JP4456341B2 - 半導体装置の製造方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特にポリシリコンゲルマニウム膜を成膜する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI等の半導体デバイスを製造する工程においては、減圧CVD法(化学気相成長法)によって、基板上に薄膜を形成することが行われている。そのような薄膜形成工程の中の一つとして、減圧CVD法によるポリシリコンゲルマニウム(以下、poly−SiGeという)膜をMOSトランジスタのゲート電極部分に形成することが試されている。従来、MOSトランジスタのゲート電極部分にはシリコンが使用されてきたが、近年のゲート絶縁膜の薄膜化に伴い、ゲート電極部にバイアスをかけた際のゲート空乏化や、熱処理工程におけるチャネル部分へのボロンの突き抜けが、デバイス特性を悪化させる大きな問題点となっており、その解決策としてpoly−SiGe膜が注目されている。
【0003】
また絶縁膜上にpoly−SiGe膜を堆積させた場合、表面モフオロジの悪化が問題となるが、絶縁膜とpoly−SiGe膜の間にアモルファスシリコン(以下、a−Siという)層を形成することによって表面モフォロジが大幅に改善されることが判明している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、微細加工技術の向上に伴いゲート幅が0.1μm以下と短くなった場合、表面モフォロジの影響によるエッチバック不良が発生する。また、結晶粒がゲート幅に数個あるかないかという微細加工状況では絶縁膜との界面で応力が働き、絶縁膜ないしゲート電極部の信頼性が低下するといった問題が発生する。
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、poly−SiGe膜の表面モフォロジを改善し、結晶粒サイズを微小化することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基板上にa−Si膜を第1の圧力で成膜する行程と、前記a−Si膜の上にpoly−SiGe膜を第2の圧力で成膜する行程とを有し、前記第1の圧力を前記第2の圧力よりも高くすることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第1の圧力を第2の圧力よりも高くすると、基板上での核発生数が増加し、結晶粒サイズが小さくなる。したがって、poly−SiGe膜の表面モフォロジが改善される。
【0007】
第2の発明は、図9(a)に示すように、第1の発明において、前記第1の圧力を100〜150Paとし、前記第2の圧力を30〜60Paとすることを特徴とする。
第1の圧力を100〜150Paとし、第2の圧力を30〜60Paとすると、poly−SiGe膜の表面モフォロジをさらに改善できる。
第1の圧力が100Pa未満だと、基板上へのSiの吸着確率が低く、基板上にSiの核が密に形成できない。第1の圧力の上限が150Paを越えると、装置限界圧力を上回ってしまうので好ましくない。したがって、第1の圧力は、Siの核が密に形成でき、装置限界圧力内の100〜150Paの範囲が好ましい。
【0008】
第2の圧力の下限を30Paとしたのは、装置の制約からくるもので、真空ポンプで実現することが可能な真空度の限界値だからである。第2の圧力の上限は、面内均一性とデポレート(成膜速度)との妥協点から決まる。面内均一性の点からは圧力は低い方が好ましいが、デポレート(成膜速度)の点からは圧力が高い方が好ましい。これらの妥協点から第2の圧力の上限は60Paとなる。また、60Paはアモルファス化する圧力150Pa以下であり、poly−SiGeがアモルファスシリコンゲルマニウム(以下、a−SiGeという)になってしまうことを防止できる圧力である。したがって、第2の圧力は面内均一性とデポレートとを両立させ、かつa−SiGeに変化してしまわない30〜60Paの範囲が好ましい。
【0009】
第3の発明は、図9(b)に示したように、基板上にa−Si膜を成膜する行程と、前記a−Si膜の上にpoly−SiGe膜を成膜する行程とを有し、前記poly−SiGe膜を成膜する工程は、成膜初期圧力を100〜150Paとし、成膜終期圧力を30〜60Paとして成膜する行程であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
成膜初期とは、SiGeを基板(下地膜)に吸着させて核を形成する核形成段階をいう。成膜終期とは、核を成長させてSiGe膜を成膜する核成長段階をいう。
a−Si膜を成膜する圧力は所定の圧力として、poly−SiGe膜を成膜する場合の成膜初期圧力を100〜150Paとし、成膜終期圧力を30〜60Paとしても、poly−SiGe膜の表面モフォロジを改善できる。
成膜初期圧力を100〜150Paという高い圧力のままで維持すると、SiGeの核を多数形成することができる。成膜終期圧力を30〜60Paと圧力を下げると、多数形成された核をa−SiGeに変化させることなく、表面モフォロジの良好なSiGeの結晶を成長させる。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、前記a−Si膜を成膜する場合の成膜圧力を100〜150Paとしたことを特徴とする。
a−Si膜を成膜する場合の成膜圧力を100〜150Paとすると、a−Si膜を成膜する段階で、基板上での核密度が高くなり(核発生数が増加し)、結晶粒サイズが小さくなるので、poly−SiGe膜の表面モフォロジをさらに改善できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明する。先ず、図8において本発明の半導体装置の製造方法を実施するための基板処理装置の一例についての概略を説明する。
【0012】
筐体101内部の前面側には、図示しない外部搬送装置との間で基板収納容器としてのカセット100の授受を行う保持具授受部材としてのカセットステージ105が設けられ、該カセットステージ105の後側には昇降手段としてのカセットエレベータ115が設けられ、該カセットエレベータ115には搬送手段としてのカセット移載機114が取りつけられている。前記カセットエレベータ115の後側には、前記カセット100の載置手段としてのカセット棚109が設けられ、該カセット棚109はスライドステージ122上に横行可能に設けられている。又、前記カセット棚109の上方には前記カセット100の載置手段としてのバッファカセット棚110が設けられている。更に、前記バッファカセット棚110の後側にはクリーンユニット118が設けられ、クリーンエアを前記筐体101の内部に流通させるように構成されている。
【0013】
前記筐体101の後部上方には処理炉202が設けられ、該処理炉202の下側には矩形状の気密室としてのロードロック室102が仕切蓋としてのゲートバルブ244により連接され、該ロードロック室102の前面には前記カセット棚109と対向する位置に仕切手段としてのロードロックドア123が設けられている。前記ロードロック室102内には、基板としてのウェハ200を水平姿勢で多段に保持する基板保持手段としてのボート217を前記処理炉202に昇降させる昇降手段としてのボートエレベータ121が内設され、該ボートエレベータ121には蓋体としてのステンレス製のシールキャップ219が取りつけられ該ボート217を垂直に支持している。前記ロードロック室102と前記カセット棚109との間には図示しない昇降手段としての移載エレベータが設けられ、該移載エレベータには搬送手段としてのウェハ移載機112が取りつけられている。
【0014】
以下、基板処理装置における一連の動作を説明する。図示しない外部搬送装置から搬送された前記カセット100は、前記カセットステージ105に載置され、該カセットステージ105で該カセット100の姿勢を90°変換され、更に、前記カセットエレベータ115の昇降動作、横行動作及び、前記カセット移載機114の進退動作の協働により前記カセット棚109又は、前記バッファカセット棚110に搬送される。
【0015】
前記ウェハ移載機112により前記カセット棚109から前記ボート217へ前記ウェハ200が移載される。前記ウェハ200を移載する準備として、前記ボート217が前記ボートエレベータ121により降下され、前記ゲートバルブ244により前記処理炉202が閉塞され、更に前記ロードロック室102の内部に前記パージノズル234から窒素ガス等のパージガスが導入される。前記ロードロック室102が大気圧に復圧された後、前記ロードロックドア123が開かれる。
【0016】
前記水平スライド機構122は前記カセット棚109を水平移動させ、移載の対象となる前記カセット100を前記ウェハ移載機112に対峙する様に位置決めする。前記ウェハ移載機は昇降動作、同転動作の協働により前記ウェハ200を前記カセット100より前記ボート217へと移載する。前記ウェハ200の移載はいくつかの前記カセット100に対して行われ、前記ボート217へ所定枚数ウェハの移載が完了した後、前記ロードロックドア123が閉じられ、前記ロードロック室102が真空引きされる。
【0017】
真空引きが完了後に前記ガスパージノズル234よりガスが導入され、前記ロードロック室102内部が大気圧に復圧されると前記ゲートバルブ244が開かれ、前記ボートエレベータ121により前記ボート217が前記処理炉202内に挿入され、該ゲートバルブ244が閉じられる。尚、真空引き完了後に前記ロードロック102内部を大気圧に復圧させず大気圧未満の状態で前記ボート217を前記処理炉202内に挿入しても良い。
前記処理炉202内で前記ウェハ200に所定の処理が為された後、前記ゲートバルブ244が開かれ、前記ボートエレベータ121により前記ボート217が引き出され更に、前記ロードロック室102内部を大気圧に復圧させた後に前記ロードロックドア123が開かれる。
【0018】
処理後の前記ウェハ200は上記した作動の逆の手順により前記ボート217から前記カセット棚109を経て前記カセットステージ105に移載され、図示しない外部搬送装置により搬出される。
前記カセット移載機114等の搬送動作は、搬送制御手段124により制御される。
【0019】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、上述した基板処理装置としてホットウォール縦型減圧CVD装置を用いて、その構成要素である処理炉(以下、反応炉ともいう)202において、反応ガスとしてモノシラン及ひモノゲルマンを使用し、ウェハ上にpoly−SiGeを成膜するものである。
【0020】
図6に、ホットウォール縦型減圧CVD装置の反応炉構造の概略図を示す。4ゾーンに分かれたヒータ6で構成されたホットウォールの内側に、反応炉202の外筒である石英製のアウターチューブ1およびアウターチューブ1内部のインナーチューブ2が設置されている。
【0021】
アウターチューブ1およびインナーチューブ2の下端開口はステンレス製のシールキャップ219で密閉されている。このシールキャップ219には、複数のガスのノズル12〜14が貫通するよう設けられている。ガスの供給管は、モノゲルマン等のガスを供給するGeH4ノズル12、モノシラン及びモノゲルマンガスを供給するSiH4/GeH4ノズル13、及び三塩化ボロンガスを供給するBCl3ノズル14から構成される。これらのガス供給管12、13、14により、処理用のガスがインナーチューブ2内に供給されるようになっている。なお、三塩化ボロンガスは、ゲート電極に導電性をもたせるために行うボロンドープのために供給される。また、GeH4ノズル12は、長さの異なる複数本のノズル部から構成されて、ボート217の途中からもモノゲルマンを供給することから、途中供給ノズルとも呼ばれている。
【0022】
なお、これらのガスのノズル12、13、14はマスフローコントローラMFC(図示せず)に連結されており、供給するガスの流量を所定の量に制御し得るように構成されている。
【0023】
また、アウターチューブ1及びインナーチューブ2の間の形成される筒状空間18は排気管19に接続されている。排気管19はメカニカルブースタポンプ7およびドライポンプ8に接続されており、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間の筒状空間18を流れるガスを排出するように構成される。また、排気管19はメカニカルブースタポンプ7の上流側で分岐され、この分岐排気管20はN2バラスト用バルブ16を介してN2バラスト源(図示せず)に接続されており、アウターチューブ1内を所定の圧力の減圧雰囲気にするよう、排気管19内の圧力を圧力計15により検出し、コントローラ制御部17はその検出値によってN2バラスト用バルブ16を制御するように構成されている。
【0024】
また、複数枚のウェハ200が装填された石英製のボート217は、インナーチューブ2内に設置されている。ボート217の下部に装填される断熱板5はボート217と装置下部との間を断熱するためのものである。このボート217はシールキャップ219から気密に挿入された回転軸9により支持されている。回転軸9は、ボート217及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させるように構成され、ボート217を所定のスピードで回転させするように、駆動制御部(図示せず)により制御するようになっている。
【0025】
従って、poly−SiGeを成膜する場合は、インナーチューブ2内側に、GeH4ノズル12からモノゲルマンが、SiH4/GeH4ノズル13からモノシラン・モノゲルマンがそれぞれ導入され、反応ガスはインナーチューブ2内を上昇し、2種のチューブ1、2の間の筒状空間18を下降して排気管19から排気される。なお、a−Siを成膜する場合はSiH4/GeH4ノズル13からモノシランのみが導入され、GeH4ノズル12は使用しない。複数枚のウェハ200が装填されたボート(8インチ、5.2mmピッチ)217が反応ガスにさらされた時に、気相中およびウェハ200表面での反応により、ウェハ200上に薄膜が形成される。
【0026】
次に、上述した反応炉を有する縦型減圧CVD装置を用いた成膜手順を図7に示す。まずウェハ200を投入し(ステップ301)、反応炉202内を成膜温度に安定化させた後(ステップ302)、ウェハ200を装填したボート217を反応炉202内にロードする(ステップ303)。チューブ1、2内を排気し、ボート217やチューブ1、2に吸着した水分等を脱離させるためにN2パージを行う(ステッ305)。その後、各原料ガスの流量をMFC(図示せず)で設定し、反応炉202内に各ガスを流しながら成長圧力になるよう、コントローラ制御部17によるN2バラスト制御によって安定化させる(ステップ306)。そして反応炉202内の成長圧力が安定した後、所定の成膜を行う(ステップ307)。成膜が終了したらノズル12〜14内をN2でサイクルパージし、N2でチューブ1、2内を大気圧まで戻す(ステップ308、309)。大気圧に戻ったらボート217をアンロードし、ウェハ200を自然冷却する(ステップ310、311)。最後にウェハ200をボート217から取り出す(ステップ312)。
【0027】
このように実施の形態の半導体装置の製造方法では、反応炉202は、ウェハを処理するチューブ1、2と、チューブ内のウェハ200を加熱するヒータ6と、チューブ内に反応ガスであるモノゲルマンを供給する複数本のGeH4ノズル12と、反応ガスであるモノシランとモノゲルマンを供給するSiH4/Ge4ノズル13とを有し、上記所定の成膜の際に、ノズル13から反応管内にモノシランのみを供給して、まずウェハ上にa−Si膜を成膜し、次いで、モノシラン及びモノゲルマンを供給して、a−Si膜上にpoly−SiGe膜を成膜する。
【0028】
これらの成膜は、コントローラ制御部17によって成膜圧力を制御する減圧CVD法によって行う。ウェハ上にa−Si膜を成膜する場合、100〜150Paの炉内圧力をかけ、a−Si膜の上にpoly−SiGe膜を成膜する場合、30〜60Paの炉内圧力をかけるようにする。または、ウェハ上にa−Si膜を所定の圧力で成膜した後、a−Si膜の上にpoly−SiGe膜を成膜する場合、成膜圧力の値を成膜初期と成膜終期とで異ならせ、成膜初期には100〜150Paの炉内圧力をかけ、成膜終期には30〜60Paの炉内圧力をかけるようにする。このようにa−Si層(またはpoly−SiGe層)成膜時に圧力を高く(150Pa以上)することにより、poly−SiGeの核発生密度を高くして、poly−SiGe膜の表面モフォロジを改善し、結晶粒サイズを微小化することができる。
【0029】
【実施例】
図6に示す反応炉を有する縦型減圧CVD装置を用いて8インチウェハに対してpoly−SiGeを成膜した。この場合、図1に示す半導体装置の成膜構造になるように、poly−SiGeを成膜する前に、Si基板1上にa−Si層2を成膜し、続けてpoly−SiGe層3を成膜した。なお通常、Si基板1上に自然酸化膜(SiO2)が付いているので、a−Si層2は下地膜である絶縁膜(SiO2)上に成膜されることになる。a−Si層の成膜条件は温度500℃、圧力は60Paと150Paとに変えた。poly−SiGeの成膜条件は温度500℃、流量比GeH4/SiH4=0.038、圧力60Paとした。ここでpoly−SiGeの成膜圧力を60Paとしたのは、150Paで目標圧力まで成膜してしまうとa−SiGeになってしまうためである。
【0030】
図2はa−Si層の成膜圧力の違いによるpoly−SiGeの表面モフォロジをSEM(走査型電子顕微鏡:日立製作所製S−4700I)によって評価した結果である。図2(a)はa−Si層の成膜圧力が60Pa、図2(b)はa−Si層の成膜圧力が150Paのときの表面モフォロジをそれぞれ示す。a−Si膜の成膜圧力が低い(a)のときよりも、a−Si膜の成膜圧力の高い(b)のときの方が、poly−SiGe膜の表面モフォロジが良好である。この結果から、a−Si層の成膜圧力を高くすることでpoly−SiGe膜の表面モフォロジを改善できることが分る。これは圧力を高くすることで絶縁膜(SiO2)上での核発生数が増加し、結晶粒サイズが小さくなったためである。
【0031】
また、この結果を定量化するために、図4にa−Si層の成膜圧力の違いによるpoly−SiGe層の核発生数と平均結晶粒サイズを示す。図4より、圧力を高くする事でpoly−SiGeの核発生数を多くし、結晶粒サイズを小さくする事ができる。図4によれば、従来例のように圧力が低い60Paの場合、平均結晶粒サイズ70nmであるから、ゲート幅が例えば0.1μm(100nm)と短くなった場合、ゲート幅内に結晶粒が1個しか存在し得ないという状況になる。しかし、本実施例のように圧力を高くして150Paとした場合、平均結晶粒サイズ50nmとなるから、ゲート電極幅が例えば0.1μmと短くなった場合、ゲート電極幅内に結晶粒が2個存在し得るという状況になる。したがって、結晶粒がゲート幅に数個あるかないかという微細加工状況において、下地膜である絶縁膜との界面で応力が働いても、結晶粒が従来例よりも1個多い本実施例の方が、前記応力に対向できる膜圧が得られることとなり、絶縁膜ないしゲート電極部の信頼性は高くなる。
【0032】
また、図3はa−Si層の成膜圧力を一定とし、poly−SiGe膜の成膜初期段階で150Paとし、数分後60Paとして成膜したものである。ここで60Paとしたのは、150Paで目標膜厚まで成膜してしまうとa−SiGeになってしまうためである。この結果でも圧力を高くして核密度をあげることでpoly−SiGeの表面モフォロジを改善できることがわかる。なお、これらの実験においては膜厚をすべて一定として評価した。
【0033】
ここで、核密度増加のメカニズムは次の通りである。一般論であるが、a−Si膜を成膜する場合、成膜圧力を高くするとSiの吸着確率が高くなるためSiの核が密にできる。また、a−Si膜上にpoly−SiGe膜を成膜する場合も、同様に、poly−SiGe膜の成膜圧力を高くすると、SiGeの吸着確率が高くなるため、SiGeの核が密になる。従って、SiO2上にa−Siを高い圧力で形成し、次にpoly−SiGeを成膜するとよい。
また、poly−SiGe成膜の際、Si核へのSiGeの吸着確率を上げるために、高い圧力にした方がよい。しかしながら、SiGe膜を成膜する場合、成膜圧力を150Pa以上の高い圧力のままで維持すると、poly−SiGe成膜ではなく、a−SiGe膜が成膜されてしまう。したがって、始めに高い圧力でSiGeの核を多数形成した後、後に圧力を下げて前記核にSiGeの結晶を成長させ、poly−SiGe膜を成膜するとよい。なお、a−Siを150Paで成膜し、次にpoly−SiGeを150Pa→60Paで成膜すれば、より表面モフォロジを改善できる。
【0034】
実施例と従来例の上記成膜圧力条件下におけるpoly−SiGeの表面モフォロジの結果をまとめると図5に示すようになる。表面モフォロジは、図2(b)の成膜条件のときがよく、ついで図3の成膜条件のときがよいが、両者はほぼ同等である。図2(a)の従来例の成膜条件のとき表面モフォロジが悪くなる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、poly−SiGe膜の表面モフォロジを改善でき、結晶粒サイズを微小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による半導体装置の成膜構造を示すウェハの断面図である。
【図2】a−Si層の成膜圧力依存性とpoly−SiGeの表面モフォロジを示し、(a)はa−Si層の成膜圧力が60Pa、(b)はa−Si層の成膜圧力が150Paのときの図である。
【図3】poly−SiGe層の成膜圧力を150Paとしたときのpoly−SiGeの表面モフォロジを示す図である。
【図4】a−Si層の成膜圧力依存性に対するpoly−SiGeの核密度(核発生数)と結晶粒サイズを示す図である。
【図5】実施例と従来例の成膜圧力条件下におけるpoly−SiGeの表面モフォロジの比較図である。
【図6】実施の形態による縦型減圧CVD装置の反応炉構造概略図である。
【図7】実施の形態による減圧CVD法による成膜手順を示す図である。
【図8】実施の形態による基板処理装置を示す斜示図である。
【図9】本発明におけるpoly−SiGe層の成膜条件の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…Si基板、2…アモルファスシリコン(a−Si)層、3…ポリシリコンゲルマニウム(poly−SiGe)層
Claims (4)
- 基板上にアモルファスシリコン膜を第1の圧力で成膜する工程と、
前記アモルファスシリコン膜の上にポリシリコンゲルマニウム膜を第2の圧力で成膜する工程とを有し、
前記第1の圧力は100Pa以上150Pa以下であり、前記第2の圧力は30Pa以上60Pa以下である半導体装置の製造方法。 - 基板上にアモルファスシリコン膜を第1の圧力で成膜する工程と、
前記アモルファスシリコン膜の上にポリシリコンゲルマニウム膜を第2の圧力で成膜する工程とを有し、
前記第1の圧力は100Pa以上150Pa以下であり、前記第2の圧力に関しては成膜初期圧力は100Pa以上150Pa以下であり、成膜終期圧力は30Pa以上60Pa以下である半導体装置の製造方法。 - 処理炉と、
モノシランガスを供給するモノシランガス供給部と、
モノゲルマンガスを供給するモノゲルマン供給部と、
圧力を制御する圧力制御部と、
前記モノシランガスと前記モノゲルマンガスとを供給し、前記基板上に前記アモルファスシリコン膜を第1の圧力で成膜し、前記アモルファスシリコン膜の上に前記ポリシリコンゲルマニウム膜を第2の圧力で成膜するように前記モノシランガス供給部及び前記モノゲルマン供給部を制御するとともに、前記第1の圧力は100Pa以上150Pa以下になり、前記第2の圧力は30Pa以上60Pa以下になるように前記圧力制御部を制御するコントローラ制御部と、
を有する基板処理装置。 - 処理炉と、
モノシランガスを供給するモノシランガス供給部と、
モノゲルマンガスを供給するモノゲルマン供給部と、
圧力を制御する圧力制御部と、
前記モノシランガスと前記モノゲルマンガスとを供給し、前記基板上に前記アモルファスシリコン膜を第1の圧力で成膜し、前記アモルファスシリコン膜の上に前記ポリシリコンゲルマニウム膜を第2の圧力で成膜するよう前記モノシランガス供給部及び前記モノゲルマン供給部を制御するとともに、前記第1の圧力は100Pa以上150Pa以下になり、前記第2の圧力に関しては成膜初期圧力は100Pa以上150Pa以下になり、成膜終期圧力は30Pa以上60Pa以下になるように前記圧力制御部を制御するコントローラ制御部と、
を有する基板処理装置。
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