JP4462299B2 - 撮像装置、および画像処理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Description
各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子と、
前記撮像素子からの信号を入力して、画像生成処理を実行する画像処理部を有し、
前記画像処理部は、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行する構成であることを特徴とする撮像装置にある。
画像処理装置において実行される画像処理方法であり、
画像処理部が、各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子によって取得された信号を入力して、画像生成処理を実行する画像処理ステップを有し、
前記画像処理ステップは、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行するステップであることを特徴とする画像処理方法にある。
画像処理装置において画像処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
画像処理部に、各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子によって取得された信号を入力して、画像生成処理を実行させる画像処理ステップを有し、
前記画像処理ステップは、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行するステップであることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
本発明に係る撮像装置において利用される撮像素子は、例えばアレイ状に配列された1000万以上の画素を有し、水平ラインおよび垂直カラムに画素が配列された構成を持つ。最近の大判イメージャーに多く利用されるCMOSの場合は、信号読み出しは、撮像素子の上段のラインから線順次で読み出される。例えば最上段のラインの画素を左から右に読み出し、次に2番目のラインの画素を左から右に読み出し、以下、最下段のラインまで読み出しを行う。
以下、本発明に従った複数の実施例について順次、説明する。
図2に、本発明の撮像装置に用いる撮像素子200の構成例を示す。撮像素子200は、製造段階で複数回の露光処理による回路形成が実行されたつなぎ露光により製造された撮像素子である。従って、特性の異なる複数の撮像面(分割領域)を有する。図2に示す撮像素子200は、つなぎ露光により2分割で作成されたCMOSであり、以下、撮像素子200の右面を第1撮像面211、左面を第2撮像面212と呼ぶ。各撮像面211,212は、製造段階における露光処理の単位領域に対応しており特性が異なる。
領域1_0:第1HOPB内の、先頭行からVOPB最終行までのエリア
領域1_1:第1HOPB内の、有効画像領域の開始行と同じ行から数行のエリア
領域1_2:第1撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の開始行から数行のエリア
領域1_3:第1HOPB内の、有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
領域1_4:第1撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
領域2_0:第2HOPB内の、先頭行からVOPB最終行までのエリア
領域2_1:第2HOPB内の、有効画像領域の開始行と同じ行から数行のエリア
領域2_2:第2撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の開始行から数行のエリア
領域2_3:第2HOPB内の、有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
領域2_4:第2撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
α0=IIR(領域1_1)−IIR(領域1_2)、
α1=IIR(領域1_3)−IIR(領域1_4)、
β0=IIR(領域2_1)−IIR(領域2_2)、
β1=IIR(領域2_3)−IIR(領域2_4)、
a0=IIR(領域1_0)、
b0=IIR(領域2_0)、
T=0〜20℃
T=20〜40℃
T=40〜60℃
として、シャッタースピードを7つの設定条件、すなわち、
シャッタースピード=1/8000〜1/100s、
シャッタースピード=1/100〜1s、
シャッタースピード=1〜4s、
シャッタースピード=4〜8s、
シャッタースピード=8〜16s、
シャッタースピード=16〜24s、
シャッタースピード=24〜30s、
これらの7つの異なる条件に設定し、計3×7=21種類の異なる条件で撮影を行って、上記のデータ:α0,α1,β0,β1,a0,b0を算出した結果を記録したテーブルである。
シャッタースピード=1/8000〜1/100s、
T=0〜20℃、
として光が入射しない条件下で撮影を行い、先に図3を参照して説明した各領域1_0〜1_4、領域2_0〜2_4の暗電流量の総和に相当するIIR積分結果[IIR(領域p_q)]を算出し、算出した結果に基づいて、
α0=IIR(領域1_1)−IIR(領域1_2)=50、
α1=IIR(領域1_3)−IIR(領域1_4)=80、
β0=IIR(領域2_1)−IIR(領域2_2)=20、
β1=IIR(領域2_3)−IIR(領域2_4)=40、
a0=IIR(領域1_0)=170、
b0=IIR(領域2_0)=150、
これらの結果を得て、テーブルに記録したデータである。
(P)第1撮像面の第1HOPBの上部から下部に至る暗電流量、
(Q)第1撮像面の有効画像領域の上部から下部に至る暗電流量、
(S)第2撮像面の第2HOPBの上部から下部に至る暗電流量、
(R)第2撮像面の有効画像領域の上部から下部に至る暗電流量、
これらの暗電流量を示している。なお、(Q),(R)のVOPB領域の暗電流量は、図には示していないが、それぞれ(P),(S)と重なるラインとなる。
α0=IIR(領域1_1)−IIR(領域1_2)、
α1=IIR(領域1_3)−IIR(領域1_4)、
β0=IIR(領域2_1)−IIR(領域2_2)、
β1=IIR(領域2_3)−IIR(領域2_4)
これらのデータに対応する。
a0=IIR(領域1_0)
b0=IIR(領域2_0)
これらのデータを算出し、さらに、撮影実行時の条件(シャッタースピード値やセンサ温度)から、補正に使用するパラメータセット(α0、α1、β0、β1)を選択する。
領域1_0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域1_0)
領域2_0の暗電流量総和に相当するb0=IIR(領域2_0)
撮影時のシャッタースピード、
撮影時の温度条件、
これらの値が一致するものまたは最も近いデータセットを選択する。
a0=IIR(領域1_0)
b0=IIR(領域2_0)
このデータが記録されており、基本的に、撮影時のシャッタースピードと、撮影時の温度条件が得られている場合、そのシャッタースピードと、温度条件によって選択されるデータセット中の[a0],[b0]の値と撮影画像から計測した[a0],[b0]の値はほぼ等しくなるはずであるので、撮影時のシャッタースピードと、温度条件のみを利用してこれらの条件に対応するデータセットを図4に示すデータテーブルから選択してもよい。また、撮影画像から、
領域1_0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域1_0)
領域2_0の暗電流量総和に相当するb0=IIR(領域2_0)
これらの値を計測して、計測値と最も近い、
a0=IIR(領域1_0)
b0=IIR(領域2_0)
これらの値を持つデータセットをデータテーブルから選択する構成としてもよい。
(1)領域1_0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域1_0)
(2)領域2_0の暗電流量総和に相当するb0=IIR(領域2_0)
(3)撮影時のシャッタースピード、
(4)撮影時の温度条件、
これら(1)〜(4)の全てを用いて暗電流データテーブルから利用するデータセットを選択してもよいし、(1),(2)のみ、あるいは(3),(4)のみを用いて暗電流データテーブルから利用するデータセットを選択する構成としてもよい。
有効画像領域の最上ラインをA、
有効画像領域の最下段ラインをB、
A−B間の垂直方向の画素数をvqmax,
Aから、現在読み出している行までの垂直方向の画素数をvq、
としたとき、先頭行から第1HOPBと、第2HOPB各々においてIIRフィルタを適用した積分、すなわちIIR積分を行った場合、現在読み出しラインにおけるIIR積分結果を、
IIR1(vq),
IIR2(vq)
とする。
このIIR1(vq),IIR2(vq)は、図5(1)に示すIIR1(vq)、IIR2(vq)に対応する。すなわち、
IIR1(vq):第1HOPB領域における現在の読み出し行(vq)における暗電流量、
IIR2(vq):第2HOPB領域における現在の読み出し行(vq)における暗電流量、
に対応する。
clamp1(vq)=IIR1(vq−1)−Δ1(vq−1)
=IIR1(vq−1)−((α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0)
・・・(式1)
clamp2(vq)=IIR2(vq)−Δ2(vq)
=IIR2(vq)−((β1−β0)×(vq)/vqmax+β0)
・・・(式2)
IIR1(vq−1):現在読み出し行の1つの前の行(vq−1)における第1HOPB領域における暗電流量、
Δ1(vq−1):現在読み出し行の1つの前の行(vq−1)における第1HOPB領域における暗電流量IIR1(vq−1)と、第1撮像面の有効画像領域の行(vq−1)における暗電流量との差分、
である。なお、撮像素子の左上からデータを取り込んだ場合、第1HOPBのデータの読み取り処理は同じ行の有効画像領域のデータの読み取り後に行われることになるので、先行する読み取りデータとして得られる前の行(vq−1)のデータ、IIR1(vq−1),Δ1(vq−1)を便宜的に用いている。隣り合う行でのHOPB領域のIIR積分結果の差分はきわめて小さいと考えられるため、1つ上の行vq−1のIIR積分結果を用いても処理結果に大きな違いは発生しない。
もちろん、現在行(vq)のデータを取得してデータIIR1(vq)と、Δ1(vq)を用いる構成としてもよい。
Δ1(vq−1)=(α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0
と置き換えることができる。
上記式において、α0,α1は図4に示す暗電流データテーブルから取得される値であり、
α0=IIR(領域1_1)−IIR(領域1_2)、
α1=IIR(領域1_3)−IIR(領域1_4)、
vqmax:有効画像領域A〜B間の画素数(行数)
である。α0,α1は、図5に示すように、
α0:有効画像領域の最下段行(B)における第1撮像面側の第1HOPB領域における暗電流量IIR1(B)と有効画像領域の対応行(B)の暗電流量との差分、
α1:有効画像領域の最上段行(A)における第1撮像面側の第1HOPB領域における暗電流量IIR1(A)と有効画像領域の対応行(A)の暗電流量との差分、
に対応する。
Δ1(vq−1)=(α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0
として示される。
なお、Δ1(vq−1)の代わりに、実際の読み出し行(vq)に対応する差分値、
Δ1(vq)=(α1−α0)×(vq)/vqmax+α0
上記式によって、Δ1(vq)を算出して、
clamp1(vq)=IIR1(vq−1)−Δ1(vq)
=IIR1(vq−1)−((α1−α0)×(vq)/vqmax+α0)
として、第1撮像面の現在行の暗電流値を算出する処理を行ってもよい。
clamp2(vq)=IIR2(vq)−Δ2(vq)
=IIR2(vq)−((β1−β0)×(vq)/vqmax+β0)
・・・(式2)
IIR2(vq):現在読み出し行(vq)における第2HOPB領域における暗電流量、
Δ2(vq):現在読み出し行(vq)における第2HOPB領域における暗電流量IIR2(vq)と、第2撮像面の有効画像領域の行(vq)における暗電流量との差分を用いた式である。信号の読み取りは左から右に行われ、第2撮像面の場合は、先行して第2HOPB領域のデータ読み取りが実行され、先行してIIR2(vq)が算出可能であり、前の行のデータを利用する必要がないからである。もちろん、処理速度を考慮して前の行のデータを利用しても処理結果に大きな差は生じない。
Δ2(vq)=(β1−β0)×(vq)/vqmax+β0
と置き換えることができる。
上記式において、β0,β1は図4に示す暗電流データテーブルから取得される値であり、
β0=IIR(領域2_1)−IIR(領域2_2)、
β1=IIR(領域2_3)−IIR(領域2_4)、
vqmax:有効画像領域A〜B間の画素数(行数)
である。β0,β1は、図5に示すように、
β0:有効画像領域の最下段行(B)における第2撮像面側の第2HOPB領域における暗電流量IIR2(B)と有効画像領域の対応行(B)の暗電流量との差分、
β1:有効画像領域の最上段行(A)における第2撮像面側の第2HOPB領域における暗電流量IIR2(A)と有効画像領域の対応行(A)の暗電流量との差分、
に対応する。
Δ2(vq)=(β1−β0)×(vq)/vqmax+β0
として示される。
α0=ave(領域1_1)−ave(領域1_2)、
α1=ave(領域1_3)−ave(領域1_4)、
β0=ave(領域2_1)−ave(領域2_2)、
β1=ave(領域2_3−ave(領域2_4)
a0=ave(領域1_0)
b0=ave(領域2_0)
上述した第1実施例は、特性の異なる撮像面に対応する個別のHOPB領域が設定された構成であり、各撮像面に対応してHOPBが設定されている構成であることが必要である。しかし、実際に撮像素子を構成する場合、有効画像領域を大きく設定するためにHOPB領域を小さく設定するという要請がある。例えば、異なる特性を持つ2つの撮像面に対して1つのHOPB領域を設定する構成である。また、例えば3つ以上の異なる特性を持つ撮像面を持つ場合、各撮像面に対してHOPB領域を設けることは有効画像領域の面積を少なくすることになり好ましくない。以下、第2実施例として、特性の異なる撮像面に対応する個別のHOPB領域が設定せず、異なる特性を持つ撮像面数より少ないHOPB領域を持つ撮像素子の構成とその撮像素子における暗電流除去処理例について説明する。
の構成例を示す。
領域0:第1HOPB内の、先頭行からVOPB最終行までのエリア
領域1:第1HOPB内の、有効画像領域の開始行と同じ行から数行のエリア
領域2:第1HOPB内の、有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
領域3:第1撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の開始行から数行のエリア
領域4:第1撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
領域5:第2撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の開始行から数行のエリア
領域6:第2撮像面の有効画像領域内の有効画像領域の終了行と同じ行までの数行のエリア
α0=IIR(領域1)−IIR(領域3)、
α1=IIR(領域2)−IIR(領域4)、
β0=IIR(領域1)−IIR(領域5)、
β1=IIR(領域2)−IIR(領域6)、
a0=IIR(領域0)、
T=0〜20℃
T=20〜40℃
T=40〜60℃
として、シャッタースピードを7つの設定条件、すなわち、
シャッタースピード=1/8000〜1/100s、
シャッタースピード=1/100〜1s、
シャッタースピード=1〜4s、
シャッタースピード=4〜8s、
シャッタースピード=8〜16s、
シャッタースピード=16〜24s、
シャッタースピード=24〜30s、
これらの7つの異なる条件に設定し、計3×7=21種類の異なる条件で撮影を行って、上記のデータ:α0,α1,β0,β1,a0を算出した結果を記録したテーブルである。
シャッタースピード=1/8000〜1/100s、
T=0〜20℃、
として光が入射しない条件下で撮影を行い、先に図7を参照して説明した各領域0〜6の暗電流量の総和に相当するIIR積分結果[IIR(領域p_q)]を算出し、算出した結果に基づいて、
α0=IIR(領域1)−IIR(領域3)=50、
α1=IIR(領域2)−IIR(領域4)=80、
β0=IIR(領域1)−IIR(領域5)=20、
β1=IIR(領域2)−IIR(領域6)=40、
a0=IIR(領域0)=170、
これらの結果を得て、テーブルに記録したデータである。
(P)第1撮像面の第1HOPBの上部から下部に至る暗電流量、
(Q)第1撮像面の有効画像領域の上部から下部に至る暗電流量、
(S)第2撮像面の第2HOPBの上部から下部に至る暗電流量、
(R)第2撮像面の有効画像領域の上部から下部に至る暗電流量、
これらの暗電流量を示している。(S)第2撮像面の第2HOPBの上部から下部に至る暗電流量については実在しないが、説明のために示している。また、(Q),(R)のVOPB領域の暗電流量は、図には示していないが、それぞれ(P),(S)と重なるラインとなる。
第1撮像面311側のVOPB領域を第1VOPB401、
第2撮像面312側のVOPB領域を第2VOPB402、
として設定し、それぞれの領域の暗電流値をIIR積分により算出する。各領域において、VOPB開始行から有効画像領域開始行(A)までのIIR積分結果を算出する。
第1VOPB401の暗電流に相当するIIR積分結果を[Ivopb1]、
第2VOPB402の暗電流に相当するIIR積分結果を[Ivopb2]、
とする。
第1撮像面311と第2撮像面312では特性が異なり、上記の2つのIIR積分結果は異なる値となる。[Ivopb1],[Ivopb2]の値は、図9(1)に示す有効画像領域の開始行(A)における暗電流量[Ivopb1],[Ivopb2]の値に対応する。
図12に示す暗電流量を示すグラフ中に記載しているα0,α1,β0,β1は、先に図7、図8を参照して説明した暗電流データテーブルに記録したデータに対応するデータである。すなわち、
α0=IIR(領域1)−IIR(領域3)、
α1=IIR(領域2)−IIR(領域4)、
β0=IIR(領域1)−IIR(領域5)、
β1=IIR(領域2)−IIR(領域6)、
これらのデータに対応する。
a0=IIR(領域0)
を算出する。[a0]は、同じ第1撮像面の同じ行に設定されている第1VOPB401の暗電流に相当する[Ivopb1]と同じ暗電流を持つはずである。
画像処理部102は、a0=IIR(領域1_0)を算出し、さらに、撮影実行時の条件(シャッタースピード値やセンサ温度)から、補正に使用するパラメータセット(α0、α1、β0、β1)を選択する。
領域0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域0)
撮影時のシャッタースピード、
撮影時の温度条件、
これらの値が一致するものまたは最も近いデータセットを選択する。
a0=IIR(領域0)
このデータが記録されており、基本的に、撮影時のシャッタースピードと、撮影時の温度条件が得られている場合、そのシャッタースピードと、温度条件によって選択されるデータセット中の[a0]の値と撮影画像から計測した[a0]の値はほぼ等しくなるはずであるので、撮影時のシャッタースピードと、温度条件のみを利用してこれらの条件に対応するデータセットを図4に示すデータテーブルから選択してもよい。また、撮影画像から、
領域0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域0)
この値を計測して、計測値と最も近い、
a0=IIR(領域0)
この値を持つデータセットをデータテーブルから選択する構成としてもよい。
(1)領域0の暗電流量総和に相当するa0=IIR(領域0)
(2)撮影時のシャッタースピード、
(3)撮影時の温度条件、
これら(1)〜(3)の全てを用いて暗電流データテーブルから利用するデータセットを選択してもよいし、(1)のみ、あるいは(2),(3)のみを用いて暗電流データテーブルから利用するデータセットを選択する構成としてもよい。
有効画像領域の最上ラインをA、
有効画像領域の最下段ラインをB、
A−B間の垂直方向の画素数をvqmax,
Aから、現在読み出している行までの垂直方向の画素数をvq、
とし、
現在読み出しラインにおけるIIR積分結果を、
IIR(vq)
とする。
IIR(vq):第1HOPB領域における現在の読み出し行(vq)における暗電流量、
に対応する。
clamp1(vq)=Ivopb1+IIR(vq−1)−Δ1(vq−1)
=Ivopb1+IIR(vq−1)−((α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0)
・・・(式3)
clamp2(vq)=Ivopb2+IIR(vq−1)−Δ2(vq−1)
=Ivopb2+IIR(vq−1)−((β1−β0)×(vq−1)/vqmax+β0)
・・・(式4)
IIR(vq−1):現在読み出し行の1つの前の行(vq−1)における第1HOPB領域における暗電流量、
Δ1(vq−1):現在読み出し行の1つの前の行(vq−1)における第1HOPB領域における暗電流量IIR(vq−1)と、第1撮像面の有効画像領域の行(vq−1)における暗電流量との差分、
である。なお、撮像素子の左上からデータを取り込んだ場合、第1HOPBのデータの読み取り処理は同じ行の有効画像領域のデータの読み取り後に行われることになるので、先行する読み取りデータとして得られる前の行(vq−1)のデータ、IIR(vq−1),Δ1(vq−1)を便宜的に用いている。隣り合う行でのHOPB領域のIIR積分結果の差分はきわめて小さいと考えられるため、1つ上の行vq−1のIIR積分結果を用いても処理結果に大きな違いは発生しない。
Δ1(vq−1)は、
Δ1(vq−1)=(α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0
と置き換えることができる。
上記式において、α0,α1は図8に示す暗電流データテーブルから取得される値であり、
α0=IIR(領域1)−IIR(領域3)、
α1=IIR(領域2)−IIR(領域4)、
vqmax:有効画像領域A〜B間の画素数(行数)
である。α0,α1は、図12(1)に示すように、
α0:有効画像領域の最下段行(B)における第1撮像面側の第1HOPB領域における暗電流量IIR(B)と有効画像領域の対応行(B)の暗電流量との差分、
α1:有効画像領域の最上段行(A)における第1撮像面側の第1HOPB領域における暗電流量IIR(A)と有効画像領域の対応行(A)の暗電流量との差分、
に対応する。
Δ1(vq−1)=(α1−α0)×(vq−1)/vqmax+α0
として示される。
なお、Δ1(vq−1)の代わりに、実際の読み出し行(vq)に対応する差分値、
Δ1(vq)=(α1−α0)×(vq)/vqmax+α0
上記式によって、Δ1(vq)を算出して、
clamp1(vq)=Ivopb1+IIR(vq)−Δ1(vq)
=Ivopb1+IIR(vq)−((α1−α0)×(vq)/vqmax+α0)
として、第1撮像面の現在行の暗電流値を算出する処理を行ってもよい。
clamp2(vq)=Ivopb2+IIR(vq−1)−Δ2(vq−1)
=Ivopb2+IIR(vq−1)−((β1−β0)×(vq−1)/vqmax+β0)
・・・(式4)
Δ2(vq−1)は、上記式に示すように、
Δ2(vq−1)=(β1−β0)×(vq−1)/vqmax+β0
と置き換えることができる。
上記式において、β0,β1は図8に示す暗電流データテーブルから取得される値であり、
β0=IIR(領域1)−IIR(領域5)、
αβ=IIR(領域2)−IIR(領域6)、
vqmax:有効画像領域A〜B間の画素数(行数)
である。β0,β1は、図12(1)に示すように、
β0:有効画像領域の最下段行(B)における第1HOPB領域における暗電流量IIR(B)と第2撮像面の有効画像領域の対応行(B)の暗電流量との差分、
β1:有効画像領域の最上段行(A)における第1HOPB領域における暗電流量IIR(A)と第2撮像面の有効画像領域の対応行(A)の暗電流量との差分、
に対応する。
Δ2(vq−1)=(β1−β0)×(vq−1)/vqmax+β0
として示される。
101 カメラブロック
102 画像処理部
103 画像表示部
104 メモリ
105 記憶部
106 操作部
107 制御部
108 メモリ制御部
109 リムーバブルメモリ
200 撮像素子
201 有効画像領域
211 第1撮像面
212 第2撮像面
221 第1HOPB
222 第2HOPB
231 VOPB
300 撮像素子
301 有効画像領域
311 第1撮像面
312 第2撮像面
321 第1HOPB
331 VOPB
401 第1VOPB
402 第2VOPB
Claims (13)
- 各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子と、
前記撮像素子からの信号を入力して、画像生成処理を実行する画像処理部を有し、
前記画像処理部は、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行する構成であることを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像素子は、分割露光処理によって製造され、各露光領域単位に対応する複数の撮像面によって構成された撮像素子であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、
暗電流特性の異なる各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値に基づく差分データを含むデータを記録した暗電流データテーブルを格納した記憶部を有し、
前記画像処理部は、
前記暗電流データテーブルに記録されたデータを参照して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記暗電流データテーブルは、シャッタースピードまたは温度の少なくともいずれかを異ならせた複数の撮影条件での計測値に基づく複数のデータセットを記録したテーブルであり、
前記画像処理部は、
撮影処理時のシャッタースピードまたは温度情報に基づいて、前記暗電流データテーブルに記録された複数のデータセットから、撮影時の条件に近い条件に対応するデータセットを選択し、選択したデータセットを参照して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記撮像素子はCMOSによって構成され、
前記画像処理部は、
CMOSによって構成された撮像素子の信号読み取りを上段行から下段行に線順次で実行し、読み取り信号に含まれる暗電流が撮像素子の上段から下段に移行するに従って比例して増加するとして、前記上段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値の差分データと前記下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値の差分データに基づく、前記OPB領域の暗電流に対する前記有効画像領域の暗電流の変化から、前記OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画像処理部は、
CMOSによって構成された撮像素子の信号読み取りを上段行から下段行に線順次で実行し、信号読み取りを実行する有効画像領域の各行に対応する信号に含まれる暗電流を、同一行または前の行のOPB領域の暗電流値を基準値として算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記撮像素子は、
少なくとも1つの撮像面と同一の面に前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するHOPB(H−Optical Black)領域と、
前記複数の撮像面の各々を含む領域に設定されたVOPB(V−Optical Black)領域を有し、
前記画像処理部は、
前記VOPB領域を、前記複数の撮像面の各々に対応する領域に区分して、各区分VOPB領域における暗電流を計測し、該計測値を前記上段領域または下段領域のいずれか近接した領域の計測値に替えて用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記撮像装置は、
暗電流特性の異なる各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域と前記HOPB領域との暗電流の計測値に基づく差分データを含むデータを記録した暗電流データテーブルを格納した記憶部を有し、
前記画像処理部は、
前記暗電流データテーブルに記録されたデータを参照して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。 - 前記暗電流データテーブルは、シャッタースピードまたは温度の少なくともいずれかを異ならせた複数の撮影条件での計測値に基づく複数のデータセットを記録したテーブルであり、
前記画像処理部は、
撮影処理時のシャッタースピードまたは温度情報に基づいて、前記暗電流データテーブルに記録された複数のデータセットから、撮影時の条件に近い条件に対応するデータセットを選択し、選択したデータセットを参照して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。 - 前記撮像素子はCMOSによって構成され、
前記画像処理部は、
CMOSによって構成された撮像素子の信号読み取りを上段行から下段行に線順次で実行し、読み取り信号に含まれる暗電流が撮像素子の上段から下段に移行するに従って比例して増加するとして、前記上段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値の差分データと前記下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値の差分データに基づく、前記OPB領域の暗電流に対する前記有効画像領域の暗電流の変化から、前記OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。 - 前記画像処理部は、
CMOSによって構成された撮像素子の信号読み取りを上段行から下段行に線順次で実行し、信号読み取りを実行する有効画像領域の各行に対応する信号に含まれる暗電流を、同一行または前の行のHOPB領域の暗電流値を基準値として算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を行う構成であることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。 - 画像処理装置において実行される画像処理方法であり、
画像処理部が、各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子によって取得された信号を入力して、画像生成処理を実行する画像処理ステップを有し、
前記画像処理ステップは、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行するステップであることを特徴とする画像処理方法。 - 画像処理装置において画像処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
画像処理部に、各々が異なる暗電流特性を持つ複数の撮像面によって構成されて、前記撮像面の各々に撮影画像データを取得する有効画像領域を設け、前記撮像面の少なくともいずれかに前記有効画像領域を構成する各行の対応行を有するOPB(Optical Black)領域を設けた撮像素子によって取得された信号を入力して、画像生成処理を実行させる画像処理ステップを有し、
前記画像処理ステップは、
前記各撮像面における有効画像領域の上段および下段領域における有効画像領域とOPB領域との暗電流の計測値を用いて、OPB領域において計測される暗電流を基準値として前記各撮像面の有効画像領域における暗電流値を算出し、算出結果を利用して各撮像面の有効画像領域における暗電流の除去処理を実行するステップであることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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