JP2005324183A - 塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 - Google Patents
塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005324183A JP2005324183A JP2005083688A JP2005083688A JP2005324183A JP 2005324183 A JP2005324183 A JP 2005324183A JP 2005083688 A JP2005083688 A JP 2005083688A JP 2005083688 A JP2005083688 A JP 2005083688A JP 2005324183 A JP2005324183 A JP 2005324183A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- slit
- head
- manifold
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 マニホールドに供給された塗布液がスリット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出される際に、この塗布液の流量分布を塗布ヘッドの長手方向において十分に均一化させる。
【解決手段】 一対のヘッド部材11A,11Bから構成された塗布ヘッド10を有し、一対のヘッド部材11A,11Bにおける互いに対向する側面12A,12B同士の間に、塗布液が供給されるマニホールド15と、このマニホールド15から先端側へ延びて塗布ヘッド10の先端に開口する溝状のスリット16とが画成された塗布工具において、マニホールド15と塗布ヘッド10の先端との間に配置されるスリット16に、このスリット16内を流通する塗布液の幅方向圧力分布を均一化させるための急拡大・急縮小部を設ける。急拡大・急縮小部を、スリット16を構成するスリット面16Bに形成された溝部20とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 一対のヘッド部材11A,11Bから構成された塗布ヘッド10を有し、一対のヘッド部材11A,11Bにおける互いに対向する側面12A,12B同士の間に、塗布液が供給されるマニホールド15と、このマニホールド15から先端側へ延びて塗布ヘッド10の先端に開口する溝状のスリット16とが画成された塗布工具において、マニホールド15と塗布ヘッド10の先端との間に配置されるスリット16に、このスリット16内を流通する塗布液の幅方向圧力分布を均一化させるための急拡大・急縮小部を設ける。急拡大・急縮小部を、スリット16を構成するスリット面16Bに形成された溝部20とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被塗布物に対して塗布液を塗布するために用いられる塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物に関するものである。
従来、写真用フィルム・磁気テープなどの薄膜塗布に用いられる塗布方式は、ダイ方式、ロール方式などが用いられてきた。
またフラットパネルディスプレイ分野では、スピン方式が主流であったが、ガラス基板の大型化により基板を回転させることが困難になってきた。また、スピン方式やロール方式は後計量塗工であり、所望よりも多くの塗布液が必要となり余剰な塗布液が発生する。
一方ダイ方式は前計量塗工であるため、全量が塗布され余剰な塗布液の発生を極力抑えることができる。以上のような理由から最近ではダイ方式を採用することが多くなってきている。
またフラットパネルディスプレイ分野では、スピン方式が主流であったが、ガラス基板の大型化により基板を回転させることが困難になってきた。また、スピン方式やロール方式は後計量塗工であり、所望よりも多くの塗布液が必要となり余剰な塗布液が発生する。
一方ダイ方式は前計量塗工であるため、全量が塗布され余剰な塗布液の発生を極力抑えることができる。以上のような理由から最近ではダイ方式を採用することが多くなってきている。
このような塗布工具は、例えば一対のヘッド部材から構成された塗布ヘッドを有し、一対のヘッド部材における互いに対向する側面同士の間に、塗布液が供給されるマニホールドと、このマニホールドから先端側へ延びて塗布ヘッドの先端に開口する溝状のスリットとが画成されたものである。
そして、塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させるとともに、塗布ヘッドの長手方向(スリットの長手方向)を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、塗布液タンクからマニホールドに供給される塗布液が、スリット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出されることにより、この塗布ヘッドの先端に対して相対的に移動する被塗布物の表面に塗布液が塗布されるようになっている。
そして、塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させるとともに、塗布ヘッドの長手方向(スリットの長手方向)を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、塗布液タンクからマニホールドに供給される塗布液が、スリット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出されることにより、この塗布ヘッドの先端に対して相対的に移動する被塗布物の表面に塗布液が塗布されるようになっている。
最近では、フラットパネルディスプレイの大画面化により、ガラス基板はさらに大型化しており、基板サイズに合わせダイの幅方向長さも長くなってきている。そのため、ダイ長手方向における流量分布が不均一になり、塗膜厚も不均一になるという問題が生じている。
これに対し、特許文献1には、コートハンガータイプ及びストレートタイプの組合せ形状を有するマニホールドが塗布ヘッドに形成されていて、マニホールドから塗布ヘッドの先端までのスリットの距離(塗布液の流通距離)を塗布ヘッドの長手方向で変化させることにより、塗布ヘッドの先端から吐出される塗布液の流量分布を均一化させることを狙った塗布工具が開示されている。
また、特許文献2には、2つのマニホールドが塗布ヘッドに形成されていて、これら2つのマニホールド間に位置するギャップにテーパを付けてその幅を塗布ヘッドの長手方向で変化させることにより、塗布ヘッドの先端から吐出される塗布液の流量分布を均一化させることを狙った塗布工具が開示されている。
特開平8−57934号公報
特開2001−9342号公報
また、特許文献2には、2つのマニホールドが塗布ヘッドに形成されていて、これら2つのマニホールド間に位置するギャップにテーパを付けてその幅を塗布ヘッドの長手方向で変化させることにより、塗布ヘッドの先端から吐出される塗布液の流量分布を均一化させることを狙った塗布工具が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の塗布工具では、特定の塗布液・流量に対して効果があるようにマニホールドサイズ、スリット長さを決定しているため、特定の塗布液であっても温度や流量などの条件により塗布液特性が変化してしまう場合や他の塗布液を使用する場合には均一な塗膜厚は得られない。
特許文献2に記載の塗布工具では、2つのマニホールドとこれらマニホールドを仕切るスリットから構成されている。このスリットは特定の塗布液に対して効果があるように設計されているため、特定の塗布液でも温度や流量などの条件により塗布液特性が変化してしまう場合や、他の塗布液を使用する場合には均一な塗膜厚は得られない。また、スリット幅は流量に対し非常に過敏であるため、コントロールが難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、マニホールドに供給された塗布液がスリット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出される際に、この塗布液の流量分布を塗布ヘッドの長手方向において十分に均一化させることができる塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物を提供することを目的としている。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、塗布液を幅方向に広げるマニホールドと、このマニホールドから前記塗布液を流出させるスリット部とを有する塗布工具であって、前記マニホールドと前記スリット部の出口との間に、前記スリット部の出口における前記塗布液の幅方向流量分布を均一化するための急拡大・急縮小部が少なくとも1つ以上設けられていることを特徴とするものである。
また、この発明は、請求項1又は請求項2記載の塗布工具を用いた被塗布物の製造方法であって、前記塗布工具の長手方向を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、前記塗布工具の先端を被塗布物に対向配置させるとともに前記被塗布物を相対的に移動させながら、マニホールドと前記先端との間に配置されたスリット内の急拡大・急縮小部に塗布液を通過させて塗布液の幅方向の圧力分布を均一にさせながら、前記被塗布物の表面に塗布液を塗布することを特徴とするものである。
また、この発明は、被塗布物であって、請求項3記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、この発明は、被塗布物であって、請求項3記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、表面に塗布膜が塗布され塗布膜が形成された被塗布物であって、上記塗布膜の製造方法によって、表面に塗布液を塗布することにより塗布膜が形成されたことを特徴とするものである。
マニホールドに流入した塗布液は、マニホールドにより幅方向に広げられながらスリットへ流出するため、マニホールド内で幅方向に不均一な圧力分布が生じており、この圧力分布をスリット部の出口で均一にすることで流量が均一になるため、本発明ではスリット部に急拡大・急縮小部を設けた。
スリット部に急拡大・急縮小部を設けることにより、流れ方向に対し流動抵抗が発生するため、スリット部の幅方向圧力分布が均一化される。そのため、幅方向で流量が均一になる効果がある。
急拡大・急縮小部におけるこのような効果は、塗布液の粘性や粘性特性の影響を受けにくいため、多様な塗布液に対し、幅方向の流量分布を十分に均一にでき、塗膜厚を均一にできる。
スリット部に急拡大・急縮小部を設けることにより、流れ方向に対し流動抵抗が発生するため、スリット部の幅方向圧力分布が均一化される。そのため、幅方向で流量が均一になる効果がある。
急拡大・急縮小部におけるこのような効果は、塗布液の粘性や粘性特性の影響を受けにくいため、多様な塗布液に対し、幅方向の流量分布を十分に均一にでき、塗膜厚を均一にできる。
ここで、前記急拡大・急縮小部は、前記スリットを構成するスリット面に形成された溝部とされていることが好ましい。
このような構成とすると、スリット内の流路が溝部に対応した位置で急拡大・急縮小されるので、このスリット内を流通していく塗布液が溝部を通過することによって効果的に溝内の幅方向圧力分布が均一化され、塗布ヘッドの先端から吐出される塗布液の流量分布を確実に均一化させることができる。とくに塗布液の流通方向に沿って複数の溝部をスリット面に配置した場合には、スリット内の流路の連続的な急拡大・急縮小が繰り返されるので、上記の流量均一性をより確実なものとすることができる。
また、マニホールドに比べて十分に小さい溝部をスリット面に形成するだけでよいため、たとえ溝部が複数形成されていてもスリットの距離が長くならず、かつ、既存の塗布工具のヘッド部材に対して後加工を施すことで上記急拡大・急縮小部を容易に設けることができる。
このような構成とすると、スリット内の流路が溝部に対応した位置で急拡大・急縮小されるので、このスリット内を流通していく塗布液が溝部を通過することによって効果的に溝内の幅方向圧力分布が均一化され、塗布ヘッドの先端から吐出される塗布液の流量分布を確実に均一化させることができる。とくに塗布液の流通方向に沿って複数の溝部をスリット面に配置した場合には、スリット内の流路の連続的な急拡大・急縮小が繰り返されるので、上記の流量均一性をより確実なものとすることができる。
また、マニホールドに比べて十分に小さい溝部をスリット面に形成するだけでよいため、たとえ溝部が複数形成されていてもスリットの距離が長くならず、かつ、既存の塗布工具のヘッド部材に対して後加工を施すことで上記急拡大・急縮小部を容易に設けることができる。
また、上記の塗布液を、スリット内に設けられた急拡大・急縮小部を通過させて幅方向の圧力分布を均一にさせながら被塗布物の表面に塗布液を塗布するので、被塗布物の表面に均一に塗布液を塗布することができ、均一に塗布された塗布液を乾燥させることによって、均一な塗布膜を形成することができる。
かかる製造方法によって製造された被塗布物は、均一な塗布膜を有しており、優れた性能と安定した品質を確保することができる。
かかる製造方法によって製造された被塗布物は、均一な塗布膜を有しており、優れた性能と安定した品質を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
本実施形態による塗布工具の塗布ヘッド10は、図1に示すように、一対のヘッド部材11A,11Bがそれらの側面12A,12B同士を互いに対向させるように組み合わされることにより、長尺状をなすように構成されたものである。
本実施形態による塗布工具の塗布ヘッド10は、図1に示すように、一対のヘッド部材11A,11Bがそれらの側面12A,12B同士を互いに対向させるように組み合わされることにより、長尺状をなすように構成されたものである。
塗布ヘッド10を構成する一方のヘッド部材11A(図1中、右側に位置するヘッド部材11A)における側面12Aは、その略全面が略平坦面とされているのに対し、塗布ヘッド10を構成する他方のヘッド部材11B(図1中、左側に位置するヘッド部材11B)における側面12Bは、塗布ヘッド10の長手方向に沿って延びるように切り欠かれてなる凹溝13を有しているとともに、この凹溝13より塗布ヘッド10の先端側に位置する部分が、凹溝13よりも塗布ヘッド10の後端側に位置する部分に対して所定間隔後退させられている。
そのため、一対のヘッド部材11A,11Bが側面12A,12B同士を互いに対向させるように組み合わされたときに、互いに対向する側面12A,12B同士の間には、一方のヘッド部材11Aにおける側面12Aと他方のヘッド部材11Bにおける側面12Bに形成された凹溝13との間の空間であるマニホールド15が、その長手方向を塗布ヘッド10の長手方向と一致させるように画成される。
また、同じく一対のヘッド部材11A,11Bが側面12A,12B同士を互いに対向させるように組み合わされたときに、互いに対向する側面12A,12B同士の間には、一方のヘッド部材11Aにおける側面12Aの先端側部分(スリット面16A)と他方のヘッド部材11Bにおける側面12Bの先端側部分(スリット面16B)との間の空間である溝状のスリット16が、その長手方向を塗布ヘッド10の長手方向と一致させるように画成される。
スリット16は、マニホールド15と塗布ヘッド10の先端との間に配置され、マニホールド15に連通する部分から塗布ヘッド10の先端側へ向かって延びて塗布ヘッド10の先端に開口させられており、塗布液が給液口15Aを介してマニホールド15に供給されたときには、この塗布液が、マニホールド15に連通するスリット16内を塗布ヘッド10の先端側へ向かって流通して、塗布ヘッド10の先端から吐出される。
そして、本実施形態では、スリット16を構成するように互いに対向する一対のスリット面16A,16Bのうち、例えば他方のスリット面16Bに対して、塗布ヘッド10の長手方向に沿って略直線状に延びる複数の溝部20(急拡大・急縮小部)が、スリット16の延びる方向(塗布液の流通方向)に沿って略等間隔に配置されて形成されている。
なお、図2に示すように、溝部20は断面略矩形状をなしており、その溝幅b(塗布液の流通方向に沿った長さ)は、例えばスリット16の幅a(一対のスリット面16A,16B同士の間の距離)に対して5a≦b≦10aの範囲に設定され、溝深さcは、例えば溝幅bに対して0<c≦0.25bの範囲に設定されている。
なお、図2に示すように、溝部20は断面略矩形状をなしており、その溝幅b(塗布液の流通方向に沿った長さ)は、例えばスリット16の幅a(一対のスリット面16A,16B同士の間の距離)に対して5a≦b≦10aの範囲に設定され、溝深さcは、例えば溝幅bに対して0<c≦0.25bの範囲に設定されている。
上述したような構成を有する塗布工具は、塗布ヘッド10の先端を被塗布物に対向配置させるとともに、塗布ヘッド10の長手方向(スリット16の長手方向、スリット16の幅方向)を被塗布物の幅方向に一致させた状態で用いられ、塗布液タンクから供給ポンプによってマニホールド15に供給された塗布液が、スリット16内を流通して塗布ヘッド10の先端から吐出されることにより、この塗布ヘッド10の先端に対して相対的に移動する被塗布物の表面に塗布液が塗布されるようになっている。
このとき、本実施形態による塗布工具では、スリット16内を流通する塗布液の幅方向の圧力を均一にすることを目的として、一対のスリット面16A,16Bのうちの他方のスリット面16Bに対して上述したような複数の溝部20を形成することにより、このスリット16に急拡大・急縮小部を設けるようにしている。
そのため、スリット16内の流路は、複数の溝部20に対応した位置で連続的な急拡大・急縮小が繰り返されるとともに、これら複数の溝部20同士の間に幅狭の部分(幅aのスリット16)が残存させられた形状となっている。
そのため、スリット16内の流路は、複数の溝部20に対応した位置で連続的な急拡大・急縮小が繰り返されるとともに、これら複数の溝部20同士の間に幅狭の部分(幅aのスリット16)が残存させられた形状となっている。
このように構成された塗布ヘッド10を用いて、被塗布物の表面に均一な塗布膜を形成させる製造方法について説明する。
まず、塗布ヘッド10の長手方向を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、塗布ヘッド10の先端を被塗布物に対向配置させ、被塗布物を塗布ヘッド10に対して相対的に移動させながら、マニホールド15と前記先端との間に配置されたスリット16を経由して塗布ヘッド10の先端から塗布液を吐出させる。
このとき塗布液は、スリット16内に設けられた急拡大・急縮小部を通過させることにより、幅方向の圧力分布を均一にされながら、被塗布物の表面に塗布される。
その後、被塗布物の表面に塗布された塗布液を乾燥させることによって、表面に均一な厚みの塗布膜が形成された被塗布物が製造される。
まず、塗布ヘッド10の長手方向を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、塗布ヘッド10の先端を被塗布物に対向配置させ、被塗布物を塗布ヘッド10に対して相対的に移動させながら、マニホールド15と前記先端との間に配置されたスリット16を経由して塗布ヘッド10の先端から塗布液を吐出させる。
このとき塗布液は、スリット16内に設けられた急拡大・急縮小部を通過させることにより、幅方向の圧力分布を均一にされながら、被塗布物の表面に塗布される。
その後、被塗布物の表面に塗布された塗布液を乾燥させることによって、表面に均一な厚みの塗布膜が形成された被塗布物が製造される。
図7、図8は、塗布ヘッド10を用いて、上記製造方法により被塗布物に塗布液を塗布する状態について示す。
図7は、塗布工具10の先端を上方に向けて可撓性のあるシート状の被塗布物Sに塗布液を塗布する状態を示しており、Aの方向に被塗布物Sが相対的に移動しながら塗布される。
図8は、塗布工具10の先端を下方に向けて基板等の平板状の被塗布物Pに塗布液を塗布する状態を示しており、塗布工具10がBの方向に被塗布物Pに対して相対的に移動しながら塗布される。
かかる製造方法によって、表面に塗布液を塗布、乾燥されて塗布膜が形成された写真用フィルム、磁気テープ等のシート状の被塗布物Sや、フラットディスプレーのガラス基板等の平板状の被塗布物Pは、均一な塗布膜を有して、優れた性能と安定した品質を確保することができる。
図7は、塗布工具10の先端を上方に向けて可撓性のあるシート状の被塗布物Sに塗布液を塗布する状態を示しており、Aの方向に被塗布物Sが相対的に移動しながら塗布される。
図8は、塗布工具10の先端を下方に向けて基板等の平板状の被塗布物Pに塗布液を塗布する状態を示しており、塗布工具10がBの方向に被塗布物Pに対して相対的に移動しながら塗布される。
かかる製造方法によって、表面に塗布液を塗布、乾燥されて塗布膜が形成された写真用フィルム、磁気テープ等のシート状の被塗布物Sや、フラットディスプレーのガラス基板等の平板状の被塗布物Pは、均一な塗布膜を有して、優れた性能と安定した品質を確保することができる。
したがって、本実施形態による塗布工具において、マニホールド15に供給されてからスリット16内を流通していく塗布液は、急拡大・急縮小部としての複数の溝部20を順次通過することによって積極的に幅方向圧力分布が均一となるため、粘性などの塗布液の特性に依らず、塗布ヘッド10の先端から吐出される塗布液の流量を塗布ヘッド10の長手方向において十分に均一化させることができ、被塗布物の表面に塗布された塗布液の膜厚を均一に維持することができる。
また、このような急拡大・急縮小部としての溝部20をスリット16に設けたことにより、塗布液の流量分布を均一化させる効果を十分に得ることができるため、スリット16の距離(マニホールド15から塗布ヘッド10の先端までのスリット16の距離)を短くしたとしても、従来の塗布工具に比べて同等以上の流量均一性を得ることが可能となる。
すると、塗布液の流量分布の均一性を維持しつつも、スリット16の距離を短くして塗布ヘッド10の小型化を図ることが可能となり、装置による寸法の制約を受けにくくするとともに、塗布ヘッド10の軽量化につなげることができる。
すると、塗布液の流量分布の均一性を維持しつつも、スリット16の距離を短くして塗布ヘッド10の小型化を図ることが可能となり、装置による寸法の制約を受けにくくするとともに、塗布ヘッド10の軽量化につなげることができる。
さらに、マニホールド15に比べて上記のような溝幅b及び溝深さcを有する十分に小さい溝部20をスリット面16Bに形成するだけで済むことから、たとえ溝部20がスリット面16Bに複数形成されている場合であっても、スリット16の距離が長くならず、かつ、既存の塗布工具のヘッド部材11Aに対して後加工を施すことで急拡大・急縮小部を容易に設けることができる。
なお、本実施形態では、急拡大・急縮小部としての溝部20をスリット面16Bに複数形成したが、これに限定されることはなく、1つの溝部20をスリット面16Bに形成するだけでも、塗布液の流量分布を均一化する効果を十分に得ることができる。
また、溝部20の大きさについても、上記のような溝幅b及び溝深さcに限定されることはなく、これらの範囲外の溝幅b及び溝深さcを有する溝部20であっても、塗布液の流量分布を均一化する効果を得ることが可能である。
また、溝部20の大きさについても、上記のような溝幅b及び溝深さcに限定されることはなく、これらの範囲外の溝幅b及び溝深さcを有する溝部20であっても、塗布液の流量分布を均一化する効果を得ることが可能である。
また、本実施形態においては、他方のヘッド部材11B側に位置する他方のスリット面16Bに対して急拡大・急縮小部としての溝部20を形成したが、例えば、図3に示すように、一方のヘッド部材11A側に位置する一方のスリット面16Aに対して溝部20を形成してもよい。
さらに、図4に示すように、一方のスリット面16A及び他方のスリット面16Bの両方に溝部20を形成し、スリット面16Aに形成された溝部20とスリット面16Bに形成された溝部20とを対向配置したり、図5に示すように、一方のスリット面16A及び他方のスリット面16Bの両方に溝部20を形成し、スリット面16Aに形成された溝部20とスリット面16Bに形成された溝部20とを塗布液の流通方向でずらして配置してもよい。
さらに、図4に示すように、一方のスリット面16A及び他方のスリット面16Bの両方に溝部20を形成し、スリット面16Aに形成された溝部20とスリット面16Bに形成された溝部20とを対向配置したり、図5に示すように、一方のスリット面16A及び他方のスリット面16Bの両方に溝部20を形成し、スリット面16Aに形成された溝部20とスリット面16Bに形成された溝部20とを塗布液の流通方向でずらして配置してもよい。
以上、本発明の実施形態を図1のヘッド形状を基にして説明したが、本発明は、マニホールドが両側ヘッド部材に形成される場合や、またスリット幅が2つのヘッドに挟まれたシムと呼ばれるシール材によって形成される形態においても同等の効果が得られる。
また、上記実施の形態において、シート状の被塗布物Sに対しては、塗布工具10の先端を上方に向けて塗布した場合を示し、平板状の被塗布物Pに対しては、塗布工具10の先端を下方に向けて塗布した場合を示したが、これらの組合せに関しては任意に設定することができる。
また、上記実施の形態において、シート状の被塗布物Sに対しては、塗布工具10の先端を上方に向けて塗布した場合を示し、平板状の被塗布物Pに対しては、塗布工具10の先端を下方に向けて塗布した場合を示したが、これらの組合せに関しては任意に設定することができる。
10 塗布ヘッド
11A,11B ヘッド部材
12A,12B 側面
13 凹溝
15 マニホールド
16 スリット
16A,16B スリット面
20 溝部(急拡大・急縮小部)
a スリット幅
b 溝幅 c 溝深さ
S,P 被塗布物
11A,11B ヘッド部材
12A,12B 側面
13 凹溝
15 マニホールド
16 スリット
16A,16B スリット面
20 溝部(急拡大・急縮小部)
a スリット幅
b 溝幅 c 溝深さ
S,P 被塗布物
Claims (4)
- 塗布液を幅方向に広げるマニホールドと、このマニホールドから前記塗布液を流出させるスリット部とを有する塗布工具であって、
前記マニホールドと前記スリット部の出口との間に、前記スリット部の出口における前記塗布液の幅方向流量分布を均一化するための急拡大・急縮小部が少なくとも1つ以上設けられていることを特徴とする塗布工具。 - 請求項1に記載の塗布工具において、
前記急拡大・急縮小部は、前記スリットを構成するスリット面に形成された溝部とされていることを特徴とする塗布工具。 - 請求項1又は請求項2記載の塗布工具を用いた被塗布物の製造方法であって、
前記塗布工具の長手方向を被塗布物の幅方向に一致させた状態で、前記塗布工具の先端を被塗布物に対向配置させるとともに前記被塗布物を相対的に移動させながら、マニホールドと前記先端との間に配置されたスリット内の急拡大・急縮小部に塗布液を通過させて塗布液の幅方向の圧力分布を均一にさせながら、前記被塗布物の表面に塗布液を塗布することを特徴とする被塗布物の製造方法。 - 請求項3記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする被塗布物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005083688A JP2005324183A (ja) | 2004-04-12 | 2005-03-23 | 塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004116699 | 2004-04-12 | ||
JP2005083688A JP2005324183A (ja) | 2004-04-12 | 2005-03-23 | 塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005324183A true JP2005324183A (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=35470950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005083688A Pending JP2005324183A (ja) | 2004-04-12 | 2005-03-23 | 塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005324183A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101293239B1 (ko) * | 2012-12-13 | 2013-08-09 | (주)대동정공 | 평판 디스플레이 제조용 슬릿 노즐 |
KR101325318B1 (ko) * | 2011-04-22 | 2013-11-08 | 이인영 | 슬롯형 분사구를 가지는 분사노즐 |
KR101357979B1 (ko) * | 2012-02-11 | 2014-02-05 | 이인영 | 수지코팅막 성형장치의 코팅액 균일 분사노즐 |
KR101365609B1 (ko) | 2011-11-09 | 2014-02-20 | 나노에프에이 주식회사 | 접착액 도포 장치 및 이를 이용한 접착액 도포 방법 |
CN108889549A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-11-27 | 浙江精诚模具机械有限公司 | 一种带微分流量调节结构的涂覆模头 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6418467A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-23 | Fuji Photo Film Co Ltd | Method and apparatus for coating |
JPH09276769A (ja) * | 1996-04-11 | 1997-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗布装置 |
JP2000051777A (ja) * | 1998-08-11 | 2000-02-22 | Kao Corp | 塗布方法 |
JP2003154302A (ja) * | 2001-11-21 | 2003-05-27 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗工装置 |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005083688A patent/JP2005324183A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6418467A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-23 | Fuji Photo Film Co Ltd | Method and apparatus for coating |
JPH09276769A (ja) * | 1996-04-11 | 1997-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗布装置 |
JP2000051777A (ja) * | 1998-08-11 | 2000-02-22 | Kao Corp | 塗布方法 |
JP2003154302A (ja) * | 2001-11-21 | 2003-05-27 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗工装置 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101325318B1 (ko) * | 2011-04-22 | 2013-11-08 | 이인영 | 슬롯형 분사구를 가지는 분사노즐 |
KR101365609B1 (ko) | 2011-11-09 | 2014-02-20 | 나노에프에이 주식회사 | 접착액 도포 장치 및 이를 이용한 접착액 도포 방법 |
KR101357979B1 (ko) * | 2012-02-11 | 2014-02-05 | 이인영 | 수지코팅막 성형장치의 코팅액 균일 분사노즐 |
KR101293239B1 (ko) * | 2012-12-13 | 2013-08-09 | (주)대동정공 | 평판 디스플레이 제조용 슬릿 노즐 |
CN108889549A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-11-27 | 浙江精诚模具机械有限公司 | 一种带微分流量调节结构的涂覆模头 |
CN108889549B (zh) * | 2018-07-26 | 2023-11-28 | 浙江精诚模具机械有限公司 | 一种带微分流量调节结构的涂覆模头 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2498866C2 (ru) | Средство для нанесения покрытия, предназначенное для нанесения жидкой пленки на подложку | |
JP3220265B2 (ja) | 塗工装置 | |
JP2005324183A (ja) | 塗布工具、被塗布物の製造方法及び被塗布物 | |
WO2021181968A1 (ja) | スリットダイ | |
JP2007330900A (ja) | ダイヘッド | |
CA2710460A1 (en) | Curtain coater | |
JP2006239664A (ja) | ダイヘッド及びスリットギャップ調整方法 | |
JP2006263590A (ja) | 塗布ダイ、塗工装置および塗工方法 | |
JP2017079180A (ja) | 電池極板の製造装置及び電池極板の製造方法 | |
JP4409961B2 (ja) | 帯状塗布用のダイリップ | |
JP2006305548A (ja) | 塗布装置および塗布方法 | |
JP2002370057A (ja) | エクストルージョン型ノズルおよび塗布装置 | |
JP2002239436A (ja) | 塗布装置 | |
JP2009291737A (ja) | ダイ塗布方法 | |
JP2019030859A (ja) | 塗工装置及び塗工方法 | |
JP2001009342A (ja) | ダイヘッド | |
JPH07185434A (ja) | 塗布装置 | |
JP4830754B2 (ja) | 塗布装置および塗膜の形成方法 | |
JP2010005616A (ja) | 塗布装置および塗布方法 | |
JP2001087695A (ja) | 塗布装置 | |
US20060231024A1 (en) | Coating apparatus | |
JP2011067795A (ja) | 塗布ヘッド用のブロック、塗布ヘッド、塗布装置および塗布ヘッド用のブロックの製造方法 | |
JP2001232266A (ja) | 塗布ヘッド | |
JP5721387B2 (ja) | 塗布装置 | |
JP2009078221A (ja) | ダイヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20091202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20091208 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100406 |