JP4464519B2 - 光イメージング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体に低干渉性光を照射し、被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生体組織を診断する場合、組織内部の光学的情報を得ることのできる装置として、低干渉性光を用いて被検体に対する断層像を得る干渉型のOCT(オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ)が例えば特表平6−511312号に開示されている。
【0003】
上記特表平6−511312号では、生体組織の特定の深さから散乱・反射光を検出するため、リファレンスミラーを進退することにより得ている。さらに、生体組織内部の断層画像を構築するため、生体組織に照射する光ビームを走査し、前記リファレンスミラーの進退とを同期させることで断層像を構築している。
【0004】
また、“In vivo video rate optical coherence tomography”(A.M.Rollins et.a1,Optica1 Express Vo1.3,p219,1998)にOCTで干渉位置の高速走査を、参照側光路に設けたガルバノメータミラーを用いた群遅延機構による光ディレイラインで行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特表平6−511312号に開示された構成では、マイケルソン干渉系を用いている。また前述の“In vivo video rate opticalcoherence tomography”(A.M.Rollins et.a1)に同様にマイケルソン干渉系を用いてリアルタイムでの観察を実現している。
【0006】
しかし、マイケルソン干渉系を用いた場合、光カプラーの分岐比が1:1が最大の効率となるので、光源出力をPとし、被検体からの反射率をRとすると検出器に戻る光はP×R/4となる。参照側から検出器に戻る光量はミラーの反射率を1とするとP/4となる。ここで検出器に戻る光量は(P×R/4+P/4)である。しかし検出したい信号光は光ヘテロダイン検出のため、√(P×R/4×P/4)=P√(R/4)となり、生体では一般的にR≒10-4以下であるので、検出器に戻る光量に対し、信号が圧倒的に小さくなり、SN比を向上させることが困難である。また、生体からの微弱な反射光のうち75%を捨てていることになり、これもSN比を減衰する原因となる。
【0007】
そのため、マイケルソン干渉系を用いてSN比を向上させる方法として、特開平6−74710号公報では、参照側に減衰器を設け、信号光と同程度まで減衰させることで、検出器に戻る光量を調整する方法を開示している。しかし、同時にヘテロダイン検出光も減衰してしまうという問題がある。特開平6−74710号公報では、原理的にマイケルソン干渉系より優れた方式としてマッハツエンダー干渉系の例を開示している。しかし、ここで示されるマッハツエンダー干渉系は光路長可変手段としてコーナーミラーの移動で行う方法を示しているが、この方法では高速に深さ方向の走査を行い、リアルタイムでの観察を行うことは困難である。
【0008】
さらにマイケルソン干渉系では、光源に光源光が参照側から最大1/4戻ってくる。このような戻り光はSLD(スーパルミネセンスダイオード)などの低コヒーレンス光源を破壊する原因になり、光通信波長帯(1.3,1.55μm)以外の帯域では高価なアイソレータなどを通常用いる必要があるという問題がある。
【0009】
さらに、ファイバを用いたマイケルソン干渉系では、最大の干渉出力を得るには物体側と参照側の偏光を偏波コントローラなどを用いて一致させることが重要である。しかし、“In vivo video rate optical coherence tomography”(A.M.Rollins et.a1)に示されるような反射型の高速光デレイラインでは、回折格子などの偏光特性を有するデバイスを用いた場合、入射ファイバと出射ファイバが同一のファイバなので、参照側、物体側、更に両方に設けられた偏光コントローラの調整によっても、参照側の光効率の高さと、参照側と物体側の偏光特性の一致が両立するとは限らず、低干渉出力しか得られない可能性を有する。
【0010】
さらに、反射型の高速デイレイラインでは、可動ミラー以外のファイバ端や光学素子表面の反射も戻り光となるため、得たい信号光以外のノイズ光が発生し、SN比を劣化させる原因となる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高SNで高速なリファレンス走査手段を有すると共に、干渉系を安価に構成することのできる光イメージング装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光イメージング装置は、被検体に低コヒーレンス光を照射し、前記被検体において散乱した光の情報から前記被検体の断層像を構築する光イメージング装置において、
前記低コヒーレンス光を被検体に照射し、前記被検体において散乱した光を受光する光照射受光手段と、前記光照射受光手段と接続し、前記被検体において散乱した光と基準光とを干渉させるとともに、干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝播時間を変化させる伝播時間変化手段と、干渉光強度を干渉信号として検出する光検出器とを有し、前記光照射受光手段がマッハツェンダー干渉系の光路の片側に、前記伝播時間変化手段が前記マッハツェンダー干渉系のもう一方の光路に設けられ、前記伝播時間変化手段が、前記低コヒーレンス光の入射側に配置された第1の分散素子と、前記第1の分散素子を経た光が入射される第1のレンズと、前記第1のレンズのフーリエ平面に配置されたくさび型プリズムと、前記くさび型プリズムに対して前記第1のレンズの位置と共役な位置に配置された第2のレンズと、前記くさび型プリズムに対して前記第1の分散素子の位置と共役な位置に配置された第2の分散素子と、を有し、前記くさび型プリズムが、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの光軸から所定の距離だけ離れ、かつ、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの前記光軸に対して平行な回転軸を中心に回転する
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0014】
第1の実施の形態:
図1ないし図12は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は光イメージング装置の構成を示す構成図、図2は図1の透過型ディレイラインの構成を示す構成図、図3は図2のくさび型プリズムの第1の例を示す図、図4は図2のくさび型プリズムの第2の例を示す図、図5は図2のくさび型プリズムの回転手段を説明する図、図6は図2のくさび型プリズムの回転手段の変形例を説明する図、図7は図1の光カプラ、光走査プローブ、走査手段及び走査駆動装置の詳細な構成を説明する図、図8は図7のコネクタの接点部(プローブ側)の構成をを示す図、図9は図7の治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)によるOCT画像中のターゲットにレーザ治療・マーキングを行なう方法を説明する図、図10は図7の治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)によるOCT画像中のターゲットにレーザ治療・マーキングを行なう方法の流れを示すフローチャート、図11は図1の構成における透過型ディレイラインにより光伝播時間を変化させながら被検体の深さ方向に対応して得られた干渉信号を復調器で復調しADコンバータでコンピュータに取り込まれた信号の信号強度を示す図、図12は特に生体で効果的に図11の信号強度を補償する方法を示す図である。
【0015】
(構成)
図1に示される光イメージング装置は、Super LuminescentDiode(SLD)等の低コヒーレンス光源1を有している。この低コヒーレンス光源1の光は、その波長が例えば1300nmで、その可干渉距離(コヒーレンス長)が例えば15μm程度であるような短い距離範囲のみで干渉する低コヒーレンス性を有している。つまり、この光を例えば2つに分岐した際、再び混合した場合には、分岐した点から混合した点までの2つの光路長の差が15μm程度である場合にのみ干渉するという特性を示す。
【0016】
低コヒーレンス光源1からの光は第1のシングルモードファイバ(以下SMF)2に導光され、光カプラ3により第2のSMF4と第3のSMF5に分岐される。この光カプラ3は第1のSMF2の光を第2のSMF4と第3のSMF5に(1−α):αの比率で分岐する。第3のSMF5に導光された光は光カプラ6により略半分が第5のSMF21aに導光され、走査手段19を経由し、第5のSMF21bの他端に伝送される。第5のSMF21bに導光された光は、光走査プローブ20に伝送され、光走査プローブ20先端部から生体組織162に出射し、生体組織162からの反射光の一部が再び光走査プローブ20に戻り、戻り光は第5のSMF21b、21aを通して再び光カプラ6により分岐され、第4のSMF13に導光される。
【0017】
また、第2のSMF4に導光された光は偏波面コントローラ(以下PC)7を通り、入射SMF8を経由して透過型ディレイライン9に導光される。透過型ディレイライン9は入射SMF8から出射SMF10までの光路より生じる光遅延時間をディレイライン制御回路26により制御可能なものである。透過型ディレイライン9を通過し出射SMF10に導光された光はPC11を通して第6のSMF12に導光される。第4のSMF13と第6のSMF12に導光された光は光カプラ14によって略均等にSMF15とSMF16に分岐されそれぞれフオトダイオードなどで構成されるディテクタ17とディテクタ18に入力され、光強度が検知される。ディテクタ17とディテクタ18で得られた光信号は差動アンプ23により増幅される。差動アンプ23ではディテクタ17の出力とディテクタ18の出力を差分し、増幅するため、干渉信号は2倍に増幅され、それ以外の同相光雑音はキャンセルされる。差動アンプ23の出力は、復調器24により復調されADコンバータ25によりデジタル化されコンピュータ27に取り込まれる。
【0018】
また、走査手段19は走査駆動装置22によって光走査プローブの生体に対する光の出入射位置258を走査することができる。
【0019】
図2に示すように、透過型ディレイライン9では、入射SMF8端より出射した光はコリメータレンズ29により平行光にされ、回折格子31に入射する。回折格子31に入射した光は、各波長に分光されレンズ32に入射する。レンズ32に入射した光のフーリエ面にくさび型プリズム33が設けられている。また、くさび型プリズム33に対しレンズ32と回折格子31に共役な位置にレンズ34と回折格子35がそれぞれ設けられている。くさび型プリズム33から出射した光はレンズ34により回折格子35上に集光し、分光された光44が回折格子35によって再び一つの平行光になり、コリメータレンズ36によりファイバ端37に集光され、出射SMF10に導光される。
【0020】
回折格子31により分光された光の中心波長の光の光路がレンズ32、レンズ34の光軸48に設定されている。くさび型プリズム33は頂角φを有し、光軸48に垂直な面に対称な形状である。くさび型プリズム33は光軸48に対し平行にY0離れた回転軸47を中心に回転する。くさび型プリズム33の回転により、回折格子35上に集光する光束44は、光束45の位置まで回転角に応じて移動する。
【0021】
また入射SMF8とコリメータレンズ29は一体で平行光の出射方向に平行に移動可能なコリメータステージ30上に固定されている。
【0022】
回折格子31により分光した光はレンズ32によりくさび型プリズム33上に平行に投影される。
【0023】
くさび型プリズム33は、プリズムの屈折率n、頂角φ、くさびの回転角αより回転軸47からの距離Yに応じて
φ(Y)=(2π/λ)・Y・(n−1)tanφcosα
の位相変化を与える。
【0024】
また、波長λ=λ0の光がクサビ形状プリズムを通る位置をY0とし、レンズ32の焦点距離をf、回折格子ピッチをNとすると、波長λ=λ0+Δλの光がクサビ形状プリズム33を通る位置 Y(λ)は、
Y(λ)=Y0+ΔY(λ)
=Y0+f・N・Δλ/cosθ
従って、
φ(λ)=(2π/λ0)・(Y0+f・N・Δλ/cosθ)・K・cosα
ただし、K=(n−1)tanφ
となる。
【0025】
波長λの光を角振動数ωで置き換えると
φ(ω)=Y0・K・ω・cosα/c−2π・K・f・N・cosα・(Δω/ω0)
ただし、cは真空中での光の速度である。
【0026】
ここで、群遅延距離
Lg=c×Tg(Tgは群遅延時間)
=c×dφ(ω)/dω|w=w0
= K・Y0・cos α−K・f・N・λ0・cos α
になる。
【0027】
ここで、クサビ形状プリズム33を回転させる(αを変化させる)とcosαの値が−1から+1まで変化するので、群遅延距離は、
2K|f・N・λ0−Y0|
の幅で変化することになる。これは、サンプル側の干渉する位置を
ΔLs= K|f・N・λ0−Y0|
だけスキャンできることを意味している。
【0028】
一方、中心波長での光路長変化(位相遅延距離)
Lp=c×Tp(Tpは位相遅延時間)
=c×φ(ω0)/ω0
=K・Y0・cosα
クサビ形状プリズム33を回転させると光路長Lpが時間的に変化するので、ドップラーシフトが発生し、光の中心周波数がシフトする。
【0029】
光の中心周波数のシフト量ΔFは
ΔF=(1/λ0)・dLp/dt(t:時間)
ここで、Y0≠0のときには、サンプル側と参照側の光を干渉させた場合、ΔF=(1/λ0)・|dLp/dt|のビート信号が選られ、これを干渉信号の変調周波数として用い、このビート周波数で復調器24で復調することにより、光ヘテロダイン検出による高S/Nの検出が可能である。
【0030】
また、光走査プローブに長さによるバラツキがあった場合や、くさび型プリズム33による可変範囲を超えて観察したい場合にはコリメータステージ30を移動することで光路長を調整することができる。
【0031】
また、通常回折格子31とレンズ32および回折格子35とレンズ34の間隔l0はおおよそfであるが、物体側と参照側に用いられているSMFの長さと空気中光路の長さが異なる場合、SMFの分散によりコヒーレント長が長くなることがある。
【0032】
これを間隔l0と回折格子31への入射角θgrating-in39と回折格子35への入射角θgrating-out43を調節することにより、SMFによる分散を補償することができる。
【0033】
また、図2の回折格子31、35を他の分散素子に置き換えても同様に構成することが可能である。
【0034】
図3及び図4はくさび型プリズム33の例を示す。図3は回転軸47に対して、対向した斜めに研磨された平面73a、73bから成る。73a、73bのいずれかが光軸に垂直でも構わない。
【0035】
図4は対向した斜面の組74a,74bおよび75a,75bからなる。このように面を分割し対向した面の数を倍に増やすことによって、プリズム一回転あたりの深さの走査回数を往復2回→4回に増すことができ、さらに深さ方向の走査速度を増すことができる。この効果は、面の数を増す毎に増すのは当然である。
【0036】
ここで、図5を用いて、上記くさび型プリズム33の回転手段について説明する。図5に示すように、くさび型プリズム33はプリズム台49およびプリズム押さえ50に挟まれ固定されている。プリズム台49はペアリング51a、51bにより回転自在にハウジング52に保持されている。ハウジング52は図示しないディレイライン光学系の支持台に固定・位置決めされている。プリズム台49には歯付プーリ56aが設けられ、歯付ベルト53と噛合している。また歯付ベルト53の他端には歯付プーリ56bが設けられ、プーリはエンコーダ57付きのモータ55に接続される。また、歯付プーリ56aには遮光板58が設けられフォトインタラプタ54で遮光板の位置を検出できる。
【0037】
モータ55により歯付プーリ56bが回転され、歯付ベルト53により歯付プーリ56aに伝達されプリズム台49が回転し、くさび型プリズム33が回転軸47を中心に回転する。モータ55の回転速度はエンコーダ57で検出され定速に制御される。また遮光板58をフォトインタラプタ54で検出することで回転の原点位置を検出し、さらに遮光板58の位置からのくさび型プリズム33の回転角をエンコーダ57で検出しプリズムの現在の回転角を得る。
【0038】
プリズムの回転角を正確に知ることができるため、走査位置と得た干渉信号を正確に対応できる。安定して回転できるため、光路長の変化によるドップラー周波数を正確に制御できる。
【0039】
なお、くさび型プリズム33の回転手段は図5の構成に限らず、例えば図6に示すように構成してもよい。すなわち、図6に示すように、くさび型プリズム33は、内輪59、ハウジング62、内輪に設けられた永久磁石61、ハウジング62に設けられたコイル63、内輪59をハウジング62に対して回転自在に保持するペアリング60a、60bからなる中空ブラシレスモータの内輪59に保持・固定されている。このモータを回転することによりモータの回転軸47を中心にくさび型プリズム33を回転することができる。このモータの内輪に図示しない小型磁石またそれに対向して図示しないホール素子を用いてエンコーダを構成し、回転速度の制御を行うことができる。また図5の遮光板58とフォトカプラ54、または内輪に設けられた明暗のバターンとそれを検出する反射型フォトインタラプタによりくさび型プリズム33の回転原点を検出することができる。
【0040】
図6の構成の場合、図5の効果に加え、最大で毎分6万回転回転でき、高速な走査が可能になる。これにより、体動を防ぐことが困難なため生体への適応で重要な、リアルタイムで情報を得ることが可能になる。また、ディレイラインの小型化が可能となる。
【0041】
続いて、図7を用いて、図1の光カプラ6、光走査プローブ20、走査手段19、走査駆動装置22の詳細な構成を説明する。なお、図7において、光カプラ6はコリメータレンズ78a、78b、78c及びPBS79により構成され、走査手段19は回転ミラー88、モータ89及びエンコーダ93により構成され、走査駆動装置22は3相駆動ドライバ102により構成される。
【0042】
第3のSMF5より入射された光は偏波コントローラ(PC)76により紙面の上下方向の直線偏光に変換され出射端77に導かれ、コリメータレンズ78aにより偏光ビームスピリッタ(PBS)79に入射される。PBS79は紙面の上下方向の直線偏光は反射せず、透過させるようになっており、PBS79を透過した光はコリメータレンズ78bによりSMF21aを構成する第1の偏波面保存ファイバ(PMF)80に入射される。
【0043】
なお、上記の偏波面保存ファイバ(PMF)は、2つの直交する偏波面を保存したまま伝搬可能なファイバである。
【0044】
第1のPMF80はコネクタ82で第2のPMF81に接続される。コネクタ82では直交する偏波面を保存したまま接続されるように偏波面の向きが整合されており、第2のPMF81でも紙面に上下方向の直線偏光が維持されている。細い管状のプローブの先端に設けられた第2のPMF81端にはGRIN(屈折率分布型)レンズ85と1/4波長板86が設けられており、レンズワク87により光透過性のシース92に固定されている。第2のPMF81より出射した直線偏光は1/4波長板86により円偏光に変換される。GRINレンズ85と1/4波長板86より出射した光は、回転ミラー88によりプローブ側方に導光されシース92を透過して焦点96に集光する。また、焦点96近傍に位置する被検体からの反射・散乱光は再び回転ミラー88により1/4波長板86とGRINレンズ85を経て第2のPMF81に導光される。この時、被検体からの反射・散乱光は円偏光であり、1/4波長板86を透過する際に、紙面に垂直な直線偏光に変換される。ここで、1/4波長板86の代わりに偏波面を45°回転させるファラデー回転子(Faraday Rotator)などの旋光性素子を用いても同様の効果が得られる。
【0045】
第2のPMF81は紙面に垂直な直線偏光も保存して伝搬可能であり、紙面に垂直な直線偏光である被検体からの反射・散乱光は第2のPMFからコネクタ82を介して偏波面を維持したまま第1のPMF80に伝搬される。第1のPMF80から出射した紙面に垂直な直線偏光はコリメータレンズ78bによりPBS79に入射する。PBS79は紙面に垂直な直線偏光のみを図下方に反射するようになっており、第1のPMF80から出射した光は、コリメータレンズ78cを用いて第4のSMF13の端部83に入射し、PC84により直線偏光から任意の偏光に変換され、第4のSMF13を伝搬する。
【0046】
また、回転ミラー88は回転位置を検出するエンコーダ90を持つモータ89の軸に接続され、モータ89により回転することができる。モータ89、エンコーダ90は先端キャップ91に固定され、更に先端キャップ91は糸巻接着部93によりシース92に固定されている。モータ89の回転により回転ミラー88が回転し、光源からの光の出射および被検体からの反射・散乱光の受光の方向を円周状に走査することができる。
【0047】
モータ89はブラシレスDCモータであり、3相駆動ドライバ102で駆動制御される。モータ89と3相駆動ドライバ102は3本の駆動ケーブル98a、b、99a、b、100a,bで接続され、それぞれのケーブルはコネクタ82で接続されている。またエンコーダ93と3相駆動ドライバ102は信号ケーブル101a,bで接続されており、信号ケーブルには、A,B相およびZ相(1回転1パルス)の信号がある。3相駆動ドライバはエンコーダ93の信号により回転ミラー88を一定回転し、同時に回転の位相情報を出力する。また、エンコーダ93がなくともモータ回転は3相の駆動信号を制御することによっても、安定して回転できる。モータの回転位相情報は図1のコンピュータ27に入力される。
【0048】
また、治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)94が設けることができ、そのレーザ光はレーザ用マルチモードファイバ95aおよび95bによりプローブ先端の第2のPMF81の出射端と近接して設けられる。レーザ光はGRINレンズ85、回転ミラー88により、第2のPMF81の出射光の焦点96の近傍に焦点を持つように、マルチモードファイバ95bの出射端は位置決めされている。レーザの出射はコンピュータ27からの司令に基づき、タイミング回路97により制御される。
【0049】
図8にコネクタ82の接点部(プローブ側)を示す。第2のPMF81端部およびマルチモードファイバ95bは正確な位置決めのため勘合する位置決め手段103a,bが設けられている。またコネクタ82は横長形状であるため、第1のPMF80と第2のPMF81の偏波面を一致させることができる。
【0050】
また、コネクタ82には、光走査プローブのコネクタ82へ接続を検知する接続検知手段264が設けられ、接続検知信号266が出力されている。また、3相駆動ドライバからは、エンコーダ90または駆動信号からモータ89の走査が一定以上の回転になったことを検知した、走査検知信号267が出力されている。接続検知信号266および走査検知信号267は判定回路265に入力している。接続検知信号266がONになると判定回路265から走査許可信号270が3相駆動ドライバ270に入力され、回転走査が開始する。さらに接続検知信号266および走査検知信号267の両方がONになると、低コヒーレンス光源1に低コヒーレンス光源出射許可信号269が、またLD94にレーザ駆動許可信号268が入力される。LD94はタイミング回路97がからレーザ出射が司令されても、レーザ駆動許可信号268が入力されていない場合は出射しない。
【0051】
プローブが観測装置に装着され、回転走査が行われている時のみ低コヒーレンス光源を駆動することで、低コヒーレンス光源の寿命を延ばすことができる。
【0052】
また、プローブが観測装置に装着され、回転走査が行われている時のみレーザ光を駆動することで、ファイバや光学部品の熱等による光学系の損傷を防止することができる。
【0053】
さらに、先端モータによる回転のため、フレキシブルシャフトを用いる方式に対してコネクタ部を簡単に構成できる。また、フレキシブルシャフトとシース間の摩擦などの変動負荷がないため、回転を安定させることができる。
【0054】
また、信号用シングルモードファイバ(SMF)では伝達できない強力な治療用のレーザ光を導光することができる。
【0055】
さらに、通常の光カプラを用いる場合には、プローブヘの導光、またプローブからの戻り光の伝送にそれぞれ1/2、合 計3/4の損失が避けられないが、偏波コントローラ、PBS、PMF、1/4波長板(または旋光子)の組み合わせにより、高効率で伝送が可能である。
【0056】
また、プローブ内で光伝送にPMFを用いることにより、プローブの湾曲によってファイバ内の偏光状態が変化し、検出に影響を与えることがない。
【0057】
図9を用いて、図7の治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)94によるOCT画像中のターゲットにレーザ治療・マーキングを行なう方法を説明する。
【0058】
図9に示すように、回転ミラー88の回転を停止してディレイライン9により伝搬時間を変化させると、プローブから出射したビームの深さ方向の1次元的な情報が干渉信号として得られる。それを連続的に回転ミラー88を回転させながら高速に深さ方向に走査し、その情報を円周状に表示すると符号109のような画像が得られる。回転中心○から放射状に延びる直線が回転ミラー88がその方向に向いた位置での深さ方向の情報を示す。
【0059】
図9を参照し、図10を用いて画像上に表示された患部105をレーザ焼葯する場合の手順を説明する。ステップS1で、術者がモニター上で患部105を特定し、レーザ照射範囲106をマウス・トラックボール等の入力装置でコンピュータ27に指示する。
【0060】
次に、ステップS2で、コンピュータがレーザを照射すべき回転ミラー88の角度範囲θareaを算出し、タイミング回路97に司令を出す。
【0061】
そして、ステップS3で、回転ミラー88の角度がθareaになったら、タイミング回路97がレーザダイオード(LD)94を駆動し、レーザを患部に照射する。
【0062】
また、マーキングを行なう場合、術者がモニター上でマーキングしたい方向を入力手段によりマーカ107で指示する。前記同様にレーザ出射角度θを算出し、光出射方向が直線108の方向になったら、タイミング回路97によりLD94を駆動し、レーザを患部に照射し、マーキングする。
【0063】
画像上で正確に治療範囲・マーキングの位置を正確に位置決めすることで、治療の確度向上、マーキングガイドによる生検の精度向上を行える。
【0064】
図11に図1の構成で、透過型ディレイライン33により光伝播時間を変化させながら、被検体の深さ方向に対応して得られた干渉信号を復調器24で復調し、ADコンバータ25でコンピュータ27に取り込まれた信号183を示す。図10の横軸にプローブ表面からの距離(プローブと被検体が接触している場合被検体の表面からの深さ)が示され、縦軸に信号強度を対数で表示される。被検体からの反射・散乱は、被検体からの深さと被検体の主として散乱係数(副次的に吸収係数等の光学特性)に関連する係数の積に対して指数関数的に減衰する。図11の縦軸は対数で表示されているため、指数関数的な減衰は、被検体の散乱および吸収係数に関連する係数の積に比例する傾きを有する直線で示される。
【0065】
図11に示されるように、深さ2mmまでは緩やかな減衰183aであるが、深さ2mmから3mmは例えば被検体が生体である場合、上皮組織から粘膜下組織への移行によって大きな減衰183bに変化し、同様に深さ3mmから4.5mmでは極めて小さな減衰183c、4.5mm以深では中程度の減衰183dへと変化する。
【0066】
このような減衰のある場合、走査面を図9に示すように2次元的に表示する場合、この信号強度をそのまま画像上の濃淡、例えば強度の高いところを明るく表示すると、当然浅いところは明るく、深いところは暗くなり、画像上に表示された微細な構造による明暗が観察しにくくなる。
【0067】
これを補償するひとつの方法として直線184に示されるように、全体の減衰を一定として想定し減衰を補償する方法も考えられるが、被検体、特に生体では183b〜183dに示されるように深さに応じて減衰量が一定でないので補償が効果的にならない。また生体では減衰量は部位、固体差があるので補償量は一定にならない。
【0068】
図12に特に生体で効果的に信号強度を補償する方法を示す。図12に示されるように、各深さを全走査範囲に対して数点に均等分割(図では1mm毎)し、各点での補償量を操作者が例えば観測装置に設けられたレバーにより補償値(図では0.7〜6:符号187a〜187e)を観測画像を見ながら設定する。その補償値に対応するゲイン値(図では3.5dB〜30dB)を対数上で加算する、または図1の復調器24のゲインをゲイン値に対応して変化させることにより、符号185で示されるように信号を略一定に補償でき、それにより微細な構造による明暗が観察しやすくなる。
【0069】
つまり、簡便に被検体内部の散乱等光学特性の不均一性に対応して減衰を補償し、微細な構造による明暗の変化を観察しやすくする。
【0070】
(作用)
次に、このように構成された本実施の形態の作用について、図1を参照して説明する。
【0071】
光カプラ3から光カプラ6を経由し光走査プローブ20を通り、生体組織の特定の点(観察点257)から反射され再び光カプラ6に戻り、第4のSMF13を通り、光カプラ14に至る光路の光遅延時間と、光カプラ3から透過型ディレイライン9を経由し光カプラ14に至る光路の光遅延時間の差に対応する光路長差がコヒーレント長以内になると干渉を生じる。その干渉信号をディテクタ17、18、差動アンプ23、復調器24、ADコンバータ25によりコンピュータ27に取り込む。ディレイライン制御回路26により透過型ディレイライン9の光遅延時間を変化させると、対応して観察点257が光走査プローブの光出入射方向に対して移動する。観察点257を連続的に移動することにより生体組織162の深さ方向の反射強度の1次元的な情報を得ることができる。また、走査駆動装置22により光の出入射位置258を走査することによって深さと走査方向の2次元の画像を得ることができる。これをコンピュータ27により再構築し、モニタ28に表示することができる。
【0072】
(効果)
このように本実施の形態では、マッハツエンダー干渉系にすることにより、反射光の微弱な物体側に多くの光源を分配でき、SN比に大きく影響する物体側からの信号光を大きくでき、分配比を最適化することでSN比を向上できる。さらに、差分検出によってヘテロダイン信号以外の成分を除去でき、SN比を向上できる。
【0073】
また、光源への戻り光が小さいため、高価なアイソレータが不要であり安価にできる。
【0074】
さらに、透過型ディレイラインにすることによってディレイライン内部の光学素子による反射が干渉信号に影響しなくなり光ノイズが減り、SN比が向上する。
【0075】
また、透過型ディレイラインの入射側と出射後に偏波面コントローラを設けることで、透過型ディレイラインが偏光特性を有しても、入射側では透過型ディレイラインの偏光特性に合わせるように偏波面コントローラを調整し、出射側では物体側の偏光特性に合わせるように偏波面コントローラを調整することで、透過型ディレイラインの光効率を犠牲にせず、物体側と参照側の偏光特性を一致させ、高い干渉出力を得ることができる。
【0076】
第2の実施の形態:
図13及び図14は本発明の第2の実施の形態に係わり、図13は光イメージング装置の構成を示す構成図、図14は図13の透過型ディレイラインの構成を示す構成図である。
【0077】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0078】
(構成・作用)
本実施の形態の光イメージング装置における図1との相違点は、図13に示すように、第4のSMF13と光カプラ6の間に、偏波面コントローラ(PC)70、および音響光学変調素子(AOM)64が設けられ、またPC11と第6のSMF12の間にAOM65とPC68が設けられている点である。
【0079】
また、透過型ディレイライン9の構成を図14に示す。図2の構成との相違は、図2では光学系の光軸48と、くさび型プリズムの回転軸47が距離d離れており、その相違により光路長の変化によるドップラー周波数が生じ、光ヘテロダイン周波数が生じていたが、図14の透過型ディレイライン9では、回転軸47と透過型ディレイライン9の光軸が一致しているため、ドップラー周波数が生じない。
【0080】
図13の構成では、光ヘテロダイン周波数は物体側光路のAOM64と参照側AOM65の駆動周波数の差で得られる。また、AOM64またはAOM65の片方だけ(AOMは透過効率が低いため、望ましくはAOM65)を使用し、その駆動周波数を光ヘテロダイン周波数とすることもできる。
【0081】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、図2のディレイラインで得られるドップラー周波数は回転角によって変化するが、図13の構成ではAOMの駆動周波数を制御することにより一定にできる。そのため検出の周波数帯域を絞ることができ、検出のSN比を向上させることが可能である。
【0082】
第3の実施の形態:
図15は本発明の第3の実施の形態に係る光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図である。
【0083】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0084】
(構成・作用)
本実施の形態では、図15に示すように、図7の構成との相違は、第1に図7における走査手段では回転ミラー88をプローブ先端に設けられたモータ89で駆動しているのに対し、図15における走査手段ではペアリング119で支持された回転シャフト115により駆動しており、モータ89およびエンコーダ90をプローブ側でなく、装置本体側に設けていることである。モータ89の回転は装置側の着脱コネクタ110に設けられたカプラ受け112と、着脱コネクタ110のプローブ側に設けられたカプラ111により、カプラ111に設けられた伝達ビンを介して、回転シャフト115伝達される。カプラ111は着脱コネクタ110にペアリング113により回転自在に保持されている。
【0085】
第2の相違は、図7では回転ミラー88と、GRINレンズ85と1/4波長板86が対向して配置していたが、図15では平行に配置されるために、光路を折り返すための直角プリズム117と、1/4波長板86と、2分割されたGRINレンズ116a,116bを先端キャップ118に設けている点である。それ以外は図7と同様である。
【0086】
なお、以上の、図15で示されたPMFの代わりにSMFを用いることも当然可能である。
【0087】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、モータおよびエンコーダをプローブ側でなく装置本体側に設けることで、プローブを安価に製造可能となり、かつ、信号用シングルモードファイバ(SMF)では伝達できない強力な治療用のレーザ光を導光することができる。
【0088】
また、プローブ内で光伝送にPMFを用いることにより、プローブの湾曲によってファイバ内の偏光状態が変化し、検出に影響を与えることがない。
【0089】
第4の実施の形態:
図16ないし図18は本発明の第4の実施の形態に係わり、図16は光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図、図17は図16の走査手段の変形例の構成を示す図、図18は図16、図17のGRINレンズを光軸方向から見た図である。
【0090】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0091】
(構成・作用)
第3の実施の形態との相違は、図16に示すように、回転ミラー88の代わりに回転プリズム121を設け、その裏面に誘電多層膜などの反射コートを設けた反射面122を設けていることである。
【0092】
この場合、第3の実施の形態の図15で示した光路を折り返すための直角プリズム117のような手段が不要で、回転プリズム121および回転シャフト115を回転自在に支持するペアリング119を支持する固定部材125に図1で示される第4のSMF21およびGRINレンズ120を設け、GRINレンズ120から出射した光は反射面122で反射して、端部を半球状に加工された光透過性の先端キャップ129を透過して焦点96に集光する。
【0093】
被検体からの反射散乱光は逆に光路を進み、第4のSMF21に入射する。ここで、第4のSMF21端部およびGRINレンズ120の入射面124aと、GRINレンズ120の出射面124bは界面反射による戻り光を防止するため略平行に光軸に対し斜め研磨されている。また、回転プリズム121の入射面123も同様の理由で光軸に対し斜め研磨されている。
【0094】
また、図17は、本実施の形態の変形例であって、図15の回転プリズム121の代わりに回転シャフト115側に反射面128を設けた回転ミラー127を設けて構成される。回転ミラーの位置を保持するために、フランジ形状の滑り部材126が設けてある。
【0095】
また、図18は、図16、図17のGRINレンズ120を光軸方向から見た図であり、十分なNAを確保したままプローブの径方向に対して小型に配置するために、上下方向を平らに研磨し、偏平形状にしている。
【0096】
(効果)
このように本実施の形態では、第3の実施の形態の効果に加え、光路を折り返す必要性がないため、プローブ先端部を細径化でき、また先端硬質長を短縮できる。
【0097】
第5の実施の形態:
図19及び図20は本発明の第5の実施の形態に係わり、図19は光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図、図20は図19のA−A線断面を示す断面図である。
【0098】
第5の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0099】
(構成・作用)
第1ないし第4の実施の形態では、光走査プローブ先端に設けられた回転ミラー等の光学素子の回転により、円周状に光ビームの走査を行い、また円周状の画像を得るものであったが、本実施の形態は光学素子を直線状に移動することによりプローブ側方の画像を得るものである。
【0100】
すなわち、本実施の形態の光走査プローブでは、図19に示すように、第1のPMF80の端部は進退シャフト132のファイバ接続部137に固定され、第2のPMF82の一端はファイバ接続部137と対向するフェルール13Bに固定されている。ファイバ接続部137とフェルール138は着脱可能でかつ円柱状の側面で勘合されており、その位相関係は回り止め139と回り止め受け140により保たれている。ファイバ接続部137とフェルール138は接続シャフト144に設けられ軸142を支点として回転可能な取付レバー141と、取付レバー141先端に設けられたツメ151と、進退シャフト132に設けられツメ151と懸合する凹部152と、バネ143により、着脱可能である。取付レバー141は図示しないバネにより軸142を支点として進退シャフト132に対して圧接されている。また接合時にはファイバ接続部137とフェルール138がバネ143の弾性力により圧接し、第1のPMF80と第2のPMF82が、偏波面を保持しながら確実に接合される。
【0101】
第2のPMF81の他端はレンズ枠156に保持され、GRINレンズ85に接続される。GRINレンズ85には1/4波長板86、プリズム157が接合されており、第2のPMF81から出射した光はGRINレンズ85により集光され、1/4波長板86を透過し、プリズム157で側方に反射され、光透過性のシース147を透過して焦点96に集光する。
【0102】
被検体を反射・散乱した光は、逆の光路を通って第2のPMF81に導光される。レンズ枠156は、望ましくは多層多条の金属コイルで構成される中空のフレキシブルシャフト148の一端に固定され、フレキシブルシャフト148の他端は接続シャフト144に固定されている。また、シース147の端部はコネクタハウジング145に固定されている。
【0103】
コネクタハウジング145は、装置側に設けられた回転リング153に取付ナット146により着脱自在に取り付けられる。コネクタハウジング145と回転リング153には図示しない回り止めの突起と対応する凹部がそれぞれ設けられている。
【0104】
回転リング153は観測装置ハウジング154に回転自在に保持されている。回転リング153と観測装置ハウジング154の間には圧縮されたOリングによる摩擦部材155が設けられ、手動で回転リング153を回すことはできるが、シース147がねじられた程度のトルクが伝達されて回転しない様に設定されている。
【0105】
この回転リング153を回転することで、シース147及びフレキシブルシャフト148を任意の方向に回転させることができる。シース147は、内視鏡の鉗子挿通穴に挿通した場合など摩擦により先端はほとんど回転できないが、フレキシブルシャフト148はシース内に摩擦の小さい状態で保持されているので、自在に回転可能である。
【0106】
また、進退シャフト132は、回転リング153に設けられたリニアペアリング133と進退シャフト132に設けられたV字溝134により、図の左右に摺動自在である。この摺動部のA−Aで示される断面を図20に示す。
【0107】
リニアペアリング133のボールとV字溝134により、図19の左右方向には摺動自在であるが、図20の回転方向には規制されている。
【0108】
また、進退シャフト132の端部はペアリング131により回転自在に駆動軸136に接続され、駆動軸136は駆動軸136を左右方向に移動させるリニア駆動ステージ135に接続されており、その駆動位置はコンピュータ27により制御される。
【0109】
コンピュータ27により駆動制御信号がリニア駆動ステージ135に送られ、その移動は駆動軸136とペアリング131により進退シャフト132に伝達される。また、進退シャフト132の左右への移動はフェルール138、バネ143、取付レバー141、接続シャフト144、フレキシブルシャフト148に伝達され、最終的にはレンズ枠156、GRINレンズ85、1/4波長板86、プリズム157からなる先端光学ユニットを左右に移動させ、観察光を左右に走査し、ディレイライン9による深さ方向の走査と合わせ、深さ方向と横方向の2次元的な画像化を可能にしている。
【0110】
この先端部の走査範囲158は、リニア駆動ステージヘの制御入力により規制されると共に、コネクタハウジング145に設けられた突起150と、接続シャフト144に設けられた規制部材149a、149bによっても規制されている。
【0111】
これらの制御的および機械的規制は、シース147の湾曲による、シース147とフレキシブルシャフト148の相対的進退の影響を含めても、プリズム157がシース147先端に接触しないように設定されている。また、制御的規制の範囲は機械的な規制の範囲内に設定されている。また、上記機械的規制部材はプローブコネクタのみならず、観測装置本体側の進退シャフト132と回転リング153との摺動範囲を規制したり、プローブ先端のシース147およびレンズワク156に機械的規制部材を設けてもよいことは自明である。
【0112】
また、上記走査範囲で移動しても、第1のPMF80に過剰な張力がかからない様、たるみループ130が設けられている。
【0113】
以上の、図19で示されたPMFの代わりにSMFを用いることも当然可能である。また、その場合には1/4波長板86を除くことができる。
【0114】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、機械的規制手段を持つことにより、プローブ先端にあるプリズム等の光学素子がシース内部に当たり、破損、光学的劣化をするのを防止する。特に、コネクタ側に規制手段を設けた場合、観測装置本体から取り外した場合に移動するのを防止できる。
【0115】
また、リニア走査において、フレキシブルシャフトを希望の方向に回転し、保持できるため、プローブが内視鏡の鉗子口など摩擦の大きいものに挿入されていても、走査平面を希望の位置に設定できる。
【0116】
なお、図19の構成では、プローブ全体とフレキシブルシャフトを一体に回転する構成になっているが、プローブのシースの回転を固定し、フレキシブルシャフトのみが回転するような構成にしても、同様に走査平面を希望の位置に設定でき、図19の構成と同様の効果を有する。
【0117】
第6の実施の形態:
図21ないし図25は本発明の第6の実施の形態に係わり、図21は光イメージング装置の要部の構成を示す構成図、図22は図21の光走査プローブの第1の変形例を説明する図、図23は図21の光走査プローブの第2の変形例を説明する図、図24は図21の光走査プローブの第3の変形例を説明する図、図25は図24の固定ミラーを含む光軸に沿った断面を示す断面図である。
【0118】
第6の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0119】
(構成・作用)
図21に示すように、本実施の形態では、図1の光カプラ6の代わりに光サーキュレータ159が設けられている。光サーキュレータ159は、第3のSMF5からの光を高い効率で第7のSMF160に導光し、また第7のSMF160に伝送された光を高い効率で第4のSMF13に伝送し、また第3のSMF5と第4のSMF13が高度にアイソレートされているものである。
【0120】
光カプラ6を用いた場合、第7のSMF160に導かれた光が100%戻ってきたとしても、第4のSMF13に伝送されるのは第3のSMF5からの光の最大1/4であるのに対し、光サーキュレータ159を用いた場合、一般には効率を倍以上向上できる。
【0121】
光源光は第3のSMF5から光サーキュレータ159を通し、第7のSMF160に導光される。第7のSMF160端部から出射した光は、光走査プローブ内において、コリメータレンズ166a、偏光板167、コリメータレンズ166bを通り第3のPMF168に導光される。偏光板167と第3のPMF168の偏波面の一方は一致している。第7のSMF160端部およびコリメータレンズ166aは固定部材161に固定されており、偏光板167と第3のPMF168は回転体165に固定され、固定部材161と回転体165はペアリング163により回転自在に接続されている。
【0122】
この時、第7のSMF160から出射した光は円偏光になるように第7のSMF160に設けられた図示しない偏光コントローラ(PC)により制御され、第3のPMF168に安定した光量が伝送されるようになっている。
【0123】
また、光走査プローブでは、回転体165はベルト164により回転駆動することができるようになっている。第3のPMF168は、第4のPMF169と第3のPMF169の端部が固定されているカプラ171を介して着脱可能に接続されている。回転体165とカプラ171から構成されるコネクタ部170には図示しない着脱用ネジと回転規制部材が設けられており、第3のPMF168と第4のPMF169の偏波面が一致するように接続される。
【0124】
カプラ171には望ましくは多条多層のコイルからなるフレキシブルシャフト148が接続され、第4のPMF169の他端およびそれに密着して設けられたGRINレンズ85・プリズム157はフレキシブルシャフト148の他端とともにレンズワク156に接続・固定される。またフレキシブルシャフトおよびGRINレンズ85などの光学部材は光透過性のシース147の内部に回転自在に設けられている。
【0125】
第3のPMF168に導光された光は、コネクタ部170で偏波面を保存した状態で第4のSMF169に伝送されプローブ先端部でGRINレンズ85により集光され、プリズム157により略直角に方向を転換し、プローブの側方に光を出射する。ベルト164の駆動力により回転体165が回転し、その回転がコネクタ部170によってフレキシブルシャフト148に伝達され第4のPMF169、GRINレンズ85、プリズム157が一体的に回転し、光の出射方向が走査される。光の出射方向にある被検体からの反射・散乱光はプリズム157、GRINレンズ85によって第4のPMF169に導光され、第4のPMF169、第3のPMF168を伝送され、再びコリメータレンズ166b、偏光板167を通り、コリメータレンズ166aにより第7のSMF160端部に導光される。
【0126】
このとき第3のPMF168と偏光板167の偏波面は一致しているため、偏光の不一致により減衰することなく、第7のSMF160端部に伝送される。第7のSMF160に伝送された被検体からの反射・散乱光は光サーキュレータ159により第4のSMF13に伝送される。
【0127】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、プローブ内で光伝送にPMFを用いることにより、プローブの湾曲によってファイバ内の偏光状態が変化し、検出に影響を与えることがない。
【0128】
なお、図21のフレキシブルシャフト148の代わりに、図22に示すように、コア172とクラッド173からなる光ファイバの外側に、光透過性のシース175と回転摺動性が向上するように凹凸が設けられた、また回転力が伝達可能なように高剛性の繊維入りポリマーなどで構成されたジャケット174を設けてもよい。コアと直接溶融された球状のレンズ176の一部に反射膜コーティングを施した反射面177を設けている。ファイバのコア172より出射した光は反射面177により略直角に曲げられ、球状のレンズ部176により、集光点96に集光される。ファイバはPMFでもSMFでも可能である。
【0129】
図22のように構成することで、部品点数が少なく、組立部分も少なく安価に製作可能となる。また、レンズ、プリズムの張り合わせ、レンズ枠等の接合がなく、非常に小さく製作でき、細さの要求される血管用に向いている。
【0130】
また、図22の球状レンズ176の代わりに、図23に示すように、光ファイバ端部にコア拡大部178を設け、GRINレンズまたは屈折率分布方ファイバ179を溶融して接続し、その端部を斜め研磨した反射面177を有して構成してもよく、図22よりさらに小型化が可能となる。。
【0131】
さらに、図24及び図25に示すように、図20の光走査プローブの変形例としてプリズム157の出射方向に対向して固定ミラー180が設けられ、固定ミラー180によりプリズム157から出射した光が偏向され観察ビーム182はプローブ前方に出射し、フレキシブルシャフト148、レンズワク156、プリズム157の回転に応じ軌跡181のように走査されるように構成してもよい。この場合、ラジアル走査と同じ構成を用いてプローブの前方への直線状の走査を実現でき、簡便である。
【0132】
第7の実施の形態:
図26ないし図28は本発明の第7の実施の形態に係わり、図26は透過型ディレイラインの構成を示す図、図27は図26の透過型ディレイラインの変形例の構成を示す図、図28は図27の透過型ディレイラインの詳細な構成を説明する図である。
【0133】
第7の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0134】
(構成・作用)
透過型ディレイライン9が第1の実施の形態と異なり、本実施の形態の透過型ディレイライン9では、図26に示すように、入射SMF8から出射した光は、コリメータレンズ29により入射ビーム190として透過型回折格子ペア188a、188bに入射する。入射ビームに含まれる光の内、回折格子188aでは波長の短い光は回折角が小さく、長い光は回折角が大きいが、回折格子188bは回折格子188aと対向して平行に設けられているため、それぞれの回折光191a、191bは再び入射ビーム190と平行な光線となり、コリメータレンズ36により出射SMF10に導光される。ここで、波長の短い光の光路191aと波長の長い光の光路191bには波長と透過型回折格子ペア188a、188bの回転角γに応じて光路差が生じるため、波長に応じた位相変化が生じ、伝播時間が変化する。
【0135】
これを式を用いて説明する。回折格子ペア188a、188bの回転角γ、ピッチp、回折次数mと、波長λ、回折角θとの関係は、光速c、光の周波数ωを用いて、
θ=γ−sin-1(sinγ−2πcpm/ω)
の関係にあり、
回折格子ペア188a、188bを透過した光と、回折格子がなかった場合の光路長の差lは、回折格子ペア188a、188bの間隔Gを用いて、
l=G(1−cosθ)/cos(γ−θ)
となり、これは
φ=ωl/c=ωlG(1−cosθ)/c cos(γ−θ)
の位相変化を与えることに相当し、
tg=−∂φ/∂ω
の群遅延(伝播時間の変化)を与え、光路長に換算すると
Δlg=c tg=−c∂φ/∂ω
変化する。
【0136】
透過型回折格子ペア188a、188bは回転ステージ189に固定されており、波長λ:1.3μm、波長バンド幅:60nm、回折格子ピッチ:50mm本、回折次数:1の場合、回転ステージ189を数度揺動することにより数mmの光路長変化に対応する伝播時間の変化を得られる。電磁コイルと共振振動を用いたレゾナントスキャナ等を用いると、数kHzの高速で数度の揺動を得ることができ、高速な走査が可能である。
【0137】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、構成が簡単なので原価低減になる。また、高速な走査によりリアルタイムでの観察を実現する。
【0138】
図27は本実施の形態の変形例であって、図26との相違は透過型でなく、反射型の回折格子ペア192a、192bで構成していることであるが、その他は図25とほとんど同様である。
【0139】
また、平行に配置された回折格子以外にも、プリズム、音響光学素子(AOM)といった分散素子を対向しても同様の効果が得られる。
【0140】
図25、図26のような回折格子のペアを用いた構成では回折格子ペアにより導入される位相分散
φ”=∂2φ/∂ω2(φ:位相、ω:角振動数)
により、光のコヒーレンス長が、光源のコヒーレンス長をlcoとすると
lco’≒√(1+15(1n)2φ”2/(lco/c)4)・lco
と長くなり、深さ方向の検出分解能を悪化させる。
【0141】
そこで、図27の具体的な構成として、図28に示すような回折格子300、301とレンズ302、303で構成される分散補償光学系を用いる。レンズ302、303の焦点距離をf、fからの回折格子の位置をZ,回折格子の回折角をθ、回折格子のピッチをNとすると、
φ”=λ3Z/π(cNcosθ)
ことにより位相分散をある回転角において近似的に0にし、コヒーレンス長を光源のコヒーレンス長と同等にすることができる。
【0142】
また、揺動可能な透過型回折格子ペア188a、188bと同様で固定された回折格子ペアを設けることによって分散補償を行うこともできる。
【0143】
この変形例では、図26に示した本実施の形態の効果に加え、深さ方向の分解能の劣化を補償できる。
【0144】
第8の実施の形態:
図29は本発明の第8の実施の形態に係る透過型ディレイラインの構成を示す図である。
【0145】
第8の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0146】
(構成・作用)
透過型ディレイライン9が第1の実施の形態と異なり、本実施の形態の透過型ディレイライン9では、図28に示すように、入射SMF8から出射した光は、コリメータレンズ29により入射ビーム190として音響光学素子(AOM)193に入射する。入射ビーム190に含まれる光の内、AOM193では波長の短い光は回折角が小さく194aのような光路に、長い光は回折角が大きく194bのような光路を進む。ここで、色収差を有するレンズ195の特に色収差を強く発する光軸から外れた部分を用い、出射SMF10のファイバ端37に集光させる。
【0147】
ここで、波長の短い光の光路191aと波長の長い光の光路191bには波長と、AOMの駆動周波数の可変による走査角θ(光源中心波長を基準とする)に応じて光路差が生じるため、波長に応じた位相変化が生じ、伝播時間が変化する。
【0148】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、AOM走査周波数はMHz程度と非常に高速なため、高速な走査が可能になる。また、AOMの駆動周波数を復調用の光ヘテロダインの周波数とすることができる。
【0149】
第9の実施の形態:
図30及び図31は本発明の第9の実施の形態に係わり、図30は透過型ディレイラインの構成を示す図、図31は図30の光学ブロックを4枚張り合わせた合成ブロックを示す図である。
【0150】
第9の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0151】
(構成・作用)
透過型ディレイライン9が第1の実施の形態と異なり、本実施の形態の透過型ディレイライン9では、図30に示すように、入射SMF8から出射した光は、コリメータレンズ29により入射ビーム190として、階段状ブロック196に入射する。階段状ブロックは、光学ガラスまたは光学プラスチックなどの光透過性の材質でできており、中心197に上下対称に、段差Δd198を持つ多数の段が設けられている。それぞれの段は底面259に対して平行に研磨されている。階段状ブロック196を透過した光260は、コリメータレンズ36により出射SMF10に導光される。階段状ブロック196は入射ビーム190に対して平行に1199離れた軸200を中心に回転する。回転により入射ビーム190は階段状ブロックの各段198を一段づつ移動しながら透過する。階段状ブロックの屈折率をn、周囲が空気であるとすると、一段移動するごとに
(n−1)Δd
ごとに、入射SMF8から出射SMF10までの光路長が変化する。階段状ブロック196を一回転するごとに光路長が短→長→短→長と変化し、深さ方向に4回(2往復)走査されることになる。
【0152】
更に、図31に示すように、光学ブロック196を4枚張り合わせて合成ブロック201を構成し、合成ブロック201を回転させれば、一回転で、深さ方向に8回(4往復)走査されることになる。
【0153】
また、この階段状ブロックによる光路長の変化は離散的であるため、光路長の変化によるドップラー周波数は変化せず、図1に示したディレイラインとは別にAOM等によって光ヘテロダイン変調手段を設けることによって、正確な復調周波数で復調することができ、SN比の向上が望める。
【0154】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、一回の回転で複数回の深さ方向への走査が行えるため、走査の高速化が可能となる。また、ドップラー周波数が変化しないことによるSN比の向上が望める。
【0155】
第10の実施の形態:
図32ないし図37は本発明の第10の実施の形態に係わり、図32は光イメージング装置の構成を示す構成図、図33は図32の光イメージング装置に用いられる光走査プローブの先端の光学系の構成を示す図、図34は図32の光イメージング装置に用いられる光走査プローブの先端の光学系の変形例の構成を示す図、図35は図32の2つの低コヒーレンス光源を合波し光源のスペクトル幅を拡大する構成を示す図、図36は図32の2つの低コヒーレンス光源を合波し最終的にガウシアン分布を得るための構成を示す図、図37は図35の光源の合波を更に高効率で実現する例に説明する図である。
【0156】
第10の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0157】
(構成・作用)
本実施の形態の光イメージング装置では、図32に示すように、中心波長λlの低コヒーレンス光源202aと、中心波長λ2の低コヒーレンス光源202bがWDM(Wavelength Division Multiplexer)203で合波される。WDMは光カプラの波長による合波特性を利用しており、高い効率で合波することが可能である。この2つの光源の合成光が図1の低コヒーレンス光源1に対応する。
【0158】
図1の透過型ディレイライン9に相当して、光分岐部204および反射ディレイライン部205が設けられている。光分岐部204は偏光を用いて入射SMF8から第8のSMF206に高効率で導光し、反射ディレイライン部205からの戻り光を高効率で出射SMF10に導光することによって、反射型ディレイラインを用いて、マッハツエンダー型の干渉系の伝播時間変化手段として用いることができる。
【0159】
光分岐部204では、偏波コントローラ(PC)7により偏光を制御し入射SMF8から出射した紙面の上下方向のに直線偏光をコリメートレンズ78aを用いて偏光ビームスピリッタ(PBS)79に入射する。PBS79は上下方向の直線偏光は高効率で透過し、1/4波長板86に入射し、円偏光に変換され、コリメートレンズ78bにより、第8のSMF206に導光される。第8のSMF206に入射した光はWDM203bで、中心波長λ1の低コヒーレンス光源202aに対応する光は第9のSMF207aに分波され、中心波長λ2の低コヒーレンス光源202bに対応する光は第10のSMF207bに分波される。
【0160】
第9のSMF207aに分波された光は、コリメータ208a、回折格子209a、レンズ210a、ガルバノミラー211aにより構成される第1のディレイライン262aによって伝播時間を変化させられ、再び第9のSMF207aに戻る。第9のSMF207aより出射した光はコリメータ208aにより回折格子209aに入射し、回折格子209aで分光された光は、レンズ210aにより、レンズ210aのフーリエ平面上に設けられたガルバノミラー211aを走査軸261aを中心に揺動することにより伝播時間を変化させられ、再び第9のSMF207aに戻る。揺動によって伝播時間が変化すると同時に、走査軸261aが中心波長λ1の光路からのずれ量によって、揺動による光路長が変化が生じ、走査軸261aが中心波長λ1の光路からのずれ量と揺動の速度を関数としてドップラー周波数が生じる。
【0161】
同様に、第10のSMF207bに分波された光は、コリメータ208b、回折格子209b、レンズ210b、ガルバノミラー211bにより構成される第2のディレイライン262bによって伝播時間を変化させられ、再び第10のSMF207bに戻る。
【0162】
この時、第1のディレイライン262aによって生じる中心波長λ1の光のヘテロダイン周波数と、第2のディレイライン262bによって生じる中心波長λ2の光のヘテロダイン周波数は、中心波長の光路からのガルバノミラーの走査軸のずれ量と揺動の速度を設定することにより、それぞれ独立した周波数を設定することが可能で、さらに独立した深さ方向の走査範囲を設定することが可能である。
【0163】
第9のSMF207aおよび第10のSMF207bに戻った光は、WDM203bにより合波され、第8のSMF286に伝達される。第8のSMF286からコリメータレンズ78bに出射した光は154波長板86により円偏光から紙面に垂直な直線偏光に変換される。PBS79は紙面に垂直な偏光をコリメートレンズ78cの方向に高効率で反射し、出射SMF10に伝送する。光分岐部204は以上の構成により入射SMF8から高効率にディレイライン部20に光を伝送し、またディレイライン部205からの戻り光を出射SMF10に伝送する。
【0164】
上記光分岐部204は光サーキュレータにより同様の高効率を実現することができる。
【0165】
図32での構成における、光走査プローブ20、走査手段19、走査駆動装置22に当たる構成は、先端の光学系が図33のようになっている以外は、第6の実施の形態である図21に示されるものと同様である。
【0166】
すなわち、図33に示すように、第4のPMF169から出射した光は、第4のPMF169出射端と共にレンズ枠156に保持されたダブレットのアポクロマートレンズ213により集光され、プリズム157により方向を転換される。アポクロマートレンズ213は、中心波長λ1の光および中心波長λ2の光両方に対して色収差が最低になるように設計されており、そのためそれぞれの波長に対して一致した焦点を持つ。
【0167】
また図34のような構成を取ることもできる。図34では図33のアポクロマートレンズ213に対し、低分散GRINレンズ214を用いて図33と同様の効果を得ている。低分散GRINレンズ214は中心波長λ1の光および中心波長λ2の光両方に対して低分散の材料を用いて構成されたGRINレンズで、中心波長λ1の光および中心波長λ2の光両方に対して色収差が小さく、それぞれの波長に対してほぼ一致した焦点を持つ。
【0168】
光走査プローブ20およびディレイライン部205からの戻り光を光カプラ14で干渉させ、ディテクタ7、ディテクタ18および差動アンプ23により光ヘテロダイン周波数で変調された干渉信号が電気信号に変換される。中心波長λ1の光と中心波長λ2の光はディレイライン部205の第1のディレイライン262aと第2のディレイライン262bの設定によりそれぞれ異なった光ヘテロダイン周波数を有している。ここで、それぞれの光ヘテロダイン周波数に対応したバンドパスフィルタ、またはロックイン検出器によって構成される復調器212a、212bによってそれぞれの波長に対応する信号を独立して検出し、ADコンバータ25によりコンピュータ27により取り込むことができる。
【0169】
また、復調器を2つ設けずに、差動アンプ23からの出力をAD変換し、フーリエ変換して取り出しても同様の出力が得られる。
【0170】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、同時に、実時間で複数の波長によるOCT信号を検出できる。また、上記により、複数の波長による信号を比較・演算することで、波長の違いにより検出可能な代謝を反映した検出を行える。
【0171】
さらに、可視光から1.5μm程度の近赤外光では、生体を被検体とする場合、波長が長いほど、光の散乱・吸収による減衰が少なくなる、また波長が短いほど分解能を上げることができるため、表面付近では波長の短い光を用い、深い部分では波長の長い光を用いることで、浅い部分では分解能を優先し、深い部分ではコントラストの向上を行える。この時、図33、図34で示される光走査プローブ先端での色収差補正を行わない方が効果が高い。
【0172】
なお、上記は3つ以上の波長の光源を有する場合にも、ディレイラインおよび復調器を対応した数の分だけ増加させることにより全く同様に、同時に複数波長の情報を検出できるのは自明である。
【0173】
また、それぞれの光源の波長が近接していて、一つのディレイラインにより伝播時間を変化させられる場合は、複数のディレイラインを用いずに構成可能である。この場合には、コリメートレンズ208aおよびレンズ210aをそれぞれの波長に対して色収差を最小化したアポクロマートレンズを用いると良い。この時はそれぞれの光源の中心波長λ1とλ2は回折格子による分光によりガルバノメータミラー上の異なった位置にあるため、一般的には異なった光ヘテロダイン周波数を持つためである。
【0174】
光源の結合の方法はWDMでななく、一般的な光カプラを用いても良い。
【0175】
また、複数の光源を結合するのではなく、バンド幅の大きい光源を波長フィルタにより波長を分割して用いても同様の効果が得られる。
【0176】
ここで、図32に示されるような2つの光源を合波することによって、光源のスペクトル幅を拡大し、それによってコヒーレンス長を短縮し、深さ方向の分解能を向上させる例について説明する。
【0177】
図35に2つの光源を合波し、光源のスペクトル幅を拡大する構成を示す。符号217aに示されるスペクトル分布を有する低コヒーレンス光源A215aと、符号217bに示されるスペクトル分布を有する低コヒーレンス光源B 215bを波長依存カプラ216により合波し、出射SMF219に伝送する。この波長依存カプラ216の同じ導波路への分岐比は符号218に示されるように、低コヒーレンス光源Aの中心波長λ0+λaでは小さく、低コヒーレンス光源Bの中心波長λ0−λaでは大きい。
【0178】
これにより、低コヒーレンス光源A215aから出射SMF219および低コヒーレンス光源B215bから出射SMF219への伝達効率は通常の3dB光カプラに対して高くなり、高効率で伝達出来る。
【0179】
合波された光のスベクトルを符号220に示す。符号220に示されるように合波された後に波長に対して強度がガウシアン分布に近似されるように、合波する低コヒーレンス光源A215a、B215bのスペクトル分布217a,217bおよび波長依存カプラ216の分岐比218を設定する必要がある。光源のスペクトル分布がガウシアン形状から離れると、コヒーレンス長の範囲以外の部分からの光信号を得、ノイズの原因となる。
【0180】
しかしながら、低コヒーレンス光源A215a、低コヒーレンス光源B215bのスペクトル分布217a,217bおよび強度が理想的でない場合も存在する。図36にそのような場合にも最終的にガウシアン分布を得るための構成を示す。低コヒーレンス光源A215aと波長依存カプラ216の間に波長フィルタ221aを設ける。波長フィルタ221aとして2つのファイバコリメータ間に設けられた誘電多層膜フィルタやファイバーグレーティングを用いることができる。また波長フィルタ221aの代りに2つの光源の出力をバランスさせるためのNDフィルタ等で構成される減衰器を設けてもよい。
【0181】
更に、波長依存カプラ216の後に波長フィルタ221bを設け、波長フィルタ221aと波長フィルタ221bの調整により最終的なガウシアンスペクトル形状を得ることができ、コヒーレンス長の範囲以外の部分からのノイズを抑制できる。
【0182】
また、このフィルタは当然低コヒーレンス光源B215b側にも設けることができる。また、図36の構成を図1の低コヒーレンス光源1に設けるだけでなく、同様の波長フィルタを物体側光路または参照側光路に設けることで同様の効果を得ることができる。
【0183】
このようにすることにより、光源のスペクトル幅を拡大し、それによってコヒーレンス長を短縮し、深さ方向の分解能を向上させることが可能となる。
【0184】
次に、図35の光源の合波を更に高効率で実現する例に説明する。図37に示すように、低コヒーレンス光源215aからの光を偏波面コントローラ(PC)222aを用いて、紙面の上下方向の直線偏光に変換し、出射端224aからコリメータレンズ223aにより偏光ビームスピリッタ(PBS)79に入射する。PBS79は紙面の上下方向の直線偏光を高効率で透過し、コリメータレンズ223cにより出射ファイバ219に伝送される。同様に低コヒーレンス光源215bからの光はPC222bにより紙面に垂直な直線偏光に変換され、出射端224bからコリメータレンズ223bによりPBS79に入射する。PBS79は紙面の垂直方向の直線偏光を高効率で反射し、コリメータレンズ223cにより出射ファイバ219に伝送される。
【0185】
図35および図36の構成では、波長依存カプラを用いても50%を大幅に超える効率で合波することは困難だが、図37の構成ではさらに高い効率で合波可能である。
【0186】
第11の実施の形態:
図38ないし図40は本発明の第11の実施の形態に係わり、図38は光走査プローブの先端光学系の構成を示す図、図39は図38の光走査プローブの先端光学系の第1の変形例の構成を示す図、図40は図38の光走査プローブの先端光学系の第2の変形例の構成を示す図である。
【0187】
第11の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0188】
(構成・作用)
第1の実施の形態で示された光走査プローブ20の先端光学系では、GRINレンズ85が単焦点であるため、観察ビームの集光点96の近傍以外では観察ビームのスポット径が大きく、周方向の分解能が低くなる。
【0189】
図38で示される光走査プローブ20の先端光学系ではSMF225の出射端226からの光は回折レンズ(DOF)227により集光される。回折レンズには1次回折による1次焦点228aと、2次回折による2次焦点228bと、3次回折による3次焦点228c・・・の複数の焦点を有するため、深さ方向の広い範囲にわたって観察ビームのスポット径の小さい状態が維持される。
【0190】
図39は同様の効果を有する第1の変形例を示す。SMF225の出射端226からの光はフレネルレンズ229により集光される。フレネルレンズ229は多数の円周状のプリズムによりレンズを構成し、第1焦点230aと第2焦点230bを有するように円周状のレンズが交互に第1焦点230aに集光するプリズム263aと第2焦点230bに集光するプリズム263bより構成されている。
【0191】
図40に同様の効果を有するさらに別の第2の変形例を示す。SMF225の出射端226からの光は集光ミラー231により集光される。集光ミラー31は外周部が曲率が小さな反射面232aで構成され、第1焦点233aに焦点を結び、内側の面は曲率が大きな反射面232bで構成され、第2焦点233bに焦点を結ぶ。
【0192】
図示しないが図38と同様の構成を、屈折力の大きなレンズを外周に、屈折力の小さなレンズを内周にと異なるレンズを円周状に配置しても可能である。さらに、図34の光軸より上半分を屈折力の大きなレンズで、下上半分を屈折力の小さなレンズで構成しても同様の効果が得られる。
【0193】
さらに上記の屈折レンズを屈折率分布レンズ(GRIN)で製作することも当然可能である。
【0194】
また、上記各図では光偏向手段、光走査手段は省いているが、当然本発明の実施の形態に用いられた光偏向手段、光走査手段を組み合わせて用いることができる。
【0195】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、集光光学系のフォーカス位置以外の深さにおいて、光軸に垂直な方向分解能およびコントラストを向上し、さらに集光位置以外でも高性能が得られるため、被検体に対する位置決めが容易である。
【0196】
第12の実施の形態:
図41ないし図43は本発明の第12の実施の形態に係わり、図41は光イメージング装置の光学系の要部の構成を示す構成図、図42は図41の光学系の第1の変形例を示す図、図43は図41の光学系の第2の変形例を示す図である。
【0197】
第12の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0198】
(構成・作用)
観察ビームの径を光軸方向に渡って細く保つ方法に、ビームの形状を保って伝搬する非回折ビームの利用が考えられる。非回折ビームは無限のエネルギーを有することから実現不可能であるが、近似的な非回折ビームを生成することは可能である。
【0199】
そこで、本実施の形態では、図41に示すように、SMF225の出射端226からの光は、出射端からの焦点距離fに置かれたレンズ304によって略平行光に変換され、レンズ304から焦点距離f離れた近傍にφdの直径を有する環状のスリット308を有するマスク306が設けられている。
【0200】
このマスク306を透過した光を焦点距離f離れたところに設けられたレンズ305により集光すると、集光ビームは近似非回折ビームとなり、従来の集光でのスポットに対して長い深度307で小さなスポットを結ぶ。この範囲に被検体を設けると光軸に垂直な方向も高分解能に観察することができる。
【0201】
図42、図43に別の例を示す。図42に示すように、SMF225の出射端226からの光は、アキシコン(円錐)レンズ309によって集光される。この集光ビームは近似非回折ビームとなり、従来の集光でのスポットに対して長い深度307で小さなスポットを結ぶ。この範囲に被検体を設けると光軸に垂直な方向も高分解能に観察することができる。なお、図43に示すように円錐の方向が逆であっても同様の効果を有する。
【0202】
また、このアキシコンレンズを屈折率分布レンズ(GRIN)で製作することで、円柱状に形成することなども可能である。
【0203】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、集光光学系のフォーカス位置以外の深さにおいて、光軸に垂直な方向分解能およびコントラストを向上し、さらに集光位置以外でも高性能が得られるため、被検体に対する位置決めが容易である。
【0204】
第13の実施の形態:
図44ないし図46は本発明の第13の実施の形態に係わり、図44は光走査プローブ、光走査手段及び参照光路の光伝播時間変化手段を内視鏡先端部に組込んだ光イメージング装置の構成を示す図、図45は図44のディスクの構成を示す図、図46は図45のディスクによる横方向−深さ方向の2次元画像を説明する図である。
【0205】
第13の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0206】
(構成・作用)
本実施の形態は、第1の実施の形態の光走査プローブ20、光走査手段19および参照光路の光伝播時間変化手段を内視鏡先端部に組込んだ例であって、図44及び図45に示すように、内視鏡プローブ先端243にはピンホール253を有し、ミラー部252を有するディスク241が内蔵されている。ディスク241の中心にはメネジ251が設けられており、メネジ251は固定されたオネジ244に取り付けられている。ディスク241の外周には外周ギア254が設けられている。外周ギア254はモータ245の駆動軸に取り付けられたピニオンギア246により駆動される。
【0207】
モータ245が回転すると、外周ギア254が回転し、更に固定されたオネジ244とメネジ251の働きで螺旋運動を行う。ピンホール253の動きはスパイラル状となる。
【0208】
まず、ファイバ端250から照射された光束255をピンホール253が横切る(図46の横方向の走査)。同時にピンホール253の位置は被検体248から遠ざかるように移動する。複数のピンホール253が複数のスパイラル軌跡を描く。
【0209】
この内、図46のように、ディスク1回転分の移動量256に従って、光束255を横切る部分だけ切り出すと、X−Z(横方向−深さ方向)の2次元画像を構成できる。内視鏡プローブ243内のファイバ236はSMFを使用するがマルチモードファイバでも構わない。
【0210】
ピンホール253のディスク241上の位置aと観察点cは共役の位置にある。ダイクロックミラー240の位置bから観察点cまでの距離(bac)と、ダイクロックミラー240の位置bから反射面(bde)までの光路長が同じとなるよう光学系が構成されている。
【0211】
上記の2つの条件を満たすことにより共焦点の被検体での位置と、コヒーレントゲートによる深さ方向の観察点を一致させながら、観察点を走査することが可能となる。この場合、対物レンズのNAを大きくすることにより高解像を得ることができる。
【0212】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、一つの走査機構で、横方向と深さ方向(X−Z)の走査が可能となる。
【0213】
また、共焦点部位と、コヒーレントゲートによる深さ方向の観察点を同時に走査することにより高解像を得ることができる。
【0214】
なお、光走査プローブに導かれるファイバは一本で良く、また参照ミラーがプローブ先端にあるので、プローブの固体差による光路長の調整はいらない。また、プローブの曲げの影響を受けない。
【0215】
[付記]
(付記項1) 前記伝播時間変化手段が、分散素子とレンズ、およびレンズのフーリエ平面近傍に設けられた透過位相変化素子、前記レンズと透過位相変化素子に対して略共役な位置に設けられたレンズ、および分散素子とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光イメージング装置。
【0216】
(付記項2) 前記透過位相変化素子が、回転するくさび型プリズムである
ことを特徴とする付記項1に記載の光イメージング装置。
【0217】
(付記項3) 前記くさび型プリズムの回転中心がディレイラインの光軸を通り、少なくとも干渉系の光路の一方に光位相変調素子が設けられている
ことを特徴とする付記項2に記載の光イメージング装置。
【0218】
(付記項4) 前記光位相変調素子が音響光学素子
ことを特徴とする付記項3に記載の光イメージング装置。
【0219】
(付記項5) 前記くさび型プリズムがモータの中空の回転軸に設けられ、回転軸の位相を検出または制御する手段を有する
ことを特徴とする付記項2に記載の光イメージング装置。
【0220】
(付記項6) 前記分散素子が透過型回折格子である
ことを特徴とする付記項1に記載の光イメージング装置。
【0221】
(付記項7) 前記伝播時間変化手段が、光平行コリメート手段、対向して一体に揺動する分散素子、および光再コリメート手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光イメージング装置。
【0222】
(付記項8) 対向して一体に揺動する前記分散素子が平行に設けられた、少なくとも一つの光学定数が同一な回折格子である
ことを特徴とする付記項7に記載の光イメージング装置。
【0223】
(付記項9) 前記光学定数に少なくとも格子ピッチを含む
ことを特徴とする付記項8に記載の光イメージング装置。
【0224】
(付記項10) 平行に設けられた前記回折格子が光透過する素子の両面に設けられている
ことを特徴とする付記項8に記載の光イメージング装置。
【0225】
(付記項11) 前記分散素子がプリズムである
ことを特徴とする付記項7に記載の光イメージング装置。
【0226】
(付記項12) 前記光平行コリメート手段および前記光再コリメート手段がファイバ出射端およびコリメートレンズを有する
ことを特徴とする付記項7に記載の光イメージング装置。
【0227】
(付記項13) 前記分散素子を揺動する揺動手段が電磁型スキャナ(ガルバノメータスキャナ,レゾナントスキャナ)である
ことを特徴とする付記項7に記載の光イメージング装置。
【0228】
(付記項14) 前記光平行コリメート手段と前記光再コリメート手段の間に分散補償手段が設けられている
ことを特徴とする付記項7に記載の光イメージング装置。
【0229】
(付記項15) 前記伝播時間変化手段が、光平行コリメート手段、音響光学素子(AOM)、波長依存収差を有する集光手段、および光再コリメート手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光イメージング装置。
【0230】
(付記項16) 前記伝播時間変化手段に入射する光の偏光を調整する第1の偏波面調整手段と、前記伝搬時間変化手段からの出射光の偏光と光照射受光手段からの戻り光の偏光を調整する第2の偏波面調整手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光イメージング装置。
【0231】
(付記項17) 前記偏波面調整手段がファイバーループである
ことを特徴とする付記項16に記載の光イメージング装置。
【0232】
(付記項18) 前記偏波面調整手段が複屈折素子を用いたものである
ことを特徴とする付記項16に記載の光イメージング装置。
【0233】
(付記項19) 被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、
前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、
得られた干渉成分の信号を得る光プローブ装置において、
前記走査手段が、
細長の前記挿入部に設けられた、回転自在な回転シャフトと、
回転シャフト端部に設けられた光反射手段と、
挿入部先端部に設けられ、光反射手段のプローブの軸方向への可動を規制する規制手段と
を備え、
前記シングルモードファイバと集光手段がシャフトと平行に設けられた
ことを特徴とする光プローブ装置。
【0234】
(付記項20) 前記光反射手段が、前記シャフト端部に設けられたプリズムの内部反射面である
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0235】
(付記項21) 前記プリズム入射面と、前記集光手段出射面が略平行になっている
ことを特徴とする付記項20に記載の光プローブ装置。
【0236】
(付記項22) 前記規制手段が回転シャフトに設けられているベアリングである
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0237】
(付記項23) 前記回転シャフトに弾性力が付与されており、前記ベアリングはその弾性力に抗して回転を支持するものである
ことを特徴とする付記項22に記載の光プローブ装置。
【0238】
(付記項24) 前記集光手段がプローブ断面に対し、短軸と長軸を有し、短軸がプローブ軸を含む
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0239】
(付記項25) 前記シングルモードファイバが偏波面保存ファイバ(PMF)である
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0240】
(付記項26) 前記シングルモードファイバの出射端の近傍に前記シングルモードファイバと略平行に、少なくとも−つの光学特性が前記シングルモードファイバと異なる光ファイバが設けられている
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0241】
(付記項27) 前記ファイバがマルチモードファイバである
ことを特徴とする付記項26に記載の光プローブ装置。
【0242】
(付記項28) 前記ファイバが前記シングルモードファイバと異なる波長特性を有する
ことを特徴とする付記項26に記載の光プローブ装置。
【0243】
(付記項29) 前記ファイバが前記シングルモードファイバと異なる光耐性を有する
ことを特徴とする付記項26に記載の光プローブ装置。
【0244】
(付記項30) 前記光プローブ装置が、細長の挿入部を有する光プローブと、観測装置本体を有し、
また光プローブと観測装置本体との接続コネクタを有し、
接続コネクタが、前記シャフトに回転力を伝達する回転接続手段と、前記シングルモードファイバを接続する観測光コネクタ手段を有する
ことを特徴とする付記項19に記載の光プローブ装置。
【0245】
(付記項31) 前記光プローブに、少なくとも一つの光学特性が前記シングルモードファイバと異なる光ファイバが設けられ、接続コネクタが前記光ファイバ接続手段を有する
ことを特徴とする付記項30に記載の光プローブ装置。
【0246】
“Scanning single−mode fiber optic catheter−endoscope for optical coherence tomography”Tearney et.al,Optics Letters,p.543−545,vol.21,1996にOCT用の回転走査プローブが開示されている。この回転走査型プローブでは、光ファイバが回転するためのシャフトと一体で回転しているために、回転する光ファイバと固定する光ファイバを接続するための光ロータリジョイントが必要であるが、光ロータリジョイントは非常に高い精度で製作する必要があるため、一般的に高価な上、ファイバ端とファイバ端を離して接続することによる挿入損失と内部反射によるSN比の劣化という問題があった。
【0247】
これに対し、WO97/32182では、先端部に設けられたミラーを光ファイバと独立した回転シャフトで回転し、光ファイバから出射した光をレンズと直角プリズムを用いて回転しているミラーに導き、走査を行っているプローブが開示されているが、内視鏡に挿通するプローブでは内視鏡への湾曲によりプローブ本体と、ミラーを回転 支持している回転シャフトに相互移動が起き、そのため回転ミラーのプローブ軸方向へのブレが生じ、これはもっとも分解能が高く、検出コントラストも高いレンズの結ぶフォーカス位置を不定にするため、使い勝手が悪い。
【0248】
また、ミラーのプローブ軸方向へのぶれは光路長の変化を起こすため、再構成された2次元画像かぶれにより正確な形状・大きさを示さなくなるという問題を有する。
【0249】
また、WO97/32182では、先端部に設けられたミラーを光ファイバと独立した回転軸で回転し、光ファイバから出射した光をレンズと直角ブリズムを用いて回転しているミラーに導き、走査を行っているが、レンズから被検体までの距離が遠くなるため、レンズのNAを大きくできず、集光スポットが大きくなり、光軸に垂直な方向6分解能が低くなるという問題点がある。さらに先端部全体の小型化が困難である。
【0250】
また、このようなプローブを内視鏡の鉗子ロヘの挿通して用いる場合、内視鏡の湾曲等によってプローブ内の光ファイバの複屈折性が変化し、干渉光強度が変化するという問題がある。
【0251】
WO97/32182では、観察用ファイバに治療用の高出力レーザ光を導入する例が開示されているが、実際には観察用のファイバはシングルモードファイバであり、数μmという小さなコア径しか有さないため、治療用レーザを導入するとファイバ自身が損傷し観察に支障を生じたり、治療用レーザの伝送に最適な仕様のファイバを選択することができないという問題がある。
【0252】
生体に適用するプローブでは、プローブの洗浄・消毒・滅菌、光学特性の劣化に対応する交換のために、観測装置と着脱できることが必要である。
【0253】
付記項19では、高SNで、安価で、高分解能・高コントラストで観察できる範囲を一定にし、操作性を向上させた光プローブ装置を提供する。
【0254】
付記項20、22、24では、集光レンズのNAを大きく取れ、分解能が向上できる光プローブ装置を提供する。また、プローブ先端部を小型に構成できる光プローブ装置を提供する。
【0255】
付記項25では、プローブの湾曲状態によつて、干渉信号強度が変化しない光プローブ装置を提供する。
【0256】
付記項26では、OCTの観察と高出力のレーザでの処置・治療を可能にする光プローブ装置を提供する。
【0257】
付記項30では、治療用のレーザと観察用のレーザを別に設けることができ、観測装置と着脱できる光プローブ装置を提供する。
【0258】
(付記項32) 被検体に低コヒーレンス光を照射し、前記被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置において、
前記被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、
前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、前記干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝搬時間を変化させる伝搬時間変化手段と、
干渉光強度を干渉信号として検出する光検出器と
を有し、
前記低コヒーレンス光源の照射を制御する光源制御手段と、
前記走査出射手段の駆動を検知する走査検知手段を有し、
前記走査検知手段により検知された走査状態に応じて前記光源制御手段が駆動される
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0259】
(付記項33) 前記走査検知手段が前記走査出射手段の駆動入力を検知する
ことを特徴とする付記項32に記載の光イメージング装置。
【0260】
(付記項34) 前記走査出射手段が、前記低コヒーレンス光を挿入部の軸方向に回転走査し、走査検知手段が回転走査を検出する
ことを特徴とする付記項32に記載の光イメージング装置。
【0261】
(付記項35) 細長の挿入部を有する光プローブと、観測装置本体を有し、
また光プローブと観測装置本体との接続コネクタを有し、
接続コネクタの接続検知手段を有し、
接続検知手段により検知された接続状態に応じて光源制御手段が駆動される
ことを特徴とする付記項32に記載の光イメージング装置。
【0262】
(付記項36) 前記走査出射手段が、前記低コヒーレンス光と被検体に不可逆的な熱損傷を与える高エネルギー光を同時また(時分割で挿入部の軸方向に回転走査し、
高エネルギー光出射制御手段を有し、
走査検知手段が回転走査を検出し、
走査検知手段により検知された走査状態に応じて高エネルギー光出射制御手段が駆動される
ことを特徴とする付記項32に記載の光イメージング装置。
【0263】
(付記項37) 前記走査出射手段が、前記低コヒーレンス光と被検体に不可逆的な熱損傷を与える高エネルギー光を挿入部の軸方向に回転走査し、
回転走査位置を検出する走査位置検出手段と、
高エネルギー光の出射制御手段を有し、
出射位置指示手段と、出射位置を走査位置に対応させる算出手段を有し、
算出された走査位置で高エネルギー光の出射制御手段を駆動する
ことを特徴とする付記項36に記載の光イメージング装置。
【0264】
(付記項38) 前記低コヒーレンス光を出射するシングルモードファイバ端と高エネルギー光の出射ファイバ端が近傍に設けられ、それぞれの出射ビームが略平行に設けられている
ことを特徴とする付記項37に記載の光イメージング装置。
【0265】
(付記項39) 前記低コヒーレンス光と高エネルギー光が同一の集光手段により集光され、前記走査出射手段が回転走査される反射ミラーである
ことを特徴とする付記項37に記載の光イメージング装置。
【0266】
(付記項40) 細長の挿入部を有する光プローブと、観測装置本体を有し、
また光プローブと観測装置本体との接続コネクタを有し、
接続コネクタの接続検知手段を有し、
接続検知手段により検知された接続状態に応じて高エネルギー光出射制御手段が駆動される
ことを特徴とする付記項36に記載の光イメージング装置。
【0267】
OCTに用いられる低コヒーレンス光源には連続的な発光時間の短いものもあり、非使用時に発光していると光源の寿命を大幅に短縮する。特に不可視光や出力が小さい場合、観察部位から光が出射していること自体に気がつきにくい。
【0268】
WO97/32182では、観察用ファイバに治療用の高出力レーザ光を導入する例が開示されている。非使用時に発光していると伝送ファイバなどの光学部品が熱を持つことに等より、寿命が短縮する場合もある。
【0269】
付記項32では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)において、低コヒーレンス光源寿命を長くすることを目的としている。
【0270】
付記項36では、高エネルギー光を用いるOCT装置について、ファイバなどの光学系の損傷を防止することを目的としている。
【0271】
(付記項41) 被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記シングルモードファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、得られた干渉成分の信号を得ることを特徴とする光プローブ装置であって、
前記走査手段が、挿入部に設けられた細い管状のシース内に、シングルモードファイバを内蔵し、集光手段と出射光偏向手段を有する先端光学素子を端部に設けたフレキシブルシャフトを有し、
フレキシブルシャフトの挿入部の軸方向に対して進退し走査を行うもので、
フレキシブルシャフトの進退を規制する規制手段を有する
ことを特徴とする光プローブ装置。
【0272】
(付記項42) 前記光プローブ装置が、細長の挿入部を有する光プローブと、観測装置本体を有し、
また光プローブと観測装置本体との着脱自在な接続コネクタを有し、
フレキシブルシャフトの移動量を限定する規制手段が光プローブに設けられている
ことを特徴とする付記項41に記載の光プローブ装置。
【0273】
(付記項43) 前記規制手段が、フレキシブルシャフト基部に設けられた突起と光プローブ基部に設けられた突起からなる規制部材である
ことを特徴とする付記項42に記載の光プローブ装置。
【0274】
(付記項44) 前記規制手段が、観測装置に設けられている
ことを特徴とする付記項41に記載の光プローブ装置。
【0275】
(付記項45) 前記規制手段が、観測装置に設けられたフレキシブルシャフトに接続する伝達部に設けられた突起と、観測装置に設けられた突起部材である
ことを特徴とする付記項44に記載の光プローブ装置。
【0276】
(付記項46) 前記規制手段が、走査範囲を制御的に制限する
ことを特徴とする付記項44に記載の光プローブ装置。
【0277】
(付記項47) 前記規制手段による制限の範囲に制御的な制限の範囲が設けられている
ことを特徴とする付記項46に記載の光プローブ装置。
【0278】
(付記項48) 前記シングルモードファイバが前記規制手段による進退以上の余裕を有する
ことを特徴とする付記項41に記載の光プローブ装置。
【0279】
(付記項49) 前記余裕がループで設けられている
ことを特徴とする付記項48に記載の光プローブ装置。
【0280】
本出願人が先に出願した特願平10−266753号に、直線状(リニア)走査型OCTプローブの例が開示されている。透明なチューブ状のシース内部に、ファイバ端にGRINレンズとプリズムを設け、プローブの横方向に出射した光ビームを、ファイバ、レンズ、プリズムを一体にしたケーブルにしてプローブの軸方向に直線的に走査し、プローブに平行な長方形の断層像を得るものである。
【0281】
このようなプローブのシース端部は、一般的に生体の体液がシース内部に侵入しないように閉鎖されているが、プローブ内で走査される先端光学素子が、プローブシース靖部に接触して破損し、画像が出なくなる可能性があるという問題点を生じる。
【0282】
上記の例では、光学素子の進退を駆動するガルバノシャフトの移動量を制御的に制限することも考えられるが、このような生体内で用いられるプローブは、プローブの洗浄・消毒・滅菌、光学特性の劣化に対応する交換のために、観測装置と着脱できることが必要であり、着脱構造にした場合はガルバノシャフトの移動量を制御的に制限しても、観測装置から取り外した時に、先端光学素子が、プローブシース端部に接触して破損し、故障する可能性があるという問題点がある。
【0283】
付記項41では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)のリニア走査型プローブにおいて、先端光学素子の破損を防止することを目的としている。
【0284】
付記項42では、リニア走査型プローブを観測装置から取り外した場合にも、先端光学素子の破損を防止することを目的としている。
【0285】
(付記項50)被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、得られた干渉成分の信号を得ることを特徴とする光プローブ装置であって、
前記走査手段が、挿入部に設けられた細い管状のシース内に、シングルモードファイバを内蔵し、集光手段と出射光偏向手段を有する先端光学素子を端部に設けたフレキシブルシャフトを有し、
フレキシブルシャフトの挿入部の軸方向に対して進退し走査を行うもので、
フレキシブルシャフトを自在に回転させる回転手段を有する
ことを特徴とする光プローブ装置。
【0286】
(付記項51) 前記回転手段に摩擦手段が設けられている
ことを特徴とする付記項50に記載の光プローブ装置。
【0287】
(付記項52) 細長の挿入部を有する光プローブと観測装置を有し、前記回転手段が前記観測装置に設けられている
ことを特徴とする付記項50に記載の光プローブ装置。
【0288】
(付記項53) 前記回転手段と前記フレキシブルシャフトがシャフト進退方向に自由度を有するリニアベアリングにより結合している
ことを特徴とする付記項52に記載の光プローブ装置。
【0289】
(付記項54) 前記フレキシブルシャフトと、前記リニア駆動手段が中空シャフト進退方向を軸とする自在回転手段により結合している
ことを特徴とする付記項50に記載の光プローブ装置。
【0290】
(付記項55) 細長の挿入部を有する光プローブと観測装置を有し、前記回転手段が前記光プローブの基端に設けられている
ことを特徴とする付記項50に記載の光プローブ装置。
【0291】
本出願人が先に出願した特願平10−266753号に示される、直線状(リニア)走査型OCTプローブの例では、プローブの外周方向に対し、プローブ全体を回転させることにより、プローブの観察方向を位置決めすることになる。しかし、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通させて使用されるリニア走査型プローブでは、鉗子チャンネルとプローブの摩擦によりプローブを自由にかつ思い通りの位置に回転させて自在に走査平面を定めるのが困難である。さらに、鉗子チャンネルとシース外周の摩擦は大きいが、シース内面とリニアに駆動されるケーブルの摩擦は小さいので、プローブ全体が回転してもOCT像の観察方向は一致して回転しないという問題点がある。
【0292】
付記項50では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)のリニア走査型プローブにおいて、OCTの観察断層面を自在にかつ容易に回転・位置決めできることを目的としている。
【0293】
(付記項56)被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、得られた干渉成分の信号を得ることを特徴とする光プローブ装置であって、
前記走査手段が、細長の挿入部に先端部に設けられたモーターと、モータの回転を伝達するシャフトに設けられた光偏向手段を有し、
前記光プローブ装置が、細長の挿入部を有する光プローブと、観測装置本体を有し、
光プローブと観測装置本体とのモータの駆動信号およびシングルモードファイバを同時に接続する着脱自在な接続コネクタを有する
ことを特徴とする光プローブ装置。
【0294】
(付記項57) シングルモードファイバが偏波面保存ファイバ(PMF)であり、接続コネクタが偏波面を保存して伝送するための位相決め手段を有する
ことを特徴とする付記項56に記載の光プローブ装置。
【0295】
(付記項58)光プローブが被検体に不可逆的な熱損傷を与える高エネルギー光を与えるための光ファイバを有し、前記接続コネクタで接続される
ことを特徴とする付記項56に記載の光プローブ装置。
【0296】
(付記項59)光プローブが光偏向手段の位置を検出する走査位置検出手段を有し、その検出信号が観測装置に前記接続コネクタで接続される
ことを特徴とする付記項56に記載の光プローブ装置。
【0297】
“Scanning single−mode fiber optic catheter−endoscope for optical coherence tomography”Tearney et.al,Optics Letters,p.543−545,vol.21,1996に示されるOCT用の回転走査プローブでは、光ロータリジョーイントが必要であるが、一般的に高価な上、挿入損失と内部反射によるSN比の劣化という問題があった。
【0298】
これに対し、WO97/32182では、先端部に設けられたミラーを光ファイバと独立した回転シャフトで回転することで、光ロータリジョイントを不要にしているが、このような回転シャフトを生体内に導入するために、フレキシブルシャフトで実現すると、湾曲による抵抗によって回転ムラが生じるという問題点があった。
【0299】
付記項56では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)において、高SNで、回転ムラのないラジアル走査型プローブおよび観測装置を提供すると共に、電気系と、光学系を同時に簡便に接続することを目的としている。
【0300】
(付記項60)被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、得られた干渉成分の信号を得ることを特徴とする光プローブ装置であって、
前記走査手段が、挿入部に設けられた細い管状のシース内に、シングルモードファイバファイバ先端に融着された集光手段と、集光手段の一部に設けられた反射面を有する
ことを特徴とする光プローブ装置。
【0301】
(付記項61) 少なくともシングルモードファイバと集光手段が一体に回転することで走査を行う
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0302】
(付記項62)ファイバ一端がコア拡大処理されている
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0303】
(付記項63)反射面に反射コーティングが設けられている
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0304】
(付記項64)集光手段が球レンズである
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0305】
(付記項65)集光手段がGRINレンズである
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0306】
(付記項66)反射面が曲面である
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0307】
(付記項67)ファイバージャケットに減摩耗処理がされている
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0308】
(付記項68)ファイバージャケットに高剛性処理がされている
ことを特徴とする付記項60に記載の光プローブ装置。
【0309】
特表平6−511312号に示されるラジアル走査型プローブの詳細構成が特開平11−56786号公報に示されているが、プローブ先端部にはレンズ枠、GRINレンズ、プリズムなどの先端光学系があり、細径の内視鏡を用いた挿入や、循環器・血管分野の使用で求められる小型化が困難で、また組立調整も複雑で工数を要しるという問題があった。またこの構成では、ファイバ出射端とレンズ、レンズとプリズムなどの接合部で反射が生じ、SN比低下の原因となるという問題点を有する。
【0310】
付記項60では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)において小型で安価なラジアル走査型プローブを提供することを目的としている。
【0311】
(付記項69)被検体内に挿通可能な柔軟な細長の挿入部と、
低コヒーレンス光源と、前記挿入部の先端側端面から前記被検体に前記低コヒーレンス光を出射すると共に、前記被検体から反射された反射光を検出するための、シングルモードファイバからなる導光手段と、
前記ファイバよりの出射光を前記被検体に集光し、前記被検体からの反射光を検出するため、前記挿入部の先端側に設けられた集光手段と、
前記シングルモードファイバから出射した前記低干渉光を走査出射する走査出射手段と、
前記シングルモードファイバで検出した反射光と前記光源から生成した基準光とを干渉させる干渉手段を有し、得られた干渉成分の信号を得ることを特徴とする光プローブ装置であって、
前記走査手段が、挿入部に設けられた細シングルモードファイバからの出射光を挿入部の略軸方向に対して周状に偏向する第1の光偏向手段と、第1の光偏向手段を挿入部の略軸方向に回転させる回転駆動手段と、
第1の光偏向手段に対向して設けられ、第1の光偏向手段からの出射光を挿入部の略延長方向に偏向する固定された第2の光偏向手段を設けている
ことを特徴とする特徴とする光プローブ装置。
【0312】
(付記項70)第1の光偏向手段または第2の光偏向手段の少なくとも一方が反射ミラーである
ことを特徴とする付記項69に記載の光プローブ装置。
【0313】
(付記項71)反射ミラーがプリズムで構成される
ことを特徴とする付記項70に記載の光プローブ装置。
【0314】
(付記項72)第1の光偏向手段が中空で内部にシングルモードファイバを設けたフレキシブルシャフトに集光手段と共に一体に取り付けられている
ことを特徴とする付記項69に記載の光プローブ装置。
【0315】
(付記項73)第1の光偏向手段が挿入部先端に設けられたモータによって回転されている
ことを特徴とする付記項69に記載の光プローブ装置。
【0316】
(付記項74)第1の光偏向手段が回転シャフト端部に設けられ、回転シャフトと平行してシングルモードファイバが設けられている
ことを特徴とする付記項69に記載の光プローブ装置。
【0317】
特開平11−56786号公報に示されるOCT用の回転走査プローブでは、プローブの側方の画像を得ることができるが、一般の内視鏡のように、プローブの前方の断層像を得ることができない。そこで、特表平6−511312号にプローブの前方の断層像を得ることの出来る例が開示されている。しかし、これらの例では前方を走査するのに、ピエゾ素子やファイバ束によって走査しているため、ラジアル走査の方法と駆動方法が全く異なり、前方と側方の画像を切り替えたい場合は、プローブを交換するだけでなく、観測装置の交換が必要であり、煩雑であり高価であるという問題を有する。
【0318】
付記項69では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)においてラジアル走査型と走査手段および観測装置を共有出来る前方走査プローブ手段を提供することを目的としている。
【0319】
(付記項75)被検体に低コヒーレンス光源で生成した低コヒーレンス光を照射し、被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置であって
低コヒーレンス光を被検体に照射し、被検体よりの反射光を受光する光照射受光手段と、
光照射受光手段と接続し、被検体から戻ってきた低コヒーレンス光と基準光とを干渉させるとともに、前記干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝搬時間を変化させる伝搬時間変化手段と、
干渉光強度を干渉信号として検出する光検出器とを有し、
低コヒーレンス光源が、複数の低コヒーレンス光源をファイバー合波器によって出力シングルモードファイバに合波され、
その合波された光源のスペクトル形状が略ガウシアン形状である
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0320】
(付記項76)合波器が波長依存光カプラである
ことを特徴とする付記項75に記載の光イメージング装置。
【0321】
(付記項77)光源出力と出射シングルモードファイバの間に光フィルターが設けられている
ことを特徴とする付記項75に記載の光イメージング装置。
【0322】
(付記項78)光フィルターが波長フィルターである
ことを特徴とする付記項77に記載の光イメージング装置。
【0323】
(付記項79)光フィルターが減衰器である
ことを特徴とする付記項77に記載の光イメージング装置。
【0324】
(付記項80)干渉系に光フィルターが設けられている
ことを特徴とする付記項75に記載の光イメージング装置。
【0325】
(付記項81)参照アームに光フィルターが設けられている
ことを特徴とする付記項80に記載の光イメージング装置。
【0326】
(付記項82)一つの低コヒーレンス光源が直線偏波で偏光ビームスピリッタの偏光軸に入射され、もう一つの低コヒーレンス光源が他方の低コヒーレンス光源と垂直な偏光軸を有し、偏光ビームスピリッタの他方の偏光軸に入射し、その合波を出力シングルモードファイバに得る
ことを特徴とする付記項75に記載の光イメージング装置。
【0327】
(付記項83)低コヒーレンス光源から偏光ビームスピリッタの間に偏光調整手段を設けた
ことを特徴とする付記項82に記載の光イメージング装置。
【0328】
OCTにおいて深さ方向の分解能を決定するのは、主として低コヒーレンス光のバンド幅であり、低コヒーレンス光のスペクトル分布がガウシアン型であるばあい、光源の中心波長をλ0、半値バンド幅をΔλ、とすると、
深さ方向の分解能≒コヒーレンス長=2(ln2)λ02/πΔλで示され、
バンド幅が広いほど深さ方向の分解能が良くなる。
【0329】
しかし、バンド幅は、低コヒーレンス光源を構成するSLD(スーパルミネセンスダイオード)やファイバASE(自己発光)光源などデバイス自身による制限があり、また一般にバンド幅を広げようとすると、光源出力が低下してSN比が低下するという問題があり、単一の光源で高分解能と高出力(≒高SN比)を実現するのは困難である。さらに、光源のスペクトル形状がガウシアン形状でない場合、コヒーレンス長以外の部分でも干渉信号が得られるため、深さ方向の分解能の低下やSN比の低下が起きるという問題がある。
【0330】
付記項75では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)において、深さ方向分解能とSN比の向上させることを目的としている。
【0331】
(付記項84)被検体に低コヒーレンス光を照射し、被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置であって
低コヒーレンス光を被検体に照射し、被検体よりの反射光を受光する光照射受光手段と、
光照射受光手段と接続し、被検体から戻ってきた低コヒーレンス光と基準光とを干渉させるとともに、前記干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝搬時間を変化させる伝搬時間変化手段と、
千渉光強度を干渉信号として検出する光検出器とを有し、
光照射受光手段に設けられた集光手段が、複数の焦点を有する
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0332】
(付記項85)集光手段が回折素子であり、その1次回折光に対応する焦点および高次回折光に対応する焦点を有する
ことを特徴とする付記項84に記載の光イメージング装置。
【0333】
(付記項86)集光手段が複数の焦点に対応する複数の面を有する屈折レンズである
ことを特徴とする付記項84に記載の光イメージング装置。
【0334】
(付記項87)集光手段が複数の焦点を有するフレネルレンズである
ことを特徴とする付記項86に記載の光イメージング装置。
【0335】
(付記項88)中心部と周辺部が異なる焦点を有している
ことを特徴とする付記項86に記載の光イメージング装置。
【0336】
(付記項89)異なる焦点のレンズに分割される
ことを特徴とする付記項86に記載の光イメージング装置。
【0337】
(付記項90)集光手段が複数の焦点に対応する複数の面を有する集光ミラーである
ことを特徴とする付記項84に記載の光イメージング装置。
【0338】
(付記項91)被検体に低コヒーレンス光を照射し、被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置であって
低コヒーレンス光を被検体に照射し、被検体よりの反射光を受光する光照射受光手段と、
光照射受光手段と接続し、被検体から戻ってきた低コヒーレンス光と基準光とを干渉させるとともに、前記干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝搬時間を変化させる伝搬時間変化手段と、
干渉光強度を干渉信号として検出する光検出器とを有し、
光照射受光手段に設けられた集光手段が、近似非回折ビーム生成手段を有する
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0339】
(付記項92)近似非回折ビーム生成手段が、集光レンズとその焦点距離近傍に設けられた環状のマスクを有する
ことを特徴とする付記項91に記載の光イメージング装置。
【0340】
(付記項93)近似非回折ビーム生成手段が、アキシコンレンズ(円錐レンズ)を有する
ことを特徴とする付記項91に記載の光イメージング装置。
【0341】
先端部に集光系を有するOCTプローブでは、先端集光系のフォーカス位置から被検体の観察したい場所が離れると光軸に対し垂直な方向の分解能が急激に悪化し、また集光量の低下によりコントラストが低下する。このため正確に被検体をフォーカス位置に位置決めする必要があり、特に生体内で用いる場合使い勝手が悪い。これを防止するため、集光系のNAを下げると、フォーカス位置でのスポットサイズが大きくなり、深さ方向分解能に対し、光軸に垂直な方向の分解能が大幅に下がると言う問題点がある。
【0342】
付記項84及び91では、OCT(低コヒーレンス断層観察装置)において、集光光学系のフォーカス位置以外の深さにおいて、光軸に垂直な方向分解能およびコントラストを向上し、位置決めの容易な先端光学系の提供することを目的としている。
【0343】
(付記項94)被検体に低コヒーレンス光を照射し、被検体において散乱した光の情報から被検体の断層像を構築する光イメージング装置であって
低コヒーレンス光を被検体に照射し、被検体よりの反射光を受光する光照射受光手段と、
光照射受光手段と接続し、被検体から戻ってきた低コヒーレンス光と基準光とを干渉させるとともに、前記干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝搬時間を変化させる伝搬時間変化手段と、
干渉光強度を千渉信号として検出する光検出器とを有し、
光照射受光手段が集光手段と、
低コヒーレンス光源と集光手段の間に設けられた光軸上を通過するピンホールを有する回転鏡と、
低コヒーレンス光源と集光手段の間に設けられた光分配手段を有し、
伝搬時間変化手段が、光分配手段から分配された光が回転鏡で反射し、再び光分配手段に戻り、回転鏡の回転に応じて光分配手段と回転鏡の光路長が変化することにより構成される
ことを特徴とする光イメージング装置。
【0344】
(付記項95)回転鏡が回転と同時に進退をスパイラル状に行う軸を有する
ことを特徴とする付記項94に記載の光イメージング装置。
【0345】
(付記項96)集光光学系のNAに対し、ピンホールが共焦点効果を有する
ことを特徴とする付記項94に記載の光イメージング装置。
【0346】
“Optical Coherence Tomography and Microscopy in Gastrointesinal Tissues”(J.A.Izatt et.al,IEEE J.Select.Topics in Quant.Elect.vol.2,1996,p.1017−1028)に、OCTと同様に低コヒーレンス干渉を用いるが、深さ方向の走査は行わず、一定の深さの面を高いNA.の対物光学系を用いて高分解能で観察するOCM(Optical Coherence Microscopy)という技術がある。これらの技術は極めて類似性が高いが、小型のプローブでOCTとOCMを両立させる方法がなかった。
【0347】
付記項94では、OCTとOCMを組み合わせることによる高解像の光断層像の実現ることを目的としている。
【0348】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高SNで高速なリファレンス走査手段を有すると共に、干渉系を安価に構成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光イメージング装置の構成を示す構成図
【図2】図1の透過型ディレイラインの構成を示す構成図
【図3】図2のくさび型プリズムの第1の例を示す図
【図4】図2のくさび型プリズムの第2の例を示す図
【図5】図2のくさび型プリズムの回転手段を説明する図
【図6】図2のくさび型プリズムの回転手段の変形例を説明する図
【図7】図1の光カプラ、光走査プローブ、走査手段及び走査駆動装置の詳細な構成を説明する図
【図8】図7のコネクタの接点部(プローブ側)の構成をを示す図
【図9】図7の治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)によるOCT画像中のターゲットにレーザ治療・マーキングを行なう方法を説明する図
【図10】図7の治療用およびマーキング用のレーザダイオード(LD)によるOCT画像中のターゲットにレーザ治療・マーキングを行なう方法の流れを示すフローチャート
【図11】図1の構成における透過型ディレイラインにより光伝播時間を変化させながら被検体の深さ方向に対応して得られた干渉信号を復調器で復調しADコンバータでコンピュータに取り込まれた信号の信号強度を示す図
【図12】特に生体で効果的に図11の信号強度を補償する方法を示す図
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る光イメージング装置の構成を示す構成図
【図14】図13の透過型ディレイラインの構成を示す構成図
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図
【図17】図16の走査手段の変形例の構成を示す図
【図18】図16、図17のGRINレンズを光軸方向から見た図
【図19】本発明の第5の実施の形態に係る光走査プローブ及び走査手段の構成を示す図
【図20】図19のA−A線断面を示す断面図
【図21】本発明の第6の実施の形態に係る光イメージング装置の要部の構成を示す構成図
【図22】図21の光走査プローブの第1の変形例を説明する図
【図23】図21の光走査プローブの第2の変形例を説明する図
【図24】図21の光走査プローブの第3の変形例を説明する図
【図25】図24の固定ミラーを含む光軸に沿った断面を示す断面図
【図26】本発明の第7の実施の形態に係る透過型ディレイラインの構成を示す図
【図27】図26の透過型ディレイラインの変形例の構成を示す図
【図28】図27の透過型ディレイラインの詳細な構成を説明する図
【図29】本発明の第8の実施の形態に係る透過型ディレイラインの構成を示す図
【図30】本発明の第9の実施の形態に係る透過型ディレイラインの構成を示す図
【図31】図30の光学ブロックを4枚張り合わせた合成ブロックを示す図
【図32】本発明の第10の実施の形態に係る光イメージング装置の構成を示す構成図
【図33】図32の光イメージング装置に用いられる光走査プローブの先端の光学系の構成を示す図
【図34】図32の光イメージング装置に用いられる光走査プローブの先端の光学系の変形例の構成を示す図
【図35】図32の2つの低コヒーレンス光源を合波し光源のスペクトル幅を拡大する構成を示す図
【図36】図32の2つの低コヒーレンス光源を合波し最終的にガウシアン分布を得るための構成を示す図
【図37】図35の光源の合波を更に高効率で実現する例に説明する図
【図38】本発明の第11の実施の形態に係る光走査プローブの先端光学系の構成を示す図
【図39】図38の光走査プローブの先端光学系の第1の変形例の構成を示す図
【図40】図38の光走査プローブの先端光学系の第2の変形例の構成を示す図
【図41】本発明の第12の実施の形態に係る光イメージング装置の光学系の要部の構成を示す構成図
【図42】図41の光学系の第1の変形例を示す図
【図43】図41の光学系の第2の変形例を示す図
【図44】本発明の第13の実施の形態に係る光走査プローブ、光走査手段及び参照光路の光伝播時間変化手段を内視鏡先端部に組込んだ光イメージング装置の構成を示す図
【図45】図44のディスクの構成を示す図
【図46】図45のディスクによる横方向−深さ方向の2次元画像を説明する図
【符号の説明】
1…低コヒーレンス光源
2…第1のSMF(シングルモードファイバ)
3、6、14…光カプラ
4…第2のSMF
5…第3のSMF
7、11…PC(偏波面コントローラ)
8…入射SMF
9…透過型ディレイライン
10…出射SMF
12…第6のSMF
13…第4のSMF
15、16…SMF
17、18…ディテクタ
19…走査手段
20…光走査プローブ
21b、21a…第5のSMF
22…走査駆動装置
23…差動アンプ
24…復調器
25…ADコンバータ
26…ディレイライン制御回路
27…コンピュータ
28…モニタ

Claims (3)

  1. 被検体に低コヒーレンス光を照射し、前記被検体において散乱した光の情報から前記被検体の断層像を構築する光イメージング装置において、
    前記低コヒーレンス光を被検体に照射し、前記被検体において散乱した光を受光する光照射受光手段と、
    前記光照射受光手段と接続し、前記被検体において散乱した光と基準光とを干渉させるとともに、干渉位置を光軸に対し軸方向に走査するため、その走査範囲に対応した伝播時間を変化させる伝播時間変化手段と、
    干渉光強度を干渉信号として検出する光検出器とを有し、
    前記光照射受光手段がマッハツェンダー干渉系の光路の片側に、前記伝播時間変化手段が前記マッハツェンダー干渉系のもう一方の光路に設けられ、
    前記伝播時間変化手段が、前記低コヒーレンス光の入射側に配置された第1の分散素子と、前記第1の分散素子を経た光が入射される第1のレンズと、前記第1のレンズのフーリエ平面に配置されたくさび型プリズムと、前記くさび型プリズムに対して前記第1のレンズの位置と共役な位置に配置された第2のレンズと、前記くさび型プリズムに対して前記第1の分散素子の位置と共役な位置に配置された第2の分散素子と、を有し、
    前記くさび型プリズムが、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの光軸から所定の距離だけ離れ、かつ、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの前記光軸に対して平行な回転軸を中心に回転する
    ことを特徴とする光イメージング装置。
  2. 前記くさび型プリズムは、プリズム保持部材の内部の中空部において前記回転軸が中心となるように配置され、
    前記プリズム保持部材を介して前記くさび型プリズムを回転させるための駆動力を発生する回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段による前記くさび型プリズムの回転の原点位置、及び、前記くさび型プリズムの回転角を検出するための検出手段と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の光イメージング装置。
  3. 前記第1の分散素子及び前記第2の分散素子が回折格子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光イメージング装置。
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