JP2007281759A - 撮像素子および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮像素子の温度状態を高い精度で把握できる手段を提供する。
【解決手段】 第1の発明の撮像素子は、有効画素領域と、遮光画素領域とを備える。有効画素領域には、撮影画像の信号電荷を生成する第1受光素子が配置されている。遮光画素領域には第2受光素子が配置されている。この第2受光素子は、同一の温度条件において第1受光素子よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるとともに、受光面が遮光されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1の発明の撮像素子は、有効画素領域と、遮光画素領域とを備える。有効画素領域には、撮影画像の信号電荷を生成する第1受光素子が配置されている。遮光画素領域には第2受光素子が配置されている。この第2受光素子は、同一の温度条件において第1受光素子よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるとともに、受光面が遮光されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子カメラ等の撮像装置に使用される撮像素子に関する。
電子カメラの信号出力の特性は撮像素子の温度に応じて変動する。例えば、撮像素子の出力に含まれる暗電流成分は温度の上昇によって増加することが知られている。そのため、撮像素子の温度に応じて各種の補正処理等を行う場合には、電子カメラに温度センサを搭載することが一般的である(特許文献1参照)。
特開平7−236093号公報(第6図)
しかし、上記特許文献1の場合には温度センサを撮像素子自体に配置して、撮像素子の温度を直接測定することは非常に困難である。そのため、通常は撮像素子と温度センサとの配置場所が異なることとなり、周囲の装置からの影響などによって温度センサの出力に測定誤差が生じ易い点で改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためのものであって、その目的は、撮像素子の温度状態を高い精度で把握できる手段を備えた撮像素子および撮像装置を提供することである。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためのものであって、その目的は、撮像素子の温度状態を高い精度で把握できる手段を備えた撮像素子および撮像装置を提供することである。
第1の発明の撮像素子は、有効画素領域と、遮光画素領域とを備える。有効画素領域には、撮影画像の信号電荷を生成する第1受光素子が配置されている。遮光画素領域には第2受光素子が配置されている。この第2受光素子は、同一の温度条件において第1受光素子よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるとともに、受光面が遮光されている。
第2の発明の撮像装置は、第1の発明の撮像素子と、記録部と、温度推定部とを備える。記録部は、第2受光素子の出力と撮像素子の温度との対応関係を示す温度取得データを記録する。温度推定部は、第2受光素子の出力に基づいて、撮像素子の温度を温度取得データから推定する。
第2の発明の撮像装置は、第1の発明の撮像素子と、記録部と、温度推定部とを備える。記録部は、第2受光素子の出力と撮像素子の温度との対応関係を示す温度取得データを記録する。温度推定部は、第2受光素子の出力に基づいて、撮像素子の温度を温度取得データから推定する。
第3の発明は、第2の発明において、第1受光素子による露光開始前に、第2受光素子の所定時間分の蓄積電荷を読み出す指示を撮像素子に与える制御部をさらに備える。
第4の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて第1受光素子の出力の暗電流補正を行う信号処理部をさらに備える。
第5の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて第1受光素子の出力に対して白点画素の補正処理を行う画像処理部をさらに備える。
第4の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて第1受光素子の出力の暗電流補正を行う信号処理部をさらに備える。
第5の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて第1受光素子の出力に対して白点画素の補正処理を行う画像処理部をさらに備える。
第6の発明は、第2または第3の発明において、撮像素子にタイミング信号を供給するタイミングジェネレータと、温度推定部から出力された温度データに基づいてタイミング信号の位相誤差を補償する位相調整部と、をさらに備える。
第7の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて、撮像素子の温度を制御する温度調整部をさらに備える。
第7の発明は、第2または第3の発明において、温度推定部から出力された温度データに基づいて、撮像素子の温度を制御する温度調整部をさらに備える。
本発明では、第2受光素子による暗電流成分に基づいて撮像素子の温度状態を高い精度で把握できる。
図1は第1実施形態の撮像装置のブロック図である。撮像装置は、撮像素子11と、アナログフロントエンド(AFE)部12と、A/D変換部13と、タイミングジェネレータ(TG)14と、位相調整部15と、第1メモリ16と、画像処理部17と、記録I/F18と、操作部19およびレリーズ釦20と、第2メモリ21と、CPU22とを有している。
撮像素子11は、撮影光学系(不図示)の像空間側に配置される。撮像素子11は、受光面における被写体の結像を光電変換してアナログ信号を生成する。この撮像素子11の出力はAFE部12に接続されている。
撮像素子11の受光面は、有効画素領域31と、第1遮光画素領域32および第2遮光画素領域33とに区画されている(図2参照)。そして、撮像素子11の受光面には、複数の受光素子がマトリックス状に配列されている。撮像素子11の有効画素領域31では、被写体の結像の明るさに応じて各受光素子に信号電荷が蓄積される。第1実施形態では、有効画素領域31の出力に基づいて、撮影画像を構成する画像信号が生成される。
撮像素子11の受光面は、有効画素領域31と、第1遮光画素領域32および第2遮光画素領域33とに区画されている(図2参照)。そして、撮像素子11の受光面には、複数の受光素子がマトリックス状に配列されている。撮像素子11の有効画素領域31では、被写体の結像の明るさに応じて各受光素子に信号電荷が蓄積される。第1実施形態では、有効画素領域31の出力に基づいて、撮影画像を構成する画像信号が生成される。
撮像素子11の第1遮光画素領域32は、有効画素領域31の外周側に隣接して形成されている。第1遮光画素領域32では各受光素子の表面が遮光膜によって覆われている。この第1遮光画素領域32の受光素子は、遮光状態にある点を除いては有効画素領域31の受光素子と同様に構成されている。第1遮光画素領域32では、温度変化等による蓄積電荷(暗電流成分)が各受光素子に蓄積される。第1実施形態では、第1遮光画素領域32の出力に基づいて、有効画素領域31の出力を黒レベルにクランプするためのクランプレベルが決定される。
一方、撮像素子11の第2遮光画素領域33は、第1遮光画素領域32の外周側に隣接して形成されている。例えば、図2の例では、第1遮光画素領域32の下側において水平方向に延長するように第2遮光画素領域33が形成されている。勿論、第2遮光画素領域33の配置は図2の例に限定されずに任意に変更できる。
第2遮光画素領域33では、第1遮光画素領域32と同様に各受光素子の表面が遮光膜によって覆われている。また、第2遮光画素領域33の各受光素子は、有効画素領域31および第1遮光画素領域32の受光素子と比べて、同一の温度条件において暗電流成分の電荷が多く蓄積されるように構成されている。なお、第2遮光画素領域33の出力は、後述の温度データを生成するために用いられる。
第2遮光画素領域33では、第1遮光画素領域32と同様に各受光素子の表面が遮光膜によって覆われている。また、第2遮光画素領域33の各受光素子は、有効画素領域31および第1遮光画素領域32の受光素子と比べて、同一の温度条件において暗電流成分の電荷が多く蓄積されるように構成されている。なお、第2遮光画素領域33の出力は、後述の温度データを生成するために用いられる。
図3は、第2遮光画素領域33の部分断面を示す概要図である。なお、図3では、撮像素子11の一例としてCCDの場合の断面図を示す。
撮像素子11の基板(不図示)の受光面側にはp型ウェル34が形成されている。p型ウェル34上の各々の受光部の対応位置にはn型不純物領域35が形成されている。このn型不純物領域35には信号電荷が蓄積される。また、n型不純物領域35の受光面側にはp型不純物領域36が積層形成されている。このp型不純物領域36には正電荷が蓄積される。これらによって、撮像素子11の受光部に受光素子が形成されている。さらに、撮像素子11の受光面には、電荷転送列(不図示)を遮光する第1遮光膜37と、第2遮光画素領域33を全体的に遮光する第2遮光膜38とが形成されている。この第2遮光膜38は、例えばRGB各色のカラーフィルタを3枚積層して形成される。あるいは、第2遮光膜38を金属薄膜で形成してもよい。
撮像素子11の基板(不図示)の受光面側にはp型ウェル34が形成されている。p型ウェル34上の各々の受光部の対応位置にはn型不純物領域35が形成されている。このn型不純物領域35には信号電荷が蓄積される。また、n型不純物領域35の受光面側にはp型不純物領域36が積層形成されている。このp型不純物領域36には正電荷が蓄積される。これらによって、撮像素子11の受光部に受光素子が形成されている。さらに、撮像素子11の受光面には、電荷転送列(不図示)を遮光する第1遮光膜37と、第2遮光画素領域33を全体的に遮光する第2遮光膜38とが形成されている。この第2遮光膜38は、例えばRGB各色のカラーフィルタを3枚積層して形成される。あるいは、第2遮光膜38を金属薄膜で形成してもよい。
ここで、第2遮光画素領域33の受光素子は、以下に示す手段の1つまたは複数の組み合わせによって、他の領域の受光素子よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるように構成されている。
(1)第1の方法として、受光素子のp型不純物領域36に重金属イオンをドープする。上記の重金属イオンには、例えば、鉄イオン、ニッケルイオン、タングステンイオンなどが挙げられる。一般的な受光素子のp型不純物領域36には電子がなく、正の電荷を帯びているため自由電子はほとんど発生しない。一方、上記の場合には重金属イオンのドーピングによってp型不純物領域36に自由電子が増加する。その結果、光で励起されたものではない自由電子がp型不純物領域36からn型不純物領域35に流れ込む。したがって、第2遮光画素領域33の受光素子に暗電流成分の電荷が増加する。
(1)第1の方法として、受光素子のp型不純物領域36に重金属イオンをドープする。上記の重金属イオンには、例えば、鉄イオン、ニッケルイオン、タングステンイオンなどが挙げられる。一般的な受光素子のp型不純物領域36には電子がなく、正の電荷を帯びているため自由電子はほとんど発生しない。一方、上記の場合には重金属イオンのドーピングによってp型不純物領域36に自由電子が増加する。その結果、光で励起されたものではない自由電子がp型不純物領域36からn型不純物領域35に流れ込む。したがって、第2遮光画素領域33の受光素子に暗電流成分の電荷が増加する。
(2)第2の方法として、受光素子のn型不純物領域35に重金属イオンをドープする。上記の重金属イオンには、例えば、鉄イオン、ニッケルイオン、タングステンイオンなどが挙げられる。この場合には、光によって励起されたものではない自由電子がn型不純物領域35に増加する。したがって、第2遮光画素領域33の受光素子に暗電流成分の電荷が増加する。
(3)第3の方法として、例えばCMOSにおいて、受光素子に隣接する配線層にアルミニウム、タングステン等の金属薄膜を形成する(図示は省略する)。この場合には受光素子のp型不純物領域36に自由電子が流れ込むため、第2遮光画素領域33の受光素子に暗電流成分の電荷が増加する。なお、この場合には金属薄膜を遮光膜と兼用することが可能である。
(4)第4の方法として、上記第1から第3の方法の少なくとも1つを実行するとともに、第2遮光画素領域33の受光素子の大きさを他の領域(31,32)の受光素子よりも小さく形成する。この場合には受光素子における重金属イオンの比率が増加する。したがって、第2遮光画素領域33の受光素子には暗電流成分の電荷が相対的に増加する。
(5)第5の方法として、上記第1から第3の方法の少なくとも1つを実行するとともに、有効画素領域31および第1遮光画素領域32にゲッタリングを行って受光素子の結晶欠陥や不純物を除去する。この場合、ゲッタリングされていない第2遮光画素領域33は、ゲッタリングされた他の領域(31,32)よりも相対的に暗電流成分の電荷が増加する。
(5)第5の方法として、上記第1から第3の方法の少なくとも1つを実行するとともに、有効画素領域31および第1遮光画素領域32にゲッタリングを行って受光素子の結晶欠陥や不純物を除去する。この場合、ゲッタリングされていない第2遮光画素領域33は、ゲッタリングされた他の領域(31,32)よりも相対的に暗電流成分の電荷が増加する。
なお、上記のゲッタリングは、不純物導入、加工ひずみ形成、膜形成、熱処理雰囲気の制御などの公知技術で実現される。特に限定するものではないが、一例として特開2002−353434号公報や特開2005−294705号公報などに、撮像素子のゲッタリングに関する技術が開示されている。
AFE部12は、CDS回路12a、ゲイン回路12bおよびクランプ回路12cを有している。CDS回路12aは、相関二重サンプリングによって、撮像素子11の出力信号のノイズ成分を低減する。ゲイン回路12bは、CPU22の指示によって入力信号の利得を増幅する。このゲイン回路12bは、画像信号に対して、ISO感度に相当する撮像感度の調整を実行する。クランプ回路12cは、入力信号の波形の特定部分を一定の電圧レベルにクランプする。なお、クランプ回路12cは、第1遮光画素領域32の信号出力に基づいて、画像信号をクランプすることで黒レベルの調整を実行する。
AFE部12は、CDS回路12a、ゲイン回路12bおよびクランプ回路12cを有している。CDS回路12aは、相関二重サンプリングによって、撮像素子11の出力信号のノイズ成分を低減する。ゲイン回路12bは、CPU22の指示によって入力信号の利得を増幅する。このゲイン回路12bは、画像信号に対して、ISO感度に相当する撮像感度の調整を実行する。クランプ回路12cは、入力信号の波形の特定部分を一定の電圧レベルにクランプする。なお、クランプ回路12cは、第1遮光画素領域32の信号出力に基づいて、画像信号をクランプすることで黒レベルの調整を実行する。
A/D変換部13はAFE部12からの出力信号をA/D変換する。このA/D変換部13から出力されたデジタル信号は第1メモリ16に入力される。
TG14は、CPU22の指示により、撮像素子11およびAFE部12に対して各種動作に必要となるタイミングパルスを供給する。なお、CPU22は、TG14のタイミングパルスによって撮像素子11の電荷蓄積時間や信号読みだしのタイミングなどを調整する。
TG14は、CPU22の指示により、撮像素子11およびAFE部12に対して各種動作に必要となるタイミングパルスを供給する。なお、CPU22は、TG14のタイミングパルスによって撮像素子11の電荷蓄積時間や信号読みだしのタイミングなどを調整する。
位相調整部15は、互いに異なる遅延時間を有する複数のパスをセレクタで切り替えるプログラマブルな遅延回路を有している。この位相調整部15は、CPU22の指示に応じて、温度変化によるタイミングパルスの位相誤差を補償する。
第1メモリ16は、画像処理部17による画像処理の前工程または後工程でデータを一時的に保存するためのバッファメモリである。
第1メモリ16は、画像処理部17による画像処理の前工程または後工程でデータを一時的に保存するためのバッファメモリである。
画像処理部17は、デジタル画像信号に各種の画像処理を施して撮影画像データを生成する。この画像処理部17は撮影画像データの圧縮処理も実行する。特に、画像処理部17は、後述の温度データに基づいて、白点画素の欠陥補正、黒レベル補正などの処理を実行する。
記録I/F18には記録媒体23を接続するためのコネクタが形成されている。そして、記録I/F18は、コネクタに接続された記録媒体23に対して撮影画像データの書き込み/読み込みを実行する。上記の記録媒体23は、半導体メモリを内蔵したカード型記録媒体などで構成される。なお、図1では記録媒体23の一例としてカード型記録媒体を図示する。
記録I/F18には記録媒体23を接続するためのコネクタが形成されている。そして、記録I/F18は、コネクタに接続された記録媒体23に対して撮影画像データの書き込み/読み込みを実行する。上記の記録媒体23は、半導体メモリを内蔵したカード型記録媒体などで構成される。なお、図1では記録媒体23の一例としてカード型記録媒体を図示する。
操作部19は、例えば、コマンドダイヤルや十字状のカーソルキー等で構成される。この操作部19は、露光時間および撮像感度の設定に関する入力などをユーザーから受け付ける。また、レリーズ釦20はレリーズタイミングの指示入力をユーザーから受け付ける。
第2メモリ21には温度取得データと補正データ群とが記録されている。なお、第2メモリ21には、一般的に撮像装置の初期検査工程で生成されたデータが記録されているが、第2メモリ21の各データは事後的に書き換えることも可能である。
第2メモリ21には温度取得データと補正データ群とが記録されている。なお、第2メモリ21には、一般的に撮像装置の初期検査工程で生成されたデータが記録されているが、第2メモリ21の各データは事後的に書き換えることも可能である。
温度取得データには、第2遮光画素領域33の信号レベルの値と撮像素子11の温度との対応関係が記録されている。第1実施形態では、CPU22は、温度取得データに基づいて、第2遮光画素領域33の信号レベルから撮像素子11の温度を推定する。
ここで、第1実施形態での撮像素子11の信号レベルの値と温度との相関を図4に示す。受光素子の出力に含まれる暗電流成分は、撮像素子11の温度上昇に比例して増加することが公知である。そのため、暗電流成分の信号レベルから撮像素子11の温度を導出することができる。
ここで、第1実施形態での撮像素子11の信号レベルの値と温度との相関を図4に示す。受光素子の出力に含まれる暗電流成分は、撮像素子11の温度上昇に比例して増加することが公知である。そのため、暗電流成分の信号レベルから撮像素子11の温度を導出することができる。
特に第1実施形態で第2遮光画素領域33を設けたのは以下の理由による。画像信号のSN比を良好にする観点からは、有効画素領域と遮光画素領域の出力の暗電流成分は少ない方がより好ましい。 しかし、暗電流成分が少ない場合には温度による信号レベルの変化量が小さくなるので(図4参照)、上記の手法による温度の推定には支障をきたす。そこで、第1実施形態では、有効画素領域31および第1遮光画素領域32とは別に、暗電流成分の電荷が多く蓄積される第2遮光画素領域33を温度検出用に別途設けることとした。
第2メモリ21の補正データ群は、撮像素子11の温度と対応関係を有する複数の補正データで構成されている。例えば、第2メモリ21の補正データには、黒レベル補正データと、白点画素の補正データと、位相誤差の補正データとが含まれている。
黒レベル補正データは、画像処理部17での黒レベル補正処理に用いられる。黒レベル補正データには、後述の温度データの示す温度と、画像処理部17における補正値(黒レベルに加算する信号レベルの値)との対応関係が記録されている。
黒レベル補正データは、画像処理部17での黒レベル補正処理に用いられる。黒レベル補正データには、後述の温度データの示す温度と、画像処理部17における補正値(黒レベルに加算する信号レベルの値)との対応関係が記録されている。
白点画素の補正データは、画像処理部17での白点画素の欠陥補正処理に用いられる。ここで、白点画素とは、撮像素子11に発生する欠陥画素の一種であって、入射光量に対して所定以上の大きさの信号レベルを出力する画素をいう。ここで、撮影画像には、撮像素子11の温度増加に比例して白点画素のノイズが目立ちやすくなる。一方で、メディアンフィルタで白点画素の過剰な補正が行われると、被写体の高域周波数成分がカットされていわゆる眠い画像になってしまう。そのため、第1実施形態では、撮像素子11の温度に応じて白点画素の補正内容を変化させている。
図5に白点画素の補正データの内容を模式的に示す。白点画素の補正データでは、後述の温度データの示す温度と、補正対象となる白点画素の信号レベルの閾値との対応関係が記録されている。上記の閾値は、補正対象の白点画素と隣接画素との信号レベルの差を示している。ここで、上記の閾値が小さい場合には、隣接画素との信号レベルの差が少ない白点画素も補正されるので、補正量が多くなる。
図5の例では、温度が0℃未満の場合、画像処理部17は白点画素の補正処理を行わない。温度が0℃以上10℃未満の場合、画像処理部17は隣接画素との信号レベルの差が30LSB以上の白点画素に補正処理を行う。温度が10℃以上30℃未満の場合、画像処理部17は隣接画素との信号レベルの差が20LSB以上の白点画素に補正処理を行う。そして、温度が40℃以上の場合、画像処理部17は隣接画素との信号レベルの差が10LSB以上の白点画素に補正処理を行う。なお、白点画素の補正処理の切り替えは図5の例に限定されず、例えば閾値を温度に応じて直線的または曲線的に変化させるようにしてもよい。
位相誤差の補正データは、位相調整部15におけるタイミングパルスの位相調整に用いられる。位相誤差の補正データには、後述の温度データの示す温度と、上記のパルス信号の位相の調整量を示す係数値との対応関係が記録されている。
CPU22は所定のシーケンスプログラムに従って撮像装置の各部動作を制御する。例えば、CPU22は、測光部(不図示)の出力に基づく公知の自動露出演算あるいは操作部19からの入力によって撮像装置の露光時間を設定する。また、特に第1実施形態では、CPU22は第2遮光画素領域33の出力に基づいて撮像素子11の温度を示す温度データを生成する。
CPU22は所定のシーケンスプログラムに従って撮像装置の各部動作を制御する。例えば、CPU22は、測光部(不図示)の出力に基づく公知の自動露出演算あるいは操作部19からの入力によって撮像装置の露光時間を設定する。また、特に第1実施形態では、CPU22は第2遮光画素領域33の出力に基づいて撮像素子11の温度を示す温度データを生成する。
以下、第1実施形態の撮像装置の動作を説明する。
ユーザーによるレリーズ釦20の全押しがあると、CPU22は最初に温度データの取得を行った後に、被写体の撮影を実行する。
温度データの取得動作では、CPU22はレリーズ後に所定時間分だけ撮像素子11に電荷を蓄積させる。この温度データの取得動作では、撮影毎の測定条件を同一にするために、CPU22は電荷蓄積時間およびゲインの増幅率を常に一定にする。その後、CPU22は第2遮光画素領域33の蓄積電荷の読み出しを撮像素子11に対して指示する。これにより、CPU22は、上記の第2遮光画素領域33の信号レベルを取得する。そして、CPU22は、第2メモリ21の温度取得データに基づいて、上記の第2遮光画素領域33の信号レベルから撮像素子11の温度を示す温度データを生成する。
ユーザーによるレリーズ釦20の全押しがあると、CPU22は最初に温度データの取得を行った後に、被写体の撮影を実行する。
温度データの取得動作では、CPU22はレリーズ後に所定時間分だけ撮像素子11に電荷を蓄積させる。この温度データの取得動作では、撮影毎の測定条件を同一にするために、CPU22は電荷蓄積時間およびゲインの増幅率を常に一定にする。その後、CPU22は第2遮光画素領域33の蓄積電荷の読み出しを撮像素子11に対して指示する。これにより、CPU22は、上記の第2遮光画素領域33の信号レベルを取得する。そして、CPU22は、第2メモリ21の温度取得データに基づいて、上記の第2遮光画素領域33の信号レベルから撮像素子11の温度を示す温度データを生成する。
一方、CPU22は、第2遮光画素領域33の蓄積電荷の読み出し後に、撮像素子11に対して被写体の撮影を指示する。撮像素子11は、有効画素領域31および第1遮光画素領域32の蓄積電荷を一旦リセットしてから、予め設定された露光時間に応じて被写体の結像を光電変換する。そして、画像処理部17は、有効画素領域31および第1遮光画素領域32の画像信号に基づいて撮影画像データを生成する。このとき、画像処理部17は、上記の温度データに基づいて黒レベル補正および白点画素の補正を実行する。
ここで、画像処理部17での黒レベル補正処理について説明する。まず、CPU22は撮像素子11の温度に対応する黒レベルの補正値を第2メモリ21から読み出す。次に、画像処理部17は、上記の黒レベルの補正値に基づいて撮影画像データの黒レベルの値を調整する。これにより、暗電流に起因する撮影画像データでの黒レベルの浮きが補償される。
次に、画像処理部17での白点画素の補正処理について説明する。第1に、CPU22は撮像素子11の温度に対応する閾値を第2メモリ21から読み出す。第2に、画像処理部17は、上記の閾値に基づいて、画像信号のうちから補正対象となる白点画素の出力を検出する。
具体的には、画像処理部17は、ある注目画素とその隣接画素との信号レベルの差を演算する。そして、演算結果の信号レベルの差が閾値以上で、かつ当該差分が正(プラス)の場合には、画像処理部17は上記の注目画素を補正対象の白点画素と判定する。そして、第3に、画像処理部17は上記の白点画素に対してメディアンフィルタによるフィルタ処理を施す。これにより、白点画素の信号レベルは周囲の画素の出力で補間される。
具体的には、画像処理部17は、ある注目画素とその隣接画素との信号レベルの差を演算する。そして、演算結果の信号レベルの差が閾値以上で、かつ当該差分が正(プラス)の場合には、画像処理部17は上記の注目画素を補正対象の白点画素と判定する。そして、第3に、画像処理部17は上記の白点画素に対してメディアンフィルタによるフィルタ処理を施す。これにより、白点画素の信号レベルは周囲の画素の出力で補間される。
さらに、CPU22は温度データに基づいて、タイミングパルスの温度変化による位相誤差を補償する。ここで、図6を参照しつつタイミングパルスの位相ズレについて説明する。温度変化に応じてTG14のタイミングパルスの位相が変化すると、例えば、撮像素子11から信号を読み出すタイミングと各々の画像信号をホールドするタイミングとにズレが生じ、画像信号の信号レベルに誤差が生じうる。そのため、第1実施形態では、撮像素子11の温度に応じてタイミングパルスの位相調整を行っている。
具体的には、CPU22は、温度データに対応する係数値を第2メモリ21の位相誤差の補正データから読み出す。そして、CPU22は位相調整部15を上記の係数値に基づいて制御する。これにより、位相調整部15でタイミングパルスの位相ズレが補償される。かかる位相誤差の補償はその後の撮影に反映されることとなる。したがって、連写撮影時や動画撮影時には上記の位相誤差の補償が特に有効となる。
以下、第1実施形態の作用効果を説明する。第1実施形態の撮像装置では、撮像素子11の第2遮光画素領域33の出力に基づいてCPU22が温度データを生成する。そして、上記の温度データに基づいて、撮像装置は、白点画素の補正処理および黒レベル補正処理やタイミングパルスの位相誤差の補償を行う。上記の第2遮光画素領域33には他の領域よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるので、わずかな温度変化でも信号レベルに大きな変化が生じる。そのため、CPU22は撮像素子11の温度状態を高い精度で把握でき、上記の各種補正をより適切に行うことが可能となる。
(第2実施形態の説明)
図7は第2実施形態の撮像装置のブロック図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と共通の構成については同一符号を付して重複説明を省略する。
第2実施形態の撮像装置は、例えば顕微鏡や天体望遠鏡などに使用される高感度カメラであって、撮像素子11との熱交換を行う温度調整部24をさらに備える。この温度調整部24はペルチェ素子を内蔵する。温度調整部24は、CPU22の電圧印加に応じてペルチェ効果によって撮像素子11を冷却する。CPU22は、温度データの示す温度に応じて温度調整部24を制御する。
図7は第2実施形態の撮像装置のブロック図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と共通の構成については同一符号を付して重複説明を省略する。
第2実施形態の撮像装置は、例えば顕微鏡や天体望遠鏡などに使用される高感度カメラであって、撮像素子11との熱交換を行う温度調整部24をさらに備える。この温度調整部24はペルチェ素子を内蔵する。温度調整部24は、CPU22の電圧印加に応じてペルチェ効果によって撮像素子11を冷却する。CPU22は、温度データの示す温度に応じて温度調整部24を制御する。
第2実施形態では、第1実施形態とほぼ同様の効果に加えて、CPU22が温度データに基づいて温度調整部24を制御して撮像素子11を冷却するので、撮像素子11の温度状態を高い精度で管理できる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような形態であってもよい。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような形態であってもよい。
(1)上記実施形態において、黒レベル補正データの補正値をAFE部12のクランプ回路12cに出力し、上記の補正値をアナログ処理工程に反映させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態において、TG14から他の回路に供給されるパルス信号についても、温度に応じて位相調整部15で位相を調整するようにしてもよい。
(3)上記実施形態において、CPU22は温度に応じてゲイン回路12bのゲインを調整するようにしてもよい。
(2)上記実施形態において、TG14から他の回路に供給されるパルス信号についても、温度に応じて位相調整部15で位相を調整するようにしてもよい。
(3)上記実施形態において、CPU22は温度に応じてゲイン回路12bのゲインを調整するようにしてもよい。
11…撮像素子、14…タイミングジェネレータ(TG)、15…位相調整部、17…画像処理部、21…第2メモリ、22…CPU、24…温度調整部、31…有効画素領域、33…第2遮光画素領域
Claims (7)
- 撮影画像の信号電荷を生成する第1受光素子が配置されている有効画素領域と、
同一の温度条件において前記第1受光素子よりも暗電流成分の電荷が多く蓄積されるとともに、受光面が遮光されている第2受光素子が配置されている遮光画素領域と、
を備えることを特徴とする撮像素子。 - 請求項1に記載の撮像素子と、
前記第2受光素子の出力と前記撮像素子の温度との対応関係を示す温度取得データを記録した記録部と、
前記第2受光素子の出力に基づいて、前記撮像素子の温度を前記温度取得データから推定する温度推定部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記第1受光素子による露光開始前に、前記第2受光素子の所定時間分の蓄積電荷を読み出す指示を前記撮像素子に与える制御部をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
前記温度推定部から出力された温度データに基づいて前記第1受光素子の出力の暗電流補正を行う信号処理部をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
前記温度推定部から出力された温度データに基づいて前記第1受光素子の出力に対して白点画素の補正処理を行う画像処理部をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
前記撮像素子にタイミング信号を供給するタイミングジェネレータと、
前記温度推定部から出力された温度データに基づいて前記タイミング信号の位相誤差を補償する位相調整部と、
をさらに備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
前記温度推定部から出力された温度データに基づいて、前記撮像素子の温度を制御する温度調整部をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
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---|---|---|---|
JP2006104046A JP2007281759A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | 撮像素子および撮像装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012228451A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-11-22 | Olympus Corp | 電子内視鏡装置 |
US9179828B2 (en) | 2011-08-05 | 2015-11-10 | Olympus Corporation | Electronic endoscope apparatus |
JP2016076815A (ja) * | 2014-10-06 | 2016-05-12 | キヤノン株式会社 | 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 |
-
2006
- 2006-04-05 JP JP2006104046A patent/JP2007281759A/ja not_active Withdrawn
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