JP2009088305A - 半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下地(N+)へのエッチングを防ぎ、且つ比較的速い成膜レートで成膜することができる半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板を処理室内に搬入する第一のステップと、第一の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスを供給する第二のステップと、前記第一の温度から第二の温度へ変更する第三のステップと、第一の温度と異なる温度である前記第二の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第二のシラン系ガスと第二のエッチングガスを供給する第四のステップとを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】 シリコン基板を処理室内に搬入する第一のステップと、第一の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスを供給する第二のステップと、前記第一の温度から第二の温度へ変更する第三のステップと、第一の温度と異なる温度である前記第二の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第二のシラン系ガスと第二のエッチングガスを供給する第四のステップとを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、基板表面への成膜において、第一層目と第二層目で異なる成膜ガス及びエッチングガスを使用することにより下地(N+)へのエッチングを防ぎ、且つ比較的高い成膜レートで成膜することができる半導体デバイスの製造方法に関するものである。
半導体デバイスの製造において、シリコン基板上にシリコンやシリコンゲルマニウム等の膜を成長させる場合、従来は成膜ガスとしてSiH4を用いて、エッチングガスとしてSiH4と相性が良いCl2を用いるプロセスが知られている。また、成膜ガスとしてSiH2Cl2を用いてHClをエッチングガスとして用いるプロセスが知られている。SiH4とSiH2Cl2を成膜ガスとして比較するとSiH4による成膜はSiH2Cl2による成膜よりも成膜レートが高く、さらに成膜温度が低くできることで熱ダメージを低減することができるという利点がある。
しかしながら、Cl2をエッチングガスとして用いると基板の下地(N+)までエッチングされてしまうという問題がある。また、下地へのエッチングを避けてHClをエッチングガスとして用いるプロセスにおいてはガスの相性の問題から成膜ガスとしてSiH2Cl2を用いる必要があり、Cl2をエッチングガスとして用いるプロセスにおいてはHClをエッチングガスとして用いるプロセスと同様にガスの相性の問題からSiH4を成膜ガスとして用いる必要があり、SiH2Cl2による成膜処理はSiH4による成膜処理に比べて成膜レートが低いという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、下地(N+)へのエッチングを防ぎ、且つ比較的高い成膜レートで成膜することができる半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、シリコン基板を処理室内に搬入する第一のステップと、第一の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスを供給する第二のステップと、前記第一の温度から第二の温度へ変更する第三のステップと、前記第二の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第二のシラン系ガスと第二のエッチングガスを供給する第四のステップとを有し、前記第一の温度と前記第二の温度は異なることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、前記第三のステップにおいて、前記第二のステップで用いた第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスのうち少なくとも前記第一のシラン系ガスを供給し続けることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法において、前記第一の温度は、前記第二の温度よりも高いことを特徴とする。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法において、第一のシラン系ガスはSiH2Cl2であり、第一のエッチングガスはHClであり、第二のシラン系ガスはSiH4であり、第二のエッチングガスはCl2であることを特徴とする。
また、本発明に係る基板処理装置は、シリコン基板を収容する処理室と、前記シリコン基板を加熱する加熱手段と、前記処理室内へシラン系ガス及びエッチングガスを供給する複数のガス供給手段と、前記処理室内の雰囲気を排気する排気手段と、前記各手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は第一のステップでは第一のガス供給手段により第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスを供給し、第二のステップでは第二のガス供給手段により第二のシラン系ガスと第二のエッチングガスを供給するように制御し、前記第一のステップでは第一の温度で前記シリコン基板を加熱し、前記第二のステップでは第二の温度で前記シリコン基板を加熱するように前記加熱手段を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る基板処理装置は、前記シリコン基板を加熱する温度を前記第一の温度から前記第二の温度へ変更する間は、少なくとも前記第一のシラン系ガスを供給するように前記第一のガス供給手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、下地(N+)へのエッチングを防ぎ、且つ比較的高い成膜レートで成膜することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施形態について詳細に説明する。
実施の形態1.
本実施の形態において、基板処理装置は一例として半導体デバイス製造方法における処理工程を実施する半導体デバイス製造装置として構成されている。図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の斜透視図である。尚、以下の説明において、基板に酸化、拡散処理やCVD処理等を行う縦型の基板処理装置を適用した場合について述べる。また、説明に用いる方向は図1に矢印で示す方向を基準とする。
本実施の形態において、基板処理装置は一例として半導体デバイス製造方法における処理工程を実施する半導体デバイス製造装置として構成されている。図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の斜透視図である。尚、以下の説明において、基板に酸化、拡散処理やCVD処理等を行う縦型の基板処理装置を適用した場合について述べる。また、説明に用いる方向は図1に矢印で示す方向を基準とする。
図1に示すように、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したウエハキャリアとしてのカセット110が使用されている半導体デバイス製造装置101は筐体111を備えている。
カセット110はカセットステージ114上に図示しない工程内搬送装置によって搬入され、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。カセットステージ114は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置され、カセット110を筐体後方に右回り縦方向90°回転し、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央部には、カセット棚105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105にはカセット110が収納される移載棚123が設けられている。また、カセットステージ114の上方には予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ118aと搬送機構としてのカセット搬送機構118bとで構成されており、カセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構125が設置されており、ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置125aおよびウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ125bとツイーザ125cで構成されている。ウエハ移載装置エレベータ125bは、耐圧筐体111の右側端部に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cをウエハ200の載置部として、ボート130に対してウエハ200を装填および脱装するように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ147により開閉されるように構成されている。処理炉202の下方にはボート130を処理炉202に昇降させる昇降機構としてのボートエレベータ115が設けられ、ボートエレベータ115の昇降台に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート130を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。ボート130は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
カセット棚105の上方には、清浄化された空気であるクリーンエアを供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134aが設けられておりクリーンエアを前記筐体111の内部に流通させるように構成されている。また、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびボートエレベータ115側と反対側である筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう供給ファンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134bが設置されており、クリーンユニット134bから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート130を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるようになっている。
次に、本発明の実施形態に係る基板処理装置の動作について説明する。
まず、カセット110が図示しないカセット搬入搬出口から搬入され、カセットステージ114の上にウエハ200が垂直姿勢であって、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向けるように、筐体後方に右周り縦方向90°回転させられる。
次に、カセット110は、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へカセット搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107からカセット搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、もしくは直接移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ボート130に装填される。ボート130にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはカセット110に戻り、次のウエハ200をボート130に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート130に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって、開放される。続いて、ウエハ200群を保持したボート130はシールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入されて行く。
搬入後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。
処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット110は筐体111の外部へ払出される。
処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット110は筐体111の外部へ払出される。
次に基板処理装置の処理炉202の構成について説明する。図2は本発明の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉及び処理炉周辺の概略構成図であり、縦断面図として示されている。
図2に示されるように、処理炉202は加熱機構としてのヒータ206を有する。ヒータ206は円筒形状であり、ヒータ素線とその周囲に設けられた断熱部材より構成され、図示しない保持体に支持されることにより垂直に据え付けられている。
ヒータ206の内側には、ヒータ206と同心円状に反応管としてのアウターチューブ205が配設されている。アウターチューブ205は、石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ205の内側の筒中空部には、処理室201が形成されており、基板としてのウエハ200を後述するボート130によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えば、ステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。このマニホールド209はアウターチューブ205を支持するように設けられている。尚、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリングが設けられている。このマニホールド209が図示しない保持体に支持されることにより、アウターチューブ205は垂直に据え付けられた状態となっている。このアウターチューブ205とマニホールド209により反応容器が形成される。
マニホールド209には、ガス排気管231が設けられると共に、ガス供給管232が貫通するよう設けられている。ガス供給管232は、上流側で5つに分かれており、バルブ175〜179とガス流量制御装置としてのMFC(Mass Flow Controller)185〜189を介して第1のガス供給源180、第2のガス供給源181、第3のガス供給源182、第4のガス供給源183、第5のガス供給源184にそれぞれ接続されている。MFC185〜189及びバルブ175〜179には、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の流量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。ガス排気管231の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び圧力調整器としてのAPCバルブ242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されている。圧力センサ及びAPCバルブ242には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は、圧力センサにより検出された圧力に基づいてAPCバルブ242の開度を調節することにより、処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞するための炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属よりなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリングが設けられている。シールキャップ219には、回転機構254が設けられている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して後述するボート130に接続されており、ボート130を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、処理炉202の外側に設けられた昇降機構としての後述する昇降モータ248によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート130を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。回転機構254及び昇降モータ248には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
基板保持具としてのボート130は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。尚、ボート130の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。
ヒータ206近傍には、処理室201内の温度を検出する温度検出体として、図示しない温度センサが設けられる。ヒータ206及び温度センサには、電気的に温度制御部238が接続されており、温度センサにより検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調節することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
この処理炉202の構成において、第1の処理ガスは、第1のガス供給源180から供給され、MFC185でその流量が調節された後、バルブ175を介して、ガス供給管232により処理室201内に導入される。第2の処理ガスは、第2のガス供給源181から供給され、MFC186でその流量が調節された後、バルブ176を介してガス供給管232により処理室201内に導入される。第3の処理ガスは、第3のガス供給源182から供給され、MFC187でその流量が調節された後、バルブ177を介してガス供給管232より処理室201内に導入される。第4の処理ガスは、第4のガス供給源183から供給され、MFC188でその流量が調節された後、バルブ178を介してガス供給管232より処理室201内に導入される。第5の処理ガスは、第5のガス供給源184から供給され、MFC189でその流量が調節された後、バルブ179を介してガス供給管232より処理室201内に導入される。また、処理室201内のガスは、ガス排気管231に接続された排気装置としての真空ポンプ246により、処理室201から排気される。
次に、本発明で用いる基板処理装置の処理炉周辺の構成について説明する。
図2に示されるように、予備室としてのロードロック室140の外面に下基板245が設けられる。下基板245には昇降台249と嵌合するガイドシャフト264及び昇降台249と螺合するボール螺子244が設けられる。下基板245に立設したガイドシャフト264及びボール螺子244の上端に上基板247が設けられる。ボール螺子244は上基板247に設けられた昇降モータ248により回転される。ボール螺子244が回転することにより昇降台249が昇降するように構成されている。
昇降台249には中空の昇降シャフト250が垂設され、昇降台249と昇降シャフト250の連結部は気密となっている。昇降シャフト250は昇降台249と共に昇降するようになっている。昇降シャフト250はロードロック室140の天板251を遊貫する。昇降シャフト250が貫通する天板251の貫通穴は昇降シャフト250に対して接触することがない様充分な余裕がある。ロードロック室140と昇降台249との間には昇降シャフト250の周囲を覆うように伸縮性を有する中空伸縮体としてのベローズ265がロードロック室140を気密に保つために設けられる。ベローズ265は昇降台249の昇降量に対応できる充分な伸縮量を有し、ベローズ265の内径は昇降シャフト250の外形に比べ充分に大きくベローズ265の伸縮で接触することがないように構成されている。
昇降シャフト250の下端には昇降基板252が水平に固着される。昇降基板252の下面にはOリング等のシール部材を介して駆動部カバー253が気密に取付けられる。昇降基板252と駆動部カバー253とで駆動部収納ケース256が構成されている。この構成により、駆動部収納ケース256内部はロードロック室140内の雰囲気と隔離される。
また、駆動部収納ケース256の内部にはボート130の回転機構254が設けられ、回転機構254の周辺は、冷却機構257により、冷却される。
電力供給ケーブル258が昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通って回転機構254に導かれて接続されている。又、冷却機構257、シールキャップ219には冷却流路259が形成されており、冷却流路259には冷却水を供給する冷却水配管260が接続され、昇降シャフト250の上端から昇降シャフト250の中空部を通っている。
昇降モータ248が駆動され、ボール螺子244が回転することで昇降台249及び昇降シャフト250を介して駆動部収納ケース256を昇降させる。
駆動部収納ケース256が上昇することにより、昇降基板252に気密に設けられるシールキャップ219が処理炉202の開口部である炉口161を閉塞し、ウエハ処理が可能な状態となる。駆動部収納ケース256が下降することにより、シールキャップ219とともにボート130が降下され、ウエハ200を外部に搬出できる状態となる。
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238は、操作部、入出力部をも構成し、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239は、コントローラ240として構成されている。
尚、本実施の形態において、ウエハ200はシリコン表面及び酸化膜等の絶縁膜を有する基板とする。
次に、上記構成に係る処理炉を用いた半導体デバイスの製造工程の一工程として、ウエハの単結晶シリコン表面上にのみ選択的にシリコン系のエピタキシャル膜を成長させる膜形成方法について、図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて説明する。図3は本実施の形態におけるエピタキシャル膜の成膜処理の動作を示すフローチャートであり、図4は処理炉のガス経路を示す図である。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ(制御手段)により制御される。また、シリコン表面上の膜は最初の500Å〜1000Åまで第一層目で成膜し、残りの膜厚は第二層目で成膜するものとする。
まず、複数枚のウエハ200がボート130に装填されると、複数枚のウエハ200(シリコン基板)を保持したボート130は、昇降モータ248による昇降台249及び昇降シャフト250の昇降動作により処理室201内に搬入される(S101、第一のステップ)。この状態で、シールキャップ219はOリングを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
次に、処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づき圧力調節器242がフィードバック制御される。また、処理室201内が第一層目の膜を成膜するのに適した所望の温度(第一の温度)となるようにヒータ206(加熱手段)により加熱される(S102、第二のステップ)。尚、処理室201内がヒータ206により加熱される際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート130が回転されることでウエハ200が回転される。
複数のガス供給手段である第1のガス供給源180、第2のガス供給源181、第3のガス供給源182、第4のガス供給源183、第5のガス供給源184には、それぞれ処理ガスとしてSiH2Cl2ガス、HClガス、H2ガス、SiH4ガス、Cl2ガスが封入されており、次いで、第1のガス供給源180から成膜ガスとしてSiH2Cl2ガス(第一のシラン系ガス)が供給され、第2のガス供給源181からエッチングガスとしてHClガス(第一のエッチングガス)が供給され、第3のガス供給源182からSiH2Cl2ガスに対する希釈ガスとしてH2ガスが供給される。それぞれのガスが所望の流量となるようにMFC185〜187の開度がそれぞれ調節された後、バルブ175〜177がそれぞれ開かれ、それぞれの処理ガスがガス供給管232を流通して、処理室201の上部から処理室201内に導入される。図4に示すように、導入されたガスは、処理室201内を通り、ガス排気管231(排気手段)から排気される。SiH2Cl2ガスは処理室201内を通過する際にウエハ200に接触してその表面を成膜し、HClガスはウエハ200の酸化シリコン上にSiH2Cl2ガスにより成膜された膜をエッチングし、その結果、ウエハ200の表面上に第一層目の膜として高温シリコン選択エピタキシャル膜が成膜される(S103、第二のステップ)。
予め設定された時間が経過すると、第1のガス供給源180及び第2のガス供給源181のバルブ175、176がそれぞれ閉められ、SiH2Cl2ガス及びHClガスの供給が停止され、H2ガスのみが供給されたまま処理室201内が第二層目の膜を成膜するのに適した所望の温度(第二の温度)となるようにヒータ206への通電具合がフィードバック制御される(S104、第三のステップ)。
そして、処理室201内が所望の温度分布となり温度が安定すると(S105)、H2ガスが供給されつつ第4のガス供給源183から成膜ガスとしてSiH4ガス(第二のシラン系ガス)が供給され、第5のガス供給源184からエッチングガス(第二のエッチングガス)としてCl2ガスが供給され、それぞれのガスが所望の流量となるようにMFC188、189の開度がそれぞれ調節された後、バルブ178、179がそれぞれ開かれ、それぞれの処理ガスがガス供給管232を流通して、処理室201の上部から処理室201内に導入される。SiH4ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200と接触してその表面を成膜し、Cl2ガスはウエハ200の酸化シリコン上にSiH4ガスにより成膜された膜をエッチングし、その結果、第二層目の膜として低温シリコン選択エピタキシャル膜が成膜される(S106、第四のステップ)。
予め設定された時間が経過すると、第4のガス供給源183及び第5のガス供給源184のバルブ178、179がそれぞれ閉められ、SiH4ガス及びCl2ガスの供給が停止され、処理室201内がH2ガスで置換されると共に、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(S107)。
その後、昇降モータ248によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されると共に、処理済ウエハ200がボート130に保持された状態でマニホールド209の下端からアウターチューブ205の外部に搬出される。その後、処理済のウエハ200は、ボート130より取出される(S108)。
尚、一例まで、本実施の形態の処理炉にてウエハ200を処理する際の処理条件としては、例えば、第一層目の膜である高温シリコン選択エピタキシャル膜の成膜時においては、処理温度700〜800℃、SiH2Cl2ガス流量1〜1000sccm、HClガス流量1〜1000sccm、H2ガス流量10〜50000sccm、処理圧力300pa以下が例示され、第一層目成膜時の温度から第二層目成膜時の温度への温度変更時においては、H2ガス流量10〜50000、処理圧力300pa以下が例示され、第二層目の膜である低温シリコン選択エピタキシャル膜の成膜時においては、処理温度500〜700℃、SiH4ガス流量1〜1000sccm、Cl2ガス流量1〜1000sccm、H2ガス流量10〜50000sccm、処理圧力300pa以下が例示され、それぞれの処理条件をそれぞれの範囲内のある値で一定に維持することでウエハ200に処理がなされる。
上述したように、第一層目のエッチングガスとして、下地(N+)への影響がないHClガスを使用し、第二層目の成膜ガスとして、成膜温度が低いためにウエハ200ヘの熱ダメージが少なく成膜レートが高いSiH4ガスを使用し、第一層目の成膜後に成膜することで、下地(N+)への影響なく高い成膜レートでウエハ200表面を成膜することができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、第一層目の成膜を終えた後に、SiH2Cl2ガス及びHClガスの供給を停止し、H2ガスのみを処理室201内に供給したが、H2ガスだけを供給すると基板の酸化膜から離脱した水分がシリコン選択エピタキシャル膜の界面に付着し、界面の酸素濃度が高くなるという問題がある。
実施の形態1においては、第一層目の成膜を終えた後に、SiH2Cl2ガス及びHClガスの供給を停止し、H2ガスのみを処理室201内に供給したが、H2ガスだけを供給すると基板の酸化膜から離脱した水分がシリコン選択エピタキシャル膜の界面に付着し、界面の酸素濃度が高くなるという問題がある。
そこで、本実施の形態においては、第一層目の成膜を終えた後であってもSiH2Cl2ガス及びHClガスの供給を第二層目の成膜まで停止せずに、処理室201内の温度が安定するまで供給し続ける。以下、本実施の形態におけるエピタキシャル膜形成処理の動作を示すフローチャートである図5を用いて動作を説明する。尚、本実施の形態を実行する装置の構成は実施の形態1を実行する装置と同様の構成とする。
まず、複数枚のウエハ200がボート130に装填されると、複数枚のウエハ200(シリコン基板)を保持したボート130は、昇降モータ248による昇降台249及び昇降シャフト250の昇降動作により処理室201内に搬入される(S201、第一のステップ)。この状態で、シールキャップ219はOリングを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
次に、処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づき圧力調節器242がフィードバック制御される。また、処理室201内が第一層目の膜を成膜するのに適した所望の温度(第一の温度)となるようにヒータ206(加熱手段)により加熱される(S202、第二のステップ)。尚、処理室201内がヒータ206により加熱される際、処理室201内が所望の温度分布となるように温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ206への通電具合がフィードバック制御される。続いて、回転機構254により、ボート130が回転されることでウエハ200が回転される。
次に、複数のガス供給手段である第1のガス供給源180、第2のガス供給源181、第3のガス供給源182、第4のガス供給源183、第5のガス供給源184には、それぞれ処理ガスとしてSiH2Cl2ガス、HClガス、H2ガス、SiH4ガス、Cl2ガスが封入されており、次いで、第1のガス供給源180から成膜ガスとしてSiH2Cl2ガス(第一のシラン系ガス)が供給され、第2のガス供給源181からエッチングガスとしてHClガス(第一のエッチングガス)が供給され、第3のガス供給源182からSiH2Cl2ガスに対する希釈ガスとしてH2ガスが供給される。それぞれのガスが所望の流量となるようにMFC185〜187の開度がそれぞれ調節された後、バルブ175〜177がそれぞれ開かれ、それぞれの処理ガスがガス供給管232を流通して、処理室201の上部から処理室201内に導入される。図4に示すように、導入されたガスは、処理室201内を通り、ガス排気管231(排気手段)から排気される。SiH2Cl2ガスは処理室201内を通過する際にウエハ200に接触してその表面を成膜し、HClガスはウエハ200の酸化シリコン上にSiH2Cl2ガスにより成膜された膜をエッチングし、その結果、ウエハ200の表面上に第一層目の膜として高温シリコン選択エピタキシャル膜が成膜される(S203、第二のステップ)。
予め設定された時間が経過しても、SiH2Cl2ガス、HClガス、H2ガスはそれぞれ供給され続け、処理室201内が第二層目の膜を成膜するのに適した所望の温度(第二の温度)となるようにヒータ206への通電具合がフィードバック制御される(S204、第三のステップ)。
そして、処理室201内が所望の温度分布となり温度が安定すると(S205)、第1のガス供給源180及び第2のガス供給源181のバルブ175、176がそれぞれ閉められ、SiH2Cl2ガス及びHClガスの供給が停止され、次いで、第4のガス供給源183から成膜ガスとしてSiH4ガス(第二のシラン系ガス)が供給され、第5のガス供給源184からエッチングガス(第二のエッチングガス)としてCl2ガスが供給され、それぞれのガスが所望の流量となるようにMFC188、189の開度がそれぞれ調節された後、バルブ178、19がそれぞれ開かれ、それぞれの処理ガスがガス供給管232を流通して、処理室201の上部から処理室201内に導入される。SiH4ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200と接触してその表面を成膜し、Cl2ガスはウエハ200の酸化シリコン上にSiH4ガスにより成膜された膜をエッチングし、その結果、第二層目の膜として低温シリコン選択エピタキシャル膜が成膜される(S206、第四のステップ)。
予め設定された時間が経過すると、第4のガス供給源183及び第5のガス供給源184のバルブ178、179がそれぞれ閉められ、SiH4ガス及びCl2ガスの供給が停止され、処理室201内がH2ガスで置換されると共に、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(S207)。
その後、昇降モータ248によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されると共に、処理済ウエハ200がボート130に保持された状態でマニホールド209の下端からアウターチューブ205の外部に搬出される。その後、処理済のウエハ200は、ボート130より取出される(S208)。
尚、一例まで、本実施の形態の処理炉にてウエハ200を処理する際の処理条件としては、例えば、第一層目の膜である高温シリコン選択エピタキシャル膜の成膜時においては、処理温度700〜800℃、SiH2Cl2ガス流量1〜1000sccm、HClガス流量1〜1000sccm、H2ガス流量10〜50000sccm、処理圧力300pa以下が例示され、第一層目成膜時の温度から第二層目成膜時の温度への温度変更時においては、SiH2Cl2ガス流量1〜1000sccm、HClガス流量1〜1000sccm、H2ガス流量10〜50000、処理圧力300pa以下が例示され、第二層目の膜である低温シリコン選択エピタキシャル膜の成膜時においては、処理温度500〜700℃、SiH4ガス流量1〜1000sccm、Cl2ガス流量1〜1000sccm、H2ガス流量10〜50000sccm、処理圧力300pa以下が例示され、それぞれの処理条件をそれぞれの範囲内のある値で一定に維持することでウエハ200に処理がなされる。
上述したように、第一層目の成膜後もSiH2Cl2ガス及びHClガスを供給し続けることによって、800℃ほどの高温でないと還元効果がないH2ガスに対して、800℃未満の低温であっても還元効果のあるSiH2Cl2ガスにより第一層目の成膜後に温度を下げている間であってもシリコン表面に付着した水分等の不純物を除去することができ、また、エッチングガスであるHClガスにより、選択性を維持することができる。
尚、処理するウエハにより結果は異なるが、界面SIMS(Secondary Ionization Mass Spectrometer)にて分析した結果、第一層目の成膜における温度から第二層目における温度への切替の際にH2だけを供給し続けた場合、界面酸素濃度ピーク値で2E19atoms/cm3を超える酸素濃度を検出したのに対し、H2と共にSi2Cl2ガス及びHClガスを供給し続けた場合は、界面酸素濃度ピーク値は1E19atoms/cm3以下に低減した。
また、上述した実施形態1及び実施形態2において、縦型CVD装置を用いてシリコン基板上にエピタキシャル膜を成膜する場合について説明したが、本発明は例えば横型や枚葉型の基板処理装置であっても実行可能であり、装置の型に依存しない。また、本発明はエピタキシャル膜の成膜処理に限らず、例えばポリシリコン膜の成膜処理であっても、基板表面に化学反応を用いて膜を堆積させる成膜処理全般において適用可能である。また、本発明はシリコン表面への成膜処理に限らずシリコンゲルマニウム表面への成膜処理においても適用可能である。
101 基板処理装置、175〜179 バルブ、180 第1のガス供給源、181 第2のガス供給源、182 第3のガス供給源、183 第4のガス供給源、184 第5のガス供給源、185〜189 MFC、201 処理室、202 処理炉、206 ヒータ、231 ガス排気管、235 ガス流量制御部、236 圧力制御部、237 駆動制御部、238 温度制御部、242 圧力調節器、246 真空排気装置。
Claims (1)
- シリコン基板を処理室内に搬入する第一のステップと、
第一の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第一のシラン系ガスと第一のエッチングガスを供給する第二のステップと、
前記第一の温度から第二の温度へ変更する第三のステップと、
前記第二の温度に前記シリコン基板を加熱しつつ、前記処理室内に少なくとも第二のシラン系ガスと第二のエッチングガスを供給する第四のステップとを有し、
前記第一の温度と前記第二の温度は異なることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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