JP4458570B2 - ダイヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はウェブに対して帯状模様の塗工を行うダイヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ウェブに対して帯状模様の塗工を行なうダイヘッドとして、開口を形成する一対の保持体と、一対の保持体の開口内に挟み込まれたテフロン、ポリエステル等の樹脂シート、または銅、アルミ等の金属シートとを有するものが知られている。
【0003】
この場合、一対の保持体の開口のうち樹脂シートまたは金属シートによって塗工液の未塗工部が形成され、その他の開口部分によって塗工液の塗工部が形成される。
【0004】
また、一対の保持体の開口に、一方の保持体から突出する突出部を設け、この突出部を未塗工部とするとともに、突出部以外の部分を塗工部とするものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したダイヘッドのうち、樹脂シートまたは金属シートを挟み込むものはシートの挟み込み作業が必要となり、面倒であるとともに精度良くシートを挟み込むことはむずかしい。
【0006】
また一対の保持体の開口に突出部を設けるものは、この突出部の加工作業が大変であり、精度良く突出部を加工することはむずかしい。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、塗工部および未塗工部を容易にかつ精度良く設けることができるダイヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウェブに対して塗工を行うダイヘッドにおいて、ウェブの幅方向に延び、内部に塗工液用の通路が形成され、先端に塗工液用の通路に連通する開口を形成する一対の保持体と、一対の保持体の先端に形成された開口に配置され、かつ一対の保持体と別体に設けられた複数の密閉ブロックおよび複数の開孔ブロックとを備え、密閉ブロックは開口を密閉し、開孔ブロックは塗工液噴射用の開孔を形成し、密閉ブロックと開孔ブロックは、ウェブの幅方向に沿って交互に配置されていることを特徴とするダイヘッドである。
【0009】
本発明によれば、一対の保持体間の開口に密閉ブロックと開孔ブロックを交互に配置し、開孔ブロックの開孔から塗工液を噴射するので、塗工液が噴射する開孔を容易かつ精度良く形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1および図2は、本発明によるダイヘッドの第1の実施の形態を示す図である。
【0012】
図1および図2において、ダイヘッド10は支持ロール30に巻付けられたウェブ31に対して塗工液17を噴射してウェブ31に帯状模様の塗工を行なうものである。
【0013】
このようなダイヘッド10は、図1(a)に示すように一対の側板20,21と、一対の側板20,21間に設けられ先端に開口18を形成する一対の保持体11,12と、一対の保持体11,12の開口18に交互に配置された密閉ブロック14および開孔ブロック15とを備えている。
【0014】
一対の保持体11,12のうち一方、例えば保持体11には開口18側へ延びる突出板13が突設され、密閉ブロック14はこの突出板13に当接して開口18を密閉し、開孔ブロック15は突出板13との間で塗工液噴出用の開孔15aを形成している。
【0015】
図1(b)(c)に示すように、開孔ブロック15はその高さが密閉ブロック14に比べて小さくなっており、この高さの相違によって開孔ブロック15に開孔15aが形成される。
【0016】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0017】
支持ロール30に巻付けられたウェブ31が図2の矢印L方向に走行し、このウェブ31に対してダイヘッド10が接近する。ダイヘッド30の一対の保持体11,12内には、塗工液用の通路16が形成され、塗工液17はこの通路16から開孔ブロック15の開孔15aを通ってウェブ31に噴射される。この場合、開孔ブロック15と密閉ブロック14は、開口18内に交互に配置されているので、開孔ブロック15の開孔15aによってウェブ31に帯状模様の塗工を行なうことができる。
【0018】
以上のように本実施の形態によれば、一対の保持体11,12の開口18に密閉ブロック14と開孔ブロック15とを交互に配置し、この開孔ブロック15の開孔15aから塗工液を噴出するようにしたので、シートによって開孔を形成したり、一対の保持体に加工を施し、突出部を設けて開孔を形成する場合に比べて、容易かつ精度良く開孔ブロック15の開孔15aを形成することができる。
【0019】
なお、開孔ブロック15の開孔15aの形状(隙間および幅)を変化させたい場合は、所望形状の密閉ブロック14と開孔ブロック15を開口18内に入れ替えることにより、容易に開孔15aの形状を変化させることができる。
第2の実施の形態
次に図3により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0020】
図3に示す実施の形態は、開孔ブロック15が密閉ブロック14より内方に引込んでいる点が異なるのみであり、他は図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0021】
図3において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0022】
図3において、開孔ブロック15が密閉ブロック14に比して内方へ引込んでいるため、開孔15aから噴出される塗工液17が開孔15aの幅より大きく拡大することはなく、より精度の高い帯状模様の塗工を行なうことができる。
【0023】
開孔ブロック15の密閉ブロック14に対する引込量は以下のようにして定められる。
【0024】
まず密閉ブロック14の先端とウェブ31との間の隙間G1 は、なくべく小さい方が、密閉ブロック14側への塗工液17の回り込みが少なくなるため好ましい。
【0025】
しかしながら、あまり小さすぎると、ウェブ31上のゴミ、ウェブ31の凹凸によりウェブ31への傷つき、破れ等が懸念される。従って実験により密閉ブロック14の先端とウェブ31の間の隙間が所定の値に定められる。
【0026】
次に開孔ブロック15の先端とウェブ31との間の隙間G2 は、開孔ブロック15および密閉ブロック14の先端形状、支持ロール30の半径によって異なるが、塗工液17のウェブ31上での膜厚tと、隙間G2 との比(t/G2 )と、塗工液のキャピラリー数Ca(=粘度μ×ウェブ速度v/表面張力a)との関係には一定の関係がある。
【0027】
また膜厚tとキャピラリー数Caはウェブ31からなる製品により定められる。このため、これらt・Caから隙間G2 が求められる。
【0028】
次に隙間G2−隙間G1により、開孔ブロック15の密閉ブロック14に対する引込量が求められる。
第3の実施の形態
次に図4により、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4に示す第3の実施の形態は、保持体11に突出板13を設ける代わりに、一対の保持体11,12間の開口18に密閉ブロック14および開孔ブロック15に対向させて、対向ブロック22,23を各々設けたものであり、他は図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0029】
図4に示す第3の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
図4に示すように、密閉ブロック14は対向ブロック22と当接して開口18を密閉し、開孔ブロック15は対向ブロック23との間で開孔15aを形成している。
【0031】
また開孔ブロック15と、この開孔ブロック15に対向する対向ブロック23は、各々密閉ブロック14および対向ブロック22に対して内方へ引込んでいる。
第4の実施の形態
次に図5乃至図7により本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0032】
図5乃至図7に示す第4の実施の形態は、密閉ブロック14および開孔ブロック15に対向して、対向ブロック22,23を各々設けるとともに、密閉ブロック14、開孔ブロック15、および対向ブロック22,23の先端をウェブ31の走行方向に沿って湾曲させたものである。また開孔ブロック14は密閉ブロック15に対して内方へ引込んでいる。
【0033】
密閉ブロック14、開孔ブロック15および対向ブロック22,23の先端をウェブ31の走行方向に沿って湾曲させることにより、高精度の帯状模様の塗工を行なうことができる。
【0034】
すなわち図7に示すように、ダイヘッド10の先端を、上流側先端10aから下流側先端10bに向けてフラットにしておくと、上流側先端10aおよび下流側先端10bにおいてウェブ31との間の距離が大きくなり、開孔ブロック15から密閉ブロック14へ向かって塗工液の回り込みが生じる。
【0035】
これに対して、図6に示すように、ダイヘッド10の先端を上流側先端10aから下流側先端10bに向けて湾曲させておくことにより、上流側先端10aおよび下流側先端10bにおいてウェブ31との間の距離が拡がることはない。このため、開孔ブロック15から密閉ブロック14へ向って塗工液の回り込みが生じることはなく、高精度の帯状模様の塗工を行なうことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、塗工液が噴射する開孔を容易かつ精度良く形成することができる。このため帯状模様の塗工を精度良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダイヘッドの第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】ダイヘッドの側面図。
【図3】本発明によるダイヘッドの第2の実施の形態を示す斜視図。
【図4】本発明によるダイヘッドの第3の実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明によるダイヘッドの第4の実施の形態を示す斜視図。
【図6】本発明によるダイヘッドの第4の実施の形態の作用を示す図。
【図7】本発明によるダイヘッドの第4の実施の形態における比較例を示す図。
【符号の説明】
10 ダイヘッド
11,12 保持体
13 突出板
14 密閉ブロック
15 開孔ブロック
15a 開孔
17 塗工液
20,21 側板
22,23 対向ブロック
30 支持ロール
31 ウェブ

Claims (5)

  1. ウェブに対して塗工を行うダイヘッドにおいて、
    ウェブの幅方向に延び、内部に塗工液用の通路が形成され、先端に塗工液用の通路に連通する開口を形成する一対の保持体と、
    一対の保持体の先端に形成された開口に配置され、かつ一対の保持体と別体に設けられた複数の密閉ブロックおよび複数の開孔ブロックとを備え、
    密閉ブロックは開口を密閉し、
    開孔ブロックは塗工液噴射用の開孔を形成し、密閉ブロックと開孔ブロックは、ウェブの幅方向に沿って交互に配置されていることを特徴とするダイヘッド。
  2. 一対の保持体の開口に、一方の保持体から延びる突出板が設けられ、
    密閉ブロックは突出板に当接するとともに、開孔ブロックは突出板との間で開孔を形成することを特徴とする請求項1記載のダイヘッド。
  3. 一対の保持体の開口に、開孔ブロックに対向して対向ブロックが設けられ、開孔ブロックは対向ブロックとの間で開孔を形成することを特徴とする請求項1記載のダイヘッド。
  4. 開孔ブロックの先端は密閉ブロックの先端より内方に引込んでいることを特徴とする請求項1記載のダイヘッド。
  5. 密閉ブロックおよび開孔ブロックの先端は、ウェブの走行方向に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1記載のダイヘッド。
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