JP2002261274A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002261274A
JP2002261274A JP2001055407A JP2001055407A JP2002261274A JP 2002261274 A JP2002261274 A JP 2002261274A JP 2001055407 A JP2001055407 A JP 2001055407A JP 2001055407 A JP2001055407 A JP 2001055407A JP 2002261274 A JP2002261274 A JP 2002261274A
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silicon film
sige
upper silicon
silicide layer
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JP2001055407A
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Takae Sukegawa
孝江 助川
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiGeを用いたゲート電極上の金属シリサ
イド層が低抵抗相の単一相で形成され、かつ凝集が起こ
らないで形成される半導体装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 トランジスタのゲート電極19が、トラ
ンジスタのゲート絶縁膜12上に形成された下部シリコ
ン膜14と、下部シリコン膜14上に形成されたSiG
e膜16と、SiGe膜16の上方に形成された上部シ
リコン膜18と、上部シリコン膜18の表面側のシリコ
ンと金属膜とが反応して形成された金属シリサイド層3
0とを有し、金属シリサイド層30が形成される前に、
上部シリコン膜18の表面のGe濃度が、金属シリサイ
ド層30が低抵抗相のみの単一相からなり、かつ金属シ
リサイド層30の凝集に起因した局所的な上部シリコン
膜18の露出が起こらないような濃度に調整されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンゲルマニ
ウムにより形成され、表面に金属シリサイド層を有する
ゲート電極を備えた半導体装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、MOSFET(Metal Ox
ide SemiconductorField Ef
fect Transistor)の高性能化に伴い、
トランジスタの例えばゲート電極にシリコンゲルマニウ
ム(SiGe)を用いることが提案されている。SiG
eを用いたゲート電極を有するトランジスタは以下のよ
うな利点がある。
【0003】(1)ゲート電極中の導電型不純物の活性
化率を向上させることができるので、導電型不純物のド
ーズ量を少なくすることができる。これにより、導電型
不純物がゲート電極の下のチャネルに突き抜けてしまう
ことを抑制することができる。 (2)導電型不純物であるボロンの活性化率を高くする
ことができるので、ゲート電極の空乏化を抑制すること
ができる。
【0004】(3)PチャネルMOSFETにおいて
は、SiGeの仕事関数が基板であるシリコンに比べて
小さいのでしきい値電圧(Vth)を合わせるため、チ
ャネル濃度を低くする必要がある。この結果、垂直方向
の電界が下がり、基板のキャリア移動度が向上する。し
かしながら、SiGeを用いたゲート電極は、CMOS
デバイスを製造する際のゲート電極上及びソース/ドレ
イン上にセルフアラインでシリサイドを形成する、いわ
ゆる、サリサイド(Self−aligned Sil
icide)プロセスとの整合性がよくないことが懸念
されている。
【0005】すなわち、SiGe膜上に直接金属膜を形
成して金属シリサイド層を形成すると、GeがSiGe
膜の表面に析出したり、シリサイド反応の過程でGeが
金属シリサイド層の結晶粒内から結晶粒界にはきだされ
る過程が加わったりするため、反応が抑制されて低抵抗
のシリサイド相からなるコバルトシリサイド層が形成さ
れないことがある。たとえ、低抵抗のシリサイド相でシ
リサイド層が形成されたとしても、Geが金属シリサイ
ド層の結晶粒界に偏析することに伴う粒界エネルギーの
増大に起因して、金属シリサイド層が均一の膜厚に形成
されず、ところどころにシリサイド層が形成されていな
い不連続膜になる。すなわち、金属シリサイド層の凝集
が起きてしまう。
【0006】このようなGeの影響はSiGe膜内のG
eの混晶比が高いほど顕著になり、表面にGeを含まな
いPoly−Siゲート上に形成された金属シリサイド
層のように低抵抗のものを形成することができない。ま
た、SiGe膜の表面のGeの存在による金属シリサイ
ド層の高抵抗化現象は、微細ゲートに広く採用されてい
るコバルトシリサイド層を形成する場合に特に顕著にな
る。
【0007】これを回避するため、特開2000−15
0669号公報には、SiGe膜上にGeを含まないS
i膜を形成して該Si膜とCo膜とを反応させることに
より、Geを含まない低抵抗なコバルトシリサイド層を
形成できることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SiG
e膜中のGeのSi層への拡散は、半導体製造工程の例
えば導電型不純物を活性化するための熱処理工程で起こ
るので、SiGe膜上に、表面にGeを含まないSi膜
を形成するには、SiGe膜に対してSi膜の膜厚を厚
くする必要がある。
【0009】その結果、Geが拡散できる容量が増加す
るので、SiGe膜中のGeがその上部のSi膜中に拡
散しやすくなる。これにより、SiGe膜中のGe濃度
が下がるので、トランジスタのしきい値電圧(Vth)
がシフトしてしまうという問題がある。本発明は以上の
問題点を鑑みて創作されたものであり、トランジスタの
しきい値電圧(Vth)のシフトが抑制されつつ、Si
Geを用いたゲート電極上の金属シリサイド層が低抵抗
相の単一相で形成され、かつ凝集が起こらないで形成さ
れる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は半導体装置に係り、絶縁ゲート型の電界効
果トランジスタを備えた半導体装置であって、前記トラ
ンジスタのゲート電極が、前記トランジスタのゲート絶
縁膜上に形成された下部シリコン膜と、前記下部シリコ
ン膜上に形成された、Si1-XGex(1<X<0)で表
されるシリコンゲルマニウム(SiGe)膜と、前記S
iGe膜の上方に形成された上部シリコン膜と、前記上
部シリコン膜の表面側のシリコンと金属膜とが反応して
形成された金属シリサイド層とを有し、前記金属シリサ
イド層が形成される前に、前記上部シリコン膜の表面の
Ge濃度が、前記金属シリサイド層が低抵抗相のみの単
一相からなり、かつ、前記金属シリサイド層の凝集に起
因した局所的な前記上部シリコン膜の露出が起こらない
ような濃度に調整されていることを特徴とする。
【0011】本発明は、金属シリサイド層が形成される
前に、上部シリコン膜の表面に全くGeが存在しないよ
うにするのではなく、トランジスタのしきい値電圧(V
th)が、例えばソース/ドレインの活性化アニール条
件に依存して大きくシフトしないように、例えば上部シ
リコン膜をSiGe膜に対して薄い膜厚で形成してSi
Ge膜から上部シリコン膜へのGeの流出を抑え、金属
シリサイド層が低抵抗相のシリサイド相からなり、かつ
凝集が起こらないように、上部シリコン膜の表面のGe
の濃度が調整されている。
【0012】上部シリコン膜の表面のGe濃度が比較的
高い場合においては、金属シリサイド層が高抵抗のシリ
サイド相を含んで形成されたり、金属シリサイド層が不
連続になる凝集が起こったりするおそれがある。本発明
では、上部シリコン膜の表面のGe濃度が、例えば、金
属シリサイド層がコバルト(Co)シリサイド層からな
る場合、Coとシリコンとの比が1:2(CoSi2
の低抵抗相からなる単一相で形成され、かつCoSi層
に凝集が起こらないように比較的低い濃度に調整されて
いる。
【0013】これにより、低抵抗で凝集が起こらない金
属シリサイド層が形成されるばかりではなく、SiGe
膜から上部シリコン膜へのGeの拡散を減少させること
ができるので、トランジスタのしきい値電圧(Vth)
のシフトをも抑制することができるようになる。上記し
た半導体装置において、前記上部シリコン膜の表面のG
e濃度が2%以下であることが好ましい。
【0014】本願発明者は、実験を重ねた結果、例え
ば、CoSi層を形成する場合、上部シリコン膜の表面
のGe濃度が2%以下になるようにすれば、最も低抵抗
で、かつ凝集が起こらないCoSi層が安定して形成さ
れ、さらに、トランジスタのしきい値電圧(Vth)の
シフトをも確実に抑制できるようになることを見出し
た。
【0015】このように、上部シリコン膜の表面のGe
濃度が2%以下になるように調整することにより、低抵
抗のCoSi層が安定して形成され、かつトランジスタ
のしきい値電圧(Vth)のシフトやそのバラツキが抑
制される。また、上記した半導体装置において、前記上
部シリコン膜は成膜された時点では少なくとも表面が非
晶質であって、熱処理により結晶化されたものであるこ
とが好ましい。
【0016】SiGe膜中のGeの上部シリコン膜への
熱処理での拡散は、上部シリコン膜の結晶粒界を介して
の拡散が支配的になるので、グレインサイズが大きい方
がGeの拡散を抑制しやすい。本発明では、上部シリコ
ン膜が成膜時は少なくとも表面が非晶質であり、これが
熱処理によって結晶したものであって、成膜時に結晶状
態である膜に比べてグレインサイズが大きくなる。すな
わち、上部シリコン膜の単位面積当たりの結晶粒界の密
度を低くすることによりGeの拡散経路が少なくなるこ
とになるので、SiGe膜中のGeが上部シリコン膜に
拡散しにくくなる。
【0017】また、上部シリコン膜が非晶質で形成され
ることにより表面のモフォロジーがよくなるので、金属
シリサイド層が均一に形成されるようになり、抵抗のバ
ラツキを抑えることができるようになる。さらに、上部
シリコン膜が非晶質で形成されることにより、ゲート電
極に導電型不純物であるボロン(B)を注入する場合、
チャネリングを抑えることができるようになる。これに
より、上部シリコン膜の膜厚を薄くすることができ、す
なわち、ゲート電極の高さを低くすることができるよう
になるので、ゲート電極の微細加工がしやすくなり、半
導体装置の製造が容易になる。
【0018】さらにまた、SiGe膜中のGeの上部シ
リコン膜への拡散を抑制できるばかりではなく、ゲート
電極には所定の濃度のGeが含まれ、ゲート電極中のB
の活性化率を向上させることができるので、ゲート絶縁
膜の直上までBを制御よく拡散させることができるよう
になる。これにより、ゲート電極の空乏化をも防止でき
るようになる。
【0019】また、上記問題を解決するため、本発明は
半導体装置の製造方法に係り、半導体基板上にゲート絶
縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に、下部シ
リコン膜を、1nmを超え、5nm以下の膜厚の範囲で
形成する工程と、前記下部シリコン膜上にSiGe膜を
形成する工程と、前記SiGe膜上に上部シリコン膜を
形成する工程と、前記上部シリコン膜、前記SiGe膜
及び前記下部シリコン膜をパターニングしてゲート電極
を形成する工程と、ソース/ドレインが形成される領域
に第1の導電型不純物を導入する工程と、前記ゲート電
極の側壁にサイドウォール膜を形成する工程と、前記第
1の導電型不純物と同じ導電型の第2の導電型不純物
を、前記サイドウォール膜をマスクにして前記ソース/
ドレイン領域に導入する工程と、前記ソース/ドレイン
に導入された導電型不純物を活性化し、ソース/ドレイ
ン拡散層を形成する工程と、前記ゲート電極、前記サイ
ドウォール及び前記ソース/ドレイン上に、金属膜を形
成する工程と、前記ゲート電極の上部シリコン膜上及び
前記ソース/ドレイン上と前記金属膜とを反応させて金
属シリサイド層を形成する工程とを有することを特徴と
する。
【0020】本発明によれば、SiGe膜が、1nmを
超え、5nm以下の膜厚の範囲で形成された下部シリコ
ン膜上に、例えば化学気相成長で形成されるので、Si
Ge膜の表面モフォロジーを良好にして膜厚分布の面内
ばらつきを小さくすることができる。これにより、金属
シリサイド層が安定して形成されるようになる。また、
SiGe膜は下部シリコン膜を介してゲート絶縁膜上に
形成されるので、ゲート絶縁膜の信頼性を向上させるこ
とができるようになる。
【0021】さらに、例えば、上部シリコン膜の膜厚を
SiGe膜の膜厚より薄くするなどして形成することに
より、ソース/ドレインに導入された導電型不純物を活
性化する熱処理工程でSiGe膜中のGeが上部シリコ
ン膜に拡散するとき、Geの拡散が抑制され、上部シリ
コン膜の表面のGeの濃度を比較的低くすることができ
るようになる。
【0022】これにより、SiGe膜を有するゲート電
極上に、金属シリサイド層が低抵抗のシリサイド相で、
かつ凝集が起こらないで形成されるようになる。また、
Geの拡散が抑制されるので、SiGe膜中のGe濃度
が下がることに起因するトランジスタのしきい値電圧
(Vth)のシフトを抑制することができるようにな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(本願発明者の調査)本願発明者
は、SiGe膜上のキャプSi膜上に形成された金属シ
リサイド層の抵抗とシリサイドの相(図1のPhas
e)及びキャップSi膜の表面のGe濃度との関係を調
査した。
【0024】図1に金属シリサイド層のシート抵抗と金
属シリサイドの相及びキャップSi膜の表面のGe濃度
との関係を示す。図2(a)はコバルトシリサイド層に
凝集が起きて不連続膜になっている様子をTEM(Tr
ansmission Electron Micro
scopy)で撮影した断面図、図2(b)は凝集が起
きていない正常なコバルトシリサイド層をTEMで撮影
した断面図である。
【0025】まず、実験サンプル及び実験方法について
説明する。図1に示すように、まず、半導体基板上に下
から順に、SiO2膜/SiGe膜/キャップSi膜が
形成された実験サンプルを作成した。このとき、それぞ
れの膜の膜厚が、100/160/20nm、100/
140/40nm及び100/120/60nmになる
ように振り分け、さらに、それぞれの膜厚の実験サンプ
ルごとに、SiGe膜のGeの濃度が10、20及び3
0%になるように変化させた。
【0026】その後、No1〜9のサンプルには、ボロ
ン(B)イオンを15Kev,5×1015 atoms/cm2
条件で注入し、No9〜10のサンプルには、リン
(P)イオンを5Kev,1×1015 atoms/cm2の条件
で注入した。次いで、窒素雰囲気中で、1000℃,1
0秒の条件で急速活性化熱処理(RTA:Rapid
Thermal Anealing)を行うことにより
ボロン(B)やリン(P)を活性化した後、キャップS
i膜の表面のGe濃度を測定した。そして、キャップS
i膜のシリコン濃度を5×1022 atoms/cm3とし、それ
ぞれのキャップSi膜の表面のGe濃度をこのシリコン
濃度で除算することにより、シリコン濃度に対するGe
濃度の比率を百分率で表した。
【0027】次いで、キャップSi膜上に、下から順
に、膜厚が10nm/30nmのCo膜/TiN膜をス
パッタ法により成膜した。次いで、500〜520℃の
温度の窒素雰囲気でRTA処理を行い、キャップSi膜
とCo膜とを反応させ、続いて、TiN膜及びキャップ
Si膜との未反応のCo膜を薬液で除去した。
【0028】次いで、800〜840℃の温度の窒素雰
囲気でRTA処理を行い、コバルトシリサイド層を形成
し、それぞれのサンプルのコバルトシリサイド層のシー
ト抵抗Rs(Ω/□)を測定した。また、各実験サンプ
ルのコバルトシリサイド層を構成するシリサイド相を調
査した。次に、実験結果を説明する。
【0029】キャップSi膜の表面のGe濃度とシリサ
イド層のシート抵抗との間には相関があり、さらに、シ
ート抵抗とシリサイド相との間にも相関があることが分
かった。なお、キャップSi膜の表面のSi濃度に対す
るGe濃度の比率は、図1のGe濃度の欄の括弧内に示
されている。図1に示すように、例えば、No14のサ
ンプルにおいては、キャップSi膜の表面のGe濃度の
Si濃度に対する比率が約10%であって、コバルトシ
リサイド層が高抵抗のシリサイド相であるCoSiを含
み、シート抵抗が17.1Ω/□と高くなっている。こ
のとき、形成されたコバルトシリサイド層の膜厚は22
〜88nmであった。
【0030】また、No5のサンプルにおいては、キャ
ップSi膜の表面のGe濃度のSi濃度に対する比率が
約4.6%であって、高抵抗のシリサイド相であるCo
Siは含まれていない。しかし図2(a)の矢印で示す
ように、GeのCoSi層の結晶粒界への偏析に伴って
シリサイド層の凝集が起こりキャップSi膜が露出して
いる部分があり、シート抵抗が10.4Ω/□と高くな
っている。このとき、形成されたコバルトシリサイド層
の膜厚が0〜81nmであった。
【0031】一方、キャップSi膜の表面のGe濃度の
Si濃度に対する比率が4%以下、好適には2%以下、
例えば、No2のサンプルにおいては、キャップSi膜
の表面のGe濃度の比率が約1.3%であって、コバル
トシリサイド層が低抵抗のシリサイド相であるCoSi
2のみからなり、かつシート抵抗が6.29Ω/□と低
くなっている。このとき、形成されたコバルトシリサイ
ド層の膜厚が18〜58nmであった。また、このサン
プルにおいては、図2(b)に示すように、凝集は起こ
っておらず、シリサイド反応が正常に進んで抵抗の低い
コバルトシリサイド層が形成されている。なお、No1
1のサンプルにおいても同様なことが言える。
【0032】以上説明したように、キャップSi膜の表
面のGe濃度の比率が10%以上の場合、高抵抗相であ
るCoSiが残留し(CoSi2化しているグレインも
存在)、高抵抗のシリサイド層が形成されることが分か
った。また、キャップSi膜の表面のGe濃度の比率が
4%を超え、10%未満の場合、高抵抗のCoSiが残
留しなくなり、低抵抗のCoSi2のみが形成されるよ
うになるが、GeのCoSi2の結晶粒界への偏析に伴
って凝集が起こるようになり、シリサイド層のシート抵
抗が高くなることが分かった。
【0033】なお、細線になるとシート抵抗が高くなる
傾向があり、特にゲート長が0.1μmではシート抵抗
の上昇が顕著になった。一方、キャップSi膜の表面の
Ge濃度の比率が4%以下、好適には2%以下の場合、
このようなGeのコバルトシリサイド層への悪影響はみ
られず、0.1μmのゲート長においても、低抵抗のシ
リサイド相であるCoSi2のみの単一相から形成さ
れ、かつ凝集が起こらないコバルトシリサイド層が安定
して形成されることが分かった。
【0034】以上の本願発明者の実験結果に基づき、本
発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。 (実施の形態)図3(a)〜(b)は本発明の実施の形
態の半導体装置の製造方法を示す概略断面図、図4
(a)はキャップSi膜が成膜された様子を示す部分拡
大断面図、図4(b)は、SiGe膜のGeがキャップ
Si膜に拡散する様子を示す部分拡大断面図である。
【0035】まず、図3(a)に示すように、半導体基
板としてシリコン基板10を用意し、各素子領域間を分
離するためのフィールド絶縁膜13を例えばSTI(S
hallow Trench Isolation)技
術を用いて形成する。その後、シリコン基板10を熱酸
化して素子領域に膜厚が例えば2nmのSiO2膜を形
成し、ゲート絶縁膜12とする。
【0036】次いで、ゲート絶縁膜12及びフィールド
絶縁膜13上に、所定の前処理を行ったあと、化学気相
成長法により、膜厚が例えば1nmを超え、5nm以下
の非晶質シリコン膜を成膜して下部シリコン膜の一実施
例であるシードSi膜14とする。成膜条件の一例とし
て、枚葉式のチャンバを備えた常圧化学気相成長装置
で、SiH4:100sccm,H2:20slm(キャ
リアガス),600℃の条件により成膜する。
【0037】このシードSi膜14は、次工程のSiG
e膜の成膜するためのシード層となり、SiGe膜の表
面モフォロジーを良好にすることができ、また、ゲート
絶縁膜12の信頼性を向上させることができる。次い
で、シードSi膜14上にSiH4とGeH4とを用いた
化学気相成長法により、多結晶膜であるPoly−Si
Ge膜16を膜厚が例えば40〜155nmの範囲にな
るようにして成膜する。
【0038】このとき、下地にはシードSi膜14があ
るので、Poly−SiGe膜16は優れた平坦性をも
って成膜される。また、Poly−SiGe膜16の混
晶比はSi95Ge5〜Si70Ge30の範囲になるように
するのが好ましく、さらに好適にはSi80Ge20にすれ
ばよい。Poly−SiGe膜16の混晶比をSi80
20とする場合、膜厚を例えば100nmとすればよ
い。Si80Ge20の混晶比で成膜する場合の成膜条件の
一例として、GeH4(1.5%):300sccm,
SiH4(100%):100sccm,H2:20sl
m,650℃、38秒の条件で成膜を行う。この成膜条
件の場合、シリコン基板10に対して平行に(220)
面が優先的に配向するので、グレインサイズが約40n
mと小さく、かつそのバラツキが小さいPoly−Si
Ge膜16が80nmの膜厚で成膜される。
【0039】このように、グレインサイズが小さく、そ
のバラツキが小さいPoly−SiGe膜16をゲート
電極の材料に用いると、しきい値電圧(Vth)のバラ
ツキが小さいトランジスタを製造することができるよう
になる。次いで、半導体基板10を化学気相成長装置の
外部に搬出し、Poly−SiGe膜16を例えば、濃
度が3ppmのオゾン水で処理してPoly−SiGe
膜16の表面に0.186nmの膜厚の酸素を含む層1
7を形成する。または、HCl(塩酸)/H22(過酸
化水素水)の混合液で処理(HPM処理)することによ
り、Poly−SiGe膜16の表面に例えば0.35
nmの膜厚の酸素を含む層17を形成するようにしても
よい。
【0040】このような方法で、膜厚が好ましくは0.
1〜0.4nmになるようにPoly−SiGe膜16
上に例えばSiGe膜16の表面が酸化された酸素を含
む層17を形成する。なお、この酸素を含む層17を形
成しない形態としてもよい。次いで、酸素を含む層17
上に上部シリコン膜の一実施例である非晶質の領域を含
むキャップSi膜18を膜厚が例えば30〜140nm
の範囲、好適には60〜140nmの範囲の膜厚になる
ようにして成膜する。キャップSi膜18の成膜条件の
一例として、SiH4:200sccm,H2:20sl
m,650〜750℃の条件を用い、膜厚が例えば10
0nmのキャップSi膜18を成膜する。
【0041】このとき、図4(a)に示すように、上記
した成膜条件は、SiO2膜上では非晶質Si膜が成膜
される条件あって、Poly−SiGe膜16上に成膜
する場合は、成膜の初期には下地のPoly−SiGe
膜16の結晶性を引きずり結晶性Si膜18aが成膜さ
れるが、結晶性Si膜18aの上には非晶質Si膜18
bが成膜される。すなわち、Poly−SiGe膜16
上に表面から少なくとも10nmの膜厚方向の部分が非
晶質Si膜18bからなるキャップSi膜18が成膜さ
れる。さらに、好ましくは、キャップSi膜18のう
ち、表面から30nm以上の膜厚方向の部分が非晶質S
i膜18bであり、Poly−SiGe膜16側の他の
部分が多結晶からなる結晶性Si膜18aになるような
条件で成膜する。なお、図4(a)及び(b)はPol
y−SiGe膜16とキャップSi膜18との間に酸素
を含む層17が形成されていない場合を想定している。
【0042】ここで、Poly−SiGe膜16中のG
eの拡散を抑制してトランジスタのしきい値電圧(Vt
h)のシフトを抑えるために、キャップSi膜18の膜
厚をPoly−SiGe膜16の膜厚より薄くする方が
好ましい。次いで、ゲート電極を形成するために、キャ
ップSi膜上にレジスト膜(図示せず)をパターニング
し、このレジスト膜をマスクにして塩素系ガス又は臭素
系ガスを含むガスを用いた異方性ドライエッチングで、
キャップSi膜18、酸素を含む層17、Poly−S
iGe膜16及びシードSi膜14をエッチングして、
ゲート電極19を形成する。
【0043】以下のイオン注入の工程は、nチャネルM
OSFETを形成する場合を例にして説明する。次い
で、ゲート電極19をマスクにして導電型不純物である
As(砒素)イオンを注入することにより、n型エクス
テンション領域20を形成する。次いで、ゲート電極1
8、ゲート絶縁膜12及びフィールド絶縁膜13上に化
学気相成長により、SiO2膜を成膜する。
【0044】次いで、フッ素系ガスを含むガスを用いた
異方性ドライエッチングにより、SiO2膜の全面をエ
ッチングする。これにより、ゲート電極19の側面にサ
イドウォール膜24が形成される。次いで、サイドウォ
ール膜24をマスクにしてP(リン)イオンを注入し、
例えば、窒素雰囲気中で1000℃、10秒の急速活性
化熱処理(RTA:Rapid Thermal An
ealing)を行うことにより、n+型ソース/ドレ
イン領域26を形成する。なお、相補型MOSFETを
製造する場合、p+型ソース/ドレインになる領域にB
(ボロン)イオンを注入し、所定の温度で同様に熱処理
を行うことによりp+型ソース/ドレイン領域を形成す
ればよい。
【0045】このとき、図4(b)に示すように、Po
ly−SiGe膜16中のGeの一部はキャップSi膜
18内に拡散する。キャップSi膜18の表面のGe濃
度が好ましくは4%未満、さらに好適には2%以下にな
るように、キャップSi膜18の膜厚、好ましくは酸素
を含む層17の膜厚をn型ソース/ドレイン領域26を
形成するRTA処理の温度に合わせて調整することがで
きる。
【0046】また、成膜時に少なくとも表面が非晶質で
あったキャップSi膜18がこのRTA処理により結晶
化し、上方が非晶質であったシリコン膜が結晶化する。
このとき、キャップSi膜18が多結晶になり、表面よ
りもPoly−SiGe膜16側の方が結晶粒径(グレ
インサイズ)が大きくなるようにすることが好ましい。
キャップSi膜18は非晶質シリコン膜が熱処理により
結晶化するので、成膜時に結晶状態だったシリコン膜よ
りグレインサイズが大きくなり、単位面積当たりの結晶
粒界の密度を低くすることができる。
【0047】すなわち、Geは主にキャップSi膜18
の結晶粒界に沿って拡散するので、キャップSi膜18
の結晶粒界の密度を低くすることにより、RTA処理中
にGeが上部シリコン膜に拡散しにくくなる。例えば、
図1のNo11のサンプルのように、Poly−SiG
e膜16/キャップSi膜18の膜厚を140nm/4
0nmとして上記の製造方法で製造する場合、n+型ソ
ース/ドレイン領域26を形成するためのRTA処理工
程の後、すなわち、次工程のCoSi膜を形成する工程
の前の時点で、キャップSi膜18の表面のG濃度が
1.9%になる。
【0048】次いで、半導体基板10の全面をHF(フ
ッ酸)系の薬液で前処理したあと、スパッタ法を用い
て、下から順に、膜厚が例えば、10nm/30nmの
Co膜28/TiN膜30を成膜する。次いで、窒素雰
囲気中で、温度が例えば500〜520℃の範囲で、3
0秒間、第1のRTA処理を行うことにより、Co膜2
8とn+型ソース/ドレイン領域26及びキャップSi
膜18とを反応させる。
【0049】次いで、過酸化アンモニア水と硫酸過酸化
水素水との混合液で、TiN膜30とフィールド絶縁膜
13及びサイドウォール膜24上の未反応のCo膜28
を除去する。次いで、窒素雰囲気中で、温度が例えば8
00〜840℃の範囲で、30秒間の第2のRTA処理
を行うと、キャップSi膜18の表面のGe濃度が低く
抑えられているので、低抵抗のシリサイド相であるCo
Si2の単一相からなり、かつ凝集が起こらないCoS
i層30を形成することができる。
【0050】ここで、第1のRTA処理を行う工程で、
CoSi層30が局所的にn+型又はp+型ソース/ドレ
イン領域の深さ方向に延びる、いわゆる、スパイクが発
生する場合がある。これにより、n+型ソース/ドレイ
ン26とp−ウェル、又はp+型ソース/ドレインとn
−ウェルとのpn接合でリーク電流が増加する。しかし
ながら、本実施の形態では、第2回目のRTA処理を比
較的高い温度である800〜850℃の範囲で行うの
で、このスパイクをなくすことができる。これにより、
pn接合でリーク電流が増加することを防止することが
できる。
【0051】なお、相補型MOSFETを製造する場
合、n型エクステンション領域20及びn+型ソース/
ドレイン領域26を形成する工程で、pチャネルMOS
FETが形成される領域にレジスト膜をパターニング
し、この領域にnチャネルを形成するための導電型不純
物が注入されないようにすればよい。また、逆に、p型
エクステンション領域20及びp型ソース/ドレイン領
域を形成する工程で、nチャネルトランジスタが形成さ
れる領域をレジストマスクでマスクし、この領域にpチ
ャネルを形成するための導電型不純物が注入されないよ
うにすればよい。
【0052】以上により、本実施の形態の半導体装置3
2が完成する。本実施の形態の半導体装置32は、ゲー
ト電極19が下から順に、シードSi膜14、Poly
−GeSi膜16,酸素を含む層17及びキャップSi
膜18からなる構造で構成されている。そして、キャッ
プSi膜18の少なくとも表面のGe濃度を、CoSi
層30が形成される前の時点で、CoSi層30が低抵
抗のシリサイド相であるCoSi2からなる単一相で形
成され、かつCoSi層30に凝集が起こらないような
濃度に調整されている。
【0053】その結果、CoSi層30はその結晶粒内
及び結晶粒界に偏析するGeが少なくなるので、Coと
Siとの反応の遅れが起こらず、高抵抗のシリサイド相
であるCoSiが残留しなくなり、かつ凝集も起こらな
くなる。すなわち、低抵抗のシリサイド相であるCoS
2の単一相のみで、かつ凝集が起こらない状態で低抵
抗のCoSi層30が形成されることになる。
【0054】キャップSi膜18の表面のGe濃度が、
CoSi層30を形成する前、すなわち、ソース/ドレ
インのRTA処理工程の後で、4%未満、好適には2%
以下になるように調整するのが好ましい。例えば、nチ
ャネルMOSFETを上記の製造方法で製造する場合、
上記した図1のNo11のサンプルのように、Poly
−GeSi膜16/キャップSi膜18の膜厚を140
/40nmとすると、キャップSi膜18の表面のGe
濃度が約1.9%になり、CoSi層30は、CoSi
2からなる単一相で形成され、かつCoSi層30に凝
集が起こらなくなる。この場合、シート抵抗が5.41
Ω/□と低いCoSi層30が形成される。
【0055】さらに、キャップSi膜18の膜厚をPo
ly−GeSi膜16より薄く形成されていることが好
ましい。これにより、Geが拡散するためのキャップS
i膜18の容量が減少することになり、Poly−Si
Ge膜中のGeの拡散量が減少させることができるの
で、SiGe膜のGe濃度が下がることを防止すること
ができる。従って、SiGe膜中のGe濃度が下がるこ
とに起因するトランジスタのしきい値電圧(Vth)の
シフトを抑制することができる。
【0056】また、キャップSi膜18は、少なくとも
表面が非晶質のシリコン膜が熱処理されて結晶化した膜
であって、グレインサイズが比較的大きくなるので、単
位面積当たりの結晶粒界の密度が低い。Poly−Si
Ge膜16中のGeのキャップSi膜18への熱処理で
の拡散は、キャップSi膜18の結晶粒界を介しての拡
散が支配的になるので、グレインサイズが大きい方がG
eの拡散を抑制しやすい。従って、キャップSi膜18
の結晶粒界の密度を低くくすることにより、Geの拡散
経路が少なくなるので、Poly−SiGe膜16中の
GeがキャップSi膜18に拡散しにくくなる。また、
非晶質で形成されることによりキャップSi膜18の表
面モフォロジーがよくなるので、CoSi層30が均一
に形成されるようになり、抵抗のバラツキを抑えること
ができるようになる。さらに、キャップSi膜18が非
晶質で形成された膜であるので、ボロン(B)イオンを
注入する場合、チャネリングを抑えることができる。ま
た、ゲート電極の高さを低くすることができるので微細
加工が容易になり、製造しやすくなる。
【0057】ゲート長が細くなるに従ってシート抵抗が
上昇する、いわゆる細線効果を抑制するには、キャップ
Si膜18の膜厚を60〜140nm、すなわち、最低
膜厚を60nmにすればよい。これにより、ゲート長が
0.1μmにおいても低抵抗なCoSi層30が形成さ
れるようになる。また、好ましい形態では、Poly−
GeSi膜16とキャップSi膜18との間に、例えば
膜厚が0.1〜0.4nmの超薄膜の酸素を含む層17
が形成されており、Poly−SiGe膜中のGeがキ
ャップSi膜18に拡散されるのを防止するブロッキン
グ膜となる。
【0058】これにより、SiGe膜中のGe濃度が下
がることに起因するトランジスタのしきい値電圧(Vt
h)のシフトをさらに抑制することができるようにな
る。表面までGeが拡散しない程度に膜厚が厚いキャッ
プSi膜18を形成する場合、すなわち、Geが拡散し
やすくなる構造においては、Poly−SiGe膜16
中のGeのキャップSi膜18への拡散は、熱処理条件
に非常に敏感である。このため、熱処理の温度や時間を
多少変えるだけでPoly−SiGe膜16中のGeの
拡散量が変化してトランジスタのしきい値(Vth)が
ばらついて変動する場合があり、その変動量を見積るの
が困難である。
【0059】本実施の形態の半導体装置によれば、Ge
のキャップSi膜への拡散は、好ましい形態では、超薄
膜の酸素を含む層17でブロッキングされ、次いで、キ
ャップSi膜18の大きなグレインの結晶粒界に沿って
行われることになる。すなわち、GeのキャップSi膜
への拡散は、抑制されながら行われることになるので、
例えば、熱処理の温度を上げた場合においても、Geの
キャップSi膜18への拡散の増加量を少なくすること
ができる。
【0060】従って、熱処理条件を変えた場合において
も、Poly−SiGe膜16中のGe濃度の変化を少
なくすることができるので、トランジスタのVthのシ
フト量を少なくすることができ、また、その変動量を見
積りしやすくなる。また、ゲート絶縁膜12とPoly
−SiGe膜16との間には、例えば1nmを超え、5
nmの範囲の膜厚のシードSi膜14が形成されている
ので、Poly−SiGe膜16が良好な表面モフォロ
ジーで形成される。これにより、上部シリコン膜の表面
モフォロジーがよくなるので、抵抗が低い金属シリサイ
ド層が安定して形成される。
【0061】また、Poly−SiGe膜16はシリコ
ン基板10に対して平行に(220)に配向されている
ので、グレインサイズが40nm程度と小さい。ゲート
電極19にボロン(B)イオンを注入し、Bを熱処理に
よって活性化させる場合、ゲート電極を構成する膜のグ
レインサイズを小さくすることにより、深さ方向により
均一に活性化させることができるようになる。SiGe
はSiよりボロンの拡散速度が遅いのでこのようにグレ
インサイズを小さくすることが有効である。
【0062】このように、本実施の形態の半導体装置
は、Poly−SiGe膜16中のGeのキャップSi
膜18への拡散が抑制されるとともに、ゲート電極19
中に所定の濃度のGeが存在し、導電型不純物、例えば
ボロン(B)の活性化率が向上するので、ボロン(B)
がゲート絶縁膜12の直上まで制御よく拡散されるよう
になる。これにより、ゲート電極の空乏化や導電型不純
物のチャネルへの突き抜けをも防止することができるよ
うになる。
【0063】以上のように、本実施の形態の半導体装置
によれば、SiGeを用いたゲート電極上に、トランジ
スタのしきい値電圧(Vth)のシフトを抑制しつつ、
安定して低抵抗の金属シリサイド層が形成されるので、
トランジスタの動作速度を向上させることができるよう
になる。以上、実施の形態により、この発明の詳細を説
明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に具体的に
示した例に限られるものではなく、この発明を逸脱しな
い要旨の範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲
に含まれる。
【0064】例えば、本実施の形態では、ゲート電極1
9上の全ての領域にCoSi層30を形成した例を示し
たが、ゲート電極19上の一部分の領域にSiO2膜な
どが形成され、このSiO2膜が形成されていないゲー
ト電極19上のみにCoSi層30が形成されている形
態にしてもよい。 (付記1) 絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを備
えた半導体装置であって、前記トランジスタのゲート電
極が、前記トランジスタのゲート絶縁膜上に形成された
下部シリコン膜と、前記下部シリコン膜上に形成され
た、Si1-XGex(1<X<0)で表されるシリコンゲ
ルマニウム(SiGe)膜と、前記SiGe膜の上方に
形成された上部シリコン膜と、前記上部シリコン膜の表
面側のシリコンと金属膜とが反応して形成された金属シ
リサイド層とを有し、前記金属シリサイド層が形成され
る前に、前記上部シリコン膜の表面のGe濃度が、前記
金属シリサイド層が低抵抗相のみの単一相からなり、か
つ、前記金属シリサイド層の凝集に起因した局所的な前
記上部シリコン膜の露出が起こらないような濃度に調整
されていることを特徴とする半導体装置。 (付記2) 前記上部シリコン膜の表面のGe濃度が2
%以下であることを特徴とする付記1に記載の半導体装
置。 (付記3) 前記金属膜はコバルト(Co)からなり、
前記低抵抗相はCoSi2であることを特徴とする付記
1又は2に記載の半導体装置。 (付記4) 前記上部シリコン膜は、成膜された時点で
は少なくとも表面が非晶質であって、熱処理により結晶
化されたものであることを特徴とする付記1乃至3のい
ずれか1項に記載の半導体装置。 (付記5) 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工
程と、前記ゲート絶縁膜上に、下部シリコン膜を、1n
mを超え、5nm以下の膜厚の範囲で形成する工程と、
前記下部シリコン膜上にSiGe膜を形成する工程と、
前記SiGe膜上に、上部シリコン膜を形成する工程
と、前記上部シリコン膜、前記SiGe膜及び前記下部
シリコン膜をパターニングしてゲート電極を形成する工
程と、ソース/ドレインが形成される領域に第1の導電
型不純物を導入する工程と、前記ゲート電極の側壁にサ
イドウォール膜を形成する工程と、前記第1の導電型不
純物と同じ導電型の第2の導電型不純物を、前記サイド
ウォール膜をマスクにして前記ソース/ドレイン領域に
導入する工程と、前記ソース/ドレインに導入された導
電型不純物を活性化し、ソース/ドレイン拡散層を形成
する工程と、前記ゲート電極、前記サイドウォール及び
前記ソース/ドレイン上に、金属膜を形成する工程と、
前記ゲート電極の上部シリコン膜上及び前記ソース/ド
レイン上と前記金属膜とを反応させて金属シリサイド層
を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置
の製造方法。 (付記6)前記上部シリコン膜は多結晶であって、表面
側よりも前記SiGe膜側の方が結晶粒径が大きいこと
を特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導
体装置。
【0065】(付記7)前記SiGe膜と前記上部シリ
コン膜との間に、酸素を含む層が形成されていることを
特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体
装置。 (付記8) 前記下部シリコンの膜厚は、1nmを超
え、5nm以下の範囲であることを特徴とする付記1乃
至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0066】(付記9) 前記SiGe膜は、多結晶で
あり、基板に対して平行に(220)面が現れた膜であ
ることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載
の半導体装置。 (付記10) 前記上部シリコン膜の膜厚は40nmか
ら140nmの範囲であって、前記金属シリサイド層は
Co(コバルト)シリサイド層からなり、前記コバルト
シリサイド層は、2段階熱処理により前記トランジスタ
のゲート電極上及びソース/ドレイン上に選択的に形成
されたものであることを特徴とする付記1乃至4のいず
れか1項に記載の半導体装置。
【0067】(付記11) 前記金属シリサイド層を形
成する工程の前に、前記上部シリコン膜の表面のGe濃
度を、前記金属シリサイド層が低抵抗相のみの単一相か
らなり、かつ、前記金属シリサイド層の凝集に起因した
局所的な前記上部シリコン膜の露出が起こらないような
濃度に調整することを特徴とする付記5に記載の半導体
装置の製造方法。
【0068】(付記12) 金属シリサイド層はコバル
トシリサイド(CoSi)層であって、前記低抵抗相は
CoSi2であることを特徴とする付記5に記載の半導
体装置の製造方法。 (付記13) 前記上部シリコン膜を形成する工程にお
いて、前記上部シリコン膜は少なくとも表面が非晶質で
あることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造
方法。
【0069】(付記14) 前記SiGe膜を形成する
工程の後であって、前記上部シリコン膜を形成する工程
の前に、酸素を含む層を形成する工程をさらに有するこ
とを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。 (付記15) 前記金属シリサイド層はコバルトシリサ
イド(CoSi)層であって、前記CoSi層を形成す
る工程が、前記Co膜と前記上部シリコン膜及び前記ソ
ーズ/ドレイン領域のシリコンとを熱処理により反応さ
せる工程と、前記上部シリコン膜及び前記ソース/ドレ
イン上以外の未反応の前記Co膜を除去する工程と、8
00℃から840℃の範囲の温度で熱処理して前記Co
Si層を形成する工程とを含むことを特徴とする付記5
に記載の半導体装置の製造方法。
【0070】(付記16) 前記上部シリコン膜を60
nmから140nmの範囲の膜厚で形成し、前記金属膜
はコバルト(Co)膜であることを特徴とする付記5に
記載の半導体装置の製造方法。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して上SiGe
膜と上部シリコン膜と金属シリサイド層とを有し、該上
部シリコン膜の表面のGe濃度が、金属シリサイド層を
形成する前に、上部シリコン膜の表面のGe濃度が、金
属シリサイド層が低抵抗相のみの単一相からなり、か
つ、金属シリサイド層の凝集に起因した局所的な上部シ
リコン膜の露出が起こらないような濃度、好適には2%
以下になるように調整されている。
【0072】これにより、低抵抗で凝集が起こらない金
属シリサイド層30が形成されるばかりではなく、Si
Ge膜から上部シリコン膜18へのGeの拡散を減少さ
せることができるので、トランジスタのしきい値電圧
(Vth)のシフトをも抑制することができるようにな
る。このように、SiGeの用いたゲート電極上に、ト
ランジスタのしきい値電圧(Vth)のシフトを抑制し
つつ、安定して低抵抗の金属シリサイド層が形成される
ので、トランジスタの動作速度を向上させることができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は金属シリサイド層のシート抵抗と金属シ
リサイドの相及びキャップSi膜の表面のGe濃度との
関係を示す。
【図2】図2(a)はコバルトシリサイド層に凝集が起
きている様子をTEMで撮影した断面図、図2(b)は
凝集が起きていない正常なコバルトシリサイド層をTE
Mで撮影した断面図である。
【図3】図3(a)〜(b)は本発明の実施の形態の半
導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図4】図4(a)はキャップSi膜が成膜された様子
を示す部分拡大断面図、図4(b)はSiGe膜のGe
がキャップSi膜に拡散する様子を示す部分拡大断面図
である。
【符号の説明】
10:シリコン基板(半導体基板) 12:ゲート絶縁膜 13:フィールド絶縁膜 14:シードSi膜(下部シリコン膜) 16:Poly−SiGe膜 17:酸素を含む層 18:キャップSi膜(上部シリコン膜) 18a:結晶性Si膜 18b:非晶質Si膜 19:ゲート電極 20:n型エクステンション領域 26:n+型ソース/ドレイン領域 30:CoSi層(金属シリサイド層) 32:半導体装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 BB37 BB38 CC05 DD80 DD84 FF13 GG09 GG10 5F140 AA01 AA06 AB03 BA01 BE07 BF04 BF14 BF22 BF23 BF24 BF28 BF32 BF33 BF34 BF35 BF37 BF38 BG12 BG26 BG28 BG30 BG34 BG38 BG44 BG45 BG52 BG53 BG56 BH14 BJ01 BJ08 BK02 BK13 BK21 BK29 BK34 BK38 BK39 CB04 CF04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを
    備えた半導体装置であって、 前記トランジスタのゲート電極が、 前記トランジスタのゲート絶縁膜上に形成された下部シ
    リコン膜と、 前記下部シリコン膜上に形成された、Si1-XGex(1
    <X<0)で表されるシリコンゲルマニウム(SiG
    e)膜と、 前記SiGe膜の上方に形成された上部シリコン膜と、 前記上部シリコン膜の表面側のシリコンと金属膜とが反
    応して形成された金属シリサイド層とを有し、 前記金属シリサイド層が形成される前に、前記上部シリ
    コン膜の表面のGe濃度が、前記金属シリサイド層が低
    抵抗相のみの単一相からなり、かつ、前記金属シリサイ
    ド層の凝集に起因した局所的な前記上部シリコン膜の露
    出が起こらないような濃度に調整されていることを特徴
    とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記上部シリコン膜の表面のGe濃度が
    2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 前記金属膜はコバルト(Co)からな
    り、前記低抵抗相はCoSi2であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記上部シリコン膜は、成膜された時点
    では少なくとも表面が非晶質であって、熱処理により結
    晶化されたものであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する
    工程と、 前記ゲート絶縁膜上に、下部シリコン膜を、1nmを超
    え、5nm以下の膜厚の範囲で形成する工程と、 前記下部シリコン膜上にSiGe膜を形成する工程と、 前記SiGe膜上に上部シリコン膜を形成する工程と、 前記上部シリコン膜、前記SiGe膜及び前記下部シリ
    コン膜をパターニングしてゲート電極を形成する工程
    と、 ソース/ドレインが形成される領域に第1の導電型不純
    物を導入する工程と、 前記ゲート電極の側壁にサイドウォール膜を形成する工
    程と、 前記第1の導電型不純物と同じ導電型の第2の導電型不
    純物を、前記サイドウォール膜をマスクにして前記ソー
    ス/ドレイン領域に導入する工程と、 前記ソース/ドレインに導入された導電型不純物を活性
    化し、ソース/ドレイン拡散層を形成する工程と、 前記ゲート電極、前記サイドウォール及び前記ソース/
    ドレイン上に、金属膜を形成する工程と、 前記ゲート電極の上部シリコン膜上及び前記ソース/ド
    レイン上と前記金属膜とを反応させて金属シリサイド層
    を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005026253A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体装置の製造方法
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JP2008078203A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 半導体装置の製造方法

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