JP2012204691A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜できる基板処理技術を提供する。
【解決手段】金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を処理室内へ搬入する工程と、前記基板を収容した処理室内へ不純物含有ガスを供給し、前記金属酸化膜を除去する酸化膜除去工程と、前記処理室内に前記不純物含有ガスおよびシリコン含有ガスを供給し、前記金属膜上に不純物が添加されたシリコン含有膜を形成するシリコン含有膜形成工程と、前記シリコン含有膜が形成された基板を処理室内から搬出する工程とから、半導体装置の製造方法を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウェハ(以下、ウェハという。)等の基板を処理する半導体装置(IC:Integrated Circuit)の製造方法及び基板処理装置に関し、特に、シリコン含有薄膜を形成する半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関し、就中、減圧CVD法(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition)やALD法(原子成長法:Atomic Layer Deposition)によって、低温ポリシリコン膜又は低温アモルファスシリコン膜を成膜する半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関するものである。
IC、LSI(Large Scale Integration)等の半導体装置(デバイス)を製造する工程においては、例えば減圧CVD法により縦型減圧CVD装置を用いて、基板上に薄膜を形成することが行われている。近年、半導体デバイスの微細化、大容量化に伴い、半導体LSIであるCPU(Central Processing Unit)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)において、容量膜には高誘電率(High―k)絶縁材料が用いられ、配線にCu、バリアメタルにTiなど、電極周りにはメタル材が用いられるようになっている。これに伴い、デバイスの性能向上および劣化防止のために、電極接合部の製造プロセスの低温化や電極接合部の低抵抗化が必須となっている。また量産においては、そのような低温プロセスにおける成膜時の膜質や膜厚の安定性が、デバイスの生産性を向上させるうえで非常に重要となってくる。
プロセス温度の低温化は、浅い接合におけるドーパントの拡散防止のために必要である。シリコン膜を成膜する際に温度を下げる方法としては、シリコン系ガスとホウ素含有ガスを交互または同時供給することにより、成長させる温度を低くできることが分かっている。このように、500度以下の低温で成膜すると、ロジック・トランジスタやメモリキャパシタの劣化を抑えることが可能である。
電極接合部の低抵抗化のためには、メタル膜(金属膜)上の自然酸化膜(メタル酸化物)の低減や除去が必要である。例えば、導電膜やバリアなどのメタル膜上に導電性のドープトシリコン膜を成膜する際には、メタル膜上のメタル酸化物が無いこと、もしくは除去されていることが重要である。メタル膜上のメタル酸化物が無いと、電気抵抗が低減され、デバイスが低消費電力化され、または、電気特性の劣化が防止され、より高速かつ微細なLSIを作製することができる。
したがって、メタル膜上に低温アモルファスシリコン膜やポリシリコン膜やエピタキシャル膜を生成して、ソース、ドレインや、電極膜を形成する際に、メタル膜上のメタル酸化物を除去することが必要となる。
また、ドープトシリコン膜を成膜する際には、膜自体の電気特性を良好に保つため、均一な厚さで平坦に成膜できることが非常に重要である。図6は、従来技術におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。図6(a)において、窒化チタン(TiN)膜41の表面上に、例えばシラン(SiH)ガスが供給され、シリコン(Si)核42が付着すると、図6(b)から図6(c)に示すように、シリコン核42の周囲にシリコン膜43が成長する。しかし、シリコン核42間の隙間が大きいため、シリコン膜43の表面は平坦にならない。
下記の特許文献1には、基板上に所望の薄膜を生成する前に、ガス供給手段から少なくとも三塩化ホウ素ガスを処理室内に供給し、基板上に生成されている自然酸化膜の除去を行う技術が開示されている。
特開2007−300019号公報
現状では、シリコン系ガスとホウ素系ガスなどを用いて、基板上の金属膜上に、ホウ素等の不純物が添加されたドープトシリコン膜を成膜する場合において、成長初期に島状にシリコンの核成長が始まり、成長後の膜は、核成長したところが厚く、しないところが薄くなり、凹凸の大きな膜表面となってしまい、均一な厚さで平坦に成膜できない問題が生じる。このため、膜自体の電気特性の悪化が顕著となる。これは特にシリコン膜を薄くするほど顕著となり、量産レベルでは通常数%以下の平坦度(ラフネス)が必要であることから、大幅な凹凸ばらつきの均一性改善が求められている。この問題は、上述の公知文献1のように自然酸化膜を除去するだけでは解決できない。
本発明の目的は、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を安定して得ることが可能な半導体装置の製造方法や基板処理装置を提供することにある。
前記課題を解決するための、本発明に係る半導体装置の製造方法の代表的な構成は、次のとおりである。
金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を処理室内へ搬入する工程と、
前記基板を収容した処理室内へ不純物含有ガスを供給し、前記金属酸化膜を除去する酸化膜除去工程と、
前記処理室内に前記不純物含有ガスおよびシリコン含有ガスを供給し、前記金属膜上に不純物が添加されたシリコン含有膜を形成するシリコン含有膜形成工程と、
前記シリコン含有膜が形成された基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
また、本発明に係る基板処理装置の代表的な構成は、次のとおりである。
金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を収容する処理室と、
前記処理室へ不純物含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
前記処理室へシリコン含有ガスを供給する第2ガス供給部と、
前記処理室からガスを排気するガス排気部と、
前記基板を収容した処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給して前記金属酸化膜を除去し、その後、前記処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給しつつ、前記第2ガス供給部からシリコン含有ガスを供給して不純物が添加されたシリコン含有膜を前記金属膜上に形成するよう制御する制御部と、を有する基板処理装置。
上記の半導体装置の製造方法や基板処理装置の構成によれば、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の実施例における基板処理装置の概略斜視図である。 本発明の実施例における基板処理装置の概略の部分垂直断面図である。 本発明の実施例における処理炉の概略垂直断面図である。 本発明の1実施例におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。 本発明の他の実施例におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。 従来技術におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例における基板処理装置を説明する。本実施例における基板処理装置は、一例として、半導体装置の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。以下の説明では、基板処理装置として、基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行うバッチ式縦型半導体製造装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。
図1に示されているように、シリコン等からなる基板であるウェハ200を収納したウェハキャリアとしてのカセット110が使用されている処理装置101は、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの下方にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104が建て付けられている。メンテナンス扉104には、カセット搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。カセット搬入搬出口112の筐体111内側にはカセットステージ(基板収容器受渡し台)114が設置されている。カセット110は、カセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。カセットステージ114は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウェハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウェハ出し入れ口が上方向を向くように載置されるように構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央下部には、カセット棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管し、カセット110内のウェハ200を出し入れする可能となるように配置されている。カセット棚105は、スライドステージ(水平移動機構)106上に横行可能に設置されている。また、カセット棚105の上方にはバッファ棚(基板収容器保管棚)107が設置されており、カセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、カセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、バッファ棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウェハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウェハ移載機構125は、ウェハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウェハ移載装置(基板移載装置)125aおよびウェハ移載装置125aを昇降させるためのウェハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図1に模式的に示されているように、ウェハ移載装置エレベータ125bは、筐体111左側端部に設置されている。これら、ウェハ移載装置エレベータ125bおよびウェハ移載装置125aの連続動作により、ウェハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウェハ200の載置部として、ボート217に対して、ウェハ200を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
図1に示されているように、バッファ棚107の後方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134aが設けられておりクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。また、ウェハ移載装置エレベータ125b側と反対側である右側端部には、クリーンエアを供給するよう供給フアンおよび防塵フィルタで構成された図示しないクリーンユニットが設置されており、クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウェハ移載装置125aを流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるようになっている。
ウェハ移載装置(基板移載装置)125aの後側には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という。)を維持可能な機密性能を有する筐体(以下、耐圧筐体という。)140が設置されており、この耐圧筐体140によりボート217を収容可能な容積を有するロードロック方式の待機室であるロードロック室141が形成されている。
耐圧筐体140の正面壁140aには、ウェハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)142が開設されており、ウェハ搬入搬出口142はゲートバルブ(基板搬入搬出口開閉機構)143によって開閉されるようになっている。耐圧筐体140の一対の側壁には、ロードロック室141へ窒素ガス等の不活性ガスを給気するためのガス供給管144と、ロードロック室141を負圧に排気するための図示しない排気管とがそれぞれ接続されている。
ロードロック室141上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は炉口ゲートバルブ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
図1に模式的に示されているように、ロードロック室141には、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ115が設置されている。ボートエレベータ115に連結された連結具としての図示しないアームには蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウェハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
次に、本発明の実施例における処理装置の動作について説明する。
図1に示されているように、カセット110がカセットステージ114に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。その後、カセット110はカセット搬入搬出口112から搬入され、カセットステージ114の上にウェハ200が垂直姿勢であって、カセット110のウェハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセットステージ114から救い上げられるとともに、カセット110内のウェハ200が水平姿勢となり、カセット110のウェハ出し入れ口が筐体後方を向けるように、筐体後方に向かって縦方向に90°回転させられる。引き続いて、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105ないしバッファ棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット搬送装置118によってカセット棚105に移載されるか、もしくは直接カセット棚105に搬送される。
スライドステージ106はカセット棚105を水平移動させ、移載の対象となるカセット110をウェハ移載装置125aに対峙する様に位置決めする。
予め内部が大気圧状態とされていたロードロック室141のウェハ搬入搬出口142がゲートバルブ143の動作により開放されると、ウェハ200はカセット110からウェハ移載装置125aのツイーザ125cによってウェハ出し入れ口を通じてピックアップされる。続いてウェハ移載装置125aにより、ボート217上にウェハ200が載置される。ウェハ移載装置125aはカセット110に戻り、次のウェハ200をボート217上に装填する。
予め指定された枚数のウェハ200がボート217に装填されると、ウェハ搬入搬出口142がゲートバルブ143によって閉じられ、ロードロック室141は排気管から真空引きされることにより、減圧される。ロードロック室141が処理炉202内の圧力と同圧に減圧されると、処理炉202の下端部が炉口ゲートバルブ147によって開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されて、シールキャップ219に支持されたボート217が処理炉202内へ搬入(ローディング)されて行く。
ローディング後は、処理炉202にてウェハ200に後述の処理が実施される。処理後は、ボートエレベータ115によりボート217が引き出され更に、ロードロック室140内部を大気圧に復圧させた後にゲートバルブ143が開かれる。その後は、概上述の逆の手順で、ウェハ200およびカセット110は筐体111の外部へ払出される。
次に、本発明の実施例における基板処理装置の処理炉周辺の概略構成について説明する。図2は本発明の実施例で用いられる基板処理装置の処理炉202及び処理炉周辺の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
図2において、待機室としてのロードロック室140の外面に下基板245が設けられる。下基板245には、昇降台249と嵌合するガイドシャフト264及び昇降台249と螺合するボール螺子244が設けられる。下基板245に立設したガイドシャフト264及びボール螺子244の上端に上基板247が設けられる。ボール螺子244は上基板247に設けられた昇降モータ248により回転される。ボール螺子244が回転することにより昇降台249が昇降するように構成されている。
昇降台249には中空の昇降シャフト250が垂設され、昇降台249と昇降シャフト250の連結部は気密となっている。昇降シャフト250は昇降台249と共に昇降するようになっている。昇降シャフト250はロードロック室140の天板251を遊貫する。昇降シャフト250が貫通する天板251の貫通穴は昇降シャフト250に対して接触することがない様充分な余裕がある。ロードロック室140と昇降台249との間には昇降シャフト250の周囲を覆うように伸縮性を有する中空伸縮体としてのベローズ265がロードロック室140を気密に保つために設けられる。ベローズ265は昇降台249の昇降量に対応できる充分な伸縮量を有し、ベローズ265の内径は昇降シャフト250の外形に比べ充分に大きく、ベローズ265の伸縮で接触することがないように構成されている。
昇降シャフト250の下端には昇降基板252が水平に固着される。昇降基板252の下面にはOリング等のシール部材を介して駆動部カバー253が気密に取付けられる。昇降基板252と駆動部カバー253とで駆動部収納ケース256が構成されている。この構成により、駆動部収納ケース256内部はロードロック室140内の雰囲気と隔離される。
また、駆動部収納ケース256の内部にはボート217の回転機構254が設けられ、回転機構254の周辺は、冷却機構257により、冷却される。
電力供給ケーブル258が昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通って回転機構254に導かれて接続されている。又、冷却機構257、シールキャップ219には冷却流路259が形成されており、冷却流路259には冷却水を供給する冷却水配管260が接続され、昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通っている。
昇降モータ248が駆動され、ボール螺子244が回転することで昇降台249及び昇降シャフト250を介して駆動部収納ケース256を昇降させる。
駆動部収納ケース256が上昇することにより、昇降基板252に気密に設けられるシールキャップ219が処理炉202の開口部である炉口161を閉塞し、ウェハ処理が可能な状態となる。駆動部収納ケース256が下降することにより、シールキャップ219とともにボート217が降下され、ウェハ200を外部に搬出できる状態となる。
次に、本発明の実施例における基板処理装置の処理炉について、図2と図3を用いて説明する。図3は本発明の実施例で用いられる基板処理装置の処理炉202の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
図2に示されるように、処理炉202は、ウェハ200を加熱する加熱手段としての円筒形のヒータ206と、アウターチューブ205と、インナーチューブ204と、マニホールド209と、ガス供給管311、312と、ガス排気管231と、マニホールド209の下端部を蓋し処理室201を密閉するシールキャップ219と、ボート217等を備える。アウターチューブ205、マニホールド209およびシールキャップ219等により処理室201を構成している。
ヒータ206の内側には、ヒータ206と同心円状に反応容器を構成する反応管としてのアウターチューブ205が設けられている。アウターチューブ205は、耐熱材料としての石英(SiO)材で構成されており、上端が閉塞し下端が開口した外形が円筒状に形成されている。アウターチューブ205の内側には、インナーチューブ204が設けられている。
インナーチューブ204は、耐熱材料としての石英(SiO)材で構成されており、上端と下端が開口するとともに、外形が円筒状に形成されている。インナーチューブ204の内側には、処理室201が形成されている。処理室201には、基板としてのウェハ200を複数、水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で搭載したボート217が収容されている。
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えば、石英(SiO2)若しくはステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。このマニホールド209は、アウターチューブ205とインナーチューブ204を支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリング309aが設けられている。このマニホールド209がロードロック室140の天板251に、Oリング309bを介して支持されることにより、アウターチューブ205は垂直に据え付けられた状態となっている。
マニホールド209の外側壁には、ガス供給管311a〜311e、ガス供給管312a〜312eと、ガス排気管231が設けられている。ガス供給管311a〜311eを総称してガス供給管311と呼び、ガス供給管312a〜312eを総称してガス供給管312と呼ぶ。本例では、ガス供給管311とガス供給管312を、それぞれ5本設けたが、それぞれ1本とすることもできる。
ガス供給管311と312は、インナーチューブ204の内側の空間に連通するよう設けられている。ガス排気管231は、アウターチューブ205とインナーチューブ204の間の空間に連通するよう設けられている。したがって、ガス供給管311、312から供給されたガスは、インナーチューブ204の内側の空間に入り、インナーチューブ204内を上昇し、インナーチューブ204上端の開口から折り返して、アウターチューブ205とインナーチューブ204の間の空間を下降し、ガス排気管231に抜けるようになっている。
ガス供給管311a〜311eには、それぞれ、ガスノズル301a〜301eが連通し、ガス供給管312a〜312eには、それぞれ、ガスノズル302a〜302eが連通している。ガスノズル301a〜301eを総称してガスノズル301と呼び、ガスノズル302a〜302eを総称してガスノズル302と呼ぶ。ガスノズル301とガスノズル302は、インナーチューブ204の内側の空間に、鉛直方向に立設されている。ガスノズル301とガスノズル302の本数は、ガス供給管311とガス供給管312の本数に対応させている。ガスノズル301と302には、本例ではその先端に、ガス供給孔が設けられている。あるいは、ガスノズル301と302の側壁に、ガス供給孔を複数設けるようにしてもよい。
ガス供給管311a〜311eは、それぞれ上流側で、ガス供給管351a〜351eとガス供給管352a〜352eの2つに分かれている。ガス供給管351a〜351eには、それぞれ上流から順に、シリコン含有ガスであるモノシランガス(SiH4)供給源321a〜321e、ガス流量制御装置としてのMFC331a〜331e、開閉バルブ341a〜341eが接続されている。ガス供給管352a〜352eには、それぞれ上流から順に、不活性ガスである窒素ガス(N)供給源322a〜322e、MFC332a〜332e、開閉バルブ342a〜342eが接続されている。
ガス供給管351a〜351eを総称してガス供給管351と呼び、ガス供給管352a〜352eを総称してガス供給管352と呼び、シリコン含有ガス供給源321a〜321eを総称してシリコン含有ガス供給源321と呼び、MFC331a〜331eを総称してMFC331と呼び、開閉バルブ341a〜341eを総称して開閉バルブ341と呼び、不活性ガス供給源322a〜322eを総称して不活性ガス供給源322と呼び、MFC332a〜332eを総称してMFC332と呼び、開閉バルブ342a〜342eを総称して開閉バルブ342と呼ぶ。
ガス供給管312a〜312eは、それぞれ上流側で、ガス供給管353a〜353eとガス供給管354a〜354eの2つに分かれている。ガス供給管353a〜353eには、それぞれ上流から順に、不純物含有ガスとしてのホウ素(ボロン)含有ガスである三塩化ホウ素ガス(BCl3)供給源323a〜323e、MFC333a〜333e、開閉バルブ343a〜343eが接続されている。ガス供給管354a〜354eには、それぞれ上流から順に、不活性ガスである窒素ガス(N)供給源324a〜324e、MFC334a〜334e、開閉バルブ344a〜344eが接続されている。
ガス供給管353a〜353eを総称してガス供給管353と呼び、ガス供給管354a〜354eを総称してガス供給管354と呼び、不純物含有ガス供給源323a〜323eを総称して不純物含有ガス供給源323と呼び、MFC333a〜333eを総称してMFC333と呼び、開閉バルブ343a〜343eを総称して開閉バルブ343と呼び、不活性ガス供給源324a〜324eを総称して不活性ガス供給源324と呼び、MFC334a〜334eを総称してMFC334と呼び、開閉バルブ344a〜344eを総称して開閉バルブ344と呼ぶ。
ガス供給管312、353、MFC333、バルブ343、不純物含有ガス供給源323、ノズル302等から、第1ガス供給部が構成される。ガス供給管311、351、MFC331、バルブ341、シリコン含有ガス供給源321、ノズル301等から、第2ガス供給部が構成される。
MFC331、332、333、334、及びバルブ341、342、343、344には、制御部240が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の流量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
ガス排気管231の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び圧力調整器としてのAPCバルブ242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されている。ガス排気管231、APCバルブ242、真空ポンプ246等から、ガス排気部が構成される。
圧力センサ及びAPCバルブ242には、制御部240が電気的に接続されており、制御部240は、圧力センサにより検出された圧力に基づいてAPCバルブ242の開度を調節することにより、処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞するための炉口蓋体としてシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属で構成されており、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、天板251の下端と当接するシール部材としてのOリング309cが設けられている。
シールキャップ219には、回転機構254が設けられている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して前記ボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウェハ200を回転させるように構成されている。
シールキャップ219は、処理炉202の外側に設けられた昇降機構としての昇降モータ248によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。
回転機構254及び昇降モータ248には、制御部240が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
図3に示すように、ボート217の下部には、例えば耐熱性材料としての石英(SiO2)で構成される円筒形状をした断熱部材としての断熱筒216が配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。なお、断熱筒216は、ボート217と別体として設けずに、ボート217と一体として設けても良いし、断熱筒216に代えて、ボート217における下方に複数枚の断熱板を設けるようにしてもよい。
この処理炉202の構成において、シリコン含有ガスは、シリコン含有ガス供給源321から供給され、MFC331でその流量が調節された後、バルブ341を介して、ガス供給管311を経て、処理室201内に導入される。このとき同時に、キャリアガスとして、不活性ガスである窒素ガスが、窒素ガス供給源322から供給され、MFC332でその流量が調節された後、バルブ342を介して、ガス供給管311を経て、処理室201内に導入される。
ホウ素含有ガスは、ホウ素含有ガス供給源323から供給され、MFC333でその流量が調節された後、バルブ343を介して、ガス供給管312を経て、処理室201内に導入される。このとき同時に、キャリアガスとして、不活性ガスである窒素ガスが、窒素ガス供給源324から供給され、MFC334でその流量が調節された後、バルブ344を介して、ガス供給管312を経て、処理室201内に導入される。
処理室201内のガスは、ガス排気管231を経て、真空ポンプ246に至り、排気される。
次に、本実施形態の基板処理装置において実施される半導体装置の製造工程の一工程である、基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、制御部240により制御される。
本実施形態の基板処理工程は、ウェハ搬入工程S1、ロードロック室パージ工程S2、ボートロード工程S3、酸化膜除去工程S4、不純物吸着工程S5、成膜工程S6、パージ工程S7、大気圧復帰工程S8、ボートアンロード工程S9、ウェハ搬出工程S10を有する。以下、本実施形態に係る基板処理工程を具体的に説明する。
(ウェハ搬入工程S1)
工場内搬送装置(図示略)によって複数のカセット110が基板処理装置101内に搬入されると、基板移載機構125はウェハ200をカセット110からボート217に装填(ウェハチャージング)する。ボート217にウェハ200を受け渡した基板移載機構125は、カセット110に戻り後続のウェハ200をボート217に装填する。ボート217内に装填されたウェハ200は、水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列され、多段に支持された状態となる。
(ロードロック室パージ工程S2)
予め指定された枚数のウェハ200がボート217に装填(ウェハチャージング)されると、ゲートバルブ143を閉じてロードロック室141を密閉した後、窒素ガス等の不活性ガスを給気しつつロードロック室141内を排気し、ロードロック室141内を不活性ガス雰囲気で置換し、ロードロック室141内の酸素や水分、及びウェハ200に付着した酸素や水分を除去(パージ)し、所定の濃度以下にする。
(ボートロード工程S3)
ロードロック室141のパージが終了すると、ボートエレベータ115を上昇動作させる。そうすると、ウェハ200群を保持したボート217がボートエレベータ115の上昇動作により処理炉202内に搬入(ボートローディング)され、マニホールド209の下端の開口がシールキャップ219によって閉塞され、ボートエレベータ115が停止する。
(酸化膜除去工程S4)
次に、制御部240が、APCバルブ242やヒータ206を制御し、処理室201内を所定の圧力(真空度)、温度に設定する。また、回転機構254の回転を開始させ、ボート217を回転、つまりウェハ200を回転する。
それから、ウェハ200表面の酸化物(金属酸化膜)を除去する。ガス供給管353のバルブ343を開き、ガス供給管312内にホウ素含有ガスとして例えば三塩化ホウ素(BCl)ガスを流す。このホウ素含有ガスは、MFC333により流量調整される。流量調整されたホウ素含有ガスは、ノズル302に入り、ノズル302の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給され、インナーチューブ204内を上昇して、インナーチューブ204とアウターチューブ205の間の空間を下降して通過し、ガス排気管231から排気される。
このとき、並行してガス供給管354のバルブ344を開き、ガス供給管312内に、キャリアガスとして窒素ガスを流す。この窒素ガスは、MFC334により流量調整される。流量調整された窒素ガスは、ノズル302に入り、ホウ素含有ガスと一緒にノズル302の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給され、インナーチューブ204内を上昇して、インナーチューブ204とアウターチューブ205の間の空間を下降して通過し、ガス排気管231から排気される。
このとき、APCバルブ242やヒータ206を適正に調整して、処理室201内圧力を例えば0.1Torr〜100Torrの範囲内、処理室201内温度を250〜500℃に設定する。ガス供給管353のMFC333を適正に調整して、ホウ素含有ガスの流量を、例えば10〜1000sccmの範囲内に設定する。ガス供給管354のMFC334を適正に調整して、窒素ガス等のキャリアガスの流量を、例えば10〜1000sccmの範囲に設定する。この状態で、5秒〜120分、酸化膜除去を行う。
以上の酸化膜除去工程を、本例では、三塩化ホウ素ガスの流量を300sccm、窒素ガスの流量を100sccm、処理室201内の温度を350℃、圧力を約1Torrとして、30分間実施した。
以上の酸化膜除去工程により、ウェハ200上の金属酸化物(MOx)の酸素成分と、ホウ素含有ガスのホウ素成分とが反応し、例えばHBOなどの化合物として除去される。本態様の酸化膜除去工程によれば、成膜前にホウ素を用い前処理をおこなうことでメタル上の酸化物を除去することができる。また、塩素などを直接メタルに反応させ、塩化物として除去する方法とは異なり、ホウ素含有ガスはメタルには反応しないので、メタル上の金属酸化物が除去された段階で、自動的にエッチングをストップ(セルフエッチストップ)することができる。
(不純物吸着工程S5)
続いて、所定時間、ガス供給管312からノズル302を介してインナーチューブ204内へ、ホウ素含有ガスとして例えば三塩化ホウ素(BCl)ガスを流す。並行して、ノズル302を介してインナーチューブ204内へ、キャリアガスとして窒素ガスを流す。これらのガスは、ガス排気管231から排気される。
不純物吸着工程における、三塩化ホウ素ガスの流量、窒素ガスの流量、処理室201内温度、圧力等のプロセス条件は、酸化膜除去工程の条件と同じにすることができる。
以上の不純物吸着工程を、本例では、三塩化ホウ素ガスの流量を300sccm、窒素ガスの流量を100sccm、処理室201内温度を350℃、処理室圧力を約1Torrとして、30分間実施した。
不純物吸着工程により、ウェハ200上に、図6(a)に示した従来のシリコン核42よりも高密度に、ホウ素核を吸着することができ、後述の成膜工程において、より平坦なシリコン膜を形成することができる。
図4は、本発明の実施例におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。図4(a)において、窒化チタン(TiN)膜41の表面上に、例えばBClガスが供給され、ホウ素核44が高密度に付着する。その後、次の成膜工程においてSiHガスが供給されると、図4(b)に示すように、ホウ素核44の周囲にシリコン膜43が成長する。ホウ素核44間の隙間が小さいため、シリコン膜43の表面は平坦に形成される。
(成膜工程S6)
次に、制御部240が、APCバルブ242やヒータ206を制御し、処理室201内を所定の圧力(真空度)、温度に設定して、不純物の添加されたシリコン膜であるドープトシリコン膜をウェハ200に成膜する。
まず、ガス供給管351のバルブ341を開き、ガス供給管311内にシリコン含有ガスを流す。このシリコン含有ガスは、MFC331により流量調整される。流量調整されたシリコン含有ガスは、ノズル301に入り、ノズル301の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給され、インナーチューブ204内を上昇して、インナーチューブ204とアウターチューブ205の間の空間を下降して通過し、ガス排気管231から排気される。
並行して、ガス供給管352のバルブ342を開き、ガス供給管311内に、シリコン含有ガスのキャリアガスとして窒素ガスを流す。この窒素ガスは、MFC332により流量調整される。流量調整された窒素ガスは、ノズル301に入り、シリコン含有ガスと一緒にノズル301の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給され、インナーチューブ204内を上昇して、インナーチューブ204とアウターチューブ205の間の空間を下降して通過し、ガス排気管231から排気される。
また、シリコン含有ガスの供給と並行して、ガス供給管353のバルブ343を開き、ガス供給管312内にホウ素含有ガスを流す。このホウ素含有ガスは、MFC333により流量調整される。流量調整されたホウ素含有ガスは、ノズル302に入り、ノズル302の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給される。
このとき並行して、ガス供給管354のバルブ344を開き、ガス供給管312内に、ホウ素含有ガスのキャリアガスとして窒素ガスを流す。この窒素ガスは、MFC334により流量調整される。流量調整された窒素ガスは、ノズル302に入り、ホウ素含有ガスと一緒にノズル302の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給される。
シリコン含有ガスとホウ素含有ガスにより、ウェハ200表面に、ドープトシリコン膜が形成される。
成膜工程においては、APCバルブ242やヒータ206を適正に調整して、処理室201内圧力を例えば0.1〜100Torrの範囲内、処理室201内温度を250〜500℃に設定するに設定する。ガス供給管351のMFC331を適正に調整して、シリコン含有ガスの流量を、例えば10〜2000sccmの範囲内に設定する。ガス供給管352のMFC332を適正に調整して、窒素ガス等のキャリアガスの流量を、例えば10〜1000sccmの範囲に設定する。
以上の成膜工程を、本例では、モノシランガスの流量を400sccm、三塩化ホウ素ガスの流量を20sccm、窒素ガスの流量を100sccm、処理室201内の温度を350℃、圧力を約1Torrとして、30分間実施した。
上述したように、不純物吸着工程において、ウェハ200上の金属膜表面に、不純物の核として例えばホウ素核やリン核を形成しているので、このホウ素やリンは、膜表面上に吸着、残留し、Si―B、Si―Pの結合により、成膜工程におけるシリコン膜形成を促進させる。したがって、均一なシリコン膜を形成することができる。
なお、本実施例では、成膜工程において、シリコン含有ガスとホウ素含有ガスを並行して供給したが、シリコン含有ガスとホウ素含有ガスを交互に供給することもできる。これにより、ホウ素核やリン核が何度も基板表面に均一に生成されるため、面内のシリコン膜の均一性が向上する。
(パージ工程S7、大気圧復帰工程S8)
次に、ガス供給管351のバルブ341を閉じ、処理室201内へのシリコン含有ガスの供給を停止するとともに、ガス供給管353のバルブ343を閉じ、処理室201内へのホウ素含有ガスの供給を停止する。一方、ガス供給管352のバルブ342とガス供給管354のバルブ344は開いた状態を継続し、処理室201内へ不活性ガスとしての窒素ガスを流し続ける。窒素ガスは、ノズル301や302の先端部からインナーチューブ204の内側の空間へ供給され、インナーチューブ204とアウターチューブ205の間の空間を下降して通過し、ガス排気管231から排気される。処理室201内に窒素ガスを流すことで、成膜工程S6完了後にウェハ200表面や処理室201内に残留している、シリコン含有ガスやホウ素含有ガス、あるいは反応生成物等を窒素ガスとともにガス排気管231から排出する。このようにして、処理室201内をパージして、処理室201内の雰囲気を不活性ガスで置換する(パージ工程S7)。
以上のパージ工程を、本例では、窒素ガスの流量を1400sccm、処理室201内温度を350℃、処理室圧力を約1Torrとして、10分間実施した。
処理室201内のパージが完了すると、ガス排気管231のAPCバルブ242の開度を調整しつつ処理室201内に不活性ガスを供給し、処理室201内の圧力を大気圧に復帰させる(大気圧復帰工程S8)。なお、上述のパージ工程S7、大気圧復帰工程S8では、ノズル301とノズル302を用いて処理室201内に不活性ガスを供給する例について説明したが、少なくとも一方のノズルから不活性ガスを供給するようにすればよい。
(ボートアンロード工程S9、ウェハ搬出工程S10)
その後、回転機構254を停止させてウェハ200の回転を停止し、ボートエレベータ115を下降動作させシールキャップ219を下降させることでマニホールド209の下端を開口し、ボート217をマニホールド209の下方へ下降させて処理室201から搬出する(ボートアンロード工程S9)。続いて、ボート217に装填した状態のまま、ウェハ200が冷却されるまで待機する期間を設ける。ウェハ200が冷却されると、基板移載機構125により処理済みのウェハ200をボート217から取り出し、ウェハカセット110に移載する(ウェハ搬出工程S10)。処理済ウェハ200が載置されたカセット110は、工場内搬送装置(図示略)によって基板処理装置101から取り出される。以上の工程(S1〜S10)により、本実施形態に係る基板処理工程が行われる。
なお、上述の実施例では、酸化膜除去工程S4と成膜工程S6の間で、不純物吸着工程S5を実施したが、要求される膜質に応じて、不純物吸着工程S5を省略することもできる。
図5は、本発明の他の実施例におけるシリコン膜の成長を示す模式図である。成膜工程において、図5(a)に示すように、窒化チタン(TiN)膜41の表面上に、例えばSiHガスとBClガスが供給され、シリコン核42とホウ素核44が付着する。図4(a)に示した上記実施例のホウ素核44の密度には及ばないが、図6(a)に示した従来のシリコン核42よりも高密度に、シリコン核42とホウ素核44を吸着することができる。その後、図5(b)に示すように、シリコン核42とホウ素核44の周囲にシリコン膜43が成長する。このシリコン膜43の表面は、シリコン核42やホウ素核44の間の隙間が小さいため、図6(c)に示した従来のシリコン膜43よりも平坦に形成される。
また、上述の実施例では、酸化膜除去工程S4と成膜工程S6の間で不純物吸着工程S5を実施したが、酸化膜除去工程S4で酸化物を除去したのち、不純物吸着工程S5の代わりに、水素ガス(H)やシリコン含有ガスを供給することにより、酸化膜除去工程S4でウェハ200の表面に残留した残留塩素やホウ素を除去することができる。これにより、金属膜表面を清浄化し、均一な表面条件での成膜が可能となる。その結果、均一な膜成長を実現できる。
このとき例えば、水素ガスの流量を1000sccm、シリコン含有ガスの流量を100sccm、処理室201内温度を400℃、処理室圧力を0.1Torrとして、30分間実施する。
また、酸化膜除去工程S4で酸化物を除去したのち、不純物吸着工程S5において、先に水素ガス(H)やシリコン含有ガスを供給した後、ホウ素含有ガス又はリン含有ガスを供給することにより、酸化膜除去工程S4でウェハ200の表面に残留した残留塩素やホウ素を除去した後、ウェハ200の表面に高密度にホウ素核やリン核を吸着することができ、平坦なシリコン膜を形成することができる。
また、酸化膜除去工程S4で酸化物を除去したのち、不純物吸着工程S5において、水素ガス(H)やシリコン含有ガスと、ホウ素含有ガス又はリン含有ガスとを交互に供給することにより、酸化膜除去工程S4でウェハ200の表面に残留した残留塩素やホウ素を除去し、ウェハ200の表面に高密度にホウ素核やリン核を吸着することができ、平坦なシリコン膜を形成することができる。
以上の実施例によれば、次の(1)〜(3)の効果のうち、少なくとも1つを奏する。
(1)酸化膜除去工程においてホウ素含有ガスによりウェハ表面金属酸化膜を除去した後、成膜工程において、ホウ素含有ガスとシリコン含有ガスにより平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を安定して得ることができる。
(2)酸化膜除去工程においてホウ素含有ガスによりウェハ表面金属酸化膜を除去した後、不純物吸着工程においてウェハ200上に高密度にホウ素核を吸着することにより、成膜工程において、より平坦な不純物ドープトシリコン膜を形成することができる。
(3)成膜工程において、シリコン含有ガスとホウ素含有ガスを交互に供給することにより、ホウ素核やリン核が何度も基板表面に均一に生成されるため、面内のシリコン膜の均一性が向上する。
以上、本発明を実施例に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例にて説明した半導体膜の形成条件は一例に過ぎず、適宜変更することができる。例えば、ドープトシリコン膜を形成する場合、シリコン含有ガスとして、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)等を用いることができ、また、ドーピングガスとして、ジボラン(B)、テトラボラン(B10)、ホスフィン(PH)等を用いることができ、パージ用の不活性ガスとして水素ガスや塩素ガス等を用いることができる。
また、待機室には、上述の形態では真空置換可能なロードロック室を適用した例にて説明したが、基板への自然酸化膜の付着等がさほど問題とならない処理を行う場合には、真空置換可能なロードロック室に代えて、窒素ガス雰囲気やクリーンエア雰囲気で構成される真空置換しないで清浄化するように構成してもよい。また、その場合、耐圧筐体とせずに単に筐体としても良い。
本発明は、少なくとも以下のような側面から捉えることができる。
本発明の第1の側面は、
金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を処理室内へ搬入する工程と、
前記基板を収容した処理室内へ不純物含有ガスを供給し、前記金属酸化膜を除去する酸化膜除去工程と、
前記処理室内に前記不純物含有ガスおよびシリコン含有ガスを供給し、前記金属膜上に不純物が添加されたシリコン含有膜を形成するシリコン含有膜形成工程と、
前記シリコン含有膜が形成された基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
この構成によれば、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の第2の側面は、前記第1の側面における半導体装置の製造方法であって、
前記不純物含有ガスはホウ素含有ガスであり、前記金属膜上に形成されるシリコン含有膜はホウ素が添加されたシリコン含有膜である半導体装置の製造方法。
この構成によれば、ホウ素含有ガスを用いて、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の第3の側面は、前記第1の側面又は第2の側面における半導体装置の製造方法であって、
前記酸化膜除去工程と前記シリコン含有膜形成工程の間に、前記不純物を前記基板上に吸着する不純物吸着工程を有する半導体装置の製造方法。
この構成によれば、平坦度や膜厚均一性がさらに向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の第4の側面は、
金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を収容する処理室と、
前記処理室へ不純物含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
前記処理室へシリコン含有ガスを供給する第2ガス供給部と、
前記処理室からガスを排気するガス排気部と、
前記基板を収容した処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給して前記金属酸化膜を除去し、その後、前記処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給しつつ、前記第2ガス供給部からシリコン含有ガスを供給して不純物が添加されたシリコン含有膜を前記金属膜上に形成するよう制御する制御部と、を有する基板処理装置。
この構成によれば、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の第5の側面は、前記第4の側面における基板処理装置であって、
前記第1ガス供給部から供給される不純物含有ガスはホウ素含有ガスであり、前記金属膜上に形成されるシリコン含有膜はホウ素が添加されたシリコン含有膜である基板処理装置。
この構成によれば、ホウ素含有ガスを用いて、平坦度や膜厚均一性が向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
本発明の第6の側面は、前記第4の側面又は第5の側面における基板処理装置であって、
前記制御部は、前記基板を収容した処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給して前記金属酸化膜を除去し、その後、前記不純物を前記基板上に吸着させ、その後、前記基板を収容した処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給しつつ、前記第2ガス供給部からシリコン含有ガスを供給して不純物が添加されたシリコン含有膜を前記金属膜上に形成するよう制御する制御部である基板処理装置。
この構成によれば、平坦度や膜厚均一性がさらに向上した不純物ドープトシリコン膜を成膜することができる。
41…金属膜、42…シリコン核、43…シリコン膜、44…ホウ素核、101…基板処理装置、110…基板収容器(カセット)、111…筐体、115…ボートエレベータ、118…カセット搬送装置、125…基板移載機構、140…耐圧筐体、141…ロードロック室、142…ウェハ搬入搬出口、143…ゲートバルブ、144…ガス供給管、200…ウェハ、201…処理室、202…熱処理炉、204…インナーチューブ、205…アウターチューブ、206…ヒータ、219…シールキャップ、231…ガス排気管、217…ボート、240…制御部、242…APCバルブ、246…真空ポンプ、254…回転機構、301…ガスノズル、302…ガスノズル、311…ガス供給管、312…ガス供給管、321…シリコン含有ガス供給源、322…キャリアガス供給源、323…不純物含有ガス供給源、324…キャリアガス供給源、325…不活性ガス供給源、331〜334…MFC、341〜344…バルブ、351〜354…ガス供給管。

Claims (2)

  1. 金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を処理室内へ搬入する工程と、
    前記基板を収容した処理室内へ不純物含有ガスを供給し、前記金属酸化膜を除去する酸化膜除去工程と、
    前記処理室内に前記不純物含有ガスおよびシリコン含有ガスを供給し、前記金属膜上に不純物が添加されたシリコン含有膜を形成するシリコン含有膜形成工程と、
    前記シリコン含有膜が形成された基板を処理室内から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
  2. 金属膜と該金属膜の表面の少なくとも一部に金属酸化膜が形成された基板を収容する処理室と、
    前記処理室へ不純物含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
    前記処理室へシリコン含有ガスを供給する第2ガス供給部と、
    前記処理室からガスを排気するガス排気部と、
    前記基板を収容した処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給して前記金属酸化膜を除去し、その後、前記処理室内へ前記第1ガス供給部から不純物含有ガスを供給しつつ、前記第2ガス供給部からシリコン含有ガスを供給して不純物が添加されたシリコン含有膜を前記金属膜上に形成するよう制御する制御部と、を有する基板処理装置。
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