℃以上、250℃以下、圧力を20MPa以上、100MPa以下とすることができる。
(e)第1実施形態のデュアルインターフェースICカードについて
以上をまとめると、外部機器との接触通信および非接触通信が可能な第1実施形態のデュアルインターフェースICカード1において、導電性を有する端部100は、第1導電部材111と第2導電部材112との2層構成のプレートとすることができる。端部100は、第1プレート110および第2プレート120により構成される。アンテナ80は、アンテナ線83の両端が、それぞれ当該層構成の端部100と電気的に接続した比較的簡単な構成とでき、これを内部に埋め込んだカード基体2の製造も比較的容易である。
また、アンテナ線83の先端および端子73a、73bが、いずれも第1プレート110および第2プレート120の第2導電部材112と対向して端部100と電気的に接続される。このため、第1プレート110および第2プレート120の表面は酸化被膜等の不純物が形成され難くなり、アンテナ線83の先端および端子73a、73bと、端部100との電気的接続の信頼性が向上する。アンテナ線83の端部100への溶接や、異方性導電フィルム(ACF)が含有する金属粒子との接合が良好に行える可能性が高いからである。
また、エンドミル等の切削加工により凹部9を形成する際、第2導電部材112の表面には酸化被膜が形成され難いため、これに積層されているアンテナ保持層5および6等の樹脂基材との水素結合等による接着力は弱くなり、第2導電部材112と樹脂基材との密着性が低下し得る。このため、エンドミルの刃の切削深さの設定を多少浅めにシフトしても、第2の導電部材112の界面では、樹脂基材がはがれやすくなり、良好に凹部9に第2の導電部材112の表面を露出させることができる。よって、エンドミル加工における刃の深さ設定範囲を広げることができ、歩留まりや生産性が向上する。
以上により、第1実施形態のデュアルインターフェースICカード1を使用した場合には、カードの構成を複雑にすることなく、加工が容易であり、かつICモジュールとアンテナとの電気的接続の信頼性を向上させることができる。
2.第2実施形態
次に、本開示の第2実施形態に係るデュアルインターフェースICカードについて説明する。
図7は、第2実施形態のデュアルインターフェースICカード1aに関する、図2(a)に対応する凹部9付近の構成を示す平面図である。本実施形態のデュアルインターフェースICカード1aは、アンテナ80aの端部100aを構成する第1プレート110aおよび第2プレート120aの構成が第1実施形態とは異なっている。すなわち、第1プレート110aおよび第2プレート120aは、その第1凹部91にて露出する領域中において、その+Y方向側の端および-Y方向側の端に、それぞれX軸方向に沿った複数の貫通孔113、114、123および124を備えている。
ただし、第1プレート110aおよび第2プレート120aは、貫通孔を1箇所だけ備えていてもよく、貫通孔の形状も平面視で円形であることに限らず、長円、楕円、四角形、星形等、任意の形状とすることができる。また、第1プレート110aおよび第2プレート120aに形成する貫通孔の位置は、その第1凹部91にて露出する領域中において、-X方向側の端および+X方向側の端に、それぞれY軸方向に沿って1個または複数、配列されていてもよい。
本実施形態のデュアルインターフェースICカード1aがこのような構成であることにより、第1プレート110aおよび第2プレート120aの下方のアンテナ保持層6等の樹脂基材が熱プレス等の積層加工時に溶融して、当該貫通孔に入り込む。このため、第1プレート110aおよび第2プレート120aは、これを挟み込むアンテナ保持層5および6と、当該貫通孔を通じたアンカー効果により強力に支持される。その結果、凹部9の切削加工時に、第1プレート110aや第2プレート120aが、アンテナ保持層から離脱したり位置ずれを来す等の不具合が抑制され得る。
第1プレート110aの露出する領域における+Y方向側の端の貫通孔113および-Y方向側の端の貫通孔114と、第2プレート120aの露出する領域における+Y方向側の端の貫通孔123および-Y方向側の端の貫通孔124と、は、特にその配置や大きさの制約はない。しかしながら、これらの貫通孔は、+Z方向側からの平面視において、第1プレート110aおよび第2プレート120aのうち、載置時のICモジュール70の端子73aおよび73bと対向する部分を避けて設けられることが好ましい。
これにより、端部100aと端子73aおよび73bとの電気的な接触面積の減少が抑制され、両者の電気的接続の信頼性が向上する。さらには、貫通孔の上方の樹脂基材が切削加工時に第1プレート110aおよび第2プレート120aと密着してしまうことが抑制できる。このため、第1プレート110aおよび第2プレート120aの表面よりも若干浅めに切削した場合にも、第1プレート110aおよび第2プレート120aの表面が良好に露出するという本開示の効果を維持できる。
3.第3実施形態
次に、本開示の第3実施形態に係るデュアルインターフェースICカードについて説明する。
(a)第3実施形態のデュアルインターフェースICカード
図8(a)は、第3実施形態のデュアルインターフェースICカード1bに関する、図2(a)に対応する凹部9a付近の構成を示す平面図である。本実施形態のデュアルインターフェースICカード1bは、端部100aの構成を含むアンテナ80aの構成は、第2実施形態と同じであるが、凹部9aの構成が第1実施形態や第2実施形態とは異なっている。すなわち、+Z方向側からの平面視において、凹部9aは、第1凹部91bと隣接し、かつ第2凹部92の外側の領域に配置され、第1凹部91bの深さである第1の深さよりも深く、かつ第2凹部92の深さである第2の深さよりも浅い第3の深さである第3凹部94をさらに備えている。
第3凹部94は、当該平面視において、第1プレート110aと重畳する第3凹部94aと、第2プレート120aと重畳する第3凹部94bと、に分離配置されている。また、第3凹部94aにおいて、載置時のICモジュール70の端子73aと対向する第1プレート110aが少なくとも部分的にカード基体2bから露出している。第3凹部94bにおいても同様であり、載置時のICモジュール70の端子73bと対向する第2プレート120aが少なくとも部分的にカード基体2bから露出している。
図9(a)は、図8(a)のデュアルインターフェースICカード1bについて、第3凹部94aに露出した第1プレート110aのX軸に沿った方向の中央付近をY軸に沿ったC-C線で切り、断面を-X方向側から見た断面図である。また、図9(b)は、図9(a)のカード基体2bにおいて、導電接着層11を介してICモジュール70を載置した状態を示す断面図である。
本実施形態では、当該平面視において、第3凹部94aおよび94bのY軸方向に沿った幅は、それぞれ、第1プレート110aおよび第2プレート120aのY軸方向に沿った幅よりも長く形成されている。言い換えると、第1プレート110aおよび第2プレート120aの第3凹部94a、94bにおいて露出する領域では、そのY軸方向に沿った第1プレート110aおよび第2プレート120aの両端も含めて露出している。また、第1プレート110aおよび第2プレート120aは、第2実施形態と同様であり、その第3凹部94a、94bにて露出する領域中において、その+Y方向側の端および-Y方向側の端に、それぞれX軸方向に沿った複数の貫通孔113、114、123および124を備えている。
本実施形態のデュアルインターフェースICカード1bがこのような構成であることにより、第2実施形態にて説明した点に加えて、以下の作用効果が得られる。すなわち、ICモジュール70の端子73aおよび73bと、第1プレート110aおよび第2プレート120aとの距離とは無関係に、端子73aおよび73b以外の基板72とカード基体2bとの距離を定めることができる。よって、ICモジュール70の端子73aおよび73bと、第1プレート110aおよび第2プレート120aとの最適な電気的接続を図るための距離の設定と、ICモジュール70とカード基体2bとの最適な機械的接続を図るための距離の設定とを、それぞれ個別に最適化できる。
例えば、第1凹部91bの深さd1は、図9(a)、図9(b)を参照しつつ、以下のように検討することができる。例えば、基板72の厚さをTp1とし、導電接着層11の厚さをTacf1とし、所定の熱圧を掛けた際の導電接着層11の厚さ方向の収縮量をΔacf1とし、カード基体2bの厚さ方向の収縮量をΔcb1とする。このとき、ICモジュール70の外部接続端子71の表面がカード基体2bの表面と略同一となるようにすると、第1凹部91bの深さd1は、d1=Tp1+Tacf1-Δacf1-Δcb1となる。ここで、ICモジュール70およびカード基体2bの接着力が最大となる熱圧条件(荷重、温度、時間)と、そのときのΔacf1およびΔcb1を求めることにより、最適なd1を定めることができる。
次に、第3凹部94aの深さd2は、以下のように検討することができる。第3凹部94bについても同様である。例えば、基板72から-Z方向側に延在する端子73aの厚さをTp2とし、その他の寸法については上記の定義を流用する。このとき、第3凹部94aの深さd2は、d2=Tp1+Tp2+Tacf1-Δacf1-Δcb1となる。ここで、ICモジュール70の端子73aおよび第1プレート110aの電気的接続がもっとも良好となる熱圧条件(荷重、温度、時間)と、そのときのΔacf1およびΔcb1を求めることにより、最適なd2を定めることができる。
このとき、同一の導電接着層11を、ICモジュール70およびカード基体2bの機械的接続と、ICモジュール70の端子73aおよび第1プレート110aの電気的接続の両方に兼用することを考える。その場合、上記の第1凹部91bおよび第3凹部94aのいずれに対してもICモジュール70に掛ける熱圧条件は同一となる。なお、導電接着層11がACFであり、その導電粒子の平均粒径がdc1である場合、Tacf1>dc1であり、適切な電気的接続を図るためには、Tacf1-Δacf1=dc1またはTacf1-Δacf1<dc1であることが好ましい。このとき、端子73aおよび第1プレート110aの空隙を埋めるACFに含まれる導電粒子は、その状態のままあるいは圧縮されて端子73aおよび第1プレート110aの両方と当接するため、確実な電気的接続が図れる。ただし、Tacf1-Δacf1の値を極端に縮めてしまうと、ACFの導電粒子が破壊されて良好な電気的接続が図れない可能性がある。
一方、導電接着層11がACFである場合のICモジュール70およびカード基体2の機械的接続を良好にするためのΔacf1の適切値は、上述の適切な電気的接続を図るための条件と同一か、これに近似する範囲であると考えられる。ACFが最適な電気的接続を図れる状態にあるとき、その状態で端子73aと第1プレート110aとを機械的に固定、維持する接着力も強固であると考えられるからである。仮に、当該機械的接続を良好にする条件と当該電気的接続を良好にする条件が同一である場合、第3凹部94aの深さd2は、第1凹部91bの深さd1よりも、少なくとも端子73aの厚さTp2だけ深くする必要がある。
例示的には、第1凹部91bの深さは、例えば、0.1mm以上、0.4mm以下程度であり、第3凹部94aおよび94bの深さは、例えば0.12mm以上、0.45mm以下程度である。端子73aや73bの厚さが0.2mm以上、0.6mm以下である場合、第3凹部94a、94bの深さと第1凹部91bの深さとの差分は、0.1mm以上、0.8mm以下程度となることが好ましい。また、当該差分が、端子73aや73bの厚さの80%以上、120%以下であることがさらに好ましい。特に後者の場合、導電接着層11がACFであるような場合に、ICモジュール70および第1プレート110aの電気的接続と、ICモジュール70とカード基体2bとの機械的接続との最適な条件が重なるように、導電接着層11の厚さを熱圧によって調整できるからである。
(b)変形例
以上の説明は、第1プレート110aおよび第2プレート120aが、第2実施形態と同様の構成であることを前提にした。すなわち、その第3凹部94a、94bにて露出する領域中において、その+Y方向側の端および-Y方向側の端に、それぞれX軸方向に沿った複数の貫通孔113、114、123および124を備えているものとした。しかしながら、本実施形態は、第1プレート110aおよび第2プレート120aを、第1実施形態の第1プレート110および第2プレート120に置き換えた構成でも成立し、この場合でも上述した作用効果が得られる。このような変形例について簡単に説明する。
図8(b)は、第3実施形態の変形例に係るデュアルインターフェースICカード1cに関する、図2(a)に対応する凹部9a付近の構成を示す平面図である。変形例のデュアルインターフェースICカード1cは、端部100の構成を含むアンテナ80の構成は、第1実施形態と同じであるが、凹部9aの構成が第3実施形態の前述したカード基体2bと同様の構成であるカード基体2cを備えている。すなわち、+Z方向側からの平面視において、カード基体2cの凹部9aは、第1凹部91bと隣接し、かつ第2凹部92の外側の領域に配置され、第1凹部91bの深さよりも深く、かつ第2凹部92の深さよりも浅い深さである第3凹部94をさらに備えている。
本変形例のデュアルインターフェースICカード1cがこのような構成であることにより、上述した第3実施形態のデュアルインターフェースICカード1bに関する作用効果のうち、第2実施形態に関するもの以外について、同様の作用効果が得られる。
4.第4実施形態
次に、本開示の第4実施形態に係るデュアルインターフェースICカードについて説明する。
(a)第4実施形態のデュアルインターフェースICカード
図10(a)は、第4実施形態のデュアルインターフェースICカード1dに関する、図2(a)に対応する凹部9b付近の構成を示す平面図である。本実施形態のデュアルインターフェースICカード1dは、端部100aの構成を含むアンテナ80aの構成は、第2実施形態と同じであるが、凹部9bの構成が第1実施形態乃至第3実施形態とは異なっている。すなわち、+Z方向側からの平面視において、凹部9bは、第1凹部91cと隣接し、かつ第2凹部92の外側の領域に配置され、第1凹部91cの深さである第1の深さよりも深く、かつ第2凹部92の深さである第2の深さよりも浅い第3の深さである第3凹部95をさらに備えている。
第3凹部95は、当該平面視において、第1プレート110aと重畳する第3凹部95aと、第2プレート120aと重畳する第3凹部95bと、に分離配置されている。また、第3凹部95aにおいて、載置時のICモジュール70の端子73aと対向する第1プレート110aが、少なくとも部分的にカード基体2dから露出している。ただし、第1プレート110aの+Y方向側の端および-Y方向側の端は、カード基体2dによって被覆され、それぞれ、被覆領域84aおよび84bを形成している。
言い換えると、第1プレート110aのY軸に沿って互いに対向する両端が第1凹部91cにおいて、カード基体2dの中に埋設され、第3凹部95aにおいて、第1プレート110aの当該両端に挟まれた部分がカード基体2dから露出している。第2プレート120aについても、端子73aを端子73bと、第3凹部94aを第3凹部95aと置き換え、被覆領域84aおよび84bを被覆領域85aおよび85bと置き換える他は上記と同様となる。
なお、本実施形態は、第1プレート110aの+Y方向側の端および-Y方向側の端が、カード基体2dによって被覆されていることを前提としている。しかし、本開示はこれに限らず、第1プレート110aのX軸に沿って互いに対向する両端が第1凹部91cにおいて、カード基体2dの中に埋設され、第3凹部95aにおいて、第1プレート110aの当該両端に挟まれた部分がカード基体2dから露出している態様であってもよい。
+Z方向側からの平面視において、端子73aおよび端子73bと重畳する領域の第1プレート110aおよび第2プレート120aを第3凹部95aおよび95bにて露出させればよいからである。したがって、それ以外のいずれの領域で第1プレート110aおよび第2プレート120aを第1凹部91cにてカード基体2dで被覆しても、本実施形態の作用効果は同様に得られる。
図11(a)は、図10(a)のデュアルインターフェースICカード1dについて、第3凹部95aの底面95cとして露出した第1プレート110aのX軸に沿った方向の中央付近をY軸に沿ったD-D線で切り、断面を-X方向側から見た断面図である。また、図11(b)は、図11(a)のカード基体2dにおいて、導電接着層11を介してICモジュール70を載置した状態を示す断面図である。
本実施形態では、当該平面視において、第3凹部95aおよび95bのY軸方向に沿った幅は、それぞれ、第1プレート110aおよび第2プレート120aのY軸方向に沿った幅よりも短く形成されている。言い換えると、第1プレート110aおよび第2プレート120aの第3凹部95a、95bにおいて露出している領域よりも、さらにY軸方向に沿って第1プレート110aおよび第2プレート120aの両端が延伸して配置されている。これらの延伸された部分は、第1凹部91cの-Z方向側のカード基体2dに埋設されて、被覆領域84a、84b、85aおよび85bを形成している。また埋設された領域の内部にて、第1プレート110aおよび第2プレート120aは、第2実施形態と同様の複数の貫通孔113、114、123および124を備えている。
本実施形態のデュアルインターフェースICカード1dがこのような構成であることにより、第3実施形態にて説明した点に加えて、以下の作用効果が得られる。すなわち、第1プレート110aおよび第2プレート120aのY軸方向に沿った両端は、それぞれ、カード基体2dの中に埋まった状態となる。このため、アンテナ保持層5および6に挟まれた第1プレート110aおよび第2プレート120aは、その両端が樹脂基材により強固に支持される。よって、第1プレート110aおよび第2プレート120aが、アンテナ保持層から離脱して位置ずれを来す等の不具合が一層、抑制され得る。
(b)変形例
以上の説明は、第1プレート110aおよび第2プレート120aが、第2実施形態と同様の構成であることを前提にした。すなわち、その第1凹部91cにてカード基体2dから露出する領域中において、その+Y方向側の端および-Y方向側の端に、それぞれX軸方向に沿った複数の貫通孔113、114、123および124を備えているものとした。しかしながら、本実施形態は、第1プレート110aおよび第2プレート120aを、第1実施形態の第1プレート110および第2プレート120に置き換えた構成でも成立し、この場合でも上述した作用効果が得られる。このような変形例について簡単に説明する。
図10(b)は、第4実施形態の変形例に係るデュアルインターフェースICカード1eに関する、図2(a)に対応する凹部9b付近の構成を示す平面図である。変形例のデュアルインターフェースICカード1eは、端部100の構成を含むアンテナ80の構成は、第1実施形態と同じであるが、凹部9bの構成が第4実施形態の前述したカード基体2dと同様の構成となっている。すなわち、+Z方向側からの平面視において、カード基体2eの凹部9bは、第1凹部91cと隣接し、かつ第2凹部92の外側の領域に配置され、第1凹部91cの深さよりも深く、かつ第2凹部92の深さよりも浅い深さである第3凹部95をさらに備えている。
本変形例のデュアルインターフェースICカード1eがこのような構成であることにより、上述した第4実施形態のデュアルインターフェースICカード1dに関する作用効果のうち、第2実施形態に関するもの以外について、同様の作用効果が得られる。
以上、本開示において説明した各実施形態や各変形例は、矛盾が生じない限りにおいて、その一部または全部を互いに組み合わせて実施することが可能であり、その組み合わせた内容も当然に本開示に含まれる。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1p、1q、1r、1s デュアルインターフェースICカード
2、2a、2b、2c、2d、2e カード基体
3、8 オーバーシート層
4、7 インナー層
5、6 アンテナ保持層
5a、5b 残部
9、9a、9b、9p、9q、9r、9s 凹部
11 導電接着層
11a 導電粒子
11b 接着剤
11p、11q、11r、11s はんだ
70 ICモジュール
71 外部接続端子
72 基板
73a、73b 端子
74 ICチップ体
74a ICチップ
74b モールド部
74p パッド
75 ワイヤ
76 ボンディングホール
80、80a アンテナ
83 アンテナ線
84a、84b、85a、85b 被覆領域
91、91b、91c 第1凹部
91a 底面
92 第2凹部
93 外周
93a、93b 辺
94、94a、94b 第3凹部
95、95a、95b 第3凹部
95c 底面
100、100a 端部
110、110a、110p、110q、110r、110s、110t、110u、110v 第1プレート
111 第1導電部材
112 第2導電部材
113、114、123、124 貫通孔
120、120a、120p、120q、120r、120s 第2プレート
200 エンドミル

Claims (11)

  1. 外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカードであって、
    凹部を備えたカード基体と、
    前記カード基体の内部に配置され、アンテナ線および複数のプレート状の端部を備え、前記アンテナ線の複数の先端および前記複数の端部が、それぞれ電気的に接続されているアンテナと、
    ICチップおよび当該ICチップと電気的に接続された複数の端子を有するICモジュールと、を備え、
    前記凹部において、前記複数の端部が少なくとも部分的に前記カード基体から露出しており、
    前記複数の端部は、第1の導電部材と、当該第1の導電部材よりも酸化し難い第2の導電部材と、が積層された構成を有し、
    前記先端および前記端子は、いずれも前記第2の導電部材と電気的に接続される、デュアルインターフェースICカード。
  2. 前記凹部は、前記カード基体の表面からの深さが第1の深さである第1の凹部と、当該第1の凹部よりも中央側に形成され、前記第1の深さよりも深い第2の深さである第2の凹部と、を含み、
    平面視において、前記複数の端部は前記第2の凹部の外側の領域に配置されている、請求項1に記載のデュアルインターフェースICカード。
  3. 前記凹部は、前記第1の凹部と隣接し、かつ前記第2の凹部の外側の領域に配置され、前記第1の深さよりも深く、かつ前記第2の深さよりも浅い第3の深さである第3の凹部をさらに備え、
    前記第3の凹部において、前記端子と対向する前記端部が少なくとも部分的に前記カード基体から露出している、請求項2に記載のデュアルインターフェースICカード。
  4. 前記端部の互いに対向する両端が前記第1の凹部において前記カード基体の中に埋設され、
    前記第3の凹部において前記端部の前記両端に挟まれた部分が前記カード基体から露出している、請求項3に記載のデュアルインターフェースICカード。
  5. 前記端部に貫通孔が設けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のデュアルインターフェースICカード。
  6. 前記貫通孔は、前記端部のうち、前記端子と対向する部分を避けて設けられている、請求項5に記載のデュアルインターフェースICカード。
  7. 前記端部に貫通孔が設けられ、
    前記貫通孔は、前記端部のうち前記端子と対向する部分を避けて設けられており、かつ、前記端部のうち、前記カード基体の中に埋設された部分に設けられている、請求項4に記載のデュアルインターフェースICカード。
  8. 前記ICモジュールは、互いに対向する前記複数の端子および前記複数の端部が、異方性導電フィルムを介してそれぞれ電気的に接続される、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のデュアルインターフェースICカード。
  9. 前記異方性導電フィルムは、導電粒子としてはんだを含む、請求項8に記載のデュアルインターフェースICカード。
  10. 前記第1の導電部材は銅を含み、前記第2の導電部材は銀メッキを含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のデュアルインターフェースICカード。
  11. 外部機器との接触通信および非接触通信が可能なデュアルインターフェースICカードの製造方法であって、
    第1の基材、第2の基材、並びにICチップおよび当該ICチップと電気的に接続された複数の端子を有するICモジュール、を準備する工程と、
    前記第1の基材の一方の面に、アンテナ線および複数のプレート状の端部から構成されるアンテナを形成し、前記アンテナ線の複数の先端および前記複数の端部をそれぞれ電気的に接続する工程と、
    前記アンテナを挟むように前記第1の基材と前記第2の基材とを熱融着により、または接着剤を介して、積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体をカードサイズに打ち抜いてカード基体を形成する工程と、
    前記カード基体に、前記複数の端部が少なくとも部分的に露出するように前記ICモジュールを埋め込むための凹部を形成する工程と、
    前記ICモジュールを前記凹部に埋め込み、かつ前記複数の端子および前記複数の端部を互いに対向させて電気的に接続する工程と、を備え、
    前記複数の端部は、第1の導電部材と、当該第1の導電部材よりも酸化し難い第2の導電部材と、が積層された構成を有し、
    前記先端および前記端子を、いずれも前記第2の導電部材と対向させて前記端部と電気的に接続する、デュアルインターフェースICカードの製造方法。
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